特許第6805693号(P6805693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805693
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20201214BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20201214BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20201214BHJP
   F25B 29/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   F24F11/70
   F24F5/00 101Z
   F25B1/00 399Y
   F25B1/00 397Z
   F25B29/00 391Z
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-193298(P2016-193298)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-54255(P2018-54255A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】大久保 英作
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−042326(JP,U)
【文献】 特開2005−283037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/70
F24F 5/00
F25B 1/00
F25B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流れる空気通路(21)を形成する通路形成部材(20)と、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(30)と、熱源流体が流通する熱源流体回路(40)とを備え、
上記冷媒回路(30)には、上記空気通路(21)に設けられて冷媒を空気と熱交換させる冷媒側熱交換器(37)と、上記熱源流体回路(40)に接続されて冷媒を上記熱源流体と熱交換させる熱源熱交換器(33)とが設けられ、
上記熱源流体回路(40)には、上記空気通路(21)に設けられて熱源流体を空気と熱交換させる熱源流体側熱交換器(41)が設けられる空気調和装置であって、
上記冷媒側熱交換器(37)は、上記空気通路(21)における上記熱源流体側熱交換器(41)の上流に設置され、
上記熱源流体回路(40)には、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源流体側熱交換器(41)と上記熱源熱交換器(33)のどちらかへ選択的に供給される単独流通状態と、上記熱源流体が上記熱源熱交換器(33)と上記熱源流体側熱交換器(41)を順に流れる直列流通状態とに切り換える切換機構(50)が設けられ
空調負荷が高い高負荷時には、
上記切換機構(50)が、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源熱交換器(33)だけに供給される単独流通状態とし、
上記冷媒回路(30)が冷凍サイクルを行い、上記冷媒側熱交換器(37)において空気を冷却し又は加熱し、
空調負荷が低い低負荷時には、
上記切換機構(50)が、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源流体側熱交換器(41)だけに供給される単独流通状態とし、
上記冷媒回路(30)が冷凍サイクルを休止し、上記熱源流体側熱交換器(41)において空気を冷却し又は加熱し、
空気を除湿する除湿運転時には、
上記切換機構(50)が、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源熱交換器(33)と上記熱源流体側熱交換器(41)を順に流れる直列流通状態とし、
上記冷媒回路(30)が冷凍サイクルを行い、上記冷媒側熱交換器(37)において冷却され且つ除湿された空気を上記熱源流体側熱交換器(41)において加熱する
ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記切換機構(50)は、
