特許第6805519号(P6805519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805519
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】作業システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20201214BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   G07D11/26
   B25J3/00
【請求項の数】16
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2016-64884(P2016-64884)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-182226(P2017-182226A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年11月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】松下 豊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祐史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】牛込 正範
(72)【発明者】
【氏名】松田 徳之
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−167062(JP,A)
【文献】 特開平11−283085(JP,A)
【文献】 特開2010−033408(JP,A)
【文献】 特開平05−250545(JP,A)
【文献】 特開2011−076250(JP,A)
【文献】 特開2008−003874(JP,A)
【文献】 特開2015−005042(JP,A)
【文献】 特開2012−137919(JP,A)
【文献】 特開2000−357274(JP,A)
【文献】 特開平08−320960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/26
B25J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客との間で取引を行う自動取引装置と、
前記自動取引装置との間で通信可能に接続され、前記自動取引装置の周囲で作業を行う作業装置と、
を含み、
前記自動取引装置は、
前記自動取引装置の不備を監視する監視部と、
前記監視部が取得した監視結果を前記作業装置に通知する通知部と、
前記顧客に情報を表示する表示部と、
を有し、
前記監視部は、前記不備として前記表示部の汚れを検知する、汚れ検知部であり、
前記作業装置は、前記汚れ検知部の検知結果に基づいて、前記表示部の汚れを除去する作業を行う、作業システム。
【請求項2】
前記作業装置は、前記作業を実施する作業アームまたはエアーノズルをさらに有する、請求項1に記載の作業システム。
【請求項3】
前記作業装置は、
ハンド部が設けられた作業アームと、
清掃用具を保管する保管庫と、をさらに有し、
前記作業アームのハンド部により、前記保管庫から取り出した前記清掃用具を把持し、前記表示部の汚れを除去する、請求項1に記載の作業システム。
【請求項4】
前記作業装置は、
空気を吸引または排出するエアーノズルをさらに有し、
前記エアーノズルにより、前記表示部の汚れを除去する、請求項1に記載の作業システム。
【請求項5】
前記汚れ検知部は、前記表示部を撮影する撮影装置であり、当該撮影装置により撮影した前記表示部の画像と、記憶部に記憶された正常時における前記表示部の画像とを比較することにより、前記表示部の汚れを検知する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業システム。
【請求項6】
顧客との間で取引を行う自動取引装置と、
前記自動取引装置との間で通信可能に接続され、前記自動取引装置の周囲で作業を行う作業装置と、
を含み、
前記自動取引装置は、
前記自動取引装置の不備を監視する監視部と、
前記監視部が取得した監視結果を前記作業装置に通知する通知部と、
前記顧客が通話を行う受話部と当該受話部が載置される受け部を含むハンドセットと、
を有し、
前記監視部は、前記不備として前記受話部の状態を検知する、ハンドセット検知部であり、
前記作業装置は、前記ハンドセット検知部の検知結果に基づいて、前記受け部から外れた状態の前記受話部を前記受け部に戻す作業を行う、作業システム。
【請求項7】
前記作業システムは、前記自動取引装置を監視する監視端末をさらに含み、
前記ハンドセット検知部の検知結果は、前記監視端末に通知され、
前記作業装置は、前記監視端末からの作業実施要求に応じて、前記受け部から外れた前記受話部を前記受け部に載置する作業を行う、請求項6に記載の作業システム。
【請求項8】
前記作業装置は、前記作業を実施する作業アームをさらに有し、当該作業アームを用いて前記受話部を前記受け部に載置する作業を行う、請求項6または7に記載の作業システム。
【請求項9】
前記ハンドセット検知部は、
前記受話部により押圧されることで前記受話部が前記受け部に載置されていることを検知し、
前記ハンドセット検知部が押圧されなくなった場合には、前記受話部が前記受け部から外れた状態であると検知する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の作業システム。
【請求項10】
顧客との間で取引を行う自動取引装置と、
前記自動取引装置との間で通信可能に接続され、前記自動取引装置の周囲で作業を行う作業装置と、
を含み、
前記自動取引装置は、
前記自動取引装置の不備を監視する監視部と、
前記監視部が取得した監視結果を前記作業装置に通知する通知部と、
現金を収納する金庫部と、
を有し、
前記監視部は、前記不備として前記金庫部に収納された現金の容量を検知する、容量検知部であり、
前記作業装置は、
前記作業を実施する作業アームをさらに有し、
前記容量検知部の検知結果に基づいて、前記作業アームを用いて、現金が収納されたカセットを予め決められた位置から取得し、当該カセットを前記自動取引装置に収納することで、前記自動取引装置に現金を補充する作業を行う、作業システム。
【請求項11】
前記自動取引装置は、前記容量検知部の検知結果に基づいて、今後の取引を継続するために必要な現金の量が不足していると判断した場合、前記作業装置に対して、現金の補充作業を要求する情報を通知する、請求項10に記載の作業システム。
【請求項12】
前記作業システムは、前記自動取引装置を監視する監視端末をさらに含み、
前記作業装置は、前記予め決められた位置に置かれた現金の在庫が不足していると判断した場合、前記監視端末に現金の補充依頼を送信する、請求項10または11に記載の作業システム。
【請求項13】
前記作業装置は、前記作業アームにより、前記自動取引装置に設けられた前記金庫部が収納されたユニットの扉を解錠する、請求項10〜12のいずれか1項に記載の作業システム。
【請求項14】
前記作業装置は、
前記扉の解錠に用いる認証機構を保管する保管庫をさらに有し、
前記作業アームに設けられたハンド部により、前記保管庫から取り出した前記認証機構を把持し、前記扉を解錠する、請求項13に記載の作業システム。
【請求項15】
前記作業装置は、前記監視結果に基づいて、前記作業を実施する日時を決定する、請求項1〜5、10〜14のいずれか1項に記載の作業システム。
【請求項16】
前記作業装置は、前記作業装置を移動させるための移動機構部を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関(消費者金融、銀行など)に設置される自動取引装置は、顧客との取引内容に応じて、顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させる入金取引や、顧客へ現金を出金する出金取引等の各種取引を行うことができる。このような自動取引装置は、ATM(Automatic Teller Machine)とも呼ばれている。
【0003】
ところで、自動取引装置において障害等が生じた場合には、下記特許文献1に開示されているように、自動取引装置側で障害等を検知し、自動取引装置が、検知した検知結果を自動取引装置の保守を行う保守会社の保守員や警備会社の警備員等に通報し、保守員等が、自動取引装置の設置場所に出動し、自動取引装置の障害を解消する保守作業を実施する。
【0004】
また、近年、下記特許文献2から4に開示されているように、無人の工場内等で作業を行うことが可能なロボットアーム等を有する様々な作業装置が開発されている。しかし、従来、現金(貴重品)を取り扱う装置であるという自動取引装置の機能的な性格のために、当該自動取引装置と協働して作業を実施するロボットアーム等を有する作業装置が積極的に用いられることはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−43429号公報
【特許文献2】特開2005−334998号公報
【特許文献3】特開2010−172801号公報
【特許文献4】国際公開第2013/099091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、無人出張所に設置された自動取引装置において障害(事象)が生じた際には、自動取引装置の設置場所が遠隔地である場合には、保守員等が、自動取引装置の設置場所に迅速に出動し、発生した事象に迅速に対応することが難しい場合がある。そこで、発生した事象に迅速に対応するために、自動取引装置が設置された場所、もしくはその近くに、保守員等を配置もしくは巡回させることとなり、その結果、手間、費用、時間等に関してコストがかかっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、発生した事象に対して迅速に対応することができ、且つ、保守員等の巡回、配置等にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることが可能な、新規かつ改良された作業システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、顧客との間で取引を行う自動取引装置と、前記自動取引装置との間で通信可能に接続され、前記自動取引装置の周囲で作業を行う作業装置と、を含み、前記自動取引装置は、前記自動取引装置の不備を監視する監視部と、前記監視部が取得した監視結果を前記作業装置に通知する通知部と、前記顧客に情報を表示する表示部と、を有し、前記監視部は、前記不備として前記表示部の汚れを検知する、汚れ検知部であり、前記作業装置は、前記汚れ検知部の検知結果に基づいて、前記表示部の汚れを除去する作業を行う、作業システムが提供される。
【0010】
前記作業装置は、前記作業を実施する作業アームまたはエアーノズルをさらに有してもよい。
【0011】
前記作業装置は、ハンド部が設けられた作業アームと、清掃用具を保管する保管庫と、をさらに有し、前記作業アームのハンド部により、前記保管庫から取り出した前記清掃用具を把持し、前記表示部の汚れを除去してもよい。
【0012】
前記作業装置は、空気を吸引または排出するエアーノズルをさらに有し、前記エアーノズルにより、前記表示部の汚れを除去してもよい。
【0013】
前記汚れ検知部は、前記表示部を撮影する撮影装置であり、当該撮影装置により撮影した前記表示部の画像と、記憶部に記憶された正常時における前記表示部の画像とを比較することにより、前記表示部の汚れを検知してもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、顧客との間で取引を行う自動取引装置と、前記自動取引装置との間で通信可能に接続され、前記自動取引装置の周囲で作業を行う作業装置と、を含み、前記自動取引装置は、前記自動取引装置の不備を監視する監視部と、前記監視部が取得した監視結果を前記作業装置に通知する通知部と、前記顧客が通話を行う受話部と当該受話部が載置される受け部を含むハンドセットと、を有し、前記監視部は、前記不備として前記受話部の状態を検知する、ハンドセット検知部であり、前記作業装置は、前記ハンドセット検知部の検知結果に基づいて、前記受け部から外れた状態の前記受話部を前記受け部に戻す作業を行う、作業システムが提供される。
【0015】
前記作業システムは、前記自動取引装置を監視する監視端末をさらに含み、前記ハンドセット検知部の検知結果は、前記監視端末に通知され、前記作業装置は、前記監視端末からの作業実施要求に応じて、前記受け部から外れた前記受話部を前記受け部に載置する作業を行ってもよい。
【0016】
前記作業装置は、前記作業を実施する作業アームをさらに有し、当該作業アームを用いて前記受話部を前記受け部に載置する作業を行ってもよい。
【0017】
前記ハンドセット検知部は、前記受話部により押圧されることで前記受話部が前記受け部に載置されていることを検知し、前記ハンドセット検知部が押圧されなくなった場合には、前記受話部が前記受け部から外れた状態であると検知してもよい。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、顧客との間で取引を行う自動取引装置と、前記自動取引装置との間で通信可能に接続され、前記自動取引装置の周囲で作業を行う作業装置と、を含み、前記自動取引装置は、前記自動取引装置の不備を監視する監視部と、前記監視部が取得した監視結果を前記作業装置に通知する通知部と、現金を収納する金庫部と、を有し、前記監視部は、前記不備として前記金庫部に収納された現金の容量を検知する、容量検知部であり、前記作業装置は、前記作業を実施する作業アームをさらに有し、前記容量検知部の検知結果に基づいて、前記作業アームを用いて、現金が収納されたカセットを予め決められた位置から取得し、当該カセットを前記自動取引装置に収納することで、前記自動取引装置に現金を補充する作業を行う、作業システムが提供される。
【0019】
前記自動取引装置は、前記容量検知部の検知結果に基づいて、今後の取引を継続するために必要な現金の量が不足していると判断した場合、前記作業装置に対して、現金の補充作業を要求する情報を通知してもよい。
【0021】
前記作業システムは、前記自動取引装置を監視する監視端末をさらに含み、前記作業装置は、前記予め決められた位置に置かれた現金の在庫が不足していると判断した場合、前記監視端末に現金の補充依頼を送信してもよい。
【0022】
前記作業装置は、前記作業アームにより、前記自動取引装置に設けられた前記金庫部が収納されたユニットの扉を解錠してもよい。
【0023】
前記作業装置は、前記扉の解錠に用いる認証機構を保管する保管庫をさらに有し、前記作業アームに設けられたハンド部により、前記保管庫から取り出した前記認証機構を把持し、前記扉を解錠してもよい。
【0024】
前記作業装置は、前記監視結果に基づいて、前記作業を実施する日時を決定してもよい。
【0031】
記作業装置は、前記作業装置を移動させるための移動機構部を有してもよい。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、発生した事象に対して迅速に対応することができ、且つ、保守員等の巡回、配置等にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態に係る作業システム1を説明する説明図である。
図2】同実施形態に係る自動取引装置30の正面側から見た斜視図である。
図3】同実施形態に係る自動取引装置30の裏面側から見た斜視図である。
図4】同実施形態に係る自動取引装置30の制御系のブロック図である。
図5】同実施形態に係る作業装置70の側面図である。
図6】同実施形態に係る作業装置70の設置の一例を説明する説明図(その1)である。
図7】同実施形態に係る作業装置70の設置の一例を説明する説明図(その2)である。
図8】同実施形態に係る作業装置70の制御系のブロック図である。
図9】同実施形態に係る自走式作業装置70aの側面図である。
図10】同実施形態に係る監視端末100の制御系のブロック図である。
図11】同実施形態に係る作業システム1の動作を示すシーケンス図である。
図12】第1の実施例を説明するための説明図(その1)である。
図13】第1の実施例を説明するための説明図(その2)である。
図14】第2の実施例を説明するための説明図である。
図15】第3の実施例を説明するための説明図である。
図16】第4の実施例を説明するための説明図である。
図17】第5の実施例を説明するための説明図である。
図18】第5の実施例に係る作業システム1の動作を示すシーケンス図である。
図19】第6の実施例を説明するための説明図である。
