(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反力印加手段は、前記指示が不適切であると判定された場合に、前記反力の大きさを当該判定以前から前記操縦手段に加えられている大きさよりも大きい大きさに変更する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の航走体制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態における航走体制御装置100の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、航走体制御装置100は、操縦部110と、変換制御部140と、変換部150とを備える。そして、変換制御部140には、センサ部120と、記憶部130とが接続される。ここで、記憶部130は、航走体制御装置100の内部に設置されてもよいし、外部に設置されてもよい。なお、航走体制御装置100は、例えば、水上や水中を航走する船舶等の航走体に搭載される。そして、センサ部120は、航走体に設置される。
【0017】
操縦部110は、航走体の速力や針路(進行方向)等の変更が指示された場合に、当該指示に基づき航走体のスクリュ(図示せず)や舵(図示せず)等を制御して、航走体の速力や針路を変更する。操縦部110は、例えば、ハンドル(ステアリングホイール)等の操縦輪やジョイスティック等の操縦桿である。操縦部110がハンドルやジョイスティックである場合には、例えば、操縦者によってハンドルが回転されたりジョイスティックが傾倒されたりすることで、速力や針路の変更が指示される。
【0018】
センサ部120は、例えば、航走体の速力や、航走体の針路、海中における航走体の深度等を計測し、計測した結果(以下、「計測結果」と記載する)を変換制御部140に入力する。ここで、センサ部120は、例えば、速力センサや、深度センサ、針路センサ、舵角センサ、オイラー角センサ、ポテンショメータ、ロータリーエンコーダ等の複数のセンサ等を組み合わせて構成されている。また、センサ部120にはソナーが含まれていてもよい。この場合には、センサ部120は、航走体の針路前方ξ[m]以内に、他の船舶や、水中生物、地形に起因する障害物等があることを検知することができる。なお、計測結果には、少なくとも、航走体の速力を示す情報(以下、「速力情報」と記載する)と、航走体の針路前方における他の船舶や障害物等の有無を示す情報(以下、「周囲環境情報」)とが含まれる。なお、計測手段による計測には、例えば、センサ部120による障害物等の検知も含まれる。また、針路は、航走体の中心から、航走体の先頭を指向する方向であってもよい。具体的には、例えば、航走体が船舶である場合に、航走体の中心から船首を指向する方向であってもよい。
【0019】
そして、変換制御部140は、センサ部120から入力された計測結果に基づき、例えば、航走体が速力α[kt]以上の速力で航走しているか否かや、操縦部110に指示された角度(以下、「操作角」と記載する)がδ[deg]以上であるか否か、水中における航走体の深度がη[m]以上であるか否か、航走体の針路を下方に向ける操作角がε[deg]以上であるか否か等を判断する。
【0020】
記憶部130には、航海情報が記憶されている。ここで、航海情報とは、慣性航法装置から入力された航走体の現在位置を海図において示す情報である。なお、航海情報は、航走体が水上を航走している場合や航走体に含まれるアンテナが水上に出ている場合に、衛星測位システムを用いて測位された航走体の現在位置を海図において示す情報であってもよい。
【0021】
変換制御部140は、操縦部110が操作されたことに応じて、センサ部120から入力された計測結果と、記憶部130から読み出した航海情報とに基づき、操縦者によって操縦部110に入力された指示が不適切な指示であるか否かを判定する。変換制御部140は、操縦者によって不適切な指示が入力されたと判定した場合には、その旨を示す異常情報を変換部150に入力する。また、変換制御部140は、操縦者によって不適切な指示が入力されていないと判定した場合には、その旨を示す通常情報と、計測結果とを変換部150に入力する。
【0022】
変換部150は、変換制御部140からの入力に基づき、操縦部110に加える反力の大きさを調整したり、操縦部110を振動させたりする。ここで、反力とは、操縦者による指示を示す操縦部110になされた操作を、妨げようとする力である。例えば、操縦部110がハンドルである場合には、反力は、操縦者がハンドルの回転を妨げる力である。また、例えば、操縦部110がジョイスティックである場合には、反力は、操縦者がジョイスティックを倒すことを妨げる力である。変換部150は、例えば、空気ばねのように空気圧を利用したり、電磁石において電流の向きや大きさを変更したりして、操縦部110に加える反力の大きさや方向を調整したり、操縦部110を振動させたりする。
