特許第6805526号(P6805526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805526
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】処理実行装置、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20201214BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20201214BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H04N1/00 127Z
   H04N1/00 C
   B41J29/38
   B41J29/42 F
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-71456(P2016-71456)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-184124(P2017-184124A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴俊
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−041620(JP,A)
【文献】 特開2015−022409(JP,A)
【文献】 特開2009−071727(JP,A)
【文献】 特開2005−244869(JP,A)
【文献】 特開2013−257818(JP,A)
【文献】 特開2007−306383(JP,A)
【文献】 特開2015−050477(JP,A)
【文献】 特開2011−113259(JP,A)
【文献】 特開2000−172720(JP,A)
【文献】 特開2015−026316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の処理を実行可能な処理実行装置において、
前記処理実行装置が、
表示部と、
複数のグループのうちの何れかのグループを特定するためのグループ特定情報を記憶可能な記憶部と、
複数のユーザの各々に関するユーザ情報であって、各ユーザが前記複数のグループのうちの何れのグループに所属しているか示すグループ所属情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を記憶するサーバと通信可能な通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
ユーザと前記1以上の処理のうちの何れかの処理の実行を指示するための操作ボタンとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶されているグループ特定情報により特定されるグループと同じグループであることを示すグループ所属情報を含むユーザ情報を、前記サーバから取得する第1取得手段と、
前記記憶制御手段で記憶された前記ユーザのうち、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザとは異なるユーザに関連付けられた前記操作ボタンは表示せず、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザに関連付けられた前記操作ボタンを、当該ユーザ毎に前記表示部に表示させる第1表示制御手段と、
を有することを特徴とする処理実行装置。
【請求項2】
前記第1表示制御手段は、
前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザ毎に、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に基づく設定値に従った処理の実行を指示するための前記操作ボタンを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の処理実行装置。
【請求項3】
前記処理実行装置は、
任意の送信先に前記通信部を介してデータを送信する送信処理を実行可能であり、
前記ユーザ情報は、ユーザへの前記送信処理における送信先を示す第1送信先情報を含み、
前記第1表示制御手段は、
前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザ毎に、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に含まれる第1送信先情報を送信先とする前記送信処理の実行を指示するための前記操作ボタンを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理実行装置。
【請求項4】
前記処理実行装置は、
任意の送信先に前記通信部を介してデータを送信する送信処理を実行可能であり、
前記ユーザ情報は、ユーザと所定の関係を有する関係ユーザへの前記送信処理における送信先を示す第2送信先情報を含み、
前記第1表示制御手段は、
前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザ毎に、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に含まれる第2送信先情報を送信先とする前記送信処理の実行を指示するための前記操作ボタンを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の処理実行装置。
【請求項5】
前記制御部は、
予め設定された設定値に従って、前記1以上の処理のうちの何れかの処理の実行を実行するための処理実行情報を、1以上のユーザ毎に対応して記憶する記憶装置から、前記処理実行情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得された処理実行情報に対応するユーザから、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザを抽出する抽出手段と、
を有し、
前記第1表示制御手段は、
前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザであって、前記抽出手段により抽出されたユーザについて、当該ユーザに対応する処理実行情報に従った処理の実行を指示するための前記操作ボタンを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の処理実行装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザを選択可能に表示する第2表示制御手段を有し、
前記第1表示制御手段は 、
前記第2表示制御手段により表示されたユーザのうちの任意のユーザが選択される毎に、当該選択されたユーザに対応する前記操作ボタンを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の処理実行装置。
【請求項7】
前記第1表示制御手段は、
複数のタブのそれぞれに、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザの前記操作ボタンがユーザ毎に配置されるようにして表示し、
前記第2表示制御手段は、
前記複数のタブのいずれかに前記操作ボタンが表示されるユーザを、対応するタブの見出し領域に表示し、
前記第1表示制御手段は、
前記複数のタブを、指定された並び順で、前記表示部に表示させ、前記複数のタブのいずれかの見出し領域が選択される毎に、当該選択された見出し領域に表示されたユーザに対応する前記操作ボタンを、前記タブ内に表示させることを特徴とする請求項6に記載の処理実行装置。
【請求項8】
前記第1表示制御手段は、
