特許第6806045号(P6806045)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806045
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/03 20060101AFI20201221BHJP
   B65G 57/16 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   B65G57/03 G
   B65G57/16
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-237137(P2017-237137)
(22)【出願日】2017年12月11日
(65)【公開番号】特開2019-104571(P2019-104571A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】浮須 賢一
(72)【発明者】
【氏名】倉山 淳
(72)【発明者】
【氏名】西原 定孝
【審査官】 宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−108868(JP,A)
【文献】 特開2003−094367(JP,A)
【文献】 特開2011−183537(JP,A)
【文献】 特開2011−083882(JP,A)
【文献】 特開2014−210310(JP,A)
【文献】 特開2015−043175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137、47/90、57/00−57/32、59/02
B25J 15/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する物品を第二容器から第一容器に移載する移載装置と、前記移載装置を制御する制御装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記第二容器内の前記物品を撮像する撮像装置と、前記撮像装置による撮像情報に基づいて前記第二容器内の前記物品の存在を認識すると共に存在を認識した前記物品の種類を判別する判別部と、を備え、
前記移載装置により保持する前記物品の第一保持位置が前記物品の種類毎に設定され、
前記制御装置は、前記判別部によって認識され且つ種類が判別された前記物品に対して実行する移載制御と、前記判別部によって認識されたものの種類が判別されていない前記物品に対して実行する置き直し制御と、を実行し、
前記移載制御では、前記第二容器に収容されている前記物品の前記第一保持位置を保持して当該物品を前記第一容器に移載するように前記移載装置を制御し、
前記置き直し制御では、前記第二容器に収容されている前記物品における前記移載装置によって保持可能な第二保持位置を判別し、前記第二保持位置を保持して前記物品を前記第二容器内で移動させるように前記移載装置を制御する物品搬送設備。
【請求項2】
前記第二容器内における前記物品を支持する支持面と平行状態となっている領域である平行領域を検出する領域検出部を更に備え、
前記制御装置は、前記置き直し制御において、前記領域検出部の情報に基づいて、前記平行領域に前記物品を移動させる請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第二容器に収容されている前記物品に、前記判別部によって種類が判別された前記物品と前記判別部によって種類が判別されない前記物品とが存在する場合に、前記判別部によって種類が判別された前記物品を優先的に前記第一容器に移載するように前記移載装置を制御する請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第二容器内の各部分の高さを検出する高さ検出部を更に備え、
前記第二容器は、前記物品を支持する支持面を備え、
前記判別部は、前記第二容器内における前記支持面より高いことが検出された領域を前記物品が存在している存在領域と認識すると共に、前記存在領域において種類を判別できた前記物品が存在している第一領域以外の第二領域が存在する場合は、前記第二領域に、種類を判別できない前記物品が存在していると判別する請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記第一保持位置は、前記物品の重心に対応する位置であり、
