特許第6805521号(P6805521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6805521画像読み取り装置、同装置における読み取り画像の補正方法及び読み取り画像の補正プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805521
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】画像読み取り装置、同装置における読み取り画像の補正方法及び読み取り画像の補正プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/191 20060101AFI20201214BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20201214BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20201214BHJP
   H04N 1/401 20060101ALI20201214BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H04N1/191
   H04N1/12 Z
   G06T1/00 430J
   H04N1/401
   H04N1/387
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-66181(P2016-66181)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-183912(P2017-183912A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】石黒 和宏
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−21671(JP,A)
【文献】 特開2002−232654(JP,A)
【文献】 特開平4−310062(JP,A)
【文献】 特開2010−206607(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/147832(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 − 1/207
G06T 1/00
H04N 1/38 − 1/393
H04N 1/40 − 1/409
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または前記受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサと、
前記複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによって得られた画像の重複を検出する重複検出手段と、
前記重複検出手段により重複が検出された場合は、重複幅から原稿の読み取り倍率を算出する読み取り倍率算出手段と、
前記読み取り倍率算出手段により算出された読み取り倍率に基づいて、対象領域の画像の倍率を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記重複検出手段により、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されず、かつ前記隣接する受光センサによって得られた画像の欠損がない場合、前記補正手段は、対象領域の画像の倍率を等倍のままとする請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記重複検出手段により、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されなかった場合、前記隣接する受光センサによって得られた画像のエッジ部分から、画像が等倍かまたは拡大されているかを判断する等倍・拡大判断手段を備え、該等倍・拡大判断手段により等倍と判断された場合は、前記補正手段は、受光センサによって得られた画像の倍率を等倍のままとし、等倍・拡大判断手段により拡大されていると判断された場合は、前記補正手段は、対象領域の画像の倍率を縮小方向に補正する請求項2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記重複検出手段により、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されず、かつ前記隣接する受光センサによって得られた画像の欠損幅が検出された場合、前記補正手段は、前記欠損幅に応じた縮小倍率で、対象領域の画像を縮小する請求項2または3に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記補正手段は、主走査方向における対象領域の画像の倍率の補正を、副走査方向の位置毎に実行する請求項1〜4のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
前記原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段
