(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記放熱部は、前記第1ファンにより前記第2室内に循環される空気の熱を、前記筐体の外部へ放出するのを促進する放熱促進部をさらに含む、請求項1に記載の鉄道車両用電力変換装置。
前記放熱促進部は、前記第1ファンによる空気の循環経路に配置され、前記筐体の内面から前記第2室内に向かって突出するように設けられた複数のリブを有する、請求項2に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された鉄道車両用の電力変換装置では、発熱量が大きい電気品と発熱量が小さい電気品とが、筐体内の同一室内に配置されているため、筐体内の空気の温度は、発熱量が大きい電気品からの熱に影響されやすく、筐体内の空気の温度は高くなりやすいと考えられる。このため、筐体内の空気の温度が高いことに起因して、許容温度が低い電気品(制御ユニット(制御部))の温度が、許容温度を超えて高くなる場合があるという問題点があると考えられる。特に、小型化された鉄道車両用の電力変換装置では、複数の電気品が密集して配置されるため、許容温度が低い電気品の温度が、許容温度を超えて高くなりやすい。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、許容温度が低い電気機器(制御部を含む電気機器)の温度が許容温度を超えて高くなるのを抑制することが可能な鉄道車両用電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による鉄道車両用電力変換装置では、第1室と、第2室とを含む筐体と、第1室内に配置され、電力の変換が行われる主回路部を含む第1電気機器と、第2室内に配置され、第1電気機器よりも発熱量が小さく、かつ、第1電気機器よりも許容温度が低いとともに、主回路部を制御する
とともに上下方向に延びる複数の制御板から構成されている制御部を含む第2電気機器と、第1室内と第2室内とを熱的に分離するための仕切り壁と、第2室内に設けられ、第2室内の空気の熱を放出するための放熱部と、を備え、放熱部は、第2室内に配置され、第2室内の空気を循環させる第1ファンを含み、第1ファンは、制御
板同士
の間を
、下方から上方に向かって空気を流すように、制御
部の下方に配置されている。
【0009】
この発明の一の局面による鉄道車両用電力変換装置では、上記のように、電力の変換が行われる主回路部を含む第1電気機器が配置される第1室内と、第1電気機器よりも発熱量が小さく、かつ、第1電気機器よりも許容温度が低いとともに、主回路部を制御する制御部を含む第2電気機器が配置される第2室内とを、熱的に分離するための仕切り壁を設ける。これにより、第1電気機器により暖められた第1室内の空気の熱により、第2室内の空気の温度が高くなるのを抑制することができるので、第2室内に配置された許容温度が低い第2電気機器(制御部)の温度が高くなるのを抑制することができる。また、第2室内に、第2室内の空気の熱を放出するための放熱部を設ける。これにより、放熱部により、第2電気機器において発生した熱を、第2電気機器から逃がすことができる。これらの結果、許容温度が低い第2電気機器(制御部)の温度が許容温度を超えて高くなるのを抑制することができる。これにより、電気機器を密集して配置することができるので、鉄道車両用電力変換装置の小型化を容易に行うことができる。
また、第1ファンにより、複数の制御板から構成された制御部をより効果的に冷却することができる。また、第1ファンを、下方から上方に向かって空気を流すように、制御部の下方に配置する。これにより、制御部の制御板同士の間を通過して暖められた空気が、第2室内を循環することによって冷却された状態で、第1ファンに空気が吸い込まれるので、第1ファンに吸い込まれる空気の温度を低下させることができる。この結果、高温の空気に起因して第1ファンの耐用年数が短くなるのを抑制することができる。
【0010】
また、第1ファンにより空気が第2室内に循環されることによって、第2電気機器において発生した熱を、第2電気機器から効果的に逃がすことができるので、許容温度が低い第2電気機器の温度が許容温度を超えて高くなるのを確実に抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、放熱部は、第1ファンにより第2室内に循環される空気の熱を、筐体の外部へ放出するのを促進する放熱促進部をさらに含む。このように構成すれば、放熱促進部により、第2室内に循環される空気の熱を筐体の外部に放出しやすくすることができるので、第2室内を循環する空気により、第2電気機器を効果的に冷却することができる。