上記熱源流体回路(40)の入口を上記熱源流体側熱交換器(41)の入口と上記熱源熱交換器(33)の入口のどちらかに選択的に接続する第1弁機構(51)と、
上記熱源熱交換器(33)の出口を上記熱源流体側熱交換器(41)の入口と上記熱源流体回路(40)の出口のどちらかに選択的に接続する第2弁機構(52)とを備えている
ことを特徴とする空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から供給された熱源流体を利用して空気調和を行う空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、外部から供給された熱源流体を利用して空気調和を行う空気調和装置が知られている。特許文献1及び2には、このような空気調和装置である空気調和ユニットが開示されている。
【0003】
特許文献1及び2の空気調和ユニットは、熱源流体である熱源水を空気と熱交換させる水対空気熱交換器と、熱源流体である熱源水を利用して冷凍サイクルを行う冷媒回路とを備える。この空気調和ユニットの冷媒回路には、冷媒を空気と熱交換させる冷媒対空気熱交換器と、冷媒を熱源水と熱交換させる水対冷媒熱交換器とが設けられる。また、この空気調和ユニットでは、空気の流通経路において、冷媒対空気熱交換器が水対空気熱交換器の下流に設けられる。
【0004】
この空気調和ユニットは、いわゆる再熱除湿運転を行うことができる。この再熱除湿運転では、水対空気熱交換器に冷房用の熱源水として7℃程度の冷水が供給され、冷媒対空気熱交換器が凝縮器として機能する冷凍サイクルが行われる。そして、水対空気熱交換器において空気中の水分を凝縮させることによって除湿を行う一方、水対空気熱交換器を通過する際に温度低下した空気を冷媒対空気熱交換器において加熱し、室内気温の過度の低下を抑えつつ室内の除湿を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−196422号公報
【特許文献2】特開2008−116152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、冷房用の熱源流体として、従来の冷水よりも高い水温(例えば20℃程度)の、いわゆる中温水を用いることが提案されている。冷房用の熱源流体の温度を従来よりも高くできれば、熱源流体を冷却するための冷凍機等の消費エネルギが減少し、空気調和に要するコストを削減できるからである。
【0007】
ところが、特許文献1及び2に開示された従来の空気調和ユニットに熱源流体として20℃程度の中温水を供給すると、再熱除湿運転を実行できなくなる。つまり、空気を20℃程度の中温水と熱交換させても、空気の温度を、設定湿度における露点温度未満にまで引き下げることができないため、水対空気熱交換器だけで空気を除湿することができない。また、冷媒対空気熱交換器が蒸発器として機能する冷凍サイクルを行えば、冷媒対空気熱交換器において空気を除湿することは可能だが、冷媒対空気熱交換器を通過した空気を加熱することができないため、室内の湿度だけでなく温度も低下してしまい、在室者の快適性が損なわれる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部から供給された熱源流体を利用して空気調和を行う空気調和装置において、冷房用の熱源流体として中温水が供給される場合でも再熱除湿運転を可能とし、在室者の快適性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、空気が流れる空気通路(21)を形成する通路形成部材(20)と、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(30)と、熱源流体が流通する熱源流体回路(40)とを備え、上記冷媒回路(30)には、上記空気通路(21)に設けられて冷媒を空気と熱交換させる冷媒側熱交換器(37)と、上記熱源流体回路(40)に接続されて冷媒を上記熱源流体と熱交換させる熱源熱交換器(33)とが設けられ、上記熱源流体回路(40)には、上記空気通路(21)に設けられて熱源流体を空気と熱交換させる熱源流体側熱交換器(41)が設けられる空気調和装置を対象とする。そして、上記冷媒側熱交換器(37)は、上記空気通路(21)における上記熱源流体側熱交換器(41)の上流に設置され、上記熱源流体回路(40)には、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源流体側熱交換器(41)と上記熱源熱交換器(33)のどちらかへ選択的に供給される単独流通状態と、上記熱源流体が上記熱源熱交換器(33)と上記熱源流体側熱交換器(41)を順に流れる直列流通状態とに切り換える切換機構(50)が設けられるものである。
