特許第6805894号(P6805894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

特許6805894通信装置のためのコンピュータプログラム
<>
  • 特許6805894-通信装置のためのコンピュータプログラム 図000002
  • 特許6805894-通信装置のためのコンピュータプログラム 図000003
  • 特許6805894-通信装置のためのコンピュータプログラム 図000004
  • 特許6805894-通信装置のためのコンピュータプログラム 図000005
  • 特許6805894-通信装置のためのコンピュータプログラム 図000006
  • 特許6805894-通信装置のためのコンピュータプログラム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805894
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】通信装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/14 20180101AFI20201214BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20201214BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20201214BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20201214BHJP
【FI】
   H04W76/14
   H04W88/06
   H04W84/12
   H04W84/10 110
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-39653(P2017-39653)
(22)【出願日】2017年3月2日
(65)【公開番号】特開2018-148312(P2018-148312A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮弥
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 弘崇
【審査官】 米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−181922(JP,A)
【文献】 特開2016−58933(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0080591(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/004859(WO,A1)
【文献】 特開2013−214803(JP,A)
【文献】 特開2016−195431(JP,A)
【文献】 特開2017−28738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置に搭載されるコンピュータを、以下の各部、即ち、
前記通信装置の第1の無線インタフェースを介して外部装置との第1の無線通信が実行される場合に、前記外部装置から、前記通信装置の前記第1の無線インタフェースとは異なる第2の無線インタフェースを介して、親局情報を含む特定信号が受信されたのか否かを判断する判断部であって、前記親局情報は、前記外部装置の動作状態が無線ネットワークの親局として動作する親局状態であることを示す情報である、前記判断部と、
前記親局情報を含む前記特定信号が受信されたと判断される場合に、前記第2の無線インタフェースを介して前記外部装置との第2の無線通信を実行するための通信指示を前記第2の無線インタフェースに供給する通信指示供給部であって、前記第2の無線通信は、前記外部装置が親局として動作する前記無線ネットワークに子局として参加するための通信を含み、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されなかったと判断される場合に、前記通信指示は前記第2の無線インタフェースに供給されない、前記通信指示供給部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記外部装置との前記第1の無線通信が実行される場合に、第1の送信指示を前記第2の無線インタフェースに供給する第1の送信指示供給部であって、前記第1の送信指示は、前記外部装置への第1の信号の送信を前記第2の無線インタフェースに実行させるための指示である、前記第1の送信指示供給部として機能させ、
前記特定信号は、前記第1の信号に対する応答信号である、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記外部装置との前記第1の無線通信が実行されてから所定時間が経過するまでの間に、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されない場合に、停止指示を前記第2の無線インタフェースに供給する停止指示供給部であって、前記停止指示は、前記第1の信号の送信を停止させるための指示である、前記停止指示供給部を備え、
前記第2の無線インタフェースは、前記第1の送信指示が取得されてから、前記通信指示又は前記停止指示が取得されるまでの間に、前記外部装置への前記第1の信号の送信を繰り返し実行する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記第1の送信指示は、前記第1の信号のブロードキャスト送信を前記第2の無線インタフェースに実行させるための指示であり、
