特許第6805761号(P6805761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805761
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ワイパアーム
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   B60S1/46 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-232590(P2016-232590)
(22)【出願日】2016年11月30日
(65)【公開番号】特開2018-90000(P2018-90000A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直宏
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−196724(JP,A)
【文献】 特開2016−078582(JP,A)
【文献】 特開2006−007971(JP,A)
【文献】 特開2004−203180(JP,A)
【文献】 特開2007−062548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00−1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部が駆動軸に固定されるメインアームと、
基端部が前記駆動軸と異なる位置の従動軸に回動可能に支持されるサブアームと、
前記メインアームの先端部が回動可能に連結されるとともにその連結部位と異なる位置に前記サブアームの先端部が回動可能に連結される回動連結部、及び該回動連結部から前記メインアームの長手方向に沿って先端側に向けて延びてワイパブレードが連結されるブレード連結部を有する連結部材と
を備えたワイパアームであって、
前記連結部材には、前記ブレード連結部に洗浄液を噴射するためのノズルが設けられるとともに前記回動連結部における上壁から払拭面側に延びる側壁を有しており、
前記回動連結部の前記側壁には、前記ノズルに接続されるホースを保持するホース保持部が設けられたことを特徴とするワイパアーム。
【請求項2】
請求項1に記載のワイパアームであって、
前記ノズルに接続された前記ホースは、前記連結部材において、前記メインアームの先端部及び前記サブアームの先端部と前記回動連結部との各連結部位の間を通過して前記ホース保持部にて保持されていることを特徴とするワイパアーム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のワイパアームであって、
前記ホース保持部は、前記回動連結部における前記側壁に形成された保持溝であり、該保持溝を介して前記ホースが前記側壁を貫通する態様で保持されていることを特徴とするワイパアーム。
【請求項4】
請求項3に記載のワイパアームであって、
前記保持溝は、前記側壁の内側に延びる内延部を有し、該内延部により前記ホースを挟持して保持することを特徴とするワイパアーム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のワイパアームであって、
前記メインアームは、アーム上壁と該アーム上壁の両側から払拭面側に延びるアーム側壁とを有した断面コ字形状の部位を有し、
前記ホースは、前記メインアームにおける断面コ字形状の部位の内部に収容されて、前記メインアームの基端側に導かれたことを特徴とするワイパアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインアームとサブアームとを有するワイパアームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイパアームとしては、駆動時にワイパアームに対するワイパブレードの姿勢(角度)を変化させるセミパンタ式ワイパアームがある(例えば、特許文献1参照)。セミパンタ式ワイパアームは、まず、基端部が駆動軸に固定されるメインアームと、基端部が前記駆動軸と異なる位置の従動軸に回動可能に支持されるサブアームとを備える。また、セミパンタ式ワイパアームは、メインアームの先端部が回動可能に連結されるとともにその連結部位と異なる位置にサブアームの先端部が回動可能に連結される回動連結部と、該回動連結部から延びてワイパブレードが連結されるブレード連結部とを有する連結部材を備える。