特許第6805985号(P6805985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6805985輝度制御装置、車両用表示装置、輝度制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805985
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】輝度制御装置、車両用表示装置、輝度制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/00 20060101AFI20201214BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20201214BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   B60R1/00 A
   B60R11/02 C
   G01C21/26 A
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-133087(P2017-133087)
(22)【出願日】2017年7月6日
(65)【公開番号】特開2019-14376(P2019-14376A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 龍一
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−18164(JP,A)
【文献】 特開2004−146281(JP,A)
【文献】 特開2010−239479(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/088511(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
B60R 11/02
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置が設置された照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶した照度情報データベースを参照する照度情報参照部と、
車両が走行する前記照明設置場所を識別する識別情報を取得する識別情報取得部と、
車両に配置され、運転者に提供する情報を表示する表示部を制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得部が取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度に応じて、前記表示部の輝度を制御する、
ことを特徴とする輝度制御装置。
【請求項2】
前記識別情報取得部は、車両の前方を撮影する前方カメラが撮影した前方映像データに被撮影物として含まれる文字を認識して識別情報を取得する文字認識部である、
請求項1に記載の輝度制御装置。
【請求項3】
前記照度情報は、前記照明装置の光源種類を含み、
前記表示制御部は、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得部が取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度と前記照明装置の光源種類とに応じて、前記表示部の輝度を制御する、
請求項1または2に記載の輝度制御装置。
【請求項4】
車両の周囲の照度を測定する測定部から測定結果を取得する照度情報取得部、
を備え、
前記表示制御部は、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記照度情報取得部が取得した前記測定結果とに基づいて、前記照度情報の照度と前記測定結果の照度とが異なる位置については、前記測定結果の照度に応じて、前記表示部の輝度を制御する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の輝度制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の輝度制御装置と、
前記表示部と、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項6】
照明装置が設置された照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶した照度情報データベースを参照する照度情報参照ステップと、
車両が走行し、照明装置が設置された照明設置場所を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
車両に配置され、運転者に提供する情報を表示する表示部を制御する表示制御ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度に応じて、前記表示部の輝度を制御する、
輝度制御方法。
【請求項7】
照明装置が設置された照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶した照度情報データベースを参照する照度情報参照ステップと、
車両が走行し、照明装置が設置された照明設置場所を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
車両に配置され、運転者に提供する情報を表示する表示部を制御する表示制御ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度に応じて、前記表示部の輝度を制御する、
