特許第6805613号(P6805613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805613
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20201214BHJP
   H02M 7/49 20070101ALI20201214BHJP
【FI】
   H02M7/48 E
   H02M7/48 R
   H02M7/49
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-153824(P2016-153824)
(22)【出願日】2016年8月4日
(65)【公開番号】特開2018-23230(P2018-23230A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】田重田 稔久
(72)【発明者】
【氏名】篠原 博
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−245168(JP,A)
【文献】 特開2012−010542(JP,A)
【文献】 特開2014−042396(JP,A)
【文献】 特開平06−274237(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0063181(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を直流に変換するとともに、複数の出力端子部を含むセル部を備え、
前記セル部は、各相毎に直列に複数接続されており、各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部のうちのいずれかが故障した場合、故障した前記セル部の前記複数の出力端子部が短絡されるとともに、前記セル部から出力される電力の電圧を調整することにより、各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されており、
電力系統に接続されており、進み補償および遅れ補償の少なくとも一方を前記電力系統に対して行う場合、故障した前記セル部を含む相の前記セル部の出力電圧を、故障していない相の前記セル部の出力電圧に対して相対的に大きくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている、電力変換装置。
【請求項2】
前記電力変換装置は、連系リアクトルを介して前記電力系統に接続されており、
前記電力系統に対して進み補償を行う場合、故障した前記セル部を含む相の前記セル部の出力電圧を、前記セル部の定格電圧と前記連系リアクトルとに基づいた第1の電圧にするとともに、故障していない相の前記セル部の出力電圧を前記第1の電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている、請求項に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電力系統に対して遅れ補償を行う場合か、または、前記電力系統に対して補償を行わない場合、故障した前記セル部を含む相の前記セル部の出力電圧、および、故障していない相の前記セル部の出力電圧を前記第1の電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている、請求項に記載の電力変換装置。
【請求項4】
各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部のうちのいずれかが故障した場合、故障した前記セル部の前記複数の出力端子部が短絡されるとともに、故障していない相の直列に接続されている複数の前記セル部の前記複数の出力端子部は短絡させずに、各相毎に直列に接続されている複数の前記セル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電力変換装置は、連系リアクトルを介して前記電力系統に接続されており、
前記セル部の耐圧が、前記セル部の定格電圧と前記連系リアクトルとに基づいた第1の電圧よりも大きい場合、前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧を前記セル部から出力するように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力変換装置に関し、特に、各相毎に直列に複数接続されているセル部を備える電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各相毎に直列に複数接続されているセル部を備える電力変換装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の電力変換装置は、複数の単位電力変換器を備えている。複数の単位電力変換器は、各相(U相、V相およびW相)毎に、互いに直列に複数接続(以下、単位電力変換器群という)されている。また、単位電力変換器の一方端(出力端子部)は、負荷に接続されているとともに、他方端は、中性点に接続されている。また、単位電力変換器が故障した場合には、故障した単位電力変換器の一方端および他方端が短絡されることにより、故障した単位電力変換器がバイパスされるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献1に記載の電力変換装置は、予備の単位電力変換器を備えている。そして、単位電力変換器が故障した場合には、故障した単位電力変換器が、予備の単位電力変換器に切り替えられる。