特許第6805979号(P6805979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805979
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】蓄電装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20201214BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20201214BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20201214BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20201214BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20201214BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M10/613
   H01M10/647
   H01M10/6555
   H01M2/10 E
   H01G11/78
   H01G11/84
   !H01M10/0585
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-129276(P2017-129276)
(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-12653(P2019-12653A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】前田 紘樹
(72)【発明者】
【氏名】奥田 真也
【審査官】 小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−305425(JP,A)
【文献】 特開2005−259379(JP,A)
【文献】 特開2005−251465(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/103295(WO,A1)
【文献】 特開2013−242979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0585
H01G 11/78
H01G 11/84
H01M 2/10
H01M 10/613
H01M 10/647
H01M 10/6555
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極板の一方面に正極層が設けられると共に前記電極板の他方面に負極層が設けられた複数のバイポーラ電極がセパレータを介して第1方向において積層された積層体と、前記複数のバイポーラ電極の各電極板の縁部を保持する複数の第1樹脂部と、前記第1方向から見て前記複数の第1樹脂部の周囲に設けられた筒状の第2樹脂部とを含む枠体とを有し、前記第1方向に配列された複数の蓄電モジュールと、
前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュールの間に配置され、隣り合う前記蓄電モジュールのそれぞれの前記積層体に接し、前記第1方向に直交する方向に沿って延びる貫通孔を有する導電体と
を備え、
前記枠体の前記第2樹脂部が、前記複数の第1樹脂部のうちの前記第1方向において最外に位置する前記第1樹脂部の縁部を前記第1方向から覆うオーバハング部を有し、
前記オーバハング部が、前記第1方向における厚さとして第1の厚さを有する第1部分と、前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有するとともに前記第1方向に前記第1部分から突出している第2部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分とが前記第1樹脂部の縁部に沿って並んでおり、
前記第1方向において隣り合う蓄電モジュールの枠体により、前記第1方向に直交する方向に沿って延びるとともに前記導電体の貫通孔と連通する通気孔が画成されている、蓄電装置。
【請求項2】
前記第1方向において隣り合う蓄電モジュールの枠体において、一方の枠体から他方の枠体に向けて前記オーバハング部の前記第2部分が突出しており、かつ、他方の枠体から一方の枠体に向けて前記オーバハング部の前記第2部分が突出しており、
前記通気孔は、前記一方の枠体の前記オーバハング部の前記第1部分と、前記他方の枠体の前記オーバハング部の前記第1部分とが対向する領域に画成されている、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記オーバハング部が、前記第1方向に関して最外に位置する一対の前記第1樹脂部のうちの一方側の最外に位置する前記第1樹脂部の縁部を覆う第1オーバハング部と、前記第1方向に関して最外に位置する一対の前記第1樹脂部のうちの他方側の最外に位置する前記第1樹脂部の縁部を覆う第2オーバハング部とを含み、
