特許第6805795号(P6805795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805795
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   G03G21/18 142
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-244230(P2016-244230)
(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公開番号】特開2018-97293(P2018-97293A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃治
(72)【発明者】
【氏名】深谷 篤
(72)【発明者】
【氏名】清水 貴司
(72)【発明者】
【氏名】市川 智也
(72)【発明者】
【氏名】清水 圭太
【審査官】 市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−091988(JP,A)
【文献】 特開2006−064817(JP,A)
【文献】 特開2000−147960(JP,A)
【文献】 特開2013−054060(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0051848(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0205314(US,A1)
【文献】 特開2014−016480(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/010111(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロセスカートリッジであって、
第1感光ドラムと、第1ガイド突起と、第1凹部と、を含む第1ドラムユニットと、
前記第1ドラムユニットに装着可能な第1現像ユニットであって、第1回転軸を有する第1現像ローラと、前記第1回転軸の端部を覆う第1カラーであって前記第1現像ユニットを前記第1ドラムユニットに装着するときに前記第1凹部に嵌まる第1カラーと、を含む第1現像ユニットと、
を含む第1プロセスカートリッジと、
第2プロセスカートリッジであって、
第2感光ドラムと、第2ガイド突起と、第2凹部と、を含む第2ドラムユニットと、
前記第2ドラムユニットに装着可能な第2現像ユニットであって、第2回転軸を有する第2現像ローラと、前記第2回転軸の端部を覆う第2カラーであって前記第2現像ユニットを前記第2ドラムユニットに装着するときに前記第2凹部に嵌まる第2カラーと、を含む第2現像ユニットと、
を含む第2プロセスカートリッジと、
前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジのうちの一方が選択的に着脱可能な画像形成装置本体であって、前記第1プロセスカートリッジの前記第1ガイド突起および前記第2プロセスカートリッジの前記第2ガイド突起をガイドするガイドを含む画像形成装置本体と、を備え、
前記第1カラーおよび前記第2カラーは、前記第1プロセスカートリッジまたは前記第2プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着された状態において、前記第1現像ローラまたは前記第2現像ローラの回転軸方向の中央に対して前記回転軸方向の同じ側に設けられ、
前記第1現像ローラの回転軸線と直交する方向における前記第1カラーの長さと、前記第2現像ローラの回転軸線と直交する方向における前記第2カラーの長さとは、互いに異なり、
前記第1凹部の幅と、前記第2凹部の幅とは、互いに異なり、
前記第1ドラムユニットは、さらに、前記第1ドラムユニットに装着された状態の前記第1現像ユニットを前記第1感光ドラムに向けて押圧する第1押圧部材を含み、
前記第1現像ユニットは、さらに、前記第1押圧部材により押圧される第1被押圧部を含み、
前記第2ドラムユニットは、さらに、前記第2ドラムユニットに装着された状態の前記第2現像ユニットを前記第2感光ドラムに向けて押圧する第2押圧部材を含み、
前記第2現像ユニットは、さらに、前記第2押圧部材により押圧される第2被押圧部を含み、
前記第1感光ドラムから前記第1押圧部材までの距離と、前記第2感光ドラムから前記第2押圧部材までの距離とは、互いに異なることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第1現像ローラの回転軸線と直交する方向における前記第1カラーの長さは、前記第2現像ローラの回転軸線と直交する方向における前記第2カラーの長さよりも小さく、
前記第1凹部の幅は、前記第2凹部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第1カラーは、筒状の形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第2カラーは、筒状の形状を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第2押圧部材が前記第2被押圧部を押圧する方向における前記第2押圧部材の長さは、前記第1押圧部材が前記第1被押圧部を押圧する方向における前記第1押圧部材の長さよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記第1押圧部材は、第1押圧バネと、前記第1押圧バネに押圧されて前記第1現像ユニットの前記第1被押圧部に当接する第1ブロックと、を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記第2押圧部材は、第2押圧バネと、前記第2押圧バネに押圧されて前記第2現像ユニットの前記第2被押圧部に当接する第2ブロックと、を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記第1現像ユニットは、さらに、トナーを収容可能な第1収容部を含み、
前記第2プロセスカートリッジは、前記第2現像ユニットに着脱可能なトナーカートリッジを含み、
前記トナーカートリッジは、
トナーを収容可能な第2収容部を形成するとともに、前記第2収容部内のトナーを前記第2現像ユニットに供給するための開口が設けられた筐体と、
前記第2収容部内に収容されたトナーを攪拌するためのアジテータと、を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記第1プロセスカートリッジは、前記第1現像ユニットを前記第1ドラムユニットにロックするための第1ロック部材を含み、
