特許第6805967号(P6805967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6805967インクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置が実行する画像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805967
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置が実行する画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   B41J2/01 103
   B41J2/01 401
   B41J2/01 451
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-102537(P2017-102537)
(22)【出願日】2017年5月24日
(65)【公開番号】特開2018-196951(P2018-196951A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】井上 豊常
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 剛史
(72)【発明者】
【氏名】上田 博之
(72)【発明者】
【氏名】小澤 範晃
(72)【発明者】
【氏名】廣島 進
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆俊
(72)【発明者】
【氏名】玉井 宏篤
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−324038(JP,A)
【文献】 特開2005−014434(JP,A)
【文献】 特開2007−152905(JP,A)
【文献】 特開2012−245674(JP,A)
【文献】 特開2007−076266(JP,A)
【文献】 特開2016−068454(JP,A)
【文献】 特開2011−011552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドを介して前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の第1主面と第2主面との両方に画像を形成する場合に、第1印字率と第2印字率とを算出する算出部と、
前記第1印字率が前記第2印字率以下であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、第1画像を第2画像より先に形成するか否かを決定する決定部と
前記記録ヘッドに対して前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置される搬送ローラーと
を備え、
前記第1画像は、前記記録媒体の奇数ページに形成する画像を示し、
前記第2画像は、前記記録媒体の前記奇数ページの次の偶数ページに形成する画像を示し、
前記第1印字率は、前記第1画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第1所定領域の印字率を示し、
前記第2印字率は、前記第2画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第2所定領域の印字率を示
前記第1所定領域は、前記第1画像を前記記録媒体に形成するために前記記録ヘッドに向けて前記記録媒体を搬送する時の前記記録媒体の前記搬送方向の上流側端から所定距離までの領域を示し、
前記第2所定領域は、前記第2画像を前記記録媒体に形成するために前記記録ヘッドに向けて前記記録媒体を搬送する時の前記記録媒体の前記搬送方向の前記上流側端から前記所定距離までの領域を示し、
前記所定距離は、前記記録ヘッドの前記上流側端と、前記搬送ローラーとの間の距離と一致する、インクジェット記録装置
【請求項2】
記画像形成部は、
前記第1画像を前記第2画像より先に形成すると前記決定部が決定し、且つ前記第1印字率及び前記第2印字率の各々が基準印字率より大きい場合には、前記第1主面に前記第1画像を形成した時点から所定期間経過後に前記第2主面に前記第2画像を形成し、
前記第2画像を前記第1画像より先に形成すると前記決定部が決定し、且つ前記第1印字率及び前記第2印字率の各々が前記基準印字率より大きい場合には、前記第1主面に前記第2画像を形成した時点から所定期間経過後に前記第2主面に前記第1画像を形成し、
前記基準印字率は、前記記録媒体の反りの大きさが所定の大きさとなる印字率を示す、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記基準印字率は、前記記録媒体の一方の主面の所定領域に前記基準印字率の画像を形成した後、前記記録媒体の他方の主面が前記記録ヘッドに到達したときの前記記録媒体の前記所定領域の反りの大きさが、前記記録ヘッドと搬送面との距離と一致するような印字率を示し、
前記搬送面は、前記記録ヘッドに向けて前記記録媒体が搬送される面を示す、請求項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体の表裏を反転する反転機構と、
前記記録媒体の搬送を制御する搬送制御部と
を更に備え、