前記第1オーバハング部および前記第2オーバハング部のそれぞれが、前記第1部分と前記第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とが前記第1樹脂部の縁部に沿って並んでいる、請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第1樹脂部の縁部に沿って、前記第1オーバハング部の前記第2部分と前記第2オーバハング部の前記第2部分とが交互に突出している、請求項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
電極板の一方面に正極層が設けられると共に前記電極板の他方面に負極層が設けられた複数のバイポーラ電極がセパレータを介して第1方向において積層された積層体と、前記複数のバイポーラ電極の各電極板の縁部を保持する複数の第1樹脂部と、前記第1方向から見て前記複数の第1樹脂部の周囲に設けられた筒状の第2樹脂部とを含む枠体とを有し、前記第1方向に配列された複数の蓄電モジュールと、
前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュールの間に配置され、隣り合う前記蓄電モジュールのそれぞれの前記積層体に接し、前記第1方向に直交する方向に沿って延びる貫通孔を有する導電体と
を備える蓄電装置を製造する蓄電装置の製造方法であって、
前記第1樹脂部が設けられた前記バイポーラ電極を複数重ねた電極積層体を金型のキャビティ内に収容して、前記第1方向から見て前記電極積層体の周囲に第1の空隙を形成するとともに、前記複数の第1樹脂部のうちの前記第1方向において最外に位置する前記第1樹脂部の縁部を前記第1方向から覆うオーバハング部が形成される第2の空隙を形成する工程と、
前記第2樹脂部となるべき樹脂を前記金型のキャビティ内に注入して、前記第1の空隙および前記第2の空隙を前記第2樹脂部となるべき樹脂で充たす工程と、
前記第2樹脂部となるべき樹脂を硬化して、前記第2樹脂部を形成する工程と
前記複数の蓄電モジュールを、前記第1方向において隣り合う蓄電モジュールの間に前記導電体を介して重ねる工程と
を含み、
前記第2の空隙が、前記第1方向における厚さとして第1の厚さを有する前記オーバハング部の第1部分に相当する第1の空隙部分と、前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有するとともに前記第1方向に前記第1部分から突出している前記オーバハング部の第2部分に相当する第2の空隙部分とを含み、前記第1の空隙部分と前記第2の空隙部分とが前記第1樹脂部の縁部に沿って並び、
前記複数の蓄電モジュールを重ねる工程の際、前記第1方向において隣り合う蓄電モジュールの枠体により、前記第1方向に直交する方向に沿って延びるとともに前記導電体の貫通孔と連通する通気孔が画成され、
前記第2の空隙を前記第2樹脂部となるべき樹脂で充たす工程において、前記第2樹脂部となるべき樹脂が前記第2の空隙部分から前記第1の空隙部分に向かって流れる、蓄電装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電極板の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極が電解質を保持するセパレータを介して一方向に積層された蓄電モジュール(バイポーラ電池)が知られている。そして、このような蓄電モジュールを電気的に接続した蓄電装置(電池ユニット)が開示されている。たとえば、特許文献1には、複数の蓄電モジュールが電気的に並列に接続され、隣り合う蓄電モジュール間に導電体が介在する放熱構造の蓄電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−117105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
隣り合う蓄電モジュール間に介在する導電体については、空気等の冷媒を用いることで、放熱を促進することができる。そして、広い冷媒流路を確保するという観点から、蓄電モジュールの高さ(すなわち、積層方向長さ)を低くして、隣り合う蓄電モジュール間の離間距離を拡げることが考えられる。
【0005】
ただし、上記蓄電モジュールが、複数のバイポーラ電極がセパレータを介して積層された積層体と、積層方向から見て積層体の周囲に設けられた樹脂製の枠体とを有する構成である場合、枠体の高さ低減に伴って狭小な部分が生じ、枠体の成型不良が生じてしまう。
【0006】
本発明は、十分な放熱性能を保ちつつ、蓄電モジュールの枠体の成型不良が抑制された蓄電装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る蓄電装置は、電極板の一方面に正極層が設けられると共に電極板の他方面に負極層が設けられた複数のバイポーラ電極がセパレータを介して第1方向において積層された積層体と、複数のバイポーラ電極の各電極板の縁部を保持する複数の第1樹脂部と、第1方向から見て複数の第1樹脂部の周囲に設けられた筒状の第2樹脂部とを含む枠体とを有し、第1方向に配列された複数の蓄電モジュールと、第1方向において隣り合う蓄電モジュールの間に配置され、かつ隣り合う蓄電モジュールのそれぞれの積層体に接する導電体とを備え、枠体の第2樹脂部が、複数の第1樹脂部のうちの第1方向において最外に位置する第1樹脂部の縁部を第1方向から覆うオーバハング部を有し、オーバハング部が、第1方向における厚さとして第1の厚さを有する第1部分と、第1の厚さより厚い第2の厚さを有するとともに第1方向に突出している第2部分とを含み、第1部分と第2部分とが第1樹脂部の縁部に沿って並んでいる。
