特許第6805845号(P6805845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805845
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】レーザー超音波探傷装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/24 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   G01N29/24
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-10989(P2017-10989)
(22)【出願日】2017年1月25日
(65)【公開番号】特開2018-119847(P2018-119847A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 タケル
(72)【発明者】
【氏名】浅海 雄人
(72)【発明者】
【氏名】鳩 昌洋
(72)【発明者】
【氏名】春田 瑛介
(72)【発明者】
【氏名】畠中 宏明
【審査官】 村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−307818(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/049764(WO,A1)
【文献】 特開平08−285823(JP,A)
【文献】 特表2011−501150(JP,A)
【文献】 特開昭64−046644(JP,A)
【文献】 特開2004−333175(JP,A)
【文献】 特開2010−230558(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0027021(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0135784(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00−29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反射面を有する複数の第1ミラー部と、第2反射面を有する1または複数の第2ミラー部と、前記第2反射面を前記第1反射面に臨ませて前記第1ミラー部および前記第2ミラー部を支持する第1支持部とを含んで構成される第1ステージと、
光束の一部を反射し、他を透過するスプリッタ面を有する複数のビームスプリッタと、第3反射面を有する1または複数の第3ミラー部と、前記第3反射面を前記スプリッタ面に臨ませて前記ビームスプリッタおよび前記第3ミラー部を支持する第2支持部とを含んで構成される第2ステージと、
前記第1反射面と前記スプリッタ面とを対向させ、前記第2反射面と前記第3反射面とを対向させて、前記第1ステージと前記第2ステージとを相対的に移動させる移動部と、
を備えるレーザー超音波探傷装置。
【請求項2】
前記第1ステージと、前記第2ステージとの間に設けられた屈折率媒質を備える請求項1に記載のレーザー超音波探傷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザーを照射することで生じる超音波を用いて検査対象物を探傷するレーザー超音波探傷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検査対象物の傷、亀裂、接合不良等の欠陥を検査する際に、レーザー超音波探傷装置が利用されている。レーザー超音波探傷装置は、検査対象物にレーザーを照射する送信装置と、レーザーを照射することで検査対象物において生じた超音波を検出する受信装置とを備え、受信装置が検出した超音波を解析することで、欠陥の有無、欠陥の位置や大きさ等を検査するものである。
【0003】
このようなレーザー超音波探傷装置として、パルスレーザーを複数のビームに分岐させた後、複数のビームそれぞれの照射タイミングを異ならせて検査対象物に照射することで、複数のビームそれぞれに起因する各超音波を集束させる技術が開発されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、ビームの照射タイミングを異ならせる構成として、複数のビームそれぞれを、長さの異なる複数の光ファイバを介して斜角送信ヘッドに導く送信遅延部が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2503139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された技術において、超音波の集束位置は、各光ファイバの長さの差で決定されることとなる。このため、超音波の集束位置が固定されてしまい、検査対象物において検査が不可能となる箇所が生じてしまうという問題がある。