すなわち、故障した単位電力変換器(たとえば、U相の単位電力変換器とする)の一方端および他方端が短絡される(バイパスされる)ことにより、U相の単位電力変換器群から、故障した単位電力変換器が切り離される。そして、U相の単位電力変換器群に、予備の単位電力変換器が直列に接続される。これにより、U相の単位電力変換器群に含まれる単位電力変換器の数と、V相およびW相の単位電力変換器群に各々含まれる単位電力変換器の数とが互いに同じになる。その結果、各相の単位電力変換器群から出力される電力(電圧)を略同じにすることができるので、電力変換装置を継続して運転することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−147613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電力変換装置では、単位電力変換器(セル部)が故障した場合において電力変換装置の運転を継続するために、予備の単位電力変換器が設けられているので、その分、電力変換装置の構成が複雑になるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、セル部が故障した場合でも、構成が複雑になるのを抑制しながら運転を継続することが可能な電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による電力変換装置は、交流を直流に変換するとともに、複数の出力端子部を含むセル部を備え、セル部は、各相毎に直列に複数接続されており、各相毎に直列に接続されている複数のセル部のうちのいずれかが故障した場合、故障したセル部の複数の出力端子部が短絡されるとともに、セル部から出力される電力の電圧を調整することにより、各相毎に直列に接続されている複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されており、電力系統に接続されており、進み補償および遅れ補償の少なくとも一方を電力系統に対して行う場合、故障したセル部を含む相のセル部の出力電圧を、故障していない相のセル部の出力電圧に対して相対的に大きくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている
【0009】
この発明の一の局面による電力変換装置では、上記のように、各相毎に直列に接続されている複数のセル部のうちのいずれかが故障した場合、故障したセル部の複数の出力端子部が短絡される。そして、セル部から出力される電力の電圧を調整することにより、各相毎に直列に接続されている複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。これにより、予備のセル部を別途設けることなく、複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されるので、構成が複雑になるのを抑制しながら電力変換装置の運転を継続することができる。
【0011】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、電力変換装置は、連系リアクトルを介して電力系統に接続されており、電力系統に対して進み補償を行う場合、故障したセル部を含む相のセル部の出力電圧を、セル部の定格電圧と連系リアクトルとに基づいた第1の電圧にするとともに、故障していない相のセル部の出力電圧を第1の電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。このように構成すれば、故障したセル部を含む相のセル部の出力電圧が比較的大きい第1の電圧にされる。これにより、電力変換装置からの出力可能な電圧を比較的大きくすることができるので、比較的広い範囲で進み補償を行うことができる。なお、進み補償とは、電力変換装置の電圧が電力系統の電圧よりも大きくなり、電力系統側から電力変換装置に向かって90度進みの電流が流れることにより、進み無効電力が消費されることを意味する。なお、無効電力とは、電源と負荷との間を往復する、負荷が消費しない電力を意味する。無効電力は、電圧の変動などの要因となる。すなわち、無効電力を調整(消費)することにより、電力系統の電圧を安定化することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、電力系統に対して遅れ補償を行う場合か、または、電力系統に対して補償を行わない場合、故障したセル部を含む相のセル部の出力電圧、および、故障していない相のセル部の出力電圧を第1の電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。このように構成すれば、故障したセル部を含む相のセル部の出力電圧、および、故障していない相のセル部の出力電圧が、比較的小さい、第1の電圧よりも小さい電圧にされる。これにより、容易に、遅れ補償を行うこと(または補償しないこと)ができる。なお、遅れ補償とは、電力変換装置の電圧が電力系統の電圧よりも小さくなり、電力系統側から電力変換装置に向かって90度遅れの電流が流れることにより、遅れ無効電力が消費されることを意味する。
【0013】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、各相毎に直列に接続されている複数のセル部のうちのいずれかが故障した場合、故障したセル部の複数の出力端子部が短絡されるとともに、故障していない相の直列に接続されている複数のセル部の複数の出力端子部は短絡させずに、各相毎に直列に接続されている複数のセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。このように構成すれば、故障していない相のセル部の複数の出力端子部は短絡(バイパス)されないので、電圧を出力可能なセル部の台数が少なくなるのを抑制することができる。これにより、電力変換装置の出力電圧が低下するのを抑制することができる。
