特許第6806029号(P6806029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806029
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】画像形成システムおよび画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20201214BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20201214BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201214BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20201214BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20201214BHJP
【FI】
   H04N1/00 127A
   B41J29/38 203
   G03G21/00 396
   G03G21/00 386
   G06F3/12 336
   G06F21/31 360
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-204498(P2017-204498)
(22)【出願日】2017年10月23日
(65)【公開番号】特開2019-80132(P2019-80132A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2019年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲徳▼一
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第03/069492(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J29/38
G03G21/00
G06F 3/12
G06F21/30−21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された、管理サーバーと前記管理サーバーによりグループに分けて管理される1以上の画像形成装置とを含み、
前記1以上の画像形成装置の各々は、
タッチパネル部、操作キー部、操作画面を表示する表示部、ペーパートレイ及び天板と、
前記管理サーバーと通信可能な第1の通信部と、
前記タッチパネル部に設置された感圧センサ、前記操作キー部に設置された感圧センサ、前記ペーパートレイに設置された加速度センサ及び前記天板に設置された加速度センサを含み、ユーザーによる操作を検知する操作検知部と、
前記操作検知部により検知された操作から得られる操作特性から個々の特徴量を取得し、前記個々の特徴量は、前記タッチパネル部のタッチ圧力、前記操作キー部の押下圧力、操作時間と操作の待ち時間、前記操作画面の遷移数、前記ペーパートレイの引き出し速度および戻し速度、並びに前記天板の上げ下げ速度の少なくとも何れか1個を含み、取得した前記個々の特徴量を前記管理サーバーに送信する特徴量取得部と
を備え、
前記管理サーバーは、
前記グループに登録された1以上の登録ユーザーの操作モデルが記憶された記憶部と、
前記1以上の画像形成装置と通信可能な第2の通信部と、
前記1以上の画像形成装置を前記グループに分けて管理する画像形成装置管理部と、
前記ユーザーが操作した画像形成装置から前記個々の特徴量を受信する特徴量受信部と、
前記個々の特徴量に基づき前記ユーザーの操作モデルを算出する操作モデル算出部と、
前記ユーザーの操作モデルと前記記憶部に記憶されている前記1以上の登録ユーザーの操作モデルの各々との類似率を計算し、前記類似率がしきい値以上である前記登録ユーザーの操作モデルがあれば操作モデル更新部を呼び出し、前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデルに対してもしきい値未満であれば不正ユーザー通知部を呼び出す類似率計算部と、
前記類似率計算部で前記類似率がしきい値以上である操作モデルが記憶されていた場合に、当該登録ユーザーのものとして記憶している操作モデルを前記ユーザーの操作モデルで更新する前記操作モデル更新部と、
前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデルに対しても前記しきい値未満であれば、現在画像形成装置を操作しているユーザーは、前記グループに登録されていない不正ユーザーであるとして管理者に通知する前記不正ユーザー通知部と
を備えた
画像形成システム。
【請求項2】
ネットワーク接続された、管理サーバーと前記管理サーバーによりグループに分けて管理される1以上の画像形成装置とを含む画像形成システムにおける画像形成方法であって、
