(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のデバイス情報は、前記外部装置が、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従った第2の無線接続を前記通信装置と確立することをトリガとして、前記第1の無線通信方式に従った前記第1の無線接続を前記通信装置と確立不可能な不可能状態から、前記第1の無線通信方式に従った前記第1の無線接続を前記通信装置と確立可能な可能状態に移行する機能を有することを示し、
前記第2のデバイス情報は、前記外部装置が前記機能を有さないことを示し、
前記第2の無線通信方式に従った無線通信を実行可能な距離は、前記第1の無線通信方式に従った無線通信を実行可能な距離よりも短く、
前記第1の手法は、前記通信装置を前記外部装置に近づけることを含み、
前記第2の手法は、前記外部装置に対する操作を実行して、前記外部装置を前記不可能状態から前記可能状態に移行させることを含み、
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記コンピュータを、
前記第1の表示情報が前記表示部に表示された後に、前記通信装置の第2の無線インタフェースを介して前記第2の無線通信方式に従った前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を前記外部装置と再確立するための第3の接続指示を前記第1の無線インタフェースに供給する第3の供給部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
前記不可能状態は、無線ネットワークの親局及び子局のどちらとしても動作していない前記外部装置が、前記第1の無線通信方式に従った前記第1の無線接続を前記通信装置と確立するための所定の無線通信を実行不可能な状態を含み、
前記可能状態は、無線ネットワークの親局及び子局のどちらとしても動作していない前記外部装置が前記所定の無線通信を実行可能な状態を含む、請求項2又は3に記載のコンピュータプログラム。
前記第1の無線接続は、前記通信装置が無線ネットワークの親局として動作すると共に前記外部装置が前記無線ネットワークの子局として動作するための無線接続である、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
前記第2の接続指示は、さらに、前記外部装置から前記第1の要求信号に対する前記第1の応答信号が受信される場合に、第2の要求信号の送信を前記第1の無線インタフェースに実行させるための指示を含み、
前記特定の場合は、前記第1の無線インタフェースが、前記第2の要求信号を送信したにも関わらず、前記外部装置から前記第2の要求信号に対する第2の応答信号を受信しないことを含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
前記第1のデバイス情報は、前記外部装置が、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従った第2の無線接続を前記通信装置と確立することをトリガとして、前記第1の無線通信方式に従った前記第1の無線接続を前記通信装置と確立不可能な不可能状態から、前記第1の無線通信方式に従った前記第1の無線接続を前記通信装置と確立可能な可能状態に移行する機能を有することを示し、
前記第2のデバイス情報は、前記外部装置が前記機能を有さないことを示し、
前記第2の無線通信方式に従った無線通信を実行可能な距離は、前記第1の無線通信方式に従った無線通信を実行可能な距離よりも短く、
前記送信部は、
前記通信装置の操作部に対する所定操作が実行されることである前記第1のトリガ情報が取得され、かつ、前記第1の無線接続が前記外部装置と確立される前記第1の場合に、前記デバイス情報要求を前記外部装置に送信し、
前記通信装置の第2の無線インタフェースを介して前記第2の無線通信方式に従った前記第2の無線接続が前記外部装置と確立されることである前記第1のトリガ情報が取得され、かつ、前記第1の無線接続が前記外部装置と確立される第2の場合に、前記デバイス情報要求を前記外部装置に送信せず、
前記記憶制御部は、前記第2の場合に、前記外部装置から前記デバイス情報が受信されなくても、前記第1のデバイス情報を前記メモリに記憶させる、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示すように、通信システム2は、複数個の多機能機(以下では「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」と呼ぶ)10、50、60と、携帯端末100と、を備える。MFP10及び携帯端末100は、Wi−Fi方式に従った無線通信であるWi−Fi通信を相互に実行可能であると共に、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従った無線通信であるNFC通信を相互に実行可能である。MFP50、60及び携帯端末100は、Wi−Fi通信を相互に実行可能であるが、NFC通信を相互に実行不可能である。
【0010】
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺装置(例えばPC200等の周辺装置)である。MFP10には、MACアドレス「AAA」及びデバイス名「XXX」が割り当てられている。MFP10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、スキャン実行部18と、Wi−Fiインタフェース(以下ではインタフェースを「I/F」と記載する)20と、NFCI/F22と、制御部30と、を備える。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に入力することができる。表示部14は、文字列、アイコン画像を利用して様々な情報を表示可能なディスプレイであり、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。以下では、操作部12及び表示部14を総称して「MFP操作部」と呼ぶことがある。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部18は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
【0012】
Wi−FiI/F20は、Wi−Fi方式に従ったWi−Fi通信を実行するためのI/Fである。Wi−Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers、 Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a、11b、11g、11n等)に基づく無線通信方式である。Wi−FiI/F20は、特に、Wi−Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしている。WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification Version1.5」に記述されている無線通信方式である。
【0013】