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑み、超音波の集束位置を変更することが可能なレーザー超音波探傷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るレーザー超音波探傷装置は、第1反射面を有する複数の第1ミラー部と、第2反射面を有する1または複数の第2ミラー部と、前記第2反射面を前記第1反射面に臨ませて前記第1ミラー部および前記第2ミラー部を支持する第1支持部とを含んで構成される第1ステージと、光束の一部を反射し、他を透過するスプリッタ面を有する複数のビームスプリッタと、第3反射面を有する1または複数の第3ミラー部と、前記第3反射面を前記スプリッタ面に臨ませて前記ビームスプリッタおよび前記第3ミラー部を支持する第2支持部とを含んで構成される第2ステージと、前記第1反射面と前記スプリッタ面とを対向させ、前記第2反射面と前記第3反射面とを対向させて、前記第1ステージと前記第2ステージとを相対的に移動させる移動部と、を備える。
【0008】
また、前記第1ステージと、前記第2ステージとの間に設けられた屈折率媒質を備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
超音波の集束位置を変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】レーザー超音波探傷装置を説明する図である。
図2】実施形態にかかる送信部を説明する図である。
図3】送信部によるレーザーの分岐と、分岐したビームの照射タイミングを説明する図である。
図4】第1の変形例にかかる送信部を説明する図である。
図5】第2の変形例にかかる送信部を説明する図である。
図6】光路長と、超音波の入射角度との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
(レーザー超音波探傷装置100)
図1は、レーザー超音波探傷装置100を説明する図である。図1中、レーザー(ビーム)を実線の矢印で示し、超音波を破線で示す。図1に示すように、レーザー超音波探傷装置100は、送信レーザー照射部110と、受信レーザー照射部120と、計測部130と、信号取得部140と、制御部150とを含んで構成される。
【0013】
送信レーザー照射部110は、送信レーザー光源112と、送信部200とを含んで構成される。送信レーザー光源112は、レーザー(例えば、パルスレーザー)を出力する。送信レーザー光源112は、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、チタンサファイアレーザー等の固体レーザー、色素(ダイ)レーザー等の液体レーザー、COレーザー、エキシマレーザー等のガスレーザー等で構成される。
【0014】
送信部200は、送信レーザー光源112から出力されたレーザーを複数のビームに分岐し、複数のビームそれぞれの照射タイミングを異ならせて検査対象物10に照射する。送信部200の具体的な構成については、後に詳述する。
【0015】
受信レーザー照射部120は、受信レーザー光源122と、受信部124とを含んで構成される。受信レーザー光源122は、レーザー(例えば、パルスレーザー)を出力する。受信レーザー光源122は、後述する計測部130に適用可能なレーザー光源で構成される。
【0016】
受信部124は、受信レーザー光源122から出力されたレーザーを検査対象物10に照射するとともに、検査対象物10から反射されたレーザーを集光して計測部130に導く。
【0017】
計測部130は、受信レーザー光源122が集光したレーザーに対して干渉計測を行い、超音波を検出する。計測部130は、例えば、マイケルソン干渉計、マッハツェンダ干渉計、コンフォーカル・ファブリペロー干渉計、位相共役光学素子を用いた干渉計等で構成される。また、計測部130は、検出した超音波を信号取得部140に出力する。
【0018】
信号取得部140は、計測部130から出力された超音波をA/D変換し、超音波信号として制御部150に出力する。
【0019】
制御部150は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部150は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働してレーザー超音波探傷装置100全体を管理および制御する。制御部150は、送信レーザー照射部110、受信レーザー照射部120、計測部130、信号取得部140を制御する。例えば、制御部150は、信号取得部140から出力された超音波信号を解析し、検査対象物10における欠陥の有無、欠陥の位置や大きさ等を検査する。
【0020】
従来、送信部は、複数のビームごとに対応する互いに長さの異なる複数の光ファイバで構成されていた。このため、超音波の集束位置Sが固定される、つまり、超音波の入射角度θが固定されてしまうという問題があった。ここで、集束位置Sは、複数のビームの照射タイミングを異ならせることによって、異なる複数の超音波の波面を形成し、波面間の干渉による合成波面によって形成される超音波の強度が最も大きくなる位置である。また、集束位置Sが決定されると、超音波の入射角度θが決定される。なお、入射角度θは、検査対象物10の表面と、超音波の伝播方向(複数のビームのうち、時間的に中央に位置するビームと、集束位置Sとを結ぶ仮想線、図1中、一点鎖線で示す)との為す角度である。換言すれば、超音波の入射角度θは、ビームの光軸と直交する線と仮想線との為す角度である。
