特許第6805794号(P6805794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805794
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20201214BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   F25B49/02 540
   F25B1/00 396Z
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-243913(P2016-243913)
(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公開番号】特開2018-25371(P2018-25371A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年7月2日
(31)【優先権主張番号】特願2016-146982(P2016-146982)
(32)【優先日】2016年7月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164035
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 正人
(72)【発明者】
【氏名】中井 啓晶
(72)【発明者】
【氏名】作田 淳
(72)【発明者】
【氏名】西部 護
(72)【発明者】
【氏名】室園 宏治
(72)【発明者】
【氏名】森本 敬
【審査官】 飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/136979(WO,A1)
【文献】 特開2007−232343(JP,A)
【文献】 国際公開第00/020808(WO,A1)
【文献】 特開平11−006479(JP,A)
【文献】 特開2015−114067(JP,A)
【文献】 実開昭58−141170(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00−49/04
F24F 1/00−13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを環状に接続して構成した冷凍サイクルを備え、前記冷凍サイクルに、1,1,2−トリフルオロエチレンとジフルオロメタンとを含む作動流体を封入して構成した冷凍サイクル装置であって、前記圧縮機はその外郭の一部に圧力脆弱部を設け、この圧力脆弱部は前記作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こした時の圧力により破壊されて圧縮機内の作動流体を外部に放出し、前記圧力脆弱部が対面する箇所には、放出された冷媒もしくは脆弱部材の飛散を抑制する緩衝部材を設け、前記緩衝部材は、前記圧縮機の電動機を制御する電動機駆動装置とし、前記不均化反応を起こしたときに前記脆弱部材が前記電動機駆動装置を破壊し、前記電動機駆動装置が破壊されることによって前記圧縮機が停止することを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項2】
前記圧力脆弱部はその作動流体流路径を1.5mm以上とした請求項1記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記圧力脆弱部は前記圧縮機の前記電動機に通電するための給電ターミナルの接合部とした請求項1または2記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記圧縮機は前記電動機を備える部分が高圧の作動流体で満たされる内部高圧型圧縮機であって、前記圧力脆弱部は前記圧縮機から作動流体を吐出する吐出管の接合部とした請求項1または2記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記圧縮機は前記電動機を備える部分が低圧の作動流体で満たされる内部低圧型圧縮機であって、前記圧力脆弱部は前記圧縮機に作動流体を送り込む吸入管の接合部とした請求項1または2記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記圧縮機は底部に貯油部を備え、前記貯油部より上方に前記圧力脆弱部を設けた請求項1〜5のいずれか1項記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HFO1123を含む作動流体を用いる冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、冷凍サイクル装置は、圧縮機、必要に応じて四方弁、放熱器(または凝縮器)、キャピラリーチューブや膨張弁等の減圧器、蒸発器、等を配管接続して冷凍サイクルを構成し、その内部に冷媒を循環させることにより、冷却または加熱作用を行っている。
【0003】
これらの冷凍サイクル装置における冷媒としては、フロン類(フロン類はR○○またはR○○○と記すことが、米国ASHRAE34規格により規定されている。以下、R○○またはR○○○と示す)と呼ばれるメタンまたはエタンから誘導されたハロゲン化炭化水素が知られている。
【0004】
上記のような冷凍サイクル装置用冷媒としては、R410Aが多く用いられているが、R410A冷媒の地球温暖化係数(GWP)は2090と大きく、地球温暖化防止の観点から問題がある。