このようなセミパンタ式ワイパアームでは、駆動軸の駆動時にメインアームに対する連結部材の姿勢(角度)、ひいては連結部材のブレード連結部に連結されたワイパブレードの姿勢(角度)が変化して、好適な払拭範囲を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−166777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年ではブレード連結部に洗浄液を噴射するためのノズルを設けて払拭面に近い位置から洗浄液を噴射させることが考えられている。そして、このような場合、ノズルに接続されるホースをそのままメインアームやサブアームに保持させると、駆動時にメインアームやサブアームに対してノズルが設けられたブレード連結部の姿勢(角度)が変化するため、ブレード連結部の近傍でホースが弛んで払拭面に接触したり運転手の視界の邪魔になるといったことが考えられる。
【0005】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、駆動時にもホースを安定して保持することができるワイパアームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するワイパアームは、基端部が駆動軸に固定されるメインアームと、基端部が前記駆動軸と異なる位置の従動軸に回動可能に支持されるサブアームと、前記メインアームの先端部が回動可能に連結されるとともにその連結部位と異なる位置に前記サブアームの先端部が回動可能に連結される回動連結部、及び該回動連結部から前記メインアームの長手方向に沿って先端側に向けて延びてワイパブレードが連結されるブレード連結部を有する連結部材とを備えたワイパアームであって、前記連結部材には、前記ブレード連結部に洗浄液を噴射するためのノズルが設けられるとともに前記回動連結部における上壁から払拭面側に延びる側壁を有しており、前記回動連結部の前記側壁には、前記ノズルに接続されるホースを保持するホース保持部が設けられる。
【0007】
同構成によれば、ブレード連結部には、洗浄液を噴射するためのノズルが設けられるため、払拭面に近い位置から洗浄液を良好に噴射することができる。そして、回動連結部の側壁には、ノズルに接続されるホースを保持するホース保持部が設けられるため、駆動時でもホースをブレード連結部のノズルから回動連結部まで安定して保持することができる。即ち、ブレード連結部のノズルに接続されたホースが駆動時でもブレード連結部に対する姿勢が変わることのない回動連結部のホース保持部に保持されるため、その部位でホースが弛んでしまうことがなく、駆動時でも安定して保持することができる。
【0008】
上記ワイパアームであって、前記ノズルに接続された前記ホースは、前記連結部材において、前記メインアームの先端部及び前記サブアームの先端部と前記回動連結部との各連結部位の間を通過して前記ホース保持部にて保持されている。
【0010】
上記ワイパアームであって、前記ホース保持部は、前記回動連結部における前記側壁に形成された保持溝であり、該保持溝を介して前記ホースが前記側壁を貫通する態様で保持されている。
同構成によれば、ホース保持部は、前記回動連結部における前記側壁に形成された保持溝であるため、特に別部品を設けることなく、ホースを保持することができる。
【0011】
上記ワイパアームであって、前記保持溝は、前記側壁の内側に延びる内延部を有し、該内延部により前記ホースを挟持して保持することが好ましい。
同構成によれば、前記保持溝は、前記側壁の内側に延びる内延部を有し、該内延部により前記ホースを挟持して保持するため、例えば内延部を有していない側壁の板厚のままの保持溝にホースを挟持して保持する場合に比べて、接触面積を多くでき、ホースを傷めずに安定して保持することができる。また、内延部は、側壁の内側に延びるため、外側に延びる外延部とした場合に比べてワイパアームの外観見栄えが良好となる。
【0012】
上記ワイパアームであって、前記メインアームは、アーム上壁と該アーム上壁の両側から払拭面側に延びるアーム側壁とを有した断面コ字形状の部位を有し、前記ホースは、前記メインアームにおける断面コ字形状の部位の内部に収容されて、前記メインアームの基端側に導かれることが好ましい。
【0013】
同構成によれば、メインアームは、アーム上壁と該アーム上壁の両側から払拭面側に延びるアーム側壁とを有した断面コ字形状の部位を有し、前記ホースは、前記メインアームにおける断面コ字形状の部位の内部に収容されて前記メインアームの基端側に導かれるため、外部からはホースが見え難くなり、見栄えが良好となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のメインアームとサブアームとを有するワイパアームでは、駆動時にもホースを安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態における車両用ワイパの平面図。
