(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805506
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】粒状物外観品位判別装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/85 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
G01N21/85 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-43752(P2016-43752)
(22)【出願日】2016年3月7日
(65)【公開番号】特開2017-161262(P2017-161262A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2019年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】内田 和也
【審査官】
小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−365222(JP,A)
【文献】
特開2015−001441(JP,A)
【文献】
特開2008−032525(JP,A)
【文献】
特開2007−285880(JP,A)
【文献】
特開2004−361333(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0258684(US,A1)
【文献】
特開2006−200945(JP,A)
【文献】
特開2005−007273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 − G01N 21/958
B07C 1/00 − B07C 99/00
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を撮像し撮像データを取得する撮像部と、
前記粒状物を前記撮像部に搬送する搬送部と、
前記撮像データに基づいて光学情報となる測定品位情報を粒単位で求めて粒画像を作成する一方、前記測定品位情報と品位を判別するためのあらかじめ定めたしきい値となる設定品位情報によって前記各粒状物の品位を判別する制御部と、
該制御部で判別した品位及び粒画像を表示する表示部と、
を備えた粒状物外観品位判別装置において、
前記制御部は、ユーザーによって粒状物の品位を整粒、青未熟粒、乳白粒、砕粒、胴割粒、および着色粒の中から一つが入力可能な品位入力部となる品位選択画面と、前記表示部に表示された粒画像からユーザーが任意の粒画像を選択可能な粒選択部とを備え、ユーザーによって前記品位入力部となる前記品位選択画面に整粒、青未熟粒、乳白粒、砕粒、胴割粒、および着色粒の中から一つの品位が入力され、かつ、前記粒選択部で粒画像が選択されると、当該選択された粒画像の品位を前記入力された品位に変更して前記表示部に表示する品位変更部を備え、
前記搬送部は、前記粒状物が1粒ずつ入る溝を周囲に複数設けた円板を有し、前記円板は、架台によって傾斜状に支持されたベース板上に配設され、その中心部に、前記架台に固着したモータの出力軸が軸着されて回転自在としてあり、前記溝は、底部を透明材料で構成するとともに周縁部分を開放部で構成し、前記ベース板上には、前記溝内の前記粒状物が前記開放部から放出されるのを防止するための堰部が、透明材料を用いて前記円板の周縁部に沿って構成してあり、
前記撮像部は、前記円板の傾斜上方位置に配設された第一光学検出部と第二光学検出部とから構成されており、
前記第一光学検出部は、前記溝の上方に設けられた集光レンズ、受光センサー、および照射部と、前記溝の側方に設けられた集光レンズ、および受光センサーと、前記溝の下方に設けられた照射部とを用いて構成され、これらの受光センサーは、前記粒状物の搬送方向と直交する方向を走査するように配設され、
前記第二光学検出部は、前記溝の下方に設けられた集光レンズ、受光センサー、および照射部と、前記溝の上方に設けられた照射部とを用いて構成され、前記受光センサーは、前記前記粒状物の搬送方向と直交する方向を走査するように配設されてなる粒状物外観品位判別装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部に判別品位及び粒画像を表示する際に、各品位の見本となる粒状物の基準画像を前記表示部に表示させる請求項1に記載の粒状物外観品位判別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類等の粒状物外観品位判別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、農業生産者から収穫後の籾や玄米等(以下、「原料米」という)を購入する農業協同組合等の購買者は、前記原料米から試料(サンプル)を採取し、各米粒の整粒、未熟粒又は着色粒等の品位を検査して、その各品位の混入率を求め、この混入率を参考に前記原料米の購入価格を決定している。