前記補正手段による画像の倍率の補正後に、補正された受光センサによる読み取り画像のサイズが原稿サイズ検出手段で検出された原稿サイズに適合するように、各受光センサによる読み取り画像の倍率を調整する調整手段を備えている請求項1〜5のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記受光センサによる読み取り画像の特徴量を検出する特徴量検出手段を備え、
前記重複検出手段は、前記特徴量検出手段により検出された特徴量から、隣接する2つの受光センサによる読み取り画像の重複が生じていても重複幅を検出できない画像であるかどうかを判定し、重複幅を検出できない画像であると判定された場合は重複の検出動作を行わない請求項1〜6のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または前記受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサを備えた画像読み取り装置が、
前記複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複を検出する重複検出ステップと、
前記重複検出ステップにより重複が検出された場合は、重複幅から原稿の読み取り倍率を算出する読み取り倍率算出ステップと、
前記読み取り倍率算出ステップにより算出された読み取り倍率に基づいて、対象領域の画像の倍率を補正する補正ステップと、
を実行することを特徴とする画像読み取り装置における読み取り画像の補正方法。
【請求項9】
主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または前記受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサを備えた画像読み取り装置のコンピュータに、
前記複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複を検出する重複検出ステップと、
前記重複検出ステップにより重複が検出された場合は、重複幅から原稿の読み取り倍率を算出する読み取り倍率算出ステップと、
前記読み取り倍率算出ステップにより算出された読み取り倍率に基づいて、対象領域の画像の倍率を補正する補正ステップと、
を実行させるための画像読み取り装置における読み取り画像の補正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置等に用いられ、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取る画像読み取り装置、同装置における読み取り画像の補正方法及び読み取り画像の補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等に搭載された自動原稿搬送装置付きの画像読み取り装置において、現状使用されている受光センサとして、大きくCCD(Charge Coupled Device)センサと、CIS(Contact Image Sensor)センサの2種類が挙げられる。
【0003】
CISユニットは、CCDユニットに対して小型というメリットがあり、オフィス機では原稿搬送装置の内部に裏面用センサとして使用されている。しかし、焦点深度が浅い、コストが高いという課題がある。一方でCCDユニットは、構成が大きくなり汎用性に欠けるという点に課題がある。
【0004】
上記課題の解決のために、現状1個で構成されているCCDセンサを主走査方向に複数個に分割し、光路を短くすることで小型化する技術が存在する。これによって、CISセンサよりも焦点深度が深く、1個のCCDセンサよりもコストの安い小型の読み取りユニットを実現できる。
【0005】
しかし、光路が短くなるため、原稿搬送時の読み取り面とCCDセンサとの距離のばらさきによる影響を受けやすいという課題がある。具体的には、原稿搬送時に基準となる読み取り位置よりも原稿が上方に離れた状態になると、読み取り画像が縮小され、隣接するCCDセンサの境界で読み取り画像の重複が発生する。一方、読み取り位置P0よりも原稿が下方に離れた状態になると、読み取り画像が拡大され、場合によっては画像の欠損が生じてしまう。
【0006】
このように、CCDセンサを分割構成した読み取りユニットは、原稿搬送時の読み取り面とCCDセンサとの距離のばらつきによる倍率変動が、単一構成のCCDやCISよりも大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
なお、特許文献1には、複数のCCDセンサの継ぎ目部分の読み取り位置に基準線を描き、基準線を使用して位置ずれ、倍率ずれを事前に補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−175001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に開示された技術は、基準線を使用して位置ずれや倍率ずれを事前に補正するに過ぎず、搬送される原稿の位置のばらつき、換言すれば原稿搬送時の読み取り面とCCDセンサとの距離のばらつきによる読み取り画像の倍率変動を補正することはできず、このため、原稿搬送時の読み取り面とCCDセンサとの距離のばらつきによる倍率変動が大きいという問題に対して、十分な対応策を提供するものではなかった。