【0010】
第1の発明において、空調負荷が高い高負荷時には、上記切換機構(50)が、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源熱交換器(33)だけに供給される単独流通状態とし、上記冷媒回路(30)が冷凍サイクルを行い、上記冷媒側熱交換器(37)において空気を冷却し又は加熱する。また、この発明において、空調負荷が低い低負荷時には、上記切換機構(50)が、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源流体側熱交換器(41)だけに供給される単独流通状態とし、上記冷媒回路(30)が冷凍サイクルを休止し、上記熱源流体側熱交換器(41)において空気を冷却し又は加熱する。また、この発明において、空気を除湿する除湿運転時には、上記切換機構(50)が、上記熱源流体の流通経路を、上記熱源流体が上記熱源熱交換器(33)と上記熱源流体側熱交換器(41)を順に流れる直列流通状態とし、上記冷媒回路(30)が冷凍サイクルを行い、上記冷媒側熱交換器(37)において冷却され且つ除湿された空気を上記熱源流体側熱交換器(41)において加熱する。
【0011】
第1の発明では、冷媒回路(30)の冷媒側熱交換器(37)と、熱源流体回路(40)の熱源流体側熱交換器(41)とが、通路形成部材(20)内の空気通路(21)の入口側から出口側へ向かって順に配置される。冷媒側熱交換器(37)が蒸発器として機能する冷凍サイクルを冷媒回路(30)が行う冷却動作では、空気通路(21)を流れる空気が冷媒側熱交換器(37)において冷却され、その際に空気に含まれる水分の一部が凝縮する。つまり、この冷却動作中は、冷媒側熱交換器(37)において空気の除湿が行われる。
【0012】
第1の発明において、冷却動作中に、切換機構(50)が、熱源流体回路(40)における熱源流体の流通経路を直列流通状態に設定したとする。そうすると、熱源流体回路(40)では、熱源熱交換器(33)において冷媒から吸熱した熱源流体が、熱源流体側熱交換器(41)へ供給されることになる。例えば20℃程度の中温水が熱源流体として熱源流体回路(40)へ供給されたとすると、熱源熱交換器(33)において例えば30℃程度にまで昇温した熱源流体が熱源流体側熱交換器(41)へ供給される。このため、冷媒側熱交換器(37)において冷却された空気が、熱源流体側熱交換器(41)において熱源流体によって加熱される。
【0013】
このように、第1の発明の空気調和装置(10)は、例えば20℃程度の中温水が熱源流体として熱源流体回路(40)へ供給される場合でも、いわゆる再熱除湿を行うことができる。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記切換機構(50)は、上記熱源流体回路(40)の入口を上記熱源流体側熱交換器(41)の入口と上記熱源熱交換器(33)の入口のどちらかに選択的に接続する第1弁機構(51)と、上記熱源熱交換器(33)の出口を上記熱源流体側熱交換器(41)の入口と上記熱源流体回路(40)の出口のどちらかに選択的に接続する第2弁機構(52)とを備えるものである。
【0015】
第2の発明では、第1弁機構(51)と第2弁機構(52)とが切換機構(50)を構成する。切換機構(50)は、第1弁機構(51)と第2弁機構(52)の状態を切り換えることによって、熱源流体の流通経路を、単独流通状態と直列流通状態とに切り換える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の空気調和装置(10)では、空気通路(21)において熱源流体側熱交換器(41)の上流に冷媒側熱交換器(37)が配置されると共に、熱源流体回路(40)の切換機構(50)が、熱源流体の流通経路を直列流通状態に設定可能となっている。このため、本発明の空気調和装置(10)は、例えば20℃程度の中温水が熱源流体として熱源流体回路(40)へ供給される場合でも、冷媒側熱交換器(37)において冷却され且つ除湿された空気を熱源流体側熱交換器(41)において加熱してから室内へ供給する運転(いわゆる、再熱除湿運転)を行うことができる。従って、本発明によれば、中温水が熱源流体として熱源流体回路(40)へ供給される場合であっても、室内の気温を下げ過ぎずに除湿を行うことができ、在室者の快適性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態の空気調和ユニットの構成を示す配管系統図である。
