特許第6805792号(P6805792)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805792
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20201214BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20201214BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20201214BHJP
   B60K 11/06 20060101ALI20201214BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
   H01M10/613
   H01M10/6554
   H01M10/6551
   H01M10/44 P
   B60K1/04 Z
   B60K11/06
   H05K7/20 B
【請求項の数】2
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-242329(P2016-242329)
(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公開番号】特開2018-98060(P2018-98060A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】井上 美光
【審査官】 小川 進
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−153675(JP,A)
【文献】 特開2014−165100(JP,A)
【文献】 特開2010−009990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/613
H01M 10/6551
H01M 10/6554
H01M 10/44
B60K 1/04
B60K 11/06
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池(21)と、
前記二次電池を収容する筐体の一部であって放熱壁(35)および前記放熱壁に対して熱移動可能に設けられた側壁(37)を有するベース(30)と、
前記ベースにおいて前記側壁に設けられて車両側部材(19)に固定される固定部(32)と、
放出する熱が前記放熱壁または前記側壁へ移動可能なように設けられた電気部品(52,53A,53B,53C,53D)と、
を備え、
前記電気部品は、電流を制御するスイッチ装置である第1の電気部品(53A,53B)と、電流を制御するスイッチ装置であり前記第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品(53C,53D)とを含んでおり、
前記固定部は、前記第1の電気部品および前記第2の電気部品をなす複数グループのスイッチ装置が一列に並ぶ方向に前記ベースに対して突出する第1の固定部と、前記一列に並ぶ方向に対して交差する方向に前記ベースに対して突出して設けられた第2の固定部と、を備え、
前記第1の固定部と前記第2の固定部の両方は、平面視した状態で前記第2の電気部品よりも前記第1の電気部品に近い位置に設置されている電池パック。
【請求項2】
二次電池(21)と、
前記二次電池を収容する筐体の一部であって放熱壁(35)および前記放熱壁に対して熱移動可能に設けられた側壁(37)を有するベース(30)と、
前記ベースにおいて前記側壁に設けられて車両側部材(19)に固定される固定部(32)と、
放出する熱が前記放熱壁または前記側壁へ移動可能なように設けられた電気部品(52,53A,53B,53C,53D)と、
を備え、
前記電気部品は、電流を制御するスイッチ装置である第1の電気部品(53A,53B)と、電流を制御するスイッチ装置であり前記第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品(53C,53D)とを含んでおり、
前記第1の電気部品は、平面視した状態で前記第2の電気部品よりも前記固定部に近い位置に設置されており、
前記第1の電気部品は、
発電機能および車両の動力出力機能を発揮する回転機(104)と外部電池(101)との間の電流制御を行う第1のスイッチ装置(53A)と、
前記回転機と前記二次電池との間の電流制御を行う第2のスイッチ装置(53B)と、
を含み、
前記第2の電気部品は、
車両の電気負荷(103)と前記外部電池との間の電流制御を行う第3のスイッチ装置(53C)と、
前記電気負荷と前記二次電池との間の電流制御を行う第4のスイッチ装置(53D)と、
を含み、
前記第1のスイッチ装置、前記第2のスイッチ装置、前記第3のスイッチ装置および前記第4のスイッチ装置は、一列に並んで設置されており、
前記固定部は、前記一列に並ぶ方向に前記ベースに対して突出して設けられ、前記第3のスイッチ装置および前記第4のスイッチ装置よりも前記第1のスイッチ装置および前記第2のスイッチ装置に近い位置に設置されている電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、電池を収容する電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池を収容する電池パックが開示されている。収容ケースは、底板部と底板部から起立する立ち壁部とを有している。底板部は、組電池モジュールが載置されるモジュール載置部となっており、底板部上に組電池モジュールが載置された状態ではその組電池モジュールが立ち壁部により取り囲まれている。
【0003】
収容ケースは、ベースとカバーとから構成されている。組電池モジュールと制御基板とは、組電池モジュールが下、制御基板が上になるように互いに上下に対向配置され、それぞれベースに対して固定されている。ベースには、組電池モジュールや制御基板で生じた熱を外部に放出する放熱手段が設けられている。この放熱手段は、底板部の下面側には放熱用のリブが設けられている。この場合、組電池モジュールや制御基板にて生じた熱は、立ち壁部を介して底板部に伝わり、底板部のリブからユニット外に放出される。
【0004】
また、底板部の上面側には、制御基板の裏面側に対向するようにしてパワー素子用の放熱部が設けられている。放熱部は、その上面が制御基板に対向する対向板部となっており、その対向板部の下面側に複数の放熱用のフィンが設けられている。放熱部は、制御基板においてパワー素子の実装部分に対向して設けられており、パワー素子にて生じた熱は、対向板部に伝わり、さらにフィンからユニット外に放出される。
【0005】
底板部には、立ち壁部よりも外側にフランジが設けられている。フランジはユニット固定用のボルト等によって車両側部材に固定される。このフランジは、制御基板に設置されているパワー素子等の熱が対向板部を介して車両側部材へ放熱されるときに放熱経路の一部として機能する。従来技術として列挙された先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−13722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電池パックでは、パワー素子等の発熱体と車両側部材に固定されるフランジとの位置関係や両者間の距離について、放熱性確保のために十分な規則性が見いだせない。例えば、発熱量が大きい第1の電気部品からフランジに至る放熱経路の途中に、第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品が存在する場合、第1の電気部品からフランジへの放熱を阻害するばかりでなく、第2の電気部品に対する熱的影響がある。このため、電気部品の発熱が車両側部材へ効率的に放熱できないという問題がある。
【0008】
このような課題に鑑み、この明細書における開示の目的は、電気部品から筐体のベースが固定される車両側部材への放熱性能の向上が図れる電池パックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
開示された電池パックのひとつは、二次電池(21)と、二次電池を収容する筐体の一部であって放熱壁(35)および放熱壁に対して熱移動可能に設けられた側壁(37)を有するベース(30)と、ベースにおいて側壁に設けられて車両側部材(19)に固定される固定部(32)と、放出する熱が放熱壁または側壁へ移動可能なように設けられた電気部品(52,53A,53B,53C,53D)と、を備え、
電気部品は、電流を制御するスイッチ装置である第1の電気部品(53A,53B)と、電流を制御するスイッチ装置であり第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品(53C,53D)とを含んでおり、
固定部は、第1の電気部品および第2の電気部品をなす複数グループのスイッチ装置が一列に並ぶ方向にベースに対して突出する第1の固定部と、当該一列に並ぶ方向に対して交差する方向にベースに対して突出して設けられた第2の固定部と、を備え、