MFP10は、WFD方式のGroup Owner状態、Client状態、及び、デバイス状態のいずれかの状態で動作することができる。以下では、Group Owner、Clientのことを、それぞれ、「G/O」、「CL」と記載する。MFP10がG/O状態で動作する場合には、MFP10は、MFP10が親局(即ちG/O)として動作するWFDネットワーク(以下では「WFDNW」と記載する)を形成する。そして、MFP10は、外部機器とのWi−Fi接続を確立して、外部機器をWFDNWに子局として参加させることができる。例えば、外部機器がWFD方式をサポートしている機器(以下では「WFD機器」と呼ぶ)である場合には、当該外部機器は、CL状態で動作して、WFDNWに子局(即ちCL)として参加する。また、例えば、外部機器がWFD方式をサポートしていない場合、即ち、当該外部機器がレガシー機器である場合には、当該外部機器は、WFD方式のいずれかの状態で動作することなく、WFDNWに子局(即ちレガシー)として参加する。MFP10が親局として動作するWFDネットワークに参加可能な子局の数の上限数は予め決められており、本実施例では、上限数は「1」である。なお、変形例では、上限数は「2」以上であってもよい。また、外部機器がG/O状態で動作する場合には、MFP10は、CL状態で動作する。そして、MFP10は、外部機器とのWi−Fi接続を確立して、当該外部機器によって形成されたWFDNWに子局(即ちCL)として参加することができる。なお、デバイス状態は、G/O状態及びCL状態のどちらでもない状態、即ち、MFP10が外部機器との接続を確立していない状態である。
【0014】
また、Wi−FiI/F20は、Wi−Fi Allianceによって策定されたWPS(Wi-Fi Protected Setupの略)をサポートしている。WPSは、いわゆる自動無線設定又は簡単無線設定と呼ばれるものであり、Wi−Fi方式に従った無線接続(以下では「Wi−Fi接続」と呼ぶ)を確立するための無線設定情報(例えば、パスワード、認証方式、暗号化方式等)がユーザによって入力されなくても、一対の機器の間に簡単にWi−Fi接続を確立することができる技術である。特に、Wi−FiI/F20は、WPSのPBC(Push Button Configurationの略)方式をサポートしている。PBC方式は、一対の機器のそれぞれにユーザによって無線接続操作(例えばボタンを押す操作)が実行される場合に、一対の機器の間にWi−Fi接続を確立するための方式である。
【0015】
NFCI/F22は、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従ったNFC通信を実行するためのI/Fである。NFC方式は、例えば、ISO/IEC14443、15693、18092などの国際標準規格に基づく無線通信方式である。なお、NFC通信を実行するためのI/Fの種類として、NFCフォーラムデバイス(NFC Forum Device)と呼ばれるI/Fと、NFCフォーラムタグと呼ばれるI/Fと、が知られている。NFCI/F22は、NFCフォーラムデバイスであり、P2P(Peer To Peerの略)モード、R/W(Reader/Writerの略)モード、及び、CE(Card Emulationの略)モードのいずれかで選択的に動作可能なI/Fである。
【0016】
次いで、Wi−FiI/F20とNFCI/F22との間の相違点を説明しておく。Wi−FiI/F20を介したWi−Fi通信の通信速度(例えば最大の通信速度が11〜600Mbps)は、NFCI/F22を介したNFC通信の通信速度(例えば最大の通信速度が100〜424Kbps)よりも速い。また、Wi−FiI/F20を介したWi−Fi通信における搬送波の周波数(例えば2.4GHz帯又は5.0GHz帯)は、NFCI/F22を介したNFC通信における搬送波の周波数(例えば13.56MHz帯)とは異なる。また、Wi−FiI/F20を介したWi−Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば最大で約100m)は、NFCI/F22を介したNFC通信を実行可能な最大の距離(例えば最大で約10cm)よりも大きい。
【0017】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。また、メモリ34は、WFDフラグ38を格納する。WFDフラグ38は、MFP10がWFD方式に従って動作可能な状態であることを意味する「ON」と、MFP10がWFD方式に従って動作不可能な状態であることを意味する「OFF」と、のどちらかの値を示す。WFDフラグ38が「ON」である状態は、MFP10の動作状態が、WFD方式の3個の状態(即ち、G/O状態、CL状態、及び、デバイス状態)のうちのいずれかである状態である。WFDフラグ38が「OFF」である状態は、MFP10の動作状態が、WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない状態である。
【0018】
また、MFP10は、NFCハンドオーバ機能(以下では「NFCHO(Hand Overの略)機能」と記載する)を有する。NFCHO機能は、MFP10と外部機器との間にNFCリンクが確立されることに起因して、MFP10の動作状態を、WFD方式に従ったWi−Fi接続を外部機器と新たに確立不可能である不可能状態から、WFD方式に従ったWi−Fi接続を外部機器と新たに確立可能である可能状態に移行させる機能である。具体的には、MFP10は、WFDフラグ38が「OFF」に設定されている状況において、外部機器とのNFCリンクが確立されると、WFDフラグ38を「OFF」から「ON」に変更し、この結果、MFP10の動作状態を、WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない上記の不可能状態から、デバイス状態である上記の可能状態に移行させる。また、MFP10は、MFP10がG/O状態で動作しており、かつ、上限数の子局(即ち本実施例では1個の子局)とのWi−Fi接続を確立している状況において、外部機器とのNFCリンクが確立されると、MFP10の動作状態を、G/O状態である上記の不可能状態から、デバイス状態である上記の可能状態に移行させる。また、MFP10は、MFP10がCL状態で動作している状況において、外部機器とのNFCリンクが確立されると、MFP10の動作状態を、CL状態である上記の不可能状態から、デバイス状態である上記の可能状態に移行させる。
【0019】
(MFP50、60の構成)
MFP50には、MACアドレス「BBB」及びデバイス名「YYY」が割り当てられており、MFP60には、MACアドレス「CCC」及びデバイス名「ZZZ」が割り当てられている。MFP50は、NFCI/F22を備えていない点、即ち、NFCHO機能を有さない点を除いて、MFP10と同様の構成を備える。MFP60は、NFCI/F22を備えていない点、即ち、NFCHO機能を有さない点と、表示部の構成が異なる点と、を除いて、MFP10と同様の構成を備える。MFP60の表示部は、MFP10の表示部14のサイズよりも小さく、文字列のみを表示可能なディスプレイである。当該表示部は、タッチパネルとして機能せず、いわゆる非タッチパネル式のディスプレイである。
【0020】
(携帯端末100の構成)