前記第二保持位置は、前記撮像情報に基づいて前記第二容器内の前記物品が存在していると認識された領域内の任意の位置である請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性を有する物品を第二容器から第一容器に移載する移載装置を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備の従来例が、特開2015−039767号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の物品搬送設備は、移載装置(ピッキングロボットP)によって複数種類の物品を容器に移載している。このような物品搬送設備では、撮像装置によって第二容器内を撮像し、その撮像装置の撮像情報に基づいて第二容器に収容されている物品の存在を認識すると共に物品の種類を認識し、物品における認識した種類に応じた位置を移載装置によって保持して移載する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−039767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移載装置によって複数種類の物品を移載する場合、第二容器に収容されている物品の種類に応じて予め設定された位置を保持して移載するが、物品が柔軟性を有するものである場合等には、第二容器の中において適正な形状とは異なる形状となっている場合があった。そのため、撮像装置の撮像情報に基づいて、第二容器に収容されている物品の種類を認識できない場合もあった。この場合、移載装置によって物品を保持できないと判断して物品搬送設備を一旦停止させ、作業者が第二容器内の物品を適正な形状に修正した後に、移載装置による移載を再開する場合があり、移載装置による移載を効率よく行えない場合がある。
【0005】
そこで、移載装置による物品の移載を効率よく行える物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、物品搬送設備の特徴構成は、柔軟性を有する物品を第二容器から第一容器に移載する移載装置と、前記移載装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第二容器内の前記物品を撮像する撮像装置と、前記撮像装置による撮像情報に基づいて前記第二容器内の前記物品の存在を認識すると共に存在を認識した前記物品の種類を判別する判別部と、を備え、前記移載装置により保持する前記物品の第一保持位置が前記物品の種類毎に設定され、前記制御装置は、前記判別部によって認識され且つ種類が判別された前記物品に対して実行する移載制御と、前記判別部によって認識されたものの種類が判別されていない前記物品に対して実行する置き直し制御と、を実行し、前記移載制御では、前記第二容器に収容されている前記物品の前記第一保持位置を保持して当該物品を前記第一容器に移載するように前記移載装置を制御し、前記置き直し制御では、前記第二容器に収容されている前記物品における前記移載装置によって保持可能な第二保持位置を判別し、前記第二保持位置を保持して前記物品を前記第二容器内で移動させるように前記移載装置を制御する。
【0007】
この構成によれば、判別部によって種類が判別された物品については、移載制御を実行することで、移載装置によって第二容器から第一容器に物品を移載することができる。このように物品を移載する場合は、物品における予め設定されている第一保持位置を移載装置によって保持した状態で移載するため、物品を適切に第二容器から第一容器に移載し易い。
また、判別部によって種類が判別されていない物品については、置き直し制御を実行することで、移載装置によって第二容器内で物品を移動させる。このように第二容器内で物品を移動させることで、柔軟性を有する物品の姿勢が変わることが期待できる。そのため、置き直し制御によって移動させた後の物品について判別部によって種類を判別される場合があり、判別部によって種類が判別された物品は、移載制御を実行することで適切に第二容器から第一容器に移載することができる。