図20】第6の実施例に係る作業システム1の動作を示すシーケンス図である。
図21】第7の実施例を説明するための説明図である。
図22】第8の実施例を説明するための説明図である。
図23】第9の実施例を説明するための説明図(その1)である。
図24】第9の実施例を説明するための説明図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0035】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて作業装置70及び自走式作業装置70aのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、作業装置70及び自走式作業装置70aを特に区別する必要が無い場合には、単に作業装置70と称する。
【0036】
本発明の実施形態を説明するにあたり、本発明の実施形態に係る作業システム1を金融機関等のATMブース(自動取引装置が設置されるブース)2に設置された自動取引装置30に対して行う保守等の作業に適用した場合について説明する。なお、本実施形態に係る作業システム1は、ATMブース2に設置された自動取引装置30の保守等の作業を実施する際に用いられることに限定されるものではなく、金融機関の店舗、コンビニエンスストア等の店舗に設置された自動取引装置30に対して作業を実施する際に用いられてもよい。
【0037】
<<作業システム1の基本構成>>
まずは、ATMブース2に設置された複数の自動取引装置30と、これらの自動取引装置30に対して、もしくは、これらの自動取引装置30の周囲で作業を行う作業装置70と、自動取引装置30を監視する監視センタ8に設置された監視端末100と、顧客との取引に関する情報を管理するホストコンピュータ120とを含む作業システム1を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の作業システム1を説明する説明図である。
【0038】
作業システム1は、複数の自動取引装置30と作業装置70と監視端末100とホストコンピュータ120とを含み、互いに通信ネットワーク6により接続されている。なお、図1においては、簡略化のため、作業システム1に含まれる自動取引装置30は2台、作業装置70と監視端末100とホストコンピュータ120とは1台ずつしか示されていないが、実際には1台もしくは3台以上の自動取引装置30、及び2台以上の作業装置70と監視端末100とホストコンピュータ120とが作業システム1に含まれていてもよい。
【0039】
また、通信ネットワーク6は、有線又は無線であることができ、例えば、インターネット、IP−VPN(Internet Protocol‐Virtual Private Network)、専用回線、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)、赤外線通信などの任意の通信ネットワークから構成される。さらに、専用回線は、IP−VPN等から構成される。
【0040】
なお、本実施形態においては、作業システム1は、自動取引装置30と作業装置70と監視端末100とホストコンピュータ120とを含むことに限定されるものではなく、少なくとも自動取引装置30と作業装置70とを含むようなシステムであればよい。
【0041】
<ATMブース2について>
本実施形態に係る作業システム1に含まれる装置の基本構成を説明する前に、当該作業システム1に含まれる自動取引装置30が設置されるATMブース2について、図1を参照して説明する。
【0042】
上記ATMブース2は、図1に示すように、1つ又は複数の自動取引装置30が設置されるブース(室内)であり、例えば、金融機関の無人出張所である。ATMブース2には、自動取引装置30を利用する顧客等がATMブース2へ出入りするための専用のドア12が設けられていてもよい。この場合、当該ドア12は、例えば自動ドアであってもよく、その場合、ドア12の開閉を制御するドア制御ユニット14が設けられていてもよい。当該ドア制御ユニット14は、自動ドア12の制御を行うための機構(例えば、ドア12の通行人を検出するセンサ)の他に、ドア12を閉鎖状態にロックするドアロック機構(図示省略)と、ドア12等の動作を制御する制御部(図示省略)と、自動取引装置30等との間で通信することができる通信部(図示省略)とを有していてもよい。例えば、当該制御部は、当該通信部が所定の情報を受信した際には、ドアロック機構に対してドア12を閉鎖状態にロックするように制御してもよい。
【0043】
ATMブース2内には、防犯カメラのようなビデオカメラ等から構成された撮影装置(第4の撮影装置)16が設置されていてもよい。撮影装置16は、ATMブース2内で自動取引装置30を利用する顧客の顔、姿、動作等を撮影したり、自動取引装置30や作業装置70を撮影したり、ATMブース2内の自動取引装置30の周囲の様々な箇所を撮影したりすることができる、後述する監視部56として機能することもできる。詳細には、撮影装置16は、様々な画像(静止画及び動画を含む)を取得する撮影部(図示省略)と、自動取引装置30、作業装置70又は監視端末100へ通信ネットワーク6を介して撮影画像等の情報を送信するための通信部(図示省略)と、所望の箇所を撮影するために上記撮影部を制御する制御部(図示省略)とを有する。また、撮影装置16は、自動取引装置30、作業装置70又は監視端末100によって遠隔制御されてもよい。
【0044】
また、ATMブース2内には、顧客の発話音声を取得したりする音声マイク等から構成される集音装置18が設けられていてもよく、ATMブース2の天井に設置された照明装置20の明るさを検知する照度検知部502(図15参照、ただし、図15においては、照度検知部502は自動取引装置30に設けられている)(なお、図1においては、照明装置20の点灯、消灯を操作するスイッチパネル22は、例えばATMブース2の壁に設けられている)や、ATMブース内の温度を検知することにより、ATMブース2内の状態や、ATMブース2内の顧客の存在等を検知することができる温度センサや、ATMブース2内の臭気(例えば、可燃性ガスやアルコールの臭気)を検知するにおいセンサや、湿度等を検知する湿度センサ等のような周囲環境検知部(図示省略)が設けられていてもよい。これらの集音装置、照度検知部502や周囲環境検知部は、撮影装置16と同様に、後述する監視部56として機能することもできる。さらに、ATMブース2内には、ATMブース2内の顧客に警告音声等を出力するための音声出力装置(図示省略)が設けられていてもよい。なお、これらの装置やセンサは、取得した検知結果を送信したり、制御用情報等を受信したりするために、自動取引装置30、作業装置70又は監視端末100と間で通信ネットワーク6を介して送受信することが可能である。
【0045】
また、ATMブース2の自動取引装置30が設置された壁の後ろ側等には、自動取引装置30を保守管理するためのバックヤードスペース10が設けられていてもよい。このバックヤードスペース10においては、後述する自動取引装置30の背面が露出されていてもよい。また、バックヤードスペース10には、後述する自走式作業装置70aが平常時に格納される格納スペースが設けられていてもよく、自動取引装置30及び作業装置70で使用される作業部材(例えば、後述する清掃部材C等)や補充部材(例えば、紙幣等)、又は、顧客がATMブース2に置き忘れた遺失物Lを保管する、コインロッカーのような、棚形状であって、且つ、棚ごとに個別の施錠機構を有する保管庫24が設けられていてもよい。
【0046】
なお、ATMブース2のバックヤードスペース10は、現金を取り扱う自動取引装置30の保守管理を行うためのスペースであるという性格上、厳重に管理することが求められており、そのため施錠機構(図示省略)を有する。従って、バックヤードスペース10に入ることができる権限を持つ保守員や警備員等以外は、施錠機構を解錠してバックヤードスペース10に入ることができない。そこで、バックヤードスペース10の施錠機構には、バックヤードスペース10に入ることができる権限を持つ保守員等を認証するための認証機構(例えば、物理的な鍵、磁気カード、入力パスワード、指紋等を利用した認証装置)(図示省略)が設置されていることが好ましい。さらに、上述の保管庫24についても、現金等を保管庫24に保管する場合には、上述と同様に、施錠機構を有し、保管庫24の施錠機構を解錠する権限を有する保守員等を認証する認証機構(図示省略)が設けられていることが好ましい。
【0047】
<自動取引装置30の基本構成>
続いて、本実施形態に係る作業システム1に含まれる自動取引装置30の基本構成を、図2から図4を参照して説明する。図2は本実施形態に係る自動取引装置30の正面側から見た斜視図である。図3は本実施形態に係る自動取引装置30の裏面側から見た斜視図である。また、図4は本実施形態に係る自動取引装置30の制御系のブロック図である。
【0048】
自動取引装置30は、顧客との間で、入金、出金等の各種取引を行うための装置である。例えば、1つ又は複数の自動取引装置30は、図1に示すようにATMブース2内に設置され、図2及び図3に示されるように、制御部32と、通信部(通知部)34と、操作表示部36と、保守用操作部38と、カードリーダ部40と、通帳記帳部42と、紙幣入出金部44と、硬貨入出金部46と、記憶部48と、金庫部50と、扉52と、ハンドセット54と、監視部56と、音声出力部58と、固定部60と、保管庫62とを主に有する。以下に、自動取引装置30の主な機能部について、説明する。
【0049】
(制御部32)
制御部32は、自動取引装置30内に設けられ、後述する通信部34といった自動取引装置30の各部を制御する機能を有する。この制御部32は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置によって構成され、図4に示されるように、後述する記憶部48に記憶されたプログラムに基づいて自動取引装置30全体の動作を制御したり、通信部34と協働して、後述する作業装置70との間で情報を送受信したり、作業装置70を制御したりすることができる。
【0050】
(通信部34)
通信部34は、通信ネットワーク6を介して、作業装置70、監視端末100、ホストコンピュータ120等との間で情報の送受信を行う通信インタフェースであり、例えば、自動取引装置30内に設けられる。具体的には、通信部34は、後述する作業装置70からの情報を受信することができ、さらに、制御部32の制御に従って、後述する監視部56で取得された監視結果等を作業装置70及び監視端末100へ送信することができる。
【0051】
(操作表示部36)
操作表示部36は、自動取引装置30の正面側に設けられ、自動取引装置30を利用する顧客に対して操作画面等の情報を表示する表示部、及び顧客からの操作を検出する操作部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、本実施形態においては、表示部及び操作部は、操作表示部36として一体の部位として設けられていてもよく、それぞれ別個の部位として設けられていてもよい。
【0052】
(保守用操作部38)
保守用操作部38は、自動取引装置30の裏面に設けられ、自動取引装置30を保守する際に使用する複数の機械的なボタン(例えば、自動取引装置30をリセットするリセットボタン)や、自動取引装置30の稼動状態等を示す複数のランプ等を含む。また、保守用操作部38は、上述の操作表示部36と同様に、保守員等に対して保守操作画面及び保守情報を表示する保守表示部、及び保守員等からの操作を検知する保守員操作部としての機能を包含する機構を持っていてもよい。この場合、保守表示部としての機能は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、OLED装置により実現され、保守員操作部としての機能は、例えばタッチパネルにより実現される。
【0053】
(カードリーダ部40)
カードリーダ部40は、自動取引装置30の内部に設けられたカード読取り機能を有する装置である。カードリーダ部40は、顧客により、自動取引装置30の正面に設けられたカード挿入口40aから挿入されたキャッシュカード等のカード状媒体から、磁気ストライプ及びIC(Integrated Circuit)チップに書き込まれた媒体情報(例えば、カード状媒体の所有者を特定するための識別情報)を読取ることができる。また、カードリーダ部40は、カード状媒体等の磁気ストライプ及びICチップに情報を書き込むこともできる。さらに、カードリーダ部40は、明細票印刷機能を有し、取引結果などを明細票に印刷し、顧客に対して明細票を発行することができる。なお、カードリーダ部40は、カード状媒体から非接触方式で情報を読み書きすることができるように構成されていてもよい。
【0054】
(通帳記帳部42)
通帳記帳部42は、自動取引装置30の内部に設けられた、通帳に設けられた磁気ストライプの読取り及び書込み、並びに、通帳印字機能を有する装置である。通帳記帳部42は、自動取引装置30の正面に設けられた通帳挿入排出口42aに顧客が挿入した通帳の磁気ストライプから口座番号などの識別情報などを読取ることができ、ホストコンピュータ120から取得した口座情報などを通帳に記帳することができる。
【0055】
(紙幣入出金部44及び硬貨入出金部46)
紙幣入出金部44及び硬貨入出金部46は、自動取引装置30の内部に設けられ、制御部32の制御を受けて紙幣及び硬貨の入出金処理を行う。ここで、入金処理は、例えば顧客が自動取引装置30の正面側に設けられた紙幣入出金口44aに投入した紙幣及び硬貨入出金口46aに投入した硬貨に対して、紙幣及び硬貨の種類を識別するとともに紙幣及び硬貨の枚数を計数して収納する処理である。また、出金処理は、例えば顧客の操作に従って指定された金額に相当する紙幣及び硬貨を計数して紙幣入出金口44a及び硬貨入出金口46aに搬送して払いだす処理である。
【0056】
(記憶部48)
記憶部48は、自動取引装置30の内部に設けられ、情報を記憶する記憶媒体である。記憶部48は、例えば、制御部32が自動取引装置30の全体の動作を制御するために実行するプログラム、操作表示部36に表示される画面データ、顧客との取引に必要な情報、及び自動取引装置30の稼働状況に関する情報等を記憶する。詳細には、記憶部48は、入金や出金処理などの取引を行うためのプログラムとは別に、自動取引装置30の再起動を制御するための再起動プログラムや、作業装置70との通信や作業装置70の作業を実行するためのプログラム等を記憶している。当該記憶部48に用いられる記憶媒体としては、例えばハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable
and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリが挙げられるがこれに限られない。
【0057】
(金庫部50)
金庫部50(図14参照)は、紙幣入出金部44及び硬貨入出金部46から送出された、もしくは、紙幣入出金部44及び硬貨入出金部46へ送出する紙幣及び硬貨を金種別に収納する収納部である。例えば、図2に示す、自動取引装置30の下部に設けられた引出状のユニット30aに、金種ごとに設けられた複数の金庫部50が格納される。そして、金庫部50は、自動取引装置30からユニット30aを引き出すことにより、自動取引装置30の外部から引き出すことができる。さらに、上記ユニット30aには、例えば、紙幣カセット50a(図14参照)を収納することができ、当該ユニット30aに紙幣カセット50aを収納することにより、紙幣カセット50aから各金庫部50へ紙幣を補充することができる。また、当該ユニット30aには、当該ユニット30aが自動取引装置30から引き出されたか否かを検知する検知部が設けられていてもよく、さらに、各金庫部50には、後述する容量検知部500b(図14参照)が設けられていてもよい。
【0058】
(扉52)
扉52は、自動取引装置30の裏面側に設置され、開放することにより、自動取引装置30の内部を開放することができる。例えば、保守員等は、扉52に設けられた取手部52aに指をかけることにより、扉52を開けることができ、自動取引装置30の内部に収納された、紙幣を収納する金庫部50が収納されたユニット30a等を引き出すことができる。また、保守員等は、扉52を開けることにより、自動取引装置30内の各所に設けられ、自動取引装置30の各所に紙幣等を搬送する搬送路64(図12参照)(なお、搬送路64は、図12に示されるように、紙幣等を受け止め、搬送ローラ64aによって回動することにより受け止めた紙幣等を搬送する)に対して保守作業を実施することができる。
【0059】