携帯端末100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置等の可搬型の端末装置である。携帯端末100には、MACアドレス「DDD」が割り当てられている。携帯端末100は、操作部112と、表示部114と、Wi−FiI/F120と、NFCI/F122と、制御部130と、を備える。
【0021】
操作部112は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示を携帯端末100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイであり、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。以下では、操作部112及び表示部114を総称して「端末操作部」と呼ぶことがある。Wi−FiI/F120、NFCI/F122は、それぞれ、MFP10のWi−FiI/F20、NFCI/F22と同様である。
【0022】
制御部130は、CPU132と、メモリ134と、を備える。CPU132は、メモリ134に格納されている各プログラム136、138に従って、様々な処理を実行する。OS(Operation Systemの略)プログラム136は、携帯端末100の種々の基本的な動作を制御するためのプログラムである。また、MFPアプリケーション138は、MFP10等のベンダによって提供されるアプリケーションであり、例えば、インターネット上のサーバから携帯端末100にインストールされる。MFPアプリケーション138は、携帯端末100とMFP10等の間にWi−Fi接続を確立させたり、携帯端末100とMFP10等の間でWi−Fi接続を利用して対象データ(例えば印刷データ、スキャンデータ)の通信を実行させたりするためのアプリケーションである。以下では、MFPアプリケーション138のことを単に「アプリ138」と呼ぶ。
【0023】
メモリ134は、MFPテーブル140を格納する。MFPテーブル140は、携帯端末100とのWi−Fi接続が確立された1個以上のMFP10等のそれぞれについて、当該MFPのデバイス情報を記憶する。デバイス情報は、MFPのMACアドレスと、MFPがNFCHO機能を有するのか否かを示すNFCHO情報と、MFPの表示部がタッチパネル式であるのか非タッチパネル式であるのかを示すモデル情報と、を含む。
【0024】
(携帯端末100が実行する処理;
図2)
次いで、
図2を参照して、携帯端末100のCPU132がアプリ138に従って実行する処理の内容を説明する。アプリ138を起動させるための操作が端末操作部に実行される場合に、CPU132は、
図2の処理を開始する。なお、以下では、説明の便宜上、CPU132を主体として記載せずに、CPU132がアプリ138に従って実行する処理の主体、CPU132がOSプログラム136に従って実行する処理の主体を、それぞれ、「アプリ138」、「OS136」と記載する。
【0025】
S10において、アプリ138は、サーチ操作が端末操作部に実行されることを監視する。サーチ操作は、携帯端末100とのWi−Fi接続を確立可能な装置(以下では「対象装置」と呼ぶ)を検索するための操作である。アプリ138は、サーチ操作が実行される場合に、端末操作部(即ち操作部112又は表示部114)からサーチ操作が実行されたことを示すサーチ操作情報を取得し、S10でYESと判断し、S12に進む。
【0026】
S12において、アプリ138は、ブロードキャストによってProbe要求を送信するための指示をOS136に供給する。この場合、OS136は、当該指示をWi−FiI/F120に供給する。OS136は、Probe要求の送信に応じて、Wi−FiI/F120を介して、1個以上の対象装置のそれぞれからProbe応答を受信する。Probe応答は、送信元の対象装置のMACアドレスを含む。Probe応答は、さらに、送信元の対象装置がデバイス状態で動作している場合には、当該対象装置のデバイス名を含み、送信元の対象装置がG/O状態で動作している場合には、当該対象装置がG/Oとして動作するWFDNWのSSID(Service Set Identifierの略)と、を含む。そして、OS136は、1個以上のProbe応答内の各情報(即ち、MACアドレス、デバイス名、SSID等)をアプリ138に供給する。
【0027】
S14において、アプリ138は、OS136から取得される1個以上のデバイス名及び/又は1個以上のSSIDを表示部114に表示させ、それらの中から1個のデバイス名又はSSIDを選択するための装置選択操作が端末操作部に実行されることを監視する。装置選択操作は、携帯端末100がWi−Fi接続を確立すべき装置を選択するための操作である。アプリ138は、装置選択操作が実行される場合に、S14でYESと判断して、S20に進む。以下では、ここで選択されるデバイス名又はSSIDのことを「選択情報」と呼び、当該選択情報によって識別されるデバイスのことを「対象デバイス」と呼ぶ。
【0028】
S20において、アプリ138は、携帯端末100の動作状態をデバイス状態からG/O状態に移行させる。この結果、OS136は、携帯端末100が親局(即ちG/O)として動作する第1のWFDNWを形成し、第1のWFDNWで利用されるべき第1の無線設定情報(例えば、SSID「YYY1」、パスワード「PPP1」等)を生成する。なお、変形例では、アプリ138は、携帯端末100の動作状態を、SoftAPが起動されていない状態から、SoftAPが起動されている状態に移行させてもよい。この場合も、携帯端末100が親局として動作する無線ネットワークが形成される。
【0029】
S22において、アプリ138は、接続要求指示をOS136に供給する。接続要求指示は、S14で選択された選択情報と共に受信されたMACアドレスを含むProbe要求を送信するための指示と、Invitation要求を送信するための指示と、を含む。OS136は、接続要求指示を取得すると、当該MACアドレスを含むProbe要求を送信するための指示、即ち、対象デバイスへのProbe要求の送信のための指示をWi−FiI/F120に供給する。OS136は、対象デバイスへのProbe要求の送信に応じて、Wi−FiI/F120を介して、対象デバイスからProbe応答を受信する。その後、OS136は、対象デバイスへのInvitation要求の送信のための指示をWi−FiI/F120に供給する。Invitation要求は、携帯端末100が親局として動作する第1のWFDNWに参加することを要求するためのコマンドである。そして、OS136は、対象デバイスへのInvitation要求の送信に応じて、Wi−FiI/F120を介して、対象デバイスからInvitation応答を受信する。
【0030】
その後、OS136は、対象デバイスとのWi−Fi接続を確立するための処理を実行する。具体的には、OS136は、まず、対象デバイスのMACアドレスを含むPersistent情報がメモリ134に記憶されているのか否かを判断する。Persistent情報は、対象デバイスと携帯端末100との間にWi−Fi接続を確立するために利用された無線設定情報、即ち、携帯端末100によって過去に形成された第1のWFDNWで利用された第1の無線設定情報である。
【0031】