【0005】
そこで、地球温暖化防止の観点からは、GWPの小さな冷媒として、例えば、HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)や、HFO1132(1,2−ジフルオロエチレン)が提案されている(例えば特許文献1または特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2012/157764号
【特許文献2】国際公開第2012/157765号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)や、HFO1132(1,2−ジフルオロエチレン)は、R410Aなどの従来の冷媒に比べて安定性が低く、ラジカルを生成した場合、不均化反応により別の化合物に変化する恐れがある。不均化反応は大きな熱放出を伴って圧力上昇するため、圧縮機や冷凍サイクル装置の信頼性を低下させる恐れがある。このため、HFO1123やHFO1132を圧縮機や冷凍サイクル装置に用いる場合には、この不均化反応を抑制する必要がある。
【0008】
このような不均化反応は、過度に高温高圧となった冷媒雰囲気下にて、高エネルギが付加されると、これが起点となって発生する。
【0009】
例えば、一例を挙げると、正常な運転条件下ではない状態、すなわち、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等によって、吐出圧力(冷凍サイクルの高圧側)が過度に上昇する。
【0010】
このような状態下で圧縮機のロック異常が生じ、このロック異常下においても、圧縮機への電力供給を続けると、圧縮機の電動機へ電力が過剰に供給され、電動機が異常に発熱する。その結果、電動機の固定子を構成する固定子巻線の導線同士でレイヤーショートと呼ばれる現象を引き起こし、これが高エネルギ源となって不均化反応を誘起することになる。
【0011】
そして、不均化反応が発生すると圧縮機内の圧力が異常に上昇し、圧縮機が破損する恐れがある。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みてなしたもので、不均化反応発生時の圧縮機破損を防止してHFO1123を含む作動流体を用いた冷凍サイクル装置の安全性を向上させることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するため、冷凍サイクル回路に、1,1,2−トリフルオロエチレンとジフルオロメタンとを含む作動流体を封入して構成した冷凍サイクル装置において、前記圧縮機はその外郭の一部に圧力脆弱部を設け、この圧力脆弱部は前記作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こした時の圧力により破壊され圧縮機内の作動流体を外部に放出する構成としてある。
【0014】
上記構成によれば、作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こすと、その時の圧力によって瞬時に圧力脆弱部が破壊し内部の作動流体を外部に放出して圧力を下げるので、そのまま圧力上昇して圧縮機が破損等するのを防止でき、冷凍サイクル装置の信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記構成により、HFO1123を含む作動流体を用いた安全で信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の概略構成図
図2】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する内部高圧型圧縮機の要部を拡大して示す概略構成図
図3】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する圧縮機として示す内部低圧型圧縮機の概略構成図
図4】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する内部高圧型圧縮機の集中巻の電動機の概略構成図
図5】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する内部高圧型圧縮機の分布巻の電動機の概略構成図
図6】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する内部高圧型圧縮機の要部を拡大して示す概略構成図
図7】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する圧縮機の給電ターミナル接合部分を示す断面図
図8】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する圧縮機の吐出管接合部分を示す断面図
図9】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成する圧縮機の圧力脆弱部の他の例として示す要部拡大の概略構成図
図10】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置に使用する作動流体の不均化反応特性を示す圧力と時間の関係図
図11】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置に使用する作動流体の不均化反応特性を示す圧力と温度の関係図
