(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通気部材は、前記筐体の前記開口が形成された壁との間で前記ベース部材を挟んで配置され、前記ベース部材の前記貫通穴の縁と前記固着部との間の部分に固着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
前記通気部材の前記長手方向の端部は、前記長手方向において、前記筐体の前記開口の周囲の部分と0.5〜4mmの範囲で重なって配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
前記通気部材の前記長手方向の端部は、前記長手方向において、前記筐体の前記開口の周囲の部分と1〜3.5mmの範囲で重なって配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
前記通気部材の前記長手方向の端部は、前記長手方向において、前記筐体の前記開口の周囲の部分と1.5〜3mmの範囲で重なって配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、現像装置1は、筐体10と、現像ローラ20と、供給ローラ30と、アジテータ50とを主に備えている。
【0011】
現像ローラ20は、表面に現像剤の一例としてのトナーを担持可能に構成された部材であり、筐体10に回転可能に支持されている。
供給ローラ30は、現像ローラ20にトナーを供給する部材であり、現像ローラ20と同様に、筐体10に回転可能に支持されている。
【0012】
アジテータ50は、筐体10内に収容されたトナーを攪拌しつつ供給ローラ30に供給する部材であり、軸部材51と、攪拌シート52とを主に備えている。
【0013】
軸部材51は、現像ローラ20や供給ローラ30の回転軸が延びる方向に沿って延びており、筐体10に回転可能に支持されている。軸部材51は、図示しないモータなどの駆動源から駆動力が入力されることで、
図2の反時計回りに回転駆動するように設けられている。なお、以下の説明では、軸部材51の軸線方向を、単に「軸線方向」という。
【0014】
攪拌シート52は、可撓性を有するシート状の部材であり、一例として、樹脂などから軸線方向に長い矩形状に形成されている。攪拌シート52は、筐体10の収容室10A内に配置され、基端部52Aが軸部材51に支持されている。詳しくは、攪拌シート52は、基端部52Aが接着などにより軸部材51に固定されている。また、攪拌シート52は、先端部52Bが収容室10Aの内面に接触するように設けられている。攪拌シート52は、軸部材51が
図2の反時計回りに回転することにより、軸部材51とともに回転し、収容室10A内のトナーを攪拌しながら、トナーを収容室10A内から後述する現像室10B内へ供給する。
【0015】
筐体10は、トナーを収容する収容室10Aと、現像ローラ20や供給ローラ30が配置される現像室10Bとを有しており、本体部60と、蓋部70とから主に構成されている。
【0016】
本体部60は、軸線方向で対向する第1側壁61および第2側壁62と、軸線方向に直交する方向で対向して側壁61,62の端同士をつなぐ第3側壁63および第4側壁64と、第1側壁61、第2側壁62および第4側壁64の蓋部70が配置される側とは反対側の端同士をつなぐ第5側壁65と、収容室10Aと現像室10Bを仕切る仕切壁66とを主に有している。本体部60の蓋部70が配置される側は開放されており、アジテータ50などを収容室10A内に取り付けるための取付用開口67となっている。
【0017】
収容室10Aは、側壁61〜65、仕切壁66および蓋部70によって構成されている。また、現像室10Bは、側壁61〜63,65および仕切壁66によって構成されている。
【0018】
仕切壁66は、第5側壁65から延びる第1壁66Aと、第1壁66Aの端から傾斜して延びて第3側壁63につながる第2壁66Bとを有している。第2壁66Bには、収容室10Aと現像室10Bを連通させる開口10Cが形成されている。
【0019】
開口10Cは、収容室10A内のトナーを現像室10Bに送るための開口である。
図3に示すように、本実施形態の開口10Cは、軸線方向に並ぶ複数の供給用開口10Dから構成されている。軸線方向で隣り合う供給用開口10D,10Dの間の部分は、第2壁66Bの強度を確保するための補強部66Cとなっている。
【0020】
