(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板上に配置された、色温度が2000〜9000Kの範囲内の色温度を有する太陽光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が10以下である複数の発光素子から構成される面状の光源と、
複数の前記発光素子の光軸と斜めに交わるように配置された散乱板と、
複数の前記発光素子の光軸と交わらないように配置された、有彩色を含む背景面と、
を備え、
前記光源から発せられて、直接前記散乱板に入射する光と、前記背景面に反射されてから前記散乱板に入射する光とを前記散乱板から取り出す、
照明装置。
前記光源が、複数の前記発光素子としての色温度が5000Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である発光素子から構成される第1の発光領域、複数の前記発光素子としての色温度が6500Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である発光素子から構成される第2の発光領域、及び複数の前記発光素子としての色温度が3000Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である発光素子から構成される第3の発光領域、のうちの少なくとも1つを有し、
前記光源が、前記第1の発光領域、前記第2の発光領域、及び前記第3の発光領域のうちの2つ以上を有する場合は、それらが前記散乱板の前記基板に対する最大傾斜方向に直交する方向に並び、かつそれらがそれぞれ独立して発光することができる、
請求項1に記載の照明装置。
前記背景面が、背景色が白色であって、前記第3の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなる領域、背景色が白色であって、前記第2の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域、又は背景色が白色であって、前記第3の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなり、前記第2の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域を有する、
請求項4に記載の照明装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載された装置のような従来の照明装置は、いずれも光の色やスペクトルを調整したり、光の動きを太陽光に似せたりなど、光源の特性にのみ着目したものであり、太陽光を模した照明装置として使用するには、屋外での開放感や、日光を浴びたとき、見たときの心理的、生理的効果は低い。
【0006】
本発明の目的は、従来の照明装置よりも、より太陽光らしさを感じることのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[7]の発光装置を提供する。
【0008】
[1]基板上に配置された、色温度が2000〜9000Kの範囲内の色温度を有する太陽光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が10以下である複数の発光素子から構成される面状の光源と、複数の前記発光素子の光軸と斜めに交わるように配置された散乱板と、複数の前記発光素子の光軸と交わらないように配置された、有彩色を含む背景面と、を備え、前記光源から発せられて、直接前記散乱板に入射する光と、前記背景面に反射されてから前記散乱板に入射する光とを前記散乱板から取り出す、照明装置。
【0009】
[2]前記光源が、複数の前記発光素子としての色温度が5000Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である発光素子から構成される第1の発光領域、複数の前記発光素子としての色温度が6500Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である発光素子から構成される第2の発光領域、及び複数の前記発光素子としての色温度が3000Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である発光素子から構成される第3の発光領域、のうちの少なくとも1つを有し、前記光源が、前記第1の発光領域、前記第2の発光領域、及び前記第3の発光領域のうちの2つ以上を有する場合は、それらが前記散乱板の前記基板に対する最大傾斜方向に直交する方向に並び、かつそれらがそれぞれ独立して発光することができる、上記[1]に記載の照明装置。
【0010】
[3]前記光源が前記第1の発光領域、前記第2の発光領域、又は前記第1の発光領域と前記第2の発光領域から構成される場合は、前記背景面が青色を前記有彩色として含み、前記光源が前記第3の発光領域から構成される場合は、前記背景面がオレンジ色を前記有彩色として含み、前記光源が前記第1の発光領域と前記第3の発光領域、前記第2の発光領域と前記第3の発光領域、又は前記第1の発光領域と前記第2の発光領域と前記第3の発光領域から構成される場合は、前記背景面が青色、オレンジ色、又は青色とオレンジ色を前記有彩色として含む、上記[2]に記載の照明装置。