前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザのうちの、指定された条件を満たすユーザに対してのみ、ユーザ毎に前記操作ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の処理実行装置。
【請求項9】
前記サーバは、
前記処理実行装置と異なる装置の複数のユーザの各々に関する前記ユーザ情報を記憶していることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の処理実行装置。
【請求項10】
表示部と、複数のグループのうちの何れかのグループを特定するためのグループ特定情報を記憶可能な記憶部と、複数のユーザの各々に関するユーザ情報であって、各ユーザが前記複数のグループのうちの何れのグループに所属しているか示すグループ所属情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を記憶するサーバと通信可能な通信部とを備え、1以上の処理を実行可能な処理実行装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザと前記1以上の処理のうちの何れかの処理の実行を指示するための操作ボタンとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶されているグループ特定情報により特定されるグループと同じグループであることを示すグループ所属情報を含むユーザ情報を、前記サーバから取得する第1取得手段と、
前記記憶制御手段で記憶された前記ユーザのうち、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザとは異なるユーザに関連付けられた前記操作ボタンは表示せず、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザに関連付けられた前記操作ボタンを、当該ユーザ毎に前記表示部に表示させる第1表示制御手段と、
して機能させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の処理を実行可能な処理実行装置、および、その処理実行装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
1以上の処理を実行可能な処理実行装置の多くは、ショートカット機能を備えている。ショートカット機能を備える処理実行装置では、各種処理を実行するために必要な設定条件に関するショートカット情報が記憶されており、そのショートカット情報に応じた操作ボタン、所謂、ショートカットアイコンが表示部に表示される。そして、そのショートカットアイコンが操作されることで、操作されたショートカットアイコンに対応するショートカット情報に基づいて、処理が実行される。このようなショートカット機能を利用することで、ユーザ操作の回数を少なくすることが可能となる。下記特許文献には、ユーザが自身のためにカスタマイズしたショートカット情報を処理実行装置に記憶させるための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−31085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の技術によれば、ユーザの使い勝手の良いショートカット情報を処理実行装置に記憶させることが可能となり、便利である。しかしながら、複数のユーザが使用する処理実行装置において、複数のユーザによってショートカット情報が登録されると、多くのショートカットアイコンが表示部に表示され、ユーザは目的とするショートカットアイコンを探し難い。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ユーザが目的とするショートカットアイコンを容易に探すことが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の処理実行装置は、1以上の処理を実行可能な処理実行装置において、前記処理実行装置が、表示部と、複数のグループのうちの何れかのグループを特定するためのグループ特定情報を記憶可能な記憶部と、複数のユーザの各々に関するユーザ情報であって、各ユーザが前記複数のグループのうちの何れのグループに所属しているか示すグループ所属情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を記憶するサーバと通信可能な通信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶されているグループ特定情報により特定されるグループと同じグループであることを示すグループ所属情報を含むユーザ情報を、前記サーバから取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザ毎に、前記1以上の処理のうちの何れかの処理の実行を指示するための操作ボタンを、前記表示部に表示させる第1表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の制御プログラムは、表示部と、複数のグループのうちの何れかのグループを特定するためのグループ特定情報を記憶可能な記憶部と、複数のユーザの各々に関するユーザ情報であって、各ユーザが前記複数のグループのうちの何れのグループに所属しているか示すグループ所属情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を記憶するサーバと通信可能な通信部とを備え、1以上の処理を実行可能な処理実行装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記記憶部に記憶されているグループ特定情報により特定されるグループと同じグループであることを示すグループ所属情報を含むユーザ情報を、前記サーバから取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得されたユーザ情報に応じたユーザ毎に、前記1以上の処理のうちの何れかの処理の実行を指示するための操作ボタンを、前記表示部に表示させる第1表示制御手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の処理実行装置は、サーバと通信可能とされており、そのサーバには、ユーザが複数のグループのうちの何れのグループに所属しているか示すグループ所属情報を少なくとも含むユーザ情報が記憶されている。また、処理実行装置において、複数のグループのうちの何れかのグループが特定され、その特定されたグループと同じグループであることを示すグループ所属情報を含むユーザ情報が、サーバから取得される。そして、取得されたユーザ情報に応じたユーザ毎に、1以上の処理のうちの何れかの処理の実行を指示するための操作ボタン、つまり、ショートカットアイコンが表示される。これにより、所定のグループに属するユーザ毎に、ショートカットアイコンを表示することが可能となり、ユーザは、容易に目的とするショートカットアイコンを探すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システム1のブロック図である。
図2】メイン画面100を示す図である。
図3】設定画面120を示す図である。
図4】グループ設定画面130を示す図である。
図5】ショートカット画面156を示す図である。
図6】ショートカット作成画面160を示す図である。
図7】ショートカット画面156を示す図である。
図8】非表示設定画面170を示す図である。
図9】並び順設定画面180を示す図である。
図10】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図11】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図12】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図13】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<MFPの構成>