【0021】
そこで、本実施形態では、超音波の集束位置Sを変更(移動)できる送信部200について説明する。
【0022】
(送信部200)
図2は、本実施形態にかかる送信部200を説明する図である。なお、本実施形態の図2では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。
【0023】
図2に示すように、送信部200は、第1ステージ210を備えている。第1ステージ210は、複数(ここでは、5つ)の第1ミラー部212と、複数(ここでは、5つ)の第2ミラー部214と、第1支持部216と、第1固定部218とを含んで構成される。
【0024】
第1ミラー部212は、レーザーを反射する第1反射面212aを有するミラーで構成される。第2ミラー部214は、レーザーを反射する第2反射面214aを有するミラーで構成される。
【0025】
第1支持部216は、第2反射面214aを第1反射面212aに臨ませて第1ミラー部212および第2ミラー部214を支持する。本実施形態において、第1支持部216は、第1反射面212aと第2反射面214aとの為す角αが90°となって互いに臨むように、第1ミラー部212と第2ミラー部214を支持する。また、第1支持部216は、第1ミラー部212および第2ミラー部214(第1反射面212aおよび第2反射面214a)が、図2中、X軸方向に交互、かつ、等間隔に配されるように支持する。ここで、第1支持部216は、第1反射面212aと、第2反射面214aとの間に形成される光路長が等しくなるように、第1ミラー部212および第2ミラー部214を支持する。
【0026】
第1固定部218は、一端が第1支持部216に固定され、他端が後述する移動部240の可動部246bに固定される。第1固定部218は、第1反射面212aおよび第2反射面214aが第2ステージ220(検査対象物10)側に位置するように、第1支持部216を移動部240に固定する。
【0027】
また、送信部200は、第2ステージ220を備えている。第2ステージ220は、第1ステージ210よりも検査対象物10側に配される。第2ステージ220は、複数(ここでは、4つ)のビームスプリッタ222と、複数(ここでは、5つ)の第3ミラー部224と、第2支持部226と、第2固定部228とを含んで構成される。
【0028】
ビームスプリッタ222は、レーザー(光束)の一部を反射するとともに、他を透過するスプリッタ面222aを有する。
【0029】
第3ミラー部224は、レーザー、または、ビームを反射する第3反射面224aを有するミラーで構成される。
【0030】
第2支持部226は、第3反射面224aをスプリッタ面222aに臨ませてビームスプリッタ222および第3ミラー部224を支持する。本実施形態において、第2支持部226は、スプリッタ面222aと第3反射面224aとの為す角βが90°となって互いに臨むように、ビームスプリッタ222と第3ミラー部224を支持する。また、第2支持部226は、ビームスプリッタ222および第3ミラー部224(スプリッタ面222aおよび第3反射面224a)が、図2中、X軸方向に交互、かつ、等間隔に配されるように支持する。ここで、第2支持部226は、スプリッタ面222aと、第3反射面224aとの間に形成される光路長が等しくなるように、ビームスプリッタ222および第3ミラー部224を支持する。また、第1支持部216および第2支持部226は、第1反射面212aと第2反射面214aとの間に形成される光路長と、スプリッタ面222aと第3反射面224aとの間に形成される光路長とが等しくなるように、第1ミラー部212、第2ミラー部214、ビームスプリッタ222、第3ミラー部224を支持する。
【0031】
第2固定部228は、一端が第2支持部226に固定され、他端が移動部240の固定体244に固定される。第2固定部228は、スプリッタ面222aおよび第3反射面224aが第1ステージ210(検査対象物10の反対)側に位置するように、第2支持部226を移動部240に固定する。
【0032】
屈折率媒質230は、透光性が高く、周囲の雰囲気(空気)より屈折率が高い媒質、例えば、ガラス、プラスチック等の空気よりも大きい屈折率を有する材質で構成される。屈折率媒質230は、第1ステージ210と第2ステージ220との間に配される。具体的に説明すると、屈折率媒質230は、第1反射面212a、第2反射面214a、スプリッタ面222a、第3反射面224aによって反射されたレーザーの光軸上、または、ビームの光軸上に配される。屈折率媒質230は、媒質固定部232によって移動部240の固定体244に固定される。
【0033】
移動部240は、架台242と、固定体244と、可動体246とを含んで構成される。架台242は、検査対象物10に載置される。
【0034】