図2図2は、高負荷冷房運転時の動作を示す空気調和ユニットの配管系統図である。
図3図3は、低負荷冷房運転時および低負荷暖房運転時の動作を示す空気調和ユニットの配管系統図である。
図4図4は、再熱除湿運転時の動作を示す空気調和ユニットの配管系統図である。
図5図5は、高負荷暖房運転時の動作を示す空気調和ユニットの配管系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0019】
本実施形態の空気調和ユニット(10)は、外部から熱源流体として供給された熱源水を利用して空気調和を行う空気調和装置である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の空気調和ユニット(10)は、ケーシング(20)と、ファン(25)と、冷媒回路(30)と、熱源流体回路である熱源水回路(40)とを備えている。ファン(25)と、冷媒回路(30)と、熱源水回路(40)とは、ケーシング(20)に収容されている。
【0021】
ケーシング(20)は、概ね直方体形状の箱状に形成され、その内部空間が空気通路(21)と機器室(22)に仕切られている。このケーシング(20)は、空気通路(21)を形成する通路形成部材である。また、ケーシング(20)には、空気通路(21)の一端に開口する吸込口(23)と、空気通路(21)の他端に開口する吹出口(24)とが形成されている。吸込口(23)と吹出口(24)のそれぞれは、ダクト等を介して室内空間に接続している。
【0022】
ファン(25)は、いわゆるシロッコファンであって、空気通路(21)における吹出口(24)寄りに配置されている。ファン(25)が作動すると、空気通路(21)を吸込口(23)から吹出口(24)へ向かって空気が流れる。
【0023】
冷媒回路(30)は、冷媒を循環させて蒸気圧縮冷凍サイクルを行うように構成された閉回路である。冷媒回路(30)には、圧縮機(31)と、四方切換弁(32)と、熱源熱交換器(33)と、膨張弁(36)と、冷媒側熱交換器(37)とが設けられている。圧縮機(31)は、吐出管が四方切換弁(32)の第1のポートに接続され、吸入管が四方切換弁(32)の第2のポートに接続されている。冷媒回路(30)では、その第3のポートから第4のポートに向かって順に、熱源熱交換器(33)と,膨張弁(36)と、冷媒側熱交換器(37)とが配置されている。
【0024】
圧縮機(31)と、四方切換弁(32)と、熱源熱交換器(33)と、膨張弁(36)とは、ケーシング(20)内の機器室(22)に配置されている。一方、冷媒側熱交換器(37)は、空気通路(21)における吸込口(23)寄りに配置されている。
【0025】
圧縮機(31)は、全密閉型のロータリ圧縮機である。四方切換弁(32)は、第1のポートが第3のポートに連通し且つ第2のポートが第4のポートに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートに連通し且つ第2のポートが第3のポートに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。膨張弁(36)は、開度可変の電子膨張弁である。
【0026】
熱源熱交換器(33)は、冷媒流路(34)と水流路(35)とが複数ずつ形成されたプレート熱交換器である。熱源熱交換器(33)は、冷媒流路(34)が冷媒回路(30)に接続され、水流路(35)が熱源水回路(40)に接続される。熱源熱交換器(33)は、冷媒流路(34)を流れる冷媒を、水流路(35)を流れる熱源水と熱交換させる。冷媒側熱交換器(37)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。この冷媒側熱交換器(37)は、冷媒回路(30)の冷媒を、空気通路(21)を流れる空気と熱交換させる。
【0027】
熱源水回路(40)は、冷凍機等の熱源機器から供給された熱源水が流通する管路である。熱源水回路(40)には、水側熱交換器(41)と,流入管(42)と、流出管(43)とが設けられている。また、熱源水回路(40)には、切換機構(50)を構成する第1三方弁(51)及び第2三方弁(52)が設けられている。
