(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電線の導体部が挿抜可能な第1開口部、前記第1開口部に隣接しかつ治具が挿抜可能な第2開口部、および、第3開口部が直線的に並んで設けられた端子接続面と、内部に設けられかつ前記第1開口部、前記第2開口部、および、前記第3開口部に接続された収容部とを有する絶縁性のハウジングと、
前記収容部に配置されかつ前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部が接触可能な端子電極部と、
前記ハウジングに固定された一端の固定部と、前記固定部に対して弾性変形可能な他端の弾性部とを有し、前記弾性部が、前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部を前記端子電極部との間で挟持して前記導体部と前記端子電極部とを接続状態にすると共に、前記第2開口部から前記収容部に挿入された前記治具に接触し前記弾性部と前記導体部との接触を解除して前記導体部と前記端子電極部とを非接続状態にするように、前記収容部内に配置された板ばねと、
前記収容部の前記端子接続面の近傍に配置されかつ前記端子接続面の前記第1開口部から前記第3開口部までの並んだ方向に対して交差する方向に延びる回動軸まわりを回動可能に前記ハウジングに支持されていると共に、前記第3開口部において、前記導体部と前記端子電極部とが前記接続状態であるか前記非接続状態であるかを表示する状態表示部と、
前記端子接続面に交差する方向に沿って延びかつ前記端子接続面に交差する方向に往復移動可能な本体部と、前記本体部の前記端子電極部の近傍に配置されかつ前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部と接触可能な接触部と、前記本体部に接続されかつ前記第1開口部から前記収容部に前記導体部が挿入されたときに前記端子接続面に向かって前記本体部を移動させる力伝達部と、前記本体部の前記端子接続面の近傍でかつ前記状態表示部の近傍に配置されて前記本体部の往復移動に応じて前記状態表示部の表示を前記接続状態と前記非接続状態との間で変更可能に前記状態表示部を回動させる回動機構部とを有し、前記収容部に配置された表示用可動部材と、
を備える、端子台。
前記表示用可動部材の前記本体部が、前記切欠部を通って前記端子接続面から離れる方向に移動することにより、前記第1爪部が前記切欠部内で前記突出部と接触し、前記本体部が、前記切欠部を通って前記端子接続面に近づく方向に移動することにより、前記切欠部内で前記第1爪部が前記突出部から離れて前記第2爪部が前記突出部と接触するように配置されている、請求項2に記載の端子台。
前記収容部の前記端子電極部の近傍に配置されかつ前記端子接続面の前記第1開口部から前記第3開口部までの並んだ方向に対して交差する方向に延びる回動軸周りに回動可能に前記ハウジングに支持されていると共に、前記導体部の前記第1開口部から前記収容部への挿入に伴って回動して操作感を発生させる操作感発生用可動部材と、
前記導体部と前記端子電極部とが前記非接続状態から前記接続状態になった以降に、前記導体部の前記第1開口部から前記収容部への挿入により回動中の前記操作感発生用可動部材と接触可能に、前記収容部に配置されている第1突起部と、
を備え、
前記操作感発生用可動部材が、
前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部と接触可能な第1接触部と、
前記第2開口部から前記収容部に挿入された前記治具と前記弾性部を介して接触回動可能であると共に、前記第1突起部と接触して操作感を発生させる第2突起部を有する第2接触部と、
を有する、請求項1から5のいずれか1つに記載の端子台。
前記表示用可動部材の前記接触部が、前記本体部の延在方向に対して交差し、かつ、前記端子接続面に接近するにつれて前記本体部から離れるように延びていると共に、前記接触部の延在方向の前記本体部側の端部に、前記ハウジングと接触して前記表示用可動部材の回動支点となる回動支点部が設けられ、
前記接触部が前記力伝達部を兼ねている、請求項7に記載の端子台。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態の端子台1は、
図1に示すように、矩形箱状を有する絶縁性のハウジング10を備えている。このハウジング10は、電線80の導体部81(
図6および
図7に示す)を挿抜可能な第1開口部111、治具90(
図7に示す)が挿抜可能な第2開口部112、および、第3開口部113が設けられた端子接続面11を有している。
【0011】
前記端子台1では、端子接続面11は、ハウジング10の上部の矩形面(すなわち、
図1の上面)であり、第1開口部111、第2開口部112、および、第3開口部113は、端子接続面11の長手方向に沿って間隔を開けてかつ直線的に並んで設けられている。第1開口部111は、第2開口部112および第3開口部113の間に配置されている。すなわち、第2開口部112および第3開口部113の各々は、第1開口部111に隣接している。
【0012】
ハウジング10は、
図2に示すように、端子接続面11を有する第1壁部101と、第1壁部101に対向する第2壁部102と、第1壁部101および第2壁部102に略直交しかつ相互に対向する第3壁部103および第4壁部104とを有し、厚さ方向の一方の面(すなわち、
図2の紙面貫通方向の手前側の面)が開口している。
【0013】
また、ハウジング10は、第1〜第4壁部101、102、103、104で囲まれた内部に設けられていると共に、第1開口部111、第2開口部112、および、第3開口部113に接続された収容部12を有している。この収容部12は、第1開口部111および第2開口部112が接続された第1領域121と、第3開口部113が接続された第2領域122とで構成されており、第1領域121には、端子電極部20と板ばね30とが収容され、第2領域122には、状態表示部40と表示用可動部材50とが収容されている。なお、第2壁部102の端子接続面11に対向する内面を収容部12の底面とする。
【0014】
収容部12の第1領域121と第2領域122とは、第1開口部111から端子接続面11に交差(例えば、略直交)する方向(すなわち、
図2の上下方向)に沿って端子電極部20を支持するように延びている電線挿入ガイド壁部13により仕切られている。また、電線挿入ガイド壁部13と第2壁部102との間には、第1領域121と第2領域122とに繋がっている第1通路部123が設けられている。
【0015】
収容部12の第1領域121には、ハウジング10の厚さ方向に沿った平面視において略台形状を有する傾斜壁部14が設けられている。この傾斜壁部14は、電線挿入ガイド壁部13に対向し、かつ、電線挿入ガイド壁部13に対して電線80の挿入方向(すなわち、
図2の上側から下側)に向かうに従い接近するように傾斜する板ばね用傾斜面141と、第3壁部103に対向し、かつ、電線挿入ガイド壁部13に対して略平行に延びる第1隙間形成面142と、第2壁部102に対向し、かつ、第1隙間形成面142に略直交する方向に延びる第2隙間形成面143とを有している。
【0016】