OS136は、対象デバイスのMACアドレスを含むPersistent情報が記憶されていない場合には、WPS接続処理を実行する。WPS接続処理は、第1の無線設定情報を対象デバイスに送信する処理と、当該無線設定情報を利用して対象デバイスとのWi−Fi接続を確立する処理を含む。その後、OS136は、対象デバイスのMACアドレスと、S20で生成された第1の無線設定情報と、を含むPersistent情報をメモリ134に記憶させる。
【0032】
一方、OS136は、対象デバイスのMACアドレスを含むPersistent情報が記憶されている場合には、Persistent接続処理を実行する。Persistent接続処理は、Persistent情報を利用して、対象デバイスとのWi−Fi接続を確立する処理を含む。
【0033】
S24において、アプリ138は、S22で確立されたWi−Fi接続を利用して(即ちWi−FiI/F20を介して)、デバイス情報要求をMFP10に送信し、MFP10から、Wi−FiI/F20を介して、対象デバイスのデバイス情報(即ち、MACアドレス、NFCHO情報、及び、モデル情報)を取得する。
【0034】
S26において、アプリ138は、S24で取得されたデバイス情報をメモリ134内のMFPテーブル140に登録する。S26が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0035】
その後、図示省略しているが、アプリ138は、Wi−Fi接続を利用して、対象データ(例えば印刷データ又はスキャンデータ)の通信を対象デバイスと実行する。
【0036】
また、アプリ138は、S10の監視と同時的に、S30において、NFCリンクが確立されることを監視する。アプリ138は、NFCI/F122からNFCリンクが確立されたことを示すNFC確立情報を取得する場合に、S30でYESと判断して、S32に進む。以下では、NFCリンクが確立されたデバイスのことを「対象デバイス」と呼ぶ。
【0037】
S32において、アプリ138は、NFCI/F122を介して、対象デバイスから、対象デバイスのMACアドレスを受信する。S34は、S12と同様である。
【0038】
S36において、アプリ138は、対象デバイスからProbe応答を受信したのか否かを判断する。アプリ138は、S34において受信される1個以上のProbe応答内の1個以上のMACアドレスの中に、S32で受信された対象デバイスのMACアドレスが存在する場合に、S36でYESと判断し、S20に進む。そして、S20、S22が実行され、対象デバイスとのWi−Fi接続が確立される。この場合、アプリ138は、S24をスキップして、S26を実行する。アプリ138は、S30でYESを経てMFP10とのWi−Fi接続が確立される場合には、対象デバイスがNFCHO機能を有すると判断し、デバイス情報要求を対象デバイスに送信することなく、S26において、NFCHO情報「あり」を含むデバイス情報をMFPテーブル140に登録する。この場合、当該デバイス情報は、モデル情報を含まない。
【0039】
一方、アプリ138は、S34において1個のProbe応答も受信されない場合、又は、S34において受信される1個以上のProbe応答内の1個以上のMACアドレスの中に、対象デバイスのMACアドレス「AAA」が存在しない場合に、S36でNOと判断し、S38に進む。S38において、アプリ138は、NFC接続情報を表示部114に表示させる。NFC接続情報は、携帯端末100と対象デバイスとの間にNFCリンクを確立させることをユーザに促すためのメッセージを含み、より具体的には、携帯端末100を対象デバイスに再び近づけることをユーザに促すメッセージを含む。例えば、携帯端末100と対象デバイスとの間のWi−Fi通信に関する電波状況が不安定な状況では、S36でNOと判断され得る。このような状況において、S38のNFC接続情報が表示されるので、ユーザが携帯端末100を対象デバイスに再び近づけることに起因して、アプリ138がS30で再びYESと判断する。この結果、S34において、Probe要求が再び送信される。その際に電波状況が改善されていると、当該Probe要求に対するProbe応答が受信され(S36でYES)、この結果、携帯端末100と対象デバイスとの間にWi−Fi接続が確立される。S38が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0040】
また、アプリ138は、S10及びS30の監視と同時的に、S40において、機能実行操作が端末操作部に実行されることを監視する。上記の対象デバイスとのWi−Fi接続が過去に確立された実績があることを条件として、機能実行操作の実行が許容される。即ち、アプリ138は、過去にWi−Fi接続が確立された対象デバイスのMACアドレスを含むPersistent情報がメモリ134に記憶されていることを条件として、機能実行操作の入力を受け付ける。なお、複数個の対象デバイスに対応する複数個のPersistent情報がメモリ134に記憶されている場合には、アプリ138は、複数個の対象デバイスから1個の対象デバイスを選択することを含む機能実行操作の入力を受け付ける。アプリ138は、機能実行操作が実行されると(S40でYES)、機能実行画面を表示部114に表示させる。機能実行画面は、対象デバイスに実行させる機能(例えば印刷機能、スキャン機能)を選択するための画面である。アプリ138は、機能実行画面において機能が選択されると、端末操作部(即ち操作部112又は表示部114)から機能が選択されたことを示す機能選択情報を取得し、S40でYESと判断し、S42に進む。
【0041】
S42、S44は、それぞれ、S34、S36と同様である。なお、S44において、アプリ138は、S42で受信される1個以上のProbe応答内の1個以上のMACアドレスの中に、Persistent情報内の対象デバイスのMACアドレスが存在する場合に、S44でYESと判断し、S50に進む。一方、アプリ138は、S42で受信される1個以上のProbe応答内の1個以上のMACアドレスの中に、対象デバイスのMACアドレスが存在しない場合に、S44でNOと判断し、S64に進む。S50、S52は、それぞれ、S20、S22と同様である。
【0042】
S60において、アプリ138は、OS136からWi−Fi確立情報を取得するのか否かを判断する。Wi−Fi確立情報は、S52で対象デバイスとのWi−Fi接続が確立される場合に、OS136からアプリ138に供給される情報である。アプリ138は、OS136からWi−Fi確立情報を取得する場合に、S60でYESと判断し、図示省略しているが、Wi−Fi接続を利用して、機能実行画面で選択された機能の実行要求を対象デバイスに送信する。これにより、
図2の処理が終了する。
【0043】
一方、アプリ138は、Wi−Fi確立情報を受信しない場合に、S60でNOと判断し、S62に進む。なお、Wi−Fi確立情報を受信しない場合とは、例えば、OS136が、Invitation要求を送信する指示をWi−FiI/F120に供給したにもかかわらず、Wi−FiI/F120を介して、対象デバイスからInvitation応答を受信しない場合である。S62において、アプリ138は、携帯端末100の動作状態をG/O状態からデバイス状態に移行させる。
【0044】
S64において、アプリ138は、MFPテーブル140を利用して、対象デバイスがNFCHO機能を有しているのか否かを判断する。アプリ138は、対象デバイスのMACアドレスに対応するNFCHO情報が「あり」を示す場合に、S64でYESと判断し、S66に進む。S66は、S38と同様である。S66が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0045】