【0012】
上記放熱部が放熱促進部をさらに含む構成において、好ましくは、放熱促進部は、第1ファンによる空気の循環経路に配置され、筐体の内面から第2室内に向かって突出するように設けられた複数のリブを有する。このように構成すれば、空気の循環経路に配置された複数のリブにより、第2室内の空気の熱を効率的に吸収して、第2室内の空気を冷却することができる。そして、冷却された空気が第2室内に循環されることにより、第2電気機器をより効果的に冷却することができる。
【0013】
上記放熱促進部が複数のリブを有する構成において、好ましくは、複数のリブは、筐体の内側面に一体的に設けられている。このように構成すれば、複数のリブに吸収された熱を筐体に容易に伝達することができるので、第2室内の空気の熱をさらに効率的に吸収して、第2室内の空気を冷却することができる。そして、冷却された空気が第2室内に循環されることにより、第2電気機器をさらに効果的に冷却することができる。
【0015】
上記一の局面による鉄道車両用電力変換装置において、好ましくは、第1室内に配置され、第1室内の空気を循環させる第2ファンをさらに備え、仕切り壁は、第2ファンにより第1室内を循環する空気が、第2室に流入するのを遮断することによって、第1室内と第2室内とを熱的に分離している。このように構成すれば、仕切り壁により、第2ファンにより第1室内を循環する空気が、第2室に流入するのが遮断されるので、第1室内と第2室内とを容易に熱的に分離することができる。また、第2ファンにより第1室内の空気が循環されるので、第1室内の空気が過度に高温になるのを抑制することができる。これにより、許容温度が高い第1電気機器であっても、過度な高温環境下にさらされることに起因して不具合が生じるのを抑制することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、仕切り壁は、第1電気機器と第2電気機器とを接続するための配線が通過する配線孔を含む。このように構成すれば、第1室内と第2室内とを熱的に分離する仕切り壁を設けたとしても、配線を配線孔に通過させることによって、第1電気機器と第2電気機器とを容易に接続することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、許容温度が低い第2電気機器(制御部を含む電気機器)の温度が許容温度を超えて高くなるのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[高速鉄道車両の構成]
図1〜
図3を参照して、本発明の一実施形態による鉄道車両用電力変換装置100(以下、電力変換装置100と称する)が設置される高速鉄道車両10の構成について説明する。
【0021】
高速鉄道車両10は、複数の車両が編成された状態で、たとえば、180km/h以上で走行する高速鉄道車両である。高速鉄道車両10は、
図1に示すように、交流電源としての架線1から供給される電力により走行するように構成されている。なお、本実施形態では、高速鉄道車両10が進行方向(X方向)のうち、X1方向側からX2方向側に向かって走行する場合について説明する。また、高速鉄道車両10は、特許請求の範囲の「鉄道車両」の一例である。
【0022】
高速鉄道車両10は、
図1および
図2に示すように、車体11と、パンタグラフ12と、電力変換装置100と、誘導電動機および空調機器などの電気機器13とを備えている。
【0023】
図3に示すように、車体11の底部11aには、電力変換装置100を吊り下げた状態で取り付けるための、一対のレール11bが設けられている。これにより、電力変換装置100は、高速鉄道車両10の車体11の底部11aの下方(Z2方向)に取り付けられている。
【0024】
パンタグラフ12は、
図1に示すように、架線1から電力を受け取る役割を有する。電力変換装置100は、図示しない変圧器により変圧されたパンタグラフ12からの交流電圧を、所望の3相交流電圧および周波数に変換して電気機器13などに出力する役割を有する。
【0025】
[電力変換装置の構成]
次に、
図3〜
図7を参照して、本発明の一実施形態による電力変換装置100の詳細な構成について説明する。
【0026】
電力変換装置100は、
図3に示すように、金属製の筐体20と、筐体20の内部に配置される電力変換装置本体30(
図4参照)と、筐体20を車体11のレール11bに取り付けるための複数の取付部40とを含んでいる。
【0027】
筐体20は、
図4〜