前記1以上の画像形成装置の各々は、タッチパネル部、操作キー部、操作画面を表示する表示部、ペーパートレイ及び天板と、を備え、
前記画像形成装置の操作検知部が、ユーザーによる操作を検知し、前記操作検知部は、前記タッチパネル部に設置された感圧センサ、前記操作キー部に設置された感圧センサ、前記ペーパートレイに設置された加速度センサ及び前記天板に設置された加速度センサを含み、
前記画像形成装置の特徴量取得部が、前記操作検知部により検知された操作から得られる操作特性から個々の特徴量を取得し、前記個々の特徴量は、前記タッチパネル部のタッチ圧力、前記操作キー部の押下圧力、操作時間と操作の待ち時間、前記操作画面の遷移数、前記ペーパートレイの引き出し速度および戻し速度、並びに前記天板の上げ下げ速度の少なくとも何れか1個を含み、取得した前記個々の特徴量を前記管理サーバーに送信し、
前記管理サーバーの記憶部が、前記グループに登録された1以上の登録ユーザーの操作モデルを記憶し、
前記管理サーバーの特徴量受信部が、前記ユーザーが操作した画像形成装置から前記個々の特徴量を受信し、
前記管理サーバーの操作モデル算出部が、前記個々の特徴量に基づき前記ユーザーの操作モデルを算出し、
前記管理サーバーの類似率計算部が、前記ユーザーの操作モデルと記憶されている前記1以上の登録ユーザーの操作モデルの各々との類似率を計算し、前記類似率がしきい値以上である前記登録ユーザーの操作モデルがあれば操作モデル更新部を呼び出し、前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデルに対してもしきい値未満であれば不正ユーザー通知部を呼び出し、
前記管理サーバーの前記操作モデル更新部が、前記類似率計算部で前記類似率がしきい値以上である操作モデルが記憶されていた場合に、当該登録ユーザーのものとして記憶している操作モデルを前記ユーザーの操作モデルで更新し、
前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデルに対しても前記しきい値未満であれば、前記管理サーバーの前記不正ユーザー通知部が、現在画像形成装置を操作しているユーザーは、前記グループに登録されていない不正ユーザーであるとして管理者に通知する
画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー認証にユーザーの操作特性を用いる画像形成システムおよび画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置の認証を行う方法として、個々の機器で本人認証を行うために、行動特性を用いた認証方法がある。キーボードのキーストロークやマウスのクリック速度、ファイルアクセスの方法などの端末情報を利用し、ユーザーの行動を解析して本人推定するシステムが提案されている(例えば、特許文献1または2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−175984号公報
【特許文献2】特開2016−66132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、画像形成装置のユーザーをユーザーの操作により認証するにあたり、不正ユーザーを管理者に通知することは行われていなかった。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ユーザーの操作に基づいて不正ユーザーを通知できる画像形成システムおよび画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成システムは、ネットワーク接続された、管理サーバーと前記管理サーバーによりグループに分けて管理される1以上の画像形成装置とを含み、前記1以上の画像形成装置の各々は、前記管理サーバーと通信可能な第1の通信部と、ユーザーによる操作を検知する操作検知部と、前記操作検知部により検知された操作から得られる操作特性から特徴量を取得し、取得した前記特徴量を前記管理サーバーに送信する特徴量取得部とを備え、前記管理サーバーは、前記グループに登録された1以上の登録ユーザーの操作モデルが記憶された記憶部と、前記1以上の画像形成装置と通信可能な第2の通信部と、前記1以上の画像形成装置を前記グループに分けて管理する画像形成装置管理部と、前記ユーザーが操作した画像形成装置から前記特徴量を受信する特徴量受信部と、前記特徴量に基づき前記ユーザーの操作モデルを算出する操作モデル算出部と、前記ユーザーの操作モデルと前記記憶部に記憶されている前記1以上の登録ユーザーの操作モデルの各々との類似率を計算し、前記類似率がしきい値以上である前記登録ユーザーの操作モデルがあれば操作モデル更新部を呼び出し、前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデルに対してもしきい値未満であれば不正ユーザー通知部を呼び出す類似率計算部と、前記類似率計算部で前記類似率がしきい値以上である操作モデルが記憶されていた場合に、当該登録ユーザーのものとして記憶している操作モデルを前記ユーザーの操作モデルで更新する前記操作モデル更新部と、現在画像形成装置を操作しているユーザーは、前記グループに登録されていない不正ユーザーであるとして管理者に通知する前記不正ユーザー通知部とを備える。