第1の固定部と第2の固定部の両方は、平面視した状態で第2の電気部品よりも第1の電気部品に近い位置に設置されている。
【0011】
この電池パックによれば、第2の電気部品よりも発熱量が大きい第1の電気部品を平面視で第2の電気部品よりも固定部に近い位置に設置する構成により、第1の電気部品から固定部への放熱経路に第2の電気部品を設置しない位置関係を実現できる。この位置関係により、第2の電気部品に対して熱影響を与えにくい形態で第1の電気部品の固定部への放熱を行うので、第1の電気部品から車両側部材への放熱を阻害せず、第2の電気部品に対する第1の電気部品からの熱負荷を抑制する放熱を実施できる。したがって、電気部品から筐体のベースが固定される車両側部材への放熱性能の向上が図れる電池パックを提供できる。
開示された電池パックのひとつは、二次電池(21)と、二次電池を収容する筐体の一部であって放熱壁(35)および放熱壁に対して熱移動可能に設けられた側壁(37)を有するベース(30)と、ベースにおいて側壁に設けられて車両側部材(19)に固定される固定部(32)と、放出する熱が放熱壁または側壁へ移動可能なように設けられた電気部品(52,53A,53B,53C,53D)と、を備え、
電気部品は、電流を制御するスイッチ装置である第1の電気部品(53A,53B)と、電流を制御するスイッチ装置であり第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品(53C,53D)とを含んでおり、
第1の電気部品は、平面視した状態で第2の電気部品よりも固定部に近い位置に設置されており、
第1の電気部品は、発電機能および車両の動力出力機能を発揮する回転機(104)と外部電池(101)との間の電流制御を行う第1のスイッチ装置(53A)と、回転機と二次電池との間の電流制御を行う第2のスイッチ装置(53B)と、を含み、
第2の電気部品は、車両の電気負荷(103)と外部電池との間の電流制御を行う第3のスイッチ装置(53C)と、電気負荷と二次電池との間の電流制御を行う第4のスイッチ装置(53D)と、を含み、
第1のスイッチ装置、第2のスイッチ装置、第3のスイッチ装置および第4のスイッチ装置は、一列に並んで設置されており、
固定部は、一列に並ぶ方向にベースに対して突出して設けられ、第3のスイッチ装置および第4のスイッチ装置よりも第1のスイッチ装置および第2のスイッチ装置に近い位置に設置されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の電池パックを示す斜視図である。
図2】第1実施形態の電池パックについてカバーを外した状態を示す平面図である。
図3】第1実施形態の電池パックに関わる回路図である。
図4】第1実施形態の電池パックにおけるベースを示す斜視図である。
図5】第1実施形態の電池パックについて下面側と車両側部材との位置関係を示す下面図である。
図6】第1実施形態の電池パックにおけるベースの下面側を示す斜視図である。
図7】第2実施形態の電池パックにおいて、スイッチ装置とステーとの位置関係を示した部分平面図である。
図8】第3実施形態の電池パックにおいて、スイッチ装置とステーとの位置関係を示した部分平面図である。
図9】第4実施形態の電池パックにおいて、スイッチ装置とステーとの位置関係を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態の電池パック1について、図1図6を参照して説明する。各図には、上下方向または高さ方向H1、幅方向W1、および奥行方向D1が図示されている。この実施形態の電池パック1では、設置例の一つとして、高さ方向H1を鉛直方向に設定している。幅方向W1と奥行方向D1は、高さ方向H1に直交する横方向でもある。
【0015】
電池パック1は、複数の単電池21を搭載する乗り物に適用することができる。乗り物の一例は車両である。電池パック1は、例えば車両の座席の下に搭載される。電池パック1は、自動車の前部座席と床との間、後部座席と床との間、後部座席とトランクルームとの間の空間、運転席と助手席の間の空間などに配置されている。車両は、例えば、電池パック1を、内燃機関と電池駆動のモータとを組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車、電池駆動のモータによって走行する電気自動車等である。この実施形態では、電池パック1をハイブリッド自動車に搭載する例について説明する。
【0016】
この実施形態での電池パック1は、例えば、幅方向W1が車両の幅方向になるように設置されている。この場合、幅方向W1は、外部から車両の側部に衝撃が加わる側突時の衝突荷重方向に相当する。
【0017】
図1に示すように、電池パック1は、カバー11とベース30とを備える。電池パック1は、カバー11およびベース30を少なくとも有する筐体の一部が車両側部材19に固定されている。カバー11とベース30とは、電池パック1の外殻を形成し、電池パック1のハウジングを構成する。カバー11とベース30とは、各機能部品を収容するパックケースである。カバー11は樹脂製である。カバー11は電池パック1の上部または天井部の外殻を構成する。ベース30は電池パック1の下部または底部の外殻を構成する。
【0018】
図2は、カバー11を取り除いた状態の電池パック1を示している。電池パック1は乗り物の発電電動機(MG)15と協働する。電池パック1は乗り物の電動システムを提供する。発電電動機15は内燃機関(EG)16と連結されている。電池パック1は車両における電気負荷(LD1)17、電気負荷(LD2)18に接続されている。電気負荷17はバッテリおよびスタータのような大電流が流れる電気負荷である。電気負荷18はバッテリおよびスタータを除く車両の複数の電気負荷の一部または全部である。
【0019】
発電電動機15は、内燃機関16によって駆動されることで発電機として機能する。発電電動機15によって発電された電力の少なくとも一部が電池パック1に供給されることにより、電池パック1は充電される。発電電動機15には電池パック1から電力が供給されることにより、発電電動機15は電動機として機能する。発電電動機15は、内燃機関16とともに動力源として機能する。例えば、発電電動機15は、内燃機関16が供給する動力を上回る動力、または、内燃機関16が供給する動力を補助する動力を供給する。
【0020】
電池パック1は、電池ユニット20とベース30とバスバユニット40と電気回路50とを備える。ベース30には、電池ユニット20とバスバユニット40と電気回路50とが搭載されている。電気回路50は基板51と複数の電気部品52とを含む機能部品である。ベース30は、電池ユニット20を設置するための凹状の容器部31を有する。ベース30は、電池ユニット20の一部(例えば下部)のみを容器部31に収容しており、電池ユニット20の残部(例えば上部)は、ベース30から突出している。電池ユニット20とバスバユニット40と電気回路50とは、組立方向である高さ方向H1に沿ってベース30に装着される。電池ユニット20とバスバユニット40と電気回路50とは、複数のスクリュ、またはボルトなどの締結部材によってベース30に固定されている。
【0021】
電池パック1は、電池ユニット20と電気回路50とを電気的に接続するための導電性の接続部材80を有する。電池ユニット20は、主要な端子を有している。主要な端子は、断続的に制御される出力ラインを提供する。主要な端子は、電池ユニット20としてのトータルプラス端子である。接続部材80は、トータルプラス端子と電気回路50とを接続する導電性部材である。
【0022】
この実施形態では、接続部材80は、所定の形状の金属板であるバスバで提供される。バスバは、電池パック1の製造方法において、金属板を所定の形状に切断し、所定の形状に曲げること等によって製作される。接続部材80は、電池ユニット20に接続される第1バスバ81と、電気回路50に接続される第2バスバ82と、を有する。接続部材80は、第1バスバ81と第2バスバ82とを締め付けるボルト等の固定部材83を有している。
【0023】
第1バスバ81は、電池ユニット20に含まれる複数の単電池21におけるトータルプラス端子に固定手段によって固定されることにより電気的に接続されている。第1バスバ81は、固定部材83を受け入れるための開口部を有している。第1バスバ81は、電池ユニット20から、基板51に向けて、奥行方向D1に沿って突出する形状を有する。固定部材83は、高さ方向T1に沿って第1バスバ81を締め付けている。固定部材83は、高さ方向T1に沿って第2バスバ82を締め付けている。第2バスバ82は、締め付け位置から、基板51の下側に回り込み、基板51に向けて延びている。第2バスバ82は、基板51を貫通する複数の端子を有している。第2バスバ82は、電気回路50に固定手段によって固定されることにより電気的に接続されている。固定手段ははんだである。固定手段は、溶接、ボルトによる締め付けなど多様な手段により提供することもできる。第2バスバ82は、電気回路50に接続するための複数の端子部を有している。第2バスバ82は、固定部材83を受け入れるための開口部を有している。