ことを輝度制御装置として動作するコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輝度制御装置、車両用表示装置、輝度制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両がトンネルなどの暗所に進入する前に車両のライトを自動で点灯させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、ビデオカメラで得られた前方視界画像の画像データに占める暗部の割合によって、自動的にライトを点灯する。車両進行方向に向けて横方向に撮像する一次元撮像装置を用いてトンネルを判別して、トンネル検出信号を出力する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の技術は、一次元撮像装置から得られる映像信号を二値化して、二値化映像信号を処理してトンネルを判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−039210号公報
【特許文献2】特開平04−127280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者の前方には、例えば、計器情報または経路案内情報のような視認者に提供する情報を表示する表示部が配置されている。このような表示部は、車両の周囲の照度によって視認性が低下するおそれがある。例えば、トンネル内には照明装置が間隔を空けて配置されているので、トンネル内の照度は位置ごとに変化する。このように位置によって照度が変化する場所においては、表示部の輝度を一定に保って走行すると、位置によっては視認性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両用表示装置の視認性が低下することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る輝度制御装置は、照明装置が設置された照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶した照度情報データベースを参照する照度情報参照部と、車両が走行する前記照明設置場所を識別する識別情報を取得する識別情報取得部と、車両に配置され、運転者に提供する情報を表示する表示部を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得部が取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度に応じて、前記表示部の輝度を制御することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る車両用表示装置は、上記の輝度制御装置と、前記表示部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る輝度制御方法は、照明装置が設置された照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶した照度情報データベースを参照する照度情報参照ステップと、車両が走行し、照明装置が設置された照明設置場所を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、車両に配置され、運転者に提供する情報を表示する表示部を制御する表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度に応じて、前記表示部の輝度を制御する。
【0009】
本発明に係るプログラムは、照明装置が設置された照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶した照度情報データベースを参照する照度情報参照ステップと、車両が走行し、照明装置が設置された照明設置場所を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、車両に配置され、運転者に提供する情報を表示する表示部を制御する表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記照度情報参照部で参照した前記照度情報と前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報とに基づいて、前記照明設置場所における位置ごとの照度に応じて、前記表示部の輝度を制御する、ことを輝度制御装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両用表示装置の視認性が低下することを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第一実施形態に係る輝度制御装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、トンネルの照度パターンに応じた輝度の制御の一例を示す図である。
図3図3は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部の一例を示す図である。
図4図4は、トンネルの入口の一例を示す図である。