前記特定信号は、ブロードキャスト送信された前記第1の信号に対する応答信号である、請求項2又は3に記載のコンピュータプロクラム。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記外部装置との前記第1の無線通信が実行される場合に、第2の送信指示を前記第2の無線インタフェースに供給する第2の送信指示供給部であって、前記第2の送信指示は、第2の信号のブロードキャスト送信を前記第2の無線インタフェースに実行させるための指示である、前記第2の送信指示供給部として機能させ、
前記第1の送信指示供給部は、前記外部装置から、前記第2の無線インタフェースを介して、ブロードキャスト送信された前記第2の信号に対する応答信号が受信される場合に、前記第1の送信指示を前記第2の無線インタフェースに供給し、
前記第1の送信指示は、前記外部装置への前記第1の信号のユニキャスト送信を前記第2の無線インタフェースに実行させるための指示であり、
前記特定信号は、ユニキャスト送信された前記第1の信号に対する応答信号である、請求項2又は3に記載のコンピュータプロクラム。
【請求項6】
前記第1の信号は、Probe要求であり、
前記特定信号は、Probe応答であり、
前記判断部は、
前記特定信号に含まれるInformationElement内のP2PGroupOwnerビットが第1の値を示す場合に、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されたと判断し、
前記P2PGroupOwnerビットが前記第1の値とは異なる第2の値を示す場合に、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されなかったと判断する、請求項2から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
通信装置であって、
第1の無線インタフェースと、
前記第1の無線インタフェースとは異なる第2の無線インタフェースと、
前記第1の無線インタフェースを介して外部装置との第1の無線通信が実行される場合に、前記外部装置から、前記第2の無線インタフェースを介して、親局情報を含む特定信号が受信されたのか否かを判断する判断部であって、前記親局情報は、前記外部装置の動作状態が無線ネットワークの親局として動作する親局状態であることを示す情報である、前記判断部と、
前記親局情報を含む前記特定信号が受信されたと判断される場合に、前記第2の無線インタフェースを介して前記外部装置との第2の無線通信を実行するための通信指示を前記第2の無線インタフェースに供給する通信指示供給部であって、前記第2の無線通信は、前記外部装置が親局として動作する前記無線ネットワークに子局として参加するための通信を含み、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されなかったと判断される場合に、前記通信指示は前記第2の無線インタフェースに供給されない、前記通信指示供給部と、
を備える通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、通信装置が、外部装置が親局として動作する無線ネットワークに子局として参加するための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、MFP(Multi-Function Peripheralの略)と携帯端末とを備える通信システムが開示されている。MFPは、携帯端末とのNFCリンクが確立されると、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式のG/O(Group Ownerの略)状態に移行し、MFPが親局として動作するWFDネットワークで利用される無線設定(SSID(Service Set Identifierの略)、パスワード等)を準備する。携帯端末は、NFCリンクを利用して、MFPから当該無線設定を受信すると、当該無線設定を利用して、MFPとの無線接続を確立し、当該WFDネットワークにWFD方式のクライアントとして参加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−214803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MFPの動作状態が、WFD方式のG/O状態ではない状態からG/O状態に移行するために、ある程度の時間(例えば1〜2秒)を要し得る。MFPにおいてG/O状態への移行が完了する前に、MFPと携帯端末との間に無線接続を確立するための無線通信が実行されると、当該無線接続の確立が失敗する可能性がある。
【0005】