複数の前記記録媒体の前記第1主面と前記第2主面との両方に画像を形成する場合に、前記複数の記録媒体に含まれる記録媒体の各々について前記決定部が前記第2画像を前記第1画像より先に形成すると決定したときには、前記搬送制御部は、前記画像形成部が前記第2画像及び前記第1画像を形成した後、前記反転機構で前記記録媒体の表裏を反転して前記記録媒体を排出する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを介して前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記記録ヘッドに対して前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置される搬送ローラーとを備えるインクジェット記録装置が実行する画像形成方法であって、
前記記録媒体の第1主面と第2主面との両方に画像を形成する場合に、第1印字率と第2印字率とを算出する算出ステップと、
前記第1印字率が前記第2印字率以下であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に応じて、第1画像を第2画像より先に形成するか否かを決定する決定ステップと
を含み、
前記第1画像は、前記記録媒体の奇数ページに形成する画像を示し、
前記第2画像は、前記記録媒体の前記奇数ページの次の偶数ページに形成する画像を示し、
前記第1印字率は、前記第1画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第1所定領域の印字率を示し、
前記第2印字率は、前記第2画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第2所定領域の印字率を示
前記第1所定領域は、前記第1画像を前記記録媒体に形成するために前記記録ヘッドに向けて前記記録媒体を搬送する時の前記記録媒体の前記搬送方向の上流側端から所定距離までの領域を示し、
前記第2所定領域は、前記第2画像を前記記録媒体に形成するために前記記録ヘッドに向けて前記記録媒体を搬送する時の前記記録媒体の前記搬送方向の前記上流側端から前記所定距離までの領域を示し、
前記所定距離は、前記記録ヘッドの前記上流側端と、前記搬送ローラーとの間の距離と一致する、インクジェット記録装置が実行する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置が実行する画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、片面印刷か両面印刷かを判別して、片面印刷であればパス回数を第1パス回数に設定し、両面印刷であれば片面を印刷するパス回数を第2パス回数に設定する。第2パス回数は、第1パス回数より大きい。パス回数は、記録ヘッドに向けて用紙を搬送する回数を示す。第2パス回数を第1パス回数より大きくすることによって、用紙のカールを低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−71479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録装置では、両面印刷の場合には第2パス回数が多くなるため、印刷能力が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、両面印刷の場合の印刷能力の低下を抑制することの可能なインクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置が実行する画像形成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッド、算出部、判定部、及び決定部を備える。前記記録ヘッドは、記録媒体にインクを吐出する。前記画像形成部は、前記記録ヘッドを介して前記記録媒体に画像を形成する。前記算出部は、前記記録媒体の第1主面と第2主面との両方に画像を形成する場合に、第1印字率と第2印字率とを算出する。前記判定部は、前記第1印字率が前記第2印字率以下であるか否かを判定する。前記決定部は、前記判定部の判定結果に応じて、第1画像を第2画像より先に形成するか否かを決定する。前記第1画像は、前記記録媒体の奇数ページに形成する画像を示す。前記第2画像は、前記記録媒体の前記奇数ページの次の偶数ページに形成する画像を示す。前記第1印字率は、前記第1画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第1所定領域の印字率を示す。前記第2印字率は、前記第2画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第2所定領域の印字率を示す。
【0007】
本発明に係るインクジェット記録装置が実行する画像形成方法は、記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを介して前記記録媒体に画像を形成する画像形成部とを備えるインクジェット記録装置が実行する画像形成方法である。前記画像形成方法は、算出ステップと、判定ステップと、決定ステップとを含む。前記算出ステップにおいて、前記記録媒体の第1主面と第2主面との両方に画像を形成する場合に、第1印字率と第2印字率とを算出する。前記判定ステップにおいて、前記第1印字率が前記第2印字率以下であるか否かを判定する。前記決定ステップにおいて、前記判定ステップの判定結果に応じて、第1画像を第2画像より先に形成するか否かを決定する。前記第1画像は、前記記録媒体の奇数ページに形成する画像を示す。前記第2画像は、前記記録媒体の前記奇数ページの次の偶数ページに形成する画像を示す。前記第1印字率は、前記第1画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第1所定領域の印字率を示す。前記第2印字率は、前記第2画像を前記記録媒体に形成する際の前記記録媒体の第2所定領域の印字率を示す。
【発明の効果】
【0008】