【0007】
そのため、ユーザーの操作に基づいて不正ユーザーを通知できる。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成システムでは、前記操作検知部は、加速度センサを備えたペーパートレイを含み、前記特徴量は、前記ペーパートレイの引き出し速度および戻し速度を含む構成でもよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成システムでは、前記操作検知部は、加速度センサを備えた天板を含み、前記特徴量は、前記天板の上げ下げ速度を含む構成でもよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成方法は、ネットワーク接続された、管理サーバーと前記管理サーバーによりグループに分けて管理される1以上の画像形成装置とを含む画像形成システムにおける画像形成方法であって、前記画像形成装置の操作検知部が、ユーザーによる操作を検知し、前記画像形成装置の特徴量取得部が、前記操作検知部により検知された操作から得られる操作特性から特徴量を取得し、取得した前記特徴量を前記管理サーバーに送信し、前記管理サーバーの記憶部が、前記グループに登録された1以上の登録ユーザーの操作モデルを記憶し、前記管理サーバーの特徴量受信部が、前記ユーザーが操作した画像形成装置から前記特徴量を受信し、前記管理サーバーの操作モデル算出部が、前記特徴量に基づき前記ユーザーの操作モデルを算出し、前記管理サーバーの類似率計算部が、前記ユーザーの操作モデルと記憶されている前記1以上の登録ユーザーの操作モデルの各々との類似率を計算し、前記類似率がしきい値以上である前記登録ユーザーの操作モデルがあれば操作モデル更新部を呼び出し、前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデルに対してもしきい値未満であれば不正ユーザー通知部を呼び出し、前記管理サーバーの前記操作モデル更新部が、前記類似率計算部で前記類似率がしきい値以上である操作モデルが記憶されていた場合に、当該登録ユーザーのものとして記憶している操作モデルを前記ユーザーの操作モデルで更新し、前記管理サーバーの前記不正ユーザー通知部が、現在画像形成装置を操作しているユーザーは、前記グループに登録されていない不正ユーザーであるとして管理者に通知する。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、操作パネルの押下げ圧力に加えて、ペーパートレイの引き出し速度および天板の上げ下ろし速度に基づいてユーザーを認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システム1の全体構成図である。
図2】管理サーバー10が一般的なコンピューターにより構成される場合の構成図である。
図3】画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
図4】画像形成システム1における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
[全体構成]
最初に、本発明の一実施形態に係る画像形成システム1の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システム1の全体構成図である。
【0015】
画像形成システム1は、ネットワーク接続された管理サーバー10と画像形成装置20を含んで構成される。
【0016】
管理サーバー10は、画像形成装置20を管理すると共に、画像形成装置20を使用するユーザーの、画像形成装置20に対する操作特性に基づいてユーザーを認証する。
【0017】
画像形成装置20は、グループ(図では、グループAおよびグループB)にまとめられて管理サーバー10により管理される。ユーザーも同じグループに登録され管理される。
【0018】
画像形成装置20は、一般的なユーザーID(Identification)とパスワードによる画像形成装置20へのログインによりユーザー認証されるのではなく、ユーザーの画像形成装置20に対する操作の操作特性に基づいて取得された特徴量から算出された、ユーザーごとの操作モデルによりユーザー認証される。
【0019】
例えば、グループAに操作モデルが登録されているユーザーは、グループAに属するどの画像形成装置20を使う場合でも、その操作によりユーザー認証が行われ、使用することが出来る。
【0020】