本明細書では、通信装置が、外部装置が親局として動作する無線ネットワークに子局として適切に参加するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、通信装置のためのコンピュータプログラムを開示する。当該コンピュータプログラムは、前記通信装置の第1の無線インタフェースを介して外部装置との第1の無線通信が実行される場合に、前記外部装置から、前記通信装置の前記第1の無線インタフェースとは異なる第2の無線インタフェースを介して、親局情報を含む特定信号が受信されたのか否かを判断する判断部であって、前記親局情報は、前記外部装置の動作状態が無線ネットワークの親局として動作する親局状態であることを示す情報である、前記判断部と、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されたと判断される場合に、前記第2の無線インタフェースを介して前記外部装置との第2の無線通信を実行するための通信指示を前記第2の無線インタフェースに供給する通信指示供給部であって、前記第2の無線通信は、前記外部装置が親局として動作する前記無線ネットワークに子局として参加するための通信を含み、前記親局情報を含む前記特定信号が受信されなかったと判断される場合に、前記通信指示は前記第2の無線インタフェースに供給されない、前記通信指示供給部と、として機能させる。
【0007】
上記の構成によると、通信装置は、親局情報を含む特定の信号が受信されたと判断する場合、即ち、外部装置の動作状態が親局状態であることを確認した場合に、第2の無線インタフェースを介して外部装置との第2の無線通信を実行することができる。従って、通信装置は、外部装置が親局として動作する無線ネットワークに子局として適切に参加することができる。
【0008】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体、及び、通信装置そのものも、新規で有用である。また、上記の通信装置と外部装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】携帯端末が実行する処理のフローチャートを示す。
図3】携帯端末とMFPとの間のWi−Fi接続が確立されるシーケンス図を示す。
図4】比較例1において、携帯端末とMFPとの間のWi−Fi接続の確立に失敗するシーケンス図を示す。
図5】比較例2において、携帯端末とMFPとの間のWi−Fi接続の確立に失敗するシーケンス図を示す。
図6】第2実施例の携帯端末が実行する処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示すように、通信システム2は、多機能機(以下では「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」と呼ぶ)10と、携帯端末100と、を備える。MFP10及び携帯端末100は、Wi−Fi方式に従った無線通信であるWi−Fi通信を相互に実行可能であると共に、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従った無線通信であるNFC通信を相互に実行可能である。
【0011】
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺装置(例えばPC等の周辺装置)である。MFP10には、MACアドレス「AAA」及びデバイス名「XXX」が割り当てられている。MFP10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、スキャン実行部18と、Wi−Fiインタフェース(以下ではインタフェースを「I/F」と記載する)20と、NFCI/F22と、制御部30と、を備える。
【0012】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に入力することができる。表示部14は、文字列、アイコン画像等を利用して様々な情報を表示可能なディスプレイであり、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部18は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
【0013】
Wi−FiI/F20は、Wi−Fi方式に従ったWi−Fi通信を実行するためのI/Fである。Wi−Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers、 Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a、11b、11g、11n等)に基づく無線通信方式である。Wi−FiI/F20は、特に、Wi−Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしている。WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification Version1.5」に記述されている無線通信方式である。
【0014】
MFP10は、WFD方式のGroup Owner(以下では「G/O」と記載する)状態で動作して、MFP10が親局(即ちG/O)として動作するWFDネットワーク(以下では「WFDNW」と記載する)を形成する。そして、MFP10は、携帯端末100とのWi−Fi接続を確立して、携帯端末100をWFDNWに子局(即ちWFD方式のクライアント)として参加させることができる。
【0015】
また、Wi−FiI/F20は、Wi−Fi Allianceによって策定されたWPS(Wi-Fi Protected Setupの略)をサポートしている。WPSは、いわゆる自動無線設定又は簡単無線設定と呼ばれるものであり、Wi−Fi方式に従った無線接続(以下では「Wi−Fi接続」と呼ぶ)を確立するための無線設定情報(例えば、パスワード、認証方式、暗号化方式等)がユーザによって入力されなくても、一対の機器の間に簡単にWi−Fi接続を確立することができる技術である。
【0016】
