(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シミュレータは、前記第1状態よりも時間的に後の第2状態における前記設備のプロセス値に基づく実測値と、前記モデルを用いて算出される第2シミュレート値との差分が前記閾値以下となるように前記パラメータを調整し、
前記推定部は、前記第2状態における前記設備に関して調整された前記パラメータに基づいて、前記第2状態における前記設備の推定される性能における動作状態を示す第2推定動作点を推定する、
請求項1に記載の評価装置。
前記第1推定動作点は、前記第1状態における、前記設備に関して調整されたパラメータと、前記プロセス値と、前記プロセス値が測定された時間とが関連付けされた情報である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の評価装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る評価装置、評価システム、および評価方法のいくつかの実施形態について説明する。
【0023】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態における評価システム1の一例を示すブロック図である。評価システム1は、例えば、評価装置3と、操作監視端末5(制御システム)と、コントローラ7(制御システム)と、計装データベース9(データベース)と、プロセス値データベース11(データベース)とを備える。評価装置3と、操作監視端末5と、コントローラ7と、計装データベース9と、プロセス値データベース11とは、例えば、制御ネットワークNを介して互いに接続されている。
【0024】
評価装置3は、プラントPLに設けられた各設備(対象設備T)の評価を行う。評価装置3は、対象設備Tから測定器Mを介して得られたプロセス値(実測値)と、シミュレーションにより得られたシミュレート値とを比較し、シミュレーションに用いるモデルに設定されるパラメータの調整を行う。また、評価装置3は、プラントPLに設けられた各設備の評価、例えば、性能劣化推定を行う。評価装置3の詳細については後述する。
【0025】
プラントPLは、例えば、石油・化学などの工業プラントの他、ガス田や油田などの井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力、火力、原子力などの発電を管理制御するプラント、太陽光や風力などの環境発電を管理制御するプラント、上下水やダムなどを管理制御するプラントなどである。
【0026】
対象設備Tは、例えば、各種ガス流体を圧送するコンプレッサ、各種液体流体を送出するポンプ、各種流体間での熱のやり取りを行う熱交換器、バルブ、蒸発器、反応器、蒸留塔である。また、対象設備Tは、実測値に対して感度が高いモデルパラメータを選択および調整することでその設備の評価することが可能な設備であればいずれの設備であってもよい。
【0027】
また、プラントPLには、対象設備Tに入力される流体などのプロセス値、同設備から出力される流体などのプロセス値を測定するための測定器Mが設けられている。この測定器Mは、例えば、対象設備Tに対して入出力される流体の圧力を測定する圧力計、流体の温度を測定する温度計、流体の流量を測定する流量計などである。なお、対象設備Tがプロセス値を測定する機能を備えている場合には、測定器Mは設けなくてもよい。
【0028】
対象設備Tおよび測定器Mは、伝送線Lを介してコントローラ7に接続されている。測定器Mは、測定したプロセス値などの信号を、伝送線Lを介してコントローラ7に送信する。なお、
図1においては、1つの対象設備Tおよび1つの測定器Mが示されているが、2つ以上の対象設備Tおよび2つ以上の測定器MがプラントPLに設置されてもよい。
【0029】
操作監視端末5は、例えば、プラントの運転員によって操作されてプロセスの監視のために用いられる端末である。例えば、操作監視端末5は、対象設備Tや測定器Mから送信されたデータ(例えば、プロセス値)をコントローラ7から取得して対象設備Tや測定器Mの挙動を運転員に伝えるとともに、運転員の指示に基づいてコントローラ7の制御を行う。
【0030】
コントローラ7は、操作監視端末5からの指示などに応じて対象設備Tや測定器Mとの間でプロセス制御通信を行うことにより、制御を行う。例えば、コントローラ7は、対象設備Tや測定器Mによって測定されたプロセス値を取得する。また、コントローラ7は、対象設備Tや測定器Mとの間でプロセス制御通信を行うことにより得られたプロセス値をプロセス値データベース11に記憶させる。
【0031】
計装データベース9は、プラントPLに設けられた設備/測定器/制御システム(コントローラ、操作監視端末)などの設定条件などを記憶する。長期間に及ぶプラントライフサイクル中には、設備が交換または追加されたり、制御プログラムが修正される場合がある。計装データベース9は、これらの変更履歴情報なども記憶する。
【0032】