【0011】
[4]前記光源が、前記第1の発光領域、前記第2の発光領域、及び前記第3の発光領域を有し、前記第1の発光領域と前記第2の発光領域と前記第3の発光領域とが、前記第1の発光領域が前記第2の発光領域と前記第3の発光領域との間に位置するように並ぶ、上記[3]に記載の照明装置。
【0012】
[5]前記背景面が、背景色が白色であって、前記第3の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなる領域、背景色が白色であって、前記第2の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域、又は背景色が白色であって、前記第3の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなり、前記第2の発光領域から離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域を有する、上記[4]に記載の照明装置。
【0013】
[6]前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域が、前記第3の発光領域よりも発光面積が小さく、発光強度が大きい、上記[2]〜[5]のいずれか1項に記載の照明装置。
【0014】
[7]前記第1の発光領域が、前記第2の発光領域よりも発光強度が大きい、上記[6]に記載の照明装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の照明装置よりも、より太陽光らしさを感じることのできる照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施の形態〕
(照明装置の構成)
図1は、実施の形態に係る照明装置1の斜視図である。
図2は、実施の形態に係る照明装置1の垂直断面図である。
【0018】
照明装置1は、基板10上に配置された、複数の発光素子から構成される面状の光源11と、光源11を構成する複数の発光素子の光軸Lと斜めに交わるように配置された散乱板15と、光軸Lと交わらないように配置された、有彩色を含む背景面13と、を備えた照明装置であって、光源11から発せられて、直接散乱板15に入射する光と、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光とを散乱板15から取り出す照明装置である。
【0019】
照明装置1においては、光源11から発せられて、直接散乱板15に入射する光により、太陽を表現し、光源11から発せられて、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、空を表現することができる。
【0020】
光源11を構成する発光素子は、色温度が2000〜9000Kの範囲内の色温度を有する太陽光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が10以下、好ましくは5以下である発光素子である。光源11を構成する複数の発光素子は、光軸を揃えて基板10上に配置される。光源11を構成する複数の発光素子は、典型的にはLEDチップやレーザーダイオードチップと蛍光体とを含む発光素子である。
【0021】
演色評価数Rf、Rgは、北米照明学会(IES)によって定められた光の演色性の新しい評価方法「TM−30−15」において用いられる演色評価数である。
【0022】
Rfは色の忠実度を表すパラメータであり、99種の色についての試験により得られるため、平均演色評価数Raよりも高い精度で色の忠実度を評価することができる。Rfの上限は100であり、100に近いほどテスト光の色が基準光(太陽光等)の色に近いことを示す。
【0023】
Rgは従来の評価方法にはなかった色の鮮やかさを表すパラメータである。Rgが100に近いほど、テスト光の色の鮮やかさが基準光(太陽光等)の色の鮮やかさに近いことを示す。Rgは100より小さい値も大きい値もとり得る。
【0024】
光源11が、色温度の異なる複数の発光領域を有する場合、それらは散乱板15の基板10に対する最大傾斜方向(傾斜角が最大になる方向)に直交する方向に並ぶ。また、異なる複数の発光領域には独立して電源が供給され、それらを独立して発光させることができる。
【0025】
光源11は、例えば、色温度が5000Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である、昼頃の太陽の光に近い光を発する複数の発光素子から構成される第1の発光領域、色温度が6500Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である、朝方の太陽の光に近い光を発する複数の発光素子から構成される第2の発光領域、及び色温度が3000Kの光を基準光としたときの演色評価数Rf、Rgの100からの差が5以下である、夕方の太陽の光に近い光を発する複数の発光素子から構成される第3の発光領域、のうちの少なくとも1つを有する。