なお、自動取引装置30は、その内部に現金を収納しているため、自動取引装置30の扉52を開けることができる権限を持つ保守員、警備員、行員等以外は、扉52を開けることができない。従って、扉52には、施錠機構(図示省略)が設けられ、さらに、扉52を開けることができる権限を持つ保守員等を認証し、上記施錠機構を解錠するための認証機構52b(例えば、物理的な鍵、磁気カード、入力パスワード、指紋等を利用した認証装置)(第1の認証機構)が設けられている。より具体的には、扉52には、認証機構52bとして機械的な鍵を挿入する鍵穴が設けられており、当該鍵穴52bは、所定の形状を有する鍵を挿入し、挿入した鍵が当該鍵穴52bの内部と係合した場合にのみ、扉52の施錠機構を解錠するように構成されていてもよい。また、この認証機構52bは、後述する作業装置70を認証する機能を有していてもよく、作業装置70は、認証機構52bによって認証されることにより、扉52の施錠機構を解錠することができる。
【0060】
(ハンドセット54)
ハンドセット54は、顧客が監視センタ8のオペレータに対して発話したり、オペレータの音声を聞いたりするといった、顧客が通話を行うための装置であり、自動取引装置30の正面側に設けられる。詳細には、ハンドセット54は、顧客からの音声を受け付け、受け付けた音声を、通信ネットワーク6を介して監視センタ8の監視端末100のハンドセット112に送信するとともに、通信ネットワーク6を介して受信したオペレータの音声を出力する。ハンドセット54は、音声を受け付け、出力する受話部54a(図17参照)と、受話部を収納する受け部54b(図17参照)とを有し、顧客が受話部54aを顧客の耳及び口に近づけることにより、オペレータとの間で通話を行うことができる。なお、受話部54aと受け部54bとは、回線ケーブル54c(図17参照)によって接続されている。
【0061】
(監視部56)
監視部56は、自動取引装置30の稼動状況等や、自動取引装置30を用いて取引を行う顧客の状況、もしくは、自動取引装置30の周囲の状況を監視する装置であり、自動取引装置30の内部もしくは表面に設けられる(なお、図2及び図3においては、監視部56の図示は省略されている)。さらに、監視部56は、取得した監視結果を制御部32に出力する。監視部56は、例えば、自動取引装置30内部に設けられた自動取引装置30の故障を検知する故障監視部500(図12参照、なお、図12においては、故障監視部500の一例として、媒体検知部500aが図示されている)、自動取引装置30が設置されたATMブース2内(室内)の照度を検知する照度検知部502(図15参照)、自動取引装置30の操作表示部36の汚れを検知する汚れ検知部504(図16参照)、自動取引装置30のハンドセット54の状態を検知するハンドセット検知部506(図17参照)、自動取引装置30に印加された衝撃を検知する衝撃検知部512(図22参照)、自動取引装置30の周囲の温度、臭気、湿度等を検知する周囲環境検知部、自動取引装置30の周囲の環境音を取得する集音器等であることができる。また、本実施形態においては、監視部56は、自動取引装置30に設けられることに限定されるものではなく、例えば、後述する作業装置70や、自動取引装置30が設置されたATMブース2の壁等に設けられてもよい。なお、監視部56の詳細については、後で説明する。
【0062】
(音声出力部58)
音声出力部58は、例えば、自動取引装置30の正面の後ろ側に内蔵されたスピーカであって、制御部32の制御に従って、自動取引装置30を利用する顧客に対して操作等を誘導するための音声等を出力する、もしくは、作業装置70に対して所定の情報に対応する音声等を出力することができる。
【0063】
(固定部60)
固定部60は、後述する自走式作業装置70aを自動取引装置30の前面に固定するための機構である。例えば、固定部60は、自動取引装置30の側面に設けられ、自走式作業装置70aに設けられた固定部96(図9参照)の係合機構が、固定部60の開口部に挿入され、固定部60内部の係合機構(図示省略)と係合することにより、後述する自走式作業装置70aを自動取引装置30の前面に固定する。なお、固定部60には図示しない検知部を設け、当該検知部によって固定部60と固定部96との係合状態を検知し、検知した結果を制御部32に出力するようにしてもよい。また、固定部60は、固定部96として自走式作業装置70aに内蔵された電磁石が吸着することができる強磁性体であってもよい。
【0064】
(保管庫62)
保管庫62は、自動取引装置30の内部に設けられた空間である。保管庫62は、図2においては1個しか示されていないが、自動取引装置30内に複数個設けられていてもよい。保管庫62は、例えば、自動取引装置30のカード挿入口40a、通帳挿入排出口42a、紙幣入出金口44a、及び硬貨入出金口46aから顧客に対して媒体(以下においては、媒体とは、カード等のカード状媒体、明細票、通帳等の冊子状媒体、紙幣、硬貨等を指す)が排出されたにも関わらず、所定の時間以上に亘って顧客がこれら媒体を自動取引装置30から抜き取らない場合には、顧客が媒体を取り忘れたものとして、取り忘れた各々の媒体を媒体の種別ごとに保管する。
【0065】
なお、保管庫62は、現金等の媒体を収納しているため、保管庫62を開けることができる権限を持つ保守員、警備員、行員等以外は保管庫62を開けることができない。従って、保管庫62には、施錠機構(図示省略)が設けられ、保管庫62を開けることができる権限を持つ保守員等を認証し、上記施錠機構を解錠するための認証機構(物理的な鍵、磁気カード、入力パスワード、指紋等を利用した認証装置)(図示省略)が、扉52と同様に設けられていることが好ましい。当該認証機構は、扉52と同様に、後述する作業装置70を認証することもでき、作業装置70は当該認証機構によって認証されることにより、保管庫62の施錠機構を解錠することができる。
【0066】
<作業装置70の基本構成>
以上、本実施形態に係る自動取引装置30の基本構成を説明した。続いて、本実施形態に係る作業システム1に含まれる作業装置70の基本構成を、図5から図9を参照して説明する。図5は本実施形態に係る作業装置70の側面図であり、図6及び図7は、本実施形態に係る作業装置70の設置の一例を説明する説明図である。さらに、図8は本実施形態に係る作業装置70の制御系のブロック図であり、図9は本実施形態に係る自走式作業装置70aの側面図である。
【0067】
作業装置70は、例えば上述の自動取引装置30との間で通信可能に接続され、自動取引装置30に対して、もしくは、自動取引装置30の周囲において作業を行う装置である。例えば、作業装置70は、図6及び図7に示すように隣り合う複数の自動取引装置30の間に設置され、後述する作業アーム78を用いて、自動取引装置30の正面に対して作業を行ったり(図6参照)、自動取引装置30の裏面に対して作業を行ったりすることができる(図7参照)。
【0068】
作業装置70は、図5に示すように、制御部72と、通信部74と、記憶部76と、作業アーム78と、エアーノズル80と、撮影部82と、部材保管庫84と、遺失物保管庫86と、認証機構88と、音声出力部90とを主に有する。以下に、作業装置70の主な機能部について、説明する。
【0069】
(制御部72)
制御部72は、作業装置70内に設けられ、後述する通信部74といった作業装置70の各部を制御する機能を有する。この制御部72は、例えばCPUなどの演算装置によって構成され、図8に示されるように、後述する記憶部76に記憶されたプログラムに基づいて作業装置70全体の動作を制御したり、通信部74と協働して、自動取引装置30等との間で情報を送受信したりすることができる。さらに、制御部72は、作業装置70の実施した作業と時刻とを紐づけて管理するために、正確な時刻を把握する時計機構(図示省略)を内蔵してもよく、例えば、作業装置70による作業が完了した場合には、完了時の時刻情報を当該時計機構から取得して、取得した時刻情報を、記憶部76に記憶させたり、通信部74を介して自動取引装置30や監視端末100等に送信したりしてもよい。
【0070】
(通信部74)
通信部74は、通信ネットワーク6を介して、自動取引装置30等との間で情報の送受信を行う通信インタフェースであり、例えば、作業装置70内に設けられる。具体的には、通信部74は、自動取引装置30からの情報を受信することができ、さらに、制御部72の制御に従って、自動取引装置30へ情報を送信することができる。
【0071】
(記憶部76)
記憶部76は、作業装置70の内部に設けられ、情報を記憶する記憶媒体である。記憶部76は、例えば、制御部72が作業装置70の全体の動作を制御するために実行するプログラム等を記憶したり、自動取引装置30等から送信された情報(例えば、取引に関する情報、遺失物Lに関する情報、顧客に関する情報等)を記憶したりする。この記憶部76に用いられる記憶媒体としては、例えばハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM、フラッシュメモリ、MRAM、FeRAM、PRAMなどの不揮発性メモリが挙げられるがこれに限られない。
【0072】
(作業アーム78)
作業アーム78は、図5に示すように、作業装置70に設けられた人間の腕部に相当する機構を有し、上下、左右、前後方向に移動することができ、且つ、物体(媒体や遺失物L等)を把持することが可能な、所定の作業を実施するための装置である。
【0073】
例えば、作業アーム78は、第1の腕部200aと、第2の腕部200bと、第3の腕部200cと、ハンド部202と、ハンド部202と第1の腕部200aとの間を接続する第1の関節部204aと、第1の腕部200aと第2の腕部200bとの間を接続する第2の関節部204bと、第2の腕部200bと第3の腕部200cとの間を接続する第3の関節部204cと、第3の腕部200cと作業装置70の上面との間を接続する第4の関節部204dとを有する。各腕部200は、例えば、細長い直方体形状を有しており、各関節部204に接続された図示しないアクチュエータによって各関節部204が地面に対して平行な面内で回動したり、地面に対して垂直な面内で回動したりすることにより、様々な位置に移動することができる。また、同様に、ハンド部202も、ハンド部202と接続する第1の関節部204aが図示しないアクチュエータによって地面に対して平行な面内で回動したり、地面に対して垂直な面内で回動したりすることにより、様々な位置に移動することができる。さらに、このハンド部202は、人間の指先に相当する部位であり、人間の指先程度の大きさを有する2つの細長い直方体を有し、図示しないアクチュエータによって2つの細長い直方体を相対的に移動させることにより、互いの位置関係を変化させ、媒体等を把持することができる。
【0074】
また、作業アーム78は、上述の記憶部76に記憶されたプログラムを読み出した制御部72によって制御されることにより動作し、予めプログラムによって定められた動作を行うことにより、所定の作業に関する動作を実施する。なお、作業アーム78は、後述する撮影部82によって取得された画像を参照しつつ、動作を行ってもよく、もしくは、作業アーム78に設けられた加速度センサ(図示省略)等のセンサの検出結果を算出しつつ、動作を行ってもよい。
【0075】
なお、本実施形態においては、作業アーム78の形態は、図5に示される形態に限定されるものではなく、例えば、作業アーム78は、作業アーム78を地面に対して上下に移動させるパンタグラフ構造の移動装置を有していてもよく、また、作業アーム78の有する各腕部200の長手方向の長さを変化させる長さ調節機構を有していてもよい。また、作業装置70は、複数の作業アーム78を有していてもよく、例えば、作業装置70に、自動取引装置30の正面に対して作業を行うための作業アーム78と、自動取引装置30の裏面に対して作業を行うための作業アーム78とを設けることにより、保安上の理由から自動取引装置30の正面側と裏面側とを隔てる壁が設けられていた場合であっても、自動取引装置30の間に固定設置された作業装置70は、自動取引装置30の正面及び裏面の両方に対して作業を行うことができる。
【0076】
(エアーノズル80)
エアーノズル80は、自動取引装置30上に存在するほこり、異物等を吸引する、もしくは、ほこり等を吹き飛ばす装置である。詳細には、エアーノズル80は、作業装置70内に設けられた、空気を吸引する吸引部(図示省略)又は空気を排出する排出部(図示省略)と、上記吸引部又は排出部と接続され、先端部が作業装置70の外部から突出しているチューブ状のノズル部80aとを有し、ノズル部80aの先端部をほこり等に向けることにより(この際、作業アーム78によってエアーノズル80のノズル部80aを保持し、ノズル部80aの先端部をほこり等に向けてもよい)、ほこり等を吸引する又は吹き飛ばすことができる。
【0077】
(撮影部82)
撮影部(第3の撮影装置)82は、例えば、作業装置70上に設けられたビデオカメラ等から構成された装置であり、ATMブース2内で自動取引装置30を利用する顧客の顔、動作等を撮影したり、自動取引装置30又は自動取引装置30の周囲を撮影したり、作業アーム78(例えば、作業アーム78のハンド部202)を撮影したりすることができる。詳細には、当該撮影部82は、記憶部76に記憶されたプログラムを読み出した制御部72によって制御されることにより、所望の被写体に向けて移動し、所望の画像を取得することができる。
【0078】
例えば、撮影部82は、自動取引装置30の周囲及び作業アーム78を撮影し、取得した画像を解析することにより、作業装置70と自動取引装置30との相対的な位置関係を把握したり、作業アーム78の位置や作業アーム78の作業状況を把握したりすることができる。また、撮影部82は、ATMブース2内の壁等に設けられた認識マークの画像を取得し、取得した認識マークの画像と、予め記憶部76に記憶された当該認識マークの位置情報とを参照して、作業装置70の位置を把握してもよい。
【0079】
(部材保管庫84及び遺失物保管庫86)
部材保管庫(第2の保管庫)84及び遺失物保管庫(第1の保管庫)86は、作業装置70の内部に設けられた空間であり、部材保管庫84は、作業装置70が用いる作業部材等(例えば、清掃部材C等)を保管するための保管庫であり、遺失物保管庫86は、顧客が自動取引装置30又は自動取引装置30の周囲に載置したままの遺失物L等を保管するための保管庫である。
【0080】
なお、保管庫84等には、作業部材等を管理するために作業部材等に貼付されたタグに書き込まれた情報を読取るタグリーダ(図示省略)が設けられていてもよく、もしくは、遺失物L等を管理するための管理情報が書き込まれたタグを印刷し、遺失物L等に貼付する印刷部(図示省略)が設けられていてもよい。また、保管庫86には顧客の所有物や現金が保管されることもあるため、保管庫86は厳重に管理されていることが好ましい。従って、保管庫86には、施錠機構(図示省略)が設けられ、保管庫86を開けることができる権限を持つ保守員等を認証し、上記施錠機構を解除するための認証機構(物理的な鍵、磁気カード、入力パスワード、指紋等を利用した認証装置)(図示省略)が設けられていることが好ましい。
【0081】
(認証機構88)
認証機構(第2の認証機構)88は、例えば、上述の自動取引装置30の扉52を解錠するための認証機構であり、自動取引装置30の扉52に設けられた認証機構52bと対をなす認証機構(物理的な鍵、磁気カード等を利用した認証装置)である。具体的な認証機構88の例としては、作業装置70内に内蔵された機械的な鍵88を挙げることができ、この場合、作業装置70は、当該鍵88を上述の作業アーム78によって自動取引装置30の扉52に設けられた鍵穴(認証機構52b)に挿入し、回転させる。そして、挿入した鍵88が当該鍵穴52b内部の機構と係合した場合には、扉52が解錠される。
【0082】
(音声出力部90)
音声出力部90は、例えば、作業装置70の側面等に設置されたスピーカであって、制御部72の制御に従って、自動取引装置30に対して、もしくは、自動取引装置30を利用する顧客に対して所定の情報に対応する音声等を出力する。
【0083】
上述の説明においては、作業装置70は、隣り合う複数の自動取引装置30の間に固定設置される装置として説明したが、本実施形態においては、作業装置70は、固定設置される装置に限定されるものではなく、ATMブース2内を移動する自走式作業装置70aであってもよい。当該自走式作業装置70aは、上述の作業装置70と同様の機能部を有するとともに、以下に説明する機能部をさらに有していてもよい。詳細には、自走式作業装置70aは、例えば、図9に示すように、移動機構部92と、表示部94と、固定部96とをさらに有する。以下に、上述の作業装置70の機能部以外の、自走式作業装置70aの主な機能部について説明する。
【0084】
(移動機構部92)