一方、アプリ138は、対象デバイスのMACアドレスに対応するNFCHO情報が「なし」を示す場合に、S64でNOと判断し、S68に進む。S68において、アプリ138は、MFP操作情報を表示部114に表示させる。MFP操作情報は、対象デバイスを上記の不可能状態から上記の可能状態に移行させるための操作をMFP操作部に実行することをユーザに促すためのメッセージを含む。MFP操作情報は、モデル情報毎に異なる。従って、アプリ138は、対象デバイスのモデル情報に適したMFP操作情報を表示部114に表示させる。S68が終了すると、
図2の処理が終了する。
【0046】
(具体的なケース)
続いて、
図3〜
図8を参照して、
図2の処理によって実現される具体的なケースA〜ケースGについて説明する。各図において、太線の矢印はNFC通信を示し、細線の矢印はWi−Fi通信を示す。
【0047】
(ケースA;
図3)
ケースAの初期状態では、MFP10のWFDフラグ38は「OFF」に設定されており、MFP10は、WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない上記の不可能状態である。また、MFP10と携帯端末100との間にWi−Fi接続またはNFCリンクが確立された実績はない。このために、携帯端末100のMFPテーブル140にはMFP10のデバイス情報は格納されておらず、MFP10と携帯端末100のいずれにもPersistent情報が格納されていない。
【0048】
T10において、ユーザが携帯端末100をMFP10に近づけると、T20において、MFP10と携帯端末100との間のNFCリンクが確立される(
図2のS30でYES)。
【0049】
MFP10は、T22において、NFCリンクを利用して、MACアドレス「AAA」を携帯端末100に送信する(S32)。そして、MFP10は、NFCリンクが確立されると、T24において、WFDフラグ38を「OFF」から「ON」に変更して、MFP10の動作状態を、WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない上記の不可能状態から、デバイス状態である上記の可能状態に自動的に移行させる。
【0050】
携帯端末100は、T22において、NFCリンクを利用して、MFP10からMACアドレス「AAA」を受信すると(S32)、T30において、ブロードキャストによってProbe要求を送信する(S34)。
【0051】
MFP10は、T30において、携帯端末100からProbe要求を受信すると、T32において、MACアドレス「AAA」及びデバイス名「XXX」を含むProbe応答を携帯端末100に送信する。
【0052】
携帯端末100は、T32において、MFP10からProbe応答を受信すると、MACアドレス「AAA」を含むProbe応答を受信したと判断し(S36でYES)、T40において、G/O状態に移行する(S20)。これにより、携帯端末100は、第1のWFDNWを形成し、当該第1のWFDNWで利用されるべき第1の無線設定情報(即ち、SSID「YYY1」、パスワード「PPP1」等)を生成する。そして、携帯端末100は、T50において、T22で受信されたMACアドレス「AAA」を含むProbe要求をMFP10に送信する(S22)。
【0053】
MFP10は、T50において、携帯端末100からProbe要求を受信すると、T52において、MACアドレス「AAA」及びデバイス名「XXX」を含むProbe応答を携帯端末100に送信する。
【0054】
携帯端末100は、T52において、MFP10からProbe応答を受信すると、MFP10のMACアドレス「AAA」を含むPersistent情報が保存されていないと判断し、T60において、WPS接続処理の実行を要求するためのInvitation要求をMFP10に送信する(S22)。
【0055】
MFP10は、T60において、携帯端末100からInvitation要求を受信すると、T62において、OK情報を含むInviation応答を携帯端末100に送信する。
【0056】
T70では、MFP10と携帯端末100との間でWPS接続処理が実行される(S22)。具体的には、MFP10は、携帯端末100から、第1のWFDNWのSSID「YYY1」と、第1のWFDNWのパスワード「PPP1」と、を含む第1の無線設定情報を受信する。そして、MFP10と携帯端末100の間で4-way Handshake等の通信が実行され、Wi−Fi接続が確立される(S22)。
【0057】
T72において、MFP10は、携帯端末100のMACアドレス「BBB」と、T70で受信された第1の無線設定情報と、を含むPersistent情報をメモリ34に保存する。
【0058】
また、携帯端末100は、T74において、MFP10のMACアドレス「AAA」と、T40で生成された第1の無線設定情報と、を含むPersistent情報をメモリ134に保存する。そして、T76において、携帯端末100は、MFP10のデバイス情報をメモリ134に記憶させる。具体的には、携帯端末100は、MFP10とのNFCリンクが確立されたので(T20)、MFP10がNFCHO機能を有すると判断し、MACアドレス「AAA」と、NFCHO情報「あり」と、をMFPテーブル140に登録する。
【0059】
(ケースB;
図4)
ケースBの初期状態は、ケースAの初期状態と同じである。ケースBでは、NFCリンクの確立をトリガとしてMFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が確立されるのではなく、サーチ操作(
図2のS10でYES)が携帯端末100に実行されることをトリガとしてMFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が確立される。
【0060】
T110において、ユーザによって接続操作がMFP10に実行されると、
図3のT24と同様に、T112が実行される。接続操作は、WFDフラグ38を「OFF」から「ON」に変更するための予め決められている操作である。
【0061】
T120において、ユーザによってサーチ操作が携帯端末100に実行される(S10でYES)と、
図3のT30及びT32と同様に、T130及びT132が実行される(S12)。そして、携帯端末100は、MFP10のデバイス名「XXX」を表示し、T134において、デバイス名「XXX」の選択を受け付ける(S14でYES)。T140〜T160は、T40〜T60と同様である(S20、S22)。
【0062】
上述したように、NFCリンクが確立される
図3のケースAでは、MFP10は、OK情報を示すInvitation応答を送信し、その後、ユーザの操作を受け付けることなく、携帯端末100とのWi−Fi接続を確立するための処理(T62、T70)を自動的に実行する。これに対し、NFCリンクが確立されていない本ケースBでは、MFP10は、T162において、NG情報を示すInvitation応答を送信し、T164において、WPS実行画面を表示部14に表示する。WPS実行画面は、WPS接続処理を実行すべきか否かをユーザに問い合わせるための画面である。そして、T166において、WPS接続処理を実行すべきことを示すWPS実行操作がユーザによって実行されると、MFP10は、T170において、携帯端末100のMACアドレス「BBB」を含むProbe要求を携帯端末100に送信する。なお、MACアドレス「BBB」は、T160で受信されるInvitation要求に含まれている。