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、MFP(Multifunction Peripheralの略)(本発明の処理実行装置の一例)10、ADサーバ(本発明のサーバの一例)50、複数のPC(Personal Computerの略)52、FTPサーバ56を備える。
【0010】
MFP10は、CPU(本発明の制御部およびコンピュータの一例)12、記憶部14、ディスプレイ(本発明の表示部の一例)16、入力I/F20、記録部22、読取部24、ネットワークI/F(本発明の通信部の一例)25、モデム26、電話回線接続部28を主に備えている。これらの構成要素は、バス30を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
ディスプレイ16は、MFP10の各種機能を表示する表示面を備える。ディスプレイ16の一例としては、例えば、LCD、有機EL、プラズマディスプレイ等が挙げられる。入力I/F20は、例えば、ディスプレイ16と一体的に構成されているタッチパネルであってよく、ディスプレイ16上に表示されたアイコン等へのユーザ操作を受け付ける。また、タッチパネル以外にも、ハードキー等であってもよい。
【0012】
記録部22は、印刷機構であり、例えば、インクジェットヘッドが挙げられる。CPU12は、記録部22へ駆動信号を入力し、記録部22がインクジェットヘッドである場合は入力された駆動信号に応じて、ノズルからインクを吐出する。読取部24は、画像を読み取り、読み取った画像を示す信号を出力するスキャン処理を実行する部位であり、例えば、CCDイメージセンサ、コンタクトイメージセンサ等である。
【0013】
ネットワークI/F25は、ハブ32を介して、MFP10と同一ネットワークに存在するADサーバ50及び複数のPC52に接続されている。また、ハブ32には、ルータ33を介して、インターネット上に存在するFTPサーバ56が接続されている。これにより、MFP10は、ADサーバ50、複数のPC52、FTPサーバ56と各種データの送受信を行うことが可能である。また、ADサーバ50と複数のPC52との間で、各種データの送受信を行うことが可能である。
【0014】
モデム26は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線網34に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部28を介して送信したり、電話回線網34から電話回線接続部28を介して入力された信号を受信し、原稿データを復調するものである。
【0015】
CPU12は、記憶部14内の制御プログラム(本発明の制御プログラムの一例)36に従って処理を実行する。制御プログラム36は、MFP10においてショートカット機能を利用するためのプログラムである。以降、制御プログラム36を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御プログラム36が」という記載は、「制御プログラム36を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。なお、記憶部14は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリー、HDD(Hard Disk・Driveの略)、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、記憶部14は、データ記憶領域(本発明の記憶部及び記憶装置の一例)38を備える。データ記憶領域38は、制御プログラム36の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。
【0016】
<MFPにおけるショートカット機能>
MFP10では、上述した構成により、コピー処理,スキャン処理,ファックスの送受信処理等の複数の処理のうちの任意の処理を実行することが可能である。それら各種処理が実行される際には、複数の処理のうちの任意の処理の選択,各種処理を実行するために必要な設定条件の設定等を行うべく、複数回のユーザ操作を行う必要がある。一方、ショートカット機能を利用することで、ユーザ操作の回数を少なくすることが可能である。このため、MFP10では、ユーザがショートカット情報を登録することで、登録されたショートカット情報に応じたショートカットアイコンが、ディスプレイ16に表示される。そして、そのショートカットアイコンが操作されることで、ショートカット情報に応じた処理が実行される。
【0017】
ショートカット情報は、各種処理においてショートカット機能を利用する際に必要な情報であり、各種処理を実行するために必要な設定条件に関する情報を含んでいる。具体的には、例えば、スキャン処理に関するショートカット情報には、画像読取時の解像度、画像読取時の色設定、読み取られた画像の画像データの送信先等に関する情報が含まれている。また、例えば、コピー処理に関するショートカット情報には、画像印刷時の解像度、画像印刷時の色設定、印刷枚数等に関する情報が含まれている。
【0018】
なお、ショートカット情報は、ユーザ毎に登録される。このため、ショートカット情報を登録したユーザの名前(以下、「ショートカット登録ユーザ名」と記載する)とショートカット情報とが関連付けて、データ記憶領域38に記憶されており、所定の画面において、任意のユーザ名が選択されることで、その選択されたユーザ名と関連付けて記憶されているショートカット情報に応じたショートカットアイコンがディスプレイ16に表示される。つまり、ショートカット機能が利用される際には、複数のショートカット登録ユーザ名から、任意のショートカット登録ユーザ名を選択するための画面(以下、「ユーザ選択画面」と記載する)がディスプレイ16に表示され、そのユーザ選択画面において、選択された任意のショートカット登録ユーザ名と関連付けて記憶されているショートカット情報に応じたショートカットアイコンがディスプレイ16に表示される。これにより、ユーザは、自身の登録したショートカット情報に応じたショートカット機能を利用することが可能となる。
【0019】
ただし、多数のユーザがMFP10を利用し、ショートカット情報を登録している場合には、ユーザ選択画面に多くのユーザ名が表示されるため、多くのユーザ名のなかから、自身のユーザ名を探すことが困難となる場合がある。このようなことに鑑みて、MFP10では、アクティブディレクトリを利用して、ユーザ選択画面が作成され、表示される。
【0020】
なお、アクティブディレクトリとは、管理するネットワーク上に存在するハードウェア資源や、そのハードウェア資源を利用するユーザの情報等を一元管理することが可能な機能であり、通信システム1では、ADサーバ50を用いることで、アクティブディレクトリが実行される。具体的には、ADサーバ50には、PC52に関する情報(以下、「デバイス情報」と記載する)が、複数のPC52毎に記憶されている。デバイス情報としては、例えば、通信システム1が企業で使用されている場合には、PC52のユーザの名前(以下、「PCユーザ名」と記載する),社員番号,メールアドレス,所属する部署,役職,上司の名前等のユーザに関する情報が挙げられる。
【0021】