図2】一実施形態におけるセミパンタ式ワイパアームの底面図。
図3】一実施形態におけるセミパンタ式ワイパアームの一部斜視図。
図4】一実施形態におけるセミパンタ式ワイパアームの一部断面図。
図5】一実施形態における保持溝を説明するための一部拡大図。
図6図5のA−A断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、車両用ワイパの一実施形態を図1図6に従って説明する。
図1及び図2に示すように、車両用ワイパは、メインアーム2とサブアーム3とでワイパブレード15の払拭姿勢を変化させるワイパアーム、すなわちセミパンタ式ワイパアーム1を備え、該セミパンタ式ワイパアーム1は、上記メインアーム2及びサブアーム3と、連結部材4とを備える。
【0017】
メインアーム2は、その基端部が図示しないワイパモータの駆動力にて往復回動する駆動軸6に固定される。このメインアーム2は、基端部が駆動軸6に固定されるアームヘッド7と、該アームヘッド7の先端部に基端部が回動可能に連結されるリテーナ8と、該リテーナ8の先端部に基端部が固定されるアームピース9とを有する。リテーナ8は、アーム上壁8a(図1参照)と該アーム上壁8aの両側から払拭面側(図1中、紙面奥側)に延びるアーム側壁8bとを有した断面コ字形状に形成され、その内部にはリテーナ8の先端側を払拭面側に付勢するための図示しないコイルスプリングが収容され、該開口はカバー10(図2参照)により覆われている。
【0018】
サブアーム3は、その基端部が前記駆動軸6と異なる位置の従動軸11に回動可能に支持される。このサブアーム3は、基端部が従動軸11に固定されるサブヘッド12と、該サブヘッド12の先端部に基端部が回動可能に連結されるサブピース13とを有する。なお、前記リテーナ8と前記サブピース13は、払拭姿勢状態(払拭面にワイパブレード15が接触した状態)と起立状態(ロックバック状態)とに切り替え可能にアームヘッド7とサブヘッド12に対して回動可能に連結されている。
【0019】
連結部材4は、メインアーム2(アームピース9)の先端部が回動可能に連結されるとともにその連結部位と異なる位置にサブアーム3(サブピース13)の先端部が回動可能に連結される回動連結部14、及び該回動連結部14から延びてワイパブレード15が連結されるブレード連結部16を有する。
【0020】
詳しくは、図3に示すように、回動連結部14とブレード連結部16とは延設部17によって一体に連結されたものであり、該延設部17はワイパアーム(メインアーム2)の長手方向に延設されている。上記回動連結部14、ブレード連結部16、及び延設部17は、上壁14a,16a,17aと該上壁14a,16a,17aの両側から払拭面側に延びる側壁14b,16b,17bとを有した断面コ字形状に形成されている。なお、この例では、まずワイパブレード15が連結されるブレード連結部16のタイプが、上壁16a及び側壁16bを有する断面コ字形状のタイプであって、そのブレード連結部16の側壁16bを活かすように該側壁16bから延設部17の側壁17b及び回動連結部14の側壁14bが連続的に形成されている。
【0021】
回動連結部14における上壁14aは、略長方形形状に形成され、その一端側にメインアーム2(アームピース9)の先端部が回動可能に連結され、他端側にサブアーム3(サブピース13)の先端部が回動可能に連結されている。
【0022】
具体的には、図4に示すように、回動連結部14における上壁14aの一端側にはバーリング加工により下方(払拭面方向)に筒状に延びた筒部14cが形成されている。そして、筒部14c内には筒状の金属カラー21が内嵌され、更に金属カラー21内には筒状の軸受22が内嵌されている。また、回動連結部14における上壁14aより上方に突出した軸受22にアームピース9の先端部に形成された貫通孔9aが外嵌され、その状態で軸受を貫通する接続部材23によって筒部14c、金属カラー21、軸受22、及びアームピース9の上下方向の相対移動が規制されて、アームピース9が回動連結部14に回動可能に支持されている。なお、接続部材23は、アームピース9の上面と当接する頭部24aと軸受22を貫通する軸部24bとを有する軸部材24と、軸部材24の先端部にカシメによって固定され、筒部14c、金属カラー21、及び軸受22の下面と当接する円盤部材25とからなる。また、サブアーム3(サブピース13)が回動連結部14に回動可能に連結される構成も同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0023】