図5図5は、第一実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、第二実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、第三実施形態に係る輝度制御装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、第三実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、センサで測定したトンネルの照度に応じた輝度の制御の一例を示す図である。
図10図10は、第四実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る輝度制御装置、車両用表示装置、輝度制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る輝度制御装置の構成例を示すブロック図である。輝度制御装置30は、車両用表示装置10で表示する表示映像の輝度を制御する。より詳しくは、輝度制御装置30は、例えばトンネルのような照明設置場所を車両が走行する際に、照明設置場所における照度の変化に応じて、車両用表示装置10で表示する表示映像の輝度が変化するよう制御する。
【0014】
前方カメラ100は、前方映像用カメラである。前方カメラ100は、車両の前方に配置され、車両の前方を中心とした周辺を撮影する。前方カメラ100は、撮影した前方映像データを輝度制御装置30の識別情報取得部31へ出力する。前方映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。
【0015】
照度情報データベース200は、走行する車両の周囲の照度を保つために照明装置が設置されている照明設置場所における位置ごとの照度を示す照度情報を記憶する。照度情報データベース200は、各位置において人間が目で感じる明るさを照度情報として記憶する。人間が目で感じる明るさは、位置によっては、照度センサで測定した照度と異なる場合がある。例えば、明るさが急激に変化するトンネルの出口付近では、人間の目はトンネルの外側の明るさを知覚して、トンネルの中間部より明るいと感じる。これに対して、トンネルの出口付近において照度センサで測定した照度は、トンネルの中間部において測定した照度と差異が小さい。言い換えると、トンネルの出口付近において照度センサで測定した照度は、人間が目で感じる明るさと差異があるおそれがある。
【0016】
照明設置場所とは、照明装置が常時点灯している場所、例えば、トンネル、地下駐車場、屋内駐車場、または、常時点灯する照明装置が設置され、車両が走行する通路を有する屋内施設を含む。照明設置場所とは、夜間または周囲が暗いときに限って照明装置が点灯する場所、例えば、インターチェンジまたはジャンクションを含む照明装置が設置された道路、陸橋を含む橋梁、または、照明装置が設置され、車両が走行する通路を有する屋外施設を含んでもよい。
【0017】
位置ごとの照度を示す照度情報とは、照明設置場所における照度パターンの情報である。照度パターンは、照明設置場所における位置ごとの照度である。例えば、照度パターンは、照明設置場所の進入側の端部からの距離に対する照度の変化を示す。照度パターンは、照明装置の設置間隔に対応して、照度が高いところと照度が低いところが交互に表れる。
【0018】
本実施形態では、照度情報データベース200は、トンネルごとに、トンネル名称と、トンネルの位置情報と、トンネルの全長と、トンネルの入口からの距離に対する照度の変化を示す照度パターンとを記憶する。
【0019】
図2を参照して、トンネルT内の照度について説明する。図2は、トンネルの照度パターンに応じた輝度の制御の一例を示す図である。トンネルTには、間隔を空けて照明装置Lが配置されている。トンネルTの出入口の照度はトンネルTの中間部の照度より高い。言い換えると、トンネルTの出入口は、トンネルTの中間部より明るい。これは、トンネルTの外部の明るさと内部の明るさの変化に順応しやすくするためである。トンネルTの中間部では照明装置Lの下側の照度が高く、照明装置Lの下側から外れるにつれて照度が低くなる。トンネルTの中間部では、照度が高いところと低いところが照明装置Lの設置間隔に対応して交互に存在する。照度情報データベース200は、図2に示すようなトンネルTの照度パターンを記憶する。
【0020】
車両用表示装置10は、例えば、CAN(Controller Area Network)を介して取得した速度計と回転計の少なくともどちらかを含む計器情報、または、経路案内情報のような視認者に提供する情報を表示映像として表示部20に表示する。車両用表示装置10は、照明設置場所を車両が走行する際に、照明設置場所における照度の変化に応じて、表示映像の輝度が変化するよう制御する。車両用表示装置10は、表示部20と、輝度制御装置30とを有する。
【0021】
図3を参照して、表示部20について説明する。図3は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部の一例を示す図である。表示部20は、例えば、計器情報または経路案内情報のような視認者に提供する情報を表示する。表示部20は、輝度制御装置30の表示制御部33からの映像信号に基づいて表示映像を表示する。表示部20は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro‐Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部20は、例えば、インストルメントパネルに配置されたデジタル計器盤である。表示部20は、例えば、センターコンソールに配置された表示装置である。
【0022】