板ばね用傾斜面141と電線挿入ガイド壁部13との間には、第1開口部111を介して電線80の導体部81が挿入される可能性がある領域である電線挿入領域100と、第2開口部112を介して治具90が挿入される可能性がある領域である治具挿入領域110とが設けられている。第1隙間形成面142と第3壁部103との間および第2隙間形成面143と第2壁部102との間には、端子電極部20を配置可能な隙間144、145がそれぞれ設けられている。
【0017】
なお、第2壁部102には、第2壁部102を端子接続面11に交差(例えば、略直交)する方向に貫通してハウジング10の外部に繋がっている2つの貫通孔146が設けられている。各貫通孔146は、後述する端子電極部20の横板部21の両端部に対応する第2壁部102の部分にそれぞれ配置されている。
【0018】
収容部12の第2領域122には、電線挿入ガイド壁部13と第4壁部104とで構成され、端子接続面11に交差(例えば、略直交)する方向に延びて第1通路部123と第3開口部113とに繋がっている第2通路部124が設けられている。この第2通路部124の第3開口部113近傍には、状態表示部40を収容する表示収容部125が設けられている。
【0019】
また、第2通路部124の第1通路部123と表示収容部125との間には、第1可動部材用傾斜面126と第2可動部材用傾斜面127とが設けられている。第1可動部材用傾斜面126は、端子接続面11に交差する方向において、端子接続面11を有する第1壁部101よりも第2壁部102の近くの第4壁部104に設けられ、端子接続面11の第3開口部113に接近するにつれて電線挿入ガイド壁部13から離れるように傾斜している。この第1可動部材用傾斜面126は、後述する表示用可動部材50の弾性腕部53に接触して、表示用可動部材50を端子接続面11に向かって付勢する付勢力を発生させる。また、第2可動部材用傾斜面127は、端子接続面11に交差する方向において、第2壁部102よりも第1壁部101の近くの第4壁部104に設けられ、端子接続面11の第3開口部113に接近するにつれて電線挿入ガイド壁部13接近するように傾斜している。この第2可動部材用傾斜面127は、表示用可動部材50の弾性腕部53と接触して、表示用可動部材50の端子接続面11に向かう方向への移動を規制する。
【0020】
端子電極部20は、
図2および
図3に示すように、ハウジング10の厚さ方向に沿った平面視において略U字形状を有する板状体で、端子接続面11に対して略平行に延びる矩形板状の横板部21と、この横板部21の長手方向の両端から端子接続面11に略直交する方向にそれぞれ延びる第1縦板部22および第2縦板部23とで構成されている。この端子電極部20は、
図2に示すように、横板部21が、第2隙間形成面143と第2壁部102との間の隙間145に配置され、第1縦板部22が、第1隙間形成面142と第3壁部103との間の隙間144に配置され、第2縦板部23が、電線挿入ガイド壁部13に沿って配置されている。
【0021】
図3に示すように、端子電極部20の幅方向の中央部には、端子電極部20を板厚方向に貫通する矩形貫通孔24が設けられている。この矩形貫通孔24は、横板部21と各縦板部22、23の一部とに亘って延びており、
図2に示すように、後述する表示用可動部材50の接触部52が配置されている。第1縦板部22には、締結部材(図示せず)により端子電極部20をハウジング10に固定するための固定用孔25が設けられている。また、第2縦板部23には、第1縦板部22に向かって突出する突出部26が設けられている。なお、第2縦板部23の矩形貫通孔24は、表示用可動部材50の端子接続面11に交差する方向の移動を妨げないように設けられている。
【0022】
板ばね30は、
図2に示すように、一端の固定部31と、固定部31に対して弾性変形可能な他端の弾性部32と、固定部31と弾性部32とを連結する湾曲部33とを有している。固定部31は、端子電極部20の第1縦板部22に固定されている。弾性部32は、その板面が傾斜壁部14の板ばね用傾斜面141に沿った形状を有し、その先端が端子電極部20まで延びて突出部26に接触している。この弾性部32は、固定部31に向かって、電線挿入領域100を通過して(横切って)治具挿入領域110まで弾性変形可能に構成されている。
【0023】
弾性部32は、第1開口部111を介して収容部12の第1領域121に挿入された電線80の導体部81を端子電極部20の第2縦板部23との間で挟持して、電線80の導体部81と端子電極部20とを接続可能になっている(
図6参照)。また、弾性部32は、第2開口部112から収容部12の第1領域121にされた治具90と接触して、弾性部32と電線80の導体部81との接触を解除可能になっている(
図7参照)。
【0024】
状態表示部40は、
図2に示すように、第3開口部113において、電線80の導体部81と端子電極部20とが接続された接続状態であるか、電線80の導体部81と端子電極部20との接続が解除された非接続状態であるかを表示する。この状態表示部40は、収容部12の第2領域122の表示収容部125に配置され、かつ、端子接続面11の第1開口部111から第3開口部113までの並んだ方向に対して交差する方向(すなわち、
図2の紙面貫通方向)に延びる回動軸401まわりを回動可能にハウジング10に支持されている。
【0025】
具体的には、状態表示部40は、
図4に示すように、中心軸が回動軸401を構成する円柱体41と、この円柱体41の外周の一部に設けられかつ中心軸に沿って延びる切欠部45を有している。この切欠部45における円柱体41の外周の中間部には、回動軸401に交差(例えば、略直交)する方向に突出する突出部42が設けられている。なお、回動軸401方向に沿った平面視における円柱体41の面積に占める切欠部45の比率は、1/2よりも小さくなっている。
【0026】
また、切欠部45以外の円柱体41の回動軸401に対する外周面には、接続表示領域43と非接続表示領域44とが設けられている。接続表示領域43は、例えば、赤色または黄色などの目立つ色で着色された領域であり、非接続表示領域44は、例えば、円柱体41の材料と同じ色で着色された領域(あるいは、状態表示部40を円柱体41と同じ材料で形成した場合、非着色の領域)である。状態表示部40の外周面の一部は、
図2に示すように、端子接続面11からハウジング10の外部に向かって僅かに突出している。
【0027】
表示用可動部材50は、
図2に示すように、本体部51と、接触部52と、力伝達部の一例である付勢部の一例の弾性腕部53と、回動機構部の一例の第1爪部54および第2爪部55とを有している。
【0028】
本体部51は、
図2に示すように、端子接続面11に交差(例えば、略直交)する方向に延びる略矩形板状を有し、端子接続面11に交差する方向に往復移動可能に第2通路部124に配置されている。この本体部51の略中央には、
図5に示すように、本体部51をその板厚方向に貫通する貫通孔56が設けられている。
【0029】
接触部52は、
図2に示すように、本体部51の電線挿入ガイド壁部13に対向する板面の長手方向の下端部から第1領域121に向かって突出するように設けられ、第1通路部123に配置されている。すなわち、この接触部52は、本体部51の端子電極部20の近傍に配置されている。この接触部52は、