図1に示すように、延設部17は、回動連結部14の一端側(メインアーム2が連結される側)から回動連結部14の短手方向であってメインアーム2が延びる側とは反対側(メインアーム2の先端側に向けて)に延びるとともに下方(払拭面方向であって、図1中、紙面奥側)に延び、更に斜め方向(ワイパブレード15の往動方向、言い換えるとサブアーム3とは反対側)に延びて形成されている。
【0024】
ブレード連結部16は、延設部17の先端から回動連結部14の短手方向(メインアーム2の長手方向)と略平行な方向に沿って延びて形成されている。そして、ブレード連結部16には、その内部(ブレード連結部16における上壁16aと側壁16bとで形成される内側)に一部が収容されるようにワイパブレード15が連結される。
【0025】
また、ブレード連結部16には、給送された洗浄液を払拭面側に噴射するためのノズル31が設けられている。詳しくは、ブレード連結部16における往動方向側の側壁16bには、固定孔16c(図2参照)が設けられ、該固定孔16cにノズル31が嵌着されている。ノズル31は、噴射口31aを有し前記側壁16bの外側(往動方向側)に配置されたノズル本体31bと、前記側壁16bの内側に配置された導入筒部31cとを有する。この導入筒部31cには、ホース32が接続(連通)される。
【0026】
そして、図2に示すように、ノズル31(導入筒部31c)に接続されたホース32は、セミパンタ式ワイパアーム1の基端側までメインアーム2を伝うように設けられ、図示しない車両に設けられたウォッシャポンプに接続(連通)される。
【0027】
ここで、図3及び図5に示すように、本実施形態では、前記連結部材4の回動連結部14に、ホース32を保持するホース保持部としての保持溝33が設けられている。この保持溝33は、回動連結部14における側壁14bに形成され、該側壁14bをホース32が貫通する態様で該ホース32を保持する。
【0028】
詳しくは、図5に示すように、本実施形態の保持溝33は、側壁14bの下端部(払拭面側端部)から上方に延びる縦溝33aと、縦溝33aの上端から側方に延びる横溝33bとを有し、ホース32が縦溝33aの下方から挿入され横溝33bの深部に軽圧入されることで、ホース32を挟持して保持する。即ち、保持溝33は、横溝33bの深部に軽圧入された際に僅かに潰されたホース32が元に戻ろうとする力を利用してホース32を挟持して保持する。
【0029】
また、図6に示すように、本実施形態の保持溝33は、側壁14bの内側に延びる内延部33cを有し、該内延部33cにより(内延部33cを有していない構成に比べて広い面積の内面33dで)ホース32を挟持して保持する。
【0030】
また、図2及び図3に示すように、本実施形態では、ノズル31(導入筒部31c)に接続されたホース32は、上記したように断面コ字形状に形成された連結部材4を構成しているブレード連結部16、延設部17及び回動連結部14の内部に収容された状態で回動連結部14に設けられた保持溝33に保持されている。
【0031】
また、図2に示すように、保持溝33に保持され回動連結部14の外部に導出されたホース32は、メインアーム2を伝いつつ、前記断面コ字状に形成されたリテーナ8の内部に収容されて(本実施形態では更に前記カバー10に覆われて)メインアーム2の基端側に導かれている。
【0032】
次に、上記のように構成された車両用ワイパ(セミパンタ式ワイパアーム1)の作用について説明する。
例えば、図示しないワイパスイッチが操作され、図示しないワイパモータが駆動されると、その駆動力にて駆動軸6が往復回動され、メインアーム2が往復揺動される。すると、連結部材4の回動連結部14に連結されたサブアーム3も往復揺動するとともに、メインアーム2に対する連結部材4の姿勢(角度)、ひいては連結部材4のブレード連結部16に連結されたワイパブレード15の姿勢(角度)が変化しながら、ワイパブレード15にて払拭面が払拭される。
【0033】
また、例えば、図示しないウォッシャスイッチが操作され、図示しないウォッシャポンプが駆動されると、ホース32を介してノズル31に洗浄液が給送され、ノズル31の噴射口31aから払拭面側に洗浄液が噴射される。このとき、洗浄液は、ワイパブレード15の往動方向側の払拭面に噴射され、ただちに往動するワイパブレード15にて払拭される。
【0034】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)ブレード連結部16には、洗浄液を噴射するためのノズル31が設けられるため、払拭面に近い位置から洗浄液を良好に(走行風等の影響をあまり受けずに好適な位置に)噴射することができる。そして、回動連結部14には、ノズル31に接続されるホース32を保持する保持溝33(ホース保持部)が設けられるため、駆動時でもホース32をブレード連結部16のノズル31から回動連結部14まで安定して保持することができる。即ち、ブレード連結部16のノズル31に接続されたホース32が駆動時でもブレード連結部16に対する姿勢が変わることのない回動連結部14の保持溝33に保持されるため、その部位でホース32が弛んでしまうことがなく、駆動時でも安定して保持することができる。その結果、例えば、ブレード連結部16の近傍でホース32が弛んで払拭面に接触したり運転手の視界の邪魔になるといったことを抑制することができる。