【0010】
この発明はこのような技術的背景に鑑みてなされたものであって、原稿搬送時の読み取り面と受光センサとの距離のばらつきによる倍率変動を適正に補正することができる画像読み取り装置、同装置における読み取り画像の補正方法及び補正プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または前記受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサと、前記複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによって得られた画像の重複を検出する重複検出手段と、前記重複検出手段により重複が検出された場合は、重複幅から原稿の読み取り倍率を算出する読み取り倍率算出手段と、前記読み取り倍率算出手段により算出された読み取り倍率に基づいて、対象領域の画像の倍率を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする画像読み取り装置。
(2)前記重複検出手段により、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されず、かつ前記隣接する受光センサによって得られた画像の欠損がない場合、前記補正手段は、対象領域の画像の倍率を等倍のままとする前項1に記載の画像読み取り装置。
(3)前記重複検出手段により、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されなかった場合、前記隣接する受光センサによって得られた画像のエッジ部分から、画像が等倍かまたは拡大されているかを判断する等倍・拡大判断手段を備え、該等倍・拡大判断手段により等倍と判断された場合は、前記補正手段は、受光センサによって得られた画像の倍率を等倍のままとし、等倍・拡大判断手段により拡大されていると判断された場合は、前記補正手段は、対象領域の画像の倍率を縮小方向に補正する前項2に記載の画像読み取り装置。
(4)前記重複検出手段により、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されず、かつ前記隣接する受光センサによって得られた画像の欠損幅が検出された場合、前記補正手段は、前記欠損幅に応じた縮小倍率で、対象領域の画像を縮小する前項2または3に記載の画像読み取り装置。
(5)前記補正手段は、主走査方向における対象領域の画像の倍率の補正を、副走査方向の位置毎に実行する前項1〜4のいずれかに記載の画像読み取り装置。
(6)前記原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段と、
前記補正手段による画像の倍率の補正後に、補正された受光センサによる読み取り画像のサイズが原稿サイズ検出手段で検出された原稿サイズに適合するように、各受光センサによる読み取り画像の倍率を調整する調整手段を備えている前項1〜5のいずれかに記載の画像読み取り装置。
(7)前記受光センサによる読み取り画像の特徴量を検出する特徴量検出手段を備え、前記重複検出手段は、前記特徴量検出手段により検出された特徴量から、隣接する2つの受光センサによる読み取り画像の重複が生じていても重複幅を検出できない画像であるかどうかを判定し、重複幅を検出できない画像であると判定された場合は重複の検出動作を行わない前項1〜6のいずれかに記載の画像読み取り装置。
(8)主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または前記受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサを備えた画像読み取り装置が、前記複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複を検出する重複検出ステップと、前記重複検出ステップにより重複が検出された場合は、重複幅から原稿の読み取り倍率を算出する読み取り倍率算出ステップと、前記読み取り倍率算出ステップにより算出された読み取り倍率に基づいて、対象領域の画像の倍率を補正する補正ステップと、を実行することを特徴とする画像読み取り装置における読み取り画像の補正方法。
(9)主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または前記受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサを備えた画像読み取り装置のコンピュータに、前記複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複を検出する重複検出ステップと、前記重複検出ステップにより重複が検出された場合は、重複幅から原稿の読み取り倍率を算出する読み取り倍率算出ステップと、前記読み取り倍率算出ステップにより算出された読み取り倍率に基づいて、対象領域の画像の倍率を補正する補正ステップと、を実行させるための画像読み取り装置における読み取り画像の補正プログラム。