プロセス値データベース11は、対象設備Tや測定器Mから送信されたデータまたは対象設備Tへ送信されたデータ(例えば、プロセス値、操作量、運転条件など)を記憶する。なお、計装データベース9およびプロセス値データベース11は、コントローラ7内に設けられたメモリに構築されてもよい。或いは、計装データベース9およびプロセス値データベース11は、評価装置3内に設けられたメモリに構築されてもよい。
【0033】
制御ネットワークNは、例えばイーサネット(登録商標)などの有線ネットワークであるが、例えばWi−Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、3G/LTE(登録商標)などの無線通信規格に準拠した無線通信が可能な無線ネットワークであってもよい。
【0034】
図2は、本実施形態における評価装置3の一例を示すブロック図である。評価装置3は、例えば、トラッキングシミュレータ20(シミュレータ)と、動作点推定部22(推定部)と、記憶部24と、評価部26と、表示部28とを備える。トラッキングシミュレータ20、動作点推定部22、および評価部26は、例えば、図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが実行することにより実現されてよい。
【0035】
トラッキングシミュレータ20は、オンラインでリアルタイムに実プラントに追従し、プラントの状態をシミュレーションする。トラッキングシミュレータ20は、物理化学法則に基づくモデルを使用しているので、プロセスに対する入力および出力といった単に表面的な動きだけでなく、プロセス内部の細かな状態を計算することができる。そのため、プラント内部の劣化などもシミュレーションのパラメータに反映される。例えば、トラッキングシミュレータ20は、プロセス値データベース11からプロセス値などの各種データを読み出しプラントPLに設けられた各設備の稼働状態をシミュレーションするとともに、シミュレーション結果と、プロセス値などの実データとを比較することにより、シミュレーションに用いるモデルMOを調整してプラントPLの実動作に合わせ込む機能を有する。
【0036】
モデルMOは、プラントPLに設けられた各設備の状態をモデリングしたものである。モデルMOは、プラント設計時にP&ID(Piping and Instruments Diagram:配管系統図)などに基づいて作成される。モデルMOは、入力、出力、外部要因、およびモデリングの対象である設備に含まれる各種パラメータの関係を示す連立方程式で表される。例えば、トラッキングシミュレータ20は、モデルMOに設定されるパラメータを調整することで、上記のトラッキングシミュレーションを行う。
【0037】
トラッキングシミュレータ20は、例えば、パラメータ調整部30と、比較部32とを備える。パラメータ調整部30は、記憶部24から読み出したモデルMOを用いてトラッキングシミュレーションを行う。比較部32は、プロセス値データベース11から取得したプロセス値或いはプロセス値を用いて算出され、設備の性能を示す指標値と、パラメータ調整部30によってモデルMOを用いて算出されたシミュレート値とを比較し、比較結果をパラメータ調整部30に出力する。プロセス値および指標値のいずれを用いるかは、対象設備Tの種類などに応じて決定されてよい。例えば、対象設備Tがコンプレッサである場合、プロセス値を用いて算出された指標値として、出口流量および吸入圧と吐出圧との差圧或いは吸入圧と吐出圧の比が用いられる。
【0038】
パラメータ調整部30は、比較部32から入力された比較結果に基づいて、モデルMOに含まれるパラメータを調整してプラントPLの実動作に合わせ込む処理(トラッキングシミュレーション)を行う。例えば、トラッキングシミュレータ20は、設備のプロセス値に基づく実測値とモデルMOを用いて算出されるシミュレート値との差分が予め定められた閾値以下となるようにパラメータの調整を行う。
【0039】
動作点推定部22は、パラメータ調整部30から入力された調整済みのパラメータと、その時点でのプロセス値とを関連付け、設備の推定される性能における動作を示す推定動作点を推定し、記憶部24に記憶させる。
【0040】
記憶部24は、トラッキングシミュレータ20のシミュレーションにおいて利用されるモデルMO、推定動作点(基準推定動作点RP、運用時推定動作点OP)、設備の性能を示すメーカ提供値MKなどを記憶する。記憶部24は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリなどで構成される。
【0041】
評価部26は、メーカ提供値とシミュレーションにおいて調整されたパラメータのシミュレート値との比較や、過去のシミュレーションにおいて調整されたパラメータのシミュレート値と現在のシミュレーションにおいて調整されたパラメータのシミュレート値との比較を行うことで、プラントPLに設けられた各設備の状態を評価する。評価部26は、各設備の評価結果を表示部28に出力してもよい。
【0042】
表示部28は、評価部26から入力された各設備の評価結果を表示する。表示部28は、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。
【0043】
<基準性能評価>