このように、判別部によって種類が判別されていない物品についても、置き直し制御を実行することで、物品搬送設備を停止させることなく、移載装置による物品の移載を継続して行うことができるため、移載装置による物品の移載を効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】物品の斜視図
図3】制御ブロック図
図4】第二容器内に判別物品と判別不可物品とが存在する状態を示す図
図5】移載装置によって判断不可物品を保持した状態を示す図
図6】判断不可物品を平行領域に移動させた状態を示す図
図7】第二容器内に判別物品と判別不可物品とが存在する状態を示す図
図8】移載装置によって判断不可物品を保持した状態を示す図
図9】判断不可物品を平行領域に移動させた状態を示す図
図10】移載装置によって判断不可物品を保持した状態を示す図
図11】判断不可物品を平行領域に移動させた状態を示す図
図12】移載装置によって判断不可物品を保持した状態を示す図
図13】判断不可物品を平行領域に移動させた状態を示す図
図14】積載制御のフローチャート
図15】移載収容制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態
物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品積載設備は、第一容器C1を搬送する第一搬送装置1と、第二容器C2を搬送する第二搬送装置2と、第二容器C2に収容されている物品Wを第一容器C1に移載して物品Wを第一容器C1に収容する移載装置3と、第二容器C2を保管する自動倉庫4と、が備えられている。
【0010】
(自動倉庫)
図1に示すように、自動倉庫4には、収納棚6と搬送台車7と中継コンベヤ8とリフト装置9とが備えられている。
収納棚6は、間隔を開けた状態で一対設置されており、各収納棚6には、上下方向に並ぶ状態で棚板11が複数備えられている。収納棚6は、棚板11上に第二容器C2を支持した状態で第二容器C2を収納する。搬送台車7は、一対の収納棚6の間を収納棚6に沿って走行して第二容器C2を搬送する。
【0011】
中継コンベヤ8として、収納棚6に第二容器C2を入庫するときに用いる入庫用の中継コンベヤ8と、収納棚6から第二容器C2を出庫するときに用いる出庫用の中継コンベヤ8と、が備えられている。これら一対の中継コンベヤ8は、収納棚6における棚板11の段数に応じて上下方向に並ぶ状態で複数組備えられている。リフト装置9として、入庫用のリフト装置9と出庫用のリフト装置9とが備えられている。これら一対のリフト装置9には、コンベヤが備えられており、入庫用のリフト装置9は、第二搬送装置2か第二容器C2を受け、第二搬送装置2に第二容器C2を渡すことができるように構成されており、出庫用のリフト装置9は、出庫用の中継コンベヤ8から第二容器C2を受け、第二搬送装置2に第二容器C2を渡すことができるように構成されている。
【0012】
自動倉庫4は、収納棚6に収納されている第二容器C2を、搬送台車7、中継コンベヤ8、リフト装置9により出庫用位置P3に搬送して、当該第二容器C2を自動倉庫4から出庫する。また、入庫用位置P4に位置する第二容器C2を、リフト装置9、中継コンベヤ8、搬送台車7により収納棚6に搬送して、第二容器C2を自動倉庫4に入庫する。
【0013】
(第一搬送装置及び第二搬送装置)
第一搬送装置1は、ローラコンベヤ等のコンベヤにより構成されており、第一容器C1を一方向に搬送する。第一搬送装置1の搬送経路の途中に第一位置P1が設定されている。第一搬送装置1は、図外の搬送元から第一位置P1に第一容器C1を搬送し、当該第一容器C1を第一位置P1から図外の搬送先に搬送する。第一搬送装置1により第一位置P1に搬送される第一容器C1には物品Wは収容されていないが、第一搬送装置1により第一位置P1から搬送される第一容器C1には移載装置3により移載された物品Wが収容されている。
【0014】