また、ADサーバ50は、デバイス情報として、ログインフラグを記憶している。ログインフラグは、PC52が使用されている状態、つまり、PC52の電源が投入され、ログイン状態であるか否かを示すものであり、ログインフラグがONである場合に、ログイン状態であることを示し、ログインフラグがOFFである場合に、ログアウト状態であることを示す。詳しくは、複数のPC52の各々は、各PC52がログイン状態とされると、ログイン状態を示す情報をADサーバ50に送信し、各PC52がログアウト状態とされると、ログアウト状態を示す情報をADサーバ50に送信する。そして、ログイン状態を示す情報を受信したADサーバ50は、その情報を送信してきたPC52のログインフラグをONに設定し、ログアウト状態を示す情報を受信したADサーバ50は、その情報を送信してきたPC52のログインフラグをOFFに設定する。つまり、ADサーバ50は、各PC52がログイン状態であるか否かを示す情報を、デバイス情報として記憶している。
【0022】
このように、ADサーバ50には、複数のPC52毎に、使用者に関する情報等がデバイス情報として記憶されているため、MFP10では、そのデバイス情報を利用して、ユーザ選択画面が作成され、表示される。具体的には、MFP10のディスプレイ16には、通常、図2に示すメイン画面100が表示されている。メイン画面100には、ファックスアイコン102、コピーアイコン104、スキャンアイコン106、設定ボタン108、ショートカットボタン110が表示される。
【0023】
メイン画面100において、ファックスアイコン102、コピーアイコン104、スキャンアイコン106のうちの任意のアイコンが操作されると、操作されたアイコンに応じた処理を実行するための処理実行画面が、ディスプレイ16に表示される。この処理実行画面には、処理実行画面に応じた処理を実行するための設定条件を設定する設定ボタン,処理の実行を開始する実行ボタン等が表示される。そして、処理実行画面において、設定条件が設定された場合には、実行ボタンの操作により、各種処理が設定された設定条件に従って実行され、設定条件が設定されない場合には、実行ボタンの操作により、予め設定されている設定条件に従って各種処理が実行される。
【0024】
また、メイン画面100において設定ボタン108が操作されると、図3に示す設定画面120がディスプレイ16に表示される。設定画面120には、第1設定ボタン122、第2設定ボタン124、第3設定ボタン126、第4設定ボタン128、OKボタン129が表示されている。そして、第1設定ボタン122が操作されると、図4に示すグループ設定画面130がディスプレイ16に表示される。グループ設定画面130には、第1選択ボタン132、第2選択ボタン134、第3選択ボタン136が表示される。各選択ボタンは、デバイス情報に含まれる使用者の部署のうちの何れか1つを選択するためのボタンである。
【0025】
具体的には、例えば、デバイス情報に含まれる使用者の部署として、部署A〜Cの3つの部署が記憶されている場合には、第1選択ボタン132は、部署Aを選択するためのボタンであり、第2選択ボタン134は、部署Bを選択するためのボタンであり、第3選択ボタン136は、部署Cを選択するためのボタンである。そして、例えば、第1選択ボタン132が操作されると、MFP10は、部署Aをグループ情報として、データ記憶領域38に記憶する。つまり、操作された選択ボタンに対応する部署が、グループ情報としてデータ記憶領域38に記憶される。また、何れかの選択ボタンが操作されると、設定画面120がディスプレイ16に表示される。
【0026】
そして、設定画面120においてOKボタン129が操作されると、メイン画面100がディスプレイ16に表示される。この際、データ記憶領域38にグループ情報が記憶されている状態で、ショートカットボタン110が操作されると、MFP10は、ADサーバ50から全デバイス情報を取得し、その全デバイス情報から、記憶されているグループ情報に応じた部署を含むデバイス情報が抽出される。この際、抽出されたデバイス情報が、抽出デバイス情報としてデータ記憶領域38に記憶される。そして、抽出デバイス情報に含まれるPCユーザ名が特定される。次に、データ記憶領域38に記憶されているショートカット登録ユーザ名の中から、特定されたPCユーザ名と同じユーザ名が抽出される。そして、抽出されたショートカット登録ユーザ名と関連付けられているショートカット情報と、抽出デバイス情報に含まれるPCユーザ名とを含むグループリストが作成され、そのグループリストに基づく画像が、ユーザ選択画面としてディスプレイ16に表示される。
【0027】
詳しくは、図5に示すように、抽出デバイス情報に含まれるPCユーザ名が、グループリストに含まれるユーザ名として、複数のタブの見出し領域150に区分けされた状態で、ディスプレイ16の左右方向に並んで表示される。また、それら複数のタブの見出し領域150への左右方向へのフリック操作等により、複数のタブの見出し領域150は、左右方向にスクロールし、タブの見出し領域150のスクロールに伴って、新たなタブの見出し領域150がディスプレイ16に表示される。そして、ディスプレイ16に表示されている複数のタブの見出し領域150のうちの任意のタブの見出し領域150が操作されることで、操作されたタブの見出し領域150に応じたユーザ名が選択される。
【0028】
この際、操作されたタブの見出し領域150の色が変化する。図5では、ユーザ名「鈴木」のタブの見出し領域150が操作された状態の画面が記されている。また、任意のタブの見出し領域150が操作され、ユーザ名が選択されると、選択されたユーザ名と関連付けられているショートカット情報に応じたショートカットアイコン(本発明の操作ボタンの一例)152が、操作されたタブの見出し領域150に応じたタブに表示される。つまり、図5に示す画面では、複数のユーザ名の中から、ユーザ名「鈴木」が選択されており、そのユーザ名「鈴木」で登録されたショートカット情報に応じたショートカットアイコン152が表示される。なお、図5に示す画面は、複数のユーザ名の中から、任意のユーザ名を選択するユーザ選択画面であるが、選択された任意のユーザ名に応じたショートカットアイコン152が表示されることから、図5に示す画面を、ショートカット画面156と記載する。
【0029】
このように、デバイス情報を利用して、ショートカット画面156を作成し、表示することで、ショートカット機能を利用する際に、グループ設定画面130において設定された部署に所属しているユーザ名のみを、ディスプレイ16に表示することが可能となる。これにより、ショートカット機能を利用する際に、部署毎に、ユーザ名をディスプレイ16に表示することが可能となり、自身のユーザ名を容易に探すことが可能となる。
【0030】
また、ショートカット画面156が作成される際に、ADサーバ50に記憶されているデバイス情報が利用される。つまり、アクティブディレクトリで既に用いられている情報を利用して、ショートカット画面156が作成される。このため、MFP10において、ユーザの部署等の情報を登録することなく、ユーザ名を部署毎に区分けした状態でディスプレイ16に表示することが可能となる。これにより、手間をかけることなく、ショートカット機能を利用する際の操作性を向上させることが可能となる。
【0031】
さらに言えば、アクティブディレクトリで用いられるデバイス情報は、通常、社員の入社,移動,退職等によって、社員が増減した際に更新されている。このため、社員の増減を反映したデバイス情報がADサーバ50に記憶されている。これにより、デバイス情報を利用することで、MFP10へのユーザ登録の追加,削除,編集等を行うことなく、社員の増減を反映したショートカット画面156をディスプレイ16に表示することが可能となる。
【0032】
なお、ショートカット画面156には、上述したように、グループ設定画面130において設定された部署に所属するユーザ名が表示される。つまり、グループ設定画面130において任意の選択ボタンを操作し、任意の部署を選択しなければ、ショートカット画面156を作成することができない。このため、グループ情報がデータ記憶領域38に記憶されていない状態、つまり、グループ設定画面130で何れかの選択ボタンが操作されていない状態で、メイン画面100においてショートカットボタン110が操作された場合には、ディスプレイ16に、ショートカット画面156でなく、グループ設定画面130が表示される。そして、グループ設定画面130において選択ボタンが操作され、任意の部署が選択された後に、メイン画面100においてショートカットボタン110が操作されることで、ショートカット画面156がディスプレイ16に表示される。