このように開口10Cが複数の供給用開口10Dから構成されている場合には、複数の供給用開口10Dが並ぶ方向を「開口10Cの長手方向」とする。また、開口10Cの長手方向に直交する方向を「開口10Cの短手方向」とする。本実施形態では、開口10Cの長手方向は、軸線方向に対応している。なお、開口10Cは、軸線方向に長く連続して延びるように形成された1つ開口であってもよい(例えば、
図12参照)。
【0021】
図1に戻って、蓋部70は、本体部60とともに収容室10Aの壁を構成する部材であり、本体部60の取付用開口67を覆うように配置されている。蓋部70は、接着や溶着などにより本体部60の側壁61〜64に固着されている。
【0022】
このように構成された現像装置1では、収容室10A内に収容されたトナーが、アジテータ50によって攪拌されながら、開口10Cに向けて搬送されていき、開口10Cを通って現像室10B内に供給される。現像室10B内に供給されたトナーTは、供給ローラ30に供給され、供給ローラ30から現像ローラ20に供給されて現像ローラ20の表面に担持される。現像ローラ20の表面に担持されたトナーは、現像ローラ20から図示しない感光体の表面に形成された静電潜像に供給されることで、静電潜像を可視像化して、感光体の表面にトナー像を形成する。
【0023】
図1に示すように、現像装置1は、さらに封止シート100を備えている。
封止シート100は、可撓性を有するシート状の部材であり、アジテータ50とともに収容室10A内に配置されている。
【0024】
封止シート100は、基端部101が接着などによりアジテータ50の軸部材51に固定されていることで、軸部材51に支持されている。これにより、封止シート100は、攪拌シート52と同様に、軸部材51が
図2の反時計回りに回転することにより、軸部材51とともに回転する。なお、基端部101は、攪拌シート52の基端部52Aとの間で軸部材51を挟むように、軸部材51の、攪拌シート52の基端部52Aが固定された面とは反対側の面に固定されている。
【0025】
また、封止シート100は、現像装置1が新品状態のとき、先端部102が、第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分に溶着や接着などにより固着されていることで、開口10Cを覆って塞いでいる。
【0026】
図2に示すように、封止シート100は、第2壁66B(
図1参照)に形成された開口10Cを覆って塞ぐ部分に通気部103を有している。通気部103は、後述する通気部材120によって、空気の通過を許容するとともにトナーの通過を阻止するように構成されている。
【0027】
図2および
図3に示すように、封止シート100は、ベース部材110と、通気部103を構成する通気部材120とを備えている。
【0028】
ベース部材110は、トナーや空気を通さないシート状の部材である。ベース部材110は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などから形成することができる。ベース部材110の厚みは、攪拌シート52の厚みよりも薄くなっている。ベース部材110は、基端部101(
図1参照)が軸部材51に固定され、先端部102が第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分に固着されている。ベース部材110は、先端部102に、固着部111と、貫通穴112と、通気部材固着部113とを有している。
【0029】
固着部111は、第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分に溶着や接着などにより固着される部分である。固着部111は、開口10Cよりも大きい矩形の枠状に形成されており、第2壁66Bに固着されたときに開口10Cを取り囲むように配置される。
【0030】
貫通穴112は、枠状の固着部111の内側で開口10Cに対応して設けられている。具体的に、貫通穴112は、封止シート100の先端部102が第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分に固着されたときに、開口10Cと連通するように設けられている。貫通穴112は、開口10Cよりも大きいサイズで形成されている。
【0031】
通気部材固着部113は、貫通穴112の縁112Aと固着部111との間の部分である。
【0032】
通気部材120は、通気部103を構成する部材であり、通気性を有し、トナーを通さないシート状の部材である。
【0033】
例えば、