【0014】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、電力変換装置は、連系リアクトルを介して電力系統に接続されており、セル部の耐圧が、セル部の定格電圧と連系リアクトルとに基づいた第1の電圧よりも大きい場合、第1の電圧よりも大きい第2の電圧をセル部から出力するように構成されている。このように構成すれば、第1の電圧よりも大きい第2の電圧がセル部から出力されるので、電力変換装置の出力電圧を増加させることができる。その結果、電力変換装置を電力系統に対する進み補償に用いる場合に、補償可能な範囲を拡大することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、セル部が故障した場合でも、構成が複雑になるのを抑制しながら電力変換装置の運転を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1および第2実施形態による電力変換装置の構成を示す図である。
図2】通常時の電力変換装置の動作を説明するためのブロック図である。
図3】通常時の電力変換装置の仕様を説明するための図である。
図4】電力変換装置の補償可能範囲を説明するための図である。
図5】コンバータセル部が1台故障した場合における、進み補償(45%)を行う場合の電力変換装置の動作を説明するためのブロック図である。
図6】コンバータセル部が1台故障した場合における、補償を行わない場合の電力変換装置の動作を説明するためのブロック図である。
図7】コンバータセル部が1台故障した場合における、遅れ補償(−100%)を行う場合の電力変換装置の動作を説明するためのブロック図である。
図8】本発明の第2実施形態による電力変換装置の仕様を説明するための図である。
図9】本発明の第2実施形態による電力変換装置の補償可能範囲を説明するための図である。
図10】本発明の第1および第2実施形態の変形例による電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態による電力変換装置100の構成について説明する。電力変換装置100は、電力系統200に接続されており、電力系統200の無効電力を補償する無効電力補償装置(STATCOM:Static Synchronous Compensator)としての機能を有する。
【0019】
(電力変換装置の構成)
電力変換装置100は、交流を直流に変換するとともに、複数の出力端子部14を含むコンバータセル部10(単位コンバータセル部)を備えている。コンバータセル部10は、各相(U相、V相、およびV相)毎に直列に複数接続されている。具体的には、各相(U相、V相、およびV相)毎に、20台のコンバータセル部10が直列に接続されている。なお、コンバータセル部10は、特許請求の範囲の「セル部」の一例である。
【0020】
また、各相(U相、V相、およびV相)毎に直列に複数接続されている20台のコンバータセル部10同士は、スター結線されている。すなわち、U相の20台のコンバータセル部10(U1〜U20、以下、U相コンバータセル群20という)、V相の20台のコンバータセル部10(V1〜V20、以下、V相コンバータセル群30という)と、W相の20台のコンバータセル部10(W1〜W20、以下、W相コンバータセル群40という)とは、中性点Nにおいて接続されている。なお、スター結線は、デルタ結線などに比べて比較的電流の流れが単純であるので、拡張性や冗長性に富んでいる。
【0021】
また、電力変換装置100は、連系リアクトル50を備えている。そして、電力変換装置100は、連系リアクトル50を介して電力系統200に接続されている。具体的には、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30、W相コンバータセル群40が各々、連系リアクトル50を介して電力系統200に接続されている。
【0022】
また、電力変換装置100は、制御部60を備えている。制御部60は、電力変換装置100の全体の動作を制御するように構成されている。
【0023】
(コンバータセル部の構成)
図1に示すように、コンバータセル部10は、直流コンデンサ11を備えている。また、コンバータセル部10は、互いに直列に接続された2つの半導体スイッチ12を含む半導体スイッチ群13を備えている。半導体スイッチ12は、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)から構成されている。また、1つのコンバータセル部10に、2つの半導体スイッチ群13が備えられている。直流コンデンサ11と2つの半導体スイッチ群13とは、互いに並列に接続されている。
【0024】
また、コンバータセル部10は、2つの出力端子部14を備えている。出力端子部14は、互いに直列に接続された2つの半導体スイッチ12のエミッタとコレクタとの間に接続されている。
【0025】
また、コンバータセル部10は、2つの出力端子部14を短絡するための短絡スイッチ部15を備えている。短絡スイッチ部15がONされることにより、2つの出力端子部14が短絡される。すなわち、コンバータセル部10がバイパスされる。また、短絡スイッチ部15のON/OFFは、制御部60により制御されている。また、制御部60は、故障したコンバータセル部10の2つの出力端子部14を短絡させるように構成されている。