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、主走査方向に間隔をおいて配置され、副走査方向に搬送される原稿の画像を読み取るための光学縮小方式の複数の受光センサであって、互いに隣接する2つの受光センサの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、原稿の基準搬送面または受光センサ側における基準搬送面の近傍において一致するように配置され、前記基準搬送面から受光センサとの距離が大きくなる方向に離れた位置を原稿が搬送された場合に、原稿の主走査方向の一部を隣接する2つの受光センサによって重複して読み取り可能な複数の受光センサのうち、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出され、重複幅から原稿の読み取り倍率が算出される。そして、算出された読み取り倍率に基づいて、受光センサによって得られた画像の対象領域の倍率が補正されるから、原稿搬送中に原稿の読み取り面とCCDセンサとの距離がばらついて倍率変動が生じても、この倍率変動を適正に補正することができる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されず、かつ前記隣接する受光センサによって得られた画像の欠損がない場合は、対象領域の画像の倍率は等倍のままとするから、画像の重複が検出されなかった領域についても、適正な補正を行うことができる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されなかった場合、隣接する受光センサによって得られた画像のエッジ部分から、画像が等倍かまたは拡大されているかが判断され、等倍と判断された場合は対象領域の画像の倍率は等倍のままとされ、拡大されていると判断された場合は画像の倍率が縮小方向に補正されるから、画像の重複が検出されなかった領域についてより精度の高い補正を行うことができる。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、互いに隣接する受光センサによる原稿の読み取りによって得られた画像の重複が検出されず、かつ前記隣接する受光センサによって得られた画像の欠損幅が検出されなかった場合、画像の欠損幅に応じた縮小倍率で対象領域の画像が縮小されるから、画像の重複が検出されなかった領域について精度の高い補正を行うことができる。
【0017】
前項()に記載の発明によれば、主走査方向における読み取り画像の倍率の補正が、副走査方向の位置毎に実行される結果、原稿の読み取り画像の全体に、原稿搬送時の倍率変動の影響を抑制する適正な補正を行うことができる。
【0018】
前項()に記載の発明によれば、原稿搬送時の倍率変動の影響を抑制し、かつ原稿サイズに適合した読み取り画像を得ることができる。
【0019】
前項()に記載の発明によれば、読み取り画像の特徴量から読み取り画像が重複幅を検出できない画像であると判定された場合は、重複の検出動作は行われない。
【0020】
前項()に記載の発明によれば、原稿搬送中に原稿の読み取り面とCCDセンサとの距離がばらついて倍率変動が生じても、この倍率変動を適正に補正することができる。
【0021】
前項()に記載の発明によれば、原稿搬送中に原稿の読み取り面とCCDセンサとの距離がばらついて倍率変動が生じても、この倍率変動を適正に補正することができる処理を、画像読み取り装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明の一実施形態に係る画像読み取り装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す図である。
図2】原稿読み取り部の構成を、副走査方向(原稿搬送方向)の手前側から見た模式的に示す図である。
図3】原稿は搬送時に読み取り面の一部あるいは全部が基準搬送面を挟んで上下し、読み取り面と受光センサとの距離にばらつきを生じる場合の一例を示す図である。
図4】原稿は搬送時に読み取り面の一部あるいは全部が基準搬送面を挟んで上下し、読み取り面と受光センサとの距離にばらつきを生じる場合の他の例を示す図である。
図5】原稿は搬送時に読み取り面の一部あるいは全部が基準搬送面を挟んで上下し、読み取り面と受光センサとの距離にばらつきを生じる場合のさらに他の例を示す図である。
図6】重複領域の画像データのみを使用して倍率補完を行った場合の誤差の状態を説明するための図である。
図7】重複領域が検出されなかった領域については、画像を等倍または縮小するという条件を補完条件に追加した場合の誤差の状態を説明するための図である。
図8】(A)〜(C)は画像が欠損している欠損領域の幅(欠損幅)を検出することが可能な場合を説明するための図である。
図9】原稿の読み取り面が基準搬送面と受光センサとの距離が遠くなるほど画像の重複領域が広くなることを示す図である。
図10】(A)〜(C)は画像に重複が生じる場合の具体的な説明図である。
図11】隣接する受光センサによって読み取り画像に重複していても、重複幅を検出できない画像の一例を示す図である。
図12図1に示した制御部における倍率補正に関する動作を行うための機能ブロック図である。