NFCI/F22は、NFC方式に従ったNFC通信を実行するためのI/Fである。NFC方式は、例えば、ISO/IEC14443、15693、18092などの国際標準規格に基づく無線通信方式である。なお、NFC通信を実行するためのI/Fの種類として、NFCフォーラムデバイス(NFC Forum Device)と呼ばれるI/Fと、NFCフォーラムタグと呼ばれるI/Fと、が知られている。NFCI/F22は、NFCフォーラムデバイスであり、P2P(Peer To Peerの略)モード、R/W(Reader/Writerの略)モード、及び、CE(Card Emulationの略)モードのいずれかで選択的に動作可能なI/Fである。
【0017】
次いで、Wi−FiI/F20とNFCI/F22との間の相違点を説明しておく。Wi−FiI/F20を介したWi−Fi通信の通信速度(例えば最大の通信速度が11〜600Mbps)は、NFCI/F22を介したNFC通信の通信速度(例えば最大の通信速度が100〜424Kbps)よりも速い。また、Wi−FiI/F20を介したWi−Fi通信における搬送波の周波数(例えば2.4GHz帯又は5.0GHz帯)は、NFCI/F22を介したNFC通信における搬送波の周波数(例えば13.56MHz帯)とは異なる。また、Wi−FiI/F20を介したWi−Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば最大で約100m)は、NFCI/F22を介したNFC通信を実行可能な最大の距離(例えば最大で約10cm)よりも大きい。
【0018】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0019】
(携帯端末100の構成)
携帯端末100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置等の可搬型の端末装置である。携帯端末100は、操作部112と、表示部114と、Wi−FiI/F120と、NFCI/F122と、制御部130と、を備える。
【0020】
操作部112は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示を携帯端末100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイであり、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。以下では、操作部112及び表示部114を総称して「端末操作部」と呼ぶことがある。Wi−FiI/F120、NFCI/F122は、それぞれ、MFP10のWi−FiI/F20、NFCI/F22と同様である。
【0021】
制御部130は、CPU132と、メモリ134と、を備える。CPU132は、メモリ134に格納されている各プログラム136、138に従って、様々な処理を実行する。OS(Operation Systemの略)プログラム136は、携帯端末100の種々の基本的な動作を制御するためのプログラムである。また、MFPアプリケーション138は、MFP10等のベンダによって提供されるアプリケーションであり、例えば、インターネット上のサーバから携帯端末100にインストールされる。MFPアプリケーション138は、携帯端末100とMFP10等の間にWi−Fi接続を確立させたり、携帯端末100とMFP10等の間でWi−Fi接続を利用して対象データ(例えば印刷データ、スキャンデータ)の通信を実行させたりするためのアプリケーションである。以下では、MFPアプリケーション138のことを単に「アプリ138」と呼ぶ。
【0022】
本実施例では、さらに、MFP10の周囲に携帯端末200が存在する。携帯端末200は、アプリ138を備えていない点を除いて、携帯端末100と同様の構成を備える。
【0023】
(携帯端末100が実行する処理;図2
次いで、図2を参照して、携帯端末100のCPU132がアプリ138に従って実行する処理の内容を説明する。アプリ138を起動させるための操作が端末操作部に実行される場合に、CPU132は、図2の処理を開始する。なお、以下では、説明の便宜上、CPU132を主体として記載せずに、CPU132がアプリ138に従って実行する処理の主体、CPU132がOSプログラム136に従って実行する処理の主体を、それぞれ、「アプリ138」、「OS136」と記載する。
【0024】
S10において、アプリ138は、MFP10と携帯端末100との間にNFCリンクが確立されることを監視する。アプリ138は、NFCI/F122からNFCリンクが確立されたことを示すNFC確立情報を取得する場合に、S10でYESと判断して、S12に進む。
【0025】
S12において、アプリ138は、NFCI/F122を介して、MFP10から、MFP10のMACアドレス「AAA」を受信する。この際に、S20において、アプリ138は、タイマーのカウントを開始する。
【0026】
S22において、アプリ138は、ブロードキャストによってProbe要求を送信するためのブロードキャスト送信指示をOS136に供給する。この場合、OS136は、ブロードキャスト送信指示をWi−FiI/F120に供給する。これにより、Wi−FiI/F120は、後述のS30の第1の接続要求指示又はS42の停止指示を取得するまで、ブロードキャストによってProbe要求を送信することを繰り返す。OS136は、Probe要求の送信に応じて、Wi−FiI/F120を介して、1個以上の対象装置(例えばMFP10)のそれぞれからProbe応答を受信する。Probe応答は、送信元の対象装置のMACアドレスと、G/Oビットと、を含む。G/Oビットは、Probe応答内のP2PIE(Information Elementの略)に含まれる情報である。G/Oビットは、対象装置の動作状態がG/O状態でないことを示す「0」と、対象装置の動作状態がG/O状態であることを示す「1」と、のどちらかの値に設定される。Probe応答は、さらに、送信元の対象装置がG/O状態で動作していない場合には、当該対象装置のデバイス名を含み、送信元の対象装置がG/O状態で動作している場合には、当該対象装置によって形成されているWFDNWのSSID(Service Set Identifierの略)を含む。そして、OS136は、1個以上のProbe応答内の各情報(即ち、MACアドレス、デバイス名、SSID、G/Oビット等)をアプリ138に供給する。