図6に示すように、3つの部屋(主回路室20a、制御室20bおよび補助機器室20c)に区分けされている。主回路室20aは、筐体20の枕木方向(Y方向)の中央に位置し、制御室20bは、筐体20の枕木方向の一方側(Y1方向側)に位置し、補助機器室20cは、筐体20の枕木方向の他方側(Y2方向側)に位置している。なお、主回路室20aは、特許請求の範囲の「第1室」の一例であり、制御室20bは、特許請求の範囲の「第2室」の一例である。
【0028】
筐体20は、天板21と、側板22、23、24および25とを含んでいる。
図6に示すように、天板21は、上側(Z1方向側)に配置され、筐体20の上面部を構成している。
図4および
図5に示すように、側板22および23は、それぞれ、進行方向(X方向)の一方側(X1方向側)および他方側(X2方向側)において、筐体20の側面部を構成している。側板24および25は、それぞれ、枕木方向(Y方向)のY1方向側およびY2方向側において、筐体20の側面部を構成している。
【0029】
また、高速鉄道車両10が走行する際には、
図3に示すように、側板24および25の外側と、筐体20の下面部の外側とにおいて走行風が流れる。
【0030】
電力変換装置本体30は、
図4および
図5に示すように、主回路部31と、制御ユニット32と、第1補助電気機器33と、第2補助電気機器34とを含んでいる。なお、主回路部31は、特許請求の範囲の「第1電気機器」の一例であり、制御ユニット32は、特許請求の範囲の「制御部」および「第2電気機器」の一例である。
【0031】
主回路部31は、インバータおよびコンバータを含み、パンタグラフ12(
図1参照)からの交流電圧を、所望の3相交流電圧および周波数に変換する機能を有している。また、主回路部31は、複数のフィルタトランジスタ(図示せず)が配置されるトランジスタ部31aと、スイッチング素子などの半導体素子が配置される複数の半導体素子部31bと、半導体素子部31bを冷却する冷却部31cとを含んでいる。冷却部31cには、筐体20の下部から外部に露出するように形成され、主回路部31の熱を外部に放出する冷却フィン31dが複数設けられている。
【0032】
制御ユニット32は、主回路部31の図示しないゲートの切替などの電力変換装置100全体の制御を行う機能を有している。また、制御ユニット32は、上下方向(Z方向)に延びる板状の複数の制御板32aが、進行方向(X方向)に並んで配置されることによって、形成されている。これにより、制御ユニット32は、制御板32a同士の間を上下方向に空気が流通することが可能なように構成されている。
【0033】
第1補助電気機器33には、ゲートに電源を供給するゲート電源、および、接地(地絡)を検知する接地検知回路(GCT)などの複数の電気機器が含まれる。第2補助電気機器34には、過電圧が主回路部31に加えられるのを抑制するための過電圧保護回路(OVT)および充電回路などの複数の電気機器が含まれる。
【0034】
また、主回路部31は、平面視において、筐体20の主回路室20a内の略全域に配置されている。制御ユニット32は、平面視において、筐体20の制御室20b内のうち、進行方向(X方向)の略中央で、かつ、Y2方向側に配置されている。第1補助電気機器33は、平面視において、筐体20の制御室20b内のうち、制御ユニット32のX1方向側およびX2方向側にそれぞれ配置されている。第2補助電気機器34は、筐体20の補助機器室20c内に配置されている。
【0035】
また、主回路部31は、いわゆる高圧機器であり、駆動時に高い電圧が印加されることにより発熱量が大きい。また、主回路部31および第2補助電気機器34は、許容温度が高い。一方、制御ユニット32は、いわゆる低圧機器であり、低い電圧が印加されることにより発熱量が小さい。また、制御ユニット32は、許容温度が低い。
【0036】
ここで、本実施形態では、
図4および
図5に示すように、筐体20のX1方向側の側板22における内面22aには、内面22aからX2方向側(制御室20b内)に突出する複数のリブ22bが設けられている。この複数のリブ22bは、側板22のうち、制御室20bの側面部を構成する側板22の部分22cに形成されている。同様に、筐体20のX2方向側の側板23における内面23aには、内面23aからX1方向側(制御室20b内)に突出する複数のリブ23bが設けられている。この複数のリブ23bは、側板23のうち、制御室20bの側面部を構成する側板23の部分23cに形成されている。また、複数のリブ22bおよび23bは、共に、枕木方向(Y方向)に並んで形成されているとともに、それぞれ、内面22aおよび23aに沿って上下方向(Z方向)に延びる板状に形成されている。なお、リブ22bおよび23bは、特許請求の範囲の「放熱促進部」および「放熱部」の一例であり、内面22aおよび23aは、特許請求の範囲の「内側面」の一例である。