【0008】
上記蓄電装置においては、第2樹脂部を成型する際、オーバハング部の第2部分は、第1部分の第1の厚さより厚い第2の厚さを有するため、第1部分に相当する金型の空隙部分よりも第2部分に相当する金型の空隙部分へ樹脂が流入しやすい。第2部分に相当する金型の空隙部分に流入した樹脂は、第1樹脂部の縁部に沿って第1部分に相当する金型の空隙部分に流入し得る。そのため、導電体の放熱を促進するためにオーバハング部の第1部分の第1の厚さを低減し、第1部分に相当する金型の空隙部分が狭小となった場合であっても、第1部分に相当する金型の空隙部分に十分に樹脂を充填することができる。したがって、上記蓄電装置では、オーバハング部の第1部分により十分な放熱性能を保ちつつ、第1部分に並設された第2部分により枠体の成型不良が抑制されている。
【0009】
本発明の他の側面に係る蓄電装置が、オーバハング部が、一方側の最外に位置する第1樹脂部の縁部を覆う第1オーバハング部と、他方側の最外に位置する第1樹脂部の縁部を覆う第2オーバハング部とを含み、第1オーバハング部および第2オーバハング部のそれぞれが、第1部分と第2部分とを有し、第1部分と第2部分とが第1樹脂部の縁部に沿って並んでいる。この場合、第2樹脂部の第1オーバハング部および第2オーバハング部の両方において、第1部分により十分な放熱性能を保ちつつ、第1部分に並設された第2部分により枠体の成型不良が抑制される。
【0010】
本発明の他の側面に係る蓄電装置が、第1樹脂部の縁部に沿って、第1オーバハング部の第2部分と第2オーバハング部の第2部分とが交互に突出している。この場合、第1方向において隣り合う蓄電モジュールの第2樹脂部の第2部分同士が接触しないように、複数の蓄電モジュールを配列することができる。
【0011】
本発明の他の側面に係る蓄電装置が、第1方向において隣り合う蓄電モジュールの枠体において、一方の枠体から他方の枠体に向けてオーバハング部の第2部分が突出しており、かつ、他方の枠体から一方の枠体に向けてオーバハング部の第2部分が突出している。この場合、隣り合う蓄電モジュールの枠体において、第1部分により十分な放熱性能を保ちつつ、第1部分に並設された第2部分により枠体の成型不良が抑制される。
【0012】
本発明の他の側面に係る蓄電装置が、一方の枠体から他方の枠体に向けて突出したオーバハング部の第2部分と、他方の枠体から一方の枠体に向けて突出したオーバハング部の第2部分とで、通気孔が画成されている。この場合、隣り合う蓄電モジュール間に介在する導電体に、通気孔を介して、空気等の冷媒を送ることができる。
【0013】
本発明の他の側面に係る蓄電装置が、導電体が、第1方向に直交する方向に沿って延びる貫通孔が形成されており、通気孔と導電体の貫通孔とが連通している。この場合、導電体による放熱がより促進される。
【0014】
本発明の一側面に係る蓄電装置の製造方法は、電極板の一方面に正極層が設けられると共に電極板の他方面に負極層が設けられた複数のバイポーラ電極がセパレータを介して第1方向において積層された積層体と、複数のバイポーラ電極の各電極板の縁部を保持する複数の第1樹脂部と、第1方向から見て複数の第1樹脂部の周囲に設けられた筒状の第2樹脂部とを含む枠体とを有し、第1方向に配列された複数の蓄電モジュールと、第1方向において隣り合う蓄電モジュールの間に配置され、隣り合う蓄電モジュールのそれぞれの積層体に接する導電体とを備える蓄電装置を製造する蓄電装置の製造方法であって、第1樹脂部が設けられたバイポーラ電極を複数重ねた電極積層体を金型のキャビティ内に収容して、第1方向から見て電極積層体の周囲に第1の空隙を形成するとともに、複数の第1樹脂部のうちの第1方向において最外に位置する第1樹脂部の縁部を第1方向から覆うオーバハング部が形成される第2の空隙を形成する工程と、第2樹脂部となるべき樹脂を金型のキャビティ内に注入して、第1の空隙および第2の空隙を第2樹脂部となるべき樹脂で充たす工程と、第2樹脂部となるべき樹脂を硬化して、第2樹脂部を形成する工程とを含み、第2の空隙が、第1方向における厚さとして第1の厚さを有するオーバハング部の第1部分に相当する第1の空隙部分と、第1の厚さより厚い第2の厚さを有するとともに第1方向に突出しているオーバハング部の第2部分に相当する第2の空隙部分とを含み、第1の空隙部分と第2の空隙部分とが第1樹脂部の縁部に沿って並び、第2の空隙を第2樹脂部となるべき樹脂で充たす工程において、第2樹脂部となるべき樹脂が第2の空隙部分から第1の空隙部分に向かって流れる。
【0015】