前記第2プロセスカートリッジは、前記トナーカートリッジを前記第2現像ユニットにロックするための第2ロック部材を含むことを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記第1感光ドラムから前記第1ロック部材までの距離と、前記第2感光ドラムから前記第2ロック部材までの距離とは、互いに異なることを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記第1ドラムユニットおよび前記第2ドラムユニットは、前記第1感光ドラムまたは前記第2感光ドラムを支持するフレームの少なくとも一部を構成するフレーム部材であって、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材のうちの一方を選択的に取付可能な押圧部材取付部が設けられたフレーム部材を含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記第1ドラムユニットは、前記第1感光ドラムの回転軸線に沿って延びる第1ドラムシャフトを有し、
前記第2ドラムユニットは、前記第2感光ドラムの回転軸線に沿って延びる第2ドラムシャフトを有し、
前記第1ドラムシャフトから前記第1ガイド突起までの距離と、前記第2ドラムシャフトから前記第2ガイド突起までの距離とは、等しいことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジのうちの一方が選択的に着脱可能な画像形成装置本体を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に対して着脱可能な交換部品とを含む画像形成システムが知られている。このような画像形成システムとして、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとを備え、画像形成装置本体の開閉部材に凸部を設けるとともに、プロセスカートリッジに凸部がはまるくぼみ部を設けて、画像形成装置本体に適合するプロセスカートリッジの装着を許容するとともに、画像形成装置本体に適合しないプロセスカートリッジの装着を、凸部の干渉によって規制するレーザビームプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−228222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成システムにおいては、上記した特許文献1に記載のレーザビームプリンタのように、複数種類の交換部品の種類を識別可能であることが要求される場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、交換部品の種類を識別することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、第1プロセスカートリッジと、第2プロセスカートリッジと、画像形成装置本体と、を備える。
第1プロセスカートリッジは、第1ドラムユニットと、第1現像ユニットと、を含む。
第1ドラムユニットは、第1感光ドラムと、第1ガイド突起と、第1凹部と、を含む。
第1現像ユニットは、第1ドラムユニットに装着可能な第1現像ユニットであって、第1回転軸を有する第1現像ローラと、第1回転軸の端部を覆う第1カラーであって第1現像ユニットを第1ドラムユニットに装着するときに第1凹部に嵌まる第1カラーと、を含む。
第2プロセスカートリッジは、第2ドラムユニットと、第2現像ユニットと、を含む。
第2ドラムユニットは、第2感光ドラムと、第2ガイド突起と、第2凹部と、を含む。
第2現像ユニットは、第2ドラムユニットに装着可能な第2現像ユニットであって、第2回転軸を有する第2現像ローラと、第2回転軸の端部を覆う第2カラーであって第2現像ユニットを第2ドラムユニットに装着するときに第2凹部に嵌まる第2カラーと、を含む。
画像形成装置本体は、第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジのうちの一方が選択的に着脱可能な画像形成装置本体であって、第1プロセスカートリッジの第1ガイド突起および第2プロセスカートリッジの第2ガイド突起をガイドするガイドを含む。
第1カラーおよび第2カラーは、第1プロセスカートリッジまたは第2プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態において、第1現像ローラまたは第2現像ローラの回転軸方向の中央に対して回転軸方向の同じ側に設けられている。
第1現像ローラの回転軸線と直交する方向における第1カラーの長さと、第2現像ローラの回転軸線と直交する方向における第2カラーの長さとは、互いに異なる。
第1凹部の幅と、第2凹部の幅とは、互いに異なる。
第1ドラムユニットは、さらに、第1ドラムユニットに装着された状態の第1現像ユニットを第1感光ドラムに向けて押圧する第1押圧部材を含む。
第1現像ユニットは、さらに、第1押圧部材により押圧される第1被押圧部を含む。
第2ドラムユニットは、さらに、第2ドラムユニットに装着された状態の第2現像ユニットを第2感光ドラムに向けて押圧する第2押圧部材を含む。
第2現像ユニットは、さらに、第2押圧部材により押圧される第2被押圧部を含む。
第1感光ドラムから第1押圧部材までの距離と、第2感光ドラムから第2押圧部材までの距離とは、互いに異なる。
【0007】
このような構成によれば、例えば、第2現像ユニットを第1ドラムユニットに装着しようとしたときには、第2カラーと第1凹部の開口付近とが干渉して、第2カラーを第1凹部に嵌めることができない構成を実現することができる。これにより、第2現像ユニットの第1ドラムユニットへの誤装着を防ぐことができる。また、例えば、第1現像ユニットを第2ドラムユニットに装着しようとしたときには、第1現像ユニットと第2押圧部材とが干渉して、第1現像ユニットを第2ドラムユニットに装着することができない構成を実現することができる。これにより、第1現像ユニットの第2ドラムユニットへの誤装着を防ぐことができる。すなわち、上記構成によれば、カラーと押圧部材を利用して、交換部品の種類を識別することができる。
【0008】
前記した画像形成システムにおいて、第1現像ローラの回転軸線と直交する方向における第1カラーの長さは、第2現像ローラの回転軸線と直交する方向における第2カラーの長さよりも小さく、第1凹部の幅は、第2凹部の幅よりも小さい構成とすることができる。
【0009】
これによれば、第2現像ユニットを第1ドラムユニットに装着しようとしたときに、第2カラーと第1凹部の開口付近とが干渉し、第2カラーを第1凹部に嵌めることができないので、第2現像ユニットの第1ドラムユニットへの誤装着を防ぐことができる。