本発明のインクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置が実行する画像形成方法によれば、両面印刷の場合の印刷能力の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す図である。
図2】制御部の構成を示す図である。
図3】(a)第1所定領域を示す平面図である。(b)第2所定領域を示す平面図である。
図4】所定距離を示す側面図である。
図5】(a)印字率と反り量との関係を示す図である。(b)経過時間と反り量との関係を示す図である。
図6】制御部の処理を示すフローチャートである。
図7】制御部の画像形成処理を示すフローチャートである。
図8】制御部の画像形成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1図8)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、図1を参照して、本実施形態に係るインクジェット記録装置100について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置100の構成を示す図である。インクジェット記録装置100は、筐体1、給送部2、画像形成部3、搬送部4、排出部5、排出トレイ6及び制御部7を備える。筐体1は、給送部2、画像形成部3、搬送部4、排出部5及び制御部7を収容する。
【0012】
給送部2は、筐体1の内部の下方に配置される。給送部2は、給送カセット21及び給送ローラー22を備える。給送カセット21は、用紙Pを収納し、筐体1に着脱自在である。給送部2は、用紙Pを搬送部4に給送する。用紙Pは、「記録媒体」の一例に相当する。
【0013】
搬送部4は、給送部2から給送された用紙Pを搬送する。搬送部4は、第1搬送部41、第2搬送部42、第3搬送部43及び第4搬送部44を含む。第3搬送部43及び第4搬送部44は、「反転機構」の一例に相当する。
【0014】
第1搬送部41は、給送部2から給送された用紙Pを画像形成部3に搬送する。第1搬送部41は、搬送ローラー対411を備える。搬送ローラー対411は、用紙Pを画像形成タイミングに合わせて画像形成部3に送出する。
【0015】
第2搬送部42は、排出部5から排出された用紙Pを排出トレイ6又は第3搬送部43に搬送する。具体的には、用紙Pを排出する場合には、第2搬送部42は、用紙Pを排出トレイ6に搬送する。また、用紙Pを反転する場合には、第2搬送部42は、用紙Pを第3搬送部43に搬送する。第2搬送部42は、排出ローラー対421を備える。排出ローラー対421は、用紙Pを排出トレイ6に送出する。
【0016】
第3搬送部43は、第2搬送部42から送出された用紙Pを反転して、第4搬送部44に送出する。第3搬送部43は、反転ローラー対431を備える。反転ローラー対431は、正転及び逆転可能に構成される。まず、反転ローラー対431は、正転して第2搬送部42から送出された用紙Pを方向D1に搬送する。そして、反転ローラー対431は、用紙Pの方向D1の上流側端を挟持した状態で停止する。次に、反転ローラー対431は、逆転して用紙Pを方向D2に搬送し、第4搬送部44に送出する。方向D2は、方向D1に対して逆方向を示す。
【0017】
第4搬送部44は、反転ローラー対431から送出された用紙Pを画像形成部3に搬送する。具体的には、第4搬送部44は、用紙Pを搬送ローラー対411に搬送する。そして、搬送ローラー対411は、第4搬送部44から送出された用紙Pを画像形成タイミングに合わせて画像形成部3に送出する。
【0018】
用紙Pが第3搬送部43及び第4搬送部44を搬送されることによって、用紙Pは反転される。用紙Pが反転されることによって、用紙Pの表裏が反転されると共に、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する際の用紙Pの上流側と用紙Pの下流側とが反転される。
【0019】
画像形成部3は、給送部2の上方に配置される。画像形成部3は、用紙Pに画像を形成する。画像形成部3は、押えローラー31、搬送ベルト32及び記録ヘッド34を備える。記録ヘッド34は、記録ヘッド34a、記録ヘッド34b、記録ヘッド34c及び記録ヘッド34dを含む。
【0020】
押えローラー31は、搬送ローラー対411から送出された用紙Pを搬送ベルト32に向けて押圧し、用紙Pを記録ヘッド34に向けて送出する。押えローラー31は、「搬送ローラー」の一例に相当する。
【0021】
搬送ベルト32は、搬送ローラー対411から送出された用紙Pを、記録ヘッド34の下方を経由して排出部5に向けて送出する。
【0022】
記録ヘッド34aには、シアン色のインクが収納される。記録ヘッド34bには、マゼンタ色のインクが収納される。記録ヘッド34cには、イエロー色のインクが収納される。記録ヘッド34dには、ブラック色のインクが収納される。記録ヘッド34a〜記録ヘッド34dによって、用紙Pにカラー画像が形成される。
【0023】
排出部5は、記録ヘッド34によって画像が形成された用紙Pを第2搬送部42に送出する。
【0024】
排出トレイ6は、排出ローラー対421から排出された用紙Pを載置する。
【0025】
制御部7は、プロセッサー71及び記憶部72を備える。プロセッサー71は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。記憶部72は、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。記憶部72は、制御プログラムを記憶している。
【0026】
本発明の実施形態では、用紙Pの第1主面S1と第2主面S2との両方に画像を形成する場合について説明する。具体的には、まず、第1主面S1に第1画像PT1又は第2画像PT2を形成する。第1画像PT1は、用紙Pの奇数ページNPに形成する画像を示す。第2画像PT2は、用紙Pの偶数ページNQに形成する画像を示す。偶数ページNQは、奇数ページNPの次のページを示す。