【0028】
流入管(42)は、一端が熱源水回路(40)の入口を構成し、他端が第1三方弁(51)の第1のポートに接続されている。第1三方弁(51)は、第2のポートが水側熱交換器(41)の一端に接続され、第3のポートが熱源熱交換器(33)の水流路(35)の一端に接続されている。
【0029】
流出管(43)は、一端が熱源水回路(40)の出口を構成し、他端が水側熱交換器(41)の他端に接続されている。第2三方弁(52)は、第2のポートが第1三方弁(51)の第2のポートと水側熱交換器(41)を繋ぐ配管に接続され、第3のポートが流出管(43)に接続されている。
【0030】
水側熱交換器(41)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であって、熱源流体側熱交換器を構成している。この水側熱交換器(41)は、熱源水回路(40)を流れる熱源水を、空気通路(21)を流れる空気と熱交換させる。
【0031】
第1三方弁(51)と第2三方弁(52)のそれぞれは、第1のポートが第2のポートだけに連通して第1のポートと第3のポートの間が遮断される第1状態と、第1のポートが第3のポートだけに連通して第1のポートと第2のポートの間が遮断される第2状態とに切り換わるように構成されている。
【0032】
第1三方弁(51)は、第1弁機構を構成している。この第1三方弁(51)は、第1状態では流入管(42)を水側熱交換器(41)の一端に接続し、第2状態では流入管(42)を熱源熱交換器(33)の水流路(35)の入口に接続する。一方、第2三方弁(52)は、第2弁機構を構成している。この第2三方弁(52)は、第1状態では熱源熱交換器(33)の水流路(35)の出口を水側熱交換器(41)の一端に接続し、第2状態では熱源熱交換器(33)の水流路(35)の出口を流出管(43)に接続する。
【0033】
−運転動作−
本実施形態の空気調和ユニット(10)には、冷凍機等の熱源機器から熱源水が供給される。晩春から初秋にかけての冷房シーズンには、例えば20℃程度の冷房用中温水が、冷房用の熱源水として空気調和ユニット(10)へ供給される。一方、晩秋から初春にかけての暖房シーズンには、例えば35℃程度の暖房用中温水が、暖房用の熱源水として空気調和ユニット(10)へ供給される。
【0034】
本実施形態の空気調和ユニット(10)は、外部から供給された熱源水を利用して、室内の空気調和を行う。この空気調和ユニット(10)は、高負荷時冷房運転と、低負荷時冷房運転と、再熱除湿運転と、高負荷時暖房運転と、低負荷時暖房運転とを実行可能である。これらの運転中には、ファン(25)が作動する。その結果、室内空気が吸込口(23)を通って空気通路(21)へ流入し、吹出口(24)を通って空気通路(21)から流出した空気が室内へ送り返される。
【0035】
〈高負荷時冷房運転〉
空気調和ユニット(10)の高負荷時冷房運転について、図2を参照しながら説明する。
【0036】
高負荷時冷房運転は、冷媒側熱交換器(37)だけにおいて空気を冷却する運転である。この高負荷時冷房運転は、熱源水回路(40)へ冷房用中温水が供給されている場合と、熱源水回路(40)へ暖房用中温水が供給されている場合の両方において実行可能である。
【0037】
高負荷時冷房運転では、冷媒回路(30)の圧縮機(31)が作動し、冷媒回路(30)の四方切換弁(32)が第1状態に設定される。冷媒回路(30)では、熱源熱交換器(33)が凝縮器として機能し、冷媒側熱交換器(37)が蒸発器として機能する冷凍サイクルが行われる。また、高負荷時冷房運転では、第1三方弁(51)と第2三方弁(52)のそれぞれが第2状態に設定される。熱源水回路(40)では、熱源熱交換器(33)と水側熱交換器(41)のうちの熱源熱交換器(33)だけに熱源水が供給される。つまり、熱源水回路(40)では、熱源水の流通経路が、単独流通状態となる。
【0038】
冷媒回路(30)において、圧縮機(31)から吐出された冷媒は、熱源熱交換器(33)において熱源水へ放熱して凝縮し、膨張弁(36)を通過する際に膨張した後に冷媒側熱交換器(37)へ流入し、空気通路(21)を流れる空気から吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(31)へ吸入されて圧縮される。冷媒側熱交換器(37)を通過する際に冷却された空気は、吹出口(24)を通って室内へ供給される。熱源水回路(40)では、流入管(42)から熱源熱交換器(33)へ熱源水が供給され、熱源熱交換器(33)から流出した熱源水が流出管(43)を通って排出される。