【0027】
S24において、アプリ138は、MFP10からProbe応答を受信したのか否かを判断する。具体的には、アプリ138は、OS136から取得される情報が、S12で受信されたMFP10のMACアドレス「AAA」を含むのか否かを判断する。アプリ138は、OS136から取得される情報がMACアドレス「AAA」を含む場合に、S24でYESと判断し、S26に進む。一方、アプリ138は、OS136から取得される情報がMACアドレス「AAA」を含まない場合に、S24でNOと判断し、S40に進む。
【0028】
S26において、アプリ138は、MFP10から受信されたProbe応答内のG/Oビットが「1」を示すのか否かを判断する。即ち、アプリ138は、MFP10の動作状態がG/O状態であるのか否かを判断する。アプリ138は、G/Oビットが「1」であると判断する場合(S26でYES)、即ち、MFP10の動作状態がG/O状態であることが確認できた場合には、S30に進む。一方、アプリ138は、G/Oビットが「0」であると判断する場合(S26でNO)に、即ち、MFP10の動作状態がG/O状態であることが確認できなかった場合には、S30に進まずに、S40に進む。上述したように、アプリ138は、MFP10から受信されたProbe応答を利用して、MFP10の動作状態がG/O状態であるのか否かを判断する。Probe要求及びProbe応答は、Wi−Fi通信の規格に従った信号である。本実施例では、当該規格に従った信号を利用して上記の判断を実行するので、例えば、当該規格に従っていない特別な信号を利用して上記の判断を実行する構成と比べると、MFP10及びアプリ138の構成が単純で済む。
【0029】
S30において、アプリ138は、第1の接続要求指示をOS136に供給する。第1の接続要求指示は、S12で受信されたMACアドレス「AAA」を含むProbe要求を送信するためのユニキャスト送信指示と、MFP10とのWi−Fi接続を確立するための処理を実行するための確立指示と、を含む。OS136は、第1の接続要求指示を取得すると、ユニキャスト送信指示をWi−FiI/F120に供給する。これにより、Wi−FiI/F120は、ブロードキャストによってProbe要求を送信することを停止し、MACアドレス「AAA」を含むProbe要求を送信する。OS136は、MFP10へのProbe要求の送信に応じて、Wi−FiI/F120を介して、MACアドレス「AAA」と、SSID「YYY」と、G/Oビット「1」と、を含むProbe応答を受信する。
【0030】
その後、OS136は、確立指示に従って、G/O状態であるMFP10とのWi−Fi接続を確立するための接続処理を実行する。接続処理は、Service Discovery要求の送信、その応答の受信、Provision Discovery要求の送信、その応答の受信、WSC Exchangeの通信、Authentication要求の送信、その応答の受信、Association要求の送信、その応答の受信、及び、4-way Handshakeの通信を含む。OS136は、WSC Exchangeにおいて、MFP10から、WFDNWで利用される無線設定情報(即ち、SSID「YYY」、パスワード「PPP」等)を受信する。そして、OS136は、当該無線設定情報をMFP10に送信し、MFP10において当該無線設定情報の認証が成功するので、MFP10とのWi−Fi接続を確立する。これにより、OS136は、携帯端末100をWFDNWに子局(即ちWFD方式のクライアント)として参加させることができる。S30が終了すると、図2の処理が終了する。
【0031】
また、S40において、アプリ138は、タイマーのカウント値が所定値以上であるのか否かを判断する。アプリ138は、タイマーのカウント値が所定値以上である場合に、S40でYESと判断し、S42に進む。一方、アプリ138は、タイマーのカウント値が所定値未満である場合に、S40でNOと判断し、S24に戻る。
【0032】
S42において、アプリ138は、Probe要求の停止指示をOS136に供給する。OS136は、停止指示を取得すると、停止指示をWi−FiI/F120に供給する。これにより、Wi−FiI/F120は、ブロードキャストによってProbe要求を送信することを停止する。例えば、S10のNFCリンクが確立された後にMFP10の電源がOFFされる状況では、MFP10からProbe応答が受信されない(S24でNO)。また、例えば、MFP10が何らかの原因でG/O状態で動作不可能である状況では、MFP10からProbe応答が受信されるが、MFP10がG/O状態で動作することを確認できない(S26でNO)。これらの状況では、S42において、停止指示がOS136に供給される。この結果、WFDNWに参加不可能な状況において、Probe要求の送信が繰り返されることを抑制することができる。S42が終了すると、図2の処理を終了する。