第二搬送装置2は、ローラコンベヤ等のコンベヤにより構成されており、第二容器C2を一方向に搬送する。第二搬送装置2の搬送経路の上流側の端部に出庫用位置P3が設定され、第二搬送装置2の搬送経路の下流側の端部に入庫用位置P4が設定されている。また、第二搬送装置2の搬送経路の途中に第二位置P2が設定されている。第二搬送装置2は、出庫用位置P3から第二位置P2に第二容器C2を搬送し、当該第二容器C2を第二位置P2から入庫用位置P4に搬送する。第二搬送装置2により第二位置P2に搬送される第二容器C2には物品Wが1つ以上収容されており、1つの第二容器C2に収容されている物品Wは同じ種類の物品Wである。
【0015】
つまり、搬送設備では、空の第一容器C1が第一搬送装置1により第一位置P1に搬送され、物品Wを収容した第二容器C2が自動倉庫4から出庫されると共に当該出庫された第二容器C2が第二搬送装置2により第二位置P2に搬送される。
そして、移載装置3は、第二位置P2に位置する第二容器C2から物品Wを取り出し、その取り出した物品Wを第一位置P1に位置する第一容器C1に収容するようにして、物品Wを第二容器C2から第一容器C1に移載する。取り出すべき物品Wが全て取り出された第二容器C2は、第二搬送装置2により第二位置P2から搬送されて自動倉庫4に入庫される。収容すべき物品Wを全て収容した第一容器C1は、第一搬送装置1により第一位置P1から搬送される。以下、第二位置P2に搬送された第二容器C2に収容されている物品Wのうち、第一容器C1に移載する対象となる物品Wを移載対象の物品Wと称する。
【0016】
(容器)
図4に示すように、第二容器C2は、物品Wを下方から支持する矩形状の支持部13と、支持部13の外縁を形成する4辺の夫々から立ち上がる側壁部14と、を備えて、上面が開口する箱状に形成されている。そして、第二容器C2は、物品Wを支持する支持面13Aを備えており、この支持面13Aは、支持部13の上面により形成されている。第二容器C2における支持面13Aに沿う方向を並び方向Yとし、並び方向Yに対して直交する方向を積層方向Xとして、第二容器C2は、支持面13A上に、並び方向Y及び積層方向Xに並べた状態で物品Wを収容可能な大きさに形成されている。なお、図示は省略するが、図4から図13における紙面に直交する方向も支持面13Aに沿う並び方向Yである。第一容器C1は、第二容器C2と同様に、上面が開口する箱状に形成されているため、説明は省略する。
本実施形態では、第一容器C1として、段ボール箱を用いており、第二容器C2として、折り畳み可能なコンテナを用いている。
【0017】
(物品)
図2に示すように、物品Wは、包装体Bに収容物Gを収容したものである。物品Wには、複数種類あり、互いに異なる種類の物品Wは、包装体Bと収容物Gとのうちの少なくとも一方が異なる。本実施形態では、包装体Bは、例えば合成樹脂製の柔軟性が高い袋や紙製の柔軟性が低い箱であり、収容物Gとしては、服、靴下、スリッパ、サングラス等の衣装や装飾品である。つまり、物品Wには、図2に示すように、袋状の包装体Bに収容物Gとして服を収容した物品Wや、厚紙製の包装体Bに収容物Gとしてスリッパを収容した物品等がある。
また、物品Wには、包装体Bに収容した収容物Gが比較的破損し難い物品W(例えば、収容物Gとして服を収容した物品W)と、包装体Bに収容した収容物Gが比較的破損し易い物品W(例えば、収容物Gとしてサングラスを収容した物品W)と、がある。
【0018】
また、包装体Bとして柔軟性が高い袋を用いると共に収容物Gとして柔軟性が高い服を用いた物品Wでは、比較的、型崩れし易く柔軟性が高い。これに対して、包装体Bとして柔軟性が低い厚紙製の箱を用いた物品Wや、収容物Gと共に柔軟性が低い板紙を包装体Bに収容している物品Wでは、比較的、型崩れし難く柔軟性が低い。このように、物品搬送設備には、柔軟性を有する物品Wがあり、移載装置3は、柔軟性を有する物品Wや柔軟性を有しない物品Wを第二容器C2から第一容器C1に移載する。
【0019】
また、物品Wには、図2に示すように包装体Bに通気孔Eが形成されている物品Wや、包装体Bに通気孔Eが形成されていない物品Wがある。また、包装体Bに通気孔Eが形成されている物品Wでも、通気孔Eの大きさや数が異なる場合がある。更に、物品Wは、上述の如く種類によって柔軟性が異なる場合がある。そのため、移載装置3によって物品Wを保持して持ち上げた際に、物品Wが型崩れし易く通気孔Eから包装体B内に空気が入り易い物品Wと、物品Wが型崩れしないため、或いは、物品Wは型崩れするものの通気孔Eがない又は小さいために包装体B内に空気が入り難い物品Wと、がある。
【0020】
(移載装置)