【0023】
ここで、不適切な指示が入力された旨を示す異常情報が変換制御部140から入力された場合には、変換部150は、操縦部110を振動させる。そして、変換部150は、操縦部110に加える反力の大きさを、後述する危険回避用の反力の大きさに設定する。
【0024】
それに対して、不適切な指示が入力されていない旨を示す通常情報と計測結果とが変換制御部140から入力された場合には、変換部150は、操縦部110に加える反力の大きさを、入力された計測結果に含まれる速力情報が示す航走体の速力に応じた後述の大きさに設定する。
【0025】
次に、航走体制御装置100の動作について、図面を参照して説明する。
【0026】
ここで、
図2は、航走体が水上航走を行う場合に、操縦部110に掛かる反力の大きさを調整する処理の例を示すフローチャートである。また、
図3および
図4は、
図2に示す操縦部110に掛かる反力の大きさを調整する処理において、操縦部110に加え得る反力の大きさの例を示す説明図である。
【0027】
なお、
図3および
図4に示す例における変数等は、次のように定義される。(1):xは、航走体の現在の速力を示す。ここで、Xを航走体の最大速力とした場合には、xとXとの間には、x≦Xという関係が成り立つ。(2):f(x)=pは本動作例開始時点で操縦部110に加えられている反力の大きさであり、
図3および
図4において点線で示されている。なお、当該反力の大きさpは定数である。(3):f(x)=cは、不適切な指示が入力されたと判定された場合に操縦部110に加える反力の大きさであり、
図3において一点鎖線で示されている。ここで、f(x)=cは、危険回避用の反力の大きさを表す。なお、当該反力の大きさcは、p<cが成り立つ定数である。(4):f(x)=ax+bは、不適切な指示が入力されていないと判定された場合に、航走体の速力xがα[kt]以上のときに操縦部110に加える反力の大きさであり、
図3においてx≧αの範囲の実線で示されている。ここで、当該反力の大きさax+bと、前述の反力の大きさpとの間には、p≦ax+bが成り立つ。また、aα+b=pが成り立つ。なお、aおよびbは、任意の値である。(5):f(x)=dは、不適切な指示が入力されていないと判定された場合に、航走体の速力xがα[kt]未満のときに操縦部110に掛かる反力の大きさであり、
図3においてx<αの範囲の実線で示されている。なお、当該反力の大きさdは、d≦pが成り立つ定数である。(6)f(x)=cとf(x)=ax+bとの間には、max(ax+b)≦cという関係が成り立つ。なお、max(ax+b)は、α≦x≦Xの範囲において、f(x)=ax+bの最大値をいう。(7):f(x)=ax+bとf(x)=dの間には、d≦min(ax+b)という関係が成立つ。なお、min(ax+b)は、α≦x≦Xの範囲において、f(x)=ax+bの最小値をいう。
【0028】
(ステップS101:センサ部120および変換制御部140の処理)
変換制御部140は、操縦部110が操作されたことに応じて、センサ部120が、航走体の速力や、航走体の針路、海中における航走体の深度等を計測した計測結果を取り込む。
【0029】
また、変換制御部140は、記憶部130に記憶されている航海情報を読み出す。
【0030】
(ステップS102:変換制御部140の処理)
変換制御部140は、センサ部120から入力された計測結果と、記憶部130から読み出した航海情報とに基づき、操縦部110に入力された指示が不適切な指示であるか否かを判定する。そして、変換制御部140が不適切な指示が入力されたと判定した場合には(ステップS102のYes)、ステップS103の処理に移行する。それに対して、変換制御部140が不適切な指示が入力されていないと判定した場合には(ステップS102のNo)、ステップS105の処理に移行する。
【0031】
ここで、例えば、変換制御部140は、計測結果に基づき、航走体が速力α[kt]以上の速力xで航走中に、操縦部110においての操作角がδ[deg]以上の操作がなされたと判断した場合に、不適切な指示が入力されたと判定する。また、例えば、変換制御部140は、計測結果に基づき、海中における航走体の深度がη[m]以上であるときに、航走体の針路を下方に向かせる操縦部110においての操作角がε[deg]以上の操作がなされたと判断した場合に、不適切な指示が入力されたと判定する。また、例えば、変換制御部140は、航走体の針路が、前方ξ[m]以内に、他の船舶や、水中生物、地形に基づく障害物等がある方向になったと判断した場合に、不適切な指示が入力されたと判定する。また、例えば、変換制御部140は、計測結果および航海情報に基づき、航走体の針路が離岸流が発生する危険海域に向けられたと判断した場合に、不適切な指示が入力されたと判定する。なお、例えば、そのような針路等の変更が行われなかった場合には、変換制御部140は、不適切な指示が入力されたと判定しない。