輝度制御装置30は、照明設置場所を車両が走行する際に、照明設置場所における照度の変化に応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度を制御する。輝度制御装置30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。輝度制御装置30は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。輝度制御装置30は、識別情報取得部31と、照度情報参照部32と、表示制御部33とを有する。輝度制御装置30には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは輝度制御装置30におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0023】
識別情報取得部31は、車両が走行する、言い換えると、車両の前方に位置する照明設置場所を識別する識別情報を取得する。照明設置場所の識別情報とは、例えば、照明設置場所を識別する名称、照明設置場所を識別する識別コード、または、位置情報を含む。
【0024】
本実施形態では、識別情報取得部31は、文字認識部であり、前方カメラ100が撮影した前方映像データに被撮影物として含まれる文字を認識する。識別情報取得部31は、認識した文字が構成する文字列の中からトンネル名称、例えば、「○×トンネル」、「○×とんねる」、「○×Tunnel」、「○×隧道」のような文字列を識別情報として取得する。
【0025】
図4を参照して、トンネル名称の取得について説明する。図4は、トンネルの入口の一例を示す図である。トンネルTの入口を撮影した前方映像データには、トンネル名称を示す標示板Pが表示されている。識別情報取得部31は、前方映像データから「○×トンネル」という文字列Mを識別情報として取得する。識別情報取得部31は、認識した識別情報を表示制御部33に出力する。
【0026】
照度情報参照部32は、照度情報データベース200を参照する。
【0027】
表示制御部33は、計器情報または経路案内情報のような視認者に提供する情報を表示映像として表示部20に表示するよう制御する。
【0028】
表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。より詳しくは、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、識別情報取得部31で取得した識別情報と照度情報参照部32で参照した照度情報とに基づいて、車両が走行する照明設置場所の照度パターンを取得する。同一名称のトンネルが複数存在する場合、表示制御部33は、ナビゲーションシステムから取得した車両の現在位置情報と照度情報データベース200が記憶している当該トンネルの位置情報に基づいて、車両が走行する照明設置場所の照度パターンを取得する。そして、表示制御部33は、取得した車両の現在位置情報と照明設置場所の照度パターンとに基づいて、車両の現在位置の照度に応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。
【0029】
より詳しくは、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示部20のバックライトの輝度を制御する制御信号を生成する。表示制御部33は、照度が高い位置(以下、「高照度位置」という。)では、バックライトの輝度を照度が低い位置(以下、「低照度位置」という。)より高くする制御信号を出力する。表示制御部33は、低照度位置では、バックライトの輝度を高照度位置より低くする制御信号を出力する。なお、バックライトの輝度が高いほど、表示部20に表示される表示映像の輝度が高くなる。バックライトの輝度が低いほど、表示部20に表示される表示映像の輝度が低くなる。
【0030】
または、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示映像の画素ごとの輝度を補正した表示映像を生成する。表示制御部33は、高照度位置では、輝度を低照度位置より高くした表示映像を生成する。表示制御部33は、低照度位置では、輝度を高照度位置より低くした表示映像を生成する。表示制御部33は、輝度を補正した表示映像を表示する映像信号を表示部20に出力する。
【0031】
さらにまた、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、表示映像の背景色が明るいときに限って、上記のように表示映像の輝度を変えるようにしてもよい。言い換えると、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、表示映像の背景色が黒色であるときは、低照度位置であっても、輝度を低くしなくてもよい。これは、表示映像の背景色が黒色であるとき、メーター表示などの他の情報部の視認性が阻害されないためである。
【0032】
このようにして、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。
【0033】
本実施形態では、表示制御部33は、計器情報を表した計器盤映像を表示部20で表示するよう制御する。より詳しくは、表示制御部33は、CANを介して計器情報を取得する。そして、表示制御部33は、計器情報に対応した計器盤映像を生成する。そして、表示制御部33は、計器盤映像を表示する映像信号を表示部20に出力する。
【0034】