固定体244は、架台242から図2中、Z軸方向(検査対象物10の反対側)に延在した、例えば、棒形状の部材である。なお、固定体244は、第2ステージ220、第2固定部228、屈折率媒質230、および、媒質固定部232の重量を支えるレールであってもよい。また、固定体244は、第2ステージ220、第2固定部228、屈折率媒質230、および、媒質固定部232を上方から吊設するクレーンであってもよい。固定体244には、第2固定部228および媒質固定部232が固定される。換言すれば、固定体244には、第2固定部228を介して第2ステージ220が固定され、媒質固定部232を介して屈折率媒質230が固定される。
【0035】
可動体246は、延在部246aと、可動部246bと、不図示のアクチュエータとを含んで構成される。延在部246aは、架台242から図2中、Z軸方向(検査対象物10の反対側)に延在した、例えば、棒形状の部材である。なお、延在部246aは、第1ステージ210、および、第1固定部218の重量を支えるとともに進路を誘導するレールであってもよい。
【0036】
可動部246bは、延在部246aに挿通され、アクチュエータによって、延在部246aに沿って、図2中、Z軸方向に移動される。可動部246bには、第1固定部218が固定される。換言すれば、可動部246bには、第1固定部218を介して第1ステージ210が固定される。したがって、可動部246bが移動されることにより、第1ステージ210と第2ステージ220とが相対的に移動することになる。
【0037】
なお、可動体246は、第1ステージ210、および、第1固定部218を上方から吊設するとともに、鉛直方向の位置を移動可能なクレーンであってもよい。
【0038】
また、本実施形態において、第1ステージ210および第2ステージ220は、移動部240に固定された際に、第1反射面212aとスプリッタ面222aとが平行に対向し、第2反射面214aと第3反射面224aとが平行に対向する寸法関係となっている。したがって、移動部240は、第1反射面212aとスプリッタ面222aとを対向させ、第2反射面214aと第3反射面224aとを対向させて、第1ステージ210と第2ステージ220とを相対的に移動させることとなる。
【0039】
図3は、送信部200によるレーザーの分岐と、分岐したビームの照射タイミングを説明する図である。図3(a)は、送信部200によるレーザーの分岐を説明する図である。図3(b)は、送信部200による分岐したビームの照射タイミングを説明する図である。また、本実施形態の図3(a)では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。なお、図3(a)中、理解を容易にするために、第1固定部218、第2固定部228、屈折率媒質230、移動部240を省略する。また、第1ミラー部212を第1ミラー部212A〜212Eで示し、第2ミラー部214を第2ミラー部214A〜214Eで示す。ビームスプリッタ222をビームスプリッタ222A〜222Dで示し、第3ミラー部224を第3ミラー部224A〜224Eで示す。さらに、図3(a)中、レーザー、および、ビームを実線の矢印で示す。
【0040】
送信レーザー光源112から出力されたレーザーは、図3(a)に示すように、第2ステージ220の第3ミラー部224Aの第3反射面224aに照射される。上記したように、移動部240によって、第3ミラー部224の第3反射面224aは、第2反射面214aに対向して配される。このため、第3ミラー部224Aの第3反射面224aに照射されたレーザーは、第3反射面224aで反射されて第2ミラー部214Aの第2反射面214aに導かれる。
【0041】
また、上記したように、第1支持部216によって、第2ミラー部214の第2反射面214aは、第1ミラー部212の第1反射面212aに臨んで配される。このため、第2ミラー部214Aの第2反射面214aに導かれたレーザーは、第2反射面214aで反射されて、第1ミラー部212Aの第1反射面212aに導かれる。
【0042】
また、上記したように、移動部240によって、第1ミラー部212の第1反射面212aは、スプリッタ面222aに対向して配される。このため、第1ミラー部212Aの第1反射面212aに導かれたレーザーは、第1反射面212aで反射されてビームスプリッタ222Aのスプリッタ面222aに導かれる。スプリッタ面222aに導かれたレーザーは、スプリッタ面222aで2つに分岐され、一方のビームは検査対象物10に照射される。
【0043】
また、上記したように、第2支持部226によって、第3ミラー部224の第3反射面224aは、ビームスプリッタ222のスプリッタ面222aに臨んで配される。このため、ビームスプリッタ222Aのスプリッタ面222aで分岐された他方のビームは、多少劣化した後、第3ミラー部224Bの第3反射面224aに導かれる。
【0044】
以降、ビームは、第2反射面214a、第1反射面212a、スプリッタ面222a、第3反射面224aの順に導かれる。そうすると、ビームスプリッタ222B〜222Dにおいて分岐されたビームが検査対象物10に照射され、第1ミラー部212Eで反射されたビームが検査対象物10に照射される。
【0045】