上記蓄電装置の製造方法においては、第2樹脂部を成型する際、オーバハング部の第2部分は、第1部分の第1の厚さより厚い第2の厚さを有するため、第1部分に相当する金型の第1の空隙部分よりも第2部分に相当する金型の第2の空隙部分へ樹脂が流入しやすい。第2の空隙部分に流入した樹脂は、第1樹脂部の縁部に沿って第1の空隙部分に流入し得る。そのため、導電体の放熱を促進するためにオーバハング部の第1部分の第1の厚さを低減し、第1の空隙部分が狭小となった場合であっても、第1の空隙部分に十分に樹脂を充填することができる。したがって、上記蓄電装置の製造方法によれば、オーバハング部の第1部分により十分な放熱性能を保ちつつ、第1部分に並設された第2部分により枠体の成型不良が抑制された蓄電装置が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、十分な放熱性能を保ちつつ、蓄電モジュールの枠体の成型不良が抑制された蓄電装置およびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】蓄電モジュールを備える蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。
図2図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。
図3図2の蓄電モジュールを示す概略斜視図である。
図4図3の蓄電モジュールの側面図である。
図5図2、3の蓄電モジュールを製造する製造装置を示す概略斜視図である。
図6図6の製造装置における金型の空隙を示した図である。
図7図2、3の蓄電モジュールを製造する手順を示したフローチャートである。
図8図2の蓄電モジュールの重ね合わせた状態を示す側面図である。
図9】異なる態様のオーバハング部の第2部分を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面にはXYZ直交座標系が示される。
【0019】
図1は、蓄電モジュールを備える蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。同図に示す蓄電装置10は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置10は、複数(本実施形態では3つ)の蓄電モジュール12を備えるが、単一の蓄電モジュール12を備えてもよい。蓄電モジュール12は例えばバイポーラ電池である。蓄電モジュール12は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池であるが、電気二重層キャパシタであってもよい。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
【0020】
複数の蓄電モジュール12は、例えば金属板等の導電板(導電体)14を介して積層され得る。積層方向(Z方向、第1方向)から見て、蓄電モジュール12及び導電板14は例えば矩形形状を有する。各蓄電モジュール12の詳細については後述する。導電板14は、蓄電モジュール12の積層方向において両端に位置する蓄電モジュール12の外側にもそれぞれ配置される。導電板14は、隣り合う蓄電モジュール12と電気的に接続される。これにより、複数の蓄電モジュール12が積層方向に直列に接続される。積層方向において、一端に位置する導電板14には正極端子24が接続されており、他端に位置する導電板14には負極端子26が接続されている。正極端子24は、接続される導電板14と一体であってもよい。負極端子26は、接続される導電板14と一体であってもよい。正極端子24及び負極端子26は、積層方向に交差する方向(X方向)に延在している。これらの正極端子24及び負極端子26により、蓄電装置10の充放電を実施できる。
【0021】
導電板14は、蓄電モジュール12において発生した熱を放出するための放熱板としても機能し得る。具体的には、導電板14は、蓄電モジュール12における導電板14との接触面よりも高い熱伝導性を有している。導電板14は、たとえば、アルミニウム、銅等の金属材料により形成され得る。導電板14の内部には、積層方向に直交する方向(Y方向)に延在する複数の貫通孔14aが設けられている。貫通孔14aは、導電板14において互いに対向する一方の側面から他方の側面まで連通する。貫通孔14aは、積層方向及びY方向に交差する方向(X方向)に配列されている。このような貫通孔14aに空気等の気体の冷媒が通過することにより、蓄電モジュール12において発生する熱を効率的に外部に放出できる。導電板14のサイズ、導電板14の材質、貫通孔14aのサイズ、及び貫通孔14aの数等は、例えば、蓄電装置10の温度が50℃を超えないように適宜調整される。蓄電モジュール12に、貫通孔14aに空気を積極的に流通(循環)させる装置を設けてもよい。積層方向から見たとき、導電板14は、蓄電モジュール12よりも小さいが、蓄電モジュール12と同じかそれより大きくてもよい。言い換えれば、導電板14は、積層方向から見たときに蓄電モジュール12が配置される領域内に配置されている。
【0022】