【0024】
電池ユニット20は、複数の単電池21を収容する電池ケース22を有する。電池ケース22は、電気絶縁性の樹脂製である。電池ケース22は、複数の単電池21を収容する容器の一部である。電池ケース22は、複数の単電池21を互いに固定している。さらに、電池ケース22は、複数の単電池21をベース30に固定する固定部材でもある。電池ケース22は、電池ユニット20をベース30に固定するための複数のブラケットを有する。電池ケース22は、壁の強度を高めるために、および、または、電池ケース22とベース30との間の隙間を小さくするために、複数のリブを有している。
【0025】
電池ユニット20はモニタモジュール23を有する。モニタモジュール23は、電気絶縁性の樹脂部材24と、複数の単電池21に接続されるモニタ接続部材25とを有している。モニタ接続部材25は、樹脂部材24の中にインサート成形によって埋設されている。モニタ接続部材25は、樹脂部材24の中を通って、単電池21と電気回路50とを接続している。モニタモジュール23は、複数の水検出電極を備える水センサを有している。モニタモジュール23は、6面体である電池ケース22の一面に沿って配置されている。モニタモジュール23は電池ケース22の蓋でもある。
【0026】
ベース30は導電性の金属製である。ベース30はキャリアとも呼ばれる。ベース30は、例えばアルミニウム−ダイカストで形成することができる。ベース30は高い熱伝導性を有するとともに高い剛性を有する。ベース30は電池ユニット20を受け入れる容器部31を備える。ベース30は、複数のステー32a,32b,32c,32dを有する。複数のステー32a,32b,32c,32dは、総称してステー32と呼ばれる。ステー32は、電池パック1を車両に固定するために、車両側部材19に固定される固定部である。車両側部材19は、電池パック1を固定するために電池パック1が装着される車両の一部であり、例えば板状のフレーム、パネルである。ステー32には、ステー32を車両側部材19に固定するための固定手段の一例であるボルト等を挿通するための取付穴が設けられている。ステー32は、車両側部材19に対して溶接等の固定手段によって固定される形態でもよい。
【0027】
図4図6に示すように、筐体の一部であるベース30は、単電池21およびステー32よりも外側に突出した位置にある幅方向端部36に設けられた薄肉部36aを備える。幅方向端部36は、ベース30において、容器部31および放熱壁35よりも外側に位置する部位であり、基板51の弱電部52aが設置されている部分である。薄肉部36aは、基板51に対向するベース30の下面側から断面矩形状に凹む溝部によって構成される、周囲よりも剛性が低い脆弱部である。薄肉部36aは、幅方向端部36において車両の前後方向の長さ全体にわたって一列に並ぶように設けられる複数の溝部によって構成されている。この構成により、ベース30は、幅方向端部36において車両の前後方向の長さ全体にわたって脆弱部を備えることになり、外力が作用することによって車両の前後方向の長さ全体にわたって幅方向端部36が折れやすくなる。
【0028】
薄肉部36aは、基板51に載置されている幅方向端部36の下面から上面に向かって凹む溝部によって構成される部分である。薄肉部36aは、溝部を形成する凹みの深さ寸法分、周囲の部分よりも肉厚が薄くなっている。また、薄肉部36aは、幅方向端部36の上面から下面に向かって凹む溝部によって構成される部分であってもよい。複数の溝部は、車両の幅方向W1に並ぶ複数列に構成するように設けられる形態でもよい。
【0029】
幅方向端部36は、電池パック1において車両の幅方向W1の端部に設けられている。幅方向端部36は、ベース30において車両外板の側部に近い位置にある板状部分である。幅方向端部36は、ベース30の中で車両外郭の側部、例えばドア部に向かい合う位置関係となるように設けられている。したがって、車両側部に衝撃が与えられた場合、例えば車両側部に何らかの物体が衝突した場合には、車両外郭の側部が内側に凹むことに伴い、電池パック1においてベース30の幅方向端部36に外力が作用することになる。
【0030】
薄肉部36aは、ベース30の周囲の部分よりも外力によって変形しやすい強度となるように構成された脆弱部である。薄肉部36aは、ベース30の周囲の部分よりも肉厚寸法が小さい部分を構成し、幅方向端部36の中で剛性が低い部分に対応する。
【0031】
薄肉部36aは、車両側部材19との固定部であるステー32bが単電池21に対して突出する方向に対して交差する方向に単電池21よりも突出した位置に設けられている。薄肉部36aは、ステー32bが単電池21に対して突出する車両の前後方向に対して交差する車両の幅方向W1に単電池21よりも車両外郭の側部側に突出した位置に設けられている。薄肉部36aは、単電池21およびステー32b,32dよりも車両の幅方向W1に関して外側に突出した位置に設けられており、単電池21およびステー32b,32dよりも車両側部に近い位置に存在する。ステー32b,32dは、車両の前後方向に関して薄肉部36aよりも突出する位置に設けられている。薄肉部36aは、ステー32bが固定される車両側部材19よりも車両の幅方向W1に突出した位置に設けられており、車両側部材19よりも車両側部に近い位置に存在する。
【0032】
バスバユニット40は、電池ユニット20の電力端子から延びる電力経路を提供する。バスバユニット40は、電気絶縁性の樹脂部材と、電池ユニット20に接続される電力接続部材とを有している。バスバユニット40は、ベース30の上に固定されている。バスバユニット40は、電力端子41と電力端子42と電力端子43とを有する。バスバユニット40は、少なくとも2つの電力接続部材を有する。ひとつの電力接続部材は、電池ユニット20のひとつの電力端子と他の電力端子との間に設けられて電気的接続を提供する。外側の電力端子41は発電電動機15に接続されている。電力端子41よりも内側に位置する電力端子42は、電気負荷17に接続されている。電力端子43は、電気負荷18に接続されている。バスバユニット40は、複数の電力端子41、42、43と電池ユニット20と電気回路50とを接続する部材でもある。
【0033】
電気回路50は、ベース30の上に固定されている。電気回路50は、電池ユニット20の横に広がるように設けられる。電気回路50は、電池ユニット20のひとつの一面の横と、電池ユニット20の他の一面の横とにわたって広がる大きさ、形状である。電池ユニット20は、ほぼ四辺形のベース30のひとつの隅部に設置されている。電気回路50は、ベース30上に電池ユニット20の横に広がるカギ型またはL字型に渡る範囲を占める。電気回路50は、モニタモジュール23に沿うように設置されている。電気回路50の一部は、電池ユニット20のモニタモジュール23側の横に広がる範囲に設置されている。電気回路50の他の一部は、電池ユニット20の横であって、モニタモジュール23の周囲面の横に広がるように設置されている。
【0034】
電気回路50は、基板51と複数の電気部品52とを有する。基板51は、配線パターンが設けられた、いわゆるプリント基板である。基板51は、L字型、またはカギ型と呼べる平板である。基板51は、電気回路50が占める水平範囲にわたって広がっている。基板51は、ベース30に設けられる放熱壁35の上に設置されている。基板51と放熱壁35とは、基板51から放熱壁35へ熱が移動可能なように、直接接触した状態で、または熱伝導性に優れたシート、ジェル等の熱伝導性部材を介して間接的に熱接触した状態で、結合している。放熱壁35とステー32とは、ベース30の他の部位を通じて熱移動可能に一体に形成されている。このため、基板51から放熱壁35に伝達した熱は、第1の側壁37に設けられているステー32を通じて車両側部材19に放熱する放熱経路が構築されている。
【0035】
図5図6に示すように、ベース30は、少なくとも放熱壁35と第1の側壁37とをつなぐ一つ以上のリブ38を有している。リブ38は、放熱壁35と第1の側壁37とを結ぶ最短距離の方向に沿って延びる面を有する。リブ38は、ベース30の下面側において放熱壁35から突出する板状の壁である。リブ38は、一つの端部が放熱壁35から突出し、一つの端部が第1の側壁37から突出する形状である。
【0036】
複数のリブ38は、放熱壁35と第1の側壁37とを結ぶ最短距離の方向に対して交差する方向に並んでいる。図5に示すように、複数のリブ38は、放熱壁35の横幅寸法に対して同等以上の長さにわたって並んでいる。複数のリブ38は、ベース30を下面視した状態で、強電部52bと弱電部52aの両方にわたって設置されている。複数のリブ38は、放熱壁35の横幅寸法に対して同等以上の長さにわたって並んでいる。複数のリブ38は、第1の側壁37に対してステー32a,32bが突出する方向について交差する方向、または直交する方向に並んでいる。
【0037】
リブ38の先端は、容器部31の底壁31cよりもステー32寄りの高さに位置している。リブ38の先端は、底壁31cよりも上方に位置し、ステー32寄りに位置している。リブ38は、複数の薄肉部36aに沿うように延びる、放熱壁35と第1の側壁37とをつなぐ板状の壁である。