図12】本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置に設けた緩衝部材(熱交換器)を示す図
図13】本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置に設けた緩衝部材(電動機駆動装置)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを環状に接続して構成した冷凍サイクル回路を備え、前記冷凍サイクル回路に、1,1,2−トリフルオロエチレンとジフルオロメタンとを含む作動流体を封入して構成した冷凍サイクル装置であって、前記圧縮機はその外郭の一部に圧力脆弱部を設け、この圧力脆弱部は前記作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こした時の圧力により破壊され圧縮機内の作動流体を外部に放出する構成としてある。
【0018】
上記構成によれば、作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こすと、その時の圧力によって瞬時に圧力脆弱部が破壊し内部の作動流体を外部に放出して圧力を下げるので、そのまま圧力上昇して圧縮機が破損等するのを防止でき、冷凍サイクル装置の信頼性を確保できる。
【0019】
第2の発明は、第1の発明において、前記圧力脆弱部はその作動流体流路径を1.5mm以上とした構成としてある。
【0020】
これにより、圧力脆弱部は破壊時に圧縮機内の作動流体を瞬間的に放出して圧縮機の異常な圧力上昇を防止でき、圧縮機破損等を防止して冷凍サイクル装置の信頼性を確保することができる。
【0021】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記圧力脆弱部は圧縮機の電動機に通電するための給電ターミナルの接合部としてある。
【0022】
これにより、給電ターミナルを利用して圧力脆弱部を付加することができ、特別な構成を施すことなく圧縮機の破損等を防止できるとともに、構成の簡素化も図ることができる。
【0023】
第4の発明は、第1または第2の発明において、前記圧縮機は電動機を備える部分が高圧の作動流体で満たされる内部高圧型圧縮機であって、圧力脆弱部は前記圧縮機から作動流体を吐出する吐出管の接合部としてある。
【0024】
これにより、吐出管を利用して圧力脆弱部を付加することができ、特別な構成を施す必要がなくなって構成を簡素化できるとともに、上記吐出管部分は内部高圧型圧縮機において圧力の上昇が最も大きく現れる部位であるから素早く破壊され、効率よく作動流体を外部に放出し圧縮機の破損を防止することができる。
【0025】
第5の発明は、第1または第2の発明において、前記圧縮機は電動機を備える部分が低圧の作動流体で満たされる内部低圧型圧縮機であって、圧力脆弱部は前記圧縮機に作動流体を送り込む吸入管の接合部としてある。
【0026】
これにより、吸入管を利用して圧力脆弱部を付加することができ、特別な構成を施す必要がなくなって構成を簡素化できるとともに、上記吸入管は、レイヤーショート等によって不均化反応が生じた際には吐出圧力を超えて圧力が他の部分に比べ高くなる部分であるから、素早く破壊され、効率よく作動流体を外部に放出し圧縮機の破損を防止することができる。
【0027】
第6の発明は、第1〜第5の発明において、前記圧縮機は底部に貯油部を備え、前記貯油部より上方に圧力脆弱部を設けた構成としてある。
【0028】
これにより、作動流体を放出した時、貯油部の油が作動流体とともに放出されるのを防止でき、使用者に不安感を抱かせることなく冷凍サイクル装置の信頼性を確保できる。
【0029】
第7の発明は、第1〜第6の発明において、前記圧縮機周囲の前記圧力脆弱部が対面する箇所には、放出された冷媒もしくは脆弱部材の飛散を抑制する緩衝部材を設けたもので、放出された冷媒もしくは脆弱部材を受け止め、周囲に必要以上に散乱するのを防止し、脆弱部材が開放された際の異音も低減することができる。
【0030】
第8の発明は、第1〜第7の発明において、緩衝部材は、前記冷凍サイクルを構成する熱交換器であるもので、柔軟な熱交換器が冷媒もしくは脆弱部材の衝撃を受け止め、周囲に必要以上に散乱するのを防止することができる。
【0031】
第9の発明は、第1〜第7の発明において、緩衝部材は、前記電動機を制御する電動機駆動装置であるもので、飛散した脆弱部材が電動機駆動装置を破壊し、電動機駆動装置で駆動制御されている可動部品(圧縮機のモータや送風機のモータ)が停止するので、より速やかに安全に空気調和機の運転を停止することができる。
【0032】
第10の発明は、第1〜第7の発明において、緩衝部材は、前記冷凍サイクルを格納する筐体であるもので、飛散した冷媒もしくは脆弱部材を筐体の外部に出すことが無く、使用者にとって、安全な状態を保持することができる。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0034】
(実施の形態1)
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る冷凍サイクル装置100を示す。本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、室内機ユニット101aと室内機ユニット101aとが冷媒配管及び制御配線等により互いに接続された、所謂セパレート型の空気調和機である。
【0035】