【0026】
具体的には、制御部60は、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれかが故障した場合、故障したコンバータセル部10の複数の出力端子部14を短絡させる。たとえば、U相コンバータセル群20のうちの1つのコンバータセル部10(たとえば、コンバータセル部U1)が故障した場合、故障したコンバータセル部U1の2つの出力端子部14が短絡される。すなわち、U相コンバータセル群20において、コンバータセル部U1がバイパスされる。これにより、U相コンバータセル群20では、故障したコンバータセル部U1を除く、互いに直列に接続される残りの19台のコンバータセル部10(U2〜U20)によって、電力の出力が行われる。
【0027】
(電力変換装置の動作)
次に、図2図8を参照して、電力変換装置100の動作について説明する。なお、電力変換装置100の動作は、制御部60により制御されている。
【0028】
〈通常時の動作〉
まず、図2図4を参照して、電力変換装置100の通常時の動作について説明する。
【0029】
図2に示すように、通常時(各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれもが故障していない場合)では、コンバータセル部10の2つの出力端子部14は、バイパスされない。すなわち、全てのコンバータセル部10から電力が出力可能である。
【0030】
図3に示すように、電力系統200の系統電圧(相電圧)は、20kVであるとする。また、上記のように、各相毎に20台のコンバータセル部10が接続されている。また、1つのコンバータセル部10の定格電圧は、1.0kVであるとする。すなわち、各相毎の20台のコンバータセル部10から出力される合計の定格電圧(=1.0kV×20)は、電力系統200の系統電圧(20kV)に略等しくなる。
【0031】
ここで、電力変換装置100には、連系リアクトル50が含まれている。したがって、20台のコンバータセル部10から電力系統200に出力される電圧は、連系リアクトル50が含まれている分だけ低下する。そこで、連系リアクトル50のパーセントインピーダンスを10%として、コンバータセル部10は、1.1kV(=1.0kV×1.1)の最大出力電圧が出力可能に構成されている。なお、最大出力電圧は、特許請求の範囲の「第1の電圧」の一例である。
【0032】
すなわち、図4に示すように、各々20台のコンバータセル部10を含む、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30、および、W相コンバータセル群40の各々から、22.00kV(=1.1kV×20)の電圧(最大出力相電圧)が出力可能である。この場合、定格比率は、110.0%になる。なお、定格比率とは、20台のコンバータセル部10の各々の定格電圧の合計の定格電圧(20kV=1.0×20)に対する最大出力相電圧の百分率である。つまり、最大出力相電圧を、定格電圧で除算した値に100を掛けたもの(22.00kV/20kV×100)である。
【0033】
ここで、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30、および、W相コンバータセル群40の各々からの出力電圧が22kVであり、電力系統200の電圧(20kV)よりも高い場合、100%の進み補償が可能であるとする。すなわち、電力系統200(電力系統200の遅れ無効電力)に対して進み補償を行う場合には、電力変換装置100が疑似的にコンデンサとして機能することになる。
【0034】
また、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30、および、W相コンバータセル群40の各々からの出力電圧が18kV(=20kV×(1−0.1))であり、電力系統200の電圧(20kV)よりも低い場合、−100%の遅れ補償が可能であるとする。すなわち、電力系統200(電力系統200の進み無効電力)に対して遅れ補償を行う場合には、電力変換装置100が疑似的にリアクトルとして機能することになる。
【0035】
そして、制御部60は、電力系統200の電圧を監視することにより、電力系統200の電圧の変動に対して、進み補償または遅れ補償を行うことにより、電力系統200の電圧の変動を小さくする。
【0036】
〈故障時の動作(45%の進み補償)〉
次に、図5を参照して、故障時の動作(進み補償の場合)について説明する。具体的には、1台のコンバータセル部10が故障した場合において進み補償できる範囲のうち、最大の45%の進み補償を行う場合について説明する。
【0037】
図5に示すように、U相コンバータセル群20のうちのコンバータセル部U1が故障したとする。この場合、故障したコンバータセル部U1の2つの出力端子部14が短絡される。すなわち、U相コンバータセル群20において、コンバータセル部U1がバイパスされた状態となる。
【0038】
ここで、第1実施形態では、コンバータセル部10から出力される電力の電圧を調整することにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が、互いに略同じになるように調整される。すなわち、コンバータセル部U1がバイパスされた状態のU相コンバータセル群20から出力される電圧と、V相コンバータセル群30から出力される電圧と、W相コンバータセル群40から出力される電圧とが略同じになるように調整される。具体的には、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれか(ここでは、コンバータセル部U1)が故障した場合、故障したコンバータセル部U1を含む相(ここでは、U相)のコンバータセル部10の出力電圧が、故障していない相(ここでは、V相およびW相)のコンバータセル部10の出力電圧に対して相対的に大きくされる。