【0033】
(具体的なケース)
続いて、図3を参照して、図2の処理によって実現される具体的なケースについて説明する。図3において、太線の矢印はNFC通信を示し、細線の矢印はWi−Fi通信を示す。
【0034】
T10において、ユーザが携帯端末100をMFP10に近づけると、T20において、MFP10と携帯端末100との間のNFCリンクが確立される(図2のS10でYES)。この場合、T22において、携帯端末100は、NFCリンクを利用して、MFP10からMACアドレス「AAA」を受信する(S12)。
【0035】
MFP10は、NFCリンクが確立されると、T24において、MFP10の動作状態を、G/O状態ではない状態からG/O状態に移行させるためのG/O移行処理を開始する。具体的には、G/O移行処理は、CPU32が、Wi−FiI/F20の動作が無効化されている状態(例えばWi−FiI/F20に電力が供給されていない状態)から、Wi−FiI/F20の動作が有効化されている状態(例えばWi−FiI/F20に電力が供給されている状態)に変更することを含む。G/O移行処理は、さらに、Wi−FiI/F20の動作が有効化されている状態において、CPU32が、G/Oに関係する動作(ビーコン信号の送信)を開始するための開始指示をWi−FiI/F20に供給することを含む。Wi−FiI/F20は、開始指示を取得すると、G/Oに関係する動作を開始する。このように、MFP10の動作状態をG/O状態に移行させるためには、Wi−FiI/F20が有効化されてG/Oに関係する動作を開始する必要があり、ある程度の時間(以下では「G/O移行時間」と呼ぶ)を要する。CPU32は、Wi−FiI/F20からG/Oに関係する動作を開始したことを示す完了情報を取得する場合に、G/O移行処理が完了したと判断する。これにより、MFP10が親局(即ちG/O)として動作するWFDNWが形成される。
【0036】
T30において、携帯端末100は、ブロードキャストによってProbe要求を送信する(S22)。上述のように、T24でG/O移行処理が開始されてからG/O移行処理が完了するまで(即ちG/O移行時間が経過するまで)の間、MFP10の動作状態はG/O状態ではない。このために、T32において、携帯端末100は、MFP10から、MACアドレス「AAA」、デバイス名「XXX」、及び、G/Oビット「0」を含むProbe応答を受信する。この場合、携帯端末100は、MFP10からProbe応答を受信したと判断するが(S24でYES)、当該Probe応答内のG/Oビットが「0」であると判断し(S26でNO)、Wi−Fi接続をMFP10と確立するための処理(S30)を実行しない。
【0037】
MFP10は、T40において、G/O移行処理が完了すると、G/O状態に移行する。これにより、MFP10は、WFDNWを形成し、当該WFDNWで利用されるべき無線設定情報(SSID「YYY」、パスワード「PPP」等)を生成する。
【0038】
T50において、携帯端末100は、ブロードキャストによってProbe要求を再送信する。この段階では、MFP10の動作状態がG/O状態であるので、T52において、携帯端末100は、MFP10から、MACアドレス「AAA」、デバイス名「YYY」、及び、G/Oビット「1」を含むProbe応答を受信する。この場合、携帯端末100は、MFP10からProbe応答を受信したと判断し(S24でYES)、Probe応答内のG/Oビットが「1」であると判断する(S26でNO)。即ち、携帯端末100は、MFP10の動作状態がG/O状態であることを確認することができ、Wi−Fi接続をMFP10と確立するための処理(S30)に進む。
【0039】
具体的には、携帯端末100は、T60において、MFP10のMACアドレス「AAA」を含むProbe要求をMFP10に送信し、T62において、MFP10からProbe応答を受信する。そして、T70では、携帯端末100は、MFP10から、WFDNWの無線設定情報を受信し、当該無線設定情報を利用してWi−Fi接続をMFP10と確立する。これにより、携帯端末100は、WFDNWに子局として参加することができる。図示省略しているが、アプリ138は、ユーザの指示に応じて、WFDNWを利用して、対象データ(例えば印刷データ又はスキャンデータ)の通信をMFP10と実行することができる。
【0040】
(比較例1)
続いて、図4を参照して、アプリ138を備えない携帯端末200とMFP10との間のWi−Fi接続の確立が失敗する比較例1を説明する。
【0041】
図4の110〜T132は、図3のT10〜T32と同様である。携帯端末200は、T132において、Probe応答を受信すると、MFP10からProbe応答を受信したと判断し、T140において、MFP10のMACアドレス「AAA」を含むProbe要求をMFP10に送信する。この段階では、MFP10においてG/O移行処理が完了していないので、T142において、携帯端末200は、MFP10から、MACアドレス「AAA」、デバイス名「XXX」、及び、G/Oビット「0」を含むProbe応答を受信する。この場合、携帯端末200は、Probe応答内のG/Oビットが「0」を示すので、MFP10の動作状態がG/O状態ではなく、WFD方式のデバイス状態(即ちG/O状態でもクライアント状態でもない状態)であると判断する。このために、携帯端末200は、デバイス状態のMFP10とのWi−Fi接続を確立するための以下の処理を実行する。
【0042】