こうして、送信部200は、送信レーザー光源112から出力されたレーザーを5つに分岐し、ビームスプリッタ222A〜222D、第1ミラー部212Eからそれぞれビームを検査対象物10に照射することができる。
【0046】
続いて、送信部200による各ビームの照射タイミングについて説明する。上記したように、ビームスプリッタ222Aによって分岐されたビームは、第3ミラー部224B、第2ミラー部214B、第1ミラー部212Bを介してビームスプリッタ222Bに導かれる。また、ビームスプリッタ222Bによって分岐されたビームは、第3ミラー部224C、第2ミラー部214C、第1ミラー部212Cを介してビームスプリッタ222Cに導かれる。同様に、ビームスプリッタ222Cによって分岐されたビームは、第3ミラー部224D、第2ミラー部214D、第1ミラー部212Dを介してビームスプリッタ222Dに導かれる。そして、ビームスプリッタ222Dに導かれ、ビームスプリッタ222Dによって分岐されたビームは、第3ミラー部224E、第2ミラー部214E、第1ミラー部212Eを介して検査対象物10に照射される。
【0047】
つまり、送信レーザー光源112から出力されたレーザーは、送信部200によって分岐され、ビームスプリッタ222A、ビームスプリッタ222B、ビームスプリッタ222C、ビームスプリッタ222D、第1ミラー部212Eの順で検査対象物10に照射される。
【0048】
また、ビームスプリッタ222Aからビームスプリッタ222Bまでの光路長、ビームスプリッタ222Bからビームスプリッタ222Cまでの光路長、ビームスプリッタ222Cからビームスプリッタ222Dまでの光路長は、スプリッタ面222aと第3反射面224aとの間に形成される光路長ΔL、第3反射面224aと第2反射面214aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)、第2反射面214aと第1反射面212aとの間に形成される光路長ΔL、第1反射面212aとスプリッタ面222aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)の合計である。また、ビームスプリッタ222Dから第1ミラー部212Eまでの光路長は、スプリッタ面222aと第3反射面224aとの間に形成される光路長ΔL、第3反射面224aと第2反射面214aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)、第2反射面214aと第1反射面212aとの間に形成される光路長ΔLの合計である。
【0049】
そうすると、図3(b)に示すように、ビームスプリッタ222Bから照射されるビームは、ビームスプリッタ222Aから照射されるビームより、遅延時間Δt=2(ΔL+ΔZ)/光速(299792458ms−1)分、遅延される。同様に、ビームスプリッタ222Cから照射されるビームは、ビームスプリッタ222Bから照射されるビームより遅延時間Δt分、遅延され、ビームスプリッタ222Dから照射されるビームは、ビームスプリッタ222Cから照射されるビームより遅延時間Δt分、遅延される。また、第1ミラー部212Eから照射されるビームは、上述したビームスプリッタ222Dから第1ミラー部212Eまでの光路長に、上記光路長ΔZ(離隔距離)を加えた地点から照射されるため、ビームスプリッタ222Dから照射されるビームより、遅延時間Δt分、遅延される。
【0050】
なお、本実施形態において、ビームスプリッタ222は、図3(b)に示すように、ビームスプリッタ222A〜222D、第1ミラー部212Eから照射される各ビームのビーム強度I(検査対象物10に照射されるビーム強度I)が、実質的に等しくなるように構成される。例えば、ビームスプリッタ222Aは、反射光(一方の光束(ビーム))と透過光(他方の光束(ビーム))の強さがn−1:1(nは、ビーム数)となるように構成される。ビームスプリッタ222Bは、反射光と透過光の強さがn−2:1となるように構成される。ビームスプリッタ222Cは、反射光と透過光の強さがn−3:1となるように構成される。ビームスプリッタ222Dは、反射光と透過光の強さがn−4:1となるように構成される。
【0051】
したがって、送信部200を備える構成により、複数のビームそれぞれの照射タイミングを異ならせることができ、検査対象物10内において、複数のビームそれぞれに起因する各超音波を集束させることが可能となる。
【0052】
また、上記したように、本実施形態の送信部200は、移動部240を備え、移動部240が第1ステージ210と第2ステージ220とを相対的に移動させる。つまり、移動部240は、第1ステージ210と第2ステージ220との離隔距離(第1反射面212aとスプリッタ面222aとの間に形成される光路長ΔZ、および、第3反射面224aと第2反射面214aとの間に形成される光路長ΔZ)を変更することができる。
【0053】