【0039】
詳細には、第1実施形態では、電力系統200に対して進み補償を行う場合、故障したコンバータセル部U1を含む相(U相)のコンバータセル部10の出力電圧を、コンバータセル部10の定格電圧と連系リアクトル50とに基づいた最大出力電圧にするとともに、故障していない相(V相およびV相)のコンバータセル部10の出力電圧を最大出力電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。
【0040】
すなわち、U相コンバータセル群20のうちの、バイパスされたコンバータセル部U1以外のコンバータセル部10から各々出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)にされる。また、V相コンバータセル群30のコンバータセル部10の各々から出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)よりも小さい1.045kVに調整される。また、W相コンバータセル群40のコンバータセル部10の各々から出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)よりも小さい1.045kVに調整される。
【0041】
その結果、バイパスされたコンバータセル部U1以外のU相のコンバータセル部10から出力される合計の出力電圧は、20.90kV(=1.1kV×19)となる。また、V相コンバータセル群30から出力される合計の出力電圧は、20.90kV(=1.045kV×20)となる。また、W相コンバータセル群40から出力される合計の出力電圧は、20.90kV(=1.045kV×20)となる。このように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整される。
【0042】
すなわち、第1実施形態では、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれかが故障した場合、故障したコンバータセル部U1の2つの出力端子部14が短絡される一方、故障していない相(V相およびW相)の直列に接続されている複数のコンバータセル部10の2つの出力端子部14は短絡させずに、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。
【0043】
ここで、図4に示すように、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される合計の出力電圧(最大出力相電圧)が、20.90kVである場合、定格比率は、104.5%(=20.90kV/20kV×100)になる。すなわち、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される出力電圧(20.90kV)が、電力系統200の系統電圧(20kV)よりも、0.9kV分大きくなり、進み補償を行っている状態となる。また、故障したコンバータセル部10が無い場合(通常時)の最大の進み補償(2kV=22.00−20)に対して、45%(=0.9kV/2kV×100)の進み補償を行っている状態となる。
【0044】
なお、上記の説明では、進み補償できる範囲のうち、最大の45%の進み補償を行う場合について説明した。進み補償を45%よりも小さくする場合には、補償する無効電力の大きさに合わせて、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される電圧が調整される。
【0045】
〈故障時の動作(補償なし)〉
次に、図6を参照して、故障時の動作(補償なし)について説明する。
【0046】
第1実施形態では、電力系統200に対して補償を行わない場合、故障したコンバータセル部10を含む相(ここでは、U相)のコンバータセル部10の出力電圧、および、故障していない相(ここでは、V相およびW相)のコンバータセル部10の出力電圧を最大出力電圧(1.1kV)よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。
【0047】
具体的には、故障したコンバータセル部U1の2つの出力端子部14が短絡される。すなわち、U相コンバータセル群20において、コンバータセル部U1がバイパスされた状態となる。また、U相コンバータセル群20のうちのコンバータセル部U1以外のコンバータセル部10から出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)よりも小さい20/19kVにされる。
【0048】
また、故障していない相(ここでは、V相およびW相)のV相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々のコンバータセル部10から出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)よりも小さい1.0kVにされる。これにより、U相コンバータセル群20から出力される合計の出力電圧は、20kV(=20/19kV×19)となる。また、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される合計の出力電圧は、20kV(=1.0kV×20)となる。このように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整される。また、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される出力電圧(20kV)が、電力系統200の系統電圧(20kV)に等しくなり、補償を行っていない状態となる。