図5及び図6に示すように、移載装置3は、多関節のアーム16と、そのアーム16の先端に支持された吸着パッド17と、を備えており、吸着パッド17によって物品Wの上面を吸着した状態で支持できるように構成されている。そして、移載装置3は、第二位置P2に位置する第二容器C2に収容されている物品Wの上面を吸着パッド17によって吸着して保持し、その後、物品Wを第二容器C2から取り出して第一位置P1に位置する第一容器C1に収容した後、吸着パッド17による物品Wに対する吸着を解除して、物品Wを第二容器C2から第一容器C1に移載する。このように、移載装置3は、物品Wの上面となる包装体Bの上面を保持した状態で物品Wを第一容器C1に移載する。尚、物品Wの上面とは、物品Wを第一容器C1や第二容器C2に収容した状態で上方を向く方向であり、上方は積層方向Xの一方向である。
【0021】
移載装置3には、本実施形態では、図6及び図9等に示す吸着パッド17が支持面13Aに対向する状態で、並び方向Yに並ぶ状態で複数の吸着パッド17が備えられている。そして、移載装置3は、物品Wの種類、特に物品Wの上面に応じて、複数の吸着パッド17の一部又は全部を選択して、選択した吸着パッド17によって物品Wを吸着して支持する。
【0022】
(制御装置)
図3に示すように、搬送設備には、第一搬送装置1、第二搬送装置2、移載装置3及び自動倉庫4を制御する制御装置Hが備えられている。
物品Wは、種類ごとに異なる物品コードが割り当てられている。制御装置Hには、物品コードと物品情報とが関連付けて記憶されている。物品情報は、物品Wの長さ、幅、高さ、重量、パターン情報、及び重心位置等を示す情報である。
【0023】
制御装置Hに記憶された物品情報の中の「重心位置」を示す情報として、上下方向視における物品Wの重心の位置を示す情報が示されている。ここで、上下方向視とは、物品Wを第一容器C1や第二容器C2に収容した状態においては積層方向X視と同じであり、上下方向は、第一容器C1や第二容器C2の支持面13Aと直交する方向となる。
制御装置Hは、移載装置3によって物品Wを保持する場合、物品Wの上面における重心に対応する位置(第一保持位置)を吸着パッド17によって上方から吸着して物品Wを保持する。具体的には、第一容器C1や第二容器C2に収容されている物品Wを吸着パッド17によって保持している状態において、並び方向Yに並んでいる複数の吸着パッド17のうち、並び方向Yの一方側に位置する吸着パッド17のその一方側の端部から、並び方向Yの他方側に位置する吸着パッド17のその他方側の端部までの間に、物品Wの重心位置するように、物品Wを保持する。
このように、制御装置Hには、物品Wの重心位置を示す情報が、種類ごとに異なる物品コードに対応付けた状態で記憶されており、物品Wの重心位置に対応する第一保持位置が、物品Wの種類毎に設定されている。尚、第一保持位置は、移載装置3により保持する物品Wの位置である。
【0024】
また、制御装置Hには、自動倉庫4に保管されている第二容器C2の収納位置情報と、その第二容器C2に収容されている物品Wの商品コードとが関連付けて記憶されている。
更に、制御装置Hには、複数の出荷先からオーダー情報を受信する。オーダー情報には、物品Wの種類ごとに各別に設定された商品コードを示すコード情報と、コード情報により示された各商品コードに対応する種類の物品Wの個数を示す個数情報と、が含まれている。
【0025】
また、制御装置Hは、第一撮像装置21の撮像情報と第二撮像装置22の撮像情報とを受信する。第一撮像装置21は、第一位置P1に位置する第一容器C1及び第一容器C1に収容されている物品Wを撮像可能に設置されている。第一撮像装置21は、第一位置P1に位置する第一容器C1及び第一容器C1の上面に形成されている開口からその第一容器C1に収容されている物品Wを撮像可能に設置されている。第二撮像装置22は、第二位置P2に位置する第二容器C2及び第二容器C2の上面に形成されている開口からその第二容器C2に収容されている物品Wを撮像可能に設置されている。尚、第二撮像装置22が、第二容器C2内の物品Wを撮像する撮像装置に相当する。