本実施形態では、表示制御部33は、図2に示すような車両がトンネルを走行するとき、照度情報参照部32で参照したトンネルの照度に応じて表示部20に表示する計器盤映像の輝度が変化するよう制御する。より詳しくは、表示制御部33は、車両がトンネルを走行するとき、トンネルの照度パターンに応じて、表示部20に表示する計器盤映像の輝度が変化するように、バックライトの輝度を制御する制御信号を生成する。例えば、表示制御部33は、トンネルの出入口では、バックライトの輝度をトンネル内で最も高くする制御信号を生成する。例えば、表示制御部33は、トンネルの中間部の照明装置の下側では、バックライトの輝度をトンネルの出入口より低くする制御信号を生成する。表示制御部33は、例えば、トンネルの中間部の照明装置の下側から外れた位置では、バックライトの輝度を照明装置の下側より低くする制御信号を生成する。
【0035】
次に、図5を用いて、輝度制御装置30における処理の流れについて説明する。図5は、第一実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、車両がトンネルを走行するとき、トンネルの照度パターンに応じて、表示部20に表示する計器盤映像の輝度が変化するように制御する場合について説明する。
【0036】
車両用表示装置10の起動中、輝度制御装置30は、CANを介して取得した計器盤映像を表示部20で表示する。車両用表示装置10の起動中、識別情報取得部31は、前方カメラ100で撮影された前方映像データを取得する。
【0037】
輝度制御装置30は、トンネル入口であるか否かを判定する(ステップS11)。輝度制御装置30は、識別情報取得部31で、前方カメラ100が撮影した前方映像データに文字認識処理を行い、被撮影物としてトンネル名称の文字列を取得した場合、トンネル入口であると判定する(ステップS11でYes)。そして、輝度制御装置30は、ステップS12に進む。輝度制御装置30は、識別情報取得部31で、被撮影物としてトンネル名称の文字列を取得しない場合、トンネル入口ではないと判定する(ステップS11でNo)。そして、輝度制御装置30は、ステップS11の処理を再度実行する。
【0038】
トンネル入口ではないと判定された場合(ステップS11でNo)、輝度制御装置30は、バックライトの輝度を制御せず生成した計器盤映像をそのまま表示部20で表示する。
【0039】
トンネル入口であると判定された場合(ステップS11でYes)、輝度制御装置30は、トンネルの照度に応じて輝度を制御する(ステップS12)。より詳しくは、輝度制御装置30は、表示制御部33で、識別情報取得部31で取得した識別情報と照度情報参照部32で参照した照度情報とに基づいて、車両が走行するトンネルの照度パターンを取得する。そして、輝度制御装置30は、表示制御部33で、ナビゲーションシステムから取得した車両の現在位置情報と取得した照度パターンとに基づいて、車両の現在位置の照度に応じて、表示部20に表示する計器盤映像の輝度が変化するようにバックライトの輝度を制御する制御信号を生成する。輝度制御装置30は、表示制御部33で、バックライトの輝度を制御する制御信号を表示部20に出力する。輝度制御装置30は、ステップS13に進む。
【0040】
輝度制御装置30は、トンネル出口であるか否かを判定する(ステップS13)。例えば、輝度制御装置30は、車両の現在位置がトンネルの位置情報の範囲外である場合、トンネル出口であると判定する。または、例えば、輝度制御装置30は、CANを介して取得した車両情報に基づいて、車両がトンネル入口から走行した距離がトンネルの全長以上であると判定した場合、トンネル出口であると判定する。輝度制御装置30は、車両の現在位置がトンネル出口である場合(ステップS13でYes)、処理を終了して、トンネルの照度パターンに応じて、表示部20に表示する計器盤映像の輝度を変化させる制御を終了する。輝度制御装置30は、車両の現在位置がトンネル出口ではない場合(ステップS13でNo)、ステップS12の処理を再度実行する。
【0041】
このようにして、車両がトンネルを走行するとき、トンネルの照度に応じて、表示部20に表示する計器盤映像の輝度が変化する。例えば、トンネルの入口では、表示部20に表示する計器盤映像の輝度をトンネル内で最も高くする。例えば、トンネルの中間部の照明装置の下側では、表示部20に表示する計器盤映像の輝度をトンネルの入口より低くする。例えば、トンネルの中間部の照明装置の下側から外れた位置では、表示部20に表示する計器盤映像の輝度を照明装置の下側より低くする。
【0042】
上述したように、本実施形態は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度を変化させる。より詳しくは、本実施形態は、車両が照明設置場所を走行するとき、高照度位置では表示映像の輝度を高くし、低照度位置では表示映像の輝度を低くする。このように、本実施形態は、車両が照明設置場所を走行するとき、車両の周囲の照度の変化に応じて表示映像の輝度を変化させることで、車両用表示装置10の視認性が低下することを抑制することができる。言い換えると、本実施形態によれば、車両が照明設置場所を走行するとき、車両の周囲の照度の変化によらず、車両用表示装置10の視認性を高度に維持することができる。
【0043】
車両が照明設置場所を走行するとき、表示部20に表示する表示映像の輝度を変化させないと、例えば、高照度位置で表示映像の輝度が低いと、表示映像の視認性が低下するおそれがある。例えば、低照度位置で表示映像の輝度が高いと、ウィンドシールドSに表示映像が映り込み、車両の前方を視認しにくくなるおそれがある。
【0044】