【0049】
〈故障時の動作(−100%の遅れ補償)〉
次に、図7を参照して、故障時の動作(遅れ補償の場合)について説明する。具体的には、遅れ補償できる範囲のうち、最大の−100%の遅れ補償を行う場合について説明する。
【0050】
第1実施形態では、電力系統200に対して遅れ補償を行う場合、故障したコンバータセル部10を含む相(ここでは、U相)のコンバータセル部10の出力電圧、および、故障していない相(ここでは、V相およびW相)のコンバータセル部10の出力電圧を最大出力電圧(1.1kV)よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。
【0051】
具体的には、故障したコンバータセル部U1の2つの出力端子部14が短絡される。すなわち、U相コンバータセル群20において、コンバータセル部U1がバイパスされた状態となる。また、U相コンバータセル群20のうちのコンバータセル部U1以外のコンバータセル部10から出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)よりも小さい18/19kVにされる。
【0052】
また、故障していない相(ここでは、V相およびW相)のV相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々のコンバータセル部10から出力される出力電圧が、最大出力電圧(1.1kV)よりも小さい0.9kVにされる。これにより、U相コンバータセル群20から出力される合計の出力電圧は、18kV(=18/19kV×19)となる。また、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される合計の出力電圧は、18kV(=0.9kV×20)となる。このように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整される。すなわち、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される出力電圧(18kV)が、電力系統200の系統電圧(20kV)よりも小さくなり、−100%の遅れ補償を行っている状態となる。
【0053】
なお、上記の説明では、遅れ補償できる範囲のうち、最大の−100%の遅れ補償を行う場合について説明した。遅れ補償を−100%よりも小さくする(正側に近づける)場合には、補償する無効電力の大きさに合わせて、U相コンバータセル群20、V相コンバータセル群30およびW相コンバータセル群40の各々から出力される電圧が調整される。
【0054】
また、図4に示すように、コンバータセル部10が2台故障した場合(1相当たりのコンバータセル部10の台数が18台の場合)、最大出力相電圧は、19.80kVになり、定格比率は、99.0%となる。この場合、補償可能な範囲は、−10%〜―100%である。また、コンバータセル部10が3台故障した場合(1相当たりのコンバータセル部10の台数が17台の場合)、最大出力相電圧は、18.70kVになり、定格比率は、93.5%となる。この場合、補償可能な範囲は、−65%〜―100%である。また、コンバータセル部10が4台故障した場合(1相当たりのコンバータセル部10の台数が16台の場合)、最大出力相電圧は、17.6kVになり、定格比率は、88.5%となる。この場合、−100%の遅れ補償を行う際の電力変換装置100の出力電圧(18kV)よりも最大出力相電圧が小さくなり、電力変換装置100を、電力系統200に連系させることはできない。
【0055】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
第1実施形態では、上記のように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれかが故障した場合、故障したコンバータセル部10の複数の出力端子部14が短絡される。そして、コンバータセル部10から出力される電力の電圧を調整することにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。これにより、予備のコンバータセル部10を別途設けることなく、複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されるので、構成が複雑になるのを抑制しながら電力変換装置100の運転を継続することができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれかが故障した場合、故障したコンバータセル部10の複数の出力端子部14が短絡されるとともに、故障したコンバータセル部10を含む相のコンバータセル部10の出力電圧を、故障していない相のコンバータセル部10の出力電圧に対して相対的に大きくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。ここで、コンバータセル部10が故障した場合には、故障したコンバータセル部10を含む相において、電圧を出力可能なコンバータセル部10(故障していないコンバータセル部10)の台数が少なくなる。