移動機構部92は、自走式作業装置70aをATMブース2内で移動させるための移動機構である。例えば、移動機構部92は、自走式作業装置70aの下部に設けられた複数の車輪を有しており、これらの車輪を、制御部72により制御してATMブース2内の床に接するように回動させることにより、自走式作業装置70aは、例えば、ATMブース2内のあらかじめ決められた経路上を前後左右に移動することができる。なお、自走式作業装置70aが移動する際には、自走式作業装置70aの周辺の顧客に対し、上述の音声出力部90を介して、自走式作業装置70aが移動する旨を警告する警告音を出力してもよい。
【0085】
(表示部94)
表示部94は、自動取引装置30に対して所定の情報を表示したり、自動取引装置30を利用する顧客に対して所定の情報を表示したりする装置であり、例えば、自走式作業装置70aの正面に設けられる。詳細には、表示部94は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、OLED装置により実現される。
【0086】
(固定部96)
固定部96は、自走式作業装置70aを自動取引装置30の前面に固定するための機構である。例えば、固定部96は、自走式作業装置70aの側面に設けられ、自走式作業装置70aを自動取引装置30に固定する際には、固定部96の内部から係合機構(図示省略)が突出し、固定部60の開口部内に挿入され(図2参照)、固定部60内部の係合機構(図示省略)と係合することにより、自走式作業装置70aを自動取引装置30の前面に固定する。もしくは、固定部96は、自走式作業装置70aに内蔵された電磁石であってもよく、制御部72の制御によって磁石として機能した場合には、当該磁石の磁力によって自動取引装置30の固定部60に吸着することができる。
【0087】
なお、自走式作業装置70aは、平常時においては、先に説明したように、バックヤードスペース10に格納されていてもよい。また、自走式作業装置70aは、自動取引装置30の前面に固定された際に自動取引装置30の前面を覆い、当該前面を保護する保護カバー98(図22参照)を内蔵していてもよい。
【0088】
<監視端末100の基本構成>
以上、本実施形態に係る作業装置70の基本構成を説明した。続いて、本実施形態に係る作業システム1に含まれる監視端末100の基本構成を、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る監視端末100の制御系のブロック図である。
【0089】
監視端末100が設置される監視センタ8は、複数の自動取引装置30の稼働状況等を、通信ネットワーク6を介して集中監視するセンタであり、監視センタ8に駐在するオペレータが監視端末100を用いて自動取引装置30と通信することにより、自動取引装置30を集中監視する。監視端末100は、例えばPC(Personal Computer)等から構成され、具体的には、図10に示すように、制御部102と、通信部104と、記憶部106と、表示部108と、操作部110と、ハンドセット112とを主に有する。以下に、監視端末100の主な機能部について説明する。
【0090】
(制御部102)
制御部102は、監視端末100の内部に設けられ、後述する通信部104といった監視端末100の各部を制御する機能を有する。この制御部102は、例えばCPUなどの演算装置によって構成され、後述する記憶部106に記憶されたプログラムに基づいて監視端末100全体の動作を制御する。
【0091】
(通信部104)
通信部104は、監視端末100の内部に設けられ、通信ネットワーク6を介して、自動取引装置30等との間で情報の送受信を行う通信インタフェースである。例えば、通信部104は、自動取引装置30からの情報を受信することができる。さらに、通信部104は、制御部102の制御に従って、所定の情報を自動取引装置30等へ送信することができる。
【0092】
(記憶部106)
記憶部106は、監視端末100の内部に設けられ、情報を記憶する記憶媒体である。記憶部106は、例えば、制御部102が監視端末100の全体の動作を制御するために実行するプログラム等を記憶する。この記憶部106に用いられる記憶媒体としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM、フラッシュメモリ、MRAM、FeRAM、PRAMなどの不揮発性メモリが挙げられる。
【0093】
(表示部108及び操作部110)
オペレータに対して情報を表示する表示部108は、例えば、CRTディスプレイ装置等から構成される。また、オペレータからの入力操作を受け付ける操作部110は、例えば、PCに付属するキーボード等から構成される。なお、表示部108及び操作部110は、別体のものとして構成されていてもよく、もしくは、操作機能と表示機能の両方の機能を包含する操作表示部として構成されていてもよい。
【0094】
(ハンドセット112)
ハンドセット112は、自動取引装置30のハンドセット54を利用する顧客に対して、オペレータが発話したり、顧客の音声を聞いたりする装置であり、例えば、監視端末100に付属するヘッドフォン(図示省略)とマイク(図示省略)とによって構成される。詳細には、ハンドセット112は、自動取引装置30のハンドセット54から送信された顧客からの音声を受け付け、受け付けた音声をオペレータに対して出力するヘッドフォンと、顧客に対してオペレータが発する発話を受け付けるマイクとを有し、オペレータは、このハンドセット112を用いることにより、例えば、顧客からの問い合わせに対する応答を行うことができる。
【0095】
<ホストコンピュータ120の基本構成>
以上、本実施形態に係る監視端末100の基本構成を説明した。続いて、本実施形態に係る作業システム1に含まれるホストコンピュータ120を説明する。
【0096】
ホストコンピュータ120は、顧客の口座の口座番号、暗証番号、残高、顧客の氏名、住所、年齢、生年月日等の顧客口座情報を管理し、上述の自動取引装置30等を用いて行われた入出金や振込などの各種の取引を処理するための装置である。詳細には、ホストコンピュータ120は、口座番号ごとに、顧客の氏名、住所等、口座の科目、支店名、残高等の顧客口座情報を記憶する。さらに、ホストコンピュータ120は、自動取引装置30からの通信に応じて、顧客口座情報の登録、更新、送信を行って取引処理を行い、また、口座ごとに取引明細を記憶する。さらに、ホストコンピュータ120は、自動取引装置30からの通信に応じて、必要な情報を自動取引装置30へ送信することもできる。なお、ホストコンピュータ120は、自動取引装置30からの通信を受ける際には、所定の認証方式により認証を行ってもよい。
【0097】
また、ホストコンピュータ120は、そのハードウェア構成の一例として、CPU、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)が内部バスを介して入出力インタフェースに接続され、入出力インタフェースには入力装置、出力装置、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、及びネットワークインターフェースが接続される構成を有することができる。
【0098】
<<監視部56の詳細について>>
次に、本実施形態に係る監視部56の詳細を説明する。自動取引装置30等に設けられた監視部56は、先に説明したように、自動取引装置30の稼動状況や、自動取引装置30を用いて取引を行う顧客の状況、もしくは、自動取引装置30の周囲の状況を検知する装置である。より具体的には、監視部56は、例えば、以下のような装置であることができる。
【0099】
(故障監視部500)
監視部56の一例として、例えば自動取引装置30の故障を検知する故障監視部500を挙げることができる。具体的には、故障監視部500は、自動取引装置30内の搬送路64を搬送される紙幣、通帳T等を検知するための複数の媒体検知部500aから構成される(図12参照)。例えば、各媒体検知部500aは、紙幣等により光が遮られることにより紙幣等の搬送状態を検知する受発光センサからなる光学式センサ等であることができ、媒体検知部500aが所定の時間以上紙幣等によって光が遮られていることを検知した場合には、媒体検知部500aに対応する搬送路64において自動取引装置30の故障の一種であるジャム(例えば、紙幣づまり等)が発生したとして、媒体検知部500aは、検知した検知結果を制御部32に出力する。そして、制御部32は、ジャムに係る検知結果を出力した媒体検知部500aの設置位置により、ジャムが発生した搬送路64の位置を把握することができる。なお、制御部32は、ジャムが生じた旨の情報を、ジャムが生じた位置に関する情報と紐づけて、作業装置70へ送信することもできる。
【0100】
また、故障監視部500は、自動取引装置30が取引処理中に動作がフリーズしたこと(具体的には、自動取引装置30において入金や出金等の取引が行われている最中に、取引を行うためのプログラムが応答しなくなり、自動取引装置30が取引を行うことができない状態)を検知する検知センサであってもよい。
【0101】
さらに、故障監視部500は、自動取引装置30内の異物を検知する異物検知部であってもよく、例えば、異物検知部は、自動取引装置30のカード挿入口40a、通帳挿入排出口42a、紙幣入出金口44a、及び硬貨入出金口46aに向けられた、カメラ等の撮影装置(図示省略)であってもよい。当該異物検知部は、所定の媒体(カード、通帳、明細票、紙幣、硬貨等)以外の異物(例えば、クリップ等)がカード挿入口40a等に挿入されたことを検知した場合には、自動取引装置30の故障の原因となり得る異物が自動取引装置30内に投入されたとして、検知結果を制御部32に出力する。
【0102】
また、故障監視部500と同様に、自動取引装置30の状態を検知する監視部56の一例としては、自動取引装置30の金庫部50(図14参照)等に設けられ、金庫部50等に収納された紙幣等の数又は容量を検知する容量検知部500b(図14参照)を挙げることができる。例えば、容量検知部500bは、光学式センサであることができ、金庫部50に収納された紙幣によって光が遮られることにより収納された紙幣の容量を検知し、検知した検知結果を制御部32に出力する。そして、制御部32は、制御部32へと検知結果を出力した容量検知部500bの設置した高さにより、その高さにまで紙幣が収納されたこと、すなわち、収納された紙幣の容量を認識することができる。なお、金庫部50の収納された紙幣又は硬貨の数は、紙幣入出金部44及び硬貨入出金部46において紙幣及び硬貨を識別する際に計数を行うことにより、認識されてもよい。
【0103】
また、容量検知部500bと同様に、自動取引装置30の状態を検知する監視部56の他の一例としては、例えば、カードリーダ部40にて明細票を印刷する際に使用される用紙やインクリボン等の自動取引装置30における消耗品の残量が不足していることを検知する残量検知部を挙げることができる。
【0104】
さらに、自動取引装置30の状態を検知する監視部56のさらなる他の一例としては、自動取引装置30のカード挿入口40a、通帳挿入排出口42a、紙幣入出金口44a、及び硬貨入出金口46aに設けられた、顧客が取り忘れた取り忘れ媒体B(カード等のカード状媒体、明細票、通帳等の冊子状媒体、紙幣、硬貨等)を検知する取り忘れ媒体検知部500c(図21参照)を挙げることができる。例えば、当該取り忘れ媒体検知部500cは、光学式センサで構成することができ、所定の時間以上に亘って上記媒体Bを検知した場合には、顧客が媒体Bを取り忘れたものとして、検知した検知結果を制御部32に出力する。
【0105】
(照度検知部502)
監視部56の一例として、ATMブース2内(室内)の照度を検知する照度検知部502を挙げることができる(図15参照)。照度検知部502は、自動取引装置30の正面、作業装置70の上面、もしくはATMブース2の壁等に設けられ、室内照度を検知するフォトダイオード等から構成されるセンサである。照度検知部502は、所定の照度以下の照度が検知された場合には、ATMブース2内の照明装置20(図1参照)が故障した、もしくは、照明装置20が製品寿命に達したことに起因して照明装置20を交換する必要があるとして、検知した検知結果を制御部32に出力する。
【0106】
また、照度検知部502と同様に、ATMブース2内の状態を検知する監視部56の一例としては、自動取引装置30の周辺に設けられたラック(図示省略)に収納された、顧客が紙幣等を運ぶために利用する紙幣封筒(図示省略)の残量が不足していること検知する残量検知部(図示省略)であってもよい。例えば、当該残量検知部は、ラックの画像を取得するカメラ等の撮影装置で構成することができ、取得したラック画像を比較することにより、ラック内の紙幣封筒の残量が不足していることを検知する。また、監視部56は、紙幣封筒の他にも、自動取引装置30に置かれた朱肉や筆記用具等(図示省略)の有無等を検知する検知部であってもよい。
【0107】
(汚れ検知部504)
監視部56の一例として、汚れ検知部504を挙げることができる(図16参照)。汚れ検知部504は、例えば、自動取引装置30の操作表示部36の汚れを検知する汚れ検知部である。具体的には、操作表示部36の汚れを検知する汚れ検知部504は、操作表示部36を撮影する撮影装置であり、撮影した操作表示部36の画像と、記憶部48に記憶された正常時(操作表示部36が汚れていない状態)の操作表示部36の画像とを比較することにより、操作表示部36の汚れ(例えば、操作表示部36上のほこり、ごみ、指紋、髪の毛、空き缶、ボトル、レシート等)を検知することができる。また、操作表示部36の汚れを検知する汚れ検知部504は、操作表示部36に組み込まれた光センサであってもよく、この場合、操作表示部36上に位置する汚れによって光センサが検知する受光量が変化することにより、操作表示部36の汚れを検知することができる。
【0108】
また、汚れ検知部504は、ATMブース2の床の汚れを検知する汚れ検知部であってもよい。この場合、例えば、汚れ検知部504は、自動取引装置30等に設けられたATMブース2の床を撮影する撮影装置であってもよく、ATMブース2内に顧客が不在である際にATMブース2の床を撮影し、撮影した画像と記憶部48に記憶された正常時(床が汚れていない状態)の床の画像とを比較することにより、床の汚れを検知することができる。
【0109】
(ハンドセット検知部506)
監視部56の一例として、ハンドセット検知部506を挙げることができる(図17参照)。ハンドセット検知部506は、自動取引装置30のハンドセット54の状態を検知する検知部である。より具体的には、ハンドセット検知部506は、ハンドセット54の受話部54aが載置される受け部54bに設けられ(図17参照)、受話部54aが受け部54bに載置され、受話部54aによってハンドセット検知部506が押圧されることにより、受話部54aが受け部54bに載置されていることを検知する。さらに、ハンドセット検知部506は、受話部54aが受け部54bから外され、受話部54aによってハンドセット検知部506が押圧されなくなった場合には、受話部54aが受け部54bから外れていることを検知し、検知した検知結果を制御部32に出力する。
【0110】
(遺失物検知部508)
監視部56の一例として、ATMブース2内に載置された遺失物Lを検知する遺失物検知部508を挙げることができる(図19参照)。例えば、遺失物検知部508は、自動取引装置30等に設けられた、ATMブース2を撮影するビデオカメラ等の撮影装置(第1の撮影装置)であることができ、当該撮影装置は、ATMブース2に顧客が不在である際に、ATMブース2内、すなわち、自動取引装置30及び自動取引装置30の周囲を撮影し、撮影した画像と記憶部48に記憶されたATMブース内の正常時(ATMブース2内に遺失物Lが載置されていない状態)の画像とを比較することにより、ATMブース2内に載置された遺失物Lを検知することができる。なお、遺失物検知部508は作業装置70を撮影する機能も有していてもよい。
【0111】
(顧客撮影用撮影装置510)
監視部56の一例として、顧客撮影用撮影装置510を挙げることができる(図22参照)。顧客撮影用撮影装置510は、自動取引装置30等に設けられた、自動取引装置30を利用する顧客の顔を撮影したり、ATMブース2内の顧客の動作を撮影したりするビデオカメラ等の撮影装置(第1の撮影装置)である。詳細には、顧客撮影用撮影装置510は、自動取引装置30を利用する顧客の顔を撮影し、撮影した画像と記憶部48に記憶された犯罪者の顔画像(例えば、手配写真)とを比較、照合することにより、同一人物であると判断される場合には、顧客が自動取引装置30に対して盗難行為等を行う恐れが高い人物(不審者)であるとして、検知結果を制御部32に出力する。また、顧客撮影用撮影装置510は、撮影された顧客の画像を解析し、顧客がヘルメットや覆面を装着していることを検知した場合には、当該顧客は不審者であるとして検知結果を制御部32に出力する。さらに、顧客撮影用撮影装置510は、顧客の動作を撮影した画像を解析することにより、顧客の挙動不審な動き(ATMブース2内を何度も行ったり来たりする、自動取引装置30に対する破壊動作等)を検知した場合には、当該顧客は不審者であるとして検知結果を制御部32に出力してもよい。なお、顧客撮影用撮影装置510は、自動取引装置30、自動取引装置30の周囲、又は、作業装置70を撮影する機能を有していてもよい。