蓄電装置10は、交互に積層された蓄電モジュール12及び導電板14を積層方向に拘束する拘束部材16を備え得る。拘束部材16は、一対の拘束プレート16A,16Bと、拘束プレート16A,16B同士を連結する連結部材(ボルト18及びナット20)とを備える。各拘束プレート16A,16Bと導電板14との間には、例えば樹脂フィルム等の絶縁フィルム22が配置される。各拘束プレート16A,16Bは、例えば鉄等の金属によって構成されている。積層方向から見て、各拘束プレート16A,16B及び絶縁フィルム22は例えば矩形形状を有する。絶縁フィルム22は導電板14よりも大きくなっており、各拘束プレート16A,16Bは、蓄電モジュール12よりも大きくなっている。積層方向から見て、拘束プレート16Aの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔16A1が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。同様に、積層方向から見て、拘束プレート16Bの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔16B1が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。積層方向から見て各拘束プレート16A,16Bが矩形形状を有している場合、挿通孔16A1及び挿通孔16B1は、拘束プレート16A,16Bの角部に位置する。
【0023】
一方の拘束プレート16Aは、負極端子26に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられ、他方の拘束プレート16Bは、正極端子24に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられている。ボルト18は、例えば一方の拘束プレート16A側から他方の拘束プレート16B側に向かって挿通孔16A1に通され、他方の拘束プレート16Bから突出するボルト18の先端には、ナット20が螺合されている。これにより、絶縁フィルム22、導電板14及び蓄電モジュール12が挟持されてユニット化されると共に、積層方向に拘束荷重が付加される。
【0024】
図2は、図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。同図に示す蓄電モジュール12は、複数のバイポーラ電極32が積層された積層体30を備える。バイポーラ電極32の積層方向から見て積層体30は例えば矩形形状を有する。隣り合うバイポーラ電極32間にはセパレータ40が配置され得る。バイポーラ電極32は、電極板34と、電極板34の一方面に設けられた正極(正極層)36と、電極板34の他方面に設けられた負極(負極層)38とを含む。積層体30において、一のバイポーラ電極32の正極36は、セパレータ40を挟んで積層方向に隣り合う一方のバイポーラ電極32の負極38と対向し、一のバイポーラ電極32の負極38は、セパレータ40を挟んで積層方向に隣り合う他方のバイポーラ電極32の正極36と対向している。積層方向において、積層体30の一端には、内側面に負極38が配置された電極板34(負極側終端電極)が配置され、他端には、内側面に正極36が配置された電極板34(正極側終端電極)が配置される。負極側終端電極の負極38は、セパレータ40を介して最上層のバイポーラ電極32の正極36と対向している。正極側終端電極の正極36は、セパレータ40を介して最下層のバイポーラ電極32の負極38と対向している。これら終端電極の電極板34はそれぞれ隣り合う導電板14(図1参照)に接続される。
【0025】
蓄電モジュール12は、バイポーラ電極32の積層方向に延在する積層体30の側面30aにおいて電極板34の縁部34aを保持する枠体50を備える。枠体50は、積層体30の側面30aを取り囲むように構成されている。側面50sは、バイポーラ電極32の積層方向から見て例えば矩形形状を有している。この場合、側面50sは4つの矩形面から構成される。枠体50は、電極板34の縁部34aを保持する第1樹脂部52と、積層方向から見て第1樹脂部52の周囲に設けられる第2樹脂部54とを備え得る。
【0026】
枠体50の内壁を構成する第1樹脂部52は、各バイポーラ電極32の電極板34の一方面(正極36が形成される面)から縁部34aにおける電極板34の端面にわたって設けられている。バイポーラ電極32の積層方向から見て、各第1樹脂部52は、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34a全周にわたって設けられている。隣り合う第1樹脂部52同士は、各バイポーラ電極32の電極板34の他方面(負極38が形成される面)の外側に延在する面において溶着している。その結果、第1樹脂部52には、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aが埋没して保持されている。各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aと同様に、積層体30の両端に配置された電極板34の縁部34aも第1樹脂部52に埋没した状態で保持されている。これにより、積層方向に隣り合う電極板34,34間には、当該電極板34,34と第1樹脂部52とによって気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。当該内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。なお、以下の説明においては、各バイポーラ電極32に第1樹脂部52が設けられた積層体30を電極積層体58とも称す。