【0032】
(ステップS103:変換制御部140および変換部150の処理)
変換制御部140は、不適切な指示が入力されたと判定した場合には(ステップS102のYes)、異常情報を変換部150に入力する。そして、変換部150は、当該入力に応じて、空気圧を利用したり電磁石における電流の向きや大きさを変更したりして、操縦部110を振動させる。これによって、操縦者に不適切な指示が入力された旨を報知することができる。
【0033】
(ステップS104:変換部150の処理)
さらに、変換部150は、ステップS103の処理で異常情報が入力されたことに応じて、
図3に示すように、操縦部110に掛ける反力の大きさをpからcに変更する。すなわち、操縦部110に加えられる反力の大きさは、不適切な指示が入力されたと変換制御部140によって判定される以前の大きさpよりも大きいcに変更される。そのような構成により、不適切な指示が継続的に入力されること抑制することができるので、操縦者による安全な操縦を促すことができる。
【0034】
なお、操縦部110に加えられる反力の大きさを調整する処理は、例えば、所定の時間間隔で行われる。
【0035】
(ステップS105:変換制御部140および変換部150の処理)
変換制御部140は、不適切な指示が入力されていないと判定した場合には(ステップS102のNo)、通常情報と計測結果とを変換部150に入力する。変換部150は、入力された計測結果に含まれている速力情報に基づき、航走体の速力xがα[kt]以上であるか否かを判断する。そして、変換部150が航走体の速力xがα[kt]以上であると判断した場合には(ステップS105のYes)、ステップS106の処理に移行する。それに対して、変換部150が航走体の速力xがα[kt]未満であると判断した場合には(ステップS105のNo)、ステップS107の処理に移行する。なお、αは、任意の値である。
【0036】
(ステップS106:変換部150の処理)
変換部150は、航走体の速力xがα[kt]以上であると判断した場合に(ステップS105のYes)、操縦部110に加える反力の大きさをpからf(x)=ax+bに変更する。よって、航走体の速力xがα[kt]以上である場合には、操縦部110に加える反力は、航走体の速力xが速くなればなるほど、大きくなる。
【0037】
(ステップS107:変換部150の処理)
変換部150は、航走体の速力xがα[kt]未満であると判断した場合には(ステップS105のNo)、操縦部110に掛かる反力の大きさをpからdに変更する。よって、航走体の速力xがα[kt]未満である場合には、操縦部110に加えられる反力は、より小さな反力dになる。
【0038】
そして、ステップS106の処理およびステップS107の処理の後、操縦部110における反力の大きさを調整する処理が終了する。なお、操縦部110における反力の大きさを調整する処理は、例えば、所定の時間間隔で行われる。
【0039】
ここで、前述のステップS106の処理およびステップS107の処理では、航走体の速力xに応じて、操縦部110に加える反力の大きさが調整される。そのような構成により、航走体の速力xに応じた適切な反力が操縦部110に加えられるので、操縦者の過重な負担を回避することができる。
【0040】
なお、f(x)=ax+bに用いられるaおよびbと、f(x)=cに用いられるcと、f(x)=dに用いられるdと、判断に用いられる速力α[kt]とを調整することで、
図2に示す航走体が水上航走を行う場合に操縦部110に加える反力の大きさを調整する処理を、航走体が水中を航走する場合にも適用することができる。
【0041】
以上のように、本実施形態における変換制御部140は、周囲環境情報や航海情報等の航走体の周囲の状況や環境を示す情報等に基づき、不適切な指示が入力されたか否かを判定する。そして、不適切な指示が入力されたと変換制御部140が判定した場合には、変換部150は、操縦部110を振動させる。さらに、変換部150は、操縦部110に加える反力を、不適切な指示が入力されたと変換制御部140が判定する以前の大きさよりも大きくする。よって、不適切な指示が入力された旨の報知と、不適切な指示が継続して入力されることの防止をより高精度に行うことができるので、操縦者に、より安全な操縦を促すことができる。
【0042】