次に、本実施形態の評価装置3の動作について説明する。
図3は、本実施形態における評価装置3の基準性能評価処理の一例を示すフローチャートである。基準性能とは、実際のプラントでの使用条件下における設備の性能を評価する際の基準となる性能である。基準性能は、例えば、対象設備Tの導入時、定期修理後のスタートアップ時、その他、対象設備T(プラントPL)の運用中の任意の時点など、目的に応じて任意に設定された基準状態(第1状態)で取得される。
【0044】
まず、例えば、プラントPLの導入時の試運転時において、プラントの運転員による操作監視端末5の操作などに基づいてプラントPLの試運転を開始させ、評価装置3におけるトラッキングシミュレーションを開始させる(ステップS101)。
【0045】
次に、パラメータ調整部30は、プロセス値データベース11から取得した対象設備Tに関するプロセス値が、パラメータの調整条件を満たしているか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、パラメータ調整部30は、対象設備Tに関するプロセス値が安定しており、対象設備Tの基準性能を適正に評価することができる状態であるか否かを判定する。例えば、パラメータ調整部30は、対象設備Tに関するプロセス値の変動範囲が、所定の閾値以下である場合(または、所定の閾値よりも小さい場合であってもよい)はパラメータの調整条件を満たしていると判定し、所定の閾値よりも大きい場合(または、所定の閾値以上の場合であってもよい)はパラメータの調整条件を満たしていないと判定する。パラメータ調整部30は、調整条件を満たしていないと判定した場合、プロセス値を用いた上記の判定処理を継続する。
【0046】
一方、パラメータ調整部30は、対象設備Tに関するプロセス値がパラメータの調整条件を満たしていると判定した場合、トラッキングシミュレーションに用いるプロセス値をプロセス値データベース11から取得し(ステップS105)、この取得したプロセス値或いはこの取得したプロセス値を用いて算出された指標値(「プロセス値」と「プロセス値を用いて算出された指標値」とを総称して「実測値」と呼ぶ)を用いて、記憶部24から読み出したモデルMOに設定された対象設備Tのパラメータを調整する(ステップS107)。例えば、パラメータ調整部30は、上記のトラッキングシミュレーションにより算出されたシミュレート値(第1シミュレート値)と、取得したプロセス値或いは指標値とが等しくなるように、モデルMOに設定された対象設備Tのパラメータを調整する。プロセス値および指標値のいずれを用いるかは、対象設備Tの種類などに応じて決定されてよい。
【0047】
次に、パラメータ調整部30は、シミュレート値を比較部32に出力する。また、パラメータ調整部30は、指標値を用いたシミュレーションを行う場合には、この指標値も比較部32に出力する。比較部32は、パラメータ調整部30から入力されたシミュレート値と、プロセス値データベース11から取得したプロセス値或いはパラメータ調整部30から入力された指標値とを比較し、比較結果をパラメータ調整部30に出力する。パラメータ調整部30は、この比較結果を参照し、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値との差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS109)。パラメータ調整部30は、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値との差分が予め定められた閾値以下ではないと判定した場合、再度、パラメータの調整を行う。なお、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値とが一致するまでパラメータ調整を繰り返してもよい。
【0048】
一方、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値との差分が予め定められた閾値以下であると判定した場合、調整済みのパラメータを、その時点でのプロセス値、プロセス値が測定されたタイムスタンプ(時間)などと共に動作点推定部22に出力する。なお、パラメータ調整部30は、その他の環境条件などを動作点推定部22に出力してもよい。動作点推定部22は、パラメータ調整部30から入力された調整済みのパラメータ、プロセス値、タイムスタンプなどを関連付けした基準推定動作点RP(第1推定動作点)を推定し、記憶部24に記憶させる(ステップS111)。基準推定動作点RPは、基準状態における対象設備Tの動作点を示す。なお、パラメータ調整部30が、基準推定動作点RPを記憶部24に記憶させてもよい。
【0049】
次に、評価部26は、基準推定動作点RPとメーカ提供値MKとを記憶部24から読み出し、両者を比較することにより、対象設備Tの基準性能評価を行う(ステップS113)。例えば、評価部26は、メーカ提供値MK(メーカが提供する対象設備Tの性能を示すデータ)と、基準推定動作点RPにおける対象設備Tの推定される性能を示すデータとの違いに基づいて、基準状態における対象設備Tの性能を評価する。評価部26は、評価結果を表示部28に表示してもよい。以上により、本フローチャートの処理を終了する。