【0026】
光源11が第1の発光領域、第2の発光領域、及び第3の発光領域のうちの2つ以上の領域を有する場合、それらには独立して電源が供給され、それらを独立して発光させることができる。光源11は、第2の発光領域のみを発光させることにより、朝方の太陽の光を模した光を発することができ、第1の発光領域のみを発光させることにより、昼頃の太陽の光を模した光を発することができ、第3の発光領域のみを発光させることにより、夕方の太陽の光を模した光を発することができる。例えば、第2の発光領域、第1の発光領域、第3の発光領域を順次発光させることにより、太陽の移ろいを表現することができる。
【0027】
また、光源11が第1の発光領域と第2の発光領域の少なくともいずれか一方と、第3の発光領域とを有する場合、第1の発光領域及び前記第2の発光領域が、第3の発光領域よりも発光面積が小さく、発光強度が大きいことが好ましい。これにより、第1の発光領域と第2の発光領域により、朝〜昼頃の直射日光を表現し、第3の発光領域により、夕方の広がりのある太陽光を表現することができる。また、光源11が第1の発光領域と第2の発光領域を有する場合、第1の発光領域の発光強度を、第2の発光領域の発光強度よりも大きくして、昼頃の太陽光の強さを強調して表現することができる。
【0028】
光源11の各発光領域の発光強度を調整するために、例えば、発光素子の配置密度を変えることができる。例えば、第1の発光領域と第2の発光領域の発光素子の配置密度を第3の発光領域の発光素子の配置密度よりも高くして、第1の発光領域及び前記第2の発光領域の発光強度を第3の発光領域の発光強度よりも高くすることができる。また、光源11の各発光領域の発光面積は、発光素子の配置される領域の広さによって変わる。例えば、発光領域の発光強度を変えずに発光面積を変えたい場合は、発光素子の個数を増加させて、配置密度を変えずに配置領域を広げる。
【0029】
背景面13は、光源11が第1の発光領域、第2の発光領域、又は第1の発光領域と第2の発光領域から構成される場合は、青色を有彩色として含む。青色は、第1の発光領域及び第2の発光領域の発する光(青みがかった白色光)の色と同系の有彩色である。これにより、光源11から発せられて、直接散乱板15に入射する光により、朝〜昼頃の太陽を表現し、光源11から発せられて、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、朝〜昼頃の空を表現することができる。
【0030】
背景面13は、光源11が第3の発光領域から構成される場合は、オレンジ色を有彩色として含む。オレンジ色は、第3の発光領域の発する光(赤みがかった白色光)の色と同系の有彩色である。これにより、光源11から発せられて、直接散乱板15に入射する光により、夕方の太陽を表現し、光源11から発せられて、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、夕方の空を表現することができる。
【0031】
また、背景面13は、光源11が第1の発光領域と第3の発光領域、第2の発光領域と第3の発光領域、又は第1の発光領域と第2の発光領域と第3の発光領域から構成される場合は、青色、オレンジ色、又は青色とオレンジ色を有彩色として含む。
【0032】
背景面13が有彩色として青色を含む場合は、第1の発光領域又は第2の発光領域が発光したときに、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、朝〜昼頃の空を表現することができる。
【0033】
また、背景面13が有彩色としてオレンジ色を含む場合は、第3の発光領域が発光したときに、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、夕方頃の空を表現することができる。
【0034】
また、背景面13が有彩色として青色とオレンジ色を含む場合は、第1の発光領域又は第2の発光領域が発光したときに、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、朝〜昼頃の空を表現することができ、第3の発光領域が発光したときに、背景面13に反射されてから散乱板15に入射する光により、夕方頃の空を表現することができる。
【0035】
なお、本実施の形態において、「青色」とは、マンセル色相環におけるBG〜B〜PBの色を表すものとし、「オレンジ色」とは、YRの色を表すものとする。
【0036】
背景面13は、基板12の一方の面に設けられている。背景面13は、基板12の表面に印刷、描画等された紙等を貼り付けたものであってもよいし、基板12の表面に直接印刷、描画等したものであってもよい。また、背景面13は、基板12の表面の全面に設けられてもよいし、基板12の表面の背景面13の周りに余白(白色の領域)があってもよい。
【0037】