本実施形態において、各ビーム間の照射時間の差(遅延時間)Δtは、第1反射面212aとスプリッタ面222aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)、および、第3反射面224aと第2反射面214aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)に依存する。このため、移動部240によって光路長ΔZを変更可能な構成により、遅延時間Δtを変更することが可能となる。換言すれば、移動部240は、光束を迂回させつつ、光束の総距離を変更することができ、ビームスプリッタ222は、迂回させた光束を途中で複数引き抜いて検査対象物10に照射することが可能となる。これにより、超音波の集束位置を変更することが可能となり、検査対象物10において検査が不可能な箇所を少なくすることができる。
【0054】
(変形例)
上記実施形態では、隣り合うスプリッタ面222a(ビームスプリッタ222)間において、第1ステージ210と第2ステージ220との間をビームが2回移動するように構成された送信部200を例に挙げて説明した。しかし、ビームが、第1ステージ210と第2ステージ220との間を4回、または、8回移動するように送信部を構成することもできる。
【0055】
図4は、第1の変形例にかかる送信部300を説明する図である。なお、図4では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。また、理解を容易にするために、図4(a)中、第1固定部218、第2固定部228、屈折率媒質230、移動部240を省略する。さらに、図4中、レーザー、および、ビームを実線の矢印で示す。また、上述した送信部200と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0056】
(送信部300)
送信部300は、第1ステージ310と、第2ステージ320と、屈折率媒質230と、移動部240とを含んで構成される。第1ステージ310は、第1ミラー部212と、第2ミラーユニット314と、第1支持部216と、第1固定部218とを含んで構成される。つまり、第1ステージ310は、第1ステージ210の第2ミラー部214を第2ミラーユニット314に置き換えたものである。第2ステージ320は、ビームスプリッタ222と、第3ミラーユニット324と、第2支持部226と、第2固定部228とを含んで構成される。つまり、第2ステージ320は、第1ステージ210の第3ミラー部224を第3ミラーユニット324に置き換えたものである。
【0057】
図4(a)に示すように、第2ミラーユニット314は、分波部350と、第4ミラー部352と、第2ミラー部214とを含んで構成される。分波部350は、第3反射面224aによって反射されたレーザーを透過するとともに、後述する第4反射面352aで反射されたビームを反射する分波面350aを有する分波部材で構成される。なお、分波面350aにおいて透過するレーザーの光路と、反射するビームの光路とは、図4(a)中、Y軸方向の位置が異なり、X軸方向の位置は等しいが、理解を容易にするために、図4(a)では、X軸方向の位置を異ならせて示す。
【0058】
第4ミラー部352は、レーザー、または、ビームを反射する第4反射面352aを有するミラーで構成される。
【0059】
第1の変形例において、第1支持部216は、分波面350aと、第4反射面352aとが平行に対向するように、分波部350および第4ミラー部352を支持する。また、第1支持部216は、第2反射面214aを第4反射面352aに臨ませて、第2ミラー部214および第4ミラー部352を支持する。第1の変形例において、第1支持部216は、第2反射面214aと第4反射面352aの為す角が90°となって互いに臨むように、第2ミラー部214と第4ミラー部352を支持する。第1支持部216は、第2反射面214aと第4反射面352aとの間に形成される光路長が、上記光路長ΔLとなり、第4反射面352aと第1反射面212aとの間に形成される光路長が光路長ΔLとなるように、第1ミラー部212、第2ミラー部214、分波部350、第4ミラー部352を支持する。
【0060】
図4(a)、図4(b)に示すように、第3ミラーユニット324は、第5ミラー部360と、第6ミラー部362とを含んで構成される。第5ミラー部360は、レーザー、または、ビームを反射する第5反射面360aを有するミラーで構成される。第6ミラー部362は、レーザー、または、ビームを反射する第6反射面362aを有するミラーで構成される。
【0061】
第2支持部226は、第6反射面362aを第5反射面360aに臨ませて、第5ミラー部360および第6ミラー部362を支持する。第1の変形例において、第2支持部226は、第5反射面360aと第6反射面362aの為す角が90°となって互いに臨むように、第5ミラー部360と第6ミラー部362を支持する。第2支持部226は、第5反射面360aと第6反射面362aとの間に形成される光路長が、上記光路長ΔLとなり、スプリッタ面222aと第3反射面224aとの間に形成される光路長が光路長ΔLとなるように、ビームスプリッタ222、第3ミラー部224、第5ミラー部360、第6ミラー部362を支持する。
【0062】