図5に示すように、矩形棒状を有し、その上面(すなわち、端子接続面11に対向する面)に、接触面521を有している。この接触面521は、第1開口部111を介して収容部12の第1領域121に挿入された電線80の導体部81と接触可能に配置されている。
【0030】
第1開口部111から収容部12の第1領域121に電線80の導体部81が挿入されると、電線80の導体部81と接触する接触部52が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向(すなわち、
図2の下向き)に押圧される。これに伴って、本体部51も接触部52が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に押圧されて、第2壁部102に向かって移動する(
図6参照)。
【0031】
弾性腕部53は、
図5に示すように、本体部51の貫通孔56の上端縁部に接続され、本体部51から第4壁部104に向かってかつ第2可動部材用傾斜面127に沿って延びている。この弾性腕部53は、第1開口部111から収容部12の第1領域121に電線80の導体部81が挿入されたときに端子接続面11に向かって本体部51を付勢する。詳しくは、第1開口部111から収容部12の第1領域121に電線80の導体部81が挿入されて、本体部51が第2壁部102に向かって移動すると、弾性腕部53の先端が、第1可動部材用傾斜面126に接触して、本体部51に向かって弾性変形する。この弾性腕部53の弾性変形により、本体部51が端子接続面11に向かって付勢される(
図6参照)。すなわち、弾性腕部53は、電線80の導体部81による接触部52への押圧力を弾性力に変換して、本体部51に伝達するように構成されている。
【0032】
第1爪部54および第2爪部55は、
図2に示すように、本体部51の端子接続面11の近傍でかつ状態表示部40の近傍に配置されて本体部51の往復移動に応じて状態表示部40の表示を接続状態と非接続状態との間で変更可能に状態表示部40を回動させる。詳しくは、第1爪部54および第2爪部55は、端子接続面11の前記第1開口部から前記第3開口部までの並んだ方向(すなわち、
図2の左右方向)にそれぞれ延びていると共に、相互に間隔を空けてかつ本体部51の往復移動により状態表示部40の突出部42にそれぞれ個別に接触可能に配置されている。
【0033】
第1爪部54は、本体部51の往復移動する方向、すなわち、本体部51の長手方向において端子接続面11の近くに配置され、本体部51の第4壁部104に対向する板面から第4壁部104に向かって突出している。また、第2爪部55は、本体部51の長手方向において本体部51の第1爪部54よりも端子接続面11から離れて配置され、第1爪部54と同様に、本体部51の第4壁部104に対向する板面から第4壁部104に向かって突出している。
【0034】
また、第1爪部54と第2爪部55との間に、状態表示部40の突出部42が配置されて、第1爪部54および第2爪部55のうちのいずれか一方が突出部42と接触可能になっている。すなわち、本体部51が端子接続面11から離れる方向(すなわち、
図2の下向き)に移動することにより、第1爪部54が状態表示部40の切欠部45内で突出部42と接触して接続状態を表示するように状態表示部40を回動させ(
図6参照)、本体部51が端子接続面11に近づく方向(すなわち、
図2の上向き)に移動することにより、状態表示部40の切欠部45内で第1爪部54が突出部42から離れて第2爪部55が突出部42と接触して非接続状態を表示するように状態表示部40を回動させる(
図2参照)。
【0035】
次に、第1開口部111に電線80の導体部81を挿入し、第2開口部112に治具90を挿入したときの端子台1の動作について、
図2、
図6、および、
図7を用いて説明する。
【0036】
端子台1の第1開口部111から電線80の導体部81を収容部12の第1領域121の電線挿入領域100に挿入していくと、挿入された電線80の導体部81が、板ばね30の弾性部32に接触して、板ばね30の弾性部32を端子接続面11から離れる方向に押圧する。これにより、板ばね30の弾性部32が、そのばね力に抗して弾性変形し、電線80の導体部81が、
図6に示すように、板ばね30の弾性部32と端子電極部20の第2縦板部23との間で挟持されて、電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態となる。
【0037】
さらに、電線80の導体部81を収容部12の第1領域121の電線挿入領域100に挿入していくと、挿入された電線80の導体部81が、表示用可動部材50の接触部52の接触面521に接触して、
図6に示すように、接触部52が第2壁部102に接触するまで、表示用可動部材50の接触部52の接触面521を端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に押圧する。
【0038】
このとき、電線80の導体部81による接触部52への押圧により、表示用可動部材50の本体部51が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に移動し、第1爪部54が状態表示部40の突出部42に接触して、
図2示す位置(すなわち、突出部42が端子接続面11に略平行に延びている位置)から
図6に示す位置(すなわち、突出部42が端子接続面11に略直交する方向に延びている位置)まで、状態表示部40を
図2に示す平面視における反時計回りに回動させる。これにより、第3開口部113から接続表示領域43の少なくとも一部が露出し、第3開口部113において、電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態であることが表示される。
【0039】
続いて、
図6に示す電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態の端子台1の第2開口部112から治具90を挿入していくと、
図7に示すように、治具90の先端が、板ばね30の弾性部32に接触して、板ばね30の弾性部32をそのばね力に抗してさらに弾性変形させる。これにより、板ばね30の弾性部32と電線80の導体部81との接触が解除され、電線80の導体部81と端子電極部20とが非接続状態となる。これ以降、収容部12内の電線80の導体部81を収容部12外に引き抜くことができるようになる。
【0040】
収容部12内の電線80の導体部81を収容部12外に引き抜いたあと、収容部12内の治具90を収容部12外に引き抜くと、治具90により弾性変形していた板ばね30の弾性部32が、ばね力により端子電極部20の第2縦板部23に向かって移動して、その先端が端子電極部20の第2縦板部23の突出部26に接触する
図2に示す状態に復帰する。
【0041】
このとき、電線80の導体部81および治具90による接触部52への押圧が解除され、第1可動部材用傾斜面126に接触して弾性変形していた弾性腕部53が、本体部51を端子接続面11に向かって付勢する。これにより、本体部51が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に接近する方向に移動して、第2爪部55が状態表示部40の突出部42に接触し、
図6示す位置から
図2に示す位置まで、状態表示部40を