【0037】
また、筐体20のY1方向側の側板24の内面24aには、内面24aからY2方向側(制御室20b内)に突出する複数のリブ24bが設けられている。また、複数のリブ24bは、進行方向(X方向)に並んで形成されているとともに、内面24aに沿って上下方向に延びる板状に形成されている。なお、リブ24bは、特許請求の範囲の「放熱促進部」および「放熱部」の一例であり、内面24aは、特許請求の範囲の「内側面」の一例である。
【0038】
また、複数のリブ22b、23bおよび24bは、共に、金属製であり、熱を吸収しやすい部材から構成されている。また、複数のリブ22b、23bおよび24bは、それぞれ、側板22の内面22a、側板23の内面23aおよび側板24の内面24aに一体的に設けられている。これにより、複数のリブ22b、23bおよび24bにより吸収された熱は、それぞれ、側板22、23および24に効率的に伝達されて、側板22、23および24から電力変換装置100の外部に放出される。
【0039】
また、筐体20は、
図4に示すように、L字状に折り曲げられた板部材26および27を含んでいる。板部材26は、主回路室20aと制御室20bとを仕切るように上下方向(Z方向)に延びる壁部26aと、制御室20bの底部を構成するように、壁部26aの下端部からY1方向側に延びる底板部26bとを有している。板部材27は、主回路室20aと制御室20cとを仕切るように上下方向に延びる壁部27aと、制御室20cの底部を構成するように、壁部27aの下端部からY2方向側に延びる底板部27bとを有している。なお、壁部26aは、特許請求の範囲の「仕切り壁」の一例である。
【0040】
板部材26の壁部26aには、配線50を通過させるための配線孔26cが設けられている。この配線孔26cは、壁部26aを枕木方向(Y方向)に貫通するように、壁部26aのX1方向側で、かつ、Z1方向側に形成されている。なお、配線孔26cは、特許請求の範囲の「孔部」の一例である。
【0041】
配線50は、主回路室20a内の主回路部31と、制御室20b内の制御ユニット32とを接続している。なお、
図4には、配線50を図示しているが、実際は、配線50は、主回路室20aにおいて、筐体20の天板21の内面に沿うように取り回されている。
【0042】
板部材26(壁部26a)には、板部材26を枕木方向に貫通するように配置されるファンは設けられていない。
【0043】
板部材27には、
図4および
図5に示すように、2個のファン51aおよび51bが設けられている。ファン51aおよび51bは、板部材27の壁部27aを枕木方向(Y方向)に貫通するように、板部材27に取り付けられている。ファン51aは、壁部27aのX2方向側で、かつ、Z1方向側に配置されており、補助機器室20cから主回路室20aに向かってY1方向に空気を流通するように構成されている。ファン51bは、壁部27aのX1方向側で、かつ、Z1方向側に配置されており、主回路室20aから補助機器室20cに向かってY2方向に空気を流通させるように構成されている。また、補助機器室20cの進行方向(X方向)の略中央で、かつ、Z1方向側には、X2方向に空気を流通させるファン51cが配置されている。なお、ファン51a〜51cは、特許請求の範囲の「第2ファン」の一例である。
【0044】
この結果、3個のファン51a〜51cにより、主回路室20aと補助機器室20cとの間で空気が循環するように構成されている。つまり、筐体20のX1方向側において、空気は、Y1方向側からY2方向側に向かって流れ、筐体20のX2方向側において、空気は、Y2方向側からY1方向側に向かって流れる。また、筐体20(主回路室20a)のY1方向側において、空気は、X2方向側からX1方向側に向かって流れ、筐体20(補助機器室20c)のY2方向側において、空気は、X1方向側からX2方向側に向かって流れる。なお、ファン51aおよび51bが共にZ1方向側に配置されていることによって、主回路室20aを流通する空気は、主回路室20aの上部を流通するように構成されている。
【0045】
また、主回路室20aと補助機器室20cとの間を循環する空気は、筐体20と熱交換を行うことにより冷却される。なお、側板25では、高速鉄道車両10の走行風により、側板25と外気との熱交換がより効率的に行われやすい。この結果、主回路室20aと補助機器室20cとの間を循環する空気は、主に、補助機器室20cにおいて冷却される。