【0038】
ステー32は、互いに向かい合うように設けられる第1の側壁37および第2の側壁にそれぞれ設けられまたは第1の側壁37および第2の側壁のそれぞれから突出するように設けられている構成でもよい。この場合、リブ38は、第1の側壁37と第2の側壁37Aとをつなぐ壁である。
【0039】
リブ38によれば、電気部品52であるスイッチ装置53の発熱は、下方の基板51を介して放熱壁35に移動し、放熱壁35から第1の側壁37を伝わって下方に移動するとともに、放熱壁35からリブ38を伝わって第1の側壁37に移動させることができる。さらに熱は、第1の側壁37から、下部にあるステー32を介して車両側部材19に伝わって外部に放出される。この放熱経路によれば、放熱壁35から放熱壁35に沿って第1の側壁37に伝わる経路と、放熱壁35から下方に移動してリブ38を介して第1の側壁37に伝わる経路と、を構成できる。したがって、電池パック1によれば、発熱体の放熱経路として、空気よりも熱伝導率の高い固体を伝わる伝熱経路を構成できる。
【0040】
基板51は単一の基板である。基板51の上には、複数の電気部品52が配置されている。電気部品52は、電池パック1において発熱する物品の一つであり、発熱体に相当する。基板51は複数の接続部分を有している。複数の接続部分の一部または全部は、バスバユニット40の電力接続部材と電気部品52との接続を提供する。電気回路50は複数の単電池21に接続されている。複数の電気部品52は制御部100を提供する。制御装置は電池ユニット20に含まれる複数の単電池21のそれぞれの電圧を監視する。制御装置は、複数の単電池21のそれぞれの充電状態、放電状態を監視する。制御装置は、複数の単電池21のそれぞれの充電状態を適正に制御する。単電池21は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン電池、有機ラジカル電池である。
【0041】
複数の電気部品52は、単数または複数のスイッチ装置53を含む。スイッチ装置53は電気回路50によってオンオフ制御される装置である。スイッチ装置53は、電池ユニット20の出力を断続的に制御することができる。スイッチ装置53は、電池ユニット20のトータルプラス端子から供給される電流を断続する。スイッチ装置53は基板51の上に実装されている。スイッチ装置53は、トランジスタ、MOS、またはIGBTなどとして広く知られている半導体スイッチである。また、スイッチ装置53は、基板51から離れた状態で支持される構成でもよい。また、スイッチ装置53は、電磁的に開閉されるメカニカルリレーであってもよい。スイッチ装置53は、電池パック1において発熱する電気部品52の一つであり、発熱体に相当する。発熱体である電気部品には、スイッチ装置53の他に、抵抗器を含めることもできる。
【0042】
接続部材80は、トータルプラス端子とスイッチ装置53とを電気的に接続している。接続部材80は、トータルプラス端子とスイッチ装置との間の導電部材の少なくとも一部を提供している。接続部材80は、基板の上において、電池ユニット20の近傍に設置されている。接続部材80は、電池ユニット20に最も近い基板51の縁に設置されている。接続部材80は、電池ユニット20の主要な端子に最も近い基板51の部位において接続されている。接続部材80のための複数の端子は、電池ユニット20に沿って、基板51の上に配列されている。スイッチ装置53はこのような接続部材80の近くに配置されている。
【0043】
座席に水がこぼされる場合に、水に濡れた乗員が座席を利用する場合に、または車両が水に浸かる場合に、電池パック1の中に水が浸入する場合がある。この場合、電池パック1が水を放電経路として放電する場合がある。この実施形態では、電池パック1の中における水を検出する水センサと、水を検出した場合に対策処理を実行する制御装置とを備えている。制御装置は、電池パック1内への浸水を監視する。制御装置は、浸水が検出された場合に対策処置を実行する。対策処理は、例えば、複数の電気部品のひとつであるブレーカ素子をオフ状態にすることである。
【0044】
電気回路50が提供する制御システムは、電子制御装置(Electronic Control Unit)である制御装置を提供する。制御装置は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスク等によって提供されうる。制御装置は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置によって実行されることによって、制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置を機能させる。
【0045】
制御システムは、制御装置に入力される情報を示す信号を供給する複数の信号源を入力装置として有する。制御システムは、制御装置が情報をメモリ装置に格納することにより、情報を取得する。制御システムは、制御装置によって作動が制御される複数の制御対象物を出力装置として有する。制御システムは、メモリ装置に格納された情報を信号に変換して制御対象物に供給することにより制御対象物の作動を制御する。
【0046】
制御システムに含まれる制御装置と信号源と制御対象物とは、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、機能を実行するためのブロックと呼ぶことができる。別の観点では、それらの要素の少なくとも一部は、構成として解釈されるモジュール、またはセクションと呼ぶことができる。さらに制御システムに含まれる要素は、意図的な場合にのみ、その機能を実現する手段とも呼ぶことができる。
【0047】
制御システムが提供する手段および、または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。電気回路50は、インバータおよび、またはコンバータとしての回路と、複数の単電池21の電圧を観測するモニタ回路とを備えてもよい。
【0048】
図3に示すように、電池パック1に関わる回路は、外部電池101、電池ユニット20、回転機104、電気負荷102、電気負荷103、第1のスイッチ装置53A、第2のスイッチ装置53B、第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53D、制御部100等を含んでいる。外部電池101は、電池ユニット20を収容する筐体の外部に設置されている二次電池であり、例えば鉛蓄電池で構成されている。外部電池101は、内部電池を含む電池パック1とは離れた別の場所に設置されており、大容量の二次電池であることが好ましい。
【0049】
制御部100を構成する部品は、基板51に実装されている。制御部100は、各パワー素子である各スイッチ装置53のオン(閉鎖)とオフ(開放)との切り換えを実施し、これにより、外部電池101、電池ユニット20のそれぞれに対する充放電を制御する。
【0050】
電池パック1には、外部端子として第1入出力端子140、第2入出力端子141、第3入出力端子142、第4入出力端子143が設けられている。第1入出力端子140には、外部電池101と電気負荷102とが並列に接続され、外部電池101とは反対側に第1のスイッチ装置53A1と第2入出力端子141とが直列に接続されている。また、外部電池101は、電気負荷102に対して電力供給可能なように接続されている。電気負荷102は、定電圧要求電気負荷以外の一般的な電気負荷であり、例えば、ヘッドライト、フロントウインドシールド等のワイパ、空調装置の送風ファン、リヤウインドシールドのデフロスタ用ヒータ等である。
【0051】
第4入出力端子143には、外部電池101が直列に接続され、外部電池101とは反対側に第1のスイッチ装置53A2が直列に接続されている。第1のスイッチ装置53A1と第1のスイッチ装置53A2は、並列関係にあり、回転機104と外部電池101との間のラインで電流制御を行う第1のスイッチ装置53Aを構成する。第1のスイッチ装置53A1、第1のスイッチ装置53A2は、大電流が流れるMOSなどの半導体スイッチである。第1のスイッチ装置53Aは、電池パック1が有するスイッチ装置53の中で、瞬間電流が最も大きくなるスイッチ装置である。
【0052】
第1のスイッチ装置53A2は、第4入出力端子143とは反対側で、第1のスイッチ装置53A1と第2入出力端子141との間のラインに接続されている。この接続部位には、さらに第2のスイッチ装置53B1と電池ユニット20とが直列に接続されている。この接続部位と第2入出力端子141との間のラインには、第2のスイッチ装置53B2が接続されている。第2のスイッチ装置53B2は、第2入出力端子141とは反対側で第3入出力端子142に接続されている。第2のスイッチ装置53B1と第2のスイッチ装置53B2は、並列関係にあり、回転機104と電池ユニット20との間のラインで電流制御を行う第2のスイッチ装置53Bを構成する。第2のスイッチ装置53B1、第2のスイッチ装置53B2は、第1のスイッチ装置53Aと同様に大電流が流れるシステムメインリレーである。第2のスイッチ装置53Bは、電池パック1が有するスイッチ装置53の中で、定常電流が最も大きくなるスイッチ装置である。
