【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、以下に示す本発明によって解決できる。
【0015】
[1]非線形項を一つ以上含む非線形計画問題を解く非線形計画問題の求解方法であって、
前記非線形項に含まれる一部の項または数式を新たな変数として定め、前記非線形計画問題の記述を変更し、前記新たな変数を一次元以上のベクトル変数として定義する変数のベクトル化ステップと、
前記ベクトル変数の初期解を複数個作成するベクトル変数の初期解作成ステップと、
前記新たな変数として定めた前記非線形項に含まれる一部の項または数式と前記複数の初期解から前記非線形計画問題を線形変数を用いた複数の線形計画問題として定式化する線形計画問題の定式化ステップと、
該線形計画問題の定式化ステップで定式化された複数の線形計画問題の解をそれぞれ求める線形計画問題の求解ステップと、
該線形計画問題の求解ステップで求められた、複数個の前記ベクトル変数の解それぞれに対する目的関数を評価し、前記ベクトル変数の解を改変する、ベクトル変数の解改変ステップと、
ベクトル変数の解を複数のグループに分け、各グループ内でその後の計算に用いるベクトル変数の解を取捨選択する、計算高速化のためのベクトル変数の解の取捨選択ステップと、を有し、
前記ベクトル変数の解改変ステップで改変されたそれぞれの前記ベクトル変数の解を用いて、前記線形計画問題の定式化ステップ、前記線形計画問題の求解ステップ、および前記ベクトル変数の解改変ステップを繰り返して、前記非線形計画問題を求解し、
前記繰り返しの途中で、ベクトル変数の解改変ステップの後に、適宜にベクトル変数の解の取捨選択ステップを行ってから前記線形計画問題の定式化ステップを行うことで前記非線形計画問題の求解を高速化することを特徴とする非線形計画問題の求解方法。
[2]上記[1]に記載の非線形計画問題の求解方法において、
前記ベクトル変数の解改変ステップは、前記目的関数の最小化または最大化を志向しつつ実行可能な前記ベクトル変数を探索することを特徴とする非線形計画問題の求解方法。
[3]上記[1]または[2]に記載の非線形計画問題の求解方法を実行することを特徴としたコンピュータプログラム。
[4]上記[3]に記載のコンピュータプログラムを記録し読み取り可能としたことを特徴とする記録媒体。
[5]非線形項を一つ以上含む非線形計画問題を解く非線形計画問題の求解装置であって、
対象とする変数、目的関数、制約条件、計画期間、終了条件、ベクトル変数の初期解の個数といった入力データを取り込む入力データの取り込み手段と、
該入力データの取り込み手段で取り込んだ入力データをもとに、前記非線形計画問題の最適解を得る非線形計画問題の求解手段と、
前記最適解を計画結果として出力する計画の出力手段とを具備し、
前記非線形計画問題の求解手段では、
前記非線形項に含まれる一部の項または数式を新たな変数として定め、前記非線形計画問題の記述を変更し、前記新たな変数を一次元以上のベクトル変数として定義する変数のベクトル化処理と、
前記ベクトル変数の初期解を複数個作成するベクトル変数の初期解作成処理と、
前記新たな変数として定めた前記非線形項に含まれる一部の項または数式と前記複数の初期解から前記非線形計画問題を線形変数を用いた複数の線形計画問題として定式化する線形計画問題の定式化処理と、
該線形計画問題の定式化処理で定式化された複数の線形計画問題の解をそれぞれ求める線形計画問題の求解処理と、
該線形計画問題の求解処理で求められた、複数個の前記ベクトル変数の解それぞれに対する目的関数を評価し、前記ベクトル変数の解を改変する、ベクトル変数の解改変処理と、を行い、