図2に示す平面視における時計回りに回動させる。その結果、第3開口部113から非接続表示領域44が露出し、第3開口部113において、電線80の導体部81と端子電極部20とが非接続状態であることが表示される。
【0042】
第1実施形態の端子台1では、第3開口部113において、導体部81と端子電極部20とが接続状態であるか非接続状態であるかを表示する状態表示部40を備えている。これにより、例えば、小型の端子台1であっても、収容部12に状態表示部40の回動領域を確保でき、正確な電線80の接続状況を使用者に報知できる。
【0043】
また、本体部51が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に移動することにより、第1爪部54が状態表示部40の切欠部45内で突出部42と接触して接続状態を表示するように状態表示部40を回動させ、本体部51が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に近づく方向に移動することにより、第2爪部55が状態表示部40の切欠部45内で突出部42と接触して非接続状態を表示するように状態表示部40を回動させる。これにより、例えば、小型の端子台1であっても、収容部12に状態表示部40の回動領域を十分に確保でき、より正確な電線80の接続状況を使用者に報知できる。
【0044】
また、状態表示部40の接続表示領域43が、接続状態において、第3開口部113の少なくとも一部から露出するように配置されている。すなわち、接続表示領域43は、第3開口部113の少なくとも一部から露出すれば、電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態であるように配置されている。これにより、さらに小型の端子台1であっても、正確な電線80の接続状況を使用者に報知できる。
【0045】
また、状態表示部40の円柱体41の一部が、第3開口部113からハウジング10の外部に突出している。これにより、接続表示領域43が視認し易くなり、より正確な電線80の接続状況を使用者に報知できる。
【0046】
なお、端子電極部、状態表示部、および、表示用可動部材は、第1実施形態の端子電極部20、状態表示部40、および、表示用可動部材50に限らない。例えば、
図9〜
図11に示す端子電極部120、状態表示部140、および、表示用可動部材150を採用してもよい。
【0047】
図9に示す端子電極部120には、横板部21と各縦板部22、23の一部とに亘って延びかつ幅方向の一方が外部に繋がっている切り欠き状の矩形貫通孔124が設けられている。
図10に示す状態表示部140は、円柱体41の回動軸401方向の一部に設けられ、回動軸401方向に沿った平面視において、円柱体41の面積に占める切欠部45の比率が1/2よりも大きくなっている切欠部45を有している。この状態表示部140では、切欠部145以外の円柱体41の外周面に接続表示領域43のみが設けられている。また、
図11に示す表示用可動部材150は、長尺棒状の本体部151を有している。
【0048】
図8に示すように、
図9〜
図11に示す端子電極部120、状態表示部140、および、表示用可動部材150を備えた端子台1では、表示用可動部材150の本体部151が、切欠部145を通って端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に移動することにより、第1爪部54が切欠部145内で突出部42と接触し、本体部151が、切欠部145を通って端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に近づく方向に移動することにより、切欠部145内で第1爪部54が突出部42から離れて第2爪部55が突出部42と接触するように配置されている。これにより、収容部12を省スペース化することができる。
【0049】
また、表示用可動部材50の弾性腕部53は、本体部51と一体に形成されている場合に限らず、本体部51と別体に構成してもよい。
【0050】
また、端子接続面11は、1つの平面で構成するものに限らず、各開口部がそれぞれまたは任意に組み合わせて配置された複数の平面で構成されていてもよい。
【0051】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の端子台1は、
図12〜
図16に示すように、第2突起部70を有する操作感発生用可動部材60および第1突起部63を備えている点と、端子接続面11の第3開口部113、収容部12の第2領域122、状態表示部40、および、表示用可動部材50を備えていない点とで、第1実施形態と異なっている。
【0052】
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0053】
ハウジング10の収容部12の第2壁部102の内面(すなわち、収容部12の底面)には、
図13に示すように、第4壁部104側端部に配置された第1収容凹部105と、この第1収容凹部105よりも第3壁部103側に配置された第2収容凹部106とが設けられている。第1収容凹部105は、端子接続面11に交差(例えば、略直交)する方向に延びる一対の面の第4壁部104側の面が、第4壁部104の内面よりも外側に位置して段差部107を形成している。
【0054】
また、収容部12の傾斜壁部14の板ばね用傾斜面141の第2壁部102側の端部には、板ばね用傾斜面141に開口する収容切欠部147が設けられている。なお、第2実施形態の端子台1では、第4壁部104が、電線挿入ガイド壁部13を兼ねている。
【0055】
操作感発生用可動部材60は、
図13に示すように、収容部12の端子電極部20の近傍に配置され、かつ、端子接続面11の第1開口部111および第2開口部112の並んだ方向に対して交差する方向(すなわち、
図13の紙面貫通方向)に延びる回動軸601周りに回動可能にハウジング10に支持されていると共に、電線80の導体部81(
図15および
図16に示す)の第1開口部111から収容部12への挿入に伴って回動して、操作感を発生可能に構成されている。
【0056】
具体的には、操作感発生用可動部材60は、
図14に示すように、第1開口部111から収容部12に挿入された電線80の導体部81と接触可能な第1接触部61と、第2開口部112から収容部12に挿入された治具90(
図16に示す)と板ばね30の弾性部32を介して接触可能であると共に、第1突起部63と接触して操作感を発生させる第2突起部70を有する第2接触部62とを有している。第1接触部61および第2接触部62は、別体に構成されている。
【0057】
第1接触部61は、電線80の導体部81と接触する第1面611と、第1面に対向する第2面612とを有している。第1接触部61の第1面611に、第1面611から端子接続面11に向かって突出する第1突起部63が設けられている。
【0058】
また、第1接触部61の第2面612には、収容部12の第1収容凹部105に配置された移動規制部64が設けられている。移動規制部64は、第2面612から端子接続面11に交差(例えば、略直交)しかつ端子接続面11から離れる方向に延びる腕部641と、この腕部641から第4壁部104に向かって突出する突出部642とで構成されている。この突出部642と段差部107とで、第1接触部61の端子接続面11に接近する方向への移動が規制されている。すなわち、移動規制部64により、第1接触部61の移動範囲が第1収容凹部105内に規制されている。