【0053】
第2入出力端子141には、第1のスイッチ装置53Aとは反対側に回転機104が接続されている。回転機104には、第1のスイッチ装置53Aと第2のスイッチ装置53Bとが並列に接続されている。第1のスイッチ装置53Aである第1のスイッチ装置53A1、第1のスイッチ装置53A2は、外部電池101、電気負荷102のそれぞれと回転機104とを電力供給の可能な状態と不可能な状態とに切り替えるスイッチ装置として機能する。第2のスイッチ装置53Bである第2のスイッチ装置53B1、第2のスイッチ装置53B2は、電池ユニット20と回転機104とを電力供給の可能な状態と不可能な状態とに切り替えるスイッチ装置として機能する。
【0054】
第3入出力端子142には、第3のスイッチ装置53Cと第4のスイッチ装置53Dとが並列に接続され、第3のスイッチ装置53Cとは反対側に電気負荷103が接続されている。電気負荷103は、供給電力の電圧が概ね一定であるか、あるいは電圧変動が所定範囲内であり安定していることが要求される定電圧要求の電気負荷である。電気負荷103は、例えば車載ナビゲーション装置、車載オーディオ装置、メータ等である。
【0055】
第1のスイッチ装置53A1と第1入出力端子140の間のラインの接続部には、第3のスイッチ装置53Cが接続されており、さらに第3のスイッチ装置53Cは第3入出力端子142に接続されている。第3のスイッチ装置53Cは、外部電池101から電気負荷103へ電力供給が可能な状態と不可能な状態とに切り替えるスイッチ装置として機能する。第3のスイッチ装置53Cは、第1のスイッチ装置53Aや第2のスイッチ装置53Bよりも小さい中電流または小電流が流れるMOSなどの半導体スイッチである。
【0056】
第3のスイッチ装置53Cと第3入出力端子142の間のラインの接続部には、第2のスイッチ装置53B1と電池ユニット20との間の部位を連絡する電流経路が設けられている。この電流経路は、第4のスイッチ装置53Dによって電力供給の可能な状態と不可能な状態とに切り替えられる。第4のスイッチ装置53Dは、電池ユニット20から電気負荷103へ電力供給が可能な状態と不可能な状態とに切り替えるスイッチ装置として機能する。第4のスイッチ装置53Dは、第1のスイッチ装置53Aや第2のスイッチ装置53Bよりも小さい中電流または小電流が流れるシステムメインリレーである。
【0057】
回転機104は、エンジンのクランク軸の回転により発電、すなわち回生発電を行う発電機能と、クランク軸に回転力を付与する動力出力機能とを備えてISG(Integated Starter Generator)を構成する。回転機104は、前述の発電電動機(MG)15に相当する。外部電池101と電池ユニット20とは、回転機104に対して並列に電気接続されている。外部電池101は、第1のスイッチ装置53Aのオンにより、回転機104からの電力供給可能な状態になり、回生電力が充電可能になる。電池ユニット20は、第2のスイッチ装置53Bのオンにより、回転機104からの電力供給可能な状態になり、回生電力が充電可能になる。したがって、第1のスイッチ装置53A、第2のスイッチ装置53Bのそれぞれは、回転機104と各単電池21との間で比較的大きな電流が流れることが想定される大電流経路の一部をなす。
【0058】
次に、ハイブリッド自動車の運転状態に応じた、各スイッチ装置のオンオフ状態と電流の流れ状態について説明する。
【0059】
減速時には、減速により減少する運動エネルギを回転機104によって回収する電力回生を行う。この電力回生時には、制御部100は、第1のスイッチ装置53Aをオン状態、第2のスイッチ装置53Bをオン状態、第3のスイッチ装置53Cをオフ状態、第4のスイッチ装置53Dをオン状態にそれぞれ制御する。これにより、回転機104による発電した回生電力は、電池ユニット20や外部電池101に充電されるとともに、電気負荷102や電気負荷103に供給されるようになる。
【0060】
アイドリングストップ時やエンジン走行時には、回転機104は待機状態である。このとき、制御部100は、第1のスイッチ装置53Aをオン状態、第2のスイッチ装置53Bをオフ状態、第3のスイッチ装置53Cをオフ状態、第4のスイッチ装置53Dをオン状態にそれぞれ制御する。これにより、外部電池101の蓄電電力が電気負荷102に供給され、電池ユニット20の蓄電電力が電気負荷103に供給されるようになる。
【0061】
アイドリングストップ状態からの再始動時には、回転機104はスタータとして役割を果たす。このとき、制御部100は、第1のスイッチ装置53Aをオン状態、第2のスイッチ装置53Bをオフ状態、第3のスイッチ装置53Cをオフ状態、第4のスイッチ装置53Dをオン状態にそれぞれ制御する。外部電池101の蓄電電力は回転機104に供給されるとともに電気負荷102に供給され、電池ユニット20の蓄電電力は電気負荷103に供給されるようになる。これにより、回転機104はスタータとして機能してエンジンの回転を高め、エンジンを再始動させる。
【0062】
EVクリープ状態や加速時等のアシスト状態では、回転機104は電池ユニット20からの電力供給により運転する。例えば、制御部100は、第1のスイッチ装置53Aをオフ状態、第2のスイッチ装置53Bをオン状態、第3のスイッチ装置53Cをオン状態、第4のスイッチ装置53Dをオフ状態にそれぞれ制御する。これにより、外部電池101の蓄電電力は電気負荷102と電気負荷103に供給され、電池ユニット20の蓄電電力は回転機104に供給されるようになる。
【0063】
また、加速時等のアシスト状態であって電池ユニット20の蓄電電力が十分なときは、制御部100は、第1のスイッチ装置53Aをオフ状態、第2のスイッチ装置53Bをオン状態、第3のスイッチ装置53Cをオフ状態、第4のスイッチ装置53Dをオン状態にそれぞれ制御する。これにより、外部電池101の蓄電電力は電気負荷102に供給され、電池ユニット20の蓄電電力は回転機104と電気負荷103に供給されるようになる。
【0064】
電池パック1が備える電気部品52は、第1の電気部品と、第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品とを含んでいる。第1の電気部品は、例えば単位表面積あたりの発熱量である発熱密度が第2の電気部品よりも大きい部品であることにより、第2の電気部品よりも発熱量が大きい部品であるといえる。第1の電気部品は、例えば単位体積あたりの発熱量である発熱密度が第2の電気部品よりも大きい部品であることにより、第2の電気部品よりも発熱量が大きい部品であるといえる。
【0065】
第1の電気部品、第2の電気部品は、それぞれ電流を制御するスイッチ装置53で構成することができる。第1の電気部品には、発電機能および車両の動力出力機能を発揮する回転機104と外部電池101との間の電流制御を行う第1のスイッチ装置53Aと、回転機104と電池ユニット20との間の電流制御を行う第2のスイッチ装置53Bと、が含まれる。第2の電気部品には、電気負荷103と外部電池101との間の電流制御を行う第3のスイッチ装置53Cと、電気負荷103と電池ユニット20との間の電流制御を行う第4のスイッチ装置53Dと、が含まれる。
【0066】
図2に示すように、第1の電気部品は平面視した状態で第2の電気部品よりもステー32に近い位置に設置されている。それぞれグループをなすスイッチ装置53は、熱移動可能に放熱壁35上に置かれている基板51に設置されている。第1の電気部品および第2の電気部品をなす複数グループのスイッチ装置53は、車両の幅方向W1に一列に並んだ位置関係で、基板51上に設置されている。第2のスイッチ装置53Bは、幅方向端部36寄りで第1の側壁37から奥行方向D1に突出するステー32bに対して平面視で最も近い位置に設置されている。
【0067】
第2のスイッチ装置53Bに最も近いステー32bに対して車両の幅方向W1に離れた位置のベース30の外周縁にステー32aが設けられている。ステー32aに対して第1のスイッチ装置53Aは平面視で最も近い位置に設置されている。第1のスイッチ装置53Aと第2のスイッチ装置53Bとの間には、第1のスイッチ装置53Aに近い方から第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dの順に基板51上に設置されている。
【0068】
したがって、第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dは、それぞれ、平面視で、第1のスイッチ装置53Aおよび第2のスイッチ装置53Bよりもステー32a,32bに対して離れた位置に設置されている。図2に示す形態の場合、第2のスイッチ装置53Bの発熱は破線矢印で示すようにステー32bに向かって移動し、第1のスイッチ装置53Aの発熱は破線矢印で示すようにステー32aに向かって移動する。この実施形態において、第2のスイッチ装置53Bと第1のスイッチ装置53Aはその位置を入れ替えて設置してもよい。また、第3のスイッチ装置53Cと第4のスイッチ装置53Dはその位置を入れ替えて設置してもよい。