【0003】
そして、前記試料の検査を行う際に、前記購買者は、粒状物外観品位判別装置を活用している。この粒状物外観品位判別装置は、例えば、特許文献1に記載されたものが知られており、このものは、まず、対象の試料の穀粒(以下、「米粒」という)を像取得装置で撮像し、この撮像データ(受光データ)から、表示部に表示するための米粒の粒画像を作成し、次に、分析機に供給して各米粒の反射光量及び透過光量を計測して品位判別すると共に混入率を算出し、最終的に米粒の粒画像、該粒画像の品位の判別結果及び混入率を表示部に表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−046741号公報
【特許文献2】特開2006−200945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記粒状物外観品位判別装置として、特許文献1のように、前記分析機の光量計測部に振動フィーダを使用して米粒を搬送する搬送手段を設けたものや、その他の米粒の搬送方法として、例えば、特許文献2のように、一粒の米粒が入る複数の溝を周縁部に形成した円板をモータにより回転させて米粒を光学検出部に搬送する搬送手段を設けたものが知られているが、以下のような問題点があった。
【0006】
すなわち、特許文献1に記載の粒状物外観品位判別装置の分析機の搬送手段では、検査対象の米粒は、振動しながら搬送されるので、姿勢が傾いた状態で計測されることがある。また、特許文献2に記載の粒状物外観品位判別装置の搬送手段では、検査対象の米粒は、前記円板の溝への投入の際に、姿勢が傾いた状態で投入され、特許文献1と同様に姿勢が傾いた状態で撮像されることがある。
【0007】
この様に、姿勢が傾いた状態で計測又は撮像された米粒は、傾いていない正常な状態で計測又は撮像された場合に比べて、粒画像の米粒の長さや幅等が、本当の長さや幅よりも短くなる。また、前記米粒は、例えば胚芽部分等に不要な影が生じてその影が黒い点として粒画像に写ることがある。このため、前記米粒は、粒状物外観品位判別装置によって、未熟粒や着色粒と誤判別されるおそれがある。
【0008】
前記誤判別が発生すると、この誤判別された米粒を含む試料は、品位の判別結果に基づいて算出される各品位の混入率が不正確になるので、前記試料を採取した原料米の購入価格が正確性を欠いたものになるおそれがあった。このため、農業生産者に正当な金額の支払いがなされないおそれもあった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点にかんがみて、米粒等の原料購入価格の正確性を向上させることが可能な粒状物外観品位判別装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明は、粒状物を撮像し撮像データを取得する撮像部と、前記撮像データに基づいて光学情報となる測定品位情報を粒単位で求めて粒画像を作成する一方、前記測定品位情報と品位を判別するためのあらかじめ定めたしきい値となる設定品位情報によって前記各粒状物の品位を判別する制御部と、該制御部で判別した判別品位及び粒画像を表示する表示部と、を備えた粒状物外観品位判別装置において、前記制御部は、ユーザーによって粒状物の任意の品位を入力可能な品位入力部と、前記表示部に表示された粒画像からユーザーが任意の粒画像を選択可能な粒選択部とを備え、ユーザーによって前記品位入力部に品位が入力され、かつ、前記粒選択部で粒画像が選択されると、当該選択された粒画像の前記判別品位を前記入力された品位に変更して前記表示部に表示する 品位変更部を備える、という技術的手段を講じるものとした。
より具体的には、本発明は、粒状物を撮像し撮像データを取得する撮像部と、前記粒状物を前記撮像部に搬送する搬送部と、前記撮像データに基づいて光学情報となる測定品位情報を粒単位で求めて粒画像を作成する一方、前記測定品位情報と品位を判別するためのあらかじめ定めたしきい値となる設定品位情報によって前記各粒状物の品位を判別する制御部と、該制御部で判別した品位及び粒画像を表示する表示部と、を備えた粒状物外観品位判別装置において、前記制御部は、ユーザーによって粒状物の
品位を整粒、青未熟粒、乳白粒、砕粒、胴割粒、および着色粒の中から一つが入力可能な品位入力部
となる品位選択画面と、前記表示部に表示された粒画像からユーザーが任意の粒画像を選択可能な粒選択部とを備え、ユーザーによって前記品位入力部