【0010】
前記した画像形成システムにおいて、第1カラーは、筒状の形状を有する構成とすることができる。
【0011】
前記した画像形成システムにおいて、第2カラーは、筒状の形状を有する構成とすることができる。
【0012】
前記した画像形成システムにおいて、第2押圧部材が第2被押圧部を押圧する方向における第2押圧部材の長さは、第1押圧部材が第1被押圧部を押圧する方向における第1押圧部材の長さよりも大きい構成とすることができる。
【0013】
これによれば、第1現像ユニットを第2ドラムユニットに装着しようとしたときに、第1現像ユニットと第2押圧部材とが干渉し、第1現像ユニットを第2ドラムユニットに装着することができないので、第1現像ユニットの第2ドラムユニットへの誤装着を防ぐことができる。
【0014】
前記した画像形成システムにおいて、第1押圧部材は、第1押圧バネと、第1押圧バネに押圧されて第1現像ユニットの第1被押圧部に当接する第1ブロックと、を含む構成とすることができる。
【0015】
前記した画像形成システムにおいて、第2押圧部材は、第2押圧バネと、第2押圧バネに押圧されて第2現像ユニットの第2被押圧部に当接する第2ブロックと、を含む構成とすることができる。
【0016】
前記した画像形成システムにおいて、第1現像ユニットは、さらに、トナーを収容可能な第1収容部を含み、第2プロセスカートリッジは、第2現像ユニットに着脱可能なトナーカートリッジを含み、トナーカートリッジは、トナーを収容可能な第2収容部を形成するとともに、第2収容部内のトナーを第2現像ユニットに供給するための開口が設けられた筐体と、第2収容部内に収容されたトナーを攪拌するためのアジテータと、を含む構成とすることができる。
【0017】
前記した画像形成システムにおいて、第1プロセスカートリッジは、第1現像ユニットを第1ドラムユニットにロックするための第1ロック部材を含み、第2プロセスカートリッジは、トナーカートリッジを第2現像ユニットにロックするための第2ロック部材を含む構成とすることができる。
【0018】
前記した画像形成システムにおいて、第1感光ドラムから第1ロック部材までの距離と、第2感光ドラムから第2ロック部材までの距離とは、互いに異なる構成とすることができる。
【0019】
これによれば、最適な位置にロック部材を配置することができる。
【0020】
前記した画像形成システムにおいて、第1ドラムユニットおよび第2ドラムユニットは、第1感光ドラムまたは第2感光ドラムを支持するフレームの少なくとも一部を構成するフレーム部材であって、第1押圧部材および第2押圧部材のうちの一方を選択的に取付可能な押圧部材取付部が設けられたフレーム部材を含む構成とすることができる。
【0021】
これによれば、第1ドラムユニットと第2ドラムユニットとの間でフレーム部材の少なくとも一部を共通化することができる。
【0022】
前記した画像形成システムにおいて、第1ドラムユニットは、第1感光ドラムの回転軸線に沿って延びる第1ドラムシャフトを有し、第2ドラムユニットは、第2感光ドラムの回転軸線に沿って延びる第2ドラムシャフトを有し、第1ドラムシャフトから第1ガイド突起までの距離と、第2ドラムシャフトから第2ガイド突起までの距離とは、等しい構成とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、交換部品の種類を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】画像形成装置本体と第1プロセスカートリッジの概略構成を示す図である。
図2】画像形成装置本体と第2プロセスカートリッジの概略構成を示す図である。
図3】第1プロセスカートリッジを現像ローラの回転軸方向一方側から見た側面図である。
図4】第2プロセスカートリッジを現像ローラの回転軸方向一方側から見た側面図である。
図5】第1現像ユニットの斜視図である。
図6】第1ドラムユニットの斜視図(a)と、第1押圧部材付近の拡大図(b)である。
図7】第2現像ユニットの斜視図である。
図8】第2ドラムユニットの斜視図(a)と、第2押圧部材付近の拡大図(b)である。
図9】プロセスカートリッジの現像ローラ付近を回転軸方向他方側から見た側面図である。
図10】第1押圧部材および第1被押圧部の構成を示す図(a)と、第2押圧部材および第2被押圧部の構成を示す図(b)である。
図11】ロック位置にある第1ロック部材を示す図(a)と、解除位置にある第1ロック部材を示す図(b)である。
図12】ロック位置にある第2ロック部材を示す図(a)と、解除位置にある第2ロック部材を示す図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る画像形成システムAは、画像形成装置本体の一例としてのレーザプリンタ1と、第1プロセスカートリッジ100と、第2プロセスカートリッジ200とを主に備えている。
【0026】
レーザプリンタ1は、図1に示す第1プロセスカートリッジ100および図2に示す第2プロセスカートリッジ200のうちの一方が選択的に着脱可能な構成である。具体的には、レーザプリンタ1は、第1プロセスカートリッジ100を取り外した上で、第2プロセスカートリッジ200を着脱することができる。また、レーザプリンタ1は、第2プロセスカートリッジ200を取り外した上で、第1プロセスカートリッジ100を着脱することができる。
【0027】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2と、給紙部3と、露光装置4と、定着装置5とを主に備えている。
【0028】
給紙部3は、用紙Sを収容可能な給紙トレイ31と、圧板32と、給紙機構33とを主に備えている。給紙部3は、給紙トレイ31内に収容された用紙Sを、圧板32により給紙機構33に寄せ、給紙機構33により第1プロセスカートリッジ100(または第2プロセスカートリッジ200)に供給する。
【0029】
露光装置4は、図示しない光源装置、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光装置4は、光源装置から出射される光ビーム(一点鎖線参照)を第1感光ドラム111(または第2感光ドラム211)の表面で高速走査する。これにより、露光装置4は、第1感光ドラム111(または第2感光ドラム211)の表面を露光する。
【0030】
定着装置5は、加熱ローラ51と、加圧ローラ52とを主に備えている。定着装置5は、トナー像が転写された用紙Sが加熱ローラ51と加圧ローラ52の間を通過するときに、トナー像を用紙Sに熱定着する。トナー像が熱定着された用紙Sは、排紙ローラ23により排紙トレイ22に排出される。
【0031】