【0059】
第2接触部62は、中心に回動軸601が配置された回動部65と、回動部65から回動軸601に直交する方向に延びる第1部材66と、回動部65から回動軸601に直交しかつ第1部材166の延在方向と交差する方向に延びると共に、第1接触部61の第2面612に接触する第2部材67とを有している。
【0060】
回動部65は、収容部12の第2収容凹部106に配置されている。また、第1部材66は、端子接続面11に向かって延びるように配置され、第2部材67は、第4壁部104に向かって延びるように配置されている。なお、第1部材66は、
図13に示すように、電線80の導体部81と端子電極部20とが非接続状態であるときに、傾斜壁部14の収容切欠部147に収容されている。
【0061】
また、第1部材66は、第2部材67の延在方向に沿って延びる腕部68を有している。この腕部68には、第1部材66から離れた先端に第2部材67に向かって突出する第2突起部70が設けられている。
【0062】
次に、第1開口部111に電線80の導体部81を挿入し、第2開口部112に治具90を挿入したときの端子台1の動作について、
図13、および、
図15〜
図17を用いて説明する。
【0063】
端子台1の第1開口部111から電線80の導体部81を収容部12の電線挿入領域100に挿入していくと、挿入された電線80の導体部81が、弾性部32に接触して、板ばね30の弾性部32を端子接続面11から離れる方向に押圧する。これにより、板ばね30の弾性部32が、そのばね力に抗して弾性変形し、電線80の導体部81が、
図15に示すように、板ばね30の弾性部32と端子電極部20の第2縦板部23との間で挟持されて、電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態となる。
【0064】
さらに、電線80の導体部81を収容部12の電線挿入領域100に挿入していくと、挿入された電線80の導体部81が、操作感発生用可動部材60の第1接触部61に接触して、
図15に示すように、第1接触部61の第2面612が第2壁部102に接触するまで、操作感発生用可動部材60の第1接触部61を端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に押圧する。
【0065】
このとき、電線80の導体部81による第1接触部61の押圧により、第2接触部62の第2部材67が端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に押圧され、
図13に示す位置(すなわち、第1部材66が傾斜壁部14の収容切欠部147に収容されている位置)から
図15に示す位置(すなわち、第1部材66が端子接続面11に略直交する方向に延びている位置)まで、第2接触部62を
図13に示す平面視における時計回りに回動させる。
【0066】
電線80の導体部81と端子電極部20とが非接続状態から接続状態になった以降の第2接触部62の回動中に、第2接触部62の第1部材66の第2突起部70が、第1接触部61の第1突起部63と接触して操作感を発生させる。すなわち、操作感により、導体部81と端子電極部20とが非接続状態から接続状態になったことが使用者に報知される。なお、この操作感は、第2突起部70が第1突起部63に接触して第1突起部63を乗り越えるまでにおける電線80の導体部81の収容部12への挿入荷重の変化と、第2突起部70が第1接触部61を乗り越えたときに第1接触部61の第1面611とが衝突して発生する衝突音とにより形成される。
【0067】
続いて、
図15に示す電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態の端子台1の第2開口部112から治具90を挿入していくと、
図16に示すように、治具90の先端が、板ばね30の弾性部32に接触して、板ばね30の弾性部32をそのばね力に抗してさらに弾性変形させる。これにより、板ばね30の弾性部32と電線80の導体部81との接触が解除され、電線80の導体部81と端子電極部20とが非接続状態となる。これ以降、収容部12内の電線80の導体部81を収容部12外に引き抜くことができるようになる。
【0068】
このとき、第2接触部62の第1部材66が、治具90により、板ばね30を介して傾斜壁部14の板ばね用傾斜面141に向かって押圧され、
図15に示す位置から
図13に示す位置まで、第2接触部62を
図13に示す平面視における反時計回りに回動させる。これにより、第2接触部62の第1部材66が傾斜壁部14の収容切欠部147に収容されて、操作感発生用可動部材60が
図13に示す状態に復帰する。
【0069】
また、
図17に、
図15に示す位置まで電線80の導体部81を収容部12に挿入するときの挿入荷重の変化を示す。
図17の縦軸は、電線80の導体部81の先端にかかる荷重を示し、
図17の横軸は、端子接続面11を基準(=変位量ゼロ)としたときの電線80の導体部81の先端の位置を示している。
【0070】
図17に示すように、電線80の導体部81の先端にかかる加重は、第1開口部111から収容部12に導体部81を挿入していくにつれて大きくなり、導体部81の先端が板ばね30の弾性部32の先端と接触して、導体部81と端子電極部20とが接続状態になったときに(すなわち、変位量Aの位置で)、第1のピークに達する。
【0071】
さらに、導体部81を収容部12に挿入していくと、導体部81の先端が板ばね30の弾性部32の先端を超えたときに、導体部81の先端にかかる荷重が一気に小さくなり、そのまま暫く横ばい状態が続く。
【0072】
そして、導体部81の収容部12への挿入により第2接触部62が回動し、第2接触部62の第1部材66の第2突起部70が第1接触部61の第1突起部63と接触して第1突起部63を乗り越える直前(すなわち、変位量Bの位置)で、導体部81の先端にかかる荷重が第2のピークも達する。
【0073】
その後、さらに導体部81を収容部12に挿入して、第2突起部70が第1突起部63を乗り越えると、導体部81の先端にかかる加重が一気に小さくなり、第1接触部61が第2壁部102に接触して(=変位量Cの位置)、導体部81の収容部12への挿入が完了する。
【0074】
第2実施形態の端子台1によれば、導体部81の第1開口部111から収容部12への挿入に伴って回動可能な操作感発生用可動部材60と、導体部81と端子電極部20とが非接続状態から接続状態になった以降に、導体部81の第1開口部111から収容部12への挿入により回動中の操作感発生用可動部材60と接触可能に配置されている第1突起部63とを備え、操作感発生用可動部材60に、第1突起部63と接触して操作感を発生させる第2突起部70が設けられている。これにより、例えば、暗い作業環境で電線80を端子台1に接続する場合であっても、第1突起部63と第2突起部70との接触により発生した操作感により、電線80の接続状況を使用者に正確に報知できる。
【0075】
また、第1接触部61と第2接触部62とが、別体に構成されている。これにより、例えば、第1接触部61と第2接触部62とをそれぞれ異なる材料で構成することができ、第2突起部70が第1接触部61を乗り越えたときに第1接触部61の第1面611とが衝突して発生する衝突音を容易に調整できる。