となる前記品位選択画面に整粒、青未熟粒、乳白粒、砕粒、胴割粒、および着色粒の中から一つの品位が入力され、かつ、前記粒選択部で粒画像が選択されると、当該選択された粒画像の品位を前記入力された品位に変更して前記表示部に表示する品位変更部を備え、前記搬送部は、前記粒状物が1粒ずつ入る溝を周囲に複数設けた円板を有し、前記円板は、架台によって傾斜状に支持されたベース板上に配設され、その中心部に、前記架台に固着したモータの出力軸が軸着されて回転自在としてあり、前記溝は、底部を透明材料で構成するとともに周縁部分を開放部で構成し、前記ベース板上には、前記溝内の前記粒状物が前記開放部から放出されるのを防止するための堰部が、透明材料を用いて前記円板の周縁部に沿って構成してあり、前記撮像部は、前記円板の傾斜上方位置に配設された第一光学検出部と第二光学検出部とから構成されており、前記第一光学検出部は、前記溝の上方に設けられた集光レンズ、受光センサー、および照射部と、前記溝の側方に設けられた集光レンズ、および受光センサーと、前記溝の下方に設けられた照射部とを用いて構成され、これらの受光センサーは、前記粒状物の搬送方向と直交する方向を走査するように配設され、前記第二光学検出部は、前記溝の下方に設けられた集光レンズ、受光センサー、および照射部と、前記溝の上方に設けられた照射部とを用いて構成され、前記受光センサーは、前記前記粒状物の搬送方向と直交する方向を走査するように配設されている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、粒状物外観品位判別装置の前記制御部が、前記表示部に判別品位及び粒画像を表示する際に、各品位の見本となる粒状物の基準画像を表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の粒状物外観品位判別装置は、撮像データに基づいて光学情報となる測定品位情報を粒単位で求めて粒画像を作成する一方、前記測定品位情報と品位を判別するためのあらかじめ定めたしきい値となる設定品位情報によって前記各粒状物の品位を判別する制御部と、該制御部で判別した判別品位及び粒画像を表示する表示部とを備えた粒状物外観品位判別装置において、前記制御部に、ユーザーによって品位が入力され、かつ、粒画像が選択されると、当該選択された粒画像の前記判別品位を前記入力された品位に変更して前記表示部に表示させる品位変更部を備えているので、米粒等の粒状物の品位が誤判別されたとしても、粒状物外観品位判別装置を操作するユーザー(操作者)によって、その粒状物の品位を正しい品位に変更・表示することが可能である。このため、前記品位の判別結果に基づいて算出される各品位の混入率の表示も正確に表示できるので、本発明は、原料米の購入価格を正確に決定することができる。しかも、前記誤判別を修正するために、前記ユーザーが粒状物外観品位判別装置で誤判別された米粒を含む試料を再度検査する必要もないので、作業効率の低下を防ぐことができるものである。
【0013】
本発明の請求項2に記載の粒状物外観品位判別装置によれば、粒状物毎に判別した品位及び粒画像を表示するとともに、各品位の粒状物の見本となる基準画像も同時に表示するので、該基準画像と比較することで、粒状物の品位の判別がユーザーの望むように行われているか否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態における粒状物外観品位判別装置の縦側断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態における粒状物外観品位判別装置の平面図である。
【
図3】本発明の実施の形態における第一光学検出部の縦側断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態における第二光学検出部の縦側断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態における粒状物外観品位判別装置の制御ブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態における粒状物外観品位判別装置の判別方法の手順を示したものである。
【
図7】本発明の実施の形態における粒状物外観品位判別装置の判別結果を示した図である。
【
図8】判別結果の変更方法を示したフロー図である。
【
図11】円板4の溝4aに米粒が投入された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る粒状物外観品位判別装置1の縦側断面図を示した図ある。本発明の粒状物外観品位判別装置1は、被測定物の穀粒(以下「米粒S」という)を撮像部2に搬送する搬送部3が設けられている。該搬送部3は、公知の円板搬送方式のものであって、米粒Sが1粒ずつ入る溝4aを周囲に複数設けた円板4を有する。該円板4は、架台6bによって傾斜状に支持されたベース板6上に配設され、その中心部に、前記架台6bに固着したモータ5の出力軸5aが軸着されて回転自在としてある(
図1及び
図2参照)。本実施形態において、円板4は時計回り方向(矢印Y)に回転するものとしてある。前記各溝4aは、底部4bを透明材料で構成するとともに周縁部分を開放部4cで構成する。前記ベース板6上には、前記溝4a内の米粒Sが前記開放部4cから放出されるのを防止するための堰部6aが、円板4の周縁部に沿って構成してある。また、米粒供給部7が、円板4の傾斜下方位置に構成してある。この米粒供給部7は、円板4の周縁部上部に米粒Sが滞留できるように、前記堰部6aと連結した広幅状の平面を有してなる。なお、この米粒供給部7を円板4の搬送始端側とすると、搬送終端側は、前記堰部6aを切り欠いた切欠部6cが形成されており、測定の終わった米粒Sを溝4aから落下させる構成になっている。
