【実施例】
【0019】
図1〜
図4に示すように、給湯器1はガス燃焼式の温水装置であり、カラー鋼板製の箱状の外装ケース2内に、送風ファン3、ガス燃焼バーナー4、1次熱交換器5(顕熱回収用熱交換器)、2次熱交換器6(潜熱回収用熱交換器)、2次熱交換器6から発生するドレンを中和する中和器7、暖房用熱媒(水)を収容する膨張タンク8、制御基板収納用の電装ケース9、警報端子箱10等の機器類と、燃焼排ガスを放出する排気筒11の一部と、配管類とが収容されている。以下、
図2に示すように前後と左右と上下の各方向を定義して説明する。
【0020】
外装ケース2は、上面板20と左側板21と右側板22と底面板23と背面板(図示略)と前面カバー(図示略)とで箱状に構成され、上面板20と左側板21と右側板22の前端部にはフランジ2aが形成されている。背面板の上端部と下端部には、上方と下方へ突出する温水装置取付板24が固定され、この温水装置取付板24を複数のビスで壁面に固定することで給湯器1が壁面に取付けられる。
【0021】
給湯器1の電装ケース取付構造は、給湯器1の外装ケース2内に制御基板収納用の電装ケース9を取付ける取付構造である。
図2〜
図6に示すように、電装ケース取付構造の取付金具30は、外装ケース2内に固定された中和器7(所定の機器)の前面側に位置する本体部31と、中和器7の前面に当接する当接部32と、中和器7の背面に係止される係止部33と、当接部32から左方に離隔した左端部に形成された支持部34と、電装ケース9を固定する固定部35とを有する。
図3〜
図7に示すように、電装ケース取付構造は、取付金具30の他に、支持部34を外装ケース2内のバーナー付属機器取付板25(特定の機器の付属部材)に連結する補助金具40を備えている。
【0022】
図1、
図2に示すように、中和器7は所定の前後幅を有し、この中和器7は、中和器本体7aと、この中和器本体7aの上端に連なるキャップ取付部7bと、ドレン管接続部7cと、キャップ取付部7bに形成された2つの中和剤投入口を蓋する2つのキャップ7dと、中和器7の左側部に一体形成された鉛直の台形板状の支持ブラケット7eとを有する。
【0023】
図5、
図6に示すように、取付金具30の本体部31は、逆T形に形成されてその上端から後方へ延びるように係止部33が形成され、本体部31の右端部から後方へ延びるように当接部32が形成され、左端部から後方へ延びるように支持部34が形成され、下端側部位の左端部と右端寄り部位に電装ケース9を固定する2つの固定部35が形成されている。前記の本体部31は、中和器7の前面から前方へ小距離だけ離隔状に配設されている。
【0024】
図2〜
図6に示すように、取付金具30の係止部33は、本体部31の上端から中和器7のキャップ取付部7bの上面近傍に沿って後方に水平に延びる腕部33aと、この腕部33aの後端から下方へ折曲された係止爪部33bとを有し、この係止爪部33bがキャップ取付部7bの後面に係止される。
【0025】
取付金具30の当接部32は、本体部31の右端部から後方へ所定長さ伸びる腕部32aと、この腕部32aの後端から左方へ折曲させた当接片32bとを有し、当接片32bが中和器7の中和器本体7aの前面に当接される。
【0026】
取付金具30の支持部34は、本体部31の左端から後方へ所定長さ延びる腕部34aと、この腕部34aから左方へ直角に折曲させた支持片34bとを有し、この支持片34bには1つのビス穴34cが形成されている。
【0027】
図2、
図5、
図6、
図9に示すように、電装ケース9は、ケース本体36と蓋部材37とを有し、蓋部材37の下端の連結部をケース本体36の連結部36aに連結し、蓋部材37の3つの係合爪37aをケース本体36の係合部36aに夫々係合させることで、電装ケース9は箱状になる。
【0028】
取付金具30の2つの固定部35にはビス穴が夫々形成されており、電装ケース9の上端の2つの取付部36bが2つの固定部35に夫々ビス38で締結される。