【0033】
また、MFP10では、ユーザ自身がショートカット情報を登録しなくても、デバイス情報を利用して自動でショートカット情報を登録することが可能である。詳しくは、設定画面120において第2設定ボタン124が操作されると、図6に示すショートカット作成画面160がディスプレイ16に表示される。ショートカット作成画面160には、第1作成ボタン162、第2作成ボタン164、第3作成ボタン166が表示される。第1作成ボタン162は、読取部24により読み取られた画像データ(以下、「スキャンデータ」と記載する)を自身のメールアドレスに宛てて送信するためのショートカット情報を作成するためのボタンであり、第2作成ボタン164は、スキャンデータを自身の上司のメールアドレスに宛てて送信するためのショートカット情報を作成するためのボタンであり、第3作成ボタン166は、スキャンデータをFTPサーバ56に宛てて送信するためのショートカット情報を作成するためのボタンである。
【0034】
ショートカット作成画面160において第1作成ボタン162が操作されると、グループリストが作成される際にデータ記憶領域38に記憶された抽出デバイス情報、つまり、ADサーバ50から取得された全デバイス情報のうちのグループ情報に応じた部署を含むデバイス情報から、メールアドレスが特定される。そして、特定されたメールアドレスに宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成され、そのショートカット情報が、抽出デバイス情報に含まれるPCユーザ名と同じ名前のユーザ名と関連付けて、グループリストに登録される。これにより、自身のメールアドレスに宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成され、そのショートカット情報が、自身のユーザ名と関連付けてグループリストに登録される。
【0035】
なお、第1作成ボタン162の操作によりショートカット情報が作成される際には、抽出デバイス情報毎に作成される。つまり、例えば、PCユーザ名「鈴木」を含む抽出デバイス情報では、「鈴木」のメールアドレスが特定される。そして、「鈴木」のメールアドレスに宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成され、そのショートカット情報が、ユーザ名「鈴木」と関連付けてグループリストに登録される。また、PCユーザ名「田中」を含む抽出デバイス情報では、「田中」のメールアドレスが特定される。そして、「田中」のメールアドレスに宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成され、そのショートカット情報が、ユーザ名「田中」と関連付けてグループリストに登録される。これにより、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名に対して、自身のメールアドレスにスキャンデータを送信するためのショートカット情報を、自動で登録することができる。
【0036】
また、ショートカット作成画面160において第2作成ボタン164が操作されると、スキャンデータを自身の上司のメールアドレスに宛てて送信するためのショートカット情報が作成されるが、各デバイス情報は、自身のメールアドレス、自身の上司の名前を含んでいるが、上司のメールアドレスを含んでいない。このため、第2作成ボタン164が操作されると、まず、抽出デバイス情報から上司の名前が特定される。次に、ADサーバ50から取得した全デバイス情報の中から、特定された上司の名前をPCユーザ名として含むデバイス情報が抽出される。この抽出されたデバイス情報に含まれるメールアドレスは、特定された上司のメールアドレスである。このため、抽出されたデバイス情報に含まれるメールアドレスに宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成され、そのショートカット情報が、抽出デバイス情報に含まれるPCユーザ名と同じ名前のユーザ名と関連付けてグループリストに登録される。これにより、自身の上司のメールアドレスに宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成され、そのショートカット情報が、自身のユーザ名と関連付けてグループリストに登録される。なお、第2作成ボタン164の操作時においても、抽出デバイス情報毎にショートカット情報が作成される。これにより、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名に対して、自身の上司のメールアドレスにスキャンデータを送信するためのショートカット情報を、自動で登録することができる。
【0037】
また、ショートカット作成画面160において第3作成ボタン166が操作されると、FTPサーバ56に宛ててスキャンデータを送信するためのショートカット情報が作成される。そして、作成されたショートカット情報が、グループリストに登録されている全てのユーザ名と関連付けて登録される。これにより、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名に対して、FTPサーバ56にスキャンデータを送信するためのショートカット情報を、自動で登録することができる。
【0038】
このため、例えば、ショートカット作成画面160において、第1作成ボタン162と第3作成ボタン166とが操作された場合には、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名に対して、自身のメールアドレスにスキャンデータを送信するためのショートカット情報と、FTPサーバ56にスキャンデータを送信するためのショートカット情報とが、グループリストに登録される。そして、そのグループリストに基づく画像がディスプレイ16に表示された場合には、図7に示すショートカット画面156がディスプレイ16に表示される。
【0039】
図7に示すショートカット画面156では、図5に示すショートカット画面156と同様に、複数のユーザ名の中から、ユーザ名「鈴木」が選択されており、そのユーザ名「鈴木」で登録されたショートカット情報に応じたショートカットアイコン152が表示される。図7に示すショートカット画面156では、図5に示すショートカット画面156と比較して解るように、「スキャンto自分」のショートカットアイコン152と、「スキャンtoFTP」のショートカットアイコン152とが追加されている。
【0040】
「スキャンto自分」のショートカットアイコン152は、自身のメールアドレスにスキャンデータを送信するためのショートカット情報に応じたアイコンであり、そのショートカットアイコン152が操作されることで、スキャンデータが作成され、そのスキャンデータが自身のメールアドレスに送信される。また、「スキャンtoFTP」のショートカットアイコン152は、FTPサーバ56にスキャンデータを送信するためのショートカット情報に応じたアイコンであり、そのショートカットアイコン152が操作されることで、スキャンデータが作成され、そのスキャンデータがFTPサーバ56に送信される。このように、MFP10では、ショートカット作成画面160において任意のボタンを操作することで、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名に対して、種々のショートカット情報を、自動で登録することができる。
【0041】