制御装置Hは、第二撮像装置22の撮像情報に基づいて、第二位置P2に位置する第二容器C2内の物品Wの存在を認識すると共に存在を認識した物品Wの種類を判別する。説明を加えると、制御装置Hは、第二撮像装置22の撮像情報に基づいて、第二容器C2における支持面13Aより高い領域を検出し、その支持面13Aより高い領域に物品Wが存在していると判別する。また、制御装置Hは、パターン情報に基づいて、支持面13Aより高い領域に対してパターンマッチング等の画像処理を行い、存在している物品Wの種類を判別する。このように、制御装置Hは、第二容器C2内の物品Wの存在を認識すると共に存在を認識した物品Wの種類を判別する判別部24としての機能を備えている。
制御装置Hは、第一撮像装置21の撮像情報に基づいて、第一位置P1に位置する第一容器C1に収容されている物品Wの姿勢及び位置を判別し、配列情報が示す配列通りに物品Wが第一容器C1に収容されているか否かを判別する。
【0026】
第二撮像装置22は、ステレオカメラにより構成されており、制御装置Hは、第二撮像装置22の撮像情報に基づいて、第二容器C2の支持部13及び側壁部14の高さを判別すると共に、第二容器C2内の物品Wの高さを判別可能に構成されている。また、制御装置Hは、第二撮像装置22の撮像情報に基づいて、第二容器C2内における支持面13Aと平行状態となっている領域である平行領域A3を判別可能に構成されている。
尚、制御装置Hと第二撮像装置22とにより、平行領域A3を検出する領域検出部25や、第二容器C2内の各部分の高さを検出する高さ検出部26が構成されている。また、平行状態とは、支持面13Aに対して平行のみならず支持面13Aに対して多少(数度程度)傾いている状態も含まれる。
【0027】
図14に示すように、制御装置Hは、物品振分制御、配列設定制御、搬送移載制御の順に実行する。物品振分制御は、オーダー情報により示されている移載対象の物品Wを積載するための第一容器C1の個数を設定する制御である。配列設定制御は、1つの第一容器C1に収容する1つ又は複数の移載対象のWの夫々についての物品Wの第一容器C1に対する配列を設定すると共に、第一容器C1に配列通りに積み重ねる順序である物品順序を設定する制御である。搬送移載制御は、設定した配列と物品順序とに基づいて、配列が示す姿勢及び位置に物品順序が示す順序で移載対象の物品Wを第一容器C1に移載するように、第一搬送装置1、第二搬送装置2及び移載装置3を制御する。
【0028】
(物品振分制御)
物品振分制御では、オーダー情報に示される移載対象の物品Wを収容する第一容器C1の個数を設定する。
具体的には、オーダー情報により示される移載対象の物品Wの体積及び個数に応じて、1つの第一容器C1に収容される物品Wの総体積が、収容する第一容器C1の設定容積以下になるように収容する。ちなみに、本実施形態では、設定容積は、第一容器C1の収容可能容積の60%に設定されており、オーダー情報にて示される移載対象の物品Wの総体積が、第一容器C1の収容可能容積の60%以下の場合は、移載対象の物品Wは1つの第一容器C1に収容可能として、第一容器C1の個数として1が設定される。オーダー情報にて示される移載対象の物品Wの総体積が、第一容器C1の収容可能容積の60%を超える場合は、各第一容器C1に収容される物品Wの体積の合計が収容可能容積の60%以下となるように、第一容器C1の個数として2以上が設定される。
【0029】
(配列設定制御)
配列設定制御では、1つの第一容器C1に収容する1つ又は複数の物品Wについて、設定高さまでに収まるように、第一容器C1に対する姿勢及び位置を示す配列を設定する。そして、配列設定制御では、設定した配列通りに物品Wを積み重ねることができるように、第一容器C1に物品Wを積み重ねる順序である物品順序を設定する。
【0030】
(搬送移載制御)
搬送移載制御では、第一搬送制御、第二搬送制御及び移載収容制御を実行することで、1つ又は複数の第二容器C2から1つの第一容器C1に、1つ又は複数の物品Wが収容される。この際、1つの第一容器C1には、オーダー情報にて示される移載対象の物品Wの全てが移載されて、配列情報が示す配列で収容される。
第二搬送制御では、第二容器C2を収納棚6から第二位置P2に搬送し、第二位置P2において第二容器C2に収容されている移載対象の物品Wの全てが移載装置3により取り出された後、当該第二容器C2を第二位置P2から収納棚6に搬送するように、第二搬送装置2及び自動倉庫4を制御する。