【0069】
電池パック1においては、複数のグループをなすスイッチ装置53の中で、定常電流が最も大きくなる第2のスイッチ装置53Bについて、放熱性能を高くすることが求められる。したがって、平面視においてステー32に近い位置に設置する順位は、第2のスイッチ装置53B、第1のスイッチ装置53Aであることが好ましい。
【0070】
電池ユニット20は、複数の単電池21を通電可能に接続する複数の導体を有する。複数の導体は、例えば複数の単電池21を直列に接続する。電池ユニット20は、複数のモニタ端子を有する。モニタ端子は、単電池21の少なくとも電圧を検出するために用いられる。
【0071】
モニタ接続部材25とモニタ端子とは電気的に接続されている。モニタモジュール23と水センサとは、樹脂部材24を共有することによって一体に設けられている。モニタモジュール23と水センサとは、ひとつの部品として構成することができる。
【0072】
図4は、基板51等の電気回路50と電池ユニット20とを取り除いた状態のベース30を示している。ベース30は板状または皿状を呈している。ベース30は浅い皿状、または浅いカップ状と呼べる形状を有している。ベース30の形状は、容器部31において、下に向けて凸状であって上から凹状である。ベース30は、それを反らせようとする外力に対抗する高い剛性を有する。ベース30は、容器部31を開く横方向、特に幅方向W1への外力に対抗する高い剛性を有する。ベース30は、複数の単電池21が著しく膨らむ方向に関して高い剛性を有する。
【0073】
ベース30は放熱壁35を有する。放熱壁35の上には、基板51を介して一部の電気部品52が配置されている。一部の電気部品52は、放熱を要する部品である。例えば、電気回路50におけるスイッチ装置53は、放熱壁35の上に配置されている。放熱壁35と電気部品52との間、放熱壁35と基板との間には、絶縁シートが設置される。この構成により、電気部品52の熱は、絶縁シートを介して放熱壁35へ移動することになる。放熱壁35は、ベース30において、上へ凸状であり下から凹状である。放熱壁35は、ベース30の下面において、下から凹状の放熱部を提供する。
【0074】
ベース30の上に設置されている基板51は、単電池21に対する電流を制御する電気部品52が設置された強電部52bと、強電部52bよりも小さい電流が流れる電気部品52が設置された弱電部52aと、を備える。強電部52bは、例えばスイッチ装置53が設置されているエリアを占有する。弱電部52aは、例えばスイッチ装置53が存在せず、電気信号が出入力される電気部品52が設置されているエリアを占有する。基板51のうち、車両の幅方向W1について幅方向端部36とは反対側に位置する単電池21寄りの部分は強電部52bである。幅方向端部36の上に位置する部分は弱電部52aである。したがって、複数のスイッチ装置53は、基板51のうち、幅方向端部36の上に位置する部分には設置されておらず、車両の幅方向W1について幅方向端部36とは反対側に位置する部分にすべて設置されている。薄肉部36aの上に位置する部分は弱電部52aである。したがって、複数のスイッチ装置53は、基板51のうち、薄肉部36aの上に位置する部分には設置されておらず、車両の幅方向W1について薄肉部36aとは反対側に位置する部分にすべて設置されている。
【0075】
容器部31は、少なくとも、側壁31a、側壁31b、底壁31c、背壁31dおよび前壁31eを有して形成されている。容器部31は、電池ユニット20を設置するための、上に向いた開口部を有する開放容器である。
【0076】
側壁31a、側壁31bは、幅方向W1について容器部31の両側に設けられている。側壁31aと側壁31bは、複数の単電池21の積層方向、すなわち幅方向W1に対向するように設けられている。側壁31aの内面と側壁31bの内面は、容器部31内に面している。側壁31aの内面と側壁31bの内面は、電池ユニット20と微小な隙間を介して幅方向W1に対向するか、または電池ユニット20と接触する面である。
【0077】
側壁31aは、電池ケース22を固定するための複数のボルト穴を有する。側壁31bは、電池ケース22を固定するための複数のボルト穴を有する。これらのボルト穴は、組立方向である高さ方向H1に深さを有する穴と、穴の内面に形成された雌ねじとを有する。側壁31a、側壁31bには、カバー11を固定するための他のボルト穴、電気的な接続のための部品を固定するための他のボルト穴も形成されている。
【0078】
底壁31cは容器部31の底部を形成する。底壁31cは、側壁31aの下端と側壁31bの下端とを連結する壁である。底壁31cの内面は容器部31内に面している。底壁31cの内面はベース30の上面として上へ向いており、電池ユニット20の底面に面する。背壁31dは容器部31の背後に位置する。背壁31dは、側壁31aと側壁31bと底壁31cとを連結する壁である。背壁31dの内面は、容器部31内に面し、電池ユニット20におけるモニタモジュール23とは反対側の面に面する。背壁31dは、側壁31aの上部と側壁31bの上部とを連結している。背壁31dは、側壁31aと側壁31bとの間を真っ直ぐに連結している。背壁31dは、側壁31aと側壁31bとの間に設けられた梁を提供する。背壁31dは、側壁31aや側壁31bを上広がりに外側に倒す外力に対抗する。
【0079】
前壁31eは容器部31の前部に位置している。前壁31eは底壁31cと連結する壁であり、底壁31cから立設する壁である。前壁31eは、側壁31aと側壁31bと底壁31cとを連結する壁であってもよい。前壁31eは、容器部31内に面し、電池ユニット20におけるモニタモジュール23に面する。前壁31eは底壁31cと放熱壁35との間に形成された階段壁の一部である。前壁31eは、側壁31aと側壁31bとの間を連結している。前壁31eは、側壁31aと側壁31bとの間に設けられた梁を提供する。前壁31eは、側壁31a、側壁31bを上広がりに外側に倒す外力に対抗する。
【0080】
複数のバスバ45、バスバ46、バスバ47は、電池ユニット20に沿って延びている部分をそれぞれ有する。複数のバスバ45、バスバ46、バスバ47は、平行に延びている。複数のバスバ45、バスバ46、バスバ47は、放熱壁35の両側に分散して設置されている。このような配置によれば、放熱壁35の上に設置される電気部品52との接続に適した電池パック1を提供できる。この配置は、例えば、スイッチ装置53により断続される比較的大きい電流が流れる電流経路を短くすることに貢献できる。したがって、放熱壁35により複数の電気部品52の放熱を促進しながら、電流経路を短くして、電気回路50の発熱そのものを抑制することに貢献できる。
【0081】
接続部材80は、電池ユニット20と放熱壁35との間に設置されている。バスバユニット40の一部でもある接続部材80は、放熱壁35と隣接している。このため、接続部材80に関しても放熱壁35に熱移動をする放熱経路を形成可能であるため、電気回路50の発熱を抑制するために貢献できる。
【0082】
電池ユニット20はベース30に搭載されている。電池ケース22は、複数のボルト71によってベース30に固定されている。複数のボルト71は、ベース30に設けられたボルト穴に挿入されている。複数のボルト71は、電池ケース22に設けられたブラケットをベース30に向けて締め付けている。複数のボルト71は締結部材として機能する。
【0083】
次に、第1実施形態の電池パック1によって得られる効果について説明する。電池パック1は、単電池21と、単電池21を収容する筐体の一部であって放熱壁35および放熱壁35に対して熱移動可能に設けられた第1の側壁37を有するベース30と、を備える。電池パック1は、ベース30において第1の側壁37に設けられて車両側部材19に固定されるステー32と、放出する熱が放熱壁35または第1の側壁37へ移動可能なように設けられた電気部品と、を備える。電気部品は、第1の電気部品と、第1の電気部品よりも発熱量が小さい第2の電気部品とを含んでいる。第1の電気部品は、平面視した状態で第2の電気部品よりもステー32に近い位置に設置されている。
【0084】
電池パック1によれば、第2の電気部品よりも発熱量が大きい第1の電気部品を平面視で第2の電気部品よりもステー32に近い位置に設置する構成により、第1の電気部品からステー32への放熱経路に第2の電気部品を設置しない位置関係を実現できる。この位置関係により、第2の電気部品に対して熱影響を与えにくい形態で第1の電気部品からステー32への放熱を行うので、第1の電気部品から車両側部材19への放熱を阻害せず、第2の電気部品に対する第1の電気部品からの熱負荷を抑制する放熱実施できる。したがって、電池パック1は、電気部品からベース30が固定される車両側部材19への放熱性能の向上を図ることができる。
【0085】