さらに、本実施形態によれば、変換部150は、不適切な指示が入力されていないと変換制御部140が判定した場合には、航走体の速力に応じた適切な大きさの反力を操縦部110に加える。そのような構成によって、操縦者の負担を軽減することができ、誤った操縦が行われる可能性を低減することができるので、操縦者に、より安全な操縦を促すことができる。
【0043】
なお、本実施形態においては、操縦部110の操作角に閾値が設けられていてもよい。その理由について説明する。本実施形態によれば、操縦部110に加えられた力が微小であっても、当該力に基づき操縦部110に操作がなされて、航走体の針路が変更されてしまう虞がある。すなわち、操縦者の意図しない指示が入力されてしまう虞がある。そこで、操縦部110の操作角に閾値を設け、操縦部110における操作角が設定された閾値を超えた場合に、航走体のスクリュや舵等が操作角に応じて制御されるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、所定の大きさの以上の力に応じた操作角の操作が行われない限り、航走体制御装置100には指示が入力されない。よって、操縦者の意図しない指示が入力されることを防止することができるので、より安全な操縦を実現することができる。なお、閾値の設定を解除したり、変更したりするためのボタン等が操縦部110等に設けられていてもよい。そのような構成によれば、状況に応じて航走体の移動を高い精度で制御することができる。
【0044】
また、不適切な指示が入力されたと変換制御部140が判定した場合に、変換部150が、操縦部110を振動させたがこれに限定されない。例えば、変換部150は、音声を発するようにスピーカ(図示せず)を制御したり、発光するように発光体(図示せず)を制御したりすることで、操縦者に不適切な指示が入力された旨を報知してもよい。
【0045】
また、本実施形態においては、不適切な指示が入力されたと判定された場合に操縦部110に加えられる反力を、航走体の速力xを変数とする1次関数や2次関数に基づいて決定するように構成されていてもよい。同様に、不適切な指示が入力されたと変換制御部140が判定した場合に、航走体の速力xがα[kt]未満のときに操縦部110に加えられる反力も、航走体の速力xを変数とする1次関数や2次関数に基づいて決定するように構成されていてもよい。そのような構成により、航走体の速力に応じた航走体の運動特性の変化に応じて、操縦部110に加える反力の大きさが適宜変更されるので、より安全な操縦を実現することができる。
【0046】
また、本実施形態において、変換部150は、操縦部110の操作角が大きくなればなるほど、操縦部110に加える反力の大きさが大きくなるように構成されてもよい。ここで、操縦部110が縦横の2方向に傾倒可能なジョイスティックである場合には、変換部150は、操縦部110が倒された方向に応じて、操縦部110に掛かる反力の大きさを調整してもよい。なお、この場合、変換部150は、センサ部120から変換制御部140に入力された計測結果に基づき、操縦部110の操作角や、操縦部110が倒された方向等を判断する。
【0047】
また、本実施形態において、変換制御部140は、操縦部110に加える反力の大きさをf(x)=ax+bまたはdとする基準(航走体の速力α[kt])を、センサ部120から入力された計測結果に基づく水中における航走体の深度に応じて、適宜変更するように構成されていてもよい。
【0048】
ここで、本実施形態においては、危険回避用の反力の大きさや、航走体の速力に応じた反力の大きさを、例えば、f(x,y)=ex+fy+gのような2変数関数に基づいて決定するように構成されていてもよい。また、f(x,y,z)=ex+fy+hz+gのような3変数関数に基づいて決定するように構成されていてもよい。なお、xは、例えば、航走体の速力である。また、yは、例えば、操縦部110の操作角である。zは、例えば、航走体の姿勢を表すオイラー角(姿勢角ともいう)である。また、反力の大きさが2変数関数に基づいて決定するように構成されている場合には、gは、x=0かつy=0の場合に操縦部110に加えられる反力の大きさである。また、反力の大きさが3変数関数に基づいて決定するように構成されている場合には、gは、x=0、y=0かつz=0の場合に操縦部110に加えられる反力の大きさである。また、e、f、hは、任意の値である。この場合、変換部150は、センサ部120から変換制御部140に入力された計測結果に基づき、x、y、zの値を決定する。そのような構成により、例えば、航走体の姿勢角が大きくなればなるほど、操縦部110に加える反力の大きさが大きくなるので、より安全な操縦を促すことができる。また、センサ部120が計測した複数の結果に基づく、より適切な大きさの反力が操縦部110に加えられるので、より安全な操縦を実現することができる。