図10(第1通気部材120A参照)に示すように、通気部材120は、金属や樹脂などからなり、空気の通過を許容するとともにトナーの通過を阻止する複数の通気穴125を有するシートとして構成することができる。通気穴125は、空気の分子は通過することができるが、トナーの粒子は通過することができないような大きさで形成されている。一例として、通気穴125は、円形とした場合、直径4〜8μmなどとすることができる。
【0034】
また、
図10(第2通気部材120B参照)に示すように、通気部材120は、繊維製のシートとして構成することもできる。この場合、繊維間に形成される隙間は、空気の分子は通過することができるが、トナーの粒子は通過することができないような大きさとなっている。
【0035】
具体的に、通気部材120としては、例えば、化学繊維をベースとした不織布や、アルミニウム箔フィルタなどのような金属フィルタを用いることができる。より具体的には、例えば、東洋紡株式会社製のEFA−24NH(圧力損失0.10mmAq、8μ捕集効率56%)や、TTF−25(圧力損失0.05mmAq、8μ捕集効率74%)などを用いることができる。
【0036】
図2に示すように、通気部材120は、固着部111の内側、詳しくは、通気部材120を当該通気部材120に直交する方向から見た固着部111の内側に配置され、端部121〜124がベース部材110の通気部材固着部113に溶着や接着などにより固着されている。
【0037】
また、
図4に示すように、ベース部材110が第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分に固着された状態において、通気部材120は、端部121〜124(
図4では端部121,122のみ図示)が、第2壁66Bとの間でベース部材110を挟んで配置されている。言い換えると、通気部材120は、ベース部材110に対し収容室10A側に配置されている。
【0038】
軸線方向における通気部材120の長さL1は、軸線方向における開口10Cの長さL3よりも大きくなっている。このため、軸線方向における通気部材120の端部121,122は、軸線方向において、第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分と第1所定長さL11,L12の範囲で重なって配置されている。第1所定長さL11,L12は、0.5〜4mmであることが望ましく、1〜3.5mmであることがより望ましく、1.5〜3mmであることがさらに望ましい。また、第1所定長さL11,L12は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0039】
また、
図2に示すように、開口10Cの短手方向における通気部材120の長さL2は、短手方向における開口10Cの長さL4よりも大きくなっている。このため、開口10Cの短手方向における通気部材120の端部123,124は、当該短手方向において、第2壁66Bの開口10Cの周囲の部分と第2所定長さL21,L22の範囲で重なって配置されている。第2所定長さL21,L22は、0.5〜4mmであることが望ましく、1〜3.5mmであることがより望ましく、1.5〜3mmであることがさらに望ましい。また、第2所定長さL21,L22は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0040】
図4に示すように、通気部材120は、軸線方向に直交する方向において、開口10Cと対向する部分が通気部103を構成している。通気部103(通気部材120)は、一例として、通過する空気の圧力損失が、0.098〜98Pa(0.01〜10mmAq)であることが望ましく、0.294〜49Pa(0.03〜5mmAq)であることがより望ましく、0.49〜9.8Pa(0.05〜1mmAq)であることがさらに望ましい。
【0041】
圧力損失は、通気部材120に空気を通過させたときの、空気の入口側の圧力と出口側の圧力の差であり、例えば、マノメータ(U字管マノメータ、傾斜マノメータなど)により測定することができる。
【0042】
以上のように構成された現像装置1に、トナーを充填する際には、
図5(a)に示すように、筐体10に設けられたトナー充填口11から収容室10A内に、図示しないトナー充填装置のノズルNを挿入する。そして、ノズルNから収容室10A内にトナーTを供給する。
【0043】
収容室10A内にトナーTを供給していくと、
図5(a)〜(c)に示すように、収容室10A内のトナーTの量が増えることで、収容室10A内の気圧が高まる。そうすると、収容室10A内の空気は、破線の矢印で示すように、通気部103を通って収容室10A外へ抜けていく。このため、現像装置1では、収容室10A内の気圧が高まってもノズルNから供給されるトナーTを押し戻そうとする力が作用しないため、収容室10A内にトナーTをスムーズに入れていくことができる。