そこで、故障したコンバータセル部10を含む相のコンバータセル部10の出力電圧を、故障していない相のコンバータセル部10の出力電圧に対して相対的に大きくすることによって、容易に、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧を、互いに略同じに調整することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、電力系統200に対して進み補償を行う場合、故障したコンバータセル部10を含む相のコンバータセル部10の出力電圧を、コンバータセル部10の定格電圧と連系リアクトル50とに基づいた最大出力電圧にするとともに、故障していない相のコンバータセル部10の出力電圧を最大出力電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。これにより、故障したコンバータセル部10を含む相のコンバータセル部10の出力電圧が比較的大きい最大出力電圧にされる。これにより、電力変換装置100からの出力可能な電圧を比較的大きくすることができるので、比較的広い範囲で進み補償を行うことができる。なお、進み補償とは、電力変換装置100の電圧が電力系統200の電圧よりも大きくなり、電力系統200側から電力変換装置100に向かって90度進みの電流が流れることにより、進み無効電力が消費されることを意味する。なお、無効電力とは、電源と負荷との間を往復する、負荷が消費しない電力を意味する。無効電力は、電圧の変動などの要因となる。すなわち、無効電力を調整(消費)することにより、電力系統200の電圧を安定化することができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、電力系統200に対して遅れ補償を行う場合か、または、電力系統200に対して補償を行わない場合、故障したコンバータセル部10を含む相のコンバータセル部10の出力電圧、および、故障していない相のコンバータセル部10の出力電圧を最大出力電圧よりも小さくすることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。これにより、故障したコンバータセル部10を含む相のコンバータセル部10の出力電圧、および、故障していない相のコンバータセル部10の出力電圧が、比較的小さい、最大出力電圧よりも小さい出力電圧にされる。これにより、容易に、遅れ補償を行うこと(または補償しないこと)ができる。なお、遅れ補償とは、電力変換装置100の電圧が電力系統200の電圧よりも小さくなり、電力系統200側から電力変換装置100に向かって90度遅れの電流が流れることにより、遅れ無効電力が消費されることを意味する。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10のうちのいずれかが故障した場合、故障したコンバータセル部10の複数の出力端子部14が短絡されるとともに、故障していない相の直列に接続されている複数のコンバータセル部10の複数の出力端子部14は短絡させずに、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部10から出力される電力の電圧が互いに略同じになるように調整されている。これにより、故障していない相のコンバータセル部10の複数の出力端子部14は短絡(バイパス)されないので、電圧を出力可能なコンバータセル部10の台数が少なくなるのを抑制することができる。これにより、電力変換装置100の出力電圧が低下するのを抑制することができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、図1図8および図9を参照して、第2実施形態による電力変換装置101について説明する。第2実施形態による電力変換装置101では、コンバータセル部110の耐圧が、最大出力電圧よりも大きい。なお、第2実施形態による電力変換装置101(図1参照)の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
【0062】
図8に示すように、電力変換装置101では、コンバータセル部110の耐圧が、コンバータセル部110の定格電圧と連系リアクトル50とに基づいた最大出力電圧よりも大きい場合、最大出力電圧よりも大きい最大出力可能電圧をコンバータセル部110から出力するように構成されている。具体的には、コンバータセル部110の定格電圧(1.0kV)と、パーセントインピーダンス10%を有する連系リアクトル50とに基づいた、コンバータセル部110の最大出力電圧は、1.1kV(=1.0kV×1.1)である。なお、最大出力可能電圧は、特許請求の範囲の「第2の電圧」の一例である。また、コンバータセル部110は、特許請求の範囲の「セル部」の一例である。
【0063】
ここで、コンバータセル部110から出力可能な電圧は、主に、直流コンデンサ11(図1参照)、および、半導体スイッチ12の耐圧で決まる。これにより、直流コンデンサ11、および、半導体スイッチ12の耐圧が比較的高い場合には、コンバータセル部110から出力可能な電圧も高くなる。たとえば、最大出力電圧(1.1kV)に対して、3%分、耐圧が高い場合、コンバータセル部110から出力可能な最大の電圧(最大出力可能電圧)は、1.133kV(=1.1kV×1.1×1.03)である。
【0064】