【0063】
携帯端末100は、T170において、MFP10からProbe要求を受信すると、T172において、Probe応答をMFP10に送信する。T180〜T184は、
図3のT70〜T74と同様である。
【0064】
携帯端末100は、T190において、Wi−Fi接続を利用して、MFP10のデバイス情報を取得するためのデバイス情報要求をMFP10に送信し、T192において、Wi−Fi接続を利用して、MFP10から、MFP10のデバイス情報(即ち、MACアドレス「AAA」、NFCHO情報「あり」、モデル情報「タッチパネル式」)を受信する(S24)。そして、T194において、MFP10は、T192で受信されたデバイス情報をMFPテーブル140に登録する(S26)。
【0065】
(ケースC;
図5)
ケースCの初期状態は、
図3又は
図4の後の状態、即ち、MFPテーブル140にMFP10のデバイス情報(即ちNFCHO情報「あり」)が登録されている状態であり、MFP10及び携帯端末100のそれぞれにPersistent情報が保存されている状態である。また、
図3又は
図4においてMFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が切断された後に、MFP10のWFDフラグ38がユーザによって「ON」から「OFF」に変更された後の状態である。
【0066】
携帯端末100は、T210において、MFP10に印刷機能を実行させるための機能実行操作を受け付ける(S40でYES)。この場合、携帯端末100は、T220において、ブロードキャストによってProbe要求を送信する(S42)。
【0067】
MFP10は、WFDフラグ38が「OFF」である不可能状態(即ちWFD方式に従ったWi−Fi接続を外部機器と新たに確立不可能である状態)であるので、携帯端末100からProbe要求を受信しても、当該Probe要求に対するProbe応答を送信しない。
【0068】
携帯端末100は、T220のProbe要求に応じて1個のProbe応答も受信されないと判断し(S44でNO)、MFP10がNFCHO機能を有すると判断し(S64でYES)、T230において、NFC接続情報を表示する(S66)。NFC接続情報は、携帯端末をMFP10に近づけることを促すメッセージを含む。これにより、ユーザは、携帯端末100をMFP10に近づければよいことを知ることができる。この結果、T240において、ユーザが携帯端末100をMFP10に近づけると、T250において、MFP10と携帯端末100との間のNFCリンクが確立される(S30でYES)。T252〜T282は、
図3のT22〜T52と同様である。即ち、MFP10は、携帯端末100とのNFCリンクが確立されることに起因して、T254において、デバイス状態に移行する。
【0069】
携帯端末100は、T282において、MFP10からProbe応答を受信すると、MFP10のMACアドレス「AAA」を含むPersistent情報が保存されていると判断し、T284において、Persistent接続処理の実行を要求するためのInvitation要求をMFP10に送信する。
【0070】
MFP10は、T284において、携帯端末100からInvitation要求を受信すると、T286において、OK情報を含むInviation応答を携帯端末100に送信する。
【0071】
T290において、MFP10と携帯端末100との間でPersistent接続処理が実行される。具体的には、Persistent情報を利用して、MFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が確立される。そして、携帯端末100は、Wi−Fi接続を利用して、T210で選択された印刷機能の実行要求をMFP10に送信する。
【0072】
(ケースD;
図6)
ケースDの初期状態は、MFP10とは異なるMFP50と携帯端末100との間で
図4と同様の処理が実行された後の状態、即ち、MFPテーブル140にMFP50のデバイス情報(即ち、NFCHO情報「なし」、モデル情報「タッチパネル式」)が登録されている状態であり、MFP50及び携帯端末100のそれぞれにPersistent情報が保存されている状態である。また、
図4と同様の処理においてMFP50と携帯端末100との間のWi−Fi接続が切断された後に、MFP50のWFDフラグが「OFF」に変更された後の状態である。
【0073】
携帯端末100は、
図5のT210において、MFP50に印刷機能を実行させるための機能実行操作を受け付けて(S40でYES)、T220において、ブロードキャストによってProbe要求を送信する(S42)。しかしながら、
図5のケースと同様に、携帯端末100は、T220のProbe要求に応じて1個のProbe応答も受信されないと判断する(S44でNO)。そして、携帯端末100は、MFP50がNFCHO機能を有さないと判断し(S64でNO)、T330において、MFP50のモデル情報「タッチパネル式」に適した第1のMFP操作情報を表示する(S68)。第1のMFP操作情報は、「1.MFPのタッチパネルの無線設定アイコンを操作してください」、「2.WFDフラグがOFFの場合はONに変更してください」等のメッセージを含む。
【0074】
T340において、ユーザによって、上記の「1.」及び「2.」のメッセージに従った接続操作、即ち、WFDフラグを「OFF」から「ON」に変更するための接続操作がMFP50に実行されると、T342において、MFP50は、WFDフラグを「OFF」から「ON」に変更して、WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない上記の不可能状態から、デバイス状態である上記の可能状態に移行する。
【0075】
その後、T350において、ユーザによってMFP50に印刷機能を選択するための機能実行操作が携帯端末100に実行されると、
図5のT260〜T290と同様の処理が実行され、MFP50と携帯端末100とのWi−Fi接続が確立される。そして、携帯端末100は、Wi−Fi接続を利用して、印刷機能の実行要求をMFP50に送信する。
【0076】
(ケースC、ケースDの効果)
本実施例によると、携帯端末100は、対象デバイスとのWi−Fi接続の確立が失敗した場合に、当該対象デバイスのデバイス情報に適した情報を表示することができる。具体的には、
図5のケースCに示されるように、携帯端末100は、対象デバイスであるMFP10のNFCHO情報が「あり」である場合には、NFC接続情報を表示する(T230)。これにより、ユーザが携帯端末100をMFP10に近づけるので、携帯端末100は、MFP10とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。一方、
図6のケースDに示されるように、携帯端末100は、対象デバイスであるMFP50のNFCHO情報が「なし」である場合には、第1のMFP操作情報を表示する(T330)。これにより、ユーザが接続操作をMFP50に実行するので、携帯端末100は、MFP50とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。