【0112】
(衝撃検知部512)
監視部56の一例として、自動取引装置30に印加された衝撃による振動を検知する検知衝撃検知部512を挙げることができる(図22参照)。衝撃検知部512は、例えば、自動取引装置30内に設けられ、自動取引装置30に印加された衝撃による振動を検知して、電気信号を出力する圧電セラミックス等を利用した衝撃センサである。詳細には、衝撃検知部512は、所定の変位量以上の振動を検知した場合には、自動取引装置30を破壊しようとする破壊行為によって自動取引装置30に加えられた衝撃に起因する振動であると予想し、検知した検知結果を制御部32に出力する。なお、衝撃検知部512は、衝撃に起因する音を検知する集音器(図示省略)であってもよい。また、当該集音器は、作業装置70から出力される所定の音声を取得する機能も有していてもよい。
【0113】
また、衝撃検知部512と同様に、自動取引措置30の破壊につながる状態を検知する監視部56の一例としては、ATMブース2内で発生した火災を検知する火災検知部(図示省略)を挙げることができる。この場合、例えば、火災検知部は、火災の発生時に生じる特定の温度以上の温度を検知することができる温度センサであってもよく、火災が発生した場合に大量に発生する二酸化炭素を検知するガスセンサや、火災が発生した場合に放出される赤外線を検知する赤外線検知センサであってもよい。
【0114】
さらに、監視部56は、ATMブース2内の湿度を検知する湿度検知部であってもよく、もしくは、ATMブース2内の臭気(例えば、可燃性ガスやアルコールの臭気)を検知するにおいセンサであってもよい。すなわち、本実施形態においては、監視部56の形態は特に限定されるものではない。
【0115】
<<作業システム1の基本的な作業の流れ>>
続いて、本実施形態に係る作業システム1の基本的な作業の流れについて、図11を参照して説明する。図11は、同実施形態に係る作業システム1の作業の流れを示すシーケンス図である。作業システム1で行われる基本作業の一連の流れを要約すると、自動取引装置30等の監視部56により所定の監視結果が取得された場合には、自動取引装置30は、取得した監視結果を通信等により作業装置70へ通知する。そして、作業装置70は、通知された監視結果に基づき作業を実施する。さらに、作業装置70は、一連の作業を終了した場合には、作業結果を通信等により自動取引装置30及び監視端末100へ通知する。以下に、この一連の作業の流れの詳細を、ステップS101からステップS115として説明する。
【0116】
(ステップS101)
自動取引装置30等の監視部56により、所定の監視結果が取得された場合には、例えば通信部34を介して、作業装置70に監視結果を通知する。なお、この際、監視部56は、監視端末100にも監視結果を通知してもよい。次いで、ステップS103へ進む。
【0117】
(ステップS103)
作業装置70は、通知された監視結果に基づき作業の準備を実施する。すなわち、作業装置70は、監視結果に基づき、作業内容、作業箇所、作業の緊急度(例えば、監視結果に基づいて、自動取引装置30が稼働停止になっていることが確認された場合やすぐにでも稼働停止になる恐れがあることが認識された場合には、作業の緊急度が高いと判断する。一方、自動取引装置30の稼動継続が可能と認識された場合には、作業の緊急度が低いと判断する。なお、判断した緊急度は、例えば、作業の実施日時を決定する際に参照される)等を設定する。さらに、作業装置70は、作業にあたり作業部材、補充部材等(例えば、作業装置70が清掃作業を実施する場合には、作業部材として清掃部材Cが挙げられる。また、作業装置70が補充作業を実施する場合には、補充部材の一例として紙幣カセットが挙げられる。)が必要な場合には、作業部材等が作業装置70の保管庫84、バックヤードスペース10の保管庫24等にあるかどうかを確認し、必要に応じて、作業部材等を発注するための発注情報を監視センタ8の監視端末100に送信する。
【0118】
また、作業装置70は、作業を実施する日時を決定し、決定した作業実施日時を事前に又は直前に、自動取引装置30及び監視端末100に通知する。なお、作業実施日時は、自動取引装置30の稼動率を悪化させないように設定することが好ましく、例えば、緊急度が低い作業の場合には、自動取引装置30の稼動時間外に設定したり、自動取引装置30に記憶された自動取引装置30の稼働状況を参照して、顧客が利用する可能性が低い日時に設定したりすることが好ましい。次いで、ステップS105へ進む。
【0119】
(ステップS105)
自動取引装置30は、作業装置70が作業を実施する際に自動取引装置30を稼働することができない場合には、作業装置70から通知された作業実施日時に基づき、稼働を停止する。次いで、ステップS107へ進む。
【0120】
(ステップS107)
監視端末100は、作業装置70から送信された発注情報及び作業実施日時に基づき、作業実施日時前に作業部材等をATMブース2へ配送する。例えば、作業部材等の配送は、警備会社の警備員、保守会社の保守員、金融機関の行員、掃除会社の担当者等によって行われ、配送された作業部材等は、例えば、バックヤードスペース10の保管庫24等に保管される。なお、作業実施日時までに作業部材等の配送が困難な場合には、監視端末100から作業装置70へ、作業実施日時の変更を要求する要求情報を送信してもよい。このような場合、作業装置70は、監視端末100から送信された要求情報を参照して、作業実施日時を変更する。次いで、ステップS109へ進む。
【0121】
(ステップS109)
作業装置70はステップS103で設定した作業を開始する。詳細には、作業装置70の制御部72は、作業装置70の記憶部76に記憶された該当作業のためのナビゲーションプログラムを読み出す。このナビゲーションプログラムは、例えば、作業装置70が作業内容ごとにあらかじめ決められた一連の動作を実施するように構成されている。なお、ナビゲーションプログラムは、自動取引装置30又は監視端末100から作業装置70に送信されてもよい。作業装置70は、読みだされたナビゲーションプログラムに従い、作業アーム78等を動作させて、該当する作業を実施する。次いで、ステップS111へ進む。
【0122】
(ステップS111)
作業装置70は、上記ナビゲーションプログラムに従って作業が完了した場合には、作業が完了した旨、作業完了日時、完了した作業内容等の情報を自動取引装置30及び監視端末100へ通知する。次いで、ステップS113へ進む。
【0123】
(ステップS113)
自動取引装置30は、作業装置70から通知された情報に基づき、作業装置70により該当する作業が適切に実施されたか否かを確認する(例えば、自動取引装置30内でのジャムを解消する作業が作業装置70によって実施された場合には、自動取引装置30は、当該ジャムが解消されたか否かを監視部56等によって確認する)。また、必要に応じて、自動取引装置30は、作業装置70から通知された情報を記憶部48に記憶させてもよく、もしくは、記憶部48に記憶された取引情報等を作業装置70へ通知してもよい。次いで、ステップS115へ進む。
【0124】
(ステップS115)
監視端末100は、作業装置70から通知された情報を記憶部106に記憶させ、作業システム1における基本的な作業の流れが終了する。
【0125】
<<実施例>>
以上、本実施形態に係る作業システム1の基本的な作業の流れについて説明した。続いて、具体的な実施例を示しながら、本実施形態の作業の流れの一例について詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は本実施形態に係る作業のあくまでも一例であって、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0126】
<第1の実施例>
以下に、自動取引装置30における取引において通帳Tによるジャムが発生した場合の保守作業の実施例である第1の実施例を、図12及び図13を参照して説明する。図12及び図13は第1の実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例の保守作業の基本的な流れは、図11のシーケンス図に示されているが、本実施例の保守作業においては、図11に示されるステップS107を実施しなくてもよい。また、本実施例における作業装置70は、固定設置される作業装置70及び移動可能な自走式作業装置70aのどちらでもよい。
【0127】
顧客は、自動取引装置30にて通帳Tに記帳等するために、通帳Tを自動取引装置30の通帳挿入排出口42aへ挿入する。挿入された通帳Tは、図12に示すように、自動取引装置30内に設けられた搬送路64によって、通帳挿入排出口42aから通帳記帳部42に向かって搬送されることとなる。搬送路64による通帳Tの搬送は、監視部56の1種である故障監視部500(媒体検知部500a)によって監視され、監視結果は、随時、制御部32に出力される。故障監視部500により、例えば、所定の時間を経過しても通帳Tが通帳記帳部42にまで到達していないことが検知された場合には、制御部32は、記憶部48に記憶された故障診断プログラムを用いて、通帳Tによるジャムが通帳挿入排出口42aから通帳記帳部42までの間の搬送路64において発生したと判断し、通帳Tによるジャムを解消するための保守作業を要求する旨の情報を、要求する保守内容(保守の箇所等)の情報とともに作業装置70へ送信する。この際、自動取引装置30は、稼働を停止し、顧客に対して稼働停止を示す画像を操作表示部36に表示してもよい。さらに、自動取引装置30は、顧客に通帳Tを返却する際に用いる情報として、顧客撮影用撮影装置510等を用いて顧客の顔画像を取得してもよい。
【0128】
作業装置70は、自動取引装置30から送られた情報に基づいて、保守作業内容、保守作業箇所、緊急度、作業実施日時等を設定する。さらに、作業装置70は、自動取引装置30及び監視端末100へ保守作業を実施する作業実施日時を送信するともに、作業実施日時を記憶部76に記憶する。
【0129】
作業実施日時に到達した場合には、作業装置70の制御部72は、作業装置70の記憶部76に記憶された、通帳Tによるジャムを解消するための保守作業のためのナビゲーションプログラムを読み出し、読み出したナビゲーションプログラムに基づいて、作業アーム78等を用いて作業を開始する。この際、自動取引装置30は、ATMブース2の撮影装置16等を用いてATMブース2内に顧客が不在であることを確認し、ドア制御ユニット14を通信制御することにより、ドア12を閉鎖状態にロックしてもよい。
【0130】
まず、作業装置70の作業アーム78は、作業装置70内に内蔵された機械的な鍵(認証機構88)を取り出し、当該鍵88を扉52に設けられた鍵穴(認証機構52b)に挿入する。そして、作業アーム78は、挿入した鍵88を回転させ、当該鍵88を当該鍵穴52b内部の機構と係合させて扉52を解錠する。さらに、作業アーム78のハンド部202は、扉52の取手部52aを把持し、扉52を開ける(図3及び図5参照)。
【0131】
次に、作業アーム78のハンド部202は、通帳記帳部42が収納された引出状のユニット30bに設けられたユニット脱着用の取手部(図示省略)と係合し、該当するユニット30bを自動取引装置30から引き出す。さらに、作業アーム78は、図13に示すように、引き出したユニット30bの通帳記帳部42の搬送路64の開閉機構(図示省略)を操作して該当する搬送路64を開け、所定の動作を行い、該当する搬送路64に残っている通帳Tを抜き取り、ジャムを解消する。なお、所定の動作は、作業装置70に設けられた撮影部82によって、作業アーム78のハンド部202に把持された通帳Tが確認されるまで繰り返し行われてもよく、作業アーム78によって通帳Tを抜き取ることができないまま、所定の動作を終了してもよい。また、作業装置70は、作業アーム78によって抜き取った通帳Tを、作業装置70の保管庫86等に保管する。
【0132】
そして、作業アーム78は、上記搬送路64の開閉機構(図示省略)を操作して該当する搬送路64を閉じ、作業アーム78のハンド部202は、通帳記帳部42が収納されたユニット30bに設けられたユニット脱着用の取手部(図示省略)と係合し、当該ユニット30bを自動取引装置30に挿入する。さらに、作業アーム78のハンド部202は、扉52の取手部52aと係合し、扉52を閉める。そして、作業アーム78のハンド部202は、自動取引装置30の保守用操作部38に設けられた、自動取引装置30のリセットの実施を要求するリセットボタンを押し下げる(図3参照)。
【0133】
上記リセットボタンが押し下げられることにより、自動取引装置30の扉52は、閉鎖状態にロックされ、自動取引装置30の制御部32は、記憶部48に記憶された故障診断プログラムを用いて、ジャムの原因となった通帳Tが抜き取られたか否かを、故障監視部500(媒体検知部500a)を用いて確認する。制御部32は、通帳Tが抜き取られたことを確認した場合には、作業装置70に保守作業の終了を要求する旨の情報を送信する。さらに、自動取引装置30から保守作業の終了指示を受信した作業装置70は、保守作業が完了した旨、保守作業完了日時、保守作業内容等の情報を監視センタ8の監視端末100へ送信する。なお、作業装置70によって抜き取られ、保管庫86等に保管された通帳Tは、作業装置70によって、もしくは出動した保守員等によって、可能であれば顧客に返却される。この際、自動取引装置30が顧客撮影用撮影装置510等を用いて取得した顧客の顔画像と、返却しようとする顧客の顔画像とを照合して本人認証を行うことが好ましい。一方、作業装置70によって通帳Tが抜き取られたことが確認できない場合(ジャムが解消されていることが確認できない場合)には、自動取引装置30は、作業装置70に対して同様の保守作業を再度実施することを要求する旨の情報を送信する。
【0134】
ところで、従来の無人出張所等のATMブースに設置された自動取引装置においては、自動取引装置の保守を行う保守会社の保守員や警備会社の警備員、金融機関の行員等が、直接ATMブースに出動し、上述のような通帳によるジャムを解消する保守作業を実施していた。従って、ATMブースには保守作業を実施するための保守員等を配置もしくは巡回させる必要があり、その結果、手間、費用、時間等に関してコストがかかっていた。しかしながら、以上のように第1の実施例においては、通帳Tによるジャムを解消する保守作業をATMブース2に設置された作業装置70が実施することから、該当するATMブース2に保守員等が出動することがないため、保守作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。
【0135】
また、上述のような保守作業は、緊急的に実施が要求されることがある。従って、従来においては、自動取引装置の故障等、予期せず生じる事象については、保守員等が出動して即座に対応することができない場合があり、その結果、迅速に自動取引装置の保守作業を実施するといった一定水準以上のサービスを顧客に提供することは難しい。しかしながら、第1の実施例においては、ATMブース2に設置された作業装置70が、発生した事象に対して迅速に対応することができることから、自動取引装置30の稼動率を低下させることなく、顧客に一定水準以上のサービスを提供することができる。また、作業装置70により保守作業を行うため、ヒトの手で行うことにより生ずる保守作業水準のばらつきが生じなくなり、作業手順が抜ける等の誤りを排除することもできる。また、作業装置70が自動的に保守作業の実績を監視センタ8の監視端末100に自動的に送信するため、作業実績をもれなく記録することができる。
【0136】
なお、上述の第1の実施例においては、作業装置70は、作業アーム78を用いて自動取引装置30のリセットボタンを押し下げていたが、本実施例においては、このような動作に限定されるものではなく、リセットボタンの押し下げの代わりに、例えば、作業装置70は、自動取引装置30に対して自動取引装置30のリセットを要求する情報を送信してもよい。以上のように、情報の送信を用いることにより、作業アーム78を用いた場合に比べて作業時間を短縮することができる。
【0137】
<変形例1>
また、上述の第1の実施例の変形例として、自動取引装置30内に異物(例えば、クリップ等)が誤って挿入された場合に、作業装置70が異物を自動取引装置30から除去する保守作業を挙げることができる。なお、本実施例における作業装置70は、固定設置される作業装置70及び移動可能な自走式作業装置70aのどちらでもよい。
【0138】