このように、電池パック1において電気部品からの放熱性能が向上することにより、電気部品の温度を低下させることができる。電気部品の温度が低下することにより、電気部品に流す許容電流値を増加させることができる。この効果により、回生および出力における許容電流値を向上できるので、車両の燃費を向上することができる。また、放熱性能の向上により、電気部品の温度上昇速度を抑えることができるので、電流値を抑える制御を抑制でき、高性能の電池パック1を提供できる。
【0086】
電池パック1は、一つまたは複数の単電池21と、この単電池21を収容する筐体の一部であって放熱壁35および第1の側壁37を有するベース30と、ベース30において第1の側壁37に設けられて、車両側部材19に固定されるステー32と、を備える。電池パック1は、放出する熱が放熱壁35へ移動可能なように設けられた発熱体と、放熱壁35と第1の側壁37とを結ぶ最短距離の方向に沿って延びる面を有し、放熱壁35と第1の側壁37とをつなぐリブ38と、を備える。発熱体は、電池パック1において発熱する物品であり、例えば、電気部品52、スイッチ装置53である。
【0087】
この電池パック1によれば、ステー32が設けられている第1の側壁37と放熱壁35とをつなぐリブ38により、発熱体の熱を放熱壁35、リブ38、第1の側壁37、ステー32の順に移動させる放熱経路を構築できる。これにより、放熱壁35に伝達した発熱体の発熱を第1の側壁37を通じてステー32に効率的に移動させることができ、発熱体から車両側部材19への放熱性能を高めることができる。したがって、電池パック1は、発熱体からベース30が固定される車両側部材19への放熱性能の向上を図ることができるとともに、リブ38によってベース30における製造上のひけ抑制を図ることができる。
【0088】
電池パック1は、複数の単電池21と、単電池21を収容する筐体と、筐体の一部であるベース30に設けられて車両側部材19に固定されるステー32と、ベース30の一部である薄肉部36aと、を備える。薄肉部36aは、単電池21およびステー32よりも外側に突出した位置に設けられており、ベース30の周囲の部分よりも外力によって変形しやすい強度となるように構成された脆弱部である。
【0089】
電池パック1は、薄肉部36aである脆弱部を、単電池21およびステー32よりも外側に突出して位置でベース30の一部として有している。これにより、外部からの衝撃がベース30に加わった際に、薄肉部36aを積極的に変形、破損または座屈させることができる。薄肉部36aが単電池21およびステー32よりも外側の位置で座屈等することにより、薄肉部36aが衝撃を吸収するクッションの働きをして、電池パック1に加わった負荷が薄肉部36aよりも内側に伝達することを緩和できる。したがって、電池パック1によれば、例えば衝突等によって単電池21が受ける負荷や応力を軽減することができ、単電池21の保護が図れる。
【0090】
薄肉部36aは、ステー32が単電池21に対して突出する方向に対して交差する方向に単電池21よりも突出した位置に設けられている。この構成によれば、電池パック1に対して当該交差する方向に外力が作用した場合に、ステー32よりも先に薄肉部36aを外力によって変形、損傷、座屈等させることができる。この薄肉部36aの座屈等による外力吸収効果により、ステー32に作用する外力を軽減でき、ステー32の損傷を抑えることができる。したがって、電池パック1によれば、ステー32の損傷を抑えることにより、車両側部材19との固定機能を保護でき、電池パック1が大きく移動して単電池21や強電部52bが損傷することを抑えることができる。
【0091】
薄肉部36aは、単電池21およびステー32よりも車両の幅方向W1に関して外側に突出した位置に設けられている。この構成によれば、例えば、車両の側部衝突等により車両の側部に対して外力が作用した場合に、まず薄肉部36aを外力によって変形、損傷、座屈等させることができる。車両の側部衝突時等における、薄肉部36aの座屈等による外力吸収効果により、ステー32に作用する外力を軽減できるのでステー32の損傷を抑えることができる。したがって、電池パック1によれば、車両の側部衝突時等における、ステー32の損傷を抑えることにより、車両側部材19との固定機能を保護でき、電池パック1が大きく移動して単電池21や強電部52bが損傷することを抑えることができる。
【0092】
ステー32は車両の前後方向に関して薄肉部36aよりも突出する位置にある。薄肉部36aはステー32が固定される車両側部材19よりも車両の幅方向W1に突出した位置に設けられている。この構成によれば、薄肉部36aが車両側部材19よりも車両の幅方向W1に突出した位置に設けられるため、例えば車両の側部衝突等により車両の側部に対して外力が作用した場合に、薄肉部36aが座屈等することで車両側部材19およびステー32を保護できる。したがって、電池パック1によれば、より確実かつ先に薄肉部36aによって外力吸収を行えるので、電池パック1と車両側部材19との固定機能を保護することができる。
【0093】
ベース30の上に設置されている基板51のうち、車両の幅方向W1について薄肉部36aとは反対側に位置する部分は、単電池21に対する電流を制御する電気部品52が設置された強電部52bに相当する。基板51のうち薄肉部36aの上に位置する部分は、強電部52bよりも小さい電流が流れる電気部品52が設置された弱電部52aに相当する。この構成によれば、例えば車両の側部衝突等により車両の側部に対して外力が作用した場合に、薄肉部36aの座屈等とともに弱電部52aが損傷するが、その代わりに強電部52bを保護することができる。これにより、大電流が流れる強電部52bを保護できる、安全性を高めた電池パック1を提供できる。
【0094】
単電池21に対する電流を制御する複数のスイッチ装置53は、基板51のうち、薄肉部36aの上に位置する部分には設置されておらず、車両の幅方向W1について薄肉部36aとは反対側に位置する部分にすべて設置されている。この構成によれば、薄肉部36aが強電部52bよりも外側の位置で座屈等することにより、薄肉部36aが衝撃を吸収するクッションの働きをして、電池パック1に加わった負荷が強電部52bに伝達することを緩和できる。したがって、電池パック1によれば、例えば衝突等によって外力が作用しても、大電流が流れる強電部52bを弱電部52aよりも優先的に保護できるので、安全性を高めた電池パック1を提供できる。
【0095】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態に対する他の形態であるスイッチ装置53とステー32の位置関係について図7を参照して説明する。第2実施形態は、スイッチ装置53およびステー32の位置関係を除いて第1実施形態と同様の構成であり、同様の作用効果を奏するものである。以降の実施形態では、第1実施形態と異なる内容について説明する。
【0096】
図7に示すように、それぞれグループをなすスイッチ装置53が複数個並ぶ方向に突出して設けられている一つのステー32に対して、第2のスイッチ装置53Bが平面視で最も近い位置に設置されている。このように第1の電気部品および第2の電気部品をなす複数グループのスイッチ装置53は、車両の幅方向W1に一列に並んでいる。第1のスイッチ装置53Aはこのステー32とは反対側で第2のスイッチ装置53Bに隣接して設置されている。第3のスイッチ装置53Cはこのステー32とは反対側で第1のスイッチ装置53Aに隣接して設置されている。第4のスイッチ装置53Dはこのステー32とは反対側で第3のスイッチ装置53Cに隣接して設置されている。
【0097】
また、図7に示すように、それぞれグループをなすスイッチ装置53が複数個並ぶ方向に対して交差する方向に突出した位置に設けられているもう一つのステー32に対して第2のスイッチ装置53Bが平面視で最も近い位置に設置されている。第1のスイッチ装置53Aはこのステー32に対して二番目に近い位置に設置されている。第3のスイッチ装置53Cはこのステー32に対して三番目に近い位置に設置されている。第4のスイッチ装置53Dはこのステー32に対して最も離れた位置に設置されている。
【0098】
したがって、これらのステー32に対して、近い方から第2のスイッチ装置53B、第1のスイッチ装置53A、第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dの順に車両の幅方向W1に一列に並ぶように、スイッチ装置53は設置されている。図7に示す形態の場合、第2のスイッチ装置53B、第1のスイッチ装置53Aのそれぞれの発熱は破線矢印で示すように、放熱壁35や側壁を介して各ステー32に向かって移動する。また、第2のスイッチ装置53Bと第1のスイッチ装置53Aは位置を入れ替えて設置してもよい。第3のスイッチ装置53Cと第4のスイッチ装置53Dは位置を入れ替えて設置してもよい。第2実施形態で開示する構成によっても、第2のスイッチ装置53Bまたは第1のスイッチ装置53Aの発熱が最もステー32に伝達しやすい。このため、ステー32への熱移動経路において、第3のスイッチ装置53Cおよび第4のスイッチ装置53Dに対する熱的影響を抑制できる。
【0099】