これに対して、本実施形態によれば、車両が照明設置場所を走行するとき、照度に応じて表示映像の輝度が適切に制御されるので、車両の周囲の照度が変化しても、表示映像の視認性を高度に維持することができる。また、本実施形態は、照度に応じて表示映像の輝度が適切に制御されるので、車両の周囲の照度が低い場合でも、ウィンドシールドS越しに車両の前方を視認しにくくなることを抑制することができる。
【0045】
本実施形態は、照度情報データベース200は、トンネルの出入口の照度がトンネルの中間部の照度より高い照度パターンを記憶している。本実施形態は、トンネルの出入口において、トンネルの中間部より輝度が高くなるように制御する。これにより、本実施形態は、トンネルの出入口において車両用表示装置10の視認性が低下することを抑制することができる。
【0046】
本実施形態は、照明設置場所の各位置において人間が目で感じる明るさを照度情報として照度情報データベース200に記憶する。照度情報データベース200に記憶した照度パターンは、照度センサで測定した照度と異なり、トンネルの出口付近でも、人間が目で感じる明るさに近い照度を記憶する。これにより、本実施形態によれば、トンネルの出口付近でも、人間が目で感じる明るさの照度パターンに応じて、表示映像の輝度を適切に制御することができる。このように、本実施形態によれば、トンネルの出口付近のように照度が急激に変化する場所でも、人間が目で感じる明るさに応じて輝度を制御することができる。本実施形態は、トンネルの出口付近のように照度が急激に変化する場所でも、車両用表示装置10の視認性が低下することを抑制することができる。
【0047】
[第二実施形態]
図6を参照しながら、本実施形態に係る車両用表示装置10について説明する。図6は、第二実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。車両用表示装置10は、基本的な構成は第一実施形態の車両用表示装置10と同様である。以下の説明においては、車両用表示装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
照度情報データベース200は、照度情報として照明装置の光源種類を含んで記憶する。光源種類は、例えば、ナトリウムランプ、白色LED(Light Emitting Diode)などである。ナトリウムランプは、オレンジ色に発光する。白色LEDは、ナトリウムランプに比べて明るさが均一になる。
【0049】
表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照度情報参照部32で参照した照度情報と識別情報取得部31が取得した識別情報とに基づいて、照明設置場所における位置ごとの照度と照明装置の光源種類とに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度を制御する。より詳しくは、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンと光源種類とに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。
【0050】
表示制御部33は、例えば、光源種類がナトリウムランプである場合、オレンジ色の照明光の下でも表示部20の視認性が低減しないように、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。表示制御部33は、例えば、光源種類が白色LEDである場合、白色LEDの照明光の下でも表示部20の視認性が低減しないように、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。
【0051】
また、表示制御部33は、表示映像の輝度の制御に加えて色度を制御してもよい。表示制御部33は、例えば、光源種類がオレンジ色のナトリウムランプである場合、補色になる青緑系が強調されるように表示映像の色度を制御してもよい。
【0052】
次に、図6を用いて、輝度制御装置30における処理の流れについて説明する。ステップS21、ステップS23の処理は、図5に示すフローチャートのステップS11、ステップS13と同様の処理を行う。
【0053】
トンネル入口であると判定された場合(ステップS21でYes)、輝度制御装置30は、トンネルの照度と光源種類とに応じて輝度を制御する(ステップS22)。より詳しくは、輝度制御装置30は、表示制御部33で、車両の現在位置情報と取得した照度パターンと光源種類とに基づいて、車両の現在位置の照度と光源種類とに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する制御信号を生成する。輝度制御装置30は、表示制御部33で、表示部20に表示する表示映像の輝度を制御する制御信号を表示部20に出力する。輝度制御装置30は、ステップS23に進む。
【0054】
上述したように、本実施形態は、車両が照明設置場所を走行するとき、車両の周囲の照度の変化と光源種類とに応じて表示部20に表示する表示映像の輝度を変化させることで、車両用表示装置10の視認性が低下することを抑制することができる。言い換えると、本実施形態によれば、車両が照明設置場所を走行するとき、車両の周囲の照度の変化と光源種類とによらず、車両用表示装置10の視認性を高度に維持することができる。
【0055】
[第三実施形態]
図7ないし図9を参照しながら、本実施形態に係る車両用表示装置10Aについて説明する。図7は、第三実施形態に係る輝度制御装置の構成例を示すブロック図である。図8は、第三実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。図9は、センサで測定したトンネルの照度に応じた輝度の制御の一例を示す図である。車両用表示装置10Aは、基本的な構成は第一実施形態の車両用表示装置10と同様である。以下の説明においては、車両用表示装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0056】