【0046】
ここで、本実施形態では、
図4および
図5に示すように、板部材26の壁部26aは、主回路室20aを循環する空気が制御室20bに流入するのを遮断する機能を有している。これにより、板部材26の壁部26aにより、主回路室20aと制御室20bとが熱的に分離されている。また、配線孔26cが、壁部26aのX1方向側で、かつ、Z1方向側に設けられていることによって、配線孔26cを介して、主回路室20aの空気が、主回路室20aから制御室20bに流入するのが抑制されている。つまり、主回路室20aにおいて、X1方向側における空気の流れる方向が、Y1方向側からY2方向側に向かう方向(配線孔26cから離間する方向)であるので、壁部26aのX1方向側に設けられた配線孔26cに、主回路室20aの空気が流入するのが抑制されている。これにより、配線孔26cを板部材26(壁部26a)に設けた場合であっても、壁部26aにより、主回路室20aと制御室20bとが熱的に分離された状態が維持されている。
【0047】
また、筐体20の制御室20bには、
図7に示すように、保持部60と、2個のファン61および62とが設けられている。ファン61および62は、進行方向(X方向)に並んで配置されている。また、ファン61および62は、制御室20b内の空気を循環させる機能を有している。なお、ファン61および62は、特許請求の範囲の「第1ファン」および「放熱部」の一例である。
【0048】
保持部60は、制御ユニット32を下方(Z2方向)から支持する支持部63と、制御ユニット32の進行方向の両側にそれぞれ配置された側板部64および65とを有している。支持部63は、枠状に形成されており、平面視における略中央に、開口63aが形成されている。そして、支持部63の下面には、開口63aを介して、下方から上方に向かって送風する2個のファン61および62が取り付けられている。つまり、ファン61および62は、制御ユニット32の制御板32a同士の間を、下方から上方に向かって空気を流すように、制御ユニット32の下方に配置されている。また、
図5に示すように、ファン61および62は、平面的に見て、全体が制御ユニット32とオーバーラップするように、制御ユニット32の下方に配置されている。
【0049】
側板部64および65は、
図7に示すように、支持部63から天板21まで上下方向(Z方向)に延びるように形成されている。また、
図4に示すように、側板部64および65は、枕木方向(Y方向)に延びる板状の部材から構成されている。また、側板部64および65は、進行方向からの側面視において、制御ユニット32の全体を覆うように形成されている。
【0050】
側板部64の上部および側板部65の上部には、それぞれ、孔部64aおよび65aが形成されている。孔部64aおよび65aは、進行方向からの側面視において円状に形成されている。また、孔部64aおよび65aは、少なくとも一部が制御ユニット32の上面32bよりも上方に露出するように形成されている。なお、孔部64aおよび65aは、少なくとも上半分が制御ユニット32の上面32bよりも上方に露出するのが好ましい。
【0051】
次に、制御室20b内での空気の循環経路(流れ)を説明する。
【0052】
2個のファン61および62から上方に向かって流れる空気は、ファン61および62の上方に配置された、制御ユニット32の複数の制御板32a同士の間を通過する。これにより、空気が制御板32aの熱を吸収して暖められるとともに、制御ユニット32が冷却される。そして、暖められた空気は、制御ユニット32の上面32bから、制御ユニット32の外部に放出される。
【0053】
その後、制御ユニット32により暖められた空気の一部は、側板部64の孔部64aを介して、制御ユニット32が位置する制御室20bの進行方向の中央の空間から、側板部64のX1方向側の空間に流れる。そして、側板部64のX1方向側の空間に流入した空気は、第1補助電気機器33を冷却しながら、側板22に沿って、上方から下方に向かって流れる。その際、側板22に一体的に形成された複数のリブ22bにより、暖められた空気から熱が吸収されることによって、空気は冷却される。なお、複数のリブ22bにより吸収された熱は、側板22を介して、電力変換装置100の外部に放出される。冷却された空気は、側板22の下部に到達した後、Y1方向側に向かって流れる。その後、空気は、側板24に沿って、X2方向側(制御ユニット32側)に向かって流れる。
【0054】