これにより、図9に示すように、コンバータセル部110の故障がない場合には、最大出力相電圧は、22.66kVになり、定格比率は、113.3%になる。また、補償可能な範囲は、100%〜−100%になる。また、コンバータセル部110が1台故障した場合には、最大出力相電圧は、21.53kV(=1.133kV×19)になり、定格比率は、107.6%になる。また、補償可能な範囲は、76%〜−100%になる。すなわち、第2実施形態では、上記第1実施形態(補償可能な範囲が、45%〜−100%)に比べて、補償可能な範囲が拡大される。
【0065】
また、コンバータセル部110が2台または3台故障した場合にも同様に、補償可能な範囲が拡大される。
【0066】
また、コンバータセル部110が4台故障した場合では、上記第1実施形態では、電力変換装置100を電力系統200に連系することができなかった一方、第2実施形態では、補償可能な範囲が−94%〜−100%となり、電力変換装置101を電力系統200に連系することが可能になる。なお、コンバータセル部110が5台以上故障した場合では、電力変換装置101を電力系統200に連系させることはできない。
【0067】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
第2実施形態では、上記のように、コンバータセル部110の耐圧が、コンバータセル部110の定格電圧と連系リアクトル50とに基づいた最大出力電圧よりも大きい場合、最大出力電圧よりも大きい最大出力可能電圧をコンバータセル部110から出力する。これにより、最大出力電圧よりも大きい最大出力可能電圧がコンバータセル部110から出力されるので、電力変換装置101の出力電圧を増加させることができる。その結果、電力変換装置101を電力系統200に対する進み補償に用いる場合に、補償可能な範囲を拡大することができる。
【0069】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0071】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の電力変換装置を無効電力変換装置(STATCOM)に適用する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の電力変換装置を直流送電システム(HVDC:high−voltage direct current)などに適用してもよい。
【0072】
また、上記第1および第2実施形態では、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部(U相コンバータセル群、V相コンバータセル群、および、W相コンバータセル群)が、スター結線されている例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図10に示す、変形例による電力変換装置120のように、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部121(U相コンバータセル群122a、V相コンバータセル群122b、および、W相コンバータセル群122c)をデルタ結線してもよい。これにより、デルタ結線内に循環電流が流れるので、この循環電流を制御することにより、逆相無効電力を調整することができる。なお、コンバータセル部121は、特許請求の範囲の「セル部」の一例である。
【0073】
また、上記第1および第2実施形態では、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部のうちのいずれかが故障(たとえば、U相のコンバータセル部が故障)した場合、故障していない相(V相およびW相)の直列に接続されている複数のコンバータセル部の複数の出力端子部は短絡させない例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、U相の1つのコンバータセル部が故障した場合、故障したU相の1つのコンバータセル部の複数の出力端子部を短絡させるとともに、故障していないV相の1つのコンバータセル部および故障していないW相の1つのコンバータセル部の複数の出力端子部を短絡させてもよい。そして、全てのコンバータセル部から同じ電圧を出力させることにより、各相毎に直列に接続されている複数のコンバータセル部から出力される電力の電圧が互いに略同じにすることができる。
【0074】
また、上記第1および第2実施形態では、各相毎に、20台のコンバータセル部が直列に接続されている例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、各相毎に、20台以外の数のコンバータセル部が直列に接続されていてもよい。
【0075】
また、上記第1および第2実施形態では、連系リアクトルのパーセントインピーダンスが10%である例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、連系リアクトルのパーセントインピーダンスは、10%以外の値であってもよい。
【0076】
また、上記第2実施形態では、コンバータセル部の耐圧が、コンバータセル部の最大出力電圧に対して3%分高い例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コンバータセル部の耐圧が、コンバータセル部の最大出力電圧に対して3%以外の%分、高くてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10、110、121 コンバータセル部(セル部)
15 出力端子部
50 連系リアクトル
100、101、120 電力変換装置
200 電力系統
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10