【0035】
(2)連結部材4は、回動連結部14、ブレード連結部16、及びそれらを連結する延設部17が、上壁14a,16a,17aと該上壁14a,16a,17aの両側から払拭面側に延びる側壁14b,16b,17bとを有した断面コ字形状に形成されており、ホース32は、連結部材4の内部にブレード連結部16及び延設部17に亘って収容される。よって、外部からはホース32が見え難くなり、セミパンタ式ワイパアーム1の外観見栄えが良好となる。
【0036】
(3)ホース保持部としての保持溝33は、回動連結部14における側壁14bに形成されたものであるため、特に別部品を設けることなく、ホース32を保持することができる。
【0037】
(4)保持溝33は、側壁14bの内側に延びる内延部33cを有し、該内延部33cによりホース32を挟持して保持するため、例えば内延部33cを有していない側壁の板厚のままの保持溝にホース32を挟持して保持する場合に比べて、接触面積を多くでき、ホース32を傷めずに安定して保持することができる。また、内延部33cは、側壁14bの内側に延びるため、外側に延びる外延部とした場合に比べてセミパンタ式ワイパアーム1の外観見栄えが良好となる。
【0038】
(5)メインアーム2は、アーム上壁8aと該アーム上壁8aの両側から払拭面側に延びるアーム側壁8bとを有した断面コ字形状のリテーナ8を有し、ホース32は、リテーナ8の内部に収容されて(本実施形態では、更にカバー10に覆われて)メインアーム2の基端側に導かれるため、外部からはホース32が見え難くなり、見栄えが良好となる。
【0039】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、回動連結部14、ブレード連結部16、及びそれらを連結する延設部17は、上壁14a,16a,17aと側壁14b,16b,17bとを有した断面コ字形状に形成されるとしたが、これに限定されず、例えば、それらの一部又は全部が単なる板状等、他の形状としてもよい。なお、この場合、ホース32は、その少なくとも一部がブレード連結部16、延設部17及び回動連結部14の内部に収容されていない構成となる。
【0040】
・上記実施形態では、ホース保持部は、回動連結部14における側壁14bに形成された保持溝33であるとしたが、これに限定されず、例えば、回動連結部14に嵌着される別部品を用いてホース32を回動連結部14に保持する構成としてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、保持溝33は、側壁14bの内側に延びる内延部33cを有し、該内延部33cによりホース32を挟持して保持する構成としたが、これに限定されず、内延部33cを有していない(側壁14bの板厚のままホース32を挟持して保持する)構成としてもよい。また、側壁14bの外側に延びる外延部を有した形状として該外延部によりホース32を挟持して保持する構成としてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、メインアーム2は、断面コ字形状のリテーナ8を有し、ホース32は、リテーナ8の内部に収容されて(更にカバー10に覆われて)メインアーム2の基端側に導かれるとしたが、これに限定されず、ホース32がメインアーム2の一部にも収容されていない構成としてもよい。また、リテーナ8の内部に収容されながらもカバー10に覆われていない(カバー10を有していない)構成としてもよい。また、ホース32は、サブアーム3を伝ってサブアーム3の基端側に導かれる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…セミパンタ式ワイパアーム(ワイパアーム)、2…メインアーム、3…サブアーム、4…連結部材、6…駆動軸、8…リテーナ(メインアームの断面コ字形状の部位)、8a…アーム上壁、8b…アーム側壁、11…従動軸、14…回動連結部、14a,16a,17a…上壁、14b,16b,17b…側壁、15…ワイパブレード、16…ブレード連結部、17…延設部、31…ノズル、32…ホース、33…保持溝(ホース保持部)、33c…内延部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6