本変形例においては、自動取引装置30は、監視部56の1種として、硬貨入出金口46aに向けられた撮影装置から構成された異物検知部(図示省略)を有する。当該異物検知部は、硬貨入出金口46aに投入される物体を監視し、硬貨以外の異物が硬貨入出金口46aに誤って投入されたことを検知した場合には、制御部32に検知結果を出力する。そして、制御部32は、取得した検知結果に基づき、硬貨入出金口46aから硬貨入出金部46への硬貨の搬送を停止し、異物除去の保守作業を要求する旨の情報を、要求する保守内容の情報とともに作業装置70へ送信する。そして、情報を受信した作業装置70は、作業アーム78を用いて、第1の実施例と同様に、硬貨入出金部46が収納されたユニット(図示省略)を自動取引装置30から引出し、さらに、硬貨入出金口46aから硬貨入出金部46へ向かう搬送路64を開放する。そして、作業装置70は、例えば、作業装置70に設けられたエアーノズル80を用いて、開放した搬送路64に位置する異物を、吸い出して除去する。
【0139】
なお、上述の変形例においては、異物は、硬貨入出金口46aに投入された異物として説明したが、本変形例においては、これに限定されるものではなく、異物は、紙幣入出金口44a等に誤って投入された紙状媒体等であってもよい。
【0140】
<第2の実施例>
以下に、自動取引装置30に紙幣を補充する場合の補充作業の実施例である第2の実施例を、図14を参照して具体的に説明する。図14は、第2の実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例の補充作業の基本的な流れは、図11のシーケンス図に示されている。また、以下において、作業装置70は、移動可能な自走式作業装置70aであるとして説明する。
【0141】
本実施例においては、図14に示すように、自動取引装置30は、監視部56の1種として、自動取引装置30の金庫部50に設けられた、金庫部50に収納された紙幣の容量を検知する容量検知部500bを有する。例えば、自動取引装置30の制御部32は、容量検知部500bが検知した紙幣の容量と、記憶部48に記憶された自動取引装置30の取引実績(稼動時間帯による出金量の傾向等)の情報とに基づき、今後、自動取引装置30での取引を継続するために自動取引装置30内に準備する紙幣の量が不足していると判断した場合には、自動取引装置30に紙幣を補充する補充作業を要求する旨の情報を、補充すべき紙幣の金種及び補充すべき量の情報とともに、自走式作業装置70aに対して送信する。
【0142】
自走式作業装置70aは、自動取引装置30から送信された情報に基づき、バックヤードスペース10内を移動し、バックヤードスペース10の保管庫24に該当する紙幣の在庫があるか否かの確認を行う(例えば、自走式作業装置70aは、実際の保管庫24内を撮影部82によって撮影することにより保管庫24内の在庫を確認する。もしくは、自走式作業装置70aは、記憶部76に記憶された補充実績の情報を参照して、紙幣の在庫を確認する)。そして、保管庫24内の紙幣の在庫が不足していると判断した場合には、自走式作業装置70aは、監視センタ8の監視端末100に対して紙幣の補充依頼を送信する。この際、自走式作業装置70aは、補充作業を実施しようとする補充作業実施日時を監視端末100に送信する。
【0143】
監視センタ8は、監視端末100で受信した情報に基づき、補充作業実施日時までに該当する紙幣をATMブース2へ配送する。例えば、紙幣の配送は、所定の枚数の紙幣が収納された紙幣カセット50aを配送することによって実施され、保守員等により、保管庫24に紙幣カセット50aが収納されることにより完了する。
【0144】
そして、図14に示されるように、自走式作業装置70aは、作業アーム78を用いて、保管庫24から紙幣カセット50aを取り出し、自動取引装置30のユニット30aに紙幣カセット50aを収納することにより、紙幣の補充作業を実施する。また、自走式作業装置70aは、所定の補充作業を完了した場合には、自動取引装置30及び監視端末100へ補充した紙幣に関する情報(例えば、補充した紙幣の金種及び枚数)を送信し、自動取引装置30は、当該情報に基づいて、記憶部48に記憶した収納紙幣に関する情報を更新する。
【0145】
なお、自走式作業装置70aは、紙幣の補充作業を行う際に、補充する紙幣カセット50aに貼付されたタグに記載された情報を読み取り、読み取った情報に基づいて、補充する紙幣の金種及び枚数を把握してもよい。
【0146】
以上のように、第2の実施例によれば、紙幣を補充する補充作業をATMブース2に配置された自走式作業装置70aが実施することから、該当ATMブース2に保守員等が出動することがないため、補充作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。また、第2の実施例においては、自走式作業装置70aが、紙幣の不足等の事象に対して迅速に対応することができることから、自動取引装置30の稼動率を低下させることなく、顧客にサービスを提供することができる。さらに、自走式作業装置70aにより補充作業を行うため、誤った金種の紙幣を補充するといったヒューマンエラーを排除することができる。
【0147】
なお、上述の第2の実施例においては、紙幣の補充について説明したが、自走式作業装置70aによって行う補充作業は、紙幣の補充に限定されるものではなく、例えば、硬貨の補充であってもよく、また、自動取引装置30のカードリーダ部40にて明細票を印刷する際に使用される用紙やインクリボン等の補充作業であってもよい。さらに、監視センタ8から用紙等の補充部材が配送される場合には、補充部材は、自走式作業装置70a内に設けられた保管庫84に保管されていてもよく、もしくは、ATMブース2内のあらかじめ決められた位置に載置され、自走式作業装置70aによって、バックヤードスペース10の保管庫24に保管されてもよい。
【0148】
<第3の実施例>
以下に、ATMブース2の照明装置20が故障等した場合に、作業装置70によって照明装置20を交換する交換作業の実施例である第3の実施例を、図15を参照して具体的に説明する。図15は、第3の実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例の交換作業の基本的な流れは、図11のシーケンス図に示されている。また、以下において、作業装置70は、移動可能な自走式作業装置70aであるとして説明する。
【0149】
本実施例においては、自動取引装置30は、図15に示すように、監視部56の1種としてATMブース2内の照度を検知する照度検知部502を有する。照度検知部502は、所定の照度以下の照度が検知された場合には、ATMブース2内の照明装置20(図1参照)が故障した、もしくは、照明装置20が製品寿命に達し、照明装置20を交換する必要があるとして、検知した検知結果を制御部32に出力する。そして、制御部32は、自走式作業装置70aに対して、照明装置20を交換する交換作業を要求する旨の情報を、該当する照明装置20の位置の情報とともに送信する。
【0150】
自動取引装置30から情報を受信した自走式作業装置70aは、バックヤードスペース10内を移動し、保管庫24からに新しい照明装置20を取り出し、自走式作業装置70aの保管庫84に取り出した新しい照明装置20を保管する。さらに、自走式作業装置70aは、ATMブース2内に移動し(この際、自走式作業装置70aは、撮影部82を用いて、ATMブース2内の壁等に設けられた認識マークの画像を取得し、取得した認識マークの画像と、予め記憶部76に記憶された当該認識マークの位置情報とを参照して、自走式作業装置70aの位置を把握してもよい)、撮影部82等を用いて故障した照明装置20の位置及び状態を確認する。さらに、自走式作業装置70aは、ATMブース2の壁に設けられたスイッチパネル22にまで移動し、作業アーム78を用いて、該当する照明装置20を消灯する。この際、自走式作業装置70aは、撮影部82やATMブース2に設けられた撮影装置16によって取得した画像を参照して、ATMブース2内に顧客が不在であることを確認した後に、照明装置20を消灯することが好ましく、さらには、自走式作業装置70aの音声出力部90から消灯する旨を警告する音声を出力してもよい。
【0151】
次に、自走式作業装置70aは、図15に示すように、交換すべき照明装置20の真下まで移動し、作業アーム78を照明装置20に向かって上に伸ばし、該当する照明装置20を取り外す。なお、自走式作業装置70aは、照明装置20の形状や交換方法(照明装置20を回転させる、はめ込む等)等の情報を予め記憶部76に記憶しており、記憶した情報に基づき作業を実施する。また、照明装置20は、球状ランプ又は管状ランプの形態であってもよく、もしくは、作業アーム78の作業の容易性を確保するために、球状ランプ又は管状ランプを格納する照明ユニットの形態であってもよい。具体的には、照明ユニットの場合には、ATMブース2の天井の所定の位置から照明ユニットを抜き取り、さらに新たな照明ユニットを所定の位置にはめ込むことにより、照明装置20を交換することができる。なお、自走式作業装置70aは、交換した古い照明装置20については保管庫84等に保管する。さらに、自走式作業装置70aは、スイッチパネル22にまで移動し、作業アーム78を用いて照明装置20を点灯する。
【0152】
自走式作業装置70aは、所定の交換作業が完了した場合には、交換作業が完了した旨の情報を自動取引装置30へ送信する。当該情報を受信した自動取引装置30は、照度検知部502を用いてATMブース2内の照度を検知することにより、適切に照明装置20が交換されたか否かを確認する。自動取引装置30は、適切に照明装置20が交換されたことを確認した場合には、自走式作業装置70aに交換作業の終了を要求する旨の情報を送信する。一方、自動取引装置30は、適切に照明装置20が交換されたことが確認できない場合には、自走式作業装置70aに対して交換作業を再度実施することを要求する旨の情報を送信する。
【0153】
以上のように、第3の実施例によれば、照明装置20を交換する交換作業をATMブース2に配置された自走式作業装置70aが実施することから、該当ATMブース2に保守員等が出動することがないため、交換作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。また、第3の実施例においては、自走式作業装置70aが、照明装置20の故障等の事象に対して迅速に対応することができることから、常に、ATMブース2内が明るく保たれ、顧客にサービスを提供することができる。
【0154】
なお、上述の第3の実施例においては、照明装置20の交換について説明したが、自走式作業装置70aによって行う作業は、照明装置20の交換に限定されるものではなく、例えば、自動取引装置30の周辺に設けられたラック(図示省略)に収納された、顧客が紙幣等を運ぶために利用する紙幣封筒(図示省略)の補充する補充作業や、自動取引装置30に置かれた朱肉や筆記用具等(図示省略)を補充、交換する作業であってもよい。
【0155】
<第4の実施例>
以下に、作業装置70によって自動取引装置30の操作表示部36を清掃する清掃作業の実施例である第4の実施例を、図16を参照して具体的に説明する。図16は、第4の実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例の補充作業の基本的な流れは、図11のシーケンス図に示されている。また、本実施例における作業装置70は、固定設置される作業装置70及び移動可能な自走式作業装置70aのどちらでもよい。
【0156】
本実施例においては、図16に示すように、自動取引装置30は、監視部56の1種として汚れ検知部504を有する。汚れ検知部504は、操作表示部36の汚れを検知する検知部であって、汚れを検知した場合には、操作表示部36の清掃が必要であるとして、検知した検知結果を、制御部32に出力する。制御部32は、作業装置70に対して、操作表示部36の清掃作業を要求する旨の情報を送信する。
【0157】
作業装置70は、自動取引装置30から送信された情報に基づき、清掃作業の緊急性や、作業装置70の保管庫84等内の、清掃作業を行う際に必要な清掃用具C(例えば、汚れをふき取る掃除シートや、ほこりを吸着する刷毛等の毛足状清掃用具、アルコールを含んだ除菌シート等)の在庫を確認する(在庫が不足している場合には、第2の実施例と同様に監視端末100に発注情報を送信する)。また、第1の実施例と同様に、作業装置70は、自動取引装置30等へ清掃作業を実施する掃除作業実施日時を通知するともに、当該掃除作業実施日時を記憶部76に記憶する。
【0158】
作業実施日時に到達した場合には、該当する自動取引装置30は稼働を停止し、稼働を停止した旨の情報を作業装置70に送信する。そして、自動取引装置30からの情報を受信した作業装置70は、図16に示すように、作業アーム78によって清掃用具Cを保管庫84等から取り出して、作業アーム78のハンド部202によって取り出した清掃用具Cを把持して、操作表示部36の汚れをふき取る等の清掃作業を実施する。この際、作業装置70は、エアーノズル80(図16では図示省略)を用いて操作表示部36上のほこりを吸い取る、又は吹き飛ばしてもよい。また、当該作業の実施の前に、作業装置70は、該当する自動取引装置30を利用する顧客がいないことを撮影部82等を利用して確認することが好ましく、さらに、自動取引装置30は、当該自動取引装置30を利用する顧客に対して、稼働を停止する旨の警告を、音声出力部58を介して出力したり、稼働停止を知らせる表示画面を操作表示部36に表示したりすることが好ましい。
【0159】
さらに、作業装置70は、所定の清掃作業が終了した場合には、清掃作業が完了した旨の情報を自動取引装置30へ送信する。当該情報を受信した自動取引装置30は、汚れ検知部504を用いて、適切に操作表示部36の清掃が実施されたか否かを確認する。自動取引装置30は、適切に清掃が実施されたことを確認した場合には、作業装置70に清掃作業の終了を要求する旨の情報を送信する。一方、自動取引装置30は、適切に清掃が実施されたことを確認できない場合には、作業装置70に対して清掃作業を再度実施することを要求する旨の情報を送信する。
【0160】
以上のように、第4の実施例によれば、自動取引装置30の操作表示部36を清掃する清掃作業をATMブース2に設置された作業装置70が実施することから、該当ATMブース2に保守員等が出動することがないため、清掃作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。また、第4の実施例においては、作業装置70が、汚れ検知部504が操作表示部36の汚れを検知した場合に迅速に対応することができることから、常に清潔に保たれた操作表示部36を顧客に提供することができる。さらに、作業装置70により清掃作業を行うため、ヒトの手で行うことにより生ずる清掃作業の水準のばらつきが生じなくなる。
【0161】
なお、上述の第4の実施例においては、汚れ検知部504が操作表示部36の汚れを検知した場合に、自動取引装置30が作業装置70に対して清掃作業の実施を要求する旨の情報を送信しているが、本実施例においては、このような形態に限定されるものではなく、例えば、監視センタ8の監視端末100が汚れ検知部504の検知結果を把握し、把握した検知結果に基づいて、監視端末100から作業装置70へ清掃作業の実施を要求する旨の情報を送信してもよい。また、ATMブース2を巡回して操作表示部36の汚れに気が付いた保守員等、もしくは、自動取引装置30を利用した際に操作表示部36の汚れに気が付いた顧客により、操作表示部36に対して所定の操作が行われることにより、自動取引装置30は、作業装置70に対して清掃作業の実施を要求する旨の情報を送信してもよい。さらに、作業装置70は、記憶部76に記憶された予め定められた清掃作業スケジュール(清掃作業実施日時)に従って、定期的に清掃作業を実施してもよい。また、作業装置70によって実施する清掃作業は、操作表示部36に対する清掃作業に限定されるものではなく、例えば、ATMブース2の床に対する清掃作業であってもよい。
【0162】
<変形例2>
また、上述の第4の実施例の変形例として、作業装置70が、監視端末100から送信された情報に基づいて、清掃作業のスケジュールを決定し、決定したスケジュールに従って清掃作業を実施する実施例を挙げることができる。
【0163】
上述の第4の実施例においては、先に説明したように、作業装置70は、記憶部76に記憶された予め定められた清掃作業スケジュール(清掃作業実施日時)を参照して、定期的に清掃作業を実施することもできる。この際、作業装置70は、固定した清掃作業スケジュールに従って清掃作業を実施するのではなく、監視センタ8の監視端末100から、情報提供会社が提供する気象予測情報や疾病流行情報等を取得し、取得した情報に基づいて清掃作業のスケジュールを逐次変更し、変更したスケジュールに従って清掃作業を実施してもよい。
【0164】