【0077】
また、図示していないが、例えば、MFP50がWFDNWの子局(即ちCL状態)として動作している状況では、携帯端末100は、Probe要求を送信しても、MFP50からProbe応答を受信することができない。この場合も、携帯端末100は、対象デバイスとのWi−Fi接続の確立が失敗したと判断し(S44でNO)、MFP50がNFCHO機能を有さないと判断し(S64でNO)、T330と同様の第1のMFP操作情報を表示する。ユーザは、第1のMFP操作情報内の「1.」に従った操作をMFP50に実行すると、MFP50のWFDフラグが「ON」であることを知ることができる。この場合、ユーザは、第1のMFP操作情報内の「3.」に従って、まず、MFP50のWFDフラグを「ON」から「OFF」に変更する。これにより、MFP50が、CL状態から、WFD方式の3個の状態のいずれでもない状態に移行する。そして、ユーザは、さらに、MFP50のWFDフラグを「OFF」から「ON」に変更する。これにより、MFP50が、WFD方式の3個の状態のいずれでもない状態からデバイス状態に移行する。この結果、ケースDのT350以降の処理が実行され、携帯端末100は、MFP50とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。
【0078】
また、図示していないが、例えば、MFP50がWFDNWの親局(即ちG/O状態)として動作している状況では、携帯端末100は、Probe要求を送信する場合に、MFP50からProbe応答を受信する。ただし、携帯端末100は、Invitation要求をMFP50に送信しても、MFP50からInvitation応答を受信することができない。この場合も、携帯端末100は、対象デバイスとのWi−Fi接続の確立が失敗したと判断し(S60でNO)、MFP50がNFCHO機能を有さないと判断し(S64でNO)、T330と同様の第1のMFP操作情報を表示する。ユーザは、第1のMFP操作情報内の「1.」及び「3.」に従った操作をMFP50に実行する。これにより、MFP50が、G/O状態から、WFD方式の3個の状態のいずれでもない状態を経て、デバイス状態に移行する。この結果、ケースDのT350以降の処理が実行され、携帯端末100は、MFP50とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。
【0079】
(ケースE;
図6)
ケースEの初期状態は、MFP10とは異なるMFP60と携帯端末100との間で
図4と同様の処理が実行された後の状態、即ち、MFPテーブル140にMFP60のデバイス情報(即ち、NFCHO情報「なし」、モデル情報「非タッチパネル式」)が登録されている状態であり、MFP60及び携帯端末100のそれぞれにPersistent情報が保存されている状態である。また、
図4と同様の処理において、MFP60と携帯端末100との間のWi−Fi接続が切断された後に、MFP60のWFDフラグが「OFF」に変更された後の状態である。
【0080】
携帯端末100は、
図5のT210において、MFP60に印刷機能を実行させるための機能実行操作を受け付けて(S40でYES)、T220において、ブロードキャストによってProbe要求を送信する(S42)。しかしながら、
図5のケースと同様に、携帯端末100は、T220のProbe要求に応じて1個のProbe応答も受信されないと判断する(S44でNO)。そして、携帯端末100は、MFP60がNFCHO機能を有さないと判断し(S64でNO)、T430において、MFP60のモデル情報「非タッチパネル式」に適した第2のMFP操作情報を表示する(S68)。第2のMFP操作情報は、「1.MFPの操作部の無線設定ボタンを操作してください」等のメッセージを含む。第2のMFP操作情報は、非タッチパネル式の操作部(即ちハードボタン)に対する操作を促すためのメッセージを含み、この点において、ケースDの第1のMFP操作情報とは異なる。
【0081】
T440において、ユーザによって、上記の「1.」及び「2.」のメッセージに従った操作、即ち、WFDフラグを「OFF」から「ON」に変更するための接続操作がMFP60に実行されると、T442において、MFP60は、WFDフラグを「OFF」から「ON」に変更して、WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない上記の不可能状態から、デバイス状態である上記の可能状態に移行する。T450以降は、ケースCのT350以降と同様である。
【0082】
(ケースD、ケースEの効果)
ケースDに示されるように、携帯端末100は、対象デバイスであるMFP50のモデル情報が「タッチパネル式」である場合には、MFP50のタッチパネル(即ちソフトボタン)の操作を促すための第1のMFP操作情報を表示する(T330)。これにより、ユーザがMFP50のタッチパネルを操作するので、携帯端末100は、MFP50とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。一方、ケースEに示されるように、携帯端末100は、対象デバイスであるMFP60のモデル情報が「非タッチパネル式」である場合には、MFP60のハードボタンの操作を促すための第2のMFP操作情報を表示する(T430)。これにより、ユーザがMFP60のハードボタンを操作するので、携帯端末100は、MFP60とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。
【0083】
(ケースF;
図7)
ケースFの初期状態は、
図3の後の状態、即ち、MFPテーブル140にMFP10のデバイス情報(即ちNFCHO情報「あり」)が登録されている状態であり、MFP10及び携帯端末100のそれぞれにPersistent情報が保存されている状態である。また、MFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が切断された後に、MFP10が、PC200が親局として動作する第2のWFDNWに子局として参加した後の状態である。
【0084】
T510、T520は、
図5のT210、T220と同様である。MFP10は、CL状態である場合には、携帯端末100からProbe要求を受信しても、Probe応答を携帯端末100に送信しない。
【0085】
携帯端末100は、T520のProbe要求に応じて1個のProbe応答も受信されないと判断し(S44でNO)、MFP10がNFCHO機能を有すると判断し(S64でYES)、T530において、NFC接続情報を表示する(S66)。T540〜T552は、
図5のT240〜T252と同様である。
【0086】
MFP10は、T560において、CL状態からデバイス状態に移行し、T562において、MFP10とPC200との間のWi−Fi接続が切断される。そして、
図5のT260〜T290と同様の処理が実行され、MFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が確立される。
【0087】
(ケースFの効果)