もし、管理サーバー10が管理するグループに操作モデルが登録されていないユーザーがそのグループに属する画像形成装置20を操作すると、不正ユーザーにより画像形成装置20が使用された旨のメッセージが管理者に通知される。
【0021】
以上のように、管理サーバー10は、画像形成装置20をグループ分けして管理する機能と、ユーザーを操作特性に応じて認証するユーザー認証機能とを持っている。
【0022】
以上、画像形成システム1の全体構成について説明した。
【0023】
[管理サーバーの構成]
次に、管理サーバー10の構成について説明する。管理サーバー10は、専用のハードウェアやソフトウェアにより構成されていてもよいし、一般的なコンピューターにより構成されてもよい。管理サーバー10が一般的なコンピューターにより構成される場合の構成図を図2に示す。
【0024】
同図に示すように、管理サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、操作入力部14、通信部15(第2の通信部)、表示部16、および記憶部17を有し、これら各ブロックがバス18を介して接続されている。
【0025】
ROM12は、各種の処理を実行するためのファームウェア等の複数のプログラムやデータを記憶する。RAM13は、CPU11の作業用領域として用いられ、OS(Operating System)、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0026】
記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリー、その他の不揮発性メモリーである。記憶部17には、OSや各種アプリケーション、各種データ、上述したユーザーごとの操作モデル17aが記憶される。なお、操作モデル17aは、画像形成装置20のグループごとに管理されている。
【0027】
通信部15は、ネットワーク上の画像形成装置20等と情報のやりとりを行う為のネットワークと結ばれている。
【0028】
CPU11は、ROM12や記憶部17に格納された複数のプログラムのうち、操作入力部14から与えられる命令に対応するプログラムをRAM13に展開し、この展開されたプログラムにしたがって、表示部16及び記憶部17を適宜制御する。
【0029】
操作入力部14は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。
【0030】
表示部16は、例えば液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等である。
【0031】
次に、CPU11においてプログラムが実行されることにより実現される機能ブロックについて説明する。
【0032】
管理サーバー10のCPU11において実現される機能ブロックは、特徴量受信部11a、操作モデル算出部11b、類似率計算部11c、操作モデル更新部11d、不正ユーザー通知部11e、および画像形成装置管理部11fである。
【0033】
特徴量受信部11aは、画像形成装置20から、ユーザーが画像形成装置20を操作した操作特性からそれぞれ取得され、管理サーバー10に対して送信された特徴量を受信する。
【0034】
操作モデル算出部11bは、特徴量受信部11aが画像形成装置20から受信した特徴量に基づき、ユーザーの操作モデルを算出する。なお、操作モデルの算出方法は、一般的な公知の方法により算出すればよい。
【0035】
類似率計算部11cは、操作モデル算出部11bが算出した、現在画像形成装置20を操作しているユーザーの操作モデルと、記憶部17に記憶されている1以上の登録ユーザーの操作モデルの各々との類似率を計算し、類似率がしきい値以上である登録ユーザーの操作モデルがあれば操作モデル更新部11dを呼び出し、類似率がいずれのグループ内登録ユーザーの操作モデルに対してもしきい値未満であれば不正ユーザー通知部11eを呼び出す。
【0036】
操作モデル更新部11dは、類似率計算部11cで、類似率がしきい値以上である操作モデルが記憶されていた場合に、当該登録ユーザーのものとして記憶している操作モデルを現在画像形成装置20の操作をしているユーザーの操作モデルで更新する。
【0037】
不正ユーザー通知部11eは、類似率計算部11cで、類似率がいずれのグループ内登録ユーザーの操作モデルに対してもしきい値未満であった場合に、現在画像形成装置20を操作しているユーザーは、グループに登録されていない不正ユーザーであるとして、管理者に通知する。通知方法は、例えば、電子メールなどを用いてもよい。
【0038】
画像形成装置管理部11fは、画像形成装置20をグループに分けて管理する。管理内容としては、画像形成装置20の構成を管理したり、消耗品を管理したり、画像形成装置20の状態を管理したりする。
【0039】
以上、管理サーバー10の構成について説明した。
【0040】
[画像形成装置の構成]
次に、画像形成装置20の構成について説明する。図3は画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