【0039】
〈低負荷時冷房運転〉
熱源水回路(40)へ冷房用中温水が供給されている場合の空気調和ユニット(10)の低負荷時冷房運転について、図3を参照しながら説明する。この場合の低負荷時冷房運転は、水側熱交換器(41)だけにおいて空気を冷却する運転である。
【0040】
低負荷時冷房運転では、冷媒回路(30)の圧縮機(31)が停止する。つまり、冷媒回路(30)における冷凍サイクルは行われない。また、低負荷時冷房運転では、第1三方弁(51)が第1状態に設定され、第2三方弁(52)が第2状態に設定される。熱源水回路(40)では、熱源熱交換器(33)と水側熱交換器(41)のうちの水側熱交換器(41)だけに熱源水が供給される。つまり、熱源水回路(40)では、熱源水の流通経路が、単独流通状態となる。
【0041】
水側熱交換器(41)では、空気通路(21)を流れる空気が熱源水によって冷却される。水側熱交換器(41)を通過する際に冷却された空気は、吹出口(24)を通って室内へ供給される。
【0042】
なお、熱源水回路(40)へ暖房用中温水が供給されている場合、35℃程度の暖房用中温水によって室内空気を冷却することはできないため、空気調和ユニット(10)は、冷房負荷が比較的小さい場合でも、冷凍サイクルを行うことによって室内空気を冷却する。つまり、この場合、空気調和ユニット(10)は、冷媒回路(30)が冷凍サイクルを行って冷媒側熱交換器(37)だけにおいて空気を冷却する運転(即ち、高負荷時冷房運転と同じ運転)を、低負荷時冷房運転として行う。
【0043】
〈再熱除湿運転〉
空気調和ユニット(10)の再熱除湿運転について、図4を参照しながら説明する。
【0044】
再熱除湿運転は、冷媒側熱交換器(37)において空気を冷却し、水側熱交換器(41)において空気を加熱する運転である。この再熱除湿運転は、熱源水回路(40)へ冷房用中温水が供給されている場合と、熱源水回路(40)へ暖房用中温水が供給されている場合の両方において実行可能である。
【0045】
再熱除湿運転では、冷媒回路(30)の圧縮機(31)が作動し、冷媒回路(30)の四方切換弁(32)が第1状態に設定される。冷媒回路(30)では、熱源熱交換器(33)が凝縮器として機能し、冷媒側熱交換器(37)が蒸発器として機能する冷凍サイクルが行われる。また、再熱除湿運転では、第1三方弁(51)が第2状態に設定され、第2三方弁(52)が第1状態に設定される。熱源水回路(40)では、熱源水が熱源熱交換器(33)と水側熱交換器(41)を順に通過する。つまり、熱源水回路(40)では、熱源水の流通経路が、直列流通状態となる。
【0046】
冷媒回路(30)において、冷媒は、高負荷時冷房運転と同様に循環する。一方、熱源水回路(40)において、流入管(42)から熱源熱交換器(33)へ供給された熱源水は、冷媒から吸熱し、その温度が上昇する。熱源熱交換器(33)を通過する間に昇温した熱源水は、水側熱交換器(41)へ供給され、水側熱交換器(41)を通過する空気へ放熱し、その後に流出管(43)を通って排出される。
【0047】
冷媒側熱交換器(37)では、空気通路(21)を流れる空気が冷媒によって冷却される。その際、空気の温度が露点温度未満にまで引き下げられ、空気に含まれる水分の一部が凝縮する。つまり、冷媒側熱交換器(37)では、空気の冷却と除湿とが行われる。水側熱交換器(41)では、冷媒側熱交換器(37)を通過した空気が、熱源水によって加熱される。水側熱交換器(41)を通過した空気は、吹出口(24)を通って室内へ供給される。
【0048】
〈高負荷時暖房運転〉
空気調和ユニット(10)の高負荷時暖房運転について、図5を参照しながら説明する。
【0049】
高負荷時暖房運転は、冷媒側熱交換器(37)だけにおいて空気を加熱する運転である。この高負荷時暖房運転は、熱源水回路(40)へ暖房用中温水が供給されている場合と、熱源水回路(40)へ冷房用中温水が供給されている場合の両方において実行可能である。
【0050】