【0049】
なお、本実施形態において、変換制御部140は、センサ部120から入力された計測結果と、記憶部130から読み出した航海情報とに基づき、操縦部110に不適切な指示が入力されたか否かを判定したが、これに限定されない。例えば、変換制御部140は、センサ部120から入力された計測結果のみに基づき、操縦部110に不適切な指示が入力されたか否かを判定してもよい。そのような構成によれば、記憶部130を変換制御部140に接続させなくてよいので、航走体の構成の簡素化を実現することができる。
【0050】
なお、本実施形態において、変換制御部140は、記憶部130から航海情報を読み出したが、これに限定されない。例えば、変換制御部140は、備えているキャッシュメモリ(図示せず)に適宜航海情報が記憶されるように構成されていてもよい。そのような構成の場合には、例えば、変換制御部140は、キャッシュメモリに記憶されている航海情報によって示される範囲外に航走体が移動したり、記憶部130に記憶されている航海情報が更新されたりしたときに、記憶部130から航海情報を読み出す。
【0051】
なお、本願発明は、船舶等の航走体だけでなく、ROV(Remotely Operated Vehicle)や、無線操作によって操縦される飛行体、船舶シミュレータ、自動車等に適用することもできる。
【0052】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0053】
図5は、本実施形態における航走体制御装置200の構成例を示すブロック図である。
図5に示す例では、航走体制御装置200は、操縦部210と、判定部220と、反力印加部230とを備える。
【0054】
ここで、航走体制御装置200は、例えば、水上や水中を航走する船舶等の航走体に搭載される。操縦部210は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における操縦部110に相当する。また、判定に220は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における変換制御部140に相当する。また、反力印加部230は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における変換部150に相当する。
【0055】
操縦部210は、航走体の航走に関する指示を入力する。なお、操縦部210には、当該指示に反する力である反力が反力印加部230によって加えられている。
【0056】
判定部220は、航走体に接続された計測部(図示せず)が計測した、航走体の周囲の環境を含む結果に基づき、航走体の航走に関する指示が不適切であるか否かを判定する
反力印加部230は、航走体の航走に関する指示が不適切であると判定された場合には、操縦部210に加えられている反力の大きさをより大きくする。
【0057】
次に、航走体制御装置200の動作例を
図6を参照して説明する。
図6は、航走体制御装置200の動作例を示すフローチャートである。
【0058】
(S201:操縦部210における処理)
操縦部210は、航走体の航走に関する指示を入力する。
【0059】
(S202:判定部220における処理)
判定部220は、航走体に接続された計測部が計測した、航走体の周囲の環境を含む結果に基づき、航走体への指示が不適切であるか否かを判定する。
【0060】
(S203:反力印加部230における処理)
反力印加部230は、航走体の航走に関する指示が不適切であると判定された場合には、操縦部210に加えられている反力の大きさをより大きくする。
【0061】
本実施形態によれば、判定部220は、計測部が計測した、航走体の周囲の環境を含む結果に基づき、航走体の航走に関する指示が不適切であるか否かを判定する。そのような構成により、判定部220は、航走体の航走に関する指示が不適切であるか否かをより精度高く判定することができる。そして、反力印加部230は、航走体の航走に関する指示が不適切であると判定された場合には、操縦部210に加えられている反力の大きさをより大きくする。
【0062】
したがって、本実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様な効果も奏することができる。
【0063】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形や、置換、調整を加えることができる。また、各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0064】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。