室内機ユニット101aは、室内熱交換器103と、室内熱交換器103に送風するとともに、室内熱交換器103で熱交換した空気を室内に吹き出す貫流ファン(クロスフローファン)である室内送風ファン107aを備えている。室外機ユニット101bは、圧縮機102、減圧手段である膨張弁104、室外熱交換器105、四方弁106、室外熱交換器105に送風するプロペラファンである室外送風ファン107bを備えている。
【0036】
室内機ユニット101aと室外機ユニット101bとを分離できるように、室内機ユニット101aは、配管接続部112を備えている。室外機ユニット101bは、配管接続部112、配管接続部112と四方弁106との間に設けられた三方弁108、配管接続部112と膨張弁104との間に設けられた二方弁109を備えている。また、室内機ユニット101aは、圧縮機102内に設けられた電動機を駆動する電動機駆動装置115を備えている。
【0037】
そして、室内機ユニット101aの一方の配管接続部112と室外機ユニット101bの二方弁109が設けられた側の配管接続部112とは、冷媒配管の1つである液管111aで接続されている。また、室内機ユニット101aの他方の配管接続部112と室外機ユニット101bの三方弁108が設けられた側の配管接続部112とは、冷媒配管の1つであるガス管111bで接続されている。
【0038】
このように、本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、主に、圧縮機102、室内熱
交換器103、膨張弁104、室外熱交換器105の順に冷媒配管で接続し、冷凍サイクル回路を構成している。冷凍サイクル回路は、圧縮機102と室内熱交換器103または室外熱交換器105との間に、圧縮機102から吐出された冷媒の流れ方向を室内熱交換器103または室外熱交換器105のいずれかに切替える四方弁106を備えている。
【0039】
四方弁106を備えることで、本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、冷房運転と、暖房運転の切り替えが可能となる。つまり、冷房運転時には、圧縮機102の吐出側と室外熱交換器105とを連通させるとともに、室内熱交換器103と圧縮機102の吸入側とを連通されるように、四方弁106を切換える。これによって、室内熱交換器103を蒸発器として作用させ、周囲大気(室内空気)から熱を吸熱し、室外熱交換器105を凝縮器として作用させ、室内で吸熱した熱を周囲大気(室外空気)へ放熱する。一方、暖房運転時には、圧縮機102の吐出側と室内熱交換器103とを連通させるとともに、室外熱交換器105と圧縮機102の吸入側とを連通されるように、四方弁106を切換える。これによって、室外熱交換器105を蒸発器として作用させ、(室外空気)から吸熱し、室内熱交換器103を凝縮器として作用させ、室外で吸熱した熱を室内空気へ放熱する。
【0040】
なお、四方弁106は、制御装置(図示せず)からの電気的信号によって、冷房と暖房と切り替える電磁弁式のものが用いられている。
【0041】
また、冷凍サイクル回路は、四方弁106をバイパスし、圧縮機102の吸入側と吐出側とを連通するバイパス手段113と、バイパス手段113の冷媒の流れを開放、閉止する開閉弁113aを備えている。
【0042】
また、圧縮機102の吐出側には、電子制御式の開閉弁であるリリーフ弁114が設けられている。なお、リリーフ弁114は、圧縮機102の吐出部から膨張弁104までの間、または、圧縮機102の吐出部から三方弁108までの間に設けられていればよいが、圧縮機102の圧力を急速に逃すためには、圧縮機102の吐出部から四方弁106までの間に設けられていることが望ましい。
【0043】
冷凍サイクル回路は、圧縮機102の吐出側と膨張弁104の入口との間に設けられた高圧側圧力検出手段116を備えている。高圧側圧力検出手段116は、加圧されるダイヤフラムのひずみをひずみゲージなどで電気的に検出して測定する構成でもよい。さらに、機械的に圧力を検出する金属ベローズや金属ダイヤフラムで構成してもよい。
【0044】
冷凍サイクル回路は、圧縮機102の吐出側と凝縮器の入口との間に設けられた吐出温度検出手段117を備えている。本実施の形態では、四方弁106の切り替えによって、室内熱交換器103または室外熱交換器105のいずれかが凝縮器となるため、吐出温度検出手段117は、圧縮機102の吐出側と四方弁106の入口との間に設けられている。吐出温度検出手段117は、サーミスタや熱電対などで構成され、温度を電気的に検出する。
【0045】
高圧側圧力検出手段116や、吐出温度検出手段117の検出値は、制御装置へ電気的に送信される。
【0046】
冷凍サイクル回路内には、作動流体(冷媒)が封入されている。作動流体について説明する。本実施の形態の冷凍サイクル装置100に封入される作動流体は、(1)HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)と、(2)R32(ジフオロメタン)からなる2成分系の混合作動流体であり、特に、R32が30重量%以上60重量%以下の混合作動流体である。
【0047】
HFO1123にR32を30重量%以上混合することで、HFO1123の不均化反応を抑制できる。また、R32の濃度が高いほど不均化反応をより抑制できる。これは、R32のフッ素原子への分極が小さいことによる不均化反応を緩和する作用と、HFO1123とR32は物理特性が似ていることから凝縮・蒸発など相変化時の挙動が一体となることによる不均化の反応機会を減少させる作用とにより、HFO1123の不均化反応を抑制することができる。