【0027】
枠体50の外壁を構成する第2樹脂部54は、バイポーラ電極32の積層方向において積層体30の全長にわたって延在する矩形筒状部である。第2樹脂部54は、バイポーラ電極32の積層方向に延在する第1樹脂部52の外側面を覆っている。第2樹脂部54は、バイポーラ電極32の積層方向に延在する内側面において第1樹脂部52の外側面に溶着されている。また、第2樹脂部54は、積層体30を構成する電極板34の端面にわたって設けられた複数の第1樹脂部52のうちの積層方向において最外に位置する第1樹脂部52の縁部を積層方向から覆うオーバハング部55を有する。オーバハング部55は、図2に示すように、一方側(図2における上側)の最外に位置する第1樹脂部52の縁部を覆う第1オーバハング部55aと、他方側(図2における下側)の最外に位置する第1樹脂部52の縁部を覆う第2オーバハング部55bとを含む。
【0028】
電極板34は、例えばニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板34の縁部34aは、正極活物質及び負極活物質の塗工されない未塗工領域となっており、当該未塗工領域が枠体50の内壁を構成する第1樹脂部52に埋没して保持される領域となっている。正極36を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極38を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。電極板34の他方面における負極38の形成領域は、電極板34の一方面における正極36の形成領域に対して一回り大きくなっている。
【0029】
セパレータ40は、例えばシート状に形成されている。セパレータ40を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ40は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ40は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
【0030】
枠体50(第1樹脂部52及び第2樹脂部54)は、例えば絶縁性の樹脂を用いた射出成形によって矩形の筒状に形成されている。枠体50を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。
【0031】
図3は、図2の蓄電モジュールを示す概略斜視図である。図4は、図3の蓄電モジュールの側面図である。
【0032】
枠体50の第2樹脂部54は、電極積層体58(すなわち、各バイポーラ電極32に第1樹脂部52が設けられた積層体30)の周囲を囲んでいる。また、第2樹脂部54のオーバハング部55は、電極積層体58の第1樹脂部52の縁部の全周を覆っている。第2樹脂部54は、矩形の筒状を有しており、Y方向において対向する一対の側壁部54A、54Bと、X方向において対向する一対の側壁部54C、54Dとで構成されている。一対の側壁部54A、54Bにおけるオーバハング部55にZ方向に突出する突出部60が設けられている。なお、一対の側壁部54C、54Dにおけるオーバハング部55には、突出部60は設けられていない。一対の側壁部54C、54Dには、枠体50内に電解液を注入するための注液口(図示せず)が設けられてもよい。
【0033】
ここで、第2樹脂部54の側壁部54Aにおけるオーバハング部55について、図4を参照しつつ説明する。
【0034】
側壁部54Aにおけるオーバハング部55は、電極積層体58よりも上側に位置する第1オーバハング部55aと、電極積層体58よりも下側に位置する第2オーバハング部55bとを有する。
【0035】
第1オーバハング部55aは、Z方向における厚さがH1である突出部60(第2部分)と、Z方向における厚さがh1である基底部62(第1部分)とで構成されている。具体的には、第1樹脂部52の縁部に沿って(すなわち、X方向に沿って)突出部60と基底部62とが交互に並んでいる。突出部60は、基底部62に対してZ方向に突出する矩形状部分であり、その厚さH1は基底部の厚さh1より大きい(H1>h1)。
【0036】
第2オーバハング部55bは、Z方向における厚さがH2である突出部60(第2部分)と、Z方向における厚さがh2である基底部62(第1部分)とで構成されている。第2オーバハング部55bにおいても、第1樹脂部52の縁部に沿って(すなわち、X方向に沿って)突出部60と基底部62とが交互に並んでいる。第2オーバハング部55bの突出部60も、第1オーバハング部55aの突出部60同様、基底部62に対してZ方向に突出する矩形状部分であり、その厚さH2は基底部の厚さh2より大きい(H2>h2)。第1オーバハング部55aの突出部60と第2オーバハング部55bの突出部60とは、第1樹脂部52の縁部に沿って(すなわち、X方向に沿って)交互に突出する配置(いわゆる、千鳥配置)となっている。
【0037】
本実施形態では、第1オーバハング部55aの突出部60と第2オーバハング部55bの突出部60とは、同一形状および寸法を有し、その厚さは等しい(H1=H2)。また、第1オーバハング部55aの基底部62の厚さh1は、第2オーバハング部55bの基底部62の厚さh2と等しい(h1=h2)。