例えば、作業装置70は、監視端末100から受信した情報に基づいて、乾燥注意報が発令される可能性が高い日があることを認知した場合には、このような天候の場合にはインフルエンザ等の流行が予想されるため、該当日に実施する操作表示部36に対する清掃作業の回数を増加させる。また、作業装置70は、監視端末100から受信した情報に基づいて、雨天である可能性が高い日があることを認知した場合には、雨天の場合、操作表示部36がほこりによって汚れにくくなることが予想されるため、該当日の操作表示部36に対する清掃作業の回数を削減する、もしくは、ATMブース2の床が濡れて滑りやすくなることが予測されるため、該当日のATMブース2の床に対する清掃作業の回数を増加させる。さらに、作業装置70は、監視端末100から受信した天候情報に基づいて、顧客の自動取引装置30の利用が減少することが予想される場合には、該当日の清掃作業の回数を増加させてもよい。
【0165】
<第5の実施例>
以下に、地震等により自動取引装置30に設けられたハンドセット54の受話部54aが外れた場合には、作業装置70によって受話部54aを受け部54bに戻す保守作業を実施する実施例である第5の実施例を、図17及び図18を参照して具体的に説明する。図17は、本実施例を説明するための説明図であり、図18は、本実施例に係る作業システム1の動作を示すシーケンス図である。なお、本実施例における作業装置70は、固定設置される作業装置70及び移動可能な自走式作業装置70aのどちらでもよい。
【0166】
まずは、第5の実施例について説明する前に、第5の実施例の背景について簡単に説明する。従来の自動取引装置に設けられたハンドセットは、先に説明したように、音声を受け付け、出力する受話部と、受話部を収納する受け部とを有する。この受話部は、地震や、顧客が受け部に受話部を戻すことを忘れた場合等には、ハンドセットが通話使用されていないにもかかわらず、受け部から外れていることがある。このような場合、従来においては、受話部が外れていることを認知した監視センタのオペレータが、ハンドセットと監視端末との間の通話回線の接続を停止し、該当するATMブースへ保守員等を出動させる。そして、保守員等によって、受話部を受け部に戻す保守作業と、ハンドセットと監視端末との間の通信状態を確認する確認作業を実施する。しかしながら、保守員等が上記保守作業を実施するまで、受話部は受け部から外れている状態に放置され、その間、監視センタのオペレータは、上記確認作業のために待機させられることになっていた。
【0167】
そこで、本実施例においては、ATMブース2に設置された作業装置70によって受話部54aを受け部54bに戻す保守作業を実施する。従って、本実施例によれば、受話部54aが外れた事象に対して迅速に対応することができることから、自動取引装置30の稼動率を低下させることなく、顧客にサービスを提供することができ、且つ、オペレータに関しても、上記保守作業が完了するまで長時間待機させられることを避けることができる。
【0168】
(ステップS201)
以下に、本実施例の保守作業の動作の流れを説明する。まず、自動取引装置30は、ハンドセット54の受話部54aが受け部54bから外れていることを、ハンドセット検知部506により検知した場合には、監視センタ8の監視端末100に検知結果を通知する。次いで、ステップS203へ進む。
【0169】
(ステップS203)
監視センタ8の監視端末100は、自動取引装置30から送信された検知結果に基づいて、該当する自動取引装置30のハンドセット54の使用状態を確認する。詳細には、監視センタ8のオペレータによって、監視端末100のハンドセット112を通じて該当するハンドセット54を通話利用する顧客を確認できない場合には、監視端末100は、ハンドセット54が使用されていないにもかかわらず、受話部54aが受け部54bから外れていると判断する。次いで、ステップS205へ進む。
【0170】
(ステップS205)
監視端末100は、ハンドセット54が使用されていないにもかかわらず受話部54aが外れていると判断した場合には、作業装置70に対して、受話部54aを受け部54bに戻す保守作業の実施を要求する旨の情報を、該当する自動取引装置30に関する情報とともに送信する。次いで、ステップS207へ進む。
【0171】
(ステップS207)
監視端末100からの情報を受信した作業装置70は、受信した情報に基づいて、ハンドセット54に該当する自動取引装置30を利用する顧客がいるかどうか、作業装置70の撮影部82等を利用して確認する。該当する自動取引装置30を利用する顧客がいないことが確認できた場合には、ステップS209へ進む。なお、該当する自動取引装置30を利用する顧客がいた場合には、作業装置70は、当該顧客に対して、受話部54aを受け部54bに載置するように誘導する音声を音声出力部90から出力してもよい。
【0172】
(ステップS209)
作業装置70は、撮影部82を用いて取得した画像を参照しながら、作業アーム78によって、該当するハンドセット54の受け部54bから回線ケーブル54cを手繰って受話部54aを探し出す。さらに、作業装置70は、図17に示すように、探し出した受話部54aを作業アーム78のハンド部202によって把持し、把持した受話部54aを受け部54bに載置する。次いで、ステップS211へ進む。
【0173】
(ステップS211)
さらに、作業装置70は、保守作業が完了した旨の情報を監視端末100に送信する。次いで、ステップS213へ進む。
【0174】
(ステップS213)
作業装置70から送信された情報を受信した監視センタ8の監視端末100は、該当するハンドセット54と監視端末100との間の通信状態を確認する。例えば、特定の信号を監視端末100からハンドセット54へ送信し、特定の信号を確認した旨を示す信号をハンドセット54から監視端末100へ返信し、監視端末100で返信した当該信号を受信するような、通信状態を確認する手順を実施することにより、ハンドセット54と監視端末100との間の通信状態を確認する。監視端末100によって正常な通信が確保されていることを確認した場合には、一連の保守作業を終了する。一方、正常な通信が確保できない場合には、ハンドセット54と監視端末100との間、もしくは、受話部54aと受け部54bとの間が、断線等していることが予想されるため、監視端末100は、表示部108に警告画面を表示させる。
【0175】
以上のように、第5の実施例によれば、ハンドセット54の受話部54aを受け部54bに戻す保守作業をATMブース2に設置された作業装置70が実施することから、該当するATMブース2に保守員等が出動することがないため、保守作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。また、第5の実施例においては、作業装置70が、受話部54aが受け部54bから外れる事象に対して迅速に対応することができることから、自動取引装置30の稼動率を低下させることなく、顧客にサービスを提供することができ、さらには、オペレータが長時間待機させられることを避けることができる。
【0176】
<第6の実施例>
以下に、ATMブース2内に顧客が置き忘れた、傘や杖などの遺失物Lを回収する回収作業を実施する実施例である第6の実施例を、図19及び図20を参照して具体的に説明する。図19は、本実施例を説明するための説明図であり、図20は、本実施例に係る作業システム1の動作を示すシーケンス図である。また、本実施例における作業装置70は、移動可能な自走式作業装置70aであるとして説明する。
【0177】
まずは、第6の実施例について説明する前に、第6の実施例の背景について簡単に説明する。従来、ATMブース内に顧客が傘や杖等を忘れた場合には、これらの遺失物の所有者である顧客からの連絡に基づいて、該当するATMブースに保守員等を出動させて遺失物を回収したり、定期的なATMブースへの巡回の際に、警備員等が遺失物を回収したりしていた。しかしながら、ATMブース内に遺失物が置き忘れられても、すぐに保守員等が出動することができないため、他の顧客が遺失物を勝手に持ち帰るなどの行為が行われ、問題となっていた。また、遺失物がATMブース内に長時間放置されていると、「ATMブースが適切に管理されていない」「この金融機関は、忘れ物(遺失物)は放置され、戻ってこない」等のATMブースを運用、管理する金融機関に対する悪いイメージを顧客が持つことに繋がる。従って、このような悪いイメージを生じさせることを避けるために、ATMブースへの警備員等の巡回回数を増やすこととなるが、巡回回数の増加は金融機関にとって負担となる。
【0178】
そこで、本実施例においては、ATMブース2に配置された自走式作業装置70aによって遺失物Lを回収する回収作業を実施することにより、遺失物Lを迅速に回収することができることから、他の顧客が遺失物Lを勝手に持ち帰るなどの行為が行われることを避け、ひいては金融機関に対する悪いイメージを生じさせることを避けることができる。さらには、該当するATMブース2に保守員等を配置、巡回させることを減らすことができるため、遺失物Lの回収作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。
【0179】
(ステップS301)
以下に、本実施例の保守作業の動作の流れを説明する。まず、自動取引装置30は、ATMブース2の撮影装置16等を用いてATMブース2内に顧客がいないことを確認する(図1参照)。顧客がいないことを確認した場合には、ステップS303へ進む。
【0180】
(ステップS303)
自動取引装置30は、例えば撮影装置から構成される遺失物検知部508を用いて、ATMブース2を撮影し、撮影した画像を解析することにより、ATMブース2内に載置された遺失物L(例えば、自動取引装置30に立てかけられた傘や杖、ATMブース2の床に置き忘れた鞄等)らしき物体を検知した場合には、当該物体の形状、物体が載置された場所を特定し、特定した情報に基づいて、検知した物体が顧客の遺失物Lであるか否かを判断する。物体が遺失物Lであると判断された場合には、自動取引装置30は、ドア制御ユニット14に対して、ドア12を閉鎖状態にロックすることを要求する旨の情報を送信する。次いで、ステップS305へ進む。
【0181】
(ステップS305)
ドア制御ユニット14は、自動取引装置30から送信された情報に基づいて、ドア12を閉鎖状態にロックする。この際、自動取引装置30の音声出力部58等からドア12を施錠する旨を警告する音声を出力してもよい。さらに、ドア制御ユニット14は、ドア12を閉鎖状態にロックした旨を自動取引装置30へ通知する。次いで、ステップS307へ進む。
【0182】
(ステップS307)
ドア制御ユニット14からの情報を受信した自動取引装置30は、遺失物検知部508によって遺失物Lが検知されたことに基づき、自走式作業装置70aに対して、当該遺失物Lの回収作業を要求する旨の情報を、当該遺失物Lに関する情報(遺失物Lの形状、位置等の情報)とともに送信する。次いで、ステップS309へ進む。
【0183】
(ステップS309)
自走式作業装置70aは、受信した遺失物Lに関する情報に基づき、移動機構部92を用いて、遺失物Lが載置された位置に移動し、撮影部82を用いて遺失物Lの画像を取得し、さらに作業アーム78を用いて遺失物Lを回収する。なお、自走式作業装置70aは、作業アーム78により把持した遺失物Lが撮影部82により確認できない場合には、作業アーム78により把持した遺失物Lが撮影部82により確認することができるまで、移動、回収の作業を繰り返す。さらに、自走式作業装置70aは、回収した遺失物Lを作業装置70の遺失物保管庫86に保管する。また、自走式作業装置70aは、遺失物Lを保管庫86に保管する際には、遺失物Lを管理するために、管理情報が書き込まれたタグを印刷し、印刷したタグを遺失物Lに貼付してもよい。次いで、ステップS311へ進む。
【0184】
(ステップS311)
自走式作業装置70aは、回収作業が完了した旨の情報を自動取引装置30及びドア制御ユニット14に送信する。この際、自走式作業装置70aは、自動取引装置30に対して、遺失物Lが置き忘れた際に自動取引装置30を利用していたと思われる顧客に関する情報(取引時間等の取引に関する情報、顧客の顔の画像等)を送信するように依頼する。次いで、ステップS313へ進む。
【0185】
(ステップS313)
ドア制御ユニット14は、自走式作業装置70から送信された情報に基づいて、ドア12のロックを解除する。次いで、ステップS315へ進む。
【0186】
(ステップS315)
自動取引装置30は、自走式作業装置70aからの依頼があった顧客に関する情報を作業装置70aへ送信する。この際、自動取引装置30は、必要に応じて、ホストコンピュータ120から自走式作業装置70aへ送信するための情報を取得してもよい。次いで、ステップS317へ進む。
【0187】
(ステップS317)
自走式作業装置70aは、自動取引装置30から送信された顧客情報を、保管庫86に保管された遺失物Lと紐づけて記憶し、一連の作業を終了する。自走式作業装置70aによって回収された遺失物Lは、保守員等によって自走式作業装置70aから回収され、遺失物Lの所有者である顧客からの連絡に基づいて銀行の窓口等で返却することとなる。なお、記憶した顧客情報や撮影した遺失物Lの画像は、回収された遺失物Lを顧客へ返却する際に、返却間違えを防止するために用いることができる。
【0188】
以上のように、第6の実施例によれば、遺失物Lを回収する回収作業をATMブース2に配置された自走式作業装置70aが実施することから、該当するATMブース2に保守員等が出動することがないため、回収作業にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。また、第6の実施例においては、自走式作業装置70aが迅速に遺失物Lを回収する回収作業を実施することから、他の顧客が遺失物Lを勝手に持ち帰るなどの行為が行われることを避け、ひいては金融機関に対する悪いイメージを生じさせることを避けることができる。
【0189】
なお、自動取引装置30等によってATMブース2内に載置された物体が顧客の遺失物Lであるか否かの判断を行うことが難しい場合には、撮影した物体の画像を監視センタ8の監視端末100に送信し、オペレータが送信された画像を分析することにより、物体が遺失物Lであるか否かを判断してもよい。そして、オペレータが、当該物体が遺失物Lであると判断した場合には、監視端末100は、オペレータの解析によって得られた遺失物Lの形状、遺失物Lの位置等の情報とともに、当該遺失物Lの回収作業を要求する旨の情報を自動取引装置30又は自走式作業装置70aに送信してもよい。
【0190】
<第7の実施例>
上述の第6の実施例を、顧客が自動取引装置30から取り忘れた媒体B(カード等のカード状媒体、明細票、通帳等の冊子状媒体、紙幣、硬貨等)の回収に適用してもよい。以下に、取り忘れ媒体Bを回収する回収作業を実施する実施例である第7の実施例を、図21を参照して説明する。図21は、本実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例における作業装置70は、固定設置される作業装置70及び移動可能な自走式作業装置70aのどちらでもよい。
【0191】
まずは、第7の実施例について説明する前に、第7の実施例の背景について簡単に説明する。従来の自動取引装置においては、取引の際に自動取引装置から顧客に向かって排出されたにも関わらず顧客が取り忘れた種々の媒体は、自動取引装置内の複数の保管庫に媒体の種別ごとに保管される。従って、複数の媒体が同一顧客によって取り忘れたものであっても、保管庫に保管された媒体は互いに紐づけられて保管されていないため、取り忘れた媒体を顧客へ返却する際には、本人確認を各々の媒体に対して行うことになり手間がかかる。
【0192】
そこで、本実施例においては、ATMブース2に配置された作業装置70によって、取り忘れ媒体Bを回収する回収作業を実施し、同一顧客によって取り忘れた取り忘れ媒体Bである場合には、複数の媒体Bを互いに紐づけて管理する。従って、本実施例によれば、同一顧客へ複数の取り忘れ媒体Bを返却する際には、本人確認を一度実施するだけで返却することが可能となるため、本人確認の手間を大幅に省くことができる。
【0193】
以下に、本実施例の回収作業の動作の流れを説明する。自動取引装置30のカード挿入口40a、通帳挿入排出口42a、紙幣入出金口44a、及び硬貨入出金口46aに設けられた故障監視部500(詳細には、取り忘れ媒体検知部500c)が、所定の時間以上に亘って媒体Bを検知した場合には、顧客が媒体Bを取り忘れたものとして、検知結果を制御部32に出力する(なお、図21においては、カード挿入口40aに設けられた取り忘れ媒体検知部500cを図示している)。制御部32は、検知結果に基づき、自動取引装置30内に設けられた搬送路64(図12参照)を制御して、取り忘れた複数の媒体Bを媒体の種別に対応する保管庫62に搬送する。この際、自動取引装置30は、媒体Bを取り忘れた顧客に関する顧客に関する情報(顧客氏名、顧客の顔画像等)を、後で作業装置70に送信するために取得、保持する。