拡散板15は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の無色の材料からなり、表面に凹凸を有する構成や内部にビーズ等の光拡散材を含む構成、凹凸を表面に有するフィルム(拡散フィルム)が重ねられた構成等により、光を拡散する性質を有する。光源11から発せられた光は、拡散光として拡散板15から取り出される。拡散板15は、例えば、拡散板15を囲む枠14により保持される。
【0038】
拡散板15は、上述のように、光源11を構成する複数の発光素子(第1の発光素子、第2の発光素子、及び第3の発光素子)の光軸Lと斜めに交わるように配置される。拡散板15を光軸Lと垂直に交わるように配置した場合は、発光素子の配置が視認し易くなる等、照明装置1から発せられる光の見え方が自然光から遠くなる。
【0039】
照明装置1から発せられる光の見え方を自然光に近づけるためには、拡散板15の面と光軸Lとの角度が30°以上60°以下の範囲にあることが好ましい。また、拡散板15は、太陽を模した光と、その周囲の空を発光表示するため、光源11よりも広い(面積が大きい)ことが好ましい。
【0040】
図3は、第1の発光領域11a、第2の発光領域11b、第3の発光領域11cを有する場合の光源11の構成を概略的に示す平面図である。第1の発光領域11aと第2の発光領域11bと第3の発光領域11cとは、散乱板15の基板10に対する最大傾斜方向に直交する方向Dに並んでいる。
【0041】
第1の発光領域11a及び第2の発光領域11bの方向Dに平行な方向の幅は、第3の発光領域11cの方向Dに平行な方向の幅よりも狭く、第1の発光領域11a、第2の発光領域11b、及び第3の発光領域11cの方向Dに直交する方向の幅は等しい。このため、第1の発光領域11a及び第2の発光領域11bの発光面積は、第3の発光領域11cの発光面積よりも小さい。
【0042】
また、第1の発光領域11aにおける第1の発光素子の配置密度は、第2の発光領域11bにおける第2の発光素子の配置密度と同等か、それよりも大きく、第2の発光領域11bにおける第2の発光素子の配置密度は、第3の発光領域11cにおける第3の発光素子の配置密度よりも大きい。このため、第1の発光領域11aの発光強度は第2の発光領域11bの発光強度と同等か、それよりも大きく、第2の発光領域11bの発光強度は第3の発光領域11cの発光強度よりも大きい。
【0043】
図4(a)〜(c)は、光源11が第1の発光領域11a、第2の発光領域11b、第3の発光領域11cを有する場合の、背景面13の正面から見た照明装置1の平面図である。なお、
図4(a)〜(c)においては、枠14及び拡散板15の図示を省略している。
【0044】
光源11が
図3に示されるような構成を有する場合、背景面13が、背景色が白色であって、第3の発光領域11cから離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなる領域を有することが好ましい。
図4(a)に示される矢印Aは、段階的に青色が濃くなる第3の発光領域11cから離れた領域から近い領域に向かう方向の一例を示す。
【0045】
例えば、長方形の背景面13の、第3の発光領域11cから最も離れた角(
図4に示される背景面13の右下角)から第3の発光領域11cに最も近い角(
図4に示される背景面13の左上角)に向かって青色が濃くなるようなグラデーションが形成されている場合、背景面13が、第3の発光領域11cから離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなる領域を有する。
【0046】
このような場合、第3の発光領域11cから離れた領域は、青色が薄いため、第3の発光領域11cが発光したときに照明装置1の発光色にほとんど影響を与えない。一方で、第3の発光領域11cに近い領域は、青色が濃いが、第3の発光領域11cが発光したときにはその強い光によってほとんど視認されない。
【0047】
すなわち、第1の発光領域11a又は第2の発光領域11bが発光したときには、背景面13により朝〜昼頃の空を表現することができ、一方で、第3の発光領域11cが発光したときには、第3の発光領域11cが表現する夕方の太陽光に合わない青色が照明装置1の発光色に混ざることを抑制できる。
【0048】
また、光源11が
図3に示されるような構成を有する場合、背景面13が、背景色が白色であって、第2の発光領域11bから離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域を有してもよい。
図4(b)に示される矢印Bは、段階的にオレンジ色が濃くなる第2の発光領域11bから離れた領域から近い領域に向かう方向の一例を示す。
【0049】
例えば、長方形の背景面13の、第2の発光領域11bから最も離れた角(
図4に示される背景面13の左下角)から第2の発光領域11bに最も近い角(
図4に示される背景面13の右上角)に向かってオレンジ色が濃くなるようなグラデーションが形成されている場合、背景面13が、第2の発光領域11bから離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域を有する。
【0050】