【0050】
<運用時性能評価>
次に、本実施形態の評価装置3の運用時性能評価処理について説明する。
図4は、本実施形態における評価装置3の運用時性能評価処理の一例を示すフローチャートである。運用時性能とは、運用時における対象設備Tの性能である。運用時性能は、例えば、運用中の任意の時点など、目的に応じて任意に設定された運用時状態(第2状態)において取得される。この第2状態は、上記の第1状態よりも時間的に後の状態を示す。
【0051】
例えば、プラントPLの運用時における対象設備Tの評価開始時点において、パラメータ調整部30は、トラッキングシミュレーションに用いるプロセス値をプロセス値データベース11から取得する(ステップS201)。
【0052】
次に、パラメータ調整部30は、取得したプロセス値或いはこの取得したプロセス値を用いて算出された指標値を用いて、モデルMOに設定された対象設備Tのパラメータを調整する(ステップS203)。例えば、パラメータ調整部30は、トラッキングシミュレーションにより算出されたシミュレート値(第2シミュレート値)と、プロセス値或いは指標値とが等しくなるように、モデルMOに設定された対象設備Tのパラメータを調整する。プロセス値および指標値のいずれを用いるかは、対象設備Tの種類などに応じて決定されてよい。
【0053】
次に、パラメータ調整部30は、シミュレーションにより算出されたシミュレート値を比較部32に出力する。また、パラメータ調整部30は、指標値を用いたシミュレーションを行う場合には、この指標値も比較部32に出力する。比較部32は、パラメータ調整部30から入力されたシミュレート値と、プロセス値データベース11から取得したプロセス値或いはパラメータ調整部30から入力された指標値とを比較し、比較結果をパラメータ調整部30に出力する。パラメータ調整部30は、この比較結果を参照し、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値との差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS205)。パラメータ調整部30は、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値との差分が予め定められた閾値以下ではないと判定した場合、再度、パラメータの調整を行う。なお、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値とが一致するまでパラメータ調整を繰り返してもよい。
【0054】
一方、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、プロセス値或いは指標値との差分が予め定められた閾値以下であると判定した場合、調整済みのパラメータを、その時点でのプロセス値、タイムスタンプなどと共に動作点推定部22に出力する。なお、パラメータ調整部30は、その他の環境条件などを動作点推定部22に出力してもよい。動作点推定部22は、パラメータ調整部30から入力された調整済みのパラメータ、プロセス値、タイムスタンプなどを関連付けした運用時推定動作点OP(第2推定動作点)を推定し、記憶部24に記憶させる(ステップS207)。運用時推定動作点OPは、運用時状態における対象設備Tの動作点を示す。なお、パラメータ調整部30が、運用時推定動作点OPを記憶部24に記憶させてもよい。
【0055】
次に、評価部26は、上記の基準性能評価処理において得られた基準推定動作点RPと、運用時推定動作点OPとを記憶部24から読み出し、両者を比較することにより、対象設備Tの運用時性能評価を行う(ステップS211)。例えば、評価部26は、基準推定動作点RP(基準状態における対象設備Tの性能を示すデータ)と、運用時推定動作点OPにおける対象設備Tの推定される性能を示すデータとの違いに基づいて、対象設備Tの動作の変化を評価する。評価部26は、評価結果を表示部28に表示してもよい。以上により、本フローチャートの処理を終了する。また、評価部26は、評価結果を画面に表示せずに、基準推定動作点RPと運用時推定動作点OPとの違い(移動量)を算出し、この移動量が予め設定しておいた閾値を超えた場合、作業員に通知してもよい。なお、評価部26は、基準推定動作点RPおよび運用時推定動作点OPに加えて、メーカ提供値MKを記憶部24から読み出して、これらを比較することにより、対象設備Tの運用時性能評価を行ってもよい。
【0056】
以上において説明した本実施形態によれば、実際のプラントでの使用条件下における設備の動作状態を高精度で評価することができ、設備の異常などを早期に検知することが可能である。本実施形態によれば、例えば、設備の異常をその予兆段階で捉えることができるため、センサなどの計測器を用いた従来の手法よりも早期に装置の異常を検知することができる。また、実際のプラントでの使用条件下における設備について、基準推定動作点を求めることにより、メーカ提供値との差異を把握することができる。また、設備のメーカ提供値の測定条件と実プラント使用条件の差異が大きい場合でも、シミュレーション時におけるパラメータの誤調整を防止でき、精度の高いシミュレーションを行うことができる。また、プラントの定期修理、改造などに際してより精度の高いモデルの提供が可能となり、長期間のプラントのライフサイクルに渡って同モデルを活用することができる。