第1プロセスカートリッジ100は、第1ドラムユニット110と、第1現像ユニット120とを備えている。第1ドラムユニット110は、第1感光ドラム111と、帯電器112と、転写ローラ113とを主に有している。
【0032】
第1現像ユニット120は、第1ドラムユニット110に装着可能な構成である。詳しくは、第1現像ユニット120は、第1ドラムユニット110に着脱可能な構成である。第1現像ユニット120は、第1現像ローラ121と、供給ローラ122と、層厚規制ブレード123と、トナーを収容可能な第1収容部124と、アジテータ125とを主に有している。
【0033】
一方、図2に示すように、第2プロセスカートリッジ200は、第2ドラムユニット210と、第2現像ユニット220と、トナーカートリッジ230とを備えている。第2ドラムユニット210は、第2感光ドラム211と、帯電器212と、転写ローラ213とを主に有している。第2感光ドラム211と第1感光ドラム111は、共通部品である。
【0034】
第2現像ユニット220は、第2ドラムユニット210に装着可能な構成である。第2現像ユニット220は、第2現像ローラ221と、供給ローラ222と、層厚規制ブレード223と、トナーホッパ224と、アジテータ225とを主に有している。第2現像ローラ221と第1現像ローラ121は、共通部品である。
【0035】
トナーカートリッジ230は、第2現像ユニット220に着脱可能な構成である。トナーカートリッジ230は、筐体231と、アジテータ235とを主に有している。筐体231は、トナーを収容可能な第2収容部234を形成している。また、筐体231には、第2収容部234内のトナーを、第2現像ユニット220のトナーホッパ224に供給するための開口232が設けられている。アジテータ235は、第2収容部234内に配置されている。アジテータ235は、回転したときに第2収容部234内に収容されたトナーを攪拌する。
【0036】
レーザプリンタ1に装着された第1プロセスカートリッジ100または第2プロセスカートリッジ200は、帯電器112,212により感光ドラム111,211の表面を帯電する。その後、露光装置4が、感光ドラム111,211の表面を露光することで、静電潜像を形成する。
【0037】
第1プロセスカートリッジ100は、第1収容部124内のトナーを、アジテータ125により攪拌しながら、供給ローラ122を介して第1現像ローラ121に供給する。一方、第2プロセスカートリッジ200は、第2収容部234内のトナーを、アジテータ235により攪拌しながら、開口232を通してトナーホッパ224内に供給する。さらに、第2プロセスカートリッジ200は、トナーホッパ224内に供給されたトナーを、アジテータ225により攪拌しながら、供給ローラ222を介して第2現像ローラ221に供給する。
【0038】
トナーを現像ローラ121,221に供給した後、プロセスカートリッジ100,200は、層厚規制ブレード123,223によりトナーを現像ローラ121,221の表面で一定厚さの薄層とする。そして、プロセスカートリッジ100,200は、現像ローラ121,221に担持されたトナーを、感光ドラム111,211に形成された静電潜像に供給する。これにより、プロセスカートリッジ100,200は、静電潜像を可視像化して感光ドラム111,211にトナー像を形成する。その後、プロセスカートリッジ100,200は、給紙部3から供給された用紙Sが感光ドラム111,211と転写ローラ113,213の間を通過するときに、感光ドラム111,211に形成されたトナー像を用紙Sに転写する。
【0039】
画像形成システムAは、図3および図4に示すように、干渉機構10をさらに備えている。干渉機構10は、第1プロセスカートリッジ100を構成する第1現像ユニット120の一部と、第2プロセスカートリッジ200を構成する第2ドラムユニット210の一部との干渉により、第1現像ユニット120を第2ドラムユニット210に装着不能とする機構である。また、干渉機構10は、第2プロセスカートリッジ200を構成する第2現像ユニット220の一部と、第1プロセスカートリッジ100を構成する第1ドラムユニット110の一部との干渉により、第2現像ユニット220を第1ドラムユニット110に装着不能とする機構である。
【0040】
具体的には、干渉機構10は、図3に示す第1カラー310と、第1凹部320と、第1押圧部材330と、第1被押圧部340と、図4に示す第2カラー410と、第2凹部420と、第2押圧部材430と、第2被押圧部440とを含んで構成されている。なお、以下の説明では、現像ローラ121,221の回転軸方向(回転軸121A,221Aが延びる方向)を単に「回転軸方向」という。
【0041】
図5に示すように、第1カラー310は、第1現像ユニット120に設けられている。また、図7に示すように、第2カラー410は、第2現像ユニット220に設けられている。カラー310,410は、現像ユニット120,220の回転軸方向の一方側から回転軸方向外側に突出している。
【0042】
ここで、現像ユニット120,220は、現像フレーム140,240を有している。現像フレーム140,240は、現像ローラ121,221などを回転可能に支持するフレーム本体141,241と、ギヤ機構150,250の一部を覆うギヤカバー142,242と、軸カバー143,243とを有している。
【0043】
ギヤ機構150は、第1現像ローラ121、供給ローラ122およびアジテータ125に駆動力を伝達する機構である。また、ギヤ機構250は、第2現像ローラ221、供給ローラ222、アジテータ225、および、トナーカートリッジ230のアジテータ235に駆動力を伝達する機構である。ギヤ機構150,250は、レーザプリンタ1に設けられる駆動源から駆動力が入力されるカップリング151,251を有している。
【0044】
カラー310,410は、軸カバー143,243に設けられている。第1カラー310は、回転軸方向一方側が閉塞した円形の筒状の形状を有している。第1カラー310は、軸カバー143をネジS1によりフレーム本体141に取り付けることで、その内側に第1現像ローラ121の第1回転軸121Aの回転軸方向一方側の端部が入り込んでいる。これにより、第1カラー310は、第1回転軸121Aの端部を覆っている。また、第2カラー410は、回転軸方向一方側が閉塞した略D字形の筒状の形状を有している。第2カラー410は、軸カバー243をネジS2によりフレーム本体241に取り付けることで、その内側に第2現像ローラ221の第2回転軸221Aの回転軸方向一方側の端部が入り込んでいる。これにより、第2カラー410は、第2回転軸221Aの端部を覆っている。
【0045】
カラー310,410は、カップリング151,251と回転軸方向の同じ側に設けられている。これにより、第1カラー310および第2カラー410は、第1プロセスカートリッジ100または第2プロセスカートリッジ200がレーザプリンタ1に装着された状態において、レーザプリンタ1の回転軸方向の中央に対して回転軸方向の同じ側に設けられている。