このような場合、第1の発光領域11a及び第2の発光領域11bから離れた領域は、オレンジ色が薄いため、第1の発光領域11a又は第2の発光領域11bが発光したときに照明装置1の発光色にほとんど影響を与えない。一方で、第1の発光領域11a及び第2の発光領域11bに近い領域は、オレンジ色が濃いが、第1の発光領域11a又は第2の発光領域11bが発光したときにはその強い光によってほとんど視認されない。
【0051】
すなわち、第3の発光領域11cが発光したときには、背景面13により夕方頃の空を表現することができ、一方で、第1の発光領域11a又は第2の発光領域11bが発光したときには、第1の発光領域11a及び第2の発光領域11bが表現する朝〜昼頃の太陽光に合わないオレンジ色が照明装置1の発光色に混ざることを抑制できる。
【0052】
また、光源11が
図3に示されるような構成を有する場合、背景面13が、背景色が白色であって、第3の発光領域11cから離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなり、第2の発光領域11bから離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域を有してもよい。
図4(c)に示される矢印Aは、段階的に青色が濃くなる第3の発光領域11cから離れた領域から近い領域に向かう方向の一例を示し、矢印Bは、段階的にオレンジ色が濃くなる第2の発光領域11bから離れた領域から近い領域に向かう方向の一例を示す。
【0053】
この場合は、上述の理由により、第1の発光領域11a又は第2の発光領域11bが発光したときには、背景面13により朝〜昼頃の空を表現することができ、かつ、第1の発光領域11a又は第2の発光領域11bが表現する朝〜昼頃の太陽光に合わないオレンジ色が照明装置1の発光色に混ざることを抑制できる。また、第3の発光領域11cが発光したときには、背景面13により夕方頃の空を表現することができ、かつ、第3の発光領域11cが表現する夕方の太陽光に合わない青色が照明装置1の発光色に混ざることを抑制できる。
【0054】
図5(a)、(b)は、照明装置1の動作時における拡散板15上の光の分布を模式的に示す平面図である。
図5(a)、(b)は、照明装置1が
図4(c)に示されるような構成、すなわち、光源11が第1の発光領域11a、第2の発光領域11b、第3の発光領域11cを有し、背景面13が、第3の発光領域11cから離れた領域から近い領域に向かって段階的に青色が濃くなり、第2の発光領域11bから離れた領域から近い領域に向かって段階的にオレンジ色が濃くなる領域を有する構成を有する場合の拡散板15上の光の分布を示している。
【0055】
図5(a)は、光源11の第2の発光領域11bが発光しているときの拡散板15上の光の分布を示している。領域R
1は、第2の発光領域11bに近い、最も輝度の高い領域であり、朝方の太陽を模している。領域R
3は、第2の発光領域11bから離れた、背景面13で反射された青色の光を比較的多く含む低輝度の領域であり、青空を模している。領域R
1と領域R
3の中間に位置する領域R
2は、領域R
1と領域R
3の中間の輝度、色を有する。
【0056】
図5(b)は、光源11の第3の発光領域11cが発光しているときの拡散板15から発せられる光の分布を示している。領域R
4は、第3の発光領域11cに近い、最も輝度の高い領域であり、夕方の太陽を模している。領域R
6は、第3の発光領域11cから離れた、背景面13で反射されたオレンジ色の光を比較的多く含む低輝度の領域であり、夕空を模している。領域R
4と領域R
6の中間に位置する領域R
5は、領域R
4と領域R
6の中間の輝度、色を有する。
【0057】
また、第2の発光領域11bが第3の発光領域11cよりも発光面積が小さく、発光強度が大きいため、朝方の太陽を模した領域R
1の光は夕方の太陽を模した領域R
4の光よりも範囲が狭く、かつ輝度が高い。
【0058】
照明装置1は、例えば、車両室内の天井、サンルーフ等の搭乗者の頭上に設置したり、建物室内の天井や壁に設置したりすることができる。このような場合、例えば、拡散板15を保持する枠14が天井や壁の面に嵌め込まれる様に、天井や壁の内部に設置される。照明装置1の設置角度は用途や設置場所によって適宜設定される。
【0059】
図6は、照明装置1が車両室内の搭乗者の頭上に設置される場合の照明装置1の設置角度の例を示す概念図である。
図6の例では、散乱板15の面が水平に近くなるように照明装置1が設置されている。
【0060】
(実施の形態の効果)
上記の実施の形態によれば、従来の照明装置よりも、より太陽光らしさを感じることのできる照明装置を提供することができる。上記の実施の形態に係る照明装置によれば、太陽光と空を表現することにより、屋外での開放感や、日光を浴びたときや見たときの感覚に近い感覚を得ることができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、背景面に、青色、オレンジ色以外の有彩色を用いて空を表現してもよい。
【0062】
また、上記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。