【0016】
前記撮像部2は、第1光学検出部2aと第2光学検出部2bから構成され、円板4の傾斜上方位置に配設されている(
図1,2参照)。前記第1光学検出部2aは、搬送されてきた米粒Sの上面及び側面を光学検出(撮像)できる構成にしてある(
図3参照)。前記第1光学検出部2aは、溝4a(米粒S)の上方に、集光レンズ8、CCDリニアセンサー(受光センサー)9及び照射部10としての赤(R)・緑(G)・青(B)の発光ダイオードを構成し、溝4aの側方には、集光レンズ11及びCCDリニアセンサー(受光センサー)12を構成してある。また、溝4aの下方には、前記ベース板6を凹状にしたその内部空間に、米粒Sを下方から照射する照射部(発光ダイオード)13を構成する。なお、前記第1光学検出部2aにおいて、溝4aの側方の堰部6aは透明材料とし、米粒Sからの光りがCCDリニアセンサー12に入光可能となるようにしてある。前記CCDリニアセンサー9,12は、赤(R)・緑(G)・青(B)の各光を受光することのできるものを用い、米粒Sの搬送方向(前記矢印Y)と直交する方向を走査するように配設する。
【0017】
次に、前記第二光学検出部2bの構成であるが、該第二光学検出部2bは米粒Sの下面(底面)を光学検出(撮像)するための構成がなされている(
図4参照)。第二光学検出部2bは、前記ベース板6を凹状にしたその内部空間に、集光レンズ14、CCDリニアセンサー(受光センサー)15及び照射部16としての赤(R)・緑(G)・青(B)の発光ダイオードを構成し、一方溝4aの上方には、米粒Sを上方から照射する照射部(発光ダイオード)17が構成してある。前記CCDリニアセンサー15も、赤(R)・緑(G)・青(B)の各光を受光することのできるものを用い、米粒Sの搬送方向(前記矢印Y)と直交する方向を走査するように配設する。
【0018】
次に、前記CCDリニアセンサー9,12,15からの受光信号を受けて信号処理を行う制御部(信号処理部)20につき、その一例を説明する(
図5参照)。該制御部20は、中央演算処理部(以下「CPU」という)21を構成の中心とし、該CPU21と電気的に接続した入出力回路(以下「I/O」という)22、読み込み専用記憶部(以下「ROM」という)23及び読み込み・書き込み用記憶部(以下「RAM」という)24から構成する。前記I/O22は、前記CCDリニアセンサー9,12,15と電気的に接続するとともに、前記CPU21で判別した品位と判別結果等を表示する表示部25及び設定開始ボタン22a(図示せず)とも同様に接続する。前記ROM23には、粒状物外観品位判別装置を制御するための運転プログラム及びルックアップテーブルが記憶してある。また、前記制御部20は、前記モータ5の始動制御や前記照射部10,13,16,17の点灯出力制御を行なう回路(図示せず)とも電気的に接続してある(公知手段につき詳細説明省略)。
【0019】
本発明の作用を説明する。本実施形態では検査対象の粒状物が玄米である場合について説明する。
図6は、粒状物外観品位判別装置1の判別方法の手順を示したものである。
【0020】
(1)撮像工程(ステップS1):
まず、米粒供給部7に試料である米粒Sを供給し測定開始ボタン(図示せず)をONにする。すると円板4が回転し、米粒供給部7の米粒Sは一粒ずつ溝4aに入って前記第一、第二光学検出部2a,2bに搬送される。前記第一光学検出部2aでは、照射部10,13から米粒Sに照射光が当り当該米粒Sが前記CCDリニアセンサー9,12により走査される。これによって、米粒Sの平面及び側面の撮像データが得られ、各撮像データは順次前記RAM24に記憶される。
【0021】
前記第一光学検出部2aを経た米粒Sは前記第二光学検出部2bで撮像される。すなわち、前記第二光学検出部2bでは、照射部16,17から米粒Sに照射光が当り当該米粒Sが前記CCDリニアセンサー15により走査される。これによって、米粒Sの裏面の撮像データが得られ、該撮像データは順次前記RAM24に記憶される。
【0022】
(2)画像処理工程(ステップS2):
前記CPU21は、前記RAM24に記憶した各米粒Sの撮像データを順次読み出して画像処理部47で処理し、粒毎に光学情報を得て、各米粒の外形形状、面積、長さ、幅、色彩、胴割等の品位に関連する測定品位情報を抽出する。
【0023】
(3)判別工程(ステップS3):
そして、CPU21の判別部48において前記測定品位情報をあらかじめ設定した設定品位情報(例えば、しきい値や検量線(品位関係式)等)と比較等して各米粒の品位(整粒、砕米、死米、着色米、青未熟米、害虫被害米等)を判別する。前記抽出及び判別は、一般的な解析手法で行うことができる。例えば、特開2011−242284号公報や特開2000−304702に記載されているような方法を用いることができる。