【0076】
なお、操作感発生用可動部材60は、第1接触部61と第2接触部62とが別体に構成されている場合に限らない。例えば、
図18〜
図21に示すように、第1接触部61と第2接触部62とを一体に構成することができる。この場合、
図19に示すように、第1接触部61が第2接触部62の第2部材67と一体に形成され、第2接触部62の第2部材66に、回動部65に対して第1接触部61(または、第2部材67)とは反対方向(すなわち、
図16の左向き)に延びる腕部168を有し、この腕部168の第2接触部62から離れた先端に第2接触部62の延在方向かつ回動部65に近づく方向に突出する第2突起部70が設けられている。また、収容部12の傾斜壁部14の収容切欠部147における第2壁部102側の開口縁に、端子接続面11に向かって突出する第1突起部63が設けられている。なお、第2壁部102には、第1収容凹部105は設けられておらず、第2収容凹部106のみが設けられている。
【0077】
このように、第1接触部61と第2接触部62とを一体に構成することで、端子台1の部品点数を削減できる。これにより、端子台1の組立が容易になると共に、製造コストを低減できる。
【0078】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の端子台1は、
図22〜
図24に示すように、第1実施形態の端子接続面11の第3開口部113、収容部12の第2領域122、状態表示部40、および、表示用可動部材50を備えつつ、第2実施形態の突起部70を有する操作感発生用可動部材60を備えた点で、第1実施形態および第2実施形態と異なっている。
【0079】
なお、第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態および第2実施形態と異なる点について説明する。
【0080】
第3実施形態の端子台1では、表示用可動部材50の接触部52が、操作感発生用可動部材60の第1接触部61を兼ねている。すなわち、表示用可動部材50の接触部52の接触面521に、第1突起部63が設けられている。
【0081】
このように、端子台1が、状態表示部40および表示用可動部材50と、第2実施形態の第2突起部70を有する操作感発生用可動部材60および第1突起部63とを備えることにより、電線80の導体部81と端子電極部20との接続状況が、状態表示部40による表示に加えて、操作感発生用可動部材60の第2突起部70と第1突起部63との接触による操作感の発生により、電線80の接続状況を使用者に報知できる。このため、例えば、騒音および振動が大きい作業環境で電線80を端子台1に接続する場合であっても、また、暗い作業環境で電線80を端子台1に接続する場合であっても、正確な電線80の接続状況を使用者に報知できる。
【0082】
なお、状態表示部40による接続状態の報知と、操作感発生用可動部材60の第2突起部70と第1突起部63との接触による操作感の発生による接続状態の報知とは、例えば、表示用可動部材50の第1爪部54と状態表示部40の突出部42とが接触するタイミングを調整することで、任意の順序で行うことができる。
【0083】
例えば、明るいが騒音および振動が大きい作業環境では、状態表示部40による表示を先に行い、操作感発生用可動部材60の第2突起部70と第1突起部63との接触による操作感を後で発生させることで、視認性を優先した報知を行うことができる。また、暗いが騒音および振動が小さい作業環境では、操作感発生用可動部材60の第2突起部70と第1突起部63との接触による操作感を先に発生させ、状態表示部40による表示を後で行うことで、操作感を優先した報知を行うことができる。さらに、状態表示部40による表示と、操作感発生用可動部材60の第2突起部70と第1突起部63との接触による操作感の発生とを同時に行うことで、複数の感覚に訴える報知を行うことができる。
【0084】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態の端子台1は、
図25〜
図33に示すように、状態表示部40が、治具90が挿抜可能な第2開口部112に隣接する位置に設けられている点で、第1実施形態と異なっている。
【0085】
なお、第4実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0086】
図26および
図27に示すように、第4実施形態の端子台1では、端子電極部20の横板部21が、端子接続面11に直交し、かつ、ハウジング10の厚さ方向に直交する方向に延びている。このため、第4実施形態の端子台1では、第2隙間形成面143と第2壁部102との間に設けられている隙間145には、端子電極部20ではなく、表示用可動部材50の接触部52が配置されている。
【0087】
また、端子接続面11では、第2開口部112に、第1開口部111および第3開口部113の各々が隣接しており、第1開口部111が、端子接続面11の第3壁部103側に配置され、第3開口部113が、端子接続面11の第4壁部104側に配置されている。すなわち、第4実施形態の端子台1では、第3壁部103が、電線挿入ガイド壁部13を兼ねている。
【0088】
さらに、収容部12には、第1領域121と第2領域122とを仕切る仕切壁部15が設けられており、仕切壁部15と第2壁部102との間には、第1領域121と第2領域122とに繋がっている第1通路部123が設けられている。
【0089】
また、仕切壁部15と傾斜壁部14の第1隙間形成面142との間に、端子電極部20の第1縦板部22と板ばね30の固定部31とが配置されている。仕切壁部15には、端子電極部20の第1縦板部22を収容可能な切欠部151が設けられている。切欠部151の内部には、第1縦板部22を位置決めする突起部152が設けられている。この突起部152は、第1縦板部22の先端面から横板部21に直交する方向に延びる溝部221(
図28に示す)に対して挿入可能に設けられている。
【0090】
図29に示すように、状態表示部40には、円柱体41の回動軸方向の一端面から回動軸方向に突出する回動軸部46が設けられている。この回動軸部46は、先細り形状の先端部461と、回動軸部46の延在方向の中間に設けられた環状凹部462とを有し、
図25に示すように、ハウジング10の第3開口部113に設けられ、ハウジング10をその板厚方向に貫通する貫通孔16に挿入されている。なお、貫通孔16の内周面には、環状凹部462に係合可能な係合突起(図示せず)が設けられ、回動軸部46を回動可能に支持している。
【0091】
図30に示すように、表示用可動部材50は、端子接続面11に交差する方向に延びる略矩形板状の本体部51と、本体部51の端子接続面11に近い方の端部(すなわち、
図30の上端)に設けられた第1爪部54および第2爪部55と、本体部51の延在方向における端子接続面11から遠い方の端部(すなわち、
図30の下端)に設けられた接続部58と、接続部58の延在方向における本体部51から遠い方向の端部に設けられた接触部52とを有している。
【0092】