また、制御ユニット32により暖められた空気の一部は、側板部65の孔部65aを介して、制御ユニット32が位置する制御室20bの進行方向の中央の空間から、側板部65のX2方向側の空間に流れる。そして、側板部65のX2方向側の空間に流入した空気は、第1補助電気機器33を冷却しながら、側板23に沿って、上方から下方に向かって流れる。その際、側板23に一体的に形成された複数のリブ23bにより、暖められた空気から熱が吸収されることによって、空気は冷却される。なお、複数のリブ23bにより吸収された熱は、側板23を介して、電力変換装置100の外部に放出される。冷却された空気は、側板23の下部に到達した後、Y1方向側に向かって流れる。その後、空気は、側板24に沿って、X1方向側(制御ユニット32側)に向かって流れる。
【0055】
また、制御ユニット32により暖められた空気の一部は、側板部64および65に沿ってY1方向側に流れて、側板24に到達し、側板24に沿って、上方から下方に向かって流れる。その際、側板24に一体的に形成された複数のリブ24bにより、暖められた空気から熱が吸収されることによって、空気は冷却される。なお、複数のリブ24bにより吸収された熱は、側板24を介して、電力変換装置100の外部に放出される。この際、側板24の外部には、高速鉄道車両10の走行風が流れていることによって、側板24(リブ24b)による吸熱効率は、側板22(リブ22b)および側板23(リブ23b)よりも大きくなる。その後、冷却された空気は、側板24の下部に到達した後、側板24に沿って、制御ユニット32側に向かって流れる。
【0056】
そして、側板22〜24により冷却された空気は、Y1方向側の下部から2個のファン61および62に向かって流れ、再度、ファン61および62により制御ユニット32を冷却するように上方に向かって送風される。
【0057】
これにより、制御室20b内において、ファン61および62により空気が循環する。その際、制御ユニット32および第1補助電気機器33の熱を吸収して暖められた空気は、空気の循環経路に位置する複数のリブ22b、複数のリブ23bおよび複数のリブ24bにより冷却される。
【0058】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
本実施形態では、上記のように、電力の変換が行われる主回路部31が配置される主回路室20a内と、主回路部31よりも発熱量が小さく、かつ、主回路部31よりも許容温度が低いとともに、主回路部31を制御する制御ユニット32が配置される制御室20b内とを、熱的に分離するための壁部26aを設ける。これにより、主回路部31により暖められた主回路室20a内の空気の熱により、制御室20b内の空気の温度が高くなるのを抑制することができるので、制御室20b内に配置された許容温度が低い制御ユニット32の温度が高くなるのを抑制することができる。また、制御室20b内に、制御室20b内の空気の熱を放出するためのリブ22b、23b、24b、ファン61および62を設ける。これにより、リブ22b、23b、24b、ファン61および62により、制御ユニット32において発生した熱を、制御ユニット32から逃がすことができる。これらの結果、許容温度が低い制御ユニット32の温度が許容温度を超えて高くなるのを抑制することができる。これにより、主回路部31、制御ユニット32、第1補助電気機器33および第2補助電気機器34を密集して配置することができるので、電力変換装置100の小型化を容易に行うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、主回路室20a内と制御室20b内とが熱的に分離されているので、制御ユニット32を許容温度以下に十分に冷却するために、ファンを大型化する必要がないとともに、ファンを多く設ける必要もない。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、電力変換装置100の小型化を容易に行うことができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、制御室20b内に、制御室20b内の空気を循環させるファン61および62を設ける。これにより、ファン61および62により空気が制御室20b内に循環されることによって、制御ユニット32において発生した熱を、制御ユニット32から効果的に逃がすことができるので、許容温度が低い制御ユニット32の温度が許容温度を超えて高くなるのを確実に抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、ファン61および62により制御室20b内に循環される空気の熱を、筐体20の外部へ放出するのを促進するリブ22b、23b、および24bを設ける。