図13】受光センサで得られた読み取り画像データに対する倍率補正処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像読み取り装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す図である。同図に示すように、画像形成装置は自動原稿搬送装置10と、画像読み取り装置としての原稿読み取り部20と、画像形成部30と、自動両面ユニット40と、給紙部50と、給紙キャビネット60と、操作パネル70と、ファクシミリユニット90、通信インターフェース(I/F)ユニット91、制御部100及び記憶部120を備える。
【0025】
自動原稿搬送装置10は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読み取り部20の読み取りガラスであるプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読み取り部20により原稿画像の読み取りが行われると、原稿排紙トレイ上に排出する公知の装置である。また、自動原稿搬送装置10は原稿セットセンサ11を備え、原稿セットセンサ11は公知のタクトスイッチで構成され、原稿がセットされたか否かを検出し、その結果を制御部100に信号として送る。
【0026】
原稿読み取り部20は、原稿読み取り位置に搬送された原稿の大きさ等に応じて原稿画像を走査し、原稿画像に光源から照射された光の反射光を入社光として受光し、入射光を電気信号に変換して画像データとして制御部100に送る装置である。また、原稿読み取り部20は装置持ち上げセンサ21を備え、装置持ち上げセンサ21は公知の磁気センサで構成され、自動原稿搬送装置10が持ち上げられたか否かを検出し、その結果を制御部100に信号として送る。
【0027】
操作パネル70は、公知のユーザインターフェースであって、タッチパネル入力部71、キー入力部72を備える。さらに、操作パネル70は副電源スイッチ80を備える。副電源スイッチ80はユーザーが省電力動作モードであるスリープモードヘの移行を直接指示するためのスイッチである。
【0028】
制御部100は、CPU、ROM、RAMを備え、受け取った読み取りデータにシェーディング補正などの各種データ処理を施し、用紙の供給と同期して主走査ラインごとに読み出してレーザダイオードを駆動するための信号を出力する等、画像形成装置の全体を統括的に制御する。さらにこの実施形態では、CCDセンサによって取得された画像データの倍率を補正するが、この点については後述する。
【0029】
ファクシミリユニット90は、公衆電話回線に接続し、画像データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0030】
通信I/Fユニット91は、パーソナルコンピュータ等が接続された外部ネットワークに接続するためのインターフェースである。外部ネットワークとしては、LANやUSBを備える。
【0031】
記憶部120は制御部100から送られてくる画像データやその他のデータを記憶するものであり、例えばハードディスク装置(HDD)から構成されている。
【0032】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、感光体ドラム31a、31b、31c、31dと、露光走査ユニット32a、32b、32c、32dと、転写ベルト33と、図示しないがこれらユニットを保護する前扉カバー、前扉センサ34を備える。また、画像形成部30はイエロー、マゼンダ、シアン、黒の4色に対応している。制御部100から出力される駆動信号に基づいて、露光走査ユニット32で生成されたレーザ光が感光体ドラム31上に露光走査される。前扉センサ34は公知のタクトスイッチで構成され、前扉カバーが開放されたかどうかを検出し、その結果を制御部100に信号として送る。転写ベルト33は、各色に対応する感光体ドラム31上のトナー像を全て重ね合わせて、給紙部50から搬送されてくる用紙に転写する。
【0033】
給紙部50は、用紙を収納しておくための給紙カセット51、53と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ52、54を備え、画像形成部30に用紙を補給する。
【0034】
給紙キャビネット60は、給紙部50と同様に、用紙を収納しておくための給紙カセット61、63と、この用紙を繰り出すためのピックアップローラ62、64を備え、給紙部50を経由して画像形成部30に用紙を補給する。
【0035】
自動両面ユニット40は、片面が印刷された用紙を裏表反転させるために、通紙経路上で一旦スイッチバックさせ、再度給紙させることによって両面印刷を可能にする。
【0036】
図2は、図1の原稿読み取り部20の構成を、副走査方向(原稿搬送方向)の手前側から見て模式的に示す図である。
【0037】
同図において、符号200は読み取りガラス(プラテンガラス)である。原稿は自動原稿搬送装置10によって読み取りガラス200からわずかの隙間を隔てて搬送されるため、読み取りガラス面201の上方位置に原稿が通過する原稿搬送面が存在している。この実施形態では、原稿の通過が予定された、狙いとする原稿搬送面を基準搬送面201とし、上下方向の位置P1に存在しているものとする。なお、読み取りガラス200と基準搬送面201との隙間は、必要部位に配置されたシート材等のスペーサーによって確保される。