【0044】
図1に示す新品状態から、軸部材51に駆動力が入力されて軸部材51が
図2の反時計回りに回転すると、軸部材51とともに攪拌シート52と封止シート100が回転する。これにより、封止シート100の先端部102が第2壁66Bから剥離し、開口10Cが開封される。その後、収容室10A内のトナーは、軸部材51とともに回転する攪拌シート52により、攪拌されながら開口10Cに向けて搬送され、開口10Cを通って現像室10B内に供給される。
【0045】
以上説明した本実施形態によれば、現像装置1が新品状態のときには、封止シート100により開口10Cを塞いでいるので、開口10Cからトナーが漏れるのを抑制することができる。一方で、収容室10A内にトナーを充填する際には、封止シート100の通気部103から収容室10A内の空気が抜けるので、収容室10A内にトナーをスムーズに入れることができる。これにより、トナーの充填効率を向上させることができる。
【0046】
また、封止シート100がアジテータ50の軸部材51とともに回転するので、現像装置1の使用時には、軸部材51が回転することで封止シート100を第2壁66Bから取り除くことができる。これにより、封止シート100を取り除く手間を省くことができる。
【0047】
また、通気部材120が固着部111の内側に配置されているので、通気部材120のサイズを小さくすることができる。これにより、例えば、封止シート100のコストダウンを図ることができる。また、通気部材120とベース部材110の固着部111とが重ならないため、封止シート100のうちベース部材110だけを第2壁66Bに溶着や接着などにより固着することができる。これにより、通気部材とベース部材とが重なっている部分を第2壁66Bに固着する場合と比較して、封止シート100を第2壁66Bに良好に固着することができる。
【0048】
また、通気部材120が、第2壁66Bとの間でベース部材110を挟んで配置され、ベース部材110の通気部材固着部113に固着されているので、ベース部材110を第2壁66Bに密着させて固着できるとともに、ベース部材110の貫通穴112のサイズを開口10Cのサイズ以上のサイズで形成することができる。これにより、第2壁66Bに固着されたベース部材110に皺などができるのを抑制することができる。また、通気部材120に直交する方向から見た通気部103のサイズを、第2壁66Bに形成された開口10Cと同等のサイズで形成できるので、通気部103の通気性能を最大限に高めることができる。
【0049】
次に、他の実施形態について説明する。なお、以下では、先に説明した形態と同様の構成要素については同一符号を付して適宜説明を省略し、先に説明した形態と異なる点について詳細に説明する。
【0050】
図6に示すように、通気部103は、第1通気部103Aと、第1通気部103Aに対し開口10Cの長手方向一方側に配置された第2通気部103Bとを有している。そして、第1通気部103Aと第2通気部103Bとは、通気性が異なっている。以下では、通気性が異なる第1通気部103Aと第2通気部103Bの具体的な構成について、いくつか例を挙げて説明する。
【0051】
例えば、
図7に示す形態では、第1通気部103Aおよび第2通気部103Bは、それぞれ、空気の通過を許容するとともにトナーの通過を阻止する通気穴125A,125Bを有している。そして、第1通気部103Aの通気穴125Aの大きさ、一例として、径D1が、第2通気部103Bの通気穴125Bの径D2よりも大きくなるように形成されている。これにより、第1通気部103Aと第2通気部103Bの通気性を異ならせることができる。
【0052】
また、
図8に示す形態では、第1通気部103Aおよび第2通気部103Bは、それぞれ、通気穴125を有している。そして、第1通気部103Aの単位面積当たりの通気穴125の数が、第2通気部103Bの単位面積当たりの通気穴125の数よりも多くなるように形成されている。具体的に、
図8では、第1通気部103Aの単位面積当たりの通気穴125の数が4つであり、第2通気部103Bの単位面積当たりの通気穴125の数が3つである。これによっても、第1通気部103Aと第2通気部103Bの通気性を異ならせることができる。
【0053】
また、
図9に示す形態では、第1通気部103Aの厚みT1が、第2通気部103Bの厚みT2よりも小さくなるように形成されている。これによっても、第1通気部103Aと第2通気部103Bの通気性を異ならせることができる。具体的に、