携帯端末100は、MFP10が第2のWFDNWに子局として参加している状態では、MFP10とのWi−Fi接続を確立することができない。本実施例によると、携帯端末100は、MFP10とのWi−Fi接続の確立に失敗したと判断する場合(S44でNO)に、MFP10がNFCHO機能を有すると判断し(S64でYES)、NFC接続情報を表示する(T530)。これにより、ユーザが携帯端末100をMFP10に近づけるので、MFP10がデバイス状態に移行し(T560)、この結果、携帯端末100は、MFP10とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。
【0088】
(ケースG;
図8)
ケースGの初期状態は、
図7の初期状態と同様であるが、MFP10が親局として動作する第3のWFDNWが形成されており、かつ、PC200が第3のWFDNWに子局として参加している点が、
図7の処理状態とは異なる。なお、第3のWFDNWに参加可能な子局の上限数は「1」である。
【0089】
T610は、
図5のT210と同様である。T620〜T642は、
図3のT30〜T52と同様である。ただし、T622及びT642のProbe応答は、MACアドレス「AAA」と、第3のWFDNWで利用されるSSID「YYY3」と、を含む。T650は、
図5のT284と同様である。MFP10は、MFP10がG/O状態として動作している場合に、携帯端末100からInvitation要求を受信しても、Invitation応答を携帯端末100に送信しない。
【0090】
携帯端末100は、Invitation要求の送信に応じてInvitation応答を受信しないので、MFP10とのWi−Fi接続の確立が失敗したと判断し(
図2のS60でNO)、T652において、G/O状態からデバイス状態に移行する(S62)。T660〜T682は、
図5のT230〜T252と同様である。
【0091】
MFP10は、携帯端末100とのNFCリンクが確立されることに起因して、T684において、PC200に切断要求を送信し、T686において、PC200とのWi−Fi接続を切断する。そして、T688において、MFP10は、G/O状態からデバイス状態に移行する。その後、
図5のT260〜T290と同様の処理が実行され、MFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続が確立される。
【0092】
(ケースGの効果)
携帯端末100は、MFP10がG/O状態で動作しており、かつ、上限数の子局とのWi−Fi接続を確立している状況では、MFP10とのWi−Fi接続を確立することができない。本実施例によると、携帯端末100は、MFP10とのWi−Fi接続の確立に失敗したと判断する場合(S60でNO)に、MFP10がNFCHO機能を有すると判断し(S64でYES)、NFC接続情報を表示する(T660)。これにより、ユーザが携帯端末100をMFP10に近づけるので、MFP10がデバイス状態に移行し(T688)、この結果、携帯端末100は、MFP10とのWi−Fi接続を適切に再確立することができる。
【0093】
(対応関係)
携帯端末100、MFP10が、それぞれ、「通信装置」、「外部装置」の一例である。Wi−FiI/F120、NFCI/F122が、それぞれ、「第1の無線インタフェース」、「第2の無線インタフェース」の一例である。WFD方式、NFC方式が、それぞれ、「第1の無線通信方式」、「第2の無線通信方式」の一例である。Wi−Fi接続、NFCリンクが、それぞれ、「第1の無線接続」、「第2の無線接続」の一例である。サーチ操作情報及びNFC確立情報が、「第1のトリガ情報」の一例であり、機能選択情報が、「第2のトリガ情報」の一例である。
図2のS12、S34の送信指示、及び、S22の接続要求指示が、「第1の接続指示」の一例である。S42の送信指示及びS52の接続要求指示が、「第2の接続指示」の一例である。S34の送信指示及びS22の接続要求指示が、「第3の接続指示」の一例である。NFC接続情報、MFP操作情報が、それぞれ、「第1の表示情報」、「第2の表示情報」の一例である。MFP50のモデル情報「タッチパネル式」、MFP60のモデル情報「非タッチパネル式」が、それぞれ、「第1のモデル情報」、「第2のモデル情報」の一例である。第1のMFP操作情報内のメッセージに従った操作、第2のMFP操作情報内のメッセージに従った操作が、それぞれ、「第1の操作」、「第2の操作」の一例である。NFCHO機能が、「機能」の一例である。
【0094】
デバイス状態が「可能状態」の一例である。WFD方式の3個の状態のうちのいずれでもない状態、CL状態、及び、G/O状態が、「不可能状態」の一例である。第1のWFDNWが、「無線ネットワーク」の一例である。
図2のS42で送信されるProbe要求、S44で受信されるProbe応答が、それぞれ、「第1の要求信号」、「第1の応答信号」の一例である。S52で送信されるInvitation要求、S52で受信されるInvitation応答が、それぞれ、「第2の要求信号」、「第2の応答信号」の一例である。
【0095】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0096】
(変形例1)モデル情報は、対象デバイスのモデル名を含んでいてもよい。この場合、アプリ138は、対象デバイスのモデル名に適したMFP操作情報を表示部114に表示させればよい。また、アプリ138は、対象デバイスを複数のモデル名毎にグループ分けして、各グループに適したMFP操作情報を表示部114に表示させてもよい。例えば、モデル名が「X1」〜「X3」である場合は、第3のMFP操作情報を表示させ、モデル名が「X4」〜「X6」である場合は、第4のMFP操作情報を表示させるなどである。
【0097】
(変形例2)携帯端末100は、NFCI/F122を備えていなくてもよい。この場合、この場合、
図2のS30〜S38、S64、S66を省略してもよい。この場合、「第3の供給部」を省略可能である。本変形例では、MFP50のモデル情報「タッチパネル式」、MFP60のモデル情報「非タッチパネル式」が、それぞれ、「第1のデバイス情報」、「第2のデバイス情報」である。また、第1のMFP操作情報、第2のMFP操作情報が、それぞれ、「第1の表示情報」、「第2の表示情報」の一例である。
【0098】
(変形例3)上記の実施例では、対象デバイスが、携帯端末100が親局として動作するWFDNWに参加することで、携帯端末100と対象デバイスとの間のWi−Fi接続が確立される。これに代えて、携帯端末100が、対象デバイスが親局として動作するWFDNWに子局として参加することで、携帯端末100と対象デバイスとの間のWi−Fi接続を確立させてもよい。本変形例では、携帯端末100がWFDNWの子局として動作するためのWi−Fi接続が、「第1の無線接続」である。
【0099】
(変形例4)アプリ138は、
図2のS36でYESの場合に、S24を実行してもよい。一般的に言うと、「送信部」は、「第2の場合」に、デバイス情報要求を外部装置に送信してもよい。
【0100】
(変形例5)「通信装置」は、携帯端末100に限られず、プリンタ、スキャナ、MFP、据置型PC、サーバ等であってもよい。「外部装置」は、MFP10に限られず、プリンタ、スキャナ、携帯端末、据置型PC、サーバ等であってもよい。
【0101】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。