該ベクトル変数の解改変処理で改変されたそれぞれの前記ベクトル変数の解を用いて、前記線形計画問題の定式化処理、前記線形計画問題の求解処理、および前記ベクトル変数の解改変処理を繰り返して、前記非線形計画問題の最適解を求解し、
前記繰り返しの途中で、ベクトル変数の解改変処理の後に、
適宜に、ベクトル変数の解を複数のグループに分け、各グループ内でその後の計算に用いるベクトル変数の解を取捨選択する、計算高速化のためのベクトル変数の解の取捨選択処理を行ってから、前記線形計画問題の定式化処理を行うことで前記非線形計画問題の最適解の求解を高速化することを特徴とする非線形計画問題の求解装置。
[6]上記[5]に記載の非線形計画問題の求解装置において、
前記ベクトル変数の解改変処理は、前記目的関数の最小化または最大化を志向しつつ実行可能な前記ベクトル変数を探索することを特徴とする非線形計画問題の求解装置。
【0016】
[7]制約条件を満たした上で目的関数が最適となる原材料の配合割合を計画する配合計画の作成方法であって、
前記配合計画は、非線形項を一つ以上含む非線形計画問題で表されるものであり、
配合計画の作成に必要な入力データを取り込む入力データの取り込みステップと、
該入力データの取り込みステップで取り込んだ前記非線形項に含まれる一部の項または数式を新たな変数として定め、前記非線形計画問題の記述を変更し、前記新たな変数を一次元以上のベクトル変数として定義する変数のベクトル化ステップと、
前記ベクトル変数の初期解を複数個作成するベクトル変数の初期解作成ステップと、
前記新たな変数として定めた前記非線形項に含まれる一部の項または数式と前記複数の初期解から前記非線形計画問題を線形変数を用いた複数の線形計画問題として定式化する線形計画問題の定式化ステップと、
該線形計画問題の定式化ステップで定式化された複数の線形計画問題の解をそれぞれ求める線形計画問題の求解ステップと、
該線形計画問題の求解ステップで求められた、複数個の前記ベクトル変数の解それぞれに対する目的関数を評価し、前記ベクトル変数の解を改変する、ベクトル変数の解改変ステップと、
ベクトル変数の解を複数のグループに分け、各グループ内でその後の計算に用いるベクトル変数の解を取捨選択する、計算高速化のためのベクトル変数の解の取捨選択ステップと、を有し、
前記ベクトル変数の解改変ステップで改変されたそれぞれの前記ベクトル変数の解を用いて、前記線形計画問題の定式化ステップ、前記線形計画問題の求解ステップ、および前記ベクトル変数の解改変ステップを繰り返して、前記非線形計画問題を求解し、
前記繰り返しの途中で、ベクトル変数の解改変ステップの後に、適宜にベクトル変数の解の取捨選択ステップを行ってから前記線形計画問題の定式化ステップを行うことで前記非線形計画問題の求解を高速化することを特徴とする配合計画の作成方法。
[8]上記[7]に記載の配合計画の作成方法において、
前記ベクトル変数の解改変ステップは、前記目的関数の最小化または最大化を志向しつつ実行可能な前記ベクトル変数を探索することを特徴とする配合計画の作成方法。
[9]上記[7]または[8]に記載の配合計画の作成方法を実行することを特徴としたコンピュータプログラム。
[10]上記[9]に記載のコンピュータプログラムを記録し読み取り可能としたことを特徴とする記録媒体。
[11]上記[7]または[8]に記載の配合計画の作成方法によって作成された配合計画に基づいて、配合操業を行うことを特徴とする配合操業方法。
[12]制約条件を満たした上で目的関数が最適となる原材料の配合割合を計画する配合計画の作成装置であって、
前記配合計画は、非線形項を一つ以上含む非線形計画問題で表されるものであり、
配合計画の作成に必要な入力データを取り込む入力データの取り込み部と、
該入力データの取り込み部で取り込んだ入力データをもとに、前記非線形計画問題の最適解を得る非線形計画問題の求解部と、