【0057】
また、基準推定動作点を記憶し、運用中や保守時において、適宜シミュレーションを実施し、その時点の運用時推定動作点を求めることにより、設備の状況の変化状態(劣化状態)を把握(診断)することができる。また、推定動作点の急峻な変化から、設備を通過する気体/液体の粘度/材料の変化などを見出すこともできる。
【0058】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、第1実施形態の評価装置が、対象設備Tとして「コンプレッサ」の性能を評価する例について説明する。このため、第2実施形態の説明において、上記の第1実施形態と同様の部分には同じ参照番号を付与し、その説明を省略或いは簡略化する。
【0059】
図5は、本実施形態におけるコンプレッサCの模式図である。コンプレッサCは、例えば、吸引した気体に対して回転するインペラ(羽根車)の遠心力により速度エネルギーを与え、それを圧力に変換して気体を圧縮する遠心式コンプレッサである。コンプレッサCは、吸込流量F1かつ吸入圧P1の気体を吸引し、回転数Nのインペラを用いて出口流量F2かつ吐出圧P2の気体を圧送する。通常、コンプレッサCの出口の後方に流量のコントローラが設けられているため、出口流量F2は制御されている。
【0060】
図6は、本実施形態におけるコンプレッサCの性能を示す性能曲線(メーカ提供値)の一例を示す図である。
図6において、縦軸はコンプレッサなどの性能を示す仕様の一つであるポリトロープ状態におけるヘッド(揚程、水頭)(以下、「ポリトロープヘッド」と呼ぶ)を示し(特許文献1参照)、横軸は吸込流量を示す。出口流量および吸入圧と吐出圧との差圧或いは吸入圧と吐出圧の比が一定であれば、横軸の吸込流量は一意に定まる。なお、曲線R1からR8の各々に付された括弧内の数値は、コンプレッサCの回転数を示す。コンプレッサCの回転数がR1からR8に向かって減少するにつれて、ポリトロープヘッドが減少していることが分かる。
【0061】
一般的な使用条件下においては、コンプレッサCの回転数と、コンプレッサの吸入圧と吐出圧との差圧(或いは、コンプレッサの吸入圧と吐出圧との比)とは正の相関を持つ。したがって、差圧について、実測値とシミュレート値とが一致するようにシミュレータにおける回転数の設定値を調整した結果、シミュレーションにより得られた回転数と、実際のプラントでの使用条件下における回転数との間に差異が生じた場合は、実際のプラントでの使用条件下における設備の実性能とメーカ提供値との間に差異が生じているともいえる。本実施形態では、実測により得られた吸入圧P1と吐出圧P2との差圧或いは吸入圧P1と吐出圧P2との比を用いてシミュレーションを行う。
【0062】
<基準性能評価>
次に、本実施形態の評価装置3の動作について説明する。
図7は、本実施形態における評価装置3の基準性能評価処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、例えば、プラントPLの導入時の試運転時において、プラントの運転員による操作監視端末5の操作などに基づいてプラントPLの試運転を開始させ、評価装置3におけるトラッキングシミュレーションを開始させる(ステップS301)。
【0064】
次に、パラメータ調整部30は、プロセス値データベース11から取得した対象設備TであるコンプレッサCに関するプロセス値が、パラメータの調整条件を満たしているか否かを判定する(ステップS303)。例えば、パラメータ調整部30は、吸込流量F1、吸入圧P1、出口流量F2、および吐出圧P2が安定しており、コンプレッサCの基準性能を適正に評価することができる状態であるか否かを判定する。例えば、パラメータ調整部30は、吸込流量F1の変動範囲が、所定の閾値以下である場合(または、所定の閾値よりも小さい場合であってもよい)はパラメータの調整条件を満たしていると判定し、所定の閾値よりも大きい場合(または、所定の閾値以上の場合であってもよい)はパラメータの調整条件を満たしていないと判定する。パラメータ調整部30は、調整条件を満たしていないと判定した場合、吸込流量F1を用いた上記の判定処理を継続する。
【0065】
一方、パラメータ調整部30は、コンプレッサCに関するプロセス値がパラメータの調整条件を満たしていると判定した場合、トラッキングシミュレーションに用いる吸入圧P1および吐出圧P2をプロセス値データベース11から取得し、これらの取得した吸入圧P1と吐出圧P2との差圧を算出する(ステップS305)。なお、パラメータ調整部30は、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧に代えて、吸入圧P1と吐出圧P2との比を算出するようにしてもよい。以下においては、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧を用いる例について説明する。