照度センサ110Aは、車両の前方に配置され、車両の前上方の照度を測定する。照度センサ110Aは、測定結果を輝度制御装置30Aの照度情報取得部34aに出力する。
【0057】
車両用表示装置10Aは、輝度制御装置30Aが、照度情報取得部34aを有する点と、表示制御部33Aにおける処理が第一実施形態と異なる。
【0058】
照度情報取得部34aは、照度センサ110Aの測定結果から、車両の前上方の照度を取得する。照度情報取得部34aは、取得した照度を表示制御部33Aに出力する。
【0059】
表示制御部33Aは、照度情報参照部32で参照した照度情報と識別情報取得部31で取得した識別情報と照度情報取得部34Aが取得した測定結果とに基づいて、参照した照度情報データベース200から取得した照度情報の照度と、照度センサ110Aの測定結果の照度とが異なる位置については、測定結果の照度に応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。
【0060】
次に、図8を用いて、輝度制御装置30Aにおける処理の流れについて説明する。ステップS31、ステップS34、ステップS35の処理は、図5に示すフローチャートのステップS11、ステップS12、ステップS13と同様の処理を行う。
【0061】
輝度制御装置30Aは、参照した照度情報データベース200の照度と照度センサ110Aで測定した照度に差異があるか否かを判定する(ステップS32)。より詳しくは、輝度制御装置30Aは、車両の現在位置について、参照した照度情報データベース200の照度情報の照度と、照度情報取得部34Aが取得した測定結果の照度とに差異がある場合(ステップS32でYes)、ステップS33に進む。輝度制御装置30Aは、参照した照度情報データベース200の照度情報の照度と、照度情報取得部34Aが取得した測定結果の照度とに差異がない場合(ステップS32でNo)、ステップS34に進む。
【0062】
輝度制御装置30Aは、ステップS32でYesと判定した位置については、照度センサ110Aで測定した照度に応じて輝度を制御する(ステップS33)。より詳しくは、輝度制御装置30Aは、表示制御部33Aで、照度情報取得部34aで取得した測定結果の照度に応じて、表示部20に表示する計器盤映像の輝度が変化するようにバックライトの輝度を制御する制御信号を生成する。輝度制御装置30Aは、表示制御部33Aで、バックライトの輝度を制御する制御信号を表示部20に出力する。輝度制御装置30Aは、ステップS35に進む。
【0063】
輝度制御装置30Aは、ステップS32でNoと判定した位置については、参照した照度情報データベース200の照度情報の照度に応じて輝度を制御する(ステップS34)。
【0064】
図9を参照して、参照した照度情報データベース200の照度と、照度センサ110Aで測定した照度に差異がある場合について説明する。照度情報データベース200には、すべての照明装置Lが点灯している状態での照度パターンが記憶されている。トンネルTには、一時的な故障で点灯していない照明装置Aがある。そのため、点灯していない照明装置Aの下側では、照度センサ110Aで測定した照度は、点灯している照明装置Lの下側の照度より低い。点灯していない照明装置Aの下側の位置では、照度情報データベース200に記憶された照度と、照度センサ110Aで測定した照度とが異なっている。点灯していない照明装置Aの下側の位置では、照度センサ110Aで測定した照度に応じて輝度を制御する。その他の位置では、照度情報データベース200から取得した照度パターンに応じて輝度を制御する。
【0065】
このようにして、車両がトンネルを走行するとき、参照した照度情報データベース200から取得した照度と照度センサ110Aで測定した照度に差異がある位置については、照度センサ110Aで測定した照度に応じて輝度を変化させる。例えば、図9に示す点灯していない照明装置Aの下側では、照度センサ110Aで測定した照度に応じて輝度を制御する。このように、実際の照度が照度情報データベース200の照度と異なる位置があっても、照度センサ110Aで測定した照度に応じて、表示部20に表示した表示映像の輝度が適切に変化される。
【0066】
上述したように、本実施形態は、参照した照度情報データベース200の照度と照度センサ110Aで測定した照度とに差異がある位置については、照度センサ110Aで測定した照度に応じて表示部20に表示する表示映像の輝度を変化させる。本実施形態では、例えば、図9に示す点灯していない照明装置Aの下側では、照度センサ110Aで測定した照度に応じて輝度を制御する。これにより、本実施形態では、照明装置が点灯していない位置があっても、照明設置場所の正しい照度に応じて、表示部20に表示した表示映像の輝度を変化させることができる。このようにして、本実施形態は、車両の周囲の照度の変化によって、車両用表示装置10の視認性が低下することをより適切に抑制することができる。
【0067】
これに対して、図9に示す点灯していない照明装置Aの下側で照度情報データベース200の照度に応じて輝度を変化させると、照明装置Aが点灯していないので車両の周囲が暗いにもかかわらず、輝度の高い表示映像が表示される。この場合、表示映像がウィンドシールドSに映り込み、ウィンドシールドS越しに車両の前方を視認しにくくなるおそれがある。
【0068】