また、移動部240は、第3反射面224aが第4反射面352aに臨み、第2反射面214aが第5反射面360aおよび第6反射面362aに臨むように、第1支持部216、第2支持部226を固定する。また、移動部240は、第2反射面214aが第3反射面224aに平行に対向するように、第1支持部216、第2支持部226を固定する。
【0063】
そうすると、図4中、Y軸方向から入射され、第3反射面224aで反射されたレーザーは、分波面350aを通過して第4反射面352aに導かれ、第4反射面352aで反射される。そして、第4反射面352aで反射されたレーザーは、第2反射面214aに導かれ、第2反射面214aで反射される。第2反射面214aで反射されたレーザーは第6反射面362aに導かれ、第6反射面362aで反射される。第6反射面362aで反射されたレーザーは第5反射面360aに導かれ、第5反射面360aで反射される。第5反射面360aで反射されたレーザーは、第2反射面214aに導かれ、第2反射面214aで反射される。第2反射面214aで反射されたレーザーは、第4反射面352aに導かれ、第4反射面352aで反射される。そして、第4反射面352aで反射されたレーザーは、分波面350aに導かれ、分波面350aで反射されて、第1反射面212aに導かれる。
【0064】
なお、第4反射面352aから第2反射面214aまでの間に形成される光路と、第2反射面214aから第4反射面352aまでの間に形成される光路とは、図4(a)中、Y軸方向の位置が異なり、Z軸方向の位置は等しいが、理解を容易にするために、図4(a)では、Z軸方向の位置を異ならせて示す。また、第2反射面214aから第6反射面362aまでの光路と、第5反射面360aから第2反射面214aまでの光路とは、図4(a)中、Y軸方向の位置が異なり、X軸方向の位置は等しいが、理解を容易にするために、図4(a)では、X軸方向の位置を異ならせて示す。
【0065】
したがって、送信部300において、隣り合うビームスプリッタ222間の光路長は、スプリッタ面222aと第3反射面224aとの間に形成される光路長ΔL、第3反射面224aと第4反射面352aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)、第4反射面352aと第2反射面214aとの間に形成される光路長ΔL、第2反射面214aと第6反射面362aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)、第6反射面362aと第5反射面360aとの間に形成される光路長ΔL、第5反射面360aと第2反射面214aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)、第2反射面214aと第4反射面352aとの間に形成される光路長ΔL、第4反射面352aと分波面350aとの間に形成される光路長ΔM、分波面350aと第1反射面212aとの間に形成される光路長ΔL、第1反射面212aとスプリッタ面222aとの間に形成される光路長ΔZ(離隔距離)の合計である。そうすると、各ビームスプリッタ222から照射されるビーム間の遅延時間Δtは、(5ΔL+4ΔZ+ΔM)/光速となる。
【0066】
(送信部400)
図5は、第2の変形例にかかる送信部400を説明する図である。なお、図5では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。また、理解を容易にするために、図5(a)中、第1固定部218、第2固定部228、屈折率媒質230、移動部240を省略する。さらに、図5中、レーザー、および、ビームを実線の矢印で示す。また、上述した送信部200と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0067】
送信部400は、第1ステージ410と、第2ステージ420と、屈折率媒質230と、移動部240とを含んで構成される。第1ステージ410は、第1ミラー部212と、第2ミラーユニット414と、第1支持部216と、第1固定部218とを含んで構成される。つまり、第1ステージ410は、第1ステージ210の第2ミラー部214を第2ミラーユニット414に置き換えたものである。第2ステージ420は、ビームスプリッタ222と、第3ミラーユニット424と、第2支持部226と、第2固定部228とを含んで構成される。つまり、第2ステージ420は、第1ステージ210の第3ミラー部224を第3ミラーユニット424に置き換えたものである。
【0068】
また、第2ミラーユニット414は、分波部350と、第4ミラー部352および第2ミラー部214を2組備えている。つまり、第2ミラーユニット414は、上記送信部300の第2ミラーユニット314に第4ミラー部352および第2ミラー部214を1組追加したものである。なお、送信部400において、第4ミラー部352および第2ミラー部214のセットは、図5(a)、図5(b)中、Y軸方向およびZ軸方向の位置を等しくして、X軸方向に並列して配される。
【0069】