【0066】
次に、パラメータ調整部30は、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧を用いて、記憶部24から読み出したモデルMOに設定されたコンプレッサCのパラメータである「回転数」を調整する(ステップS307)。例えば、パラメータ調整部30は、トラッキングシミュレーションにより算出された吸入圧P1と吐出圧P2との差圧のシミュレート値と、プロセス値データベース11から取得した吸入圧P1と吐出圧P2との差圧の実測値とが等しくなるように、コンプレッサCの「回転数」を調整する。
【0067】
次に、パラメータ調整部30は、シミュレーションにより算出された吸入圧P1と吐出圧P2との差圧のシミュレート値と、プロセス値データベース11から取得した吸入圧P1と吐出圧P2との差圧の実測値とを比較部32に出力する。比較部32は、シミュレート値と、実測値とを比較し、比較結果をパラメータ調整部30に出力する。パラメータ調整部30は、この比較結果を参照し、シミュレート値と、実測値との差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS309)。パラメータ調整部30は、シミュレート値と、実測値との差分が予め定められた閾値以下ではないと判定した場合、再度、回転数の調整を行う。なお、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、実測値とが一致するまで回転数の調整を繰り返してもよい。
【0068】
一方、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、実測値との差分が予め定められた閾値以下であると判定した場合、調整済みの回転数を、その時点でのプロセス値、タイムスタンプなどと共に動作点推定部22に出力する。なお、パラメータ調整部30は、その他の環境条件などを動作点推定部22に出力してもよい。動作点推定部22は、パラメータ調整部30から入力された回転数、プロセス値、タイムスタンプなどを関連付けした基準推定動作点RPを推定し、記憶部24に記憶させる(ステップS311)。なお、パラメータ調整部30が、基準推定動作点RPを記憶部24に記憶させてもよい。
【0069】
次に、評価部26は、基準推定動作点RPとメーカ提供値MKとを記憶部24から読み出し、両者を比較することにより、コンプレッサCの基準性能評価を行う(ステップS313)。評価部26は、評価結果を表示部28に表示してもよい。以上により、本フローチャートの処理を終了する。
【0070】
図8は、本実施形態におけるメーカ提供値MKにおける性能曲線に実際のプラントPLでの使用条件下の基準性能値をマッピングした一例を示す図である。ここで、実機およびシミュレータへの回転数設定値が同じであれば、実機はそのメーカ提供値MKと同様の性能を有していることになる。一方、実機への回転数設定値よりシミュレータへの回転数設定が低い値にも関わらず実機とシミュレート値との差圧が等しい場合には、実機はその低い回転数相当の差圧しか発生できていないこととなる。
【0071】
図8では、メーカ提供値MKにおける性能曲線(回転数:30000回転)上において、吸込流量AにおけるD1のポリトロープヘッドの値はBであるのに対して、実際のプラントPLでの使用条件下の性能値を示すD2のポリトロープヘッドの値はbにまで低下していることが示されている。
図8において点線で示された曲線は、トラッキングシミュレータ20の調整により得られたポリトロープヘッドの値が乗るように、メーカ提供値MKにおける性能曲線から線形補間して求めたものである。これにより、実際のプラントPLでの使用条件下においては、コンプレッサCの回転数が30000回転であっても、ポリトロープヘッドの値はBではなく、b(29000回転相当)しか得られていないことが分かる。なお、基準性能を同定する際には、実機側で異なる吸込流量を複数設定してトラッキングシミュレータでそれぞれ同定しておくと、より正確に基準性能を求めることが可能である。
【0072】
<運用時性能評価>
次に、本実施形態の評価装置3の運用時性能評価処理について説明する。
図9は、本実施形態における評価装置3の運用時性能評価処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
例えば、プラントPLの運用時における対象設備Tの評価開始時点において、パラメータ調整部30は、トラッキングシミュレーションに用いるプロセス値である吸入圧P1および吐出圧P2をプロセス値データベース11から取得し、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧を算出する(ステップS401)。なお、パラメータ調整部30は、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧に代えて、吸入圧P1と吐出圧P2との比を算出するようにしてもよい。以下においては、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧を用いる例について説明する。