電装ケース9の下端部の左端側部位には下方へ突出するロッド部36cが形成され、このロッド部36cを底面板23の左端寄り部位に形成されたロッド支持孔(図示略)に嵌入することで、電装ケース9の下端部が支持されている。
【0029】
図4、
図7、
図8に示すように、補助金具40は、前端部材41と、この前端部材41の左端側部位から後方へ所内長さ水平に延びる腕部材42と有する。前端部材41は、正面視クランク状の本体部41aと、この本体部41aの左端部に前方へ一段段上がりする屈曲状に一体形成された左端連結部41bと、本体部41aの右端に形成された右端連結部41cと、本体部41aの上端から後方へ折曲されたフランジ部41dとを有する。
【0030】
左端連結部41bには、2つのビス穴43a,43bが形成され、右端連結部41cには2つのビス穴44が形成される共にその下端から前方へ折曲させた折曲片45が形成されている。前記の腕部42の後端には、下方へ折曲された係止爪42aが形成されている。
【0031】
図3、
図4に示すように、中和器7の背面側近傍には、鉛直姿勢のバーナー付属機器取付板25が中和器7と平行に配設されている。補助金具40は、この取付板25の左端側の下端部から下方且つ左方へ張り出す状態に配設され、右端連結部41cはその2つのビス穴44に螺合させたビス46で締結することで取付板25に固定されている。
【0032】
取付金具30の支持部34の支持片34bと左端連結部41bの間に中和器7の支持ブラケット7eを挟持した状態で、支持片34bと支持ブラケット7eと左端連結部41bとをビス48で共締めすることで、支持部34と左端連結部41bとが中和器7に連結されている。左端連結部41bはビス穴43aに螺合させたビス47で膨張タンク8に締結固定されている。腕部42の係止爪42aは、バーナーケース支え板49の後面に係止されている。
【0033】
次に、以上説明した給湯器の電装ケース取付構造の作用、効果について説明する。
取付金具30が、中和器7の前面側に位置する本体部31と、中和器7の前面に当接する当接部32と、中和器7の背面に係止される係止部33と、電装ケース9を固定する固定部35とを備えているため、当接部32を中和器7の前面に当接させ、係止部33を中和器7の背面に係止させることにより取付金具30を中和器7に支持させ、固定部35に電装ケース9を固定することができる。
【0034】
このように、外装ケース2に直接固定する部材を用いることなく、簡単な構造の取付金具30を用いて、電装ケース9を外装ケース2内に固定することできる。
取付金具30は当接部32から離隔した支持部34を有し、支持部34を外装ケース2内のバーナー付属機器取付板25に連結する補助金具40を設けるため、補助金具40により支持部34を前記の取付板25に支持させることができる。
【0035】
また、前記支持部34と、補助金具40の左端連結部41bとの間に、中和器7の支持ブラケット7eを共締めにより締結し、左端連結部41bを膨張タンク8にビス47で固定するため、膨張タンク8により補助金具40と中和器7と取付金具30を支持することができる。
【0036】
補助金具40の腕部42の係止爪42aは、バーナーケース支え板49の後面に係止されているため、前記取付板25と取付金具30を前方移動しないように規制し、電装ケース9の位置を所期の位置に保持することができる。
【0037】
前記中和器7は所定の前後幅を有し、前記係止部33は中和器7の上面近傍に沿って後方に延びているため、前後幅を有し剛性のある中和器7に取付金具30を支持させることができる。
【0038】
前記中和器7が、中和器本体7aと、この中和器本体7aの上端に連なるキャップ取付部7bとを有し、係止部33がキャップ取付部7bに係止されるため、係止部33をキャップ取付部7bに係止させるため、取付金具30を容易に取付けることができる。
【0039】
前記実施例は一例を示すものに過ぎず、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態をも包含するものである。