【0048】
また、HFO1123とR32の混合冷媒は、R32が30重量%、HFO1123が70%で共沸点を持ち、温度すべりがなくなる為、単一冷媒と同様な取り扱いが可能である。つまり、R32を60重量%以上混合すると、温度すべりが大きくなり、単一冷媒と同様な取り扱いが困難となる可能性があるため、R32を60重量%以下で混合することが望ましい。特に、不均化を防止するとともに、共沸点に近づくため温度すべりをより小さくし、機器の設計が容易とするために、R32を40重量%以上50重量%以下で混合することが望ましい。
【0049】
表1、表2は、HFO1123とR32の混合作動流体のうち、R32が30重量%以上60重量%以下となる混合割合での、冷凍サイクルの圧力、温度、圧縮機の押しのけ容積が同じ場合の冷凍能力およびサイクル効率(COP)を計算し、R410AとHFO1123と比較したものである。
【0050】
まず、表1、表2の計算条件について説明する。近年、機器のサイクル効率を向上するため、熱交換器の高性能化が進み、実際の運転状態では、凝縮温度は低下し、蒸発温度は上昇する傾向にあり、吐出温度も低下する傾向にある。このため、実際の運転条件を考慮し、表1の冷房計算条件は、冷凍サイクル装置100の冷房運転時(室内乾球温度 27℃、湿球温度 19℃、室外乾球温度 35℃)に対応し、蒸発温度は15℃、凝縮温度は45℃、圧縮機の吸入冷媒の過熱度は5℃、凝縮器出口の過冷却度は8℃とした。
【0051】
また、表2の暖房計算条件は、冷凍サイクル装置100の暖房運転時(室内乾球温度20℃、室外乾球温度 7℃、湿球温度 6℃)に対応した計算条件で、蒸発温度は2℃、凝縮温度は38℃、圧縮機の吸入冷媒の過熱度は2℃、凝縮器出口の過冷却度は12℃とした。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
表1、表2より、R32を30重量%以上60重量%以下で混合することにより、冷房および暖房運転時に、R410Aと比較して、冷凍能力は約20%増加し、サイクル効率(COP)は94〜97%となり、温暖化係数はR410Aの10〜20%に低減できる。
【0055】
以上説明したように、HFO1123とR32の2成分系において、不均化の防止、温度すべりの大きさ、冷房運転時・暖房運転時の能力、COPを総合的に鑑みると(すなわち、後述する圧縮機を用いた空気調和機器に適した混合割合を特定すると)、30重量%以上60重量%以下のR32を含む混合物が望ましく、さらに望ましくは、40重量%以上50重量%以下のR32を含む混合物が望ましい。
【0056】
次に、冷凍サイクル回路を構成する各構成要素について説明する。
【0057】
室内熱交換器103、室外熱交換器105には、フィンアンドチューブ型熱交換器やパラレルフロー形(マイクロチューブ型)熱交換器などが用いられる。なお、なお、図1に示したようなセパレート型の空気調和機ではなく、例えば、室内熱交換器103の周囲媒体としてブライン(ブラインを居住スペースの冷暖房に使用)を用いる場合や、二元式冷凍サイクルの冷媒を用いる場合には、熱交換器の形態として、二重管熱交換器やプレート式熱交換器、シェルアンドチューブ熱交換器を用いてもよい(図示せず)。この場合、室内熱交換器103は、被冷却、加熱対象(セパレート型の空気調和機の場合、室内空気)を直接、冷却、加熱はしないので、必ずしも、室内に配置されなくともよい。膨張弁104には、例えば、パルスモータ駆動方式の電子膨張弁などが使用される。
【0058】
圧縮機102の詳細について、図2を用いて説明する。圧縮機102はいわゆる密閉型のロータリ式圧縮機であり、電動機を備える部分が高圧の作動流体で満たされる内部高圧型圧縮機である。なお、圧縮機は図3に示す電動機を備える部分が低圧の作動流体で満たされる内部低圧型圧縮機であってもよく、内部構成は同じであるので、図2の内部高圧型圧縮機を用いて説明し、図3の内部低圧型圧縮機の構成は図2と同一部分に同一番号を付して説明は省略する。
【0059】
圧縮機102はその外郭となる密閉容器102gの内部に、電動機102e、圧縮機構102cが収納され、内部は高温高圧の吐出冷媒と、冷凍機油で満たされ、底部は冷凍機油を溜める貯油部102fとなっている。電動機(モータ)102eは、所謂ブラシレス・モータである。電動機102eは、圧縮機構102cに接続された回転子1021eと、回転子1021eの周囲に設けられた固定子1022eとを備えている。
【0060】
固定子1022eには三相の固定子巻線が施され、固定子1022e上下方向の端部でコイルエンド1023eを形成している。そして、三相の固定子巻線の端部はそれぞれリード線102iとなっている。つまり、固定子1022eは、三相の固定子巻線それぞれから延びる3本のリード線102iを備えている。3本のリード線102iの他端は、給電ターミナル102hに接続される。給電ターミナル102hは、3つの端子を備え、それぞれの端子は、電動機駆動装置115に接続されている。そして、上記三相の固定子巻線は絶縁体(図示せず)によって絶縁されている。
【0061】