【0046】
図3および図4に示すように、第1現像ローラ121の回転軸線C12と直交する方向における第1カラー310の長さ(直径)L11と、第2現像ローラ221の回転軸線C22と直交する方向における第2カラー410の長さ(最大長さ)L21とは、互いに異なる。具体的には、第1カラー310の長さL11は、第2カラー410の長さL21よりも小さい。
【0047】
図3に示すように、第1凹部320は、第1現像ユニット120を第1ドラムユニット110に装着するときに第1カラー310が嵌まる部分である。第1凹部320は、第1ドラムユニット110に設けられている。また、図4に示すように、第2凹部420は、第2現像ユニット220を第2ドラムユニット210に装着するときに第2カラー410が嵌まる部分である。第2凹部420は、第2ドラムユニット210に設けられている。
【0048】
ここで、図6(a)および図8(a)に示すように、ドラムユニット110,210は、フレーム部材の一例としてのドラムフレーム160,260を有している。ドラムフレーム160,260は、感光ドラム111,211を支持するフレームを構成している。ドラムフレーム160,260は、回転軸方向の一方側に側壁161,261を有し、他方側に側壁162,262を有している。
【0049】
凹部320,420は、ドラムユニット110,210の側壁161,261に設けられている。図3および図4に示すように、凹部320,420は、感光ドラム111,211から離れる方向に向けて開口している。
【0050】
第1現像ローラ121の回転軸線C12が延びる方向から見た第1凹部320の幅L12と、第2現像ローラ221の回転軸線C22が延びる方向から見た第2凹部420の幅L22とは、互いに異なる。具体的には、第1凹部320の幅L12は、第2凹部420の幅L22よりも小さい。また、第1凹部320の幅L12は、第1カラー310の長さL11と略同じである。また、第2凹部420の幅L22は、第2カラー410の長さL21と略同じである。
【0051】
なお、図9に示すように、第1現像ユニット120の回転軸方向他方側には、第1現像ローラ121の第1回転軸121A(図5参照)と同軸上に、回転軸方向外側に突出する第3カラー350が設けられている。一方、第1ドラムユニット110の回転軸方向他方側の側壁162には、第1現像ユニット120を第1ドラムユニット110に装着するときに第3カラー350が嵌まる第3凹部360が設けられている。
【0052】
また、同じ図を用いて説明すると、第2現像ユニット220の回転軸方向他方側には、第2現像ローラ221の第2回転軸221A(図7参照)と同軸上に、回転軸方向外側に突出する第4カラー450が設けられている。一方、第2ドラムユニット210の回転軸方向他方側の側壁262には、第2現像ユニット220を第2ドラムユニット210に装着するときに第4カラー450が嵌まる第4凹部460が設けられている。
【0053】
本実施形態では、第1現像ローラ121の回転軸線C12と直交する方向における第3カラー350の直径(最大長さ)と、第2現像ローラ221の回転軸線C22と直交する方向における第4カラー450の直径(最大長さ)とは、略同じである。また、第1現像ローラ121の回転軸線C12が延びる方向から見た第3凹部360の幅と、第2現像ローラ221の回転軸線C22が延びる方向から見た第4凹部460の幅とは、略同じである。
【0054】
第1プロセスカートリッジ100では、第1カラー310が第1凹部320に嵌まり、第3カラー350が第3凹部360に嵌まることで、第1感光ドラム111に対する第1現像ローラ121の位置が決まる。また、第2プロセスカートリッジ200では、第2カラー410が第2凹部420に嵌まり、第4カラー450が第4凹部460に嵌まることで、第2感光ドラム211に対する第2現像ローラ221の位置が決まる。
【0055】
図3に示すように、第1押圧部材330は、第1ドラムユニット110に装着された状態の第1現像ユニット120を第1感光ドラム111に向けて押圧する部材である。第1押圧部材330は、第1ドラムユニット110に設けられている。また、図4に示すように、第2押圧部材430は、第2ドラムユニット210に装着された状態の第2現像ユニット220を第2感光ドラム211に向けて押圧する部材である。第2押圧部材430は、第2ドラムユニット210に設けられている。
【0056】
押圧部材330,430は、ドラムフレーム160,260の、感光ドラム111,211側とは反対側の端部に設けられている。また、図6(a)および図8(a)に示すように、第1押圧部材330および第2押圧部材430は、それぞれ、回転軸方向の一端側と他端側に1つずつ設けられている。
【0057】
図10(a)に示すように、第1押圧部材330は、第1ブロック331と、第1押圧バネ332とを有している。また、図10(b)に示すように、第2押圧部材430は、第2ブロック431と、第2押圧バネ432とを有している。
【0058】
図6(a)および図8(a)に示すように、ドラムフレーム160,260には、押圧部材330,430を取付可能な押圧部材取付部70が設けられている。押圧部材取付部70は、ドラムフレーム160,260の、感光ドラム111,211側とは反対側の端部で、回転軸方向の一端側と他端側に1つずつ設けられている。
【0059】
図6(b)および図8(b)に示すように、押圧部材取付部70は、一対のガイド壁71,71と、連結壁72とを主に有している。一対のガイド壁71,71は、ドラムフレーム160,260の底壁163,263から突出して回転軸方向に対向するように設けられている。また、連結壁72は、一対のガイド壁71,71の感光ドラム111,211側とは反対側の端同士をつないでいる。
【0060】
押圧部材330,430は、一対のガイド壁71,71の間に取り付けられている。押圧部材取付部70は、押圧部材330,430のブロック331,431を、感光ドラム111,211に近づく方向と、感光ドラム111,211から離れる方向とに移動可能に支持している。
【0061】
各押圧部材取付部70は、第1押圧部材330および第2押圧部材430のうちの一方を選択的に取付可能な構成である。具体的には、ドラムフレーム160の押圧部材取付部70は、一対のガイド壁71,71の間に、第1押圧部材330の第1ブロック331を取り付けることができるとともに、第2押圧部材430の第2ブロック431を取り付けることもできる。ドラムフレーム260の押圧部材取付部70は、一対のガイド壁71,71の間に、第2押圧部材430の第2ブロック431を取り付けることができるとともに、第1押圧部材330の第1ブロック331を取り付けることもできる。