即ち、携帯端末200は、T150において、Service Discovery要求をMFP10に送信し、T152において、MFP10からその応答を受信する。次いで、携帯端末200は、T160において、Provision Discovery要求をMFP10に送信し、T162において、MFP10からその応答を受信する。次いで、携帯端末200は、T170において、G/O Negotiation要求をMFP10に送信し、T172において、MFP10からその応答を受信する。
【0043】
携帯端末200は、T172において、G/O Negotiation応答を受信すると、携帯端末200及びMFP10のどちらがG/O状態で動作すべきかを決定する。本ケースでは、携帯端末200は、携帯端末200がG/O状態で動作すべきことを決定し、T174において、当該決定を通知するためのG/O Negotiation確認をMFP10に送信する。
【0044】
その後、T180において、MFP10は、G/O移行処理が完了し、G/O状態で動作する。即ち、MFP10は、T170〜T174のG/Oネゴシエーションにおいて、子局として動作すべきことが決定されたにも関わらず、G/O状態に移行する。即ち、MFP10及び携帯端末200の双方がG/O状態で動作している状況が発生する。この場合、MFP10と携帯端末200との間でWSC Exchangeが実行されない。その理由は以下のとおりである、WSC Exchangeの前には、子局として動作すべきデバイスが、WSC Exchangeを開始するための信号(例えばWSCIEを含むProbe要求)を、G/Oとして動作すべきデバイスに送信する。MFP10及び携帯端末200の双方がG/O状態で動作している状況では、当該信号が通信されず、この結果、WSC Exchangeが実行されない。従って、MFP10と携帯端末200との間のWi−Fi接続の確立が失敗する。
【0045】
(比較例2)
続いて、図5を参照して、携帯端末200とMFP10との間のWi−Fi接続の確立が失敗する比較例2を説明する。
【0046】
比較例2は、MFP10においてG/O移行処理が完了するタイミングが、比較例1とは異なる。T210〜T262は、図4のT110〜T162と同様である。比較例2では、MFP10において、T270のタイミングでG/O移行処理が完了する。
【0047】
その後、T280において、携帯端末200は、G/O Negotiation要求をMFP10に送信する。この段階では、MFP10の動作状態はG/O状態である。このために、MFP10は、G/O Negotiation要求を受信しても、G/O Negotiation応答を携帯端末200に送信しない。従って、WSC Exchange以降の処理が実行されず、MFP10と携帯端末200との間のWi−Fi接続の確立が失敗する。
【0048】
(第1実施例の効果)
上述したように、MFP10がG/O状態に移行するためには、ある程度の時間(即ちG/O移行時間(例えば1〜2秒))を要する。比較例1及び2に示すように、G/O移行処理が完了する前に、MFP10と携帯端末200との間のWi−Fi接続を確立するための通信が実行されると、MFP10と携帯端末200との間のWi−Fi接続の確立が失敗する。これに対し、本実施例では、携帯端末100は、MFP10から受信されるProbe応答内のG/Oビットが「1」を示す場合(図2のS26でYES)に、接続処理を実行し(S30)、当該Probe応答内のG/Oビットが「0」を示す場合(S26でNO)に、接続処理を実行しない。即ち、携帯端末100は、MFP10の動作状態がG/O状態であると確認される場合に、接続処理を実行する。従って、携帯端末100は、MFP10がG/Oとして動作するWFDNWに子局として適切に参加することができる。
【0049】
(対応関係)
携帯端末100、MFP10が、それぞれ、「通信装置」、「外部装置」の一例である。NFCI/F122、Wi−FiI/F120が、それぞれ「第1の無線インタフェース」、「第2の無線インタフェース」の一例である。NFC通信、Wi−Fi通信が、それぞれ、「第1の無線通信」、「第2の無線通信」の一例である。「1」を示すG/Oビットが、「親局情報」の一例である。WFDNWが、「無線ネットワーク」の一例である。第1の接続要求指示、ブロードキャスト送信指示、Probe要求の停止指示が、それぞれ、「通信指示」、「第1の送信指示」、「停止指示」の一例である。図3のT52のProbe応答、T30及びT50のProbe要求が、それぞれ、「特定信号」、「第1の信号」の一例である。
【0050】
(第2実施例)
本実施例では、携帯端末100は、図2の処理に代えて、図6の処理を実行する。第1実施例と同じ処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
アプリ138は、S24でYESと判断する場合に、S240において、Probe要求のユニキャスト送信指示をOS136に供給する。OS136は、ユニキャスト送信指示を取得すると、ユニキャスト送信指示をWi−FiI/F120に供給する。これにより、Wi−FiI/F120は、ブロードキャストによってProbe要求を送信することを停止し、MACアドレス「AAA」を含むProbe要求をMFP10に送信する。OS136は、Probe要求の送信に応じて、Wi−FiI/F120を介して、MFP10からProbe応答を受信する。OS136は、Probe応答内の各情報をアプリ138に供給する。
【0052】
S242は、図2のS26と同様である。アプリ138は、G/Oビットが「1」を示す場合に、S242でYESと判断し、S250に進む。一方、アプリ138は、G/Oビットが「0」を示す場合に、S242でNOと判断し、S260に進む。