【0038】
読み取りガラス200の下方には、レンズ202を介して縮小された画像を受光する光学縮小方式の複数の受光センサとしてのCCDセンサ(単にCCDともいう)1〜Nが、主走査方向(図2の左右方向)における原稿の読み取り面の画像を分割して読み取れるように、間隔を置いて配置されている。また、この実施形態では、互いに隣接する2つのCCDの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、前記基準搬送面201において一致するように配置されている。従って、原稿が完全に基準搬送面201を通過する場合は、互いに隣接する2つのCCDによる読み取り画像の重複や、非読み取り領域による画像欠損は発生しない。なお、互いに隣接する2つのCCDの主走査方向における読み取り範囲の境界部が、前記基準搬送面201のわずかに下方において一致するように配置されていても良い。この状態では、原稿が基準搬送面201を搬送される場合、原稿の読み取り面の同一領域が、互いに隣接する2つのCCDで重複して読み取られる。
【0039】
なお、各CCD1〜Nは、原稿の搬送方向(以下の説明ではFD方向ともいう)である副走査方向に配置されたRGBの各チャネル、あるいはRGBの各チャネルとGrのチャネルから構成されている。
【0040】
次に、制御部100で実行される、CCD1〜Nによって読み取られた原稿の画像データの補正について説明する。
【0041】
前述したように、原稿が完全に基準搬送面201を通過する場合は、互いに隣接する2つの受光センサによる読み取り画像の重複や画像の欠損は発生しない。しかし、実際には、原稿は搬送時に読み取り面の一部あるいは全部が基準搬送面201を挟んで上下し、読み取り面とCCD1〜Nとの距離にばらつきを生じる。
【0042】
例えば、図3に示すように、基準位置P1の基準搬送面201を原稿300が通過した場合、各CCD1〜Nによって得られる読み取り画像はI1のようになる。これに対し、基準位置P1よりも上方のP2の位置を原稿300が通過した場合、各CCD1〜Nによって得られる読み取り画像はI2のようになり、読み取り画像I1に較べて縮小された状態となっている。従って、読み取り画像I2の拡大補正が必要となる。また、隣接する2つのCCDによって原稿の一部の領域が重複して読み取られる。例えばCCD1とCCD2によって、D1の領域が重複して読み取られることになる。
【0043】
また、図4に示すように、基準位置P1の基準搬送面201に対して原稿300が左下がりで傾斜して搬送された場合、各CCD1〜Nによって得られる読み取り画像はI3のようになる。この読み取り画像I3は、原稿300が基準搬送面201よりも上側にある領域については縮小された状態となり(例えばCCD3、CCD4)、基準搬送面201にある領域については等倍となり(例えばCCD2)、基準搬送面201よりも下側にある領域については拡大された状態となる(例えばCCD1)。従って、読み取り画像I3が縮小されている場合は拡大補正が必要となり、拡大されている場合は縮小補正が必要となる。
【0044】
また、図5に示すように、原稿300の撓みや歪みにより、原稿300が基準搬送面201に対し主走査方向に波打って搬送される場合がある。この場合も同様に、原稿300が基準搬送面201よりも上側にある領域については縮小された状態となり、基準搬送面201にある領域については等倍となり、基準搬送面201よりも下側にある領域については拡大された状態となる。従って、読み取り画像I3が縮小されている場合は拡大補正が必要となり、拡大されている場合は縮小補正が必要となる。また、基準搬送面201よりも上側にある領域の一部については、隣接する2つのCCDによって原稿の一部の領域が重複して読み取られる。
【0045】
図5において、隣接する2つのCCDによって原稿の読み取りの重複が発生するのは、CCD1とCCD2の間の領域、CCD3とCCD4の間の領域の2箇所となる。CCD2とCCD3の間の領域は画像が欠損している欠損領域であるため、精度良く倍率を求めることができない。重複領域の画像データのみを使用して倍率補完を行うと、図6に実線で示す実際の原稿に対して一点鎖線で示す近似値のように表されるが、CCD2とCCD3の間の画像データが存在しないため、誤差が大きくなる。
【0046】
そこで、重複領域が検出されなかった領域については、画像を等倍または縮小するという条件を補完条件に追加する。この条件を追加した場合は図7に一点鎖線で示す近似値のようになり、補完精度が向上する。
【0047】
このように、重複領域が検出されなかった領域については、画像を等倍または縮小して補完することで、原稿搬送時の読み取り面とCCD1〜Nとの距離のばらつきによる倍率変動を適正に補正することができる。
【0048】
ただ、画像の種類によっては画像が欠損している欠損領域の幅(欠損幅)を検出することが可能であり、欠損幅の検出によって補正すべき倍率を精度良く求めることができる。
【0049】