【0062】
図10(a)に示すように、第1押圧バネ332は、第1ブロック331と連結壁72との間に配置されている。また、図10(b)に示すように、第2押圧バネ432は、第2ブロック431と連結壁72との間に配置されている。押圧バネ332,432は、第1現像ユニット120が第1ドラムユニット110に装着されたとき、または、第2現像ユニット220が第2ドラムユニット210に装着されたときに押し縮められ、ブロック331,431を被押圧部340,440に向けて押圧する。第1ブロック331は、第1押圧バネ332に押圧されることで第1現像ユニット120の第1被押圧部340に当接する。また、第2ブロック431は、第2押圧バネ432に押圧されることで第2現像ユニット220の第2被押圧部440に当接する。第1押圧バネ332と第2押圧バネ432は、共通部品である。
【0063】
第1被押圧部340は、第1現像ユニット120が第1ドラムユニット110に装着されたときに、第1押圧部材330により第1感光ドラム111に向けて押圧される部分である。第1被押圧部340は、第1現像ユニット120に設けられている。また、第2被押圧部440は、第2現像ユニット220が第2ドラムユニット210に装着されたときに、第2押圧部材430により第2感光ドラム211に向けて押圧される部分である。第2被押圧部440は、第2現像ユニット220に設けられている。被押圧部340,440は、フレーム本体141,241の回転軸方向両側の側壁に1つずつ設けられている(回転軸方向一方側のみ図示)。
【0064】
第1プロセスカートリッジ100では、第1押圧部材330により第1被押圧部340が第1感光ドラム111に向けて押圧されることで、第1現像ローラ121が第1感光ドラム111に押圧された状態で接触する。また、第2プロセスカートリッジ200では、第2押圧部材430により第2被押圧部440が第2感光ドラム211に向けて押圧されることで、第2現像ローラ221が第2感光ドラム211に押圧された状態で接触する。
【0065】
図3および図4に示すように、第1感光ドラム111の回転軸線C11(回転中心)から第1押圧部材330までの距離L13と、第2感光ドラム211の回転軸線C21(回転中心)から第2押圧部材430までの距離L23とは、互いに異なる。具体的には、距離L23は、距離L13よりも小さい。
【0066】
さらに言えば、第2現像ローラ221の回転軸線C22(回転中心)から第2押圧部材430までの距離L24は、第1現像ローラ121の回転軸線C12(回転中心)から第1押圧部材330までの距離L14よりも小さい。
【0067】
これは、図10(a),(b)に示すように、第2押圧部材430(第2ブロック431)の第2被押圧部440を押圧する第2押圧面431Aが、第1押圧部材330(第1ブロック331)の第1被押圧部340を押圧する第1押圧面331Aよりも、第2感光ドラム211側に位置しているためである。
【0068】
本実施形態において、第2押圧部材430が第2被押圧部440を押圧する方向における第2押圧部材430の長さL43は、第1押圧部材330が第1被押圧部340を押圧する方向における第1押圧部材330の長さL33よりも大きい。一方、第1感光ドラム111の回転軸線C11から第1押圧部材330(第1ブロック331)のバネ当接面331Bまでの距離と、第2感光ドラム211の回転軸線C21から第2押圧部材430(第2ブロック431)のバネ当接面431Bまでの距離とは、略同じである。なお、バネ当接面331B,431Bは、押圧バネ332,432の感光ドラム111,211側の端部が当接可能な面である。
【0069】
また、図3および図4に示すように、第1現像ローラ121の回転軸線C12から第1被押圧部340の第1感光ドラム111側とは反対側の端(第1端部340A)までの距離L15と、第2現像ローラ221の回転軸線C22から第2被押圧部440の第1感光ドラム111側とは反対側の端(第1端部440A)までの距離L25とは、互いに異なる。具体的には、距離L25は、距離L15よりも小さい。
【0070】
これは、図10(a),(b)に示すように、第2被押圧部440の第1端部440Aが、第1被押圧部340の第1端部340Aよりも、第2感光ドラム211側に位置しているためである。
【0071】
本実施形態において、第2押圧部材430が第2被押圧部440を押圧する方向における第2被押圧部440の長さL44は、第1押圧部材330が第1被押圧部340を押圧する方向における第1被押圧部340の長さL34よりも小さい。一方、第1現像ローラ121の回転軸線C12から第1被押圧部340の第1感光ドラム111側の端(第2端部340B)までの距離と、第2現像ローラ221の回転軸線C22から第2被押圧部440の第1感光ドラム111側の端(第2端部440B)までの距離とは、略同じである。
【0072】
第2ドラムユニット210に第2現像ユニット220が装着されていない状態(すなわち、第2押圧バネ432が自然長である状態)で、第2現像ローラ221の回転軸線C22と同じ位置から第2押圧部材430までの距離L24は、第1現像ユニット120の第1現像ローラ121の回転軸線C12から第1被押圧部340の第1端部340Aまでの距離L15よりも小さい。
【0073】
図3に示すように、第1プロセスカートリッジ100は、第1ロック部材180を有している。第1ロック部材180は、第1ドラムユニット110に装着された第1現像ユニット120を、第1ドラムユニット110にロックするための部材である。第1ロック部材180は、第1ドラムユニット110に設けられている。
【0074】
図11(a)に示すように、第1ロック部材180は、ドラムフレーム160に回動可能に係合する軸受部181と、ロック部182と、リフト部183とを主に有している。第1ロック部材180は、第1現像ユニット120を第1ドラムユニット110にロックするロック位置と、ロックを解除する解除位置との間で回動可能である。
【0075】
ロック部182は、ロック位置にあるときに、現像ユニット120の現像フレーム140に設けられた被係合部146に係合する。これにより、第1現像ユニット120が第1ドラムユニット110から外れるのが抑制される。図11(b)に示すように、第1ロック部材180をロック位置から解除位置に回動させると、ロック部182と被係合部146との係合が解除されるとともに、リフト部183の先端部が現像ユニット120を押し上げる。これにより、第1現像ユニット120を第1ドラムユニット110から取り外すことが可能となる。
【0076】
図4に示すように、第2プロセスカートリッジ200は、第2ロック部材280を有している。第2ロック部材280は、第2現像ユニット220に装着されたトナーカートリッジ230を、第2現像ユニット220にロックするための部材である。第2ロック部材280は、第2ドラムユニット210ではなく、第2現像ユニット220に設けられている。