高負荷時暖房運転では、冷媒回路(30)の圧縮機(31)が作動し、冷媒回路(30)の四方切換弁(32)が第2状態に設定される。冷媒回路(30)では、冷媒側熱交換器(37)が凝縮器として機能し、熱源熱交換器(33)が蒸発器として機能する冷凍サイクルが行われる。また、高負荷時暖房運転では、第1三方弁(51)と第2三方弁(52)のそれぞれが第2状態に設定される。熱源水回路(40)では、熱源熱交換器(33)と水側熱交換器(41)のうちの熱源熱交換器(33)だけに熱源水が供給される。つまり、熱源水回路(40)では、熱源水の流通経路が、単独流通状態となる。
【0051】
冷媒回路(30)において、圧縮機(31)から吐出された冷媒は、冷媒側熱交換器(37)において空気へ放熱して凝縮し、膨張弁(36)を通過する際に膨張した後に熱源熱交換器(33)へ流入し、熱源水から吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(31)へ吸入されて圧縮される。冷媒側熱交換器(37)を通過する際に加熱された空気は、吹出口(24)を通って室内へ供給される。また、熱源水回路(40)では、流入管(42)から熱源熱交換器(33)へ熱源水が供給され、熱源熱交換器(33)から流出した熱源水が流出管(43)を通って排出される。
【0052】
〈低負荷時暖房運転〉
熱源水回路(40)へ暖房用中温水が供給されている場合の空気調和ユニット(10)の低負荷時暖房運転について、図3を参照しながら説明する。この場合の低負荷時暖房運転は、水側熱交換器(41)だけにおいて空気を加熱する運転である。
【0053】
低負荷時暖房運転では、冷媒回路(30)の圧縮機(31)が停止する。つまり、冷媒回路(30)における冷凍サイクルは行われない。また、低負荷時暖房運転では、第1三方弁(51)が第1状態に設定され、第2三方弁(52)が第2状態に設定される。熱源水回路(40)では、熱源熱交換器(33)と水側熱交換器(41)のうちの水側熱交換器(41)だけに熱源水が供給される。つまり、熱源水回路(40)では、熱源水の流通経路が、単独流通状態となる。
【0054】
水側熱交換器(41)では、空気通路(21)を流れる空気が熱源水によって加熱される。水側熱交換器(41)を通過する際に加熱された空気は、吹出口(24)を通って室内へ供給される。
【0055】
なお、熱源水回路(40)へ冷房用中温水が供給されている場合、20℃程度の冷房用中温水によって室内空気を加熱することはできないため、空気調和ユニット(10)は、暖房負荷が比較的小さい場合でも、冷凍サイクルを行うことによって室内空気を加熱する。つまり、この場合、空気調和ユニット(10)は、冷媒回路(30)が冷凍サイクルを行って冷媒側熱交換器(37)だけにおいて空気を加熱する運転(即ち、高負荷時暖房運転と同じ運転)を、低負荷時暖房運転として行う。
【0056】
−実施形態の効果−
本実施形態の空気調和ユニット(10)では、空気通路(21)において水側熱交換器(41)の上流に冷媒側熱交換器(37)が配置されると共に、熱源水回路(40)の切換機構(50)が、熱源水の流通経路を直列流通状態に設定可能となっている。このため、本実施形態の空気調和ユニット(10)は、例えば20℃程度の冷房用中温水が熱源水として熱源水回路(40)へ供給される場合でも、冷媒側熱交換器(37)において冷却され且つ除湿された空気を水側熱交換器(41)において加熱してから室内へ供給する運転(いわゆる、再熱除湿運転)を行うことができる。従って、本実施形態よれば、中温水が熱源水として熱源水回路(40)へ供給される場合であっても、室内の気温を下げ過ぎずに除湿を行うことができ、在室者の快適性を確保することができる。
【0057】
−実施形態の変形例−
本実施形態の空気調和ユニット(10)では、水以外の流体(例えば、ブラインなど)を熱源流体として用いてもよい。
【0058】
また、本実施形態の空気調和ユニット(10)では、ケーシング(20)とは別体の部材(例えば、ダクトなど)によって空気通路(21)が形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上説明したように、本発明は、外部から供給された熱源流体を利用して空気調和を行う空気調和装置について有用である。
【符号の説明】
【0060】
10 空気調和ユニット(空気調和装置)
20 ケーシング(通路形成部材)
21 空気通路
30 冷媒回路
33 熱源熱交換器
37 冷媒側熱交換器
40 熱源水回路(熱源流体回路)
41 水側熱交換器(熱源流体側熱交換器)
50 切換機構
51 第1三方弁(第1弁機構)
52 第2三方弁(第2弁機構)
図1
図2
図3
図4
図5