図9に示す形態では、第2通気部103Bを構成する部分については通気部材120を2枚重ねて配置し、第1通気部103Aを構成する部分については通気部材120を重ねないで1枚だけ配置することで、厚みT1が厚みT2よりも小さくなっている。なお、1枚の通気部材120の厚みを、第1通気部103Aを構成する部分と、第2通気部103Bを構成する部分とで変えた構成としてもよい。
【0054】
以上の形態によれば、第1通気部103Aの通気性能を第2通気部103Bよりも高めることができるので、開口10Cの長手方向において通気部103の通気性能を変化させることができる。なお、収容室10A内に充填されたトナーは、下側から溜まっていくため、トナーを充填する際の筐体10の姿勢を基準として、第1通気部103Aを上側に配置し、第2通気部103Bの下側に配置すると、通気性能が高い第1通気部103Aを収容室10A内の空気を抜くのに有効に利用することができる。
【0055】
また、通気性が異なる第1通気部103Aと第2通気部103Bの具体的な構成として、
図10(a)に示すように、第1通気部103Aの材質と、第2通気部103Bの材質を変えることで、開口10Cの長手方向において通気部103の通気性能を変化させることができる。具体的に、
図10(a)に示す形態では、第1通気部103Aを構成する第1通気部材120Aが、通気穴125を有する金属や樹脂などからなるシートとして形成され、第2通気部103Bを構成する第2通気部材120Bが、通気性を有する不織布などの繊維製のシートとして形成されている。
【0056】
また、
図10(b)に示すように、例えば、第2通気部103Bの表面に通気性能を変えるためのコート層130を形成し、第1通気部103Aの表面には、そのようなコート層を形成しないことで、開口10Cの長手方向において通気部103の通気性能を変化させることができる。一例として、コート層130は、通気穴125よりも小さい通気穴135を有する金属や樹脂などからなるシート状の部材を通気部材120の第2通気部103Bを構成する部分に貼り付けることで設けられている。これにより、第1通気部103Aの通気性能を第2通気部103Bよりも高めることができる。なお、コート層は、形成することで第2通気部103Bの通気性能を第1通気部103Aに対して変化させることができるものであれば、構成や材質などは特に問わない。
【0057】
また、
図11(a)に示す形態では、開口10Cの短手方向における第1通気部103Aの長さL5が、開口10Cの短手方向における第2通気部103Bの長さL6よりも大きくなるように形成されている。これにより、第1通気部103Aと第2通気部103Bの通気性を異ならせることができる。なお、開口10Cの長手方向における第1通気部103Aの長さと、開口10Cの長手方向における第2通気部103Bの長さは、略等しくなっている。これによれば、第1通気部103Aの面積を第2通気部103Bの面積よりも大きくすることができるので、第1通気部103Aの通気性能を第2通気部103Bよりも高めることができる。
【0058】
なお、通気部103は、通気性の異なる部分を3つ以上有していてもよい。例えば、
図11(b)に示す形態では、通気部103が、第1通気部103Aと、第1通気部103Aに対し開口10Cの長手方向一方側に配置された第2通気部103Bと、第2通気部103Bに対し開口10Cの長手方向一方側に配置された第3通気部103Cとを有している。
【0059】
さらに説明すると、
図11(b)に示す形態では、開口10Cの短手方向における第1通気部103Aの長さが短手方向における第2通気部103Bの長さよりも大きくなるように形成され、短手方向における第2通気部103Bの長さが短手方向における第3通気部103Cの長さよりも大きくなるように形成されている。これにより、第2通気部103Bの通気性能を第3通気部103Cよりも高めることができ、第1通気部103Aの通気性能を第2通気部103Bよりも高めることができる。
【0060】
また、
図11(c)に示すように、通気部103は、開口10Cの長手方向一方側から他方側に向かうにつれて、開口10Cの短手方向における長さが徐々に小さくなるような、例えば、台形状に形成されていてもよい。
【0061】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0062】
例えば、前記実施形態では、
図2に示したように、通気部103が封止シート100の開口10Cを塞ぐ部分の全体に設けられていたが、これに限定されず、封止シートの開口を塞ぐ部分の一部だけに設けられていてもよい。言い換えると、前記実施形態では、通気部103が開口10Cと同等のサイズで設けられていたが、開口10Cよりも小さいサイズで設けられていてもよい。