【0077】
図12(a)に示すように、第2ロック部材280は、現像フレーム240に回動可能に係合する軸受部281と、ロック部282と、リフト部283とを主に有している。第2ロック部材280は、トナーカートリッジ230を第2現像ユニット220にロックするロック位置と、ロックを解除する解除位置との間で回動可能である。
【0078】
ロック部282は、ロック位置にあるときに、トナーカートリッジ230の筐体231に設けられた被係合部236に係合する。これにより、トナーカートリッジ230が第2現像ユニット220から外れるのが抑制される。図12(b)に示すように、第2ロック部材280をロック位置から解除位置に回動させると、ロック部282と被係合部236との係合が解除されるとともに、リフト部283の先端部がトナーカートリッジ230の被係合部236を押し上げる。これにより、トナーカートリッジ230を第2現像ユニット220から取り外すことが可能となる。
【0079】
ロック部材180,280は、ロックする対象が、現像ユニット120とトナーカートリッジ230で異なる。そのため、ロック部材180,280は、設けられる位置が異なる。
【0080】
詳しくは、図3および図4に示すように、第1感光ドラム111の回転軸線C11から第1ロック部材180までの距離L18と、第2感光ドラム211の回転軸線C21から第2ロック部材280までの距離L28とは、互いに異なる。具体的には、距離L28は、距離L18よりも大きい。すなわち、第2ロック部材280は、第1ロック部材180よりも、対応する感光ドラム111,211の回転軸線C11,C21から離れた位置に設けられている。
【0081】
図6に示すように、第1ドラムユニット110は、第1ドラムシャフト111Aと、ドラムフレーム160に設けられた第1ガイド突起166とを有している。また、図8に示すように、第2ドラムユニット210は、第2ドラムシャフト211Aと、ドラムフレーム260に設けられた第2ガイド突起266とを有している。
【0082】
第1ドラムシャフト111Aは、第1感光ドラム111の回転軸線C11に沿って延びている。また、第2ドラムシャフト211Aは、第2感光ドラム211の回転軸線C21に沿って延びている。ドラムシャフト111A,211Aは、対応する感光ドラム111,211の内側を通すように配置されている。
【0083】
第1ガイド突起166は、第1プロセスカートリッジ100をレーザプリンタ1に着脱するときに、レーザプリンタ1の着脱ガイド26(図3参照)にガイドされる突起である。第1ガイド突起166は、ドラムフレーム160の第1感光ドラム111側とは反対側の端部で、回転軸方向の一端側と他端側に1つずつ設けられている(一方のみ図示)。具体的には、第1ガイド突起166は、側壁161,162から第1ドラムシャフト111Aが延びる方向に沿って回転軸方向外側に突出している。
【0084】
また、第2ガイド突起266は、第2プロセスカートリッジ200をレーザプリンタ1に着脱するときに、レーザプリンタ1の着脱ガイド26(図4参照)にガイドされる突起である。第2ガイド突起266は、ドラムフレーム260の第2感光ドラム211側とは反対側の端部で、回転軸方向の一端側と他端側に1つずつ設けられている(一方のみ図示)。具体的には、第2ガイド突起266は、側壁261,262から第2ドラムシャフト211Aが延びる方向に沿って回転軸方向外側に突出している。
【0085】
図3および図4に示すように、着脱ガイド26は、ガイドの一例である。着脱ガイド26は、第1プロセスカートリッジ100をレーザプリンタ1に着脱するときに、第1プロセスカートリッジ100の第1ガイド突起166をガイドする。また、着脱ガイド26は、第2プロセスカートリッジ200をレーザプリンタ1に着脱するときに、第2プロセスカートリッジ200の第2ガイド突起266をガイドする。着脱ガイド26は、本体筐体2内で、感光ドラム111,211の回転軸線C11,C21が延びる方向におけるプロセスカートリッジ100,200の両側に設けられている(一方のみ図示)。
【0086】
本実施形態において、第1ドラムシャフト111Aの中心(回転軸線C11)から第1ガイド突起166までの距離L16と、第2ドラムシャフト211Aの中心(回転軸線C21)から第2ガイド突起266までの距離L26とは、等しくなっている。
【0087】
以上説明した本実施形態によれば、例えば、図4に示す第2現像ユニット220を、図3に示す第1ドラムユニット110に装着しようとしたときには、第1凹部320の幅L12が第2カラー410の長さL21よりも小さいので、第2カラー410と第1凹部320の開口付近とが干渉する。これにより、第2カラー410を第1凹部320に嵌めることができないので、第2現像ユニット220の第1ドラムユニット110への誤装着を防ぐことができる。
【0088】
一方、図3に示す第1現像ユニット120を、図4に示す第2ドラムユニット210に装着しようとしたときには、第2凹部420の幅L22が第1カラー310の長さL11よりも大きいので、第1カラー310は第2凹部420に入り込む。これにより、第1現像ローラ121が第2感光ドラム211に接触可能となる。一方で、第1現像ローラ121の回転軸線C12から第1被押圧部340の第1端部340Aまでの距離L15が、第2現像ローラ221の回転軸線C22から第2押圧部材430までの距離L24よりも大きいので、第1被押圧部340と第2押圧部材430(第2ブロック431)とが干渉する。これにより、第1現像ユニット120を第2ドラムユニット210にそれ以上装着することができないので、第1現像ユニット120の第2ドラムユニット210への誤装着を防ぐことができる。
【0089】
このように本実施形態の構成によれば、カラー310,410と押圧部材330,430(特に第2カラー410と第2押圧部材430)を利用して、交換部品としての現像ユニット120,220の種類を識別することができる。
【0090】
また、第1ドラムユニット110および第2ドラムユニット210が、第1押圧部材330および第2押圧部材430のうちの一方を選択的に取付可能な押圧部材取付部70が設けられたドラムフレーム160,260を有するので、第1ドラムユニット110と第2ドラムユニット210との間でドラムフレーム160,260の少なくとも一部を共通化することができる。
【0091】
本実施形態の画像形成システムAは、干渉機構10を備えることで、第1現像ユニット120の第2ドラムユニット210への誤装着、および、第2現像ユニット220の第1ドラムユニット110への誤装着を防ぐことができる。また、干渉機構10により誤装着を防げることで、構成要素が異なるプロセスカートリッジ100,200の間で、干渉機構10以外の部品、例えば、感光ドラム111,211、現像ローラ121,221、ドラムフレーム160,260の少なくとも一部などを共通化することができる。