接触部52は、本体部51の延在方向に対して交差しかつ端子接続面11に接近するにつれて本体部51から離れる方向に延びている。また、接触部52の延在方向における本体部51に近い方の端部のハウジング10の第2壁部102に対向する面には、回動支点部57が設けられている。この回動支点部57は、第1開口部111から収容部12に挿入された電線80の導体部81が接触面521に接触して、接触部52が収容部12の底面に向かって押圧されたときに、ハウジング10の第2壁部102に接触して表示用可動部材50の回動支点となるように設けられている。
【0093】
なお、表示用可動部材50は、回動支点部57から本体部51の端子接続面11に近い方の端部までの距離が、回動支点部57から接触部52の本体部51から遠い方の端部までの距離よりも長くなるように構成されている。
【0094】
ここで、
図27および
図31〜
図33を参照して、電線80の導体部81を収容部12の第1領域121の電線挿入領域100に挿入したときの状態表示部40および表示用可動部材50の動作について説明する。
【0095】
図27に示す端子台1の第1開口部111から電線80の導体部81を収容部12の第1領域121の電線挿入領域100に挿入していくと、
図31に示すように、挿入された電線80の導体部81が、表示用可動部材50の接触部52の接触面521に接触する。そして、接触部52が第2壁部102に接触するまで、表示用可動部材50の接触部52の接触面521が、電線80の導体部81によって、端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に押圧される。
【0096】
電線80の導体部81による接触部52への押圧により、本体部51が、回動支点部57を中心として
図31に示す平面視おける反時計回りに回動して、端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に接近する方向に移動する。すなわち、接触部52は、電線80の導体部81による接触部52への押圧力を本体部51に伝達して、本体部51を端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に接近する方向に移動させる力伝達部を兼ねている。
【0097】
このとき、本体部51が、端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に接近する方向に移動して、第1爪部54が状態表示部40の切欠部45に接触する。これにより、本体部51が、
図32に示す位置(すなわち、突出部42が、端子接続面11に略直交する方向に延びている位置)から
図33に示す位置(すなわち、突出部42が、端子接続面11に略平行な方向に延びて、第1爪部54と第2爪部55との間に配置されている位置)まで、状態表示部40を
図31に示す平面視における反時計回りに回動させる。その結果、第3開口部113から接続表示領域43の少なくとも一部が露出し、第3開口部113において、電線80の導体部81と端子電極部20とが接続状態であることが表示される。
【0098】
また、第2開口部112に治具を挿入して、収容部12内の電線80の導体部81を収容部12外に引き抜くと、電線80の導体部81による接触部52への押圧が解除され、本体部51および接続部58の自重により、本体部51が、端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に付勢され、回動支点部57を中心として
図31に示す平面視おける時計回りに回動して、表示用可動部材50が
図27に示す状態に復帰する。
【0099】
このとき、本体部51が。端子接続面11に交差しかつ端子接続面11から離れる方向に移動して、第2爪部55が状態表示部40の突出部42に接触する。これにより、本体部51が、
図33に示す位置から
図33に示す位置まで、状態表示部40を
図31に示す平面視における時計回りに回動させる。その結果、第3開口部113から非接続表示領域44が露出し、第3開口部113において、電線80の導体部81と端子電極部20とが非接続状態であることが表示される。
【0100】
なお、本体部51の接続部58が接続されている側の端部には、端子接続面11から離れるにつれて本体部51から離れる方向に傾斜する傾斜面511が設けられている。これにより、電線80の導体部81により接触部52が収容部12の底面に向かって押圧されたときに、本体部51の端子接続面11に接近する方向への移動がスムーズになる。
【0101】
また、仕切壁部15と第2壁部102および第4壁部104との間には、本体部51が、回動支点部57を中心に回動したときに、端子接続面11に交差しかつ端子接続面11に接近または開離する方向に移動して、状態表示部40を回動させることができる空間が設けられている。
【0102】
第4実施形態の端子台1では、ハウジング10の第3開口部113が、第2開口部112に隣接するように配置されている。これにより、電線80が挿入される第1開口部111と状態表示部40が設けられた第3開口部113との間に距離を設けることができるので、例えば、電線80の導体部81を第1開口部111に挿入するときに使用者の手などで状態表示部40が隠れ難くなり、状態表示部40の確認が容易になる。その結果、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0103】
また、表示用可動部材50の接触部52が、本体部51の延在方向に対して交差し、かつ、端子接続面11に接近するにつれて本体部51から離れるように延びていると共に、接触部52の延在方向の本体部51側の端部に、ハウジング10と接触して表示用可動部材50の回動支点となる回動支点部57が設けられ、接触部52が力伝達部を兼ねている。これにより、簡単な構成で、電線80の導体部81を第1開口部111に挿入するときにおける状態表示部40の確認を容易にして、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0104】
以上、図面を参照して本発明における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本発明の種々の態様について説明する。
【0105】
本発明の第1態様の端子台は、
電線の導体部が挿抜可能な第1開口部、前記第1開口部に隣接しかつ治具が挿抜可能な第2開口部、および、第3開口部が直線的に並んで設けられた端子接続面と、内部に設けられかつ前記第1開口部、前記第2開口部、および、前記第3開口部に接続された収容部とを有する絶縁性のハウジングと、
前記収容部に配置されかつ前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部が接触可能な端子電極部と、
前記ハウジングに固定された一端の固定部と、前記固定部に対して弾性変形可能な他端の弾性部とを有し、前記弾性部が、前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部を前記端子電極部との間で挟持して前記導体部と前記端子電極部とを接続状態にすると共に、前記第2開口部から前記収容部に挿入された前記治具に接触し前記弾性部と前記導体部との接触を解除して前記導体部と前記端子電極部とを非接続状態にするように、前記収容部内に配置された板ばねと、