【0027】
画像形成部3が第1主面S1に第1画像PT1を形成した場合には、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pが搬送されることによって用紙Pが反転され、画像形成部3が第2主面S2に第2画像PT2を形成する。そして、第2搬送部42を経由して用紙Pが排出トレイ6に排出される。
【0028】
一方、画像形成部3が第1主面S1に第2画像PT2を形成した場合には、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pが搬送されることによって用紙Pが反転され、画像形成部3が第2主面S2に第1画像PT1を形成する。そして、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pが搬送されることによって用紙Pが再度反転された後、第2搬送部42を経由して用紙Pが排出トレイ6に排出される。
【0029】
以上、図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、複数の用紙Pの第1主面S1と第2主面S2との両方に画像を形成する場合に、複数の用紙Pに含まれる用紙Pの各々について第2画像PT2を第1画像PT1より先に形成するときには、用紙Pの各々は以下のように処理される。まず、用紙Pに第2画像PT2を形成し、第3搬送部43及び第4搬送部44で用紙Pを反転した後、第1画像PT1を形成する。そして、第3搬送部43及び第4搬送部44で再度用紙Pを反転して用紙Pを排出する。したがって、複数の用紙Pに含まれる用紙Pの各々について、第1画像PT1が形成された主面Sが下向きに排出されるため、ページ順に排出できる。主面Sは、第1主面S1又は第2主面S2を示す。
【0030】
次に、図1及び図2を参照して、制御部7の構成について説明する。図2は、制御部7の構成を示す図である。図2に示すように、インクジェット記録装置100は、パーソナルコンピューター200と通信可能に接続される。また、制御部7は、受付部701、算出部702、判定部703、決定部704、指示部705及び搬送制御部706を備える。具体的には、プロセッサー71が制御プログラムを実行することによって、受付部701、算出部702、判定部703、決定部704、指示部705及び搬送制御部706として機能する。
【0031】
受付部701は、パーソナルコンピューター200からプリントジョブJBを受け付ける。プリントジョブJBは、用紙Pに画像を形成するジョブを示す。
【0032】
算出部702は、用紙Pの第1主面S1と第2主面S2との両方に画像を形成する場合に、第1印字率RT1と第2印字率RT2とを算出する。第1主面S1は、給送部2から送出された用紙Pに対して、画像形成部3が画像を形成する主面Sを示す。第2主面S2は、第4搬送部44から送出された用紙Pに対して、画像形成部3が画像を形成する主面Sを示す。
【0033】
第1印字率RT1は、画像形成部3が第1画像PT1を用紙Pに形成する際の用紙Pの第1所定領域AR1の印字率を示す。第2印字率RT2は、画像形成部3が第2画像PT2を用紙Pに形成する際の用紙Pの第2所定領域AR2の印字率を示す。第1印字率RT1及び第2印字率RT2については、図3を参照して詳細に説明する。
【0034】
判定部703は、第1印字率RT1が第2印字率RT2以下であるか否かを判定する。
【0035】
決定部704は、判定部703の判定結果に応じて、第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成するか否かを決定する。具体的には、第1印字率RT1が第2印字率RT2以下であると判定部703が判定した場合には、決定部704は、第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成すると決定する。第1印字率RT1が第2印字率RT2以下ではないと判定部703が判定した場合には、決定部704は、第2画像PT2を第1画像PT1より先に形成すると決定する。
【0036】
指示部705は、画像形成部3を介して、用紙Pに画像を形成する。
【0037】
搬送制御部706は、用紙Pの搬送を制御する。具体的には、搬送制御部706は、搬送部4の動作を制御する。
【0038】
以上、図1及び図2を参照して説明したように、本発明の実施形態では、第1印字率RT1が第2印字率RT2以上であるか否かに応じて、第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成するか否かを決定する。また、印字率が大きい程、用紙Pの反りが大きくなる。よって、印字率の小さい画像を先に形成することによって、印字率の大きい画像を形成する際に記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの反りを低減できる。したがって、用紙Pが記録ヘッド34と接触することを抑制できる。また、パス回数が増加しないため、印刷能力の低下を抑制できる。
【0039】
次に、図1図3を参照して、第1所定領域AR1及び第2所定領域AR2について説明する。図3(a)は、第1所定領域AR1を示す平面図である。
【0040】
図3(a)に示すように、用紙Pは、記録ヘッド34に向けて方向D3に搬送される。図3(a)では、記録ヘッド34のうち、用紙Pの搬送方向の最も上流側に配置された記録ヘッド34aを示す。用紙Pには記録ヘッド34によって第1画像PT1が形成される。用紙Pに第1画像PT1を形成するために、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する。第1所定領域AR1は、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの搬送方向の上流側端から所定距離Lまでの領域を示す。方向D3は、用紙Pの搬送方向を示す。図3(a)では、第1所定領域AR1に網掛けを付して記載している。