【0092】
また、第1カラー310が第1現像ローラ121の第1回転軸121Aの端部を覆っているので、第1カラー310が第1凹部320に嵌まったときに第1現像ローラ121の位置を決めることができる。また、第2カラー410が第2現像ローラ221の第2回転軸221Aの端部を覆っているので、第2カラー410が第2凹部420に嵌まったときに第2現像ローラ221の位置を決めることができる。
【0093】
言い換えると、本実施形態の干渉機構10は、誤装着を防ぐために、単に干渉するだけの機構ではない。すなわち、前述したとおり、干渉機構10を構成するカラー310,410と凹部320,420は、現像ローラ121,221の位置を決める機構を兼ねている。また、干渉機構10を構成する押圧部材330,430と被押圧部340,440は、現像ローラ121,221を感光ドラム111,211に向けて押圧する機構を兼ねている。
【0094】
また、第1感光ドラム111の回転軸線C11から第1ロック部材180までの距離L18と、第2感光ドラム211の回転軸線C21から第2ロック部材280までの距離L28とが、互いに異なるので、ロックする対象に応じた最適な位置にロック部材180,280を配置することができる。
【0095】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0096】
例えば、干渉機構は、第1カラー310、第1凹部320、第2カラー410および第2凹部420からなり、押圧部材330,430および被押圧部340,440を備えない構成であってもよい。これによれば、第2現像ユニット220の第2カラー410と第1ドラムユニット110の第1凹部320との干渉により、第2現像ユニット220を第1ドラムユニット110に装着不能とすることができる。
【0097】
また、干渉機構が、カラー310,410および凹部320,420からなる場合、第1カラー310および第1凹部320は、第1プロセスカートリッジ100の回転軸方向両側に1つずつ対象に設けられていてもよい。また、第2カラー410および第2凹部420についても、第2プロセスカートリッジ200の回転軸方向両側に1つずつ対象に設けられていてもよい。
【0098】
また、干渉機構は、第1カラー310、第1凹部320、第3カラー350、第3凹部360、第2カラー410、第2凹部420、第4カラー450および第4凹部460からなる構成であってもよい。
【0099】
この場合、第1現像ローラ121の回転軸線C12と直交する方向における第3カラー350の直径と、第2現像ローラ221の回転軸線C22と直交する方向における第4カラー450の直径とは、互いに異なっていてもよい。また、第1現像ローラ121の回転軸線C12が延びる方向から見た第3凹部360の幅と、第2現像ローラ221の回転軸線C22が延びる方向から見た第4凹部460の幅とは、互いに異なっていてもよい。
【0100】
一例として、第3カラー350の直径が第4カラー450の直径よりも大きく、第3凹部360の幅が第4凹部460の幅よりも大きくてもよい。このような構成によれば、第2現像ユニット220を第1ドラムユニット110に装着しようとした場合には、回転軸方向一方側において、第2カラー410が第1凹部320に嵌まらないことにより誤装着を防ぐことができる。一方で、第1現像ユニット120を第2ドラムユニット210に装着しようとした場合には、回転軸方向他方側において、第3カラー350が第4凹部460に嵌まらないことにより誤装着を防ぐことができる。
【0101】
また、第1カラー310および第2カラー410は、その全体が筒状の形状であってもよい。すなわち、第1カラー310および第2カラー410は、軸方向一方側が閉塞した構造ではなく、回転軸方向に貫通した構造であってもよい。
【0102】
また、干渉機構は、第1押圧部材330、第1被押圧部340、第2押圧部材430および第2被押圧部440からなり、カラー310,410および凹部320,420を備えない構成であってもよい。これによれば、第1現像ユニット120の第1被押圧部340と第2ドラムユニット210の第2押圧部材430との干渉により、第1現像ユニット120を第2ドラムユニット210に装着不能とすることができる。
【0103】
また、第2プロセスカートリッジは、第2現像ユニットが第2ドラムユニットに着脱可能な構成であってもよい。また、第2プロセスカートリッジは、工場での組み立ての際、第2現像ユニットを第2ドラムユニットに装着した後に、第2ドラムユニットと第2現像ユニットとが分離できないように固定してもよい。第1プロセスカートリッジについても同様である。
【0104】
また、画像形成装置本体は、用紙Sにモノクロ画像を形成するレーザプリンタ1に限定されない。例えば、用紙にカラー画像を形成可能なプリンタであってもよい。また、画像形成装置本体は、プリンタに限定されない。例えば、原稿読取装置を備える複写機または複合機であってもよい。
【0105】
また、画像形成システムは、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に選択的に着脱可能な3種類以上のプロセスカートリッジとから構成されていてもよい。
【0106】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 レーザプリンタ
26 着脱ガイド
70 押圧部材取付部
100 第1プロセスカートリッジ
110 第1ドラムユニット
111 第1感光ドラム
111A 第1ドラムシャフト
120 第1現像ユニット
121 第1現像ローラ
121A 第1回転軸
124 第1収容部
160 ドラムフレーム
166 第1ガイド突起
180 第1ロック部材
200 第2プロセスカートリッジ
210 第2ドラムユニット
211 第2感光ドラム
211A 第2ドラムシャフト
220 第2現像ユニット
221 第2現像ローラ
221A 第2回転軸
230 トナーカートリッジ
231 筐体
232 開口
234 第2収容部
235 アジテータ
260 ドラムフレーム
266 第2ガイド突起
280 第2ロック部材
310 第1カラー
320 第1凹部
330 第1押圧部材
331 第1ブロック
332 第1押圧バネ
340 第1被押圧部
410 第2カラー
420 第2凹部
430 第2押圧部材
431 第2ブロック
432 第2押圧バネ
440 第2被押圧部
A 画像形成システム
図1
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図12