また、第3ミラーユニット424は、第5ミラー部360および第6ミラー部362を2組備えている。つまり、第3ミラーユニット424は、上記送信部300の第3ミラーユニット324に第5ミラー部360および第6ミラー部362を1組追加したものである。なお、送信部400において、第5ミラー部360および第6ミラー部362の一方のセットは、他方のセットに対して、Z軸を回転軸として90°回転して配される。
【0070】
これにより、送信部400において、ビームスプリッタ222から照射されるビーム間の遅延時間Δtは、(9ΔL+8ΔZ+ΔM)/光速となる。
【0071】
以上説明したように、変形例にかかる送信部300、400によれば、移動部240による第1ステージ210の移動距離が送信部200と等しくても超音波の入射角度θを大きくすることができる。したがって、レーザー超音波探傷装置を小型化することが可能となる。
【0072】
(シミュレーション)
送信部200、300、400において、光路長ΔLを0.5mmとした場合の超音波の入射角度θについてシミュレーションを行った。
【0073】
図6は、光路長ΔZ(離隔距離)と、超音波の入射角度θとの関係を説明する図である。まず、隣り合うスプリッタ面222a間の光路長が2(ΔL+ΔZ)(第1ステージ210と第2ステージ220間のビームの移動回数が2回)となるように構成された送信部200(図6中、実線で示す)について説明する。図6に示すように、送信部200では、離隔距離ΔZを略0mmから1950mmまで移動させると、超音波の入射角度θを略0°から15°以上まで移動できることが確認された。
【0074】
次に、隣り合うスプリッタ面222a間の光路長が(5ΔL+4ΔZ)(第1ステージ310と第2ステージ320間のビームの移動回数が4回)となるように構成された送信部300(図6中、破線で示す)について説明する。図6に示すように、送信部300では、離隔距離ΔZを略0mmから1950mmまで移動させると、超音波の入射角度θを略0°から30°以上まで移動できることが確認された。
【0075】
続いて、隣り合うスプリッタ面222a間の光路長が(9ΔL+8ΔZ)(第1ステージ410と第2ステージ420間のビームの移動回数が8回)となるように構成された送信部400(図6中、一点鎖線で示す)について説明する。図6に示すように、送信部400では、離隔距離ΔZを略0mmから1950mmまで移動させると、超音波の入射角度θを略0°から45°以上まで移動できることが確認された。
【0076】
以上説明したように、本実施形態にかかるレーザー超音波探傷装置100によれば、移動部240を備える構成により、超音波の集束位置を変更することができる(可変させる)。これにより、集束位置を走査(スキャン)することができ、探傷範囲を拡大することが可能となる。
【0077】
また、上記したように、第1ステージ210と第2ステージ220との間に屈折率媒質230を備える構成により、実効的な光路長が長くなり、移動部240による第1ステージ210の移動量を少なくすることができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に技術的範囲に属するものと了解される。
【0079】
例えば、上記実施形態において、第1ミラー部212、第2ミラー部214、ビームスプリッタ222、第3ミラー部224をそれぞれ複数備えた送信部200を例に挙げて説明した。しかし、第2ミラー部214、第3ミラー部224は、1つであってもよい。
【0080】
また、上記実施形態において、送信レーザー光源112が第3ミラー部224Aにレーザーを照射する構成を例に挙げて説明した。しかし、送信レーザー光源112は、第1ミラー部212Aにレーザーを照射してもよい。この場合、第2ミラー部214A、第3ミラー部224Aを省略することができる。
【0081】
また、上記実施形態において、移動部240は、第1ステージ210のみを移動させる構成を例に挙げて説明した。しかし、移動部240は、第1ステージ210と第2ステージ220とを相対的に移動できればよい。したがって、移動部240は、第2ステージ220のみを移動させてもよいし、第1ステージ210および第2ステージ220を両方とも移動させてもよい。
【0082】
また、上記実施形態において、送信部200が屈折率媒質230を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、屈折率媒質230は必須の構成ではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示は、レーザーを照射することで生じる超音波を用いて検査対象物を探傷するレーザー超音波探傷装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 レーザー超音波探傷装置
210 第1ステージ
212 第1ミラー部
212a 第1反射面
214 第2ミラー部
214a 第2反射面
216 第1支持部
220 第2ステージ
222 ビームスプリッタ
222a スプリッタ面
224 第3ミラー部
224a 第3反射面
226 第2支持部
230 屈折率媒質
240 移動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6