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態に対する他の形態であるスイッチ装置53とステー32の位置関係について図8を参照して説明する。第3実施形態は、スイッチ装置53およびステー32の位置関係を除いて第1実施形態と同様の構成であり、同様の作用効果を奏するものである。
【0100】
図8に示すように、それぞれグループをなすスイッチ装置53が複数個並ぶ方向に突出して設けられている一つのステー32に対して、第2のスイッチ装置53Bが平面視で最も近い位置に設置されている。このように第1の電気部品および第2の電気部品をなす複数グループのスイッチ装置53は、車両の前後方向(奥行方向D1)に一列に並んでいる。第1のスイッチ装置53Aはこのステー32とは反対側で第2のスイッチ装置53Bに隣接して設置されている。第3のスイッチ装置53Cはこのステー32とは反対側で第1のスイッチ装置53Aに隣接して設置され、第4のスイッチ装置53Dはこのステー32とは反対側で第3のスイッチ装置53Cに隣接して設置されている。
【0101】
また、図8に示すように、第2のスイッチ装置53Bに最も近い前述のステー32に対して、車両の幅方向W1に離れた位置のベース30の外周縁に、もう一つのステー32が設けられている。このもう一つのステー32に対して第2のスイッチ装置53Bは平面視で最も近い位置に設置され、第1のスイッチ装置53Aはこのステー32に対して二番目に近い位置に設置されている。第3のスイッチ装置53Cはこのステー32に対して三番目に近い位置に設置され、第4のスイッチ装置53Dはこのステー32に対して最も離れた位置に設置されている。
【0102】
したがって、これらのステー32に対して、近い方から第2のスイッチ装置53B、第1のスイッチ装置53A、第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dの順に車両の前後方向に一列に並ぶように、スイッチ装置53は設置されている。図8に示す形態の場合、第2のスイッチ装置53B、第1のスイッチ装置53Aのそれぞれの発熱は破線矢印で示すように、放熱壁35や側壁を介して各ステー32に向かって移動する。第3実施形態の場合も、第2のスイッチ装置53Bと第1のスイッチ装置53Aは位置を入れ替えて設置してもよく、第3のスイッチ装置53Cと第4のスイッチ装置53Dは位置を入れ替えて設置してもよい。第3実施形態で開示する構成によっても、第2のスイッチ装置53Bまたは第1のスイッチ装置53Aの発熱が最もステー32に伝達しやすいので、ステー32への熱移動経路において、第3のスイッチ装置53Cおよび第4のスイッチ装置53Dに対する熱的影響を抑制できる。
【0103】
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態に対する他の形態であるスイッチ装置53とステー32の位置関係について図9を参照して説明する。第3実施形態は、スイッチ装置53およびステー32の位置関係を除いて第1実施形態と同様の構成であり、同様の作用効果を奏するものである。
【0104】
図9に示すように、それぞれグループをなすスイッチ装置53は、第1の側壁37の壁面に設置されている。第1の電気部品および第2の電気部品をなす複数グループのスイッチ装置53は、車両の幅方向W1に一列に並んだ位置関係で、第1の側壁37の壁面に設置されている。第2のスイッチ装置53Bは、第1の側壁37から奥行方向D1に突出する一つのステー32に対して平面視で最も近い位置に設置されている。
【0105】
第2のスイッチ装置53Bに最も近い前述のステー32に対して車両の幅方向W1に離れた位置のベース30の外周縁に、もう一つのステー32が設けられている。このもう一つのステー32に対して第1のスイッチ装置53Aは平面視で最も近い位置に設置されている。第1のスイッチ装置53Aと第2のスイッチ装置53Bとの間には、第1のスイッチ装置53Aに近い方から第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dの順に第1の側壁37に設置されている。
【0106】
したがって、第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dは、それぞれ、平面視で、第1のスイッチ装置53Aおよび第2のスイッチ装置53Bよりも各ステー32に対して離れた位置に設置されている。図9に示す形態の場合、第2のスイッチ装置53B、第1のスイッチ装置53Aのそれぞれの発熱は破線矢印で示すように各ステー32に向かって移動する。第4実施形態の場合も、第2のスイッチ装置53Bと第1のスイッチ装置53Aは位置を入れ替えて設置してもよく、第3のスイッチ装置53Cと第4のスイッチ装置53Dは位置を入れ替えて設置してもよい。第4実施形態で開示する構成によっても、第2のスイッチ装置53Bまたは第1のスイッチ装置53Aの発熱が最もステー32に伝達しやすいので、ステー32への熱移動経路において、第3のスイッチ装置53Cおよび第4のスイッチ装置53Dに対する熱的影響を抑制できる。
【0107】
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0108】
第1の電気部品、第2の電気部品のそれぞれを構成するスイッチ装置53の個数は、前述の実施形態において開示する個数に限定するものではない。また、第1の電気部品、第2の電気部品を構成するスイッチ装置53のグループは、第1のスイッチ装置53A、第2のスイッチ装置53B、第3のスイッチ装置53C、第4のスイッチ装置53Dという区分けに限定するものではない。
【0109】
前述の実施形態において、隣り合うリブ38とリブ38の間に、熱伝導性を有する部材または材質が埋設または充填されている構成でもよい。当該部材または材質は、例えば、ベース30と異なる材質の金属、ジェル、樹脂等である。樹脂は、例えば熱伝導性を有する金属を含有したもの(例えば、アルミナ含有樹脂)を採用できる。
【0110】
前述の実施形態では、電気回路50は、複数のスイッチ装置53を備える。これに代えて、電気回路50は、単一のスイッチ装置53を備えていてもよい。また、電気回路50は、複数のスイッチ装置53を回路パッケージの中に収容したスイッチアレイを備えていてもよい。スイッチアレイは、基板51の上に搭載されていてもよいし、基板51から離れて支持されていてもよい。
【0111】
前述の実施形態における薄肉部36aは、ベース30の幅方向端部36において車両の前後方向の長さ全体にわたって設けるように構成してもよい。この場合、薄肉部は、幅方向端部36において車両の前後方向の長さ全体にわたって延びる一つの溝部によって構成されて、幅方向端部36における周囲の肉厚寸法よりも小さい肉厚寸法となる。薄肉部は、車両側部材19に対向するベース30の下面側から帯状に凹む溝部によって構成される、周囲よりも剛性が低い脆弱部である。この薄肉部によれば、薄肉部よりも外部からの衝撃に対して幅方向端部36が折れやすく、容易に座屈させやすい筐体を提供できる。車両の前後方向の長さ全体にわたって幅方向端部36が折れるように座屈することにより、容器部31に伝達する衝撃を軽減して単電池21を保護できるという効果が得られる。
【0112】
前述の実施形態において電池ユニット20を構成する単電池21は、例えば、外装ケースが薄い平板状の形態をなし、外装ケースはラミネートシートで形成されている形態でもよい。ラミネートシートは、絶縁性の高い素材で構成されている。単電池21は、例えば、二つ折りにされたラミネートシートの端部同士を熱融着することにより当該端部同士を封止して密閉された扁平状容器の内部空間を有する。この内部空間には、電極集合体、電解質、端子接続部、正極端子部の一部、および負極端子部の一部を含む電池本体部が内蔵されている。したがって、複数の単電池21は、扁平状容器の周縁部が封止されることにより、扁平状容器の内部に、電池本体部が密封状態で収容されている。各単電池21は、扁平状容器から外方へ引き出された一対の電極端子を有する。
【0113】
前述の実施形態において電池ユニット20を構成する単電池21として、例えば、円柱状の外形形状である単電池を用いてもよい。
【0114】
前述の実施形態において、電池ユニット20を構成する複数の単電池21は、隣接する単電池間に隙間を設けずに接触させた状態で設置される形態でもよいし、単電池間に所定の隙間をあけて設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0115】
11…カバー(筐体)、 19…車両側部材、 21…単電池(二次電池)
30…ベース(筐体)、 32…ステー(固定部)
35…放熱壁、 37…第1の側壁(側壁)
52…電気部品、 53…スイッチ装置(電気部品)
53A…第1のスイッチ装置(第1の電気部品)
53B…第2のスイッチ装置(第1の電気部品)
53C…第3のスイッチ装置(第2の電気部品)
53D…第4のスイッチ装置(第2の電気部品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9