図2に示すように、3本のリード線102iのそれぞれは、電動機102eの水平断面において、コイルエンド1023eの離れた位置から延びている。より詳細には、3本のリード線102iのそれぞれは、固定子1022e側(後述するコイルエンド1023e側)の隣接するリード線102i同士の間隔が、給電ターミナル102h側の隣接するリード線同士の間隔より大きくなっている。また、3本のリード線102iは、電動機102eの水平断面において、回転子1021eの回転中心を中心として約120度ごとに配置されていてもよい。
【0062】
図4は、電動機102eの横断面図である。電動機102eはいわゆる集中巻の電動機である。固定子1022eは、1つのティース31と、ティース31をつなぐ環状のヨーク32からなり、固定子1022eの内周部に対向して、略円筒形の回転子コア33とその外周部に配置された永久磁石34からなる回転子1021eがクランクシャフト102mを中心として回転自在に保持されている。永久磁石34は、外周をステンレス等の非磁性体の環35を外周に挿入することにより固定されている。
【0063】
なお、永久磁石の固定方法は、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて固定しても構わない。
【0064】
また、永久磁石の配置方法として、上記では、永久磁石34を回転子コア33の外周部に配置する構造として説明したが、永久磁石を回転子コアの内部に配置した構造(図示せず)としてもよい。
【0065】
一方、固定子1022eは、圧縮機のシェルに焼きばめされることによって密閉容器102g内部で固定されている。固定子1022eの固定方法は、これに限らず、例えば、溶接等の方法で固定しても構わない。
【0066】
ティース31には、三相の固定子巻線が施され、インバータ式の電動機駆動装置115のスイッチング素子により、回転子1021eに回転磁界が発生するように巻線に電流を流している。回転磁界は、インバータにより可変速で発生させることが可能であり、圧縮機102の運転開始直後等には高速で、安定運転時等には低速で運転される。
【0067】
固定子1022eの外周部に切り欠き、または溝、穴37を設けることにより、圧密閉容器102gと固定子1022eとの間または固定子1022eそのものに、固定子1022eの全長に貫通した部分があり、そこを冷凍機油が通ることにより、冷凍作用を行っている。
【0068】
電動機102eを集中巻の電動機とすることで、巻線抵抗が低減でき、大幅に銅損が低減できると共に、モータ全長も小さくできる。
【0069】
なお、電動機102eは、集中巻きの電動機であるとして説明したが、分布巻きの電動機であってもよい。図5は、分布巻きの電動機102eの横断面図である。固定子1022eは、複数のティース61と、ティース61をつなぐ環状のヨーク62からなり、固定
子1022eの内周部に対向して、略円筒形の回転子コア63とその外周部に配置された永久磁石64からなる回転子1021eがクランクシャフト102mを中心として回転自在に保持されている。永久磁石64は、外周をステンレス等の非磁性体の環66を外周に挿入することにより固定されている。固定子1022eは、圧縮機のシェルに焼きばめされることによって密閉容器102g内部で固定されている。
【0070】
固定子1022eの外周部に切り欠き67、または溝、穴を設けることにより、そこを冷凍機油が通ることにより、冷凍作用を行っている。
【0071】
回転子1021eは4極であり、固定子1022eのティース数はスロット数と等しく12または24である。各スロットには、三相巻線が施されている。
【0072】
なお、回転子の極数および固定子のスロット数は、6極9スロット、6極18スロット、4極6スロット、8極12スロット、10極12スロットでも良い。
【0073】
以上のようにして構成した圧縮機102において、蒸発器から流出した低圧冷媒は、四方弁106を介して、吸入管102aから吸入され、圧縮機構102cで昇圧される。昇圧され、高温高圧となった吐出冷媒は、吐出マフラー102lから吐出され、電動機102e周囲で構成される隙間(回転子1021eと固定子1022e間、固定子1022eと密閉容器102g間)を通って、吐出空間102dへと流動する。その後、吐出管102bから圧縮機102の外へと吐出され、四方弁106を介して、凝縮器へと向う。
【0074】
圧縮機構102cは、電動機102eと、クランクシャフト102mを介して接続されている。電動機102eでは、外部電源から受け取った電力を電気的エネルギから機械的(回転)エネルギに変換している。圧縮機構102cでは、電動機102eからクランクシャフト102mを介して伝達される機械的エネルギを用いて、冷媒を昇圧する圧縮仕事を行っている。
【0075】
ここで、既述した通り正常な運転条件下ではない状態、すなわち、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等が生じると、作動流体の吐出圧力(冷凍サイクルの高圧側)が過度に上昇する。
【0076】
この状態下において、圧縮機102への電力供給を続けていると、圧縮機102を構成する電動機102eへ電力が過剰に供給され、電動機102eが異常に発熱し、電動機102eの固定子巻線40の絶縁が破損して、巻線の導線同士が直接接触し、レイヤーショートを引き起こす。その結果、作動流体は上記レイヤーショートを起点に不均化反応を発生し、圧縮機102内の圧力は図10に示すように0.2sec程度で急激に上昇する。すなわち、本実施の形態で示すように、不均化反応が生じ難い作動流体、例えばHFO1123に対するR32の混合比率が30重量%以上60重量%以下となるような作動流体を用いていても、冷媒が過度に高温高圧になって、そのような高温高圧下の冷媒雰囲気下にて、高エネルギ源が付加されると、不均化反応が発生し、圧縮機102内の圧力が急激に上昇する可能性がある。