【0041】
第1印字率RT1は、第1画像PT1を用紙Pに形成する際の用紙Pの第1所定領域AR1の印字率を示す。「印字率」とは、用紙Pに形成される画像の積算面積SR1の、用紙Pの面積SR2に対する比率(SR1/SR2)のことである。具体的には、積算面積SR1は、記録ヘッド34aが用紙Pに形成する画像の積算面積と、記録ヘッド34bが用紙Pに形成する画像の積算面積と、記録ヘッド34cが用紙Pに形成する画像の積算面積と、記録ヘッド34dが用紙Pに形成する画像の積算面積との和を示す。
【0042】
図3(b)は、第2所定領域AR2を示す平面図である。図3(b)に示すように、用紙Pは、記録ヘッド34に向けて方向D3に搬送される。図3(b)では、記録ヘッド34のうち、用紙Pの搬送方向の最も上流側に配置された記録ヘッド34aを示す。用紙Pには記録ヘッド34によって第2画像PT2が形成される。用紙Pに第2画像PT2を形成するために、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する。第2所定領域AR2は、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの搬送方向の上流側端から所定距離Lまでの領域を示す。図3(b)では、第2所定領域AR2に網掛けを付して記載している。
【0043】
第2印字率RT2は、第2画像PT2を用紙Pに形成する際の用紙Pの第2所定領域AR2の印字率を示す。
【0044】
以上、図1図3を参照して説明したように、本発明の実施形態では、第1画像PT1を用紙Pに形成するために、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する。第1所定領域AR1は、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの搬送方向の上流側端から所定距離Lまでの領域を示す。また、第2画像PT2を用紙Pに形成するために、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する。第2所定領域AR2は、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの搬送方向の上流側端から所定距離Lまでの領域を示す。
【0045】
ここで、一方の主面Sに第1画像PT1を形成する際に、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの搬送方向の上流側端は、他方の主面Sに第2画像PT2を形成する際に、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する時の用紙Pの搬送方向の下流側端に相当する。例えば、一方の主面Sは、第1主面S1であり、他方の主面Sは、第2主面S2である。また、用紙Pの搬送方向の下流側端の反りが大きい程、記録ヘッド34に向けて用紙Pを搬送する際に、用紙Pが記録ヘッド34と接触する可能性が高くなる。更に、印字率が大きい程、用紙Pの反りが大きくなる。したがって、第1所定領域AR1における印字率、及び第2所定領域AR2における印字率に基づいて、用紙Pが記録ヘッド34と接触する可能性を的確に評価できる。第1所定領域AR1における印字率は、第1印字率RT1に対応する。第2所定領域AR2における印字率は、第2印字率RT2に対応する。
【0046】
なお、本発明の実施形態では、第1印字率RT1及び第2印字率RT2に基づいて、決定部704が第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成するか否かを決定するが、本発明はこれに限定されない。第1インク量及び第2インク量に基づいて、決定部704が第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成するか否かを決定してもよい。第1インク量は、記録ヘッド34から第1所定領域AR1に吐出されるインク量を示す。第2インク量は、記録ヘッド34から第2所定領域AR2に吐出されるインク量を示す。
【0047】
次に、図1図4を参照して、所定距離Lについて説明する。図4は、所定距離Lを示す側面図である。図4に示すように、用紙Pは、搬送ベルト32上に載置され、方向D3に記録ヘッド34aに向けて搬送される。押えローラー31は、記録ヘッド34に対して方向D3の上流側に配置される。
【0048】
所定距離Lは、記録ヘッド34aにおける用紙Pの搬送方向の上流側端と、押えローラー31との間の距離と一致する。用紙Pの下面SDに画像が形成されている場合には、用紙Pは、方向D4に反る。すなわち、画像はインクで形成され、インクが用紙Pに塗付されるとインクの溶媒が用紙Pに含浸して膨張するため、用紙Pは方向D4に反る。用紙Pの下面SDのうち、押えローラー31に対して用紙Pの搬送方向の下流側の部分は、第1所定領域AR1又は第2所定領域AR2に相当する。
【0049】
用紙Pの反り量Cが、距離CAより大きい場合には、用紙Pが記録ヘッド34に衝突する可能性がある。反り量Cは、反り量Cは用紙Pの反りの大きさを示す。具体的には、反り量Cは、用紙Pの先端P1と搬送面DSとの間の距離を示す。先端P1は、用紙Pの搬送方向の下流側端を示す。搬送面DSは、搬送ベルト32の記録ヘッド34と対向する側の面を示す。距離CAは、記録ヘッド34の下面341と搬送面DSとの間の距離を示す。
【0050】