また、MFP10では、グループリストに基づいてショートカット画面156が表示される際に、抽出デバイス情報に含まれる全てのPCユーザ名、つまり、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名のうちの一部のユーザ名のみを、ショートカット画面156に表示することが可能である。詳しくは、設定画面120において第3設定ボタン126が操作されると、図8に示す表示・非表示設定画面170がディスプレイ16に表示される。表示・非表示設定画面170には、第1表示設定ボタン172、第2表示設定ボタン174、第3表示設定ボタン176が表示される。
【0042】
第1表示設定ボタン172は、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名のうちの、ログイン状態とされているPC52のユーザのユーザ名のみをショートカット画面156に表示するためのボタンであり、第2表示設定ボタン174は、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名のうちの、役職がマネージャーであるユーザのユーザ名のみをショートカット画面156に表示するためのボタンであり、第3表示設定ボタン176は、グループ設定画面130において設定された部署に所属する全てのユーザ名のうちの、ショートカット機能を10日以内に使用したユーザのユーザ名のみをショートカット画面156に表示するためのボタンである。
【0043】
表示・非表示設定画面170において第1表示設定ボタン172が操作されると、抽出デバイス情報から、ログインフラグがOFFとされているデバイス情報が特定される。その特定されたデバイス情報に含まれるPCユーザ名が、非表示ユーザ名として記憶される。そして、その非表示ユーザ名と同じ名前のユーザ名がグループリストから除外される。つまり、グループリストに登録されているユーザ名は、ログインフラグがONとされているデバイス情報に含まれるPCユーザ名と同じ名前のユーザ名だけとなる。このため、グループリストに基づいてディスプレイ16に表示されるショートカット画面156には、ログインフラグがONとされているデバイス情報に含まれるユーザ名のみが表示される。つまり、例えば、会社を欠勤し、PC52を使用していないユーザのユーザ名は、ショートカット画面156に表示されず、会社に出勤し、PC52を使用しているユーザのユーザ名が、ショートカット画面156に表示される。これにより、MFP10を使用する可能性のあるユーザのみを、ショートカット画面156に表示することが可能となり、ユーザは、より容易に自身のユーザ名を探すことが可能となる。
【0044】
また、表示・非表示設定画面170において第2表示設定ボタン174が操作されると、抽出デバイス情報から、役職がマネージャー以外のものとされているデバイス情報が特定される。その特定されたデバイス情報に含まれるPCユーザ名が、非表示ユーザ名として記憶される。そして、その非表示ユーザ名と同じ名前のユーザ名がグループリストから除外される。つまり、グループリストに登録されているユーザ名は、役職がマネージャーとされているデバイス情報に含まれるPCユーザ名と同じ名前のユーザ名だけとなる。このため、グループリストに基づいてディスプレイ16に表示されるショートカット画面156には、役職がマネージャーとされているデバイス情報に含まれるユーザ名のみが表示される。これにより、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を、比較的少人数に限定することが可能となり、ユーザは、より容易に自身のユーザ名を探すことが可能となる。
【0045】
また、表示・非表示設定画面170において第1表示設定ボタン172若しくは、第2表示設定ボタン174が操作された場合には、上述したように、抽出デバイス情報を利用して、グループリストから除外されるユーザ名、つまり、非表示ユーザ名が特定されているが、第3表示設定ボタン176が操作された場合には、ショートカット利用情報を利用して、非表示ユーザ名が特定される。詳しくは、MFP10では、ショートカット機能が利用される毎に、利用されたショートカット機能のショートカット情報とグループリストで関連付けられているユーザ名と、ショートカット機能を利用した最新の日付(以下、「最新利用日」と記載する)と、ショートカット機能を利用した累積回数(以下、「ショートカット利用累積回数」と記載する)とが、ショートカット利用情報として、データ記憶領域38に記憶される。そして、第3表示設定ボタン176が操作されると、グループリストに含まれるユーザ名と関連付けられている最新利用日が、ショートカット利用情報に基づいて特定される。
【0046】
次に、特定された最新利用日が、第3表示設定ボタン176が操作された日より10日以内であるか否かが判断される。この際、第3表示設定ボタン176が操作された日より10日以内でない最新利用日と関連付けられているユーザ名が、非表示ユーザ名として記憶される。そして、その非表示ユーザ名と同じ名前のユーザ名がグループリストから除外される。つまり、グループリストに登録されているユーザ名は、ショートカット機能を10日以内に利用したユーザのユーザ名だけとなる。このため、グループリストに基づいてディスプレイ16に表示されるショートカット画面156には、ショートカット機能を10日以内に利用したユーザのユーザ名のみが表示される。これにより、ショートカット機能を最近、利用したユーザのユーザ名のみをショートカット画面156に表示することが可能となり、ユーザは、より容易に自身のユーザ名を探すことが可能となる。
【0047】
また、MFP10では、グループリストに基づいてショートカット画面156が表示される際のユーザ名の表示順を変更することが可能である。詳しくは、設定画面120において第4設定ボタン128が操作されると、図9に示す並び順設定画面180がディスプレイ16に表示される。並び順設定画面180には、第1並び順設定ボタン182、第2並び順設定ボタン184、第3並び順設定ボタン186が表示される。第1並び順設定ボタン182は、グループリストに含まれるユーザ名の表示順を、社員番号順に変更するためのボタンであり、第2並び順設定ボタン184は、グループリストに含まれるユーザ名の表示順を、50音順に変更するためのボタンであり、第3並び順設定ボタン186は、グループリストに含まれるユーザ名の表示順を、ショートカット機能の利用回数の多い順に変更するためのボタンである。
【0048】
並び順設定画面180において第1並び順設定ボタン182が操作されると、抽出デバイス情報から社員番号が特定され、その特定された社員番号が、並び順情報としてデータ記憶領域38に記憶される。そして、グループリストに含まれるユーザ名が、記憶された並び順情報に従って、社員番号の小さい順番に並べ替えられた状態で、グループリストに登録される。このため、グループリストに基づいてディスプレイ16に表示されるショートカット画面156では、ユーザ名が、社員番号の小さい順番で表示される。これにより、ユーザは、自身のユーザ名を容易に探すことが可能となる。
【0049】
また、並び順設定画面180において第2並び順設定ボタン184が操作されると、50音順での並べ替えを示す情報が、並び順情報としてデータ記憶領域38に記憶される。そして、グループリストに含まれるユーザ名が、記憶された並び順情報に従って、50音順に並べ替えられた状態で、グループリストに登録される。このため、グループリストに基づいてディスプレイ16に表示されるショートカット画面156では、ユーザ名が、50音順で表示される。これにより、ユーザは、自身のユーザ名を容易に探すことが可能となる。
【0050】