これにより、リブ22b、23b、および24bにより、制御室20b内に循環される空気の熱を筐体20の外部に放出しやすくすることができるので、制御室20b内を循環する空気により、制御ユニット32を効果的に冷却することができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、複数のリブ22b、複数のリブ23b、および、複数のリブ24bを、ファン61および62による空気の循環経路に配置するとともに、筐体20の内面22a、23aおよび24aから制御室20b内に向かってそれぞれ突出するように設ける。これにより、空気の循環経路に配置された複数のリブ22b、複数のリブ23b、および、複数のリブ24bにより、制御室20b内の空気の熱を効率的に吸収して、制御室20b内の空気を冷却することができる。そして、冷却された空気が制御室20b内に循環されることにより、制御ユニット32をより効果的に冷却することができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、複数のリブ22b、複数のリブ23b、および、複数のリブ24bを、それぞれ、側板22の内面22a、側板23の内面23aおよび側板24の内面24aに一体的に設ける。これにより、筐体20に一体的に設けられた複数のリブ22b、複数のリブ23b、および、複数のリブ24bに吸収された熱を筐体20に容易に伝達することができるので、制御室20b内の空気の熱をさらに効率的に吸収して、制御室20b内の空気を冷却することができる。そして、冷却された空気が制御室20b内に循環されることにより、制御ユニット32をさらに効果的に冷却することができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、制御ユニット32を、上下方向(Z方向)に延びる複数の制御板32aから構成するとともに、ファン61および62を、制御板32a同士の間を、下方から上方に向かって空気を流すように、制御ユニット32の下方に配置する。これにより、ファン61および62により、複数の制御板32aから構成された制御ユニット32をより効果的に冷却することができる。また、ファン61および62を、下方から上方に向かって空気を流すように、制御ユニット32の下方に配置する。これにより、制御ユニット32の制御板32a同士の間を通過して暖められた空気が、制御室20b内を循環することによって冷却された状態で、ファン61および62に空気が吸い込まれるので、ファン61および62に吸い込まれる空気の温度を低下させることができる。この結果、高温の空気に起因してファン61および62の耐用年数が短くなるのを抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、壁部26aにより、ファン51a〜51cにより主回路室20a内を循環する空気が、制御室20bに流入するのを遮断することによって、主回路室20a内と制御室20b内とを熱的に分離するように、電力変換装置100を構成する。これにより、壁部26aにより、ファン51a〜51cにより主回路室20a内を循環する空気が、制御室20bに流入するのが遮断されるので、主回路室20a内と制御室20b内とを容易に熱的に分離することができる。また、ファン51a〜51cにより主回路室20a内の空気が循環されるので、主回路室20a内の空気が過度に高温になるのを抑制することができる。これにより、許容温度が高い主回路部31であっても、過度な高温環境下にさらされることに起因して不具合が生じるのを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、壁部26aに、主回路部31と制御ユニット32とを接続するための配線50が通過する配線孔26cを設ける。これにより、主回路室20a内と制御室20b内とを熱的に分離する壁部26aを設けたとしても、配線50を配線孔26cに通過させることによって、主回路部31と制御ユニット32とを容易に接続することができる。
【0068】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、特許請求の範囲の「放熱部の放熱促進部」の一例として、制御室20b内に向かって突出する複数のリブ22b、複数のリブ23b、および、複数のリブ24bを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、特許請求の範囲の「放熱部の放熱促進部」の一例としてのリブを、鉄道車両用電力変換装置の外側に突出するように設けてもよい。具体的な一例としては、