例えば、CCD2とCCD3の間の画像データが存在しない場合において、CCD2の読み取り画像の右端、及びCCD3の読み取り画像の左端にエッジ画像が存在している場合がある。その一例として、図8(A)のように、原稿画像が斜線301である場合を示す。この斜線301を読み取ったCCD2の読み取り画像250の右端、及びCCD3の読み取り画像251の左端をつないだ状態を図8(B)に示す。画像欠損が生じているため、つなぎ目において左右の画像250、251に段差が生じている。
【0050】
この場合、左右の画像250、251に連続線からなる近似線をそれぞれ設定すると共に、近似線が重なるように画像を縮小する。近似線が重なったときの縮小率がそのまま対象領域の倍率補正値となる。あるいは、近似線を設定するのではなく、図8(C)に示すように両画像250、251のうち少なくとも一方をシフトさせて、両画像250、251がつながる位置を求め、欠損幅を算出する。欠損幅から必要な縮小率を求め、補正倍率とする。
【0051】
こうして求めた縮小倍率で、対象領域の画像を補正することにより、更に精度の良い補正を行うことができる。なお、CCD2の読み取り画像250の右端、及びCCD3の読み取り画像251の左端をつないだ時に、つなぎ目において左右の画像に段差が生じていない場合は、基準搬送面201上での読み取りであるから、この場合は等倍であり、倍率補正は不要である。
【0052】
次に、重複領域の倍率補正について説明する。
【0053】
前述の通り、原稿300の読み取り面が基準搬送面201よりも上方に存在する場合、隣接する2つのCCDによる読み取り画像に重複が発生する。図9に示すように、CCD1〜Nとの距離が遠くなるほど上向き矢印で示す重複領域が広くなる。つまり重複幅は大きくなる。
【0054】
この様子をさらに図10で説明すると、CCD1とCCD2との読み取り境界部において、同図(A)に示すように原稿300の読み取り面に「岡」という文字302があるものとする。原稿300が基準搬送面201を搬送されるときは、等倍の画像が得られるから、図(B)に示すように、CCD1による読み取り画像253とCCD2による読み取り画像254に重複は存在せず、両画像253、254を合わせたときの画像255は原稿の文字302に対応するものとなり、倍率補正は不要である。これに対し、原稿300の読み取り面が基準搬送面201よりもCCD1〜Nに対して離れた位置にあると、図10(C)に示すように、CCD1による読み取り画像253とCCD2による読み取り画像254に重複が発生する。この場合は両画像を合わせた画像255から重複幅を求め、求めた重複幅から拡大倍率を算出して補正倍率とし、この補正倍率を用いて重複部分の読み取り画像を補正する。
【0055】
ところで、隣接するCCDによって読み取り画像に重複していても、重複幅を検出できない場合がある。例えば、図11に示すような黒点が上下左右に連続した網点模様のような高周波特性を有する画像の場合、画像の特徴量が検出できないため、重複が生じていても重複幅を検出できない。また、階調変化のない低周波特性を有する画像も、重複幅を検出できない。
【0056】
そこで、この実施形態では、画像の特徴量を検出して重複が生じていても重複幅を検出できない画像かどうかを判定し、重複幅を検出できない画像の場合は、重複の有無を検出する動作は行われないようになっている。
【0057】
図12は、図1に示した制御部100における、倍率補正に関する動作を行うための機能ブロック図であり、読み取りユニット101、特徴量検出部102、画像補正部103、画像メモリ104、重複幅検出部105、拡大倍率算出部106、欠損幅検出部107、縮小倍率算出部108、倍率補正テーブル作成部109、変倍部110、欠損画素補間部111及び出力部112を備えている。なお、特徴量検出部102、画像補正部103、重複幅検出部105、拡大倍率算部106、欠損幅検出部107、縮小倍率算部108、倍率補正テーブル作成部109、変倍部110及び欠損画素補間部111は、制御部100に備えられているCPU130によって機能的に構成される。
【0058】
読み取りユニット101は、複数のCCD1〜Nで構成され、原稿の読み取りデータをRGBデータとして出力する。
【0059】
特徴量検出部102は、原稿画像データの特徴量を検出する。これによって、文字領域、網点領域、写真領域の分離を行う。
【0060】
画像補正部103は、特徴量検出部102の結果から、画像データに対して、エッジ強調やスムージングといった補正を行い、画像メモリ104は画像補正部103の出力を記憶する。
【0061】
重複幅検出部105は、複数のCCD1〜Nのうち隣接するCCDについて画像データの重複を検出し、重複が存在する場合は重複幅を検出する。この時、特徴量検出部102の結果から、重複幅が検出可能な領域でのみ重複幅を検出する。
【0062】
拡大倍率算出部106は、重複幅検出部105で検出された重複幅から、対象領域に必要な拡大倍率を求める。
【0063】
欠損幅検出部107は、複数のCCD1〜Nのうち隣接するCCDについて画像データの欠損及び欠損幅を検出する。この時、欠損幅検出部107は、特徴量検出部102の結果から、重複幅が検出可能な領域であるにもかかわらず、重複幅検出部105で重複幅が検出されていない場合にのみ欠損幅の検出を行う。
【0064】
縮小倍率算出部108は、欠損幅検出部107で検出された欠損幅から、対象領域に必要な縮小倍率を求める。
【0065】