【0041】
画像形成装置20は、制御部21を備える。制御部21は、CPU、RAM、ROM、および専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置20の全体的な動作制御を司る。
【0042】
制御部21は、原稿読取部22、画像処理部23、画像メモリー24、画像形成部25、操作部26、表示部26a、ファクシミリ通信部27、通信部28(第1の通信部)、記憶部29、操作検知部30、加速度センサ30a、感圧センサ30b等と接続されている。制御部21は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0043】
制御部21は、ユーザーから、操作部26またはネッワーク接続されたPC等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナ機能、印刷機能、コピー機能、およびファクシミリ送受信機能などの各機能についての動作制御を実行するために必要な機構の駆動及び処理を制御する。
【0044】
また、制御部21は、特徴量取得部21aを有している。特徴量取得部21aは、ROMなどからRAMにロードされたプログラムがCPUにより実行されることで実現される機能ブロックである。
【0045】
特徴量取得部21aは、操作検知部30により検知された操作から得られる操作特性から特徴量を取得し、取得した特徴量を管理サーバー10に送信する。
【0046】
なお、ここでは、以下のものを特徴量として取得する:
(1)タッチパネル部のタッチ圧力
(2)操作キー部の押下圧力
(3)操作時間と操作の待ち時間
(4)操作画面の遷移数(目的の操作画面への遷移がスムーズで迷いが無いか)
(5)ペーパートレイの引き出し速度および戻し速度
(6)天板の上げ下げ速度
【0047】
原稿読取部22は、原稿から画像を読み取る。
【0048】
画像処理部23は、原稿読取部22で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部23は、原稿読取部22により読み取られた画像が画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の画像処理を行う。
【0049】
画像メモリー24は、原稿読取部22による読み取りで得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部25での印刷対象となるデータを一時的に記憶したりする領域である。
【0050】
画像形成部25は、原稿読取部22で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
【0051】
操作部26は、画像形成装置20が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部および操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部26aを備えている。なお、タッチパネル部および操作キー部には操作検知部30の感圧センサ30bが備えられており、ユーザーが操作部26を操作する際の押下げ圧力を検知する。
【0052】
ファクシミリ通信部27は、図示しない符号化/復号化部、変復調部、およびNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行う。
【0053】
通信部28は、LANボード等の通信モジュールから構成され、通信部28に接続されたLAN等を介して、管理サーバー10など、ローカルエリア内の装置と種々のデータの送受信を行う。
【0054】
記憶部29は、原稿読取部22によって読み取られた原稿画像などを記憶する。記憶部29は、HDDなどの大容量の記憶装置である。
【0055】
操作検知部30は、ユーザーによる操作を検知する。例えば、加速度センサ30aは、画像形成装置20のペーパートレイおよび天板に設置されており、ユーザーがペーパートレイを引き出す速度、元に戻す速度、ユーザーが天板を上げ下げする速度を検出する。また、例えば、感圧センサ30bは、操作部のタッチパネル部および操作キー部に設置されており、ユーザーが操作部26を操作する際の押下げ圧力を検知する。
【0056】
以上、画像形成装置20の構成について説明した。
【0057】
[処理の流れ]
次に、画像形成システム1における処理の流れについて説明する。図4は、画像形成システム1における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0058】
まず、ユーザーが、グループに属している画像形成装置20の1つで、画像形成装置20を操作する(ステップS1)。
【0059】
次に、操作された画像形成装置20の操作検知部30が、ユーザーによる操作を検出する(ステップS2)。
【0060】