【0063】
例えば、
図12に示すように、通気部103は、開口10Cの長手方向において、封止シート100の開口10Cを塞ぐ部分の片方の端部だけに設けられていてもよい。これによれば、通気部103を設ける範囲を最小限にすることができる。また、通気部材120のサイズを最小化できるので、例えば、封止シート100の一層のコストダウンを図ることができる。
【0064】
また、前記実施形態では、
図4に示したように、通気部材120が、第2壁66Bとの間でベース部材110を挟んで配置されていることで、ベース部材110に対し収容室10A側に配置されていたが、これに限定されない。例えば、
図13に示すように、通気部材120は、ベース部材110に対し収容室10A側とは反対側、つまり、現像室10B側に配置されていてもよい。
【0065】
さらに説明すると、
図13に示す形態では、通気部材120は、開口10C内に配置されている。言い換えると、通気部材120は、開口10Cの長手方向における通気部材120の長さL7が、長手方向における開口10Cの長さL3よりも小さくなっている。開口10Cの短手方向についても同様である。これにより、通気部材120のサイズをより小さくできるので、例えば、封止シート100のさらなるコストダウンを図ることができる。
【0066】
また、
図13に示す形態では、ベース部材110の貫通穴212は、開口10Cよりも小さいサイズで形成されており、通気部材120は、ベース部材110の通気部材固着部213、つまり、貫通穴212の縁と固着部111との間の部分に固着されている。このため、
図13に示す形態では、通気部材120は、軸線方向に直交する方向において、開口10Cと対向する部分であって、さらに貫通穴212と対向する部分が通気部103を構成している。つまり、
図13に示す形態では、通気部103は、開口10Cよりも小さい貫通穴212と同等のサイズで形成されている。
【0067】
また、前記実施形態では、通気部材120がベース部材110の固着部111の内側に配置されるようなサイズで形成されていたが、これに限定されない。例えば、通気部材は、ベース部材の固着部よりも大きいサイズで形成されていてもよいし、ベース部材と同等のサイズで形成されていてもよい。
【0068】
また、前記実施形態では、封止シート100が、ベース部材110と通気部材120とを備えて構成されていたが、これに限定されず、例えば、封止シートは、1部材から構成されていてもよい。具体的には、封止シートは、通気部材と同様の構成を有する部材から形成されていてもよい。つまり、封止シートは、その全体が通気性を有するシート状の部材であってもよい。また、封止シートは、空気を通さない材料から形成されたシートの、筐体の開口と対向する部分に、空気の通過を許容するとともにトナーの通過を阻止する通気穴を形成したような構成であってもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、封止シート100がアジテータ50の攪拌シート52とは別部材として設けられて軸部材51に支持されていたが、これに限定されない。例えば、封止シートは、アジテータの攪拌シートとして構成されていてもよい。つまり、アジテータの攪拌シートが、封止シートを兼ね、開口を塞ぐ部分の少なくとも一部に通気部を有する構成であってもよい。
【0070】
また、前記実施形態では、封止シート100が収容室10A内に配置され、アジテータ50の軸部材51に支持されて軸部材51とともに回転する構成であったが、これに限定されない。例えば、封止シートは、筐体の外側から開口が形成された壁に開口を塞ぐように貼り付けられるような構成であってもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、筐体10に設けられたトナー充填口11から収容室10A内にトナーを供給する構成であったが、これに限定されない。例えば、特許文献1の技術と同様に、軸部材の軸線方向の一端側にトナーの流入口を設け、軸部材の側面に流出口を設けて、軸部材内を通して収容室内にトナーを供給するような構成であってもよい。
【0072】
また、前記実施形態では、発明の現像装置として、現像ローラ20を有する現像装置1を例示したが、これに限定されない。例えば、
図1を参考に説明すると、現像装置は、現像ローラ20や供給ローラ30のほか、さらに感光体などを有する構成(いわゆるプロセスカートリッジ)などであってもよい。