【0077】
そこでこの冷凍サイクル装置の圧縮機102は、その外郭となる密閉容器102gの適所に、前記作動流体が不均化反応を起こした時の圧力によって破壊される圧力脆弱部200が設けてある。この例では図6に示すように給電ターミナル102hの接合部を圧力脆弱部200としてある。
【0078】
これによって、この圧縮機102では、前記作動流体が不均化反応を起こして圧力が上昇すると、不均化反応を起こした時点の圧力によって圧縮機102の密閉容器102gに
設けた圧力脆弱部200が破壊され、圧縮機102内の作動流体を外部に放出する。これにより、圧縮機102内の圧力は急激に低下し、圧縮機102の破損等を防止できる。
【0079】
ここで、上記圧力脆弱部200が破壊する圧力、すなわち不均化反応が発生したときの圧力について考察する。
【0080】
この不均化反応は、既述した通り、作動流体が、過度に高温高圧となった雰囲気下にて、高エネルギが付加されると、これが起点となって発生する。
【0081】
したがって、まず高エネルギが付加されるときの圧力が一つの条件となる。この高エネルギは、圧縮機102の駆動源となる電動機102eの固定子巻線の絶縁体が溶融破壊された時に生じるレイヤーショートが最も発生確率の高い高エネルギ源となる。そして、この絶縁体が溶融する温度の時の不均化反応発生圧力が、圧力脆弱部200の破壊圧力となる。
【0082】
ここで、上記圧縮機の駆動源となる電動機の固定子巻線に使用されている絶縁体は、その溶融温度が低いものは通常150℃±10%である。
【0083】
一方、作動流体が不均化反応を起こす圧力と温度との関係は図11に示すようになっている。すなわち、図11はHFO1123とR32の比率が60対40(HFO1123/R32=60/40)の作動流体における不均化反応発生領域を示し、図中折れ線の上側が不均化反応する領域で、温度と圧力は反比例する関係となっている。
【0084】
このような圧力と温度の相関関係下において、前記電動機102eの固定子巻線の絶縁体が溶融する前記150℃±10%の時に不均化反応を起こす圧力は図11から見て9MPa、余裕を見て9MPa±10%である。
【0085】
したがって、圧力脆弱部200が破壊する圧力は9MPa±10%以上とすればよい。これにより最も発生確率の高いレイヤーショートを起点として不均化反応が発生すると、その圧力は9MPa以上になって圧力脆弱部200が瞬時に破壊し、作動流体を放出して圧力を急激に低下させる。よって、圧縮機102の破損を防止できる。
【0086】
また、上記作動流体は、作動流体が不均化反応を起こすと既述した通り0.2sec程度で急激に圧力上昇するので、この0.2secよりも短い時間で作動流体を放出する必要がある。そのため、圧力脆弱部200の作動流体流路径は1.5mm以上としておくのが好ましい。
【0087】
このように圧力脆弱部200の作動流体流路径を1.5mm以上としておくことによって、不均化反応が起きても圧縮機102の外郭となる密閉容器102gを破損させる程の圧力となる0.2secよりも前に作動流体を外部に放出することができ、圧縮機102の破損等を防止できる。
【0088】
また、上記圧力脆弱部200は圧縮機102の外郭となる密閉容器102gであればどのようなところに設けてもよいが、以下のような形で設けると効果的である。
【0089】
例えばその一つは、既述した通り圧縮機102の電動機102eに通電するための給電ターミナル102hの接合部を圧力脆弱部200とすることである。図7は給電ターミナル102hの接合部分を示し、圧縮機102の外郭となる密閉容器102gに設けた給電ターミナル102hの接合部を圧力脆弱部200としてある。
【0090】
これにより、作動流体が不均化反応を起こして圧力が異常に上昇すると給電ターミナルの接合部が破壊されて給電ターミナル102hが離反し、圧縮機102内の作動流体を外部に放出して圧縮機102の破損を防止する。したがって、特別な圧力脆弱部を設けることなく簡単な構成で圧縮機102の破損を防止できる。
【0091】
また、給電ターミナル102hの接合部でなく給電ターミナル102hから伸出させたターミナルピン102jとその周囲部分との間に脆弱部を設けてもよい。
【0092】
また、圧力脆弱部200は以下のようにして設けることもできる。
【0093】
すなわち、図2に示す内部高圧型の圧縮機102の場合は、その吐出管102bの接合部分を圧力脆弱部200とすることである。図8はこの吐出管102bの接合部分を示し、圧縮機102の外郭となる密閉容器102gに設けた吐出管102bの接合部を圧力脆弱部200としてある。
【0094】
このような内部高圧型圧縮機の吐出管部分は圧力が他の部分に比べ高くなる部位であるから、作動流体の不均化反応によって生じる圧力の上昇が最も大きな値として現れ、その結果、圧力上昇に伴って素早く破壊されるので、作動流体を迅速に外部に放出することができる。したがって、圧縮機102の破損をより確実に防止することができる。
【0095】
また、図3に示す内部低圧圧型の圧縮機の場合には、その吸入管102aを圧力脆弱部200とすることである。
【0096】
このような内部低圧型圧縮機の吸入管部分は、レイヤーショート等によって不均化反応が生じた際には吐出圧力を超えて圧力が他の部分に比べ高くなる部分であるから、作動流体の不均化反応によって生じる圧力の上昇が最も大きな値として現れ、その結果、圧力上昇に伴って素早く破壊されるので、作動流体を迅速に外部に放出することができる。したがって、圧縮機102の破損をより確実に防止することができる。