以上、図1図4を参照して説明したように、本発明の実施形態では、所定距離Lは、記録ヘッド34の用紙Pの搬送方向の上流側端と、押えローラー31との間の距離と一致する。用紙Pが記録ヘッド34に向けて搬送される際に、用紙Pは押えローラー31によって搬送面DSに押圧される。よって、第1所定領域AR1(又は第2所定領域AR2)における印字率が高い程、用紙Pが記録ヘッド34と接触する可能性が高くなる。したがって、第1所定領域AR1(又は第2所定領域AR2)における印字率に基づいて、用紙Pが記録ヘッド34と接触する可能性を更に的確に評価できる。
【0051】
次に、図1図5を参照して、基準印字率RTAについて説明する。基準印字率RTAは、用紙Pの反りの大きさが所定の大きさとなる印字率を示す。以下、図5を参照して、基準印字率RTAについて詳細に説明する。図5(a)は、印字率RTと反り量Cとの関係を示す図である。横軸は、第1所定領域AR1(又は第2所定領域AR2)における印字率RTを示す、縦軸は、反り量Cを示す。
【0052】
グラフG1は、印字率RTと反り量Cとの関係を示す。グラフG1に示すように、印字率RTが大きい程、反り量Cは大きい。反り量Cが距離CAに一致するような印字率RTを、基準印字率RTAと規定する。すなわち、印字率RTが基準印字率RTAと一致する場合には、反り量Cは距離CAと一致する。
【0053】
図5(b)は、経過時間Tと反り量Cとの関係を示す図である。横軸は経過時間Tを示し、縦軸は反り量Cを示す。経過時間Tは、画像形成部3が用紙Pに画像を形成した時点からの経過時間を示す。具体的には、経過時間Tは、画像形成部3が用紙Pの第1所定領域AR1(又は第2所定領域AR2)に画像を形成した時点からの経過時間を示す。
【0054】
また、経過時間Tが基準経過時間TAと一致する場合には、用紙Pが第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して、記録ヘッド34に到達する。具体的には、用紙Pの搬送方向の先端が、記録ヘッド34の用紙Pの搬送方向の上流側端に対向する位置に到達する。すなわち、基準経過時間TAは、画像形成部3によって用紙Pに画像が形成された時点から、用紙Pが第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して、記録ヘッド34に到達するまでの時間を示す。
【0055】
グラフG21は、印字率RTが基準印字率RTAである場合の経過時間Tと反り量Cとの関係を示す。グラフG21に示すように、経過時間Tが増大するにつれて、反り量Cは急激に増大する。そして、経過時間Tが経過時間TMと一致したときに、反り量Cが最大になる。その後、経過時間Tが増大するにつれて、反り量Cは徐々に減少する。また、経過時間Tが基準経過時間TAと一致するときに、反り量Cは、距離CAと一致する。
【0056】
グラフG22は、印字率RTが基準印字率RTAより大きい場合の経過時間Tと反り量Cとの関係を示す。グラフG22に示すように、経過時間Tが増大するにつれて、反り量Cは急激に増大する。そして、経過時間Tが経過時間TMと一致したときに、反り量Cが最大になる。その後、経過時間Tが増大するにつれて、反り量Cは徐々に減少する。また、経過時間Tが基準経過時間TAと一致するときには、反り量Cは距離CAより大きい。したがって、仮にこの状態で画像形成部3が用紙Pに画像を形成するときには、用紙Pが記録ヘッド34に接触する可能性がある。
【0057】
更に、経過時間Tが経過時間TBと一致するときに、反り量Cは距離CAと一致する。待機時間PSは、第3搬送部43又は第4搬送部44において、用紙Pの搬送を一時停止して、待機させる時間を示す。また、待機時間PSは、基準経過時間TAから経過時間TBまでの時間を示す。すなわち、第3搬送部43又は第4搬送部44において待機時間PS以上の時間だけ用紙Pの搬送を停止することによって、用紙Pが記録ヘッド34に接触することを確実に抑制できる。
【0058】
以上、図1図5を参照して説明したように、本発明の実施形態では、基準印字率RTAは、例えば、基準印字率RTA以上の印字率RTで画像が形成された場合に、記録ヘッド34に用紙Pが接触する可能性がある印字率を示す。よって、第1印字率RT1及び第2印字率RT2の各々が基準印字率RTAより大きい場合には、第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成する場合であっても、第2画像PT2を第1画像PT1より先に形成する場合であっても、記録ヘッド34に用紙Pが接触する可能性がある。また、画像を形成して時間が経過する程、用紙Pの反りの大きさは減少する。したがって、画像形成部3が一方の面に画像を形成した時点から所定期間経過後に他方の面に画像を形成することによって、記録ヘッド34に用紙Pが接触する可能性を低減できる。所定期間は、図5(b)に示す経過時間TBに対応する。
【0059】
また、基準印字率RTAは、以下の条件を満たす印字率RTを示す。すなわち、まず、基準印字率RTAの画像を用紙Pの一方の主面Sの第1所定領域AR1又は第2所定領域AR2に形成する。そして、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pの他方の主面Sが記録ヘッド34に到達する。そのときの用紙Pの第1所定領域AR1又は第2所定領域AR2の反り量Cが、記録ヘッド34と搬送面DSとの距離CAと一致する。したがって、基準印字率RTAに基づいて、一方の主面Sに画像を形成した時点から所定期間経過後に他方の主面Sに画像を形成するか否かを適切に決定できる。すなわち、基準印字率RTAに基づいて、第3搬送部43又は第4搬送部44において用紙Pの搬送を一時停止して用紙Pを待機させる必要があるか否かを適切に判定できる。
【0060】