前記最適解を計画結果として出力する計画の出力部とを具備し、
前記非線形計画問題の求解部では、
非線形項に含まれる一部の項または数式を新たな変数として定め、前記非線形計画問題の記述を変更し、前記新たな変数を一次元以上のベクトル変数として定義する変数のベクトル化処理と、
前記ベクトル変数の初期解を複数個作成するベクトル変数の初期解作成処理と、
前記新たな変数として定めた前記非線形項に含まれる一部の項または数式と前記複数の初期解から前記非線形計画問題を線形変数を用いた複数の線形計画問題として定式化する線形計画問題の定式化処理と、
該線形計画問題の定式化処理で定式化された複数の線形計画問題の解をそれぞれ求める線形計画問題の求解処理と、
該線形計画問題の求解処理で求められた、複数個の前記ベクトル変数の解それぞれに対する目的関数を評価し、前記ベクトル変数の解を改変する、ベクトル変数の解改変処理と、を行い、
該ベクトル変数の解改変処理で改変されたそれぞれの前記ベクトル変数の解を用いて、前記線形計画問題の定式化処理、前記線形計画問題の求解処理、および前記ベクトル変数の解改変処理を繰り返して、前記非線形計画問題を求解し、
前記繰り返しの途中で、ベクトル変数の解改変処理の後に、
適宜に、ベクトル変数の解を複数のグループに分け、各グループ内でその後の計算に用いるベクトル変数の解を取捨選択する、計算高速化のためのベクトル変数の解の取捨選択処理を行ってから、前記線形計画問題の定式化処理を行うことで前記非線形計画問題の求解を高速化することを特徴とする配合計画の作成装置。
[13]上記[12]に記載の配合計画の作成装置において、
前記ベクトル変数の解改変処理は、前記目的関数の最小化または最大化を志向しつつ実行可能な前記ベクトル変数を探索することを特徴とする配合計画の作成装置。
【0017】
また、上記[1]に記載の非線形計画問題の求解方法は、好適には以下の態様を有する。
非線形項を制約条件および/または目的関数に一つ以上含む非線形計画問題を解く非線形計画問題の求解方法であって、
前記非線形項に含まれる一部の項または数式を一つ以上の新たな変数として定めるとともに、前記非線形計画問題の記述式を該新たな変数により変更し、前記一つ以上の新たな変数を一次元以上のベクトル変数として定義する変数のベクトル化ステップと、
前記ベクトル変数の初期解を複数個作成するベクトル変数の初期解作成ステップと、
前記非線形項に含まれる一部の項または数式の新たな変数への置き換えを制約式として追加し、前記ベクトル変数の複数の解それぞれを前記変更された非線形計画問題の記述式に代入して、線形変数を用いた複数の線形計画問題として定式化する線形計画問題の定式化ステップと、
該線形計画問題の定式化ステップで定式化された複数の線形計画問題の解をそれぞれ求める線形計画問題の求解ステップと、
該線形計画問題の求解ステップで求められた、複数個の前記ベクトル変数の解それぞれに対する目的関数を評価し、前記ベクトル変数の解を改変する、ベクトル変数の解改変ステップと、
ベクトル変数の解を複数のグループに分け、各グループ内でその後の計算に用いるベクトル変数の解を取捨選択する、計算高速化のためのベクトル変数の解の選択ステップと、を有し、
前記ベクトル変数の解改変ステップで改変されたそれぞれの前記ベクトル変数の解を用いて、前記線形計画問題の定式化ステップ、前記線形計画問題の求解ステップ、および前記ベクトル変数の解改変ステップを繰り返して、前記非線形計画問題を求解し、
前記繰り返しの途中で、ベクトル変数の解改変ステップの後に、適宜にベクトル変数の解の取捨選択ステップを行ってから前記線形計画問題の定式化ステップを行うことで前記非線形計画問題の求解を高速化することを特徴とする非線形計画問題の求解方法。