前記収容部の前記端子接続面の近傍に配置されかつ前記端子接続面の前記第1開口部から前記第3開口部までの並んだ方向に対して交差する方向に延びる回動軸まわりを回動可能に前記ハウジングに支持されていると共に、前記第3開口部において、前記導体部と前記端子電極部とが前記接続状態であるか前記非接続状態であるかを表示する状態表示部と、
前記端子接続面に交差する方向に沿って延びかつ前記端子接続面に交差する方向に往復移動可能な本体部と、前記端子電極部の近傍に配置されかつ前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部と接触可能な接触部と、前記本体部に接続されかつ前記第1開口部から前記収容部に前記導体部が挿入されたときに前記端子接続面に向かって前記本体部を移動させる力伝達部と、前記本体部の前記端子接続面の近傍でかつ前記状態表示部の近傍に配置されて前記本体部の往復移動に応じて前記状態表示部の表示を前記接続状態と前記非接続状態との間で変更可能に前記状態表示部を回動させる回動機構部とを有し、前記収容部に配置された表示用可動部材と、
を備える。
【0106】
第1態様の端子台によれば、第3開口部において、導体部と端子電極部とが接続状態であるか非接続状態であるかを表示する状態表示部を備えている。これにより、例えば、小型の端子台であっても、収容部に状態表示部の回動領域を確保でき、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0107】
本発明の第2態様の端子台は、
前記状態表示部が、
外周の一部に設けられかつ中心軸に沿って延びる切欠部を有し、前記中心軸が前記回動軸を構成する円柱体と、
前記切欠部の前記外周の中間部に設けられ前記回動軸に交差する方向に突出する突出部と、
を有し、
前記表示用可動部材の前記回動機構部が、
前記端子接続面の前記第1開口部から前記第3開口部までの並んだ方向にそれぞれ延びていると共に、相互に間隔を空けてかつ前記本体部の往復移動により前記突出部にそれぞれ個別に接触可能に配置された第1爪部および第2爪部を有し、
前記本体部の往復移動する方向において前記第1爪部が前記第2爪部よりも前記端子接続面の近くに配置され、前記第1爪部と前記第2爪部との間に前記突出部が配置されて、前記第1爪部および前記第2爪部のうちのいずれか一方が前記突出部と接触可能であり、
前記本体部が前記端子接続面から離れる方向に移動することにより前記第1爪部が前記切欠部内で前記突出部と接触して前記接続状態を表示するように前記状態表示部を回動させ、前記本体部が前記端子接続面に近づく方向に移動することにより前記切欠部内で前記第1爪部が前記突出部から離れて前記第2爪部が前記突出部と接触して前記非接続状態を表示するように前記状態表示部を回動させる。
【0108】
第2態様の端子台によれば、例えば、小型の端子台であっても、収容部に状態表示部の回動領域を十分に確保でき、より正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0109】
本発明の第3態様の端子台は、
前記表示用可動部材の前記本体部が、前記切欠部を通って前記端子接続面から離れる方向に移動することにより、前記第1爪部が前記切欠部内で前記突出部と接触し、前記本体部が、前記切欠部を通って前記端子接続面に近づく方向に移動することにより、前記切欠部内で前記第1爪部が前記突出部から離れて前記第2爪部が前記突出部と接触するように配置されている。
【0110】
第3態様の端子台によれば、表示用可動部材の本体部が状態表示部の切欠部を通って往復移動するので、収容部を省スペース化することができる。これにより、例えば、小型の端子台であっても、収容部に状態表示部の回動領域を十分に確保でき、より正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0111】
本発明の第4態様の端子台は、
前記状態表示部が、前記切欠部以外の前記円柱体の前記外周に前記接続状態であることを表示する接続表示領域を有し、
前記接続表示領域が、前記接続状態において、前記第3開口部の少なくとも一部から露出するように配置されている。
【0112】
第4態様の端子台によれば、さらに小型の端子台であっても、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0113】
本発明の第5態様の端子台は、
前記状態表示部の前記円柱体の前記外周の一部が、前記第3開口部から前記ハウジングの外部に突出している。
【0114】
第5態様の端子台によれば、接続表示領域が視認し易くなり、より正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0115】
本発明の第6態様の端子台は、
前記収容部の前記端子電極部の近傍に配置されかつ前記端子接続面の前記第1開口部から前記第3開口部までの並んだ方向に対して交差する方向に延びる回動軸周りに回動可能に前記ハウジングに支持されていると共に、前記導体部の前記第1開口部から前記収容部への挿入に伴って回動して操作感を発生させる操作感発生用可動部材と、
前記導体部と前記端子電極部とが前記非接続状態から前記接続状態になった以降に、前記導体部の前記第1開口部から前記収容部への挿入により回動中の前記操作感発生用可動部材と接触可能に、前記収容部に配置されている第1突起部と、
を備え、
前記操作感発生用可動部材が、
前記第1開口部から前記収容部に挿入された前記導体部と接触可能な第1接触部と、
前記第2開口部から前記収容部に挿入された前記治具と前記弾性部を介して接触回動可能であると共に、前記第1突起部と接触して操作感を発生させる第2突起部を有する第2接触部と、
を有する。
【0116】
第6態様の端子台によれば、例えば、騒音および振動が大きい作業環境で電線を端子台に接続する場合であっても、また、暗い作業環境で電線を端子台に接続する場合であっても、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0117】
本発明の第7態様の端子台は、
前記ハウジングの前記第3開口部が、前記第2開口部に隣接するように配置されている。
【0118】
第7態様の端子台によれば、電線が挿入される第1開口部と状態表示部が設けられた第3開口部との間に距離を設けることができるので、例えば、電線の導体部を第1開口部に挿入するときに使用者の手などで状態表示部が隠れ難くなり、状態表示部の確認が容易になる。その結果、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0119】
本発明の第8態様の端子台は、
前記表示用可動部材の前記接触部が、前記本体部の延在方向に対して交差し、かつ、前記端子接続面に接近するにつれて前記本体部から離れるように延びていると共に、前記接触部の延在方向の前記本体部側の端部に、前記ハウジングと接触して前記表示用可動部材の回動支点となる回動支点部が設けられ、
前記接触部が前記力伝達部を兼ねている。
【0120】
第8態様の端子台によれば、簡単な構成で、電線の導体部を第1開口部に挿入するときにおける状態表示部の確認を容易にして、正確な電線の接続状況を使用者に報知できる。
【0121】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。