次に、図2図6を参照して、制御部7の処理について説明する。図6は、制御部7の処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS101において、受付部701が、パーソナルコンピューター200からプリントジョブJBを受け付ける。
次に、ステップS103において、制御部7が、プリントジョブJBが両面印刷を示すか否かを判定する。「両面印刷」とは、用紙Pの第1主面S1と第2主面S2との両方に画像を形成することを意味する。
プリントジョブJBが両面印刷を示さないと制御部7が判定した場合(ステップS103でNO)には、処理が終了する。プリントジョブJBが両面印刷を示すと制御部7が判定した場合(ステップS103でYES)には、処理がステップS105に進む。
そして、ステップS105において、制御部7が、枚数Nを「1」に設定する。
次に、ステップS107において、算出部702が、枚数Nに対応する用紙Pに形成する第1画像PT1と第2画像PT2とを読み出す。枚数Nに対応する用紙Pとは、N枚目の用紙Pを示す。
次に、ステップS109において、制御部7が、枚数Nに対応する用紙Pに対して「画像形成処理」を実行する。「画像形成処理」は、枚数Nに対応する用紙Pの両面に画像を形成する処理を示す。
次に、ステップS111において、制御部7が、プリントジョブJBが完了したか否かを判定する。
プリントジョブJBが完了していないと制御部7が判定した場合(ステップS111でNO)には、処理がステップS113に進む。
そして、ステップS113において、制御部7が、枚数Nを「1」だけインクリメントして、処理がステップS107に戻る。
プリントジョブJBが完了したと制御部7が判定した場合(ステップS111でYES)には、処理が終了する。
【0061】
次に、図2図8を参照して、制御部7の画像形成処理について説明する。図7図8は、制御部7の画像形成処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、ステップS201において、算出部702が、枚数Nに対応する用紙Pの第1印字率RT1と第2印字率RT2とを算出する。
次に、ステップS203において、判定部703が、第1印字率RT1が第2印字率RT2以下であるか否かを判定する。
第1印字率RT1が第2印字率RT2以下ではないと判定部703が判定した場合(ステップS203でNO)には、処理が図8に示すステップS215に進む。第1印字率RT1が第2印字率RT2以下であると判定部703が判定した場合(ステップS203でYES)には、処理がステップS205に進む。
そして、ステップS205において、決定部704が第1画像PT1を第2画像PT2より先に形成すると決定し、指示部705が画像形成部3を介して、用紙Pの第1主面S1に第1画像PT1を形成する。
【0062】
次に、ステップS207において、搬送制御部706が、第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きいか否かを判定する。
第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きくはないと搬送制御部706が判定した場合(ステップS207でNO)には、処理がステップS213に進む。第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きいと搬送制御部706が判定した場合(ステップS207でYES)には、処理がステップS209に進む。
そして、ステップS209において、搬送制御部706が、待機時間PSを算出する。待機時間PSは、図5(b)を参照して説明した経過時間TBと基準経過時間TAと間の時間を示す。
次に、ステップS211において、搬送制御部706が、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを搬送している際に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止する。具体的には、搬送制御部706は、反転ローラー対431が用紙Pの方向D1の上流側端を挟持した状態で停止した時(図1参照)に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止する。
次に、ステップS213において、指示部705が、画像形成部3を介して、用紙Pの第2主面S2に第2画像PT2を形成する。そして、搬送制御部706が、第2搬送部42を経由して用紙Pを排出トレイ6に排出した後、処理が図6に示すステップS111にリターンする。
【0063】
ステップS203でNOの場合には、図8に示すように、ステップS215において、決定部704が第2画像PT2を第1画像PT1より先に形成すると決定し、指示部705が画像形成部3を介して、用紙Pの第1主面S1に第2画像PT2を形成する。
次に、ステップS217において、搬送制御部706が、第2印字率RT2が基準印字率RTAより大きいか否かを判定する。
第2印字率RT2が基準印字率RTAより大きくはないと搬送制御部706が判定した場合(ステップS217でNO)には、処理がステップS223に進む。第2印字率RT2が基準印字率RTAより大きいと搬送制御部706が判定した場合(ステップS217でYES)には、処理がステップS219に進む。
そして、ステップS219において、搬送制御部706が、待機時間PSを算出する。
次に、ステップS221において、搬送制御部706が、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを搬送している際に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止する。
次に、ステップS223において、指示部705が画像形成部3を介して、用紙Pの第2主面S2に第1画像PT1を形成し、処理がステップS225に進む。