次に、操作された画像形成装置20の特徴量取得部21aが、ユーザーの操作特性から個々の特徴量を取得する(ステップS3)。特徴量取得部21aは、取得した特徴量を管理サーバー10に送信する。
【0061】
次に、管理サーバー10の特徴量受信部11aがユーザーにより操作された画像形成装置20から特徴量を受信し、操作モデル算出部11bが、受信した特徴量に基づき、ユーザーの操作モデルを算出する(ステップS4)。
【0062】
次に、操作されている画像形成装置20が属するグループに登録されているユーザーの操作モデルの各々に対して、以下のステップS6およびステップS7を繰り返し実行する(ステップS5)。
【0063】
次に、管理サーバー10の類似率計算部11cが、ステップS4で算出された、現在画像形成装置20を操作しているユーザーの操作モデルと、記憶部17に記憶されているグループに登録されたユーザーの操作モデルとの類似率を計算する(ステップS6)。
【0064】
次に、管理サーバー10の類似率計算部11cは、計算した類似率が、予め定められたしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS7)。
【0065】
類似率がしきい値以上である場合(ステップS7のYES)、類似率計算部11cは、操作モデル更新部11dを呼び出し、操作モデル更新部11dは、該当ユーザーの操作モデルを更新して処理を終了する(ステップS8)。
【0066】
類似率がしきい値未満である場合(ステップS7のNO)、類似率計算部11cは、次の登録ユーザーの操作モデルに対して、ステップS6、S7の処理を繰り返す。
【0067】
ユーザーが操作している画像形成装置20が属するグループに登録されている登録ユーザーの操作モデルのいずれに対しても類似率がしきい値未満であった場合、不正ユーザー通知部11eが、画像形成システム1の管理者に対し、グループに登録されていないユーザーによる画像形成装置20の利用があった旨を通知し、処理を終了する(ステップS9)。
【0068】
以上、画像形成システム1における処理の流れについて説明した。
【0069】
[補足事項]
以上のように、本発明に係る画像形成システム1は、ネットワーク接続された、管理サーバー10と前記管理サーバー10によりグループに分けて管理される1以上の画像形成装置20とを含み、前記1以上の画像形成装置20の各々は、前記管理サーバー10と通信可能な第1の通信部28と、ユーザーによる操作を検知する操作検知部30と、前記操作検知部30により検知された操作から得られる操作特性から特徴量を取得し、取得した前記特徴量を前記管理サーバー10に送信する特徴量取得部11aとを備え、前記管理サーバー10は、前記グループに登録された1以上の登録ユーザーの操作モデル17aが記憶された記憶部17と、前記1以上の画像形成装置20と通信可能な第2の通信部15と、前記1以上の画像形成装置20を前記グループに分けて管理する画像形成装置管理部11fと、前記ユーザーが操作した画像形成装置20から前記特徴量を受信する特徴量受信部11aと、前記特徴量に基づき前記ユーザーの操作モデルを算出する操作モデル算出部11bと、前記ユーザーの操作モデルと前記記憶部17に記憶されている前記1以上の登録ユーザーの操作モデル17aの各々との類似率を計算し、前記類似率がしきい値以上である前記登録ユーザーの操作モデル17aがあれば操作モデル更新部11dを呼び出し、前記類似率がいずれの前記グループ内の登録ユーザーの操作モデル17aに対してもしきい値未満であれば不正ユーザー通知部11eを呼び出す類似率計算部11cと、前記類似率計算部11cで前記類似率がしきい値以上である操作モデル17aが記憶されていた場合に、当該登録ユーザーのものとして記憶している操作モデル17aを前記ユーザーの操作モデルで更新する前記操作モデル更新部11dと、現在画像形成装置を操作しているユーザーは、前記グループに登録されていない不正ユーザーであるとして管理者に通知する前記不正ユーザー通知部11eとを備える。
【0070】
そのため、ユーザーの操作に基づいて不正ユーザーを通知できる。
【0071】
その他、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
1 … 画像形成システム
10 … 管理サーバー
11 … CPU
11a… 特徴量受信部
11b… 操作モデル算出部
11c… 類似率計算部
11d… 操作モデル更新部
11e… 不正ユーザー通知部
11f… 画像形成装置管理部
12 … ROM
13 … RAM
14 … 操作入力部
15 … 通信部
16 … 表示部
17 … 記憶部
17a… 操作モデル
18 … バス
20 … 画像形成装置
21 … 制御部
21a… 特徴量取得部
22 … 原稿読取部
23 … 画像処理部
24 … 画像メモリー
25 … 画像形成部
26 … 操作部
26a… 表示部
27 … ファクシミリ通信部
28 … 通信部
29 … 記憶部
30 … 操作検知部
30a… 加速度センサ
30b… 感圧センサ
図1
図2
図3
図4