【0097】
また、圧力脆弱部200は図9の200aに示すように、別途専用に設けてもよい。
【0098】
このように別途専用に設けることによって所定の圧力で最も破壊されやすいようにすることができ、しかも作動流体を0.2sec以内に放出する1.5mm以上の作動流体流路形を確保することも容易にできる。
【0099】
なお、前記各構成下において、圧力脆弱部200は圧縮機102の底部に設けてある貯油部102fより上方に設けておくのが好ましい。このような構成とすることにより、作動流体を放出した時、貯油部102fの油が作動流体とともに外部に放出されるのを防止でき、使用者に不信感を抱かせることなく作動流体の不均化反応を防止して冷凍サイクル装置の信頼性を確保することができる。
【0100】
以上、本実施の形態では、ロータリ式圧縮機を例にして説明したが、これは他の形式、例えば、スクロール式、レシプロ式などの容積式圧縮機、もしくは、遠心式圧縮機等、いずれの圧縮機であってもよいものである。
【0101】
(実施の形態2)
図12に、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の室外機ユニット101bを示す。
【0102】
図は室外機ユニットを上側から見た透視図であり、室外機ユニット101bの筐体の内
部に圧縮機102と、該圧縮機102と冷凍サイクル的に配管で接続された室外熱交換器105が配設されている(他の構成部品については図示せず)。
【0103】
もし、作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こした場合、圧縮機102に設けた圧力脆弱部300が開放され、圧縮機の外部に冷媒が放出されると共に、圧力脆弱部の一部が飛散する。
【0104】
このとき、冷媒と圧力脆弱部300の飛散する方向に緩衝部材である室外熱交換器105が設けられているので、飛散した冷媒ならびに圧力脆弱部が室外熱交換器105に衝突する。
【0105】
室外熱交換器105はアルミと銅、またはアルミのみの比較的柔らかい金属で構成されているので、衝突した物体を柔軟に受け止めるとともに、周囲への必要以上の散乱を防止し、圧力脆弱部300が開放された際の異音も低減することがすることができる。
【0106】
(実施の形態3)
図13に、本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の室外機ユニット101bを示す。
【0107】
図は室外機ユニットを前面正面から見た透視図であり、室外機ユニット101bの筐体の内部に圧縮機102と、該圧縮機102内部にある圧縮機用モータ等を駆動制御する電動機駆動装置115が配設されている(他の構成部品については図示せず)。
【0108】
もし、作動流体が外部エネルギ源によって不均化反応を起こした場合、圧縮機102に設けた圧力脆弱部301が開放され、圧縮機の上方に冷媒が放出されると共に、圧力脆弱部の一部が飛散する。
【0109】
このとき、冷媒と圧力脆弱部301の飛散する方向に緩衝部材である電動機駆動装置115が設けられているので、飛散した冷媒ならびに圧力脆弱部が電動機駆動装置115に衝突する。
【0110】
電動機駆動装置は電気回路が配設されており、飛散した冷媒ならびに圧力脆弱部301が衝突した場合に、前記電気回路が断線するようにしている。
【0111】
このようにすることで、圧力脆弱部301が開放されたとき、ほぼ同時に電気回路が断線し、圧縮機用モータ等の駆動制御が停止し、速やかに運転を停止することができる。
【0112】
なお、上記実施の形態2と実施の形態3とを区別することなく、両者の併合的な実施形態でも構わない。即ち、室外機ユニット内に緩衝部材としての熱交換器と、緩衝部材としての電動機駆動装置とを設け、圧力脆弱部が開放された際に、前記いずれか、または室外機ユニットの筐体で受け、飛散した冷媒と圧力脆弱部を室外機の内部にとどめておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
上述したように本発明は、HFO1123を含む作動流体を用いた冷凍サイクル装置の安全性を向上させることができ、住居及び業務用の各エアコン、カーエアコン、給湯器、冷凍冷蔵庫、ショーケース、除湿機等の用途に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0114】
100 冷凍サイクル装置
101a 室内機ユニット
101b 室外機ユニット
102 圧縮機
102a 吸入管
102b 吐出管
102c 圧縮機構
102e 電動機
102f 貯油部
102g 密閉容器
102h 給電ターミナル
102i リード線
1021e 回転子
1022e 固定子
1023e コイルエンド
103 室内熱交換器
104 膨張弁
105 室外熱交換器
106 四方弁
107a 室内送風ファン
107b 室外送風ファン
108 三方弁
109 二方弁
111a 液管
111b ガス管
112 配管接続部
113 バイパス手段
113a 開閉弁
114 リリーフ弁
115 電動機駆動装置
200 圧力脆弱部
200a 可溶栓
300 圧力脆弱部
301 圧力脆弱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13