【0053】
S250において、アプリ138は、第2の接続要求指示をOS136に供給する。第2の接続要求指示は、確立指示を含む。OS136は、第2の接続要求指示を取得すると、第2の接続要求指示をWi−FiI/F120に供給する。これにより、Wi−FiI/F120は、MACアドレス「AAA」を含むProbe要求の送信を停止する。そして、OS136は、G/O状態であるMFP10とのWi−Fi接続を確立するための接続処理(即ち、Service Discovery、Provision Discovery、WSC Exchange、Authentication、Association、4-way Handshakeの通信)を実行する。これにより、OS136は、MFP10とのWi−Fi接続を確立して、MFP10がG/Oとして動作するWFDNWに子局として参加する。S250が終了すると、図6の処理が終了する。
【0054】
また、アプリ138は、S260において、タイマーのカウント値が所定値以上であるのか否かを判断する。アプリ138は、タイマーのカウント値が所定値以上である場合に、S260でYESと判断し、S262において、Probe要求の停止指示をOS136に供給する。OS136は、停止指示を取得すると、停止指示をWi−FiI/F120に供給する。これにより、Wi−FiI/F120は、MACアドレス「AAA」を含むProbe要求の送信を停止する。S262が終了すると、図6の処理が終了する。
【0055】
(第2実施例の効果)
本実施例では、携帯端末100は、ユニキャストのProbe要求に対するProbe応答内のG/Oビットが「1」を示す場合(S242でYES)に、接続処理を実行し(S250)、当該Probe応答内のG/Oビットが「0」を示す場合(S242でNO)に、接続処理を実行しない。即ち、携帯端末100は、MFP10の動作状態がG/O状態であると確認される場合に、接続処理を実行する。従って、携帯端末100は、MFP10がG/Oとして動作するWFDNWに子局として適切に参加することができる。
【0056】
上述したように、第1実施例では、ブロードキャストのProbe要求に対するProbe応答内のG/Oビットが「1」を示すのか否かが判断され(図2のS26)、G/Oビットが「1」を示す場合に、ユニキャストのProbe要求の通信が実行され、その後、Service Discovery等の通信が実行される(S30)。これに対し、本実施例では、ユニキャストのProbe要求に対するProbe応答内のG/Oビットが「1」を示すのか否かが判断され(S242)、G/Oビットが「1」を示す場合に、Service Discovery等の通信が実行される(S250)。即ち、MFP10の動作状態がG/O状態であることが確認された後に(即ちS242でYES)、ユニキャストのProbe要求の通信を実行せずに済む。従って、MFP10の動作状態がG/O状態であることが確認されてから、MFP10と携帯端末100との間のWi−Fi接続を確立するまでの時間を短縮することができる。
【0057】
(対応関係)
Probe要求のユニキャスト送信指示、Probe要求のブロードキャスト送信指示が、それぞれ、「第1の送信指示」、「第2の送信指示」の一例である。ユニキャストのProbe要求、ブロードキャストのProbe要求が、それぞれ、「第1の信号」、「第2の信号」の一例である。
【0058】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0059】
(変形例1)MFP10は、デバイス状態からG/O状態への移行が完了する場合に、Wi−Fi通信の規格に従っていない特別な信号であって、MFP10がG/O状態であることを示す当該信号を携帯端末100に送信してもよい。この場合、アプリ138は、MFP10とのNFCリンクが確立された後に、当該信号を受信する場合に、第1の接続要求指示をOS136に供給し、当該信号を受信しない場合に、第1の接続要求指示をOS136に供給しない。本変形例では、当該信号が「特定信号」の一例であり、「第1の送信指示供給部」を省略可能である。
【0060】
(変形例2)アプリ138は、停止指示をOS136に供給しなくてもよい。即ち、図2のS40及びS42を省略してもよい。本変形例では、「停止指示供給部」を省略可能である。
【0061】
(変形例3)「通信装置」は、携帯端末100に限られず、プリンタ、スキャナ、MFP、据置型PC、サーバ等であってもよい。「外部装置」は、MFP10に限られず、プリンタ、スキャナ、携帯端末、据置型PC、サーバ等であってもよい。
【0062】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0063】
2:通信システム、10:多機能機(MFP)、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、18:スキャン実行部、20:Wi−FiI/F、22:NFCI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38:WFDフラグ、100、200:携帯端末、112:操作部、114:表示部、120:Wi−FiI/F、122:NFCI/F、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:OSプログラム、138:MFPアプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6