また、並び順設定画面180において第3並び順設定ボタン186が操作されると、グループリストに含まれるユーザ名と関連付けられているショートカット利用累積回数が、ショートカット利用情報に基づいて特定され、その特定されたショートカット利用累積回数が、並び順情報としてデータ記憶領域38に記憶される。そして、グループリストに含まれるユーザ名が、記憶された並び順情報に従って、ショートカット利用累積回数の多い順番に並べ替えられた状態で、グループリストに登録される。このため、グループリストに基づいてディスプレイ16に表示されるショートカット画面156では、ユーザ名が、ショートカット機能を利用した回数の多い順番で表示される。これにより、ユーザは、自身のユーザ名を容易に探すことが可能となる。
【0051】
<制御プログラム>
上述したショートカット画面156の作成及び表示は、CPU12において制御プログラム36が繰り返し実行されることによって行われる。以下に、図10乃至図13を用いて、CPU12で制御プログラム36が実行される際のフローを説明する。
【0052】
MFP10では、ディスプレイ16にメイン画面100が表示されると、図10に示すように、設定ボタン108が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S100)。設定ボタン108が操作された場合(S100:YES)には、関連情報設定サブルーチンが実行される(S102)。関連情報設定サブルーチンでは、図11に示すように、設定画面120がディスプレイ16に表示される(S120)。次に、第1設定ボタン122が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S122)。
【0053】
第1設定ボタン122が操作された場合(S122:YES)には、グループ設定画面130がディスプレイ16に表示される(S124)。続いて、グループ設定画面130において任意の選択ボタンが操作され、その操作された選択ボタンに対応する部署が、グループ情報としてデータ記憶領域38に記憶される(S126)。そして、S122に戻る。
【0054】
また、S122で第1設定ボタン122が操作されていない場合(S122:NO)には、第2設定ボタン124が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S128)。第2設定ボタン124が操作された場合(S128:YES)には、ショートカット作成画面160がディスプレイ16に表示される(S130)。続いて、ショートカット作成画面160において任意の作成ボタンが操作され、その操作された作成ボタンに応じたショートカット情報が作成される(S132)。そして、S122に戻る。
【0055】
また、S128で第2設定ボタン124が操作されていない場合(S128:NO)には、第3設定ボタン126が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S134)。第3設定ボタン126が操作された場合(S134:YES)には、表示・非表示設定画面170がディスプレイ16に表示される(S136)。続いて、表示・非表示設定画面170において任意の表示設定ボタンが操作され、その操作された表示設定ボタンに応じた非表示ユーザ名がデータ記憶領域38に記憶される(S138)。そして、S122に戻る。
【0056】
また、S134で第3設定ボタン126が操作されていない場合(S134:NO)には、第4設定ボタン128が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S140)。第4設定ボタン128が操作された場合(S140:YES)には、並び順設定画面180がディスプレイ16に表示される(S142)。続いて、並び順設定画面180において任意の並び順設定ボタンが操作され、その操作された並び順設定ボタンに応じた並び順情報がデータ記憶領域38に記憶される(S144)。そして、S122に戻る。
【0057】
また、S140で第4設定ボタン128が操作されていない場合(S140:NO)には、関連情報設定サブルーチンが終了する。関連情報設定サブルーチンが終了すると、図10に示すように、制御プログラム36が終了する。
【0058】
また、S100で設定ボタン108が操作されていない場合(S100:NO)には、ショートカットボタン110が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S104)。ショートカットボタン110が操作されていない場合(S104:NO)には、制御プログラム36が終了する。一方、ショートカットボタン110が操作された場合(S104:YES)には、グループ情報がデータ記憶領域38に記憶されているか否かが、CPU12によって判断される(S106)。
【0059】
グループ情報がデータ記憶領域38に記憶されていない場合(S106:NO)には、グループ設定画面130がディスプレイ16に表示される(S108)。続いて、グループ設定画面130において任意の選択ボタンが操作され、その操作された選択ボタンに対応する部署が、グループ情報としてデータ記憶領域38に記憶される(S109)。そして、S110に進む。一方、グループ情報がデータ記憶領域38に記憶されている場合(S106:YES)には、S108の処理がスキップされ、S110に進む。S110では、画面作成・表示サブルーチンが実行される(S110)。
【0060】
画面作成・表示サブルーチンでは、図12に示すように、関連情報が読み出される(S150)。関連情報とは、S109又は関連情報設定サブルーチンのS126で記憶されたグループ情報、関連情報設定サブルーチンのS132で作成されたショートカット情報、関連情報設定サブルーチンのS138で記憶された非表示ユーザ名、関連情報設定サブルーチンのS144で記憶された並び順情報である。次に、ADサーバ50から全デバイス情報を取得し、全デバイス情報からグループ情報に応じて、抽出デバイス情報を抽出する。そして、抽出デバイス情報に基づいて、グループリストを作成する(S152)。
【0061】
続いて、非表示ユーザ名がデータ記憶領域38に記憶されているか否かが、CPU12によって判断される(S154)。非表示ユーザ名がデータ記憶領域38に記憶されている場合(S154:YES)には、S152で作成されたグループリストから非表示ユーザ名を除外する(S156)。そして、S158に進む。一方、非表示ユーザ名がデータ記憶領域38に記憶されていない場合(S154:NO)には、S156の処理がスキップされ、S158に進む。
【0062】
S158では、並び順情報がデータ記憶領域38に記憶されているか否かが、CPU12によって判断される(S158)。並び順情報がデータ記憶領域38に記憶されている場合(S158:YES)には、S152で作成されたグループリストのユーザ名が、並び順情報に従って、並べ替えられる(S160)。そして、S162に進む。一方、並び順情報がデータ記憶領域38に記憶されていない場合(S158:NO)には、S160の処理がスキップされ、S162に進む。
【0063】
図13に示すように、S162では、ショートカット作成画面160において何れかの作成ボタンが操作されることで、ショートカット情報が作成されているか否かが、CPU12によって判断される(S162)。ショートカット情報が作成されている場合(S162:YES)には、S152で作成されたグループリストに、作成されているショートカット情報が登録される(S164)。そして、S166に進む。一方、ショートカット情報が作成されていない場合(S162:NO)には、S164の処理がスキップされ、S166に進む。
【0064】
S166では、ユーザが登録したショートカット、すなわちショートカット作成画面160において何れかの作成ボタンが操作されることで作成されたショートカットとは異なるショートカット情報がデータ記憶領域38に記憶されているか否かが、CPU12によって判断される(S166)。ユーザが登録したショートカット情報が記憶されている場合(S166:YES)には、S152で作成されたグループリストに、ユーザが登録したショートカット情報が登録される(S168)。そして、S170に進む。一方、ユーザが登録したショートカット情報が記憶されていない場合(S166:NO)には、S168の処理がスキップされ、S170に進む。