[第四実施形態]
図10を参照しながら、本実施形態に係る車両用表示装置10について説明する。図10は、第四実施形態に係る輝度制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。車両用表示装置10は、主として表示制御部33における処理が第一実施形態と異なる。
【0069】
照度情報データベース200は、照明設置場所が、夜間または周囲が暗いときに限って照明装置が点灯する場所である場合、照明装置の点灯条件を記憶する。照明装置の点灯条件は、例えば、点灯する時間帯または点灯する照度の閾値である。
【0070】
表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明装置が点灯している場合、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。
【0071】
次に、図10を用いて、輝度制御装置30における処理の流れについて説明する。ステップS41、ステップS43、ステップS44の処理は、図5に示すフローチャートのステップS11、ステップS12、ステップS13に対応する処理を行う。
【0072】
輝度制御装置30は、照明装置が点灯中であるか否かを判定する(ステップS42)。輝度制御装置30は、例えば、照明装置の点灯条件を満たしているか否かによって、照明装置が点灯中であるか否かを判定する。輝度制御装置30は、照明装置の点灯条件を満たす場合(ステップS42でYes)、ステップS43に進む。輝度制御装置30は、照明装置の点灯条件を満たしていない場合(ステップS42でNo)、処理を終了する。
【0073】
上述したように、本実施形態は、照明設置場所が、夜間または周囲が暗いときに限って照明装置が点灯する場所であっても、車両用表示装置10の視認性が低下することを適切に抑制することができる。
【0074】
さて、これまで本発明に係る車両用表示装置10について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0075】
図示した車両用表示装置10の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0076】
車両用表示装置10の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0077】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0078】
表示制御部33は、トンネル出入口付近においては、照度センサ110Aで測定した外光の照度と、照度情報データベース200から取得した照度情報の照度とを、位置に応じて割合を変化させて合算した照度に基づいて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御してもよい。より詳しくは、表示制御部33は、トンネル端部から数10mの位置においては、トンネル端部に向かうにつれて、照度センサ110Aで測定した外光の照度の割合を大きくし、照度情報の照度の割合を小さくして合算した照度に基づいて、表示部20に表示する表示映像の輝度が変化するように制御する。これにより、トンネル出入口付近において、より適切に表示部20に表示する表示映像の輝度を変化させることができる。
【0079】
表示部20は、機械式の計器が配置され、バックライトを有する計器盤であってもよい。この場合、表示制御部33は、車両が照明設置場所を走行するとき、照明設置場所の照度パターンに応じて、表示部20のバックライトの輝度が変化するように制御する。より詳しくは、表示制御部33は、車両の現在位置情報と照明設置場所の照度パターンとに基づいて、車両の現在位置の照度に応じて、表示部20のバックライトの輝度が変化するように制御する。これにより、表示部20が機械式の計器が配置された計器盤であっても、車両が照明設置場所を走行するとき、車両の周囲の照度の変化に応じて表示部20のバックライトの輝度を変化させることで、車両用表示装置10の視認性が低下することを抑制することができる。
【0080】
識別情報取得部31が文字認識部であるものとして説明したが、識別情報取得部31は、例えば、二次元コード、図柄、トンネル入り口付近で道路側から提供される情報などで照明設置場所を識別する情報を取得するものであればよい。
【0081】
照度情報データベース200は、位置ごとの照度を示す照度情報として、照明装置1個の照度と照明装置の設置間隔とを記憶し、照明設置場所における位置ごとの照度を算出してもよい。例えば、位置ごとの照度を示す照度情報として、照明装置の1個当たりの照度と照明設置場所内の照明装置の設置間隔と照明設置場所の全長とを記憶し、照明設置場所の進入側の端部からの距離に対する照度を算出してもよい。
【0082】
輝度制御装置30は、車両の現在位置情報をナビゲーションシステムから取得するものとして説明したが、これに限定されない。輝度制御装置30は、車両に搭載されたGPS(Global Positioning System)受信機によって取得した車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得部を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 車両用表示装置
20 表示部
30 輝度制御装置
31 識別情報取得部
32 照度情報参照部
33 表示制御部
100 前方カメラ
200 照度情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10