【0038】
なお、説明は省略するが、第2樹脂部54の側壁部54Bのオーバハング部の形状は、上述した側壁部54Aのオーバハング部の形状と同様である。
【0039】
図5は、上述した蓄電モジュール12を製造する製造装置を示した概略斜視図である。
【0040】
図5に示す製造装置100は、具体的には、インサート成形により枠体50の第2樹脂部54を形成する竪型射出成形機であり、下型110および上型120を含む金型130と、金型130に樹脂54aを射出する射出器140とを備えて構成されている。
【0041】
下型110は、水平方向に延在しており、鉛直方向に窪んだ矩形状のキャビティ112を有する。キャビティ112の内部には、インサート物として電極積層体58が配置される。このとき、電極積層体58は、その積層方向(すなわち、積層体30の積層方向)が鉛直方向と実質的に平行となるように配置される。キャビティ112は、電極積層体58が配置されたときに、電極積層体58の周囲には均一幅の矩形環状の空隙Gが形成される寸法に設計されている。また、キャビティ112の深さは、図2に示したように電極積層体58の周縁部分を積層方向から覆う第2樹脂部54のオーバハング部55が形成されるように、電極積層体58の高さより所定長さだけ深く設計されている。
【0042】
上型120は、下型110と対向するように水平方向に延在しており、下型110に重ね合わされると下型110のキャビティ112を覆う。下型110に対向する上型120の対向面120aには、射出器140から射出された樹脂54aをキャビティ112に注入するためのゲート122が4つ設けられている。
【0043】
射出器140は、枠体50の第2樹脂部54となるべき樹脂54aを金型130内に射出する。射出器140のノズルから射出された樹脂54aは、図示しないランナを通って上型120のゲート122まで送られる。射出器140のヘッド部142は、たとえばスクリューやプランジャによって鉛直方向に沿って進退する部分である。ヘッド部142の移動により、射出器140から射出される樹脂54aの射出量や射出圧を調整することができる。射出器140は、図示しないコントローラによって制御される。
【0044】
また、電極積層体58が収容された下型110に上型120が重ねられると、図6に示すように、金型130と電極積層体58との間には、空隙として、上述した第1オーバハング部55aの突出部60に相当する空隙部分61(第2の空隙部分)および基底部62に相当する空隙部分63(第1の空隙部分)が形成される。また、金型130と電極積層体58との間には、空隙として、第2オーバハング部55bの突出部60に相当する空隙部分61および基底部62に相当する空隙部分63も形成される。
【0045】
続いて、図5、6に示した製造装置100を用いて蓄電モジュール12を製造する手順について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
蓄電モジュール12を製造する際には、まず、電極積層体58を下型110のキャビティ112内に配置するとともに、所定のガイドピンに沿って下型110に上型120を重ね合わせることで、電極積層体58を金型130内に配置する。(図7のステップS1) 次に、第2樹脂部となるべき樹脂54aを注入する。具体的には、コントローラにより射出器140を制御して、上型120の各ゲート122からキャビティ112内へ樹脂54aを注入する。(図7のステップS2)
ゲート122から空隙Gに流入した樹脂54aが空隙Gの各辺に沿って流れて、電極積層体58の周囲を覆うとともにオーバハング部に相当する空隙部分61、63にも流れ込む。このとき、図6に示すように、樹脂54aは、基底部62に相当する狭小な空隙部分63には流れ込みにくい。一方、突出部60に相当する空隙部分61は、空隙部分63に比べて広大であるため、樹脂54aは容易に流れ込んで空隙部分61が樹脂54aで充たされる。突出部60に相当する空隙部分61が樹脂54aである程度充たされると、空隙部分61に流れ込んだ樹脂54aは、空隙部分61から空隙部分63に向かって流れ始める。その結果、基底部62に相当する空隙部分63には、図6に示すように3方向から樹脂54aが流れ込み、1方向から樹脂54aが流れ込む場合よりも空隙部分63への樹脂充填が促進される。
【0047】
空隙部分61、63を含むキャビティ112が樹脂54aで充たされた後は、所定の硬化処理をおこなう(図7のステップS3)。それにより、樹脂54aが硬化した第2樹脂部54が得られる。また、空隙部分61、63に流入した樹脂54aがそれぞれオーバハング部55の突出部60および基底部62となる。
【0048】