【0074】
次に、パラメータ調整部30は、算出した吸入圧P1と吐出圧P2との差圧を用いて、コンプレッサCのパラメータである回転数を調整する(ステップS403)。例えば、パラメータ調整部30は、トラッキングシミュレーションにより算出された吸入圧P1と吐出圧P2との差圧のシミュレート値と、プロセス値データベース11から取得した吸入圧P1と吐出圧P2との差圧の実測値とが等しくなるように、コンプレッサCの回転数を調整する。
【0075】
次に、パラメータ調整部30は、吸入圧P1と吐出圧P2との差圧のシミュレート値と、プロセス値データベース11から取得した吸入圧P1と吐出圧P2との差圧の実測値とを比較部32に出力する。比較部32は、シミュレート値と、実測値とを比較し、比較結果をパラメータ調整部30に出力する。パラメータ調整部30は、この比較結果を参照し、シミュレート値と、実測値との差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS405)。パラメータ調整部30は、シミュレート値と、実測値との差分が予め定められた閾値以下ではないと判定した場合、再度、回転数の調整を行う。なお、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、実測値とが一致するまで回転数の調整を繰り返してもよい。
【0076】
一方、パラメータ調整部30は、シミュレート値と、実測値との差分が予め定められた閾値以下であると判定した場合、調整済みの回転数を、その時点でのプロセス値、タイムスタンプなどと共に動作点推定部22に出力する。なお、パラメータ調整部30は、その他の環境条件などを動作点推定部22に出力してもよい。動作点推定部22は、パラメータ調整部30から入力された回転数、プロセス値、タイムスタンプなどを関連付けした運用時推定動作点OPを推定し、記憶部24に記憶させる(ステップS407)。なお、パラメータ調整部30が、運用時推定動作点OPを記憶部24に記憶させてもよい。
【0077】
次に、評価部26は、上記の基準性能評価処理において生成された基準推定動作点RPと、運用時推定動作点OPとを記憶部24から読み出し、両者を比較することにより、対象設備Tの運用時性能評価を行う(ステップS409)。評価部26は、評価結果を表示部28に表示してもよい。また、評価結果を画面に表示せずに、基準推定動作点RPと運用時推定動作点OPとの移動量を算出し、予め設定しておいた閾値を超えた場合、作業員に通知するなどとしてもよい。なお、評価部26は、基準推定動作点RPおよび運用時推定動作点OPに加えて、メーカ提供値MKを記憶部24から読み出して、これらを比較することにより、対象設備Tの運用時性能評価を行ってもよい。以上により、本フローチャートの処理を終了する。
【0078】
図10は、本実施形態におけるメーカ提供値MKにおける性能曲線に実際のプラントPLでの使用条件下の運用時性能値をマッピングした一例を示す図である。
図10では、実際のプラントPLでの使用条件下の基準性能値がD2であったのに対して、運用時性能値がD3にまで低下していることが示されている。さらに、
図10では、D3よりも時間的に後のD4において(運用時間が経過するにつれて)、運用時性能値がさらに低下していることが示されている。このような評価結果を表示させることで、コンプレッサCの状況の劣化状態を把握することができる。
【0079】
以上において説明した本実施形態によれば、実際のプラントでの使用条件下における設備の動作状態を高精度で評価することができ、設備の異常などを早期に検知することができる。本実施形態によれば、特に、コンプレッサの異常をその予兆段階で検知するこができるため、センサなどの機器を用いた従来の手法よりも早期に設備の異常を検知することができる。また、実際のプラントでの使用条件下のコンプレッサについて、トラッキングシミュレータで推定動作点を求めることにより、メーカ提供値との差異を把握できる。上記の推定動作点を記憶し、運用中や保守時において、適宜トラッキングシミュレーションを実施し、その時点の推定動作点を求めることにより、コンプレッサの状況の変化状態(劣化状態)を把握(診断)することができる。
【0080】
プラントに組み込まれたコンプレッサは、サージング防止など複数の制御ループ内に含まれる場合も多い。このような場合、システム全体からみるとフィードバックループが効き安定動作しているように見えるため、コンプレッサ自身の変化(劣化など)が把握し難くなる。本実施形態によれば、コンプレッサ自体の動作点に着目しているため、複数の制御ループに含まれているコンプレッサにおいても、その変化を捉えることができる。また、推定動作点の急峻な変化から、コンプレッサを通過する流体の変化(気体/液体の粘度/材料の変化)などを見出すこともできる。
【0081】