【0024】
(4)画像作成工程(ステップS4):
前記CPU21の画像処理部において、前記撮像データまた光学情報を利用し、粒毎に米粒の粒画像を作成する。画像作成工程は、上記画像処理工程(ステップS2)で行うようにしてもよい。
【0025】
(5)表示工程(ステップS5):
前記画像作成工程で作成した各米粒の粒画像を、ディスプレイ等の表示部25に表示する。該表示は、方法は特に限定されないが、例えば、
図7に示すように、各米粒の粒画像に、該当する番号(ラベリング)と品位を添付して各米粒の粒画像を一覧表33として表示するとよい。
図7では、40粒の玄米を同時に表示するとともに、各玄米の粒画像の下部に、該当する番号と品位を添付して表示している。
【0026】
前記粒状物外観品位判別装置1を操作するユーザー(操作者)は、前記表示工程で表示された各玄米の粒画像と該粒画像に添付されている品位とを比較して、前記判別工程(ステップS3)で粒状物外観品位判別装置1が正確に品位を判別しているか否かを確認することができる。そして、所望の品位と異なった品位に判別された玄米が確認された場合は、その玄米の品位の表示をユーザーが容易に変更することが可能である。
【0027】
ここで、粒状物外観品位判別装置1の円板4に設けた溝4aに姿勢が傾いた米粒が投入された状態について、
図11を用いて説明する。
図11は、撮像部2の第二光学検出部2bの溝4aに傾いた姿勢で投入された米粒61を実線で、傾くことなく正常な状態で投入された米粒61を破線で示したものである。なお、
図11では照明部などの表示を省略している。
図11において、L2は傾いた状態の米粒61を上方から見た場合の粒の幅であり、L1は、正常な状態の米粒61を上方から見た場合の粒の幅であり、L2はL1よりも短くなることを示している。このL1及びL2の関係が示しているように、溝4aに姿勢が傾いた状態で投入された米粒は、幅等が本来よりも短く撮像されることになり、整粒であっても未熟粒と粒状物外観品位判別装置1で誤判別されるおそれがある。
【0028】
前記変更方法について
図8のフロー図を用いて説明する。ここで、
図8は、番号5の玄米が、所望する品位は整粒であるのに、姿勢が傾いた状態で撮像されてために本来よりも粒の幅が細く制御部20の判別部48で認識されて未熟粒と判別されていた場合を示している。ユーザーは、粒選択部43となる入力部30を使用して番号5の玄米の粒画像をクリック又はタッチするなどして選択し、CPU21の品位変更部31に変更する玄米(粒状物)を認識させる(ステップS51)。次に、
図6に示すような品位入力部41となる品位選択画面32を表示部25上に重ねて表示させ、この品位選択画面32から変更すべき品位を選択する(ステップS52)。なお、入力部30から直接品位を入力するようにしてもよい。
図9では、品位選択画面32の四角枠にチェックを入れて、そして、整粒を選択している。該選択後、
図9の再設定ボタン36をクリックすれば、品位変更部31によって番号5の玄米が整粒として登録されるとともに、番号5の玄米の品位の表示が「整粒」と表示されて、品位の変更が終了する。なお、粒画像と品位はどちらを先に選択するようにしてもよい。
【0029】
さらに、品位判別に熟練していないユーザーであっても、各玄米の品位が所望するものに判別されているか否かを確認可能とするために、各品位の見本となる基準画像を、検査対象の玄米の一覧表と同時にディスプレイ上に表示してもよい。
図10は、前記基準画像37の例として、整粒、青未熟粒、砕粒、胴割粒、部分着色粒を示したものである。同図のように、各品位の基準画像と判別後の玄米の実際の粒画像とを目視により比較することで、前記ユーザーであっても、容易に判別結果を確認することができる。前記基準画像は、ユーザーが独自に準備してもよいし、農林水産省のホームページに記載されている「検査用語の解説」及び「被害粒、死米、着色粒、未熟粒の解説」で使用されている各品位の粒画像を参考にして作成してもよい。
【0030】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の粒状物外観品位判別装置の表示方法は、穀類等の粒状物に限定されることはなく、樹脂製のペレット等の粒状物やガラス片等の粉砕物その他のものの表示に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 粒状物外観品位判別装置
2 撮像部
2a 第一光学検出部
2b 第二光学検出部
3 搬送部
4 円板
4a 溝
4b 底部
4c 開放部
5 モータ
5a 出力軸
6 ベース板
6a 堰部
6b 架台
6c 切欠部
7 米粒供給部
8 集光レンズ
9 CCDリニアセンサー(受光センサー)
10 照射部
11 集光レンズ
12 CCDリニアセンサー(受光センサー)
13 照射部
14 集光レンズ
15 CCDリニアセンサー(受光センサー)
16 照射部
17 照射部
21 制御部
22 入出力回路
23 読み込み専用記憶部
24 読み込み・書き込み用記憶部
25 表示部