【0065】
S170では、グループリストに基づいて、ショートカット画面156が作成される(S170)。そして、その作成されたショートカット画面156が、ディスプレイ16に表示される(S172)。これにより、制御プログラム36が終了する。
【0066】
なお、上記実施形態において、S152を実行するCPU12は、第1取得手段の一例である。S168を実行するCPU12は、第2取得手段及び、抽出手段の一例である。S172を実行するCPU12は、第1表示制御手段及び、第2表示制御手段の一例である。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、上記実施形態では、ADサーバ50に記憶されている全てのデバイス情報が、MFP10により取得され、取得された全てのデバイス情報から、グループ情報に応じた部署を含むデバイス情報が抽出されるが、MFP10が、ADサーバ50に記憶されている全てのデバイス情報のうちの、グループ情報に応じた部署を含むデバイス情報のみを取得してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、ショートカット作成画面160において何れかの作成ボタンが操作されることで、スキャンデータを自身のメールアドレスと上司のメールアドレスとFTPサーバ56との何れかに送信するためのショートカット情報が、自動で作成されるが、デバイス情報を利用して種々のショートカット情報を自動で作成することが可能である。具体的には、例えば、デバイス情報に、メーリングリストに関する情報(メーリングリストに登録しているユーザのユーザ名、メーリングリストに登録しているユーザのメールアドレス等)が含まれている場合には、スキャンデータをメーリングリストに登録されている全てのユーザのメールアドレスに送信するためのショートカット情報の作成ボタンをショートカット作成画面160に表示させ、その作成ボタンが操作されることで、そのショートカット情報を作成してもよい。また、抽出デバイス情報に含まれるPCユーザ名の数に応じた原稿数のコピー処理を実行するためのショートカット情報の作成ボタンをショートカット作成画面160に表示させ、その作成ボタンが操作されることで、そのショートカット情報を作成してもよい。さらに言えば、デバイス情報を利用することなく、利用頻度の高い処理のショートカット情報を自動で作成することも可能である。具体的には、例えば、両面モノクロコピー処理を10部作成するためのショートカット情報の作成ボタンをショートカット作成画面160に表示させ、その作成ボタンが操作されることで、そのショートカット情報を作成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、表示・非表示設定画面170において何れかの表示設定ボタンが操作されることで、ショートカット画面156に表示されるユーザ名が、ログイン状態のPC52のユーザのユーザ名と、役職がマネージャーであるユーザのユーザ名と、10日以内にショートカット機能を利用したユーザのユーザ名との何れかに限定されているが、種々の条件により特定されるユーザのユーザ名に限定することが可能である。具体的には、例えば、デバイス情報に、部署と異なるプロジェクトチーム等に関する情報(プロジェクトチームのメンバーのユーザ名等)が含まれている場合には、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を、プロジェクトチームのメンバーのユーザ名に限定するための表示設定ボタンを表示・非表示設定画面170に表示させ、その表示設定ボタンが操作されることで、ショートカット画面156にプロジェクトチームのメンバーのユーザ名のみが表示されてもよい。また、例えば、ショートカット利用情報に、ショートカット機能を利用した日時が所定期間、記憶されている場合には、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を、ボタン操作時と同じ時間帯に、所定期間以内にショートカット機能を利用したユーザのユーザ名に限定するための表示設定ボタンを表示・非表示設定画面170に表示させ、その表示設定ボタンが操作されることで、ショートカット画面156にボタン操作時と同じ時間帯に、所定期間以内にショートカット機能を利用したユーザのユーザ名のみが表示されてもよい。また、例えば、ショートカット利用情報に、ショートカット機能を利用した曜日が所定期間、記憶されている場合には、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を、ボタン操作時と同じ曜日に、所定期間以内にショートカット機能を利用したユーザのユーザ名に限定するための表示設定ボタンを表示・非表示設定画面170に表示させ、その表示設定ボタンが操作されることで、ショートカット画面156にボタン操作時と同じ曜日に、所定期間以内にショートカット機能を利用したユーザのユーザ名のみが表示されてもよい。また、例えば、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を、ショートカット作成画面160での作成ボタンの操作によるショートカット情報の自動登録でなく、自身でショートカット情報を登録したユーザのユーザ名に限定するための表示設定ボタンを表示・非表示設定画面170に表示させ、その表示設定ボタンが操作されることで、ショートカット画面156に自身でショートカット情報を登録したユーザのユーザ名のみが表示されてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、並び順設定画面180において何れかの並び順設定ボタンが操作されることで、ショートカット画面156に表示されるユーザ名の表示順が、社員番号順と50音順とショートカット機能の利用累積回数との何れかに従って並べ替えられているが、種々の条件に従って並べ替えられてもよい。具体的には、例えば、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を役職の位の高い順番で並べ替えるための並び順設定ボタンを並び順設定画面180に表示させ、その並び順設定ボタンが操作されることで、ユーザ名を役職の高い順番で並べた状態でショートカット画面156を表示してもよい。また、例えば、ショートカット画面156に表示されるユーザ名を、グループリストにおいて登録されているショートカット情報の数が多い順番で並べ替えるための並び順設定ボタンを並び順設定画面180に表示させ、その並び順設定ボタンが操作されることで、ユーザ名をショートカット情報の多い順番、つまり、ショートカットアイコン152の多い順番で並べた状態でショートカット画面156を表示してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、ショートカット登録ユーザ名とショートカット情報とが関連付けてデータ記憶領域38に記憶されているが、FTPサーバ56等の外部装置に、ショートカット登録ユーザ名とショートカット情報とを関連付けて記憶させてもよい。この場合には、MFP10は、その外部装置から、ショートカット登録ユーザ名とショートカット情報とを取得する。
【0072】
また、上記実施形態では、CPU12によって図10乃至図13に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10:MFP(処理実行装置)、12:CPU(制御部)(コンピュータ)、16:ディスプレイ(表示部)、25:ネットワークI/F(通信部)、36:制御プログラム、38:データ記憶領域(記憶部)(記憶装置)、50:ADサーバ(サーバ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13