【0194】
自動取引装置30は、取り忘れた媒体Bを保管庫62に保管した際、もしくは、あらかじめ決まった日時に、取り忘れた媒体を回収するための回収作業を要求する旨の情報を、回収を要求する媒体Bの種別の情報等とともに、作業装置70へ送信する。この際、自動取引装置30は、自動取引装置30の稼動率が低下しないようなタイミングで回収作業を要求する旨の情報を送信することが好ましい。
【0195】
そして、媒体Bを回収する回収作業を実施する際には、作業装置70は、自動取引装置30に対して、回収作業を実施する旨を通知する。この通知を受信した自動取引装置30は、稼働を停止する。
【0196】
作業装置70は、自動取引装置30の扉52を第1の実施例と同様に開錠する。さらに、図21に示すように、作業装置70は、例えば、扉52と同様に、保管庫62に設けられた認証機構に対して作業装置70の認証機構88を用いて認証を行うことにより、自動取引装置30内の保管庫62を開けることができる。そして、作業装置70は、作業アーム78を用いて保管庫62に保管された取り忘れ媒体Bを回収する。この際、作業装置70は、同一顧客によって取り忘れられた複数の媒体Bを同時に回収し、作業装置70の1つの保管庫86に保管する、もしくは、複数の媒体Bを、互いに紐づけて(例えば、回収した複数の媒体Bに対して、互いに紐づけられた媒体管理情報を割り振ることによって)複数の保管庫86に保管する。また、作業装置70は、自動取引装置30に対して、媒体Bを取り忘れた顧客に関する情報(顧客氏名、顧客の顔画像等)を送信するように依頼する。
【0197】
自動取引装置30は、作業装置70からの依頼があった顧客に関する情報を作業装置70へ送信する。そして、作業装置70は、自動取引装置30から送信された顧客情報を、保管庫86に保管された、同一顧客によって取り忘れられた複数の媒体Bと紐づけて記憶し、一連の作業を終了する。作業装置70によって回収された媒体Bは、保守員等によって作業装置70から回収され、銀行の窓口等で返却することとなる。なお、記憶した顧客情報は、回収された媒体Bを顧客へ返却する際に、本人確認を行うために用いることができる。
【0198】
以上のように、第7の実施例によれば、ATMブース2に配置された作業装置70によって、取り忘れ媒体Bを回収する回収作業を実施し、回収した複数の媒体Bが同一顧客によって取り忘れられた取り忘れ媒体Bである場合には、複数の媒体Bを互いに紐づけて管理する。従って、本実施例によれば、同一顧客へ複数の取り忘れ媒体Bを返却する際には、本人確認を一度実施するだけで返却することが可能となるため、本人確認の手間を大幅に省くことができる。
【0199】
<第8の実施例>
以下に、作業装置70により、現金を盗み出そうとする不審者による破壊、強盗から、自動取引装置30を保護する防犯行為を行う実施例である第8の実施例を、図22を参照して具体的に説明する。図22は、本実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例における作業装置70は、移動可能な自走式作業装置70aであるとして説明する。
【0200】
まずは、第8の実施例について説明する前に、第8の実施例の背景について簡単に説明する。従来の自動取引装置においては、現金を盗み出そうとする窃盗犯によって自動取引装置が破壊、盗難された場合には、自動取引装置もしくはATMブースに設けられた監視カメラやセンサによって、自動取引装置の異常が検知され、検知された異常に関する情報を監視センタに通報することにより、ATMブースへ警備員等が出動し、窃盗犯を取り押さえる。しかしながら、ATMブースが警備員等の待機場所から遠い場合には、警備員等がATMブースに到着した際には、既に自動取引装置30が破壊、盗難された後であることがある。また、取得した窃盗犯に関する情報(例えば、窃盗犯の顔画像等の情報)が自動取引装置の記憶部に記憶されていた場合には、当該情報が、自動取引装置と共に失われてしまうため、犯人の検挙のために使用することができず、ひいては自動取引装置の盗難、破壊の防止に効果を発揮することがない。
【0201】
そこで、本実施例においては、ATMブース2に配置された自走式作業装置70aによって、現金を盗み出そうとする窃盗犯(不審者)による自動取引装置30の破壊、盗難行為に対して妨害を行うことにより、自動取引装置30を破壊、盗難から保護するとともに、警備員等がATMブース2に到着するまでに時間を稼ぎ、警備員等による犯人検挙につなげることができる。
【0202】
以下に、本実施例の動作の流れを説明する。ATMブース2の撮影装置(監視装置)16(図1参照)、自動取引装置30等に設けられた顧客監視用撮影装置510もしくは衝撃検知部512等によって、自動取引装置30の破壊、盗難行為(例えば、自動取引装置30へ対する打撃行為等)を行う不審者を検知した場合には、もしくは、挙動不審な人物、ヘルメットや覆面をした人物等を検知した場合には、顧客監視用撮影装置510等は、検知結果を自走式作業装置70a及び監視センタ8の監視端末100に通知する。
【0203】
検知結果を受信した自走式作業装置70aは、検知結果に基づいて、破壊、盗難行為がなされている自動取引装置30を特定し、特定した自動取引装置30へ移動する。そして、自走式作業装置70aは、例えば、自動取引装置30の前面と不審者とに間に入り込んだり、自動取引装置30の側面に移動したりして、自動取引装置30の固定部60と自走式作業装置70aの固定部96とを係合させ、自身を自動取引装置30へ固定する。自動取引装置30は、自身に自走式作業装置70aが固定されることにより重量が増加するため、不審者は自動取引装置30をATMブース2から外へ運び出すことが難しくなり、自動取引装置30の盗難が難しくなる。なお、自走式作業装置70aの自動取引装置30への固定は、固定部60、96の機械的な係合に限定されるものではなく、例えば、自走式作業装置70aに内蔵される電磁石の磁力によって自動取引装置30の固定部60へ吸着することにより実現してもよい。
【0204】
また、自走式作業装置70aが自動取引装置30への固定された際には、自走式作業装置70aが自動取引装置30の前面や側面を保護するように(例えば、作業アーム78が、自走式作業装置70aが内蔵する保護カバー98を自走式作業装置70aから取り出して、自動取引装置30の前面を取り出した保護カバー98で覆うようにする)固定されることが好ましく、このようにすることで、不審者が自動取引装置30をさらに破壊することを妨げることができる。さらに、自走式作業装置70aは、可能であれば不審者の特徴が分かるような情報(顔画像、不審者の身長情報等)を取得することが好ましく、不審者を他者によって特定しやすくするために色素や特殊塗料(例えば、一般的な防犯用カラーボールが含有する色素、ルミノール反応液等)を不審者に付着させてもよい。
【0205】
以上のように、第8の実施例によれば、ATMブース2に配置された自走式作業装置70aが、現金を盗み出そうとする不審者による破壊、強盗から自動取引装置30を保護することから、ATMブース2への警備員配置にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。さらに、本実施例によれば、自走式作業装置70aが、不審者を検知した場合に迅速に対応することができることから、効果的に自動取引装置30の盗難を防ぐことができる。
【0206】
また、第8の実施例においては、自動取引装置30に自走式作業装置70aを固定することにより、自動取引装置30の重量が増加するため、不審者は自動取引装置30をATMブース2から外へ運び出すことが難しくなり、自動取引装置30の盗難を防ぐことができる。加えて、自動取引装置30に自走式作業装置70aを固定された際には、自走式作業装置70aが自動取引装置30を保護するため、不審者の自動取引装置30の破壊行為を防ぐことができる。さらには、本実施例によれば、完全に自動取引装置30を破壊から保護することができなくても、自走式作業装置70aによって、不審者の破壊、窃盗行為を遅延させることができることから、警備員等の到着までの時間を稼ぎ、警備員等によって不審者を取り押さえることに繋げることができる。
【0207】
なお、本実施例においては、自動取引装置30に自走式作業装置70aを固定することにより、自動取引装置30の重量を増加させることに限定されるものではなく、自動取引装置30に自走式作業装置70aを固定することにより、自動取引装置30の容量を増加させ(例えば、ATMブース2のドア12から搬送することが難しい程度にまで容量を増加させる等)、自動取引装置30をATMブース2から搬出できないようにしてもよく、自走式作業装置70aによる自動取引装置30の盗難を防ぐ防犯行為の内容は特に限定されるものではない。また、本実施例においては、複数の自走式作業装置70aが1つの自動取引装置30に固定されることにより、不審者による破壊、強盗から自動取引装置30を保護してもよい。さらに、本実施例における自走式作業装置70aは、図22に示される形態であることに限定されるものではなく、例えば、頑丈な金属による壁のような形態であってもよく、このような壁のような形態の作業装置により自動取引装置30を覆うことにより、不審者の自動取引装置30の破壊、盗難行為を防ぐことができる。
【0208】
また、本実施例においては、不審者がガスバーナーや石油等を使用して自動取引装置30の破壊を行うことも予想されることから、ATMブース2に設けられた、上述の火災検知部(図示省略)によって不審火を検知したり、可燃ガスの臭気を検知するにおいセンサ(図示省略)によって自動取引装置30にまかれた石油を検知したりして、不審者の破壊行為を検知してもよい。
【0209】
<第9の実施例>
上述の第1から第8の実施例においては、自動取引装置30と作業装置70との間は無線通信を用いて情報を送受信するものとして説明した。一方、以下に説明する第9の実施例においては、無線通信の代わりに、監視部56の1種である遺失物検知部508や顧客撮影用撮影装置510として自動取引装置30に設けられた撮影装置と、作業装置70に設けられた表示部94とを用いて、自動取引装置30と作業装置70との間で情報をやり取りする。このような本実施例を図23及び図24を参照して説明する。図23及び図24は、第9の実施例を説明するための説明図である。なお、本実施例における作業装置70は、移動可能な自走式作業装置70aであるとして説明する。
【0210】
自動取引装置30に設けられた上記撮影装置(認識部)(第2の撮影装置)(図23においては、遺失物検知部508)は、常時に、もしくは、定期的に、もしくは、所定の範囲内に物体が入ったことを検知すると、画像監視(継続して物体の画像を取得すること)を開始する。そして、自動取引装置30は、上記撮影装置508が取得した画像を解析し、事前に登録された所定の画像が認識された場合には、認識結果に基づいて、所定の処理を実施する。
【0211】
詳細には、撮影装置508は、図23に示すように、移動する自走式作業装置70aが自動取引装置30から所定の距離の範囲(例えば、自動取引装置30から2〜3m以内の範囲)に入った場合には、自走式作業装置70aに対して画像監視を実施する。そして、自走式作業装置70aから自動取引装置30へ情報を伝達しようとする際(例えば、自走式作業装置70aが、自動取引装置30に対して作業を開始するために、自動取引装置30に対して稼動停止を要求する旨の情報を通知する際)には、自走式作業装置70aは、図24に示すように、表示部(通知部)94に伝達しようとする情報に対応するバーコード画面900(例えば、稼働停止を要求する旨の情報と対応するバーコード)を表示する。なお、表示部94に表示する画面は、図24に示されるようなバーコード画面900に限定されるものではなく、例えば、伝達しようとする情報とあらかじめ紐づけられた所定のマーク、記号、文字、数字等であってもよい。また、自走式作業装置70aは、自動取引装置30の撮影装置508によって表示部94が撮影できるように、表示部94を撮影装置508に向けながら自動取引装置30に向かって移動することが好ましい。
【0212】
そして、自動取引装置30は、制御部32によって、撮影装置508によって取得された画像を解析し、自走式作業装置70aの表示部94に表示されたバーコードを認識することができた場合には、記憶部48に予め記憶された、バーコードと処理内容とを紐づけたデータテーブルを参照して、認識したバーコードに対応する処理内容(例えば、稼働停止)の情報を抽出する。続いて、抽出した処理内容の情報に基づいて、制御部32は、自動取引装置30内の各機能部を制御して、所定の処理を実施する(例えば、稼働を停止する)。
【0213】
以上のように、第9の実施例によれば、特殊な無線通信及び無線通信装置を使うことなく、自動取引装置30に設けられた撮影装置508を使用することにより、自走式作業装置70aから自動取引装置30へ情報を伝達することができる。また、本実施例によれば、外部から無線通信を妨害する電波が発せられても、妨害電波の影響を受けることなく、自走式作業装置70aから自動取引装置30へ情報を伝達することができる。なお、自走式作業装置70aの撮影部82及び自動取引装置30の操作表示部36を用いて、上述と同様に、自動取引装置30から自走式作業装置70aへ情報を伝達してもよい。
【0214】
なお、本実施例においては、画像によって情報を伝達することに限定されるものではなく、例えば、自走式作業装置70aは、自動取引装置30に対して音声出力部90から所定の音声を出力し、自動取引装置30は、監視部56の1種として設けられた集音器(認識部)(図示省略)によって音声出力部90から出力された所定の音声を取得することにより、情報の伝達を実現してもよく、もしくは赤外線等を使用して情報の伝達を実現してもよい。
【0215】
<<まとめ>>
以上のように、第1から第9の実施例によれば、保守作業等や防犯行為等をATMブース2に設置又は配置された作業装置70が実施することから、発生した事象に対して迅速に対応することができ、さらには、保守員等の巡回、配置にかかる手間、費用、時間等のコストの発生を抑えることができる。
【0216】
なお、上述の実施形態においては、ATMブース2に設置された自動取引装置30を含む作業システム1に適用した場合を説明したが、本実施形態においては、自動取引装置30に限定されるものではなく、自動販売機や自動券売機を含む作業システムに適用してもよい。
【0217】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例、組み合わせ例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0218】
また、上述した本実施形態の処理における各ステップは、必ずしも記載された順序に沿って処理されなくてもよい。例えば、各ステップは、適宜順序が変更されて処理されてもよい。また、各ステップは、時系列的に処理される代わりに、一部並列的に又は個別的に処理されてもよい。さらに、各ステップの処理の方法についても、必ずしも記載された方法に沿って処理されなくてもよく、例えば、他の装置又は機能部によって処理されていてもよい。
【符号の説明】
【0219】
1 作業システム
2 ATMブース
6 通信ネットワーク
8 監視センタ
10 バックヤードスペース
12 ドア
14 ドア制御ユニット
16、510 撮影装置
18 集音装置
20 照明装置
22 スイッチパネル
24、62、84、86 保管庫
30 自動取引装置
30a、30b ユニット
32、72、102 制御部
34、74、104 通信部
36 操作表示部
38 保守用操作部
40 カードリーダ部
40a カード挿入口
42 通帳記帳部
42a 通帳挿入排出口
44 紙幣入出金部
44a 紙幣入出金口
46 硬貨入出金部
46a 硬貨入出金口
48、76、106 記憶部
50 金庫部
50a 紙幣カセット
52 扉
52a 取手部
52b、88 認証機構
54、112 ハンドセット
54a 受話部
54b 受け部
54c 回線ケーブル
56 監視部
58、90 音声出力部
60、96 固定部
64 搬送路
64a 搬送ローラ
70、70a 作業装置
78 作業アーム
80 エアーノズル
80a ノズル部
82 撮影部
92 移動機構部
94 表示部
98 保護カバー
100 監視端末
108 表示部
110 操作部
120 ホストコンピュータ
200、200a〜c 腕部
202 ハンド部
204、204a〜d 関節部
500a 媒体検知部
500b 容量検知部
500c 取り忘れ媒体検知部
502 照度検知部
504 汚れ検知部
506 ハンドセット検知部
508 遺失物検知部
512 衝撃検知部
900 バーコード画面
B 取り忘れ媒体
C 清掃用具
T 通帳
L 遺失物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24