【0064】
次に、ステップS225において、搬送制御部706が、第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きいか否かを判定する。
第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きくはないと搬送制御部706が判定した場合(ステップS225でNO)には、処理がステップS231に進む。第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きいと搬送制御部706が判定した場合(ステップS225でYES)には、処理がステップS227に進む。
そして、ステップS227において、搬送制御部706が、待機時間PSを算出する。
次に、ステップS229において、搬送制御部706が、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを搬送している際に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止する。
次に、ステップS231において、搬送制御部706が、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを反転する。そして、搬送制御部706が、第2搬送部42を経由して用紙Pを排出トレイ6に排出した後、処理が図6に示すステップS111にリターンする。
【0065】
ステップS201が「算出ステップ」の一例に相当する。ステップS203が「判定ステップ」の一例に相当する。ステップS205及びステップS215が「決定ステップ」の一例に相当する。
【0066】
以上、図2図8を参照して説明したように、本発明の実施形態では、第1印字率RT1が第2印字率RT2以下ではないと判定部703が判定し、第1印字率RT1が基準印字率RTAより大きいと搬送制御部706が判定した場合には、搬送制御部706が以下の処理を行う。すなわち、搬送制御部706は、待機時間PSを算出し、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを搬送している際に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止する。したがって、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを搬送している際に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止することによって用紙Pの反り量Cを低減できる。その結果、記録ヘッド34に用紙Pが接触する可能性を低減できる。
【0067】
また、搬送制御部706が、反転ローラー対431が用紙Pの方向D1の上流側端を挟持した状態で停止した時(図1参照)に、待機時間PSの間だけ用紙Pの搬送を停止する。したがって、第3搬送部43及び第4搬送部44を経由して用紙Pを搬送している際に、簡素な制御によって用紙Pを待機時間PSの間だけ停止できる。
【0068】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(3))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0069】
(1)本発明の実施形態では、図1を参照して説明したように、インクジェット記録装置100がカラーの画像を形成するが、本発明はこれに限定されない。インクジェット記録装置100が記録ヘッド34を介して用紙Pに画像を形成する形態であればよい。例えば、インクジェット記録装置100がモノクロの画像を形成する形態でもよい。
【0070】
(2)本発明の実施形態では、図1を参照して説明したように、インクジェット記録装置100が押えローラー31を備えるが、本発明はこれに限定されない。インクジェット記録装置100が記録ヘッド34に対して用紙Pの搬送方向の上流側に配置される搬送ローラーを備えればよい。例えば、インクジェット記録装置100が搬送ローラー対を備えてもよい。
【0071】
(3)本発明の実施形態では、図1図8を参照して説明したように、インクジェット記録装置100が複数の用紙Pの両面に画像を形成する形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。インクジェット記録装置100が1枚の用紙Pの両面に画像を形成してもよい。この形態では、両面に画像を形成した後に用紙Pを反転する処理を省略できる。具体的には、図8におけるステップS225〜ステップS231の処理を省略できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置が実行する画像形成方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0073】
100 インクジェット記録装置(画像形成装置)
3 画像形成部
31 押えローラー(搬送ローラー)
34 記録ヘッド
4 搬送部
41 第1搬送部
42 第2搬送部
43 第3搬送部(反転機構の一部)
44 第4搬送部(反転機構の一部)
7 制御部
71 プロセッサー
72 記憶部
701 受付部
702 算出部
703 判定部
704 決定部
705 指示部
706 搬送制御部
200 パーソナルコンピューター
AR1 第1所定領域
AR2 第2所定領域
C 反り量
CA 距離
DS 搬送面
JB プリントジョブ
P 用紙(記録媒体)
PT1 第1画像
PT2 第2画像
RT1 第1印字率
RT2 第2印字率
S1 第1主面
S2 第2主面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8