倍率補正テーブル作成部109は、拡大倍率算出部106とあるいはさらに縮小倍率算出部108とから、主走査方向または副走査方向も含めた連続的な補正倍率が規定された倍率補正テーブルを作成する。具体的には、拡大倍率算出部106と縮小倍率算出部108で算出した対象領域の拡大倍率とあるいはさらに縮小倍率を使用して近似式を求め、この近似式から対象領域以外の領域の倍率を求め、これを主走査方向の読み取り領域の全域について行って主走査方向の連続的な補正倍率を規定する。この処理を副走査方向の位置毎に繰り返すことで、主走査方向または副走査方向も含めた連続的な補正倍率が規定された倍率補正テーブルを作成する。
【0066】
変倍部110は、倍率補正テーブル作成部で作成された倍率補正テーブルに従って、画像メモリ104に記憶された画像データの変倍処理を行う。
【0067】
欠損画素補間部111は、縮小倍率算出部108もしくは欠損幅検出部107の結果から、欠損していると思われる領域のデータを周辺データを使用して補完する。
【0068】
こうして倍率補正された画像データは出力部112から画像形成部30等へ出力される。
【0069】
図13は、CCD1〜Nで得られた読み取り画像データに対する倍率補正処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部100のCPU130が、図示しないROM等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0070】
ステップS201で、CCD1〜Nによる読み取り画像データを使用して特徴量の抽出を行う。ステップS202では、特徴量抽出の結果から、対象領域が重複幅を検出可能な特性の画像か否かを判断する。重複幅検出が可能な領域であった場合(ステップS202でYES)、ステップS203で重複幅の検出を行ったのち、ステップS204に進む。重複幅検出が不可能な領域であった場合(ステップS202でNO)、ステップS210では対象領域の倍率設定を行うことなくステップS211に進む。
【0071】
ステップS204では重複幅を検出できたかどうかを調べ、重複幅を検出できた場合(ステップS204でYES)、ステップS205では、検出した重複幅から拡大倍率を算出する。一方、重複幅を検出できなかった場合(ステップS204でNO)、ステップS206で欠損幅の検出を行い、ステップS207で欠損幅を検出できたかどうかを調べる。
【0072】
欠損幅を検出できた場合(ステップS207でYES)、ステップS208で、検出された欠損幅から縮小倍率を算出したのち、ステップS211に進む。欠損幅を検出できなかった場合(ステップS207でNO)、ステップS209で対象領域の変倍値を等倍に設定したのち、ステップS211に進む。
【0073】
ステップS211では、各CCD1〜Nからの画像データに対する検出が完了したかどうかを判定する。検出が完了していなければ(ステップS211でNO)、ステップS201に戻る。
【0074】
検出が完了している場合(ステップS211でYES)、ステップS212で、求められた倍率補正値から画像全体を補正する倍率補正テーブルを算出する。そして、ステップS213では、倍率補正テーブルを使用して各CCD1〜Nによる読み取り画像の倍率を補正する。
【0075】
次いでステップS214で、読み取り画像データに欠損領域(欠損画素)があるかどうかを判定し、欠損領域があった場合は(ステップS214でYES)、ステップS215で、対象領域に欠損画素補完を実施して、処理を終了する。欠損画素領域が存在しない場合(ステップS214でNO)、そのまま処理を終了する。
【0076】
このように、この実施形態では、重複幅から原稿の読み取り倍率が算出され、算出された読み取り倍率に基づいて、CCD1〜Nによって得られた画像が補正される。また、画像の重複が検出されなかった場合は、CCD1〜Nによって得られた画像は等倍のままか、または縮小方向に補正される。従って、原稿搬送中に原稿の読み取り面とCCDセンサとの距離がばらついて倍率変動が生じても、この倍率変動を適正に補正することができる。
【0077】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、原稿300のサイズを検出可能な原稿サイズ検出手段をさらに設け、原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに適合するように、各CCD1〜Nによる読み取り画像の倍率を再度調整して、画像データの全体サイズを調整しても良い。これによって、CCD1〜Nによって読み取られた画像データのサイズが、原稿サイズよりも大きくなったり、逆に小さくなりすぎるのを防止でき、原稿サイズに適合した読み取り画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0078】
10 自動原稿送り装置
20 原稿読み取り部
100 制御部
101 読み取りユニット
102 特徴量検出部
105 重複幅検出部
106 拡大倍率算出部
107 欠損幅検出部
108 縮小倍率検出部
109 倍率補正テーブル作成部
110 変倍部
200 読み取りガラス
201 基準搬送面
300 原稿
CCD1〜N 受光センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13