上述した蓄電モジュール12は、図8に示した態様にて重ねられ得る。すなわち、Z方向において隣り合う上側の蓄電モジュール12Aと下側の蓄電モジュール12Bとを重ね合わせる際、上側の蓄電モジュール12Aの第2樹脂部54から下側の蓄電モジュール12Bの第2樹脂部54に向けて突出する第2オーバハング部55bの突出部60と、下側の蓄電モジュール12Bの第2樹脂部54から上側の蓄電モジュール12Aの第2樹脂部54に向けて突出する第1オーバハング部55aの突出部60とを噛み合わせるとともに、突出部60間に通気孔64を画成する。通気孔64の寸法および位置は、オーバハング部55の突出部60および基底部62の寸法を調整することで調整され得る。本実施形態では、等間隔に、上側の蓄電モジュール12Aと下側の蓄電モジュール12Bとで4つの通気孔64が画成される。また、各通気孔64は、上側の蓄電モジュール12Aと下側の蓄電モジュール12Bとの間に介在する導電板14の貫通孔14aと連通している。
【0049】
なお、上側の蓄電モジュール12Aと下側の蓄電モジュール12Bとを重ね合わせた際、一方の蓄電モジュール12の突出部60は、他方の蓄電モジュール12に近接しているが接触していない。一方の蓄電モジュール12の突出部60を、他方の蓄電モジュール12に接触させてもよいが、接触させた場合には、拘束プレート16A、16Bによって十分な拘束荷重を付加することが難しくなる事態が生じ得る。
【0050】
上述した蓄電モジュール12を備える蓄電装置10およびその製造方法によれば、第2樹脂部54を成型する際、オーバハング部55の突出部60は、基底部62の厚さh1より厚い厚さH1を有するため、基底部62に相当する金型130の空隙部分63よりも突出部60に相当する金型130の空隙部分61へ樹脂54aが流入しやすい。空隙部分61に流入した樹脂54aは、第1樹脂部52の縁部に沿って(すなわち、X方向に沿って)空隙部分63に流入し得る。そのため、導電板14の放熱を促進するためにオーバハング部55の基底部62の厚さh1を低減し、空隙部分63が狭小となった場合であっても、空隙部分63に十分に樹脂54aを充填することができる。
【0051】
したがって、上記蓄電装置10では、オーバハング部55の基底部62により十分な放熱性能を保ちつつ、基底部62に並設された突出部60により枠体50の成型不良が抑制されている。
【0052】
特に、上述した実施形態では、第2樹脂部54の第1オーバハング部55aおよび第2オーバハング部55bの両方において、基底部62により十分な放熱性能を保ちつつ、基底部62に並設された突出部60により枠体50の成型不良が抑制され得る。
【0053】
なお、上述した実施形態では、第1樹脂部52の縁部に沿って、第1オーバハング部55aの突出部60と第2オーバハング部55bの突出部60とが交互に突出しているため、Z方向において隣り合う蓄電モジュール12A、12Bの第2樹脂部54の突出部60同士が接触しないように、複数の蓄電モジュール12を配列することができる。
【0054】
また、上述した実施形態では、上側の蓄電モジュール12Aの第2樹脂部54から下側の蓄電モジュール12Bの第2樹脂部54に向けて突出する第2オーバハング部55bの突出部60と、下側の蓄電モジュール12Bの第2樹脂部54から上側の蓄電モジュール12Aの第2樹脂部54に向けて突出する第1オーバハング部55aの突出部60とを噛み合わせるとともに、突出部60間に通気孔64を画成することで、蓄電モジュール12A、12B間に介在する導電板14に、通気孔64を介して、空気等の冷媒を送ることができる。特に、通気孔64と、蓄電モジュール12A、12B間に介在する導電板14の貫通孔14aとが連通しているため、通気孔64を介して送られた冷媒が導電板14の放熱を促進し得る。
【0055】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、様々な態様に変更することができる。
【0056】
たとえば、オーバハング部55の突出部60の形状は、矩形状にかぎらず、図9(a)〜(c)に示すような形状をとり得る。図9(a)に示した突出部60Aは、突出部60の上側の角部が面取りされた形状となっている。図9(b)に示した突出部60Bは、台形(より具体的には、上辺が下辺より短い台形)となっている。図9(c)に示した突出部60Cは、突出部60Bの側面を内側に湾曲させた形状となっている。
【0057】
これらの形状の突出部60A〜60Cであっても、上述した突出部60と同一または同等の効果を奏する。
【0058】
また、オーバハング部55の突出部60の数や位置についても、適宜に変更することができる。
【0059】
さらに、上記実施形態又は変形例では、蓄電装置10がニッケル水素二次電池の例を挙げて説明したが、蓄電装置10はリチウムイオン二次電池であってもよい。この場合、正極活物質は、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等である。負極活物質は、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素等である。
【符号の説明】
【0060】
10…蓄電装置、12…蓄電モジュール、30…積層体、32…バイポーラ電極、34…電極板、34a…縁部、34b…端面、36…正極、38…負極、50…枠体、52…第1樹脂部、54…第2樹脂部、54a…樹脂、55、55a、55b…オーバハング部、58…電極積層体、60、60A、60B、60C…突出部、62…基底部、61、63…空隙部分、100…製造装置、130…金型、V…空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9