図8に示す本発明の一実施形態の変形例の鉄道車両用電力変換装置200のように、板部材126における底板部126bに、筐体120の外側に向かって下方に突出する、複数の外側リブ126dを設けてもよい。これにより、底板部126bに伝達された熱を、複数の外側リブ126dを介して、筐体120の外部に迅速に放出することが可能である。なお、外側リブ126dは、特許請求の範囲の「放熱促進部」および「放熱部」の一例である。
【0070】
なお、リブを筐体から外側に突出するように設ける場合には、熱交換を効率的に行うために、走行風が流通する筐体の底部または側面部に設けるのが好ましい。また、リブを筐体から外側に突出するように設ける場合には、鉄道車両の走行の抵抗を小さくするために、リブを上下方向に延びるように設けずに、走行方向および枕木方向に延びるように設けるのが好ましい。
【0071】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「放熱部の放熱促進部」の一例として、X1方向側の側板22、X2方向側の側板23およびY1方向側の側板24に、複数のリブ(複数のリブ22b、複数のリブ23b、および、複数のリブ24b)をそれぞれ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リブを、側板のいずれか1個または2個にのみ設けてもよい。さらに、リブを、筐体の天板に設けてもよい。また、リブを、側板に複数設けずに、側板(底板または天板)に1つだけ設けてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「放熱部」の一例として、リブ22b、23b、24b、ファン61および62を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2室内の空気を放熱する、リブおよびファン以外の放熱部を第2室内に設けてもよい。たとえば、第2室内の空気を放熱する熱交換器を、放熱部として第2室内に設けてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「放熱部」の一例として、リブ22b、23b、24b、ファン61および62を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2室内にリブを設けずに、ファンのみを設けてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、制御室20b内に2個のファン61および62を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ファンの数は1個でもよいし、3個以上であってもよい。なお、ファンの数は2個以上である方が、1個のファンに不具合が生じた場合であっても他のファンにより制御部を冷却し続けることが可能なため好ましい。つまり、ファンの数は複数でかつ少数である方が、部品点数の抑制の観点と制御部の冷却維持の観点とから好ましい。
【0075】
また、上記実施形態では、2個のファン61および62を、制御ユニット32(制御部)の下方に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ファンは、第2室内に配置されていればよい。たとえば、ファンを制御部の上方に配置してもよい。なお、制御部を効率的に冷却するために、制御部の近傍にファンを配置するのが好ましい。
【0076】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「第1電気機器」の一例として、主回路部31を示し、特許請求の範囲の「第2電気機器」の一例として、制御ユニット32(制御部)を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「第1電気機器」に主回路部以外の電気機器を含めてもよいし、特許請求の範囲の「第2電気機器」に制御部以外の電気機器を含めてもよい。また、特許請求の範囲の「第1室」の一例として、主回路室20aを示し、特許請求の範囲の「第2室」の一例として、制御室20bを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「第1室」に主回路室以外の部屋(たとえば、上記実施形態の補助機器室20cなど)を含めてもよいし、特許請求の範囲の「第2室」に制御室以外の部屋を含めてもよい。