上記の実施形態においては、評価設備Tである「コンプレッサ」において計測対象の算出値として「吸入圧P1と吐出圧P2との差圧或いは吸入圧P1と吐出圧P2との比」を採用し、調整対象のパラメータとして「回転数」を採用する例を説明した。評価設備Tとして「ポンプ」を評価する場合には、計測対象の算出値として「吸入圧と吐出圧との差圧或いは吸入圧と吐出圧との比」を採用し、調整対象のパラメータとして「ポンプのヘッド」を採用してよい。
図11は、ポンプのヘッドに関するメーカ提供値における性能曲線に実際のプラントPLでの使用条件下の基準性能値をマッピングした一例を示す図である。ポンプの吐出し量Bにおけるヘッドのメーカ提供値がD5であったのに対して、実際のプラントPLでの使用条件下の基準性能値はD6となっていることが示されている。
【0082】
また、評価設備Tとして「熱交換器」を評価する場合には、計測対象のプロセス値として「出口温度」を採用し、調整対象のパラメータとして「総括伝熱係数」を採用してよい。また、評価設備Tとして「バルブ」を評価する場合には、計測対象のプロセス値として「MV値」を採用し、調整対象のパラメータとして「CV値」を採用してよい。その他、「蒸発器」、「反応器」、「蒸留塔」についても実測値に対し、感度が高いモデルパラメータを選択および調整することにより本発明を適用可能である。
【0083】
また、上記の実施形態においては、トラッキングシミュレータ20を使用する構成を説明したが、パラメータをオフラインで調整するオフライン型のシミュレータを使用してもよい。
【0084】
また、上記の実施形態においては、トラッキングシミュレータ20を使用する構成を説明したが、スタティックシミュレータおよびダイナミックシミュレータの双方を備えたシミュレータ、或いは、スタティックシミュレータおよびトラッキングシミュレータの双方を備えたシミュレータを使用してもよい。
【0085】
上記のスタティックシミュレータは、スタティックモデル(プラントもしくはプロセスの定常状態を計算するモデル)を使用して、プラントに設けられた機器の定常状態のシミュレーションを行うシミュレータである。また、上記のダイナミックシミュレータは、ダイナミックモデル(プラントもしくはプロセスの動的な挙動(非定常状態)を計算するモデル)を使用して、プラントの過渡的な状態を計算するシミュレータである。
【0086】
トラッキングシミュレータ20によってパラメータを調整する場合、プラントの外部条件(生産量、原料など)が変化している場合がある。調整後のパラメータ値にこれらの要因が含まれてしまうと、現在のパラメータの値と過去のパラメータの値とを単純に比較できない場合がある。上記のスタティックシミュレータおよびダイナミックシミュレータ(或いは、スタティックシミュレータおよびトラッキングシミュレータ)を備えたシミュレータにおいては、トラッキングシミュレータにおいて用いるダイナミックモデルを、スタティックモデルに変換し条件を整合(運転条件等値化)して、基準状態のスタティックモデルとの比較を実施する。この機能を利用することにより、プラントの外部条件の変化によるパラメータ調整時の誤差を低減することができる。なお、このようなスタティックシミュレータおよびダイナミックシミュレータ(或いは、スタティックシミュレータおよびトラッキングシミュレータ)を備えるシミュレータの詳細は、特願2016−021116に開示されている。
【0087】
なお、上記の実施形態の評価システムは、例えば、クラウドコンピューティングによって実現されるものであってよい。ここで、クラウドコンピューティングは、例えば、以下のURL(Uniform Resource Locator)で特定される文書に記載されている定義(米国国立標準技術研究所によって推奨される定義)に合致するものであってもよい。
http://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-145.pdf
https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
例えば、プラントにおける各設備のプロセス値が、プラントとネットワークを介して接続されたクラウド上に蓄積され、このクラウド上で各設備の評価が行われるようにしてもよい。
【0088】
また、上記の実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上記の種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(或いは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリなどの書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0089】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、或いは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0090】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせなどは一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求などに基づき種々変更可能である。