また、第一搬送制御では、空の第一容器C1を外部から第一位置P1に搬送し、第一位置P1の第一容器C1に収容すべき移載対象の物品Wの全てが移載装置3により収容された後、当該第一容器C1を第一位置P1から外部に搬送するように、第一搬送装置1を制御する。
また、移載収容制御では、第二位置P2の第二容器C2に収容されている移載対象の物品Wを取り出して、配列情報が示す配列で第一位置P1の第一容器C1に収容するように、移載装置3を制御する。
【0031】
(移載収容制御)
次に、移載収容制御について説明する。
移載収容制御では、物品判別制御と、平行領域検出制御と、移載制御と、置き直し制御と、を実行する。
物品判別制御では、第二撮像装置22の撮像情報に基づいて、第二位置P2に位置する第二容器C2内の物品Wの存在を認識すると共に存在を認識した物品Wの種類を判別する。説明を加えると、物品判別制御では、第二容器C2内における支持面13Aより高いことが検出された領域を物品Wが存在している存在領域A1,A2と認識すると共に、存在領域A1,A2において物品Wの種類を判別できた領域を第一領域A1とし、その第一領域A1以外の第二領域A2が存在する場合は、第二領域A2に、種類を判別できない物品Wが存在していると判別する。尚、「種類を判別できない」とは、パターンマッチング等の画像処理により、物品Wの外形は認識できたが物品Wの種類を判別できない場合の他、物品Wの外形を認識できないために物品Wの種類を判別できない場合も含む。
【0032】
物品判別制御では、まず、第二容器C2及び第二容器C2内を撮像して第二容器C2及び第二容器C2内の高さ(図4図7図10において、太線で表している高さ)を検出する。このとき、第二容器C2の側壁部14の高さに相当する高さを検出した領域より内側の領域を、第二容器C2内の領域として、第二容器C2内の領域の高さを検出する。そして、第二容器C2内において、支持面13Aより高い領域を、物品Wが存在している領域A1,A2として、画像処理によって物品Wの種類を判別することを試みる。図4図7に示すように、段積みされた物品Wの内の最上段の物品Wにおいて他の物品Wが覆っていない物品Wについては、物品Wの種類が判別できる判別物品W1となる。これに対して、図4図7及び図10に示すように、第二容器C2に対する適切な姿勢から大きく異なる姿勢の物品Wや、他の物品Wによって一部が覆われている物品W、については、物品Wの種類が判別できない判別不可物品W2となる。
判別物品W1が存在する領域を第一領域A1と判別し、第一領域A1以外の領域を、判別不可物品W2が存在する第二領域A2と判別する。
【0033】
平行領域検出制御は、第二容器C2内における支持面13Aと平行な平行領域A3を検出する。つまり、平行領域検出制御では、支持面13Aが撮像された領域や、支持面13Aと平行な物品Wの上面が存在する領域を、平行領域A3として判別する。このとき、物品Wの上面によって形成されている平行領域A3が高さ違いで複数ある場合、移載装置3によって保持しようとする物品Wが存在する平行領域A3との段差が、対象の第二容器C2に収容されている種類の物品Wの厚みと同じ又は小さい場合は、連続する1つの平行領域A3として判別する。
【0034】
移載制御は、判別部24によって認識され且つ種類が判別された物品Wに対して実行する制御であり、置き直し制御は、判別部24によって認識されたものの種類が判別されていない物品Wに対して実行する制御である。
移載制御では、第二容器C2に収容されている物品Wの第一保持位置を保持して当該物品Wを第一容器C1に移載するように移載装置3を制御する。
置き直し制御では、第二容器C2に収容されている物品Wにおける移載装置3によって保持可能な第二保持位置を判別し、第二保持位置を保持して物品Wを第二容器内で移動させて平行領域A3に移動させるように移載装置3を制御する。置き直し制御による物品Wの移動について説明を加えると、物品Wの第二保持位置を吸着パッド17によって吸着し、その吸着パッド17を上昇させて物品Wを持ち上げ、吸着パッド17を並び方向Yに沿って移動させて物品Wを平行領域A3の真上まで移動させた後、吸着パッド17を平行領域A3の上面に対して物品Wの厚みと同じ高さまで下降させるようにして物品Wを平行領域A3に置くように移動させ、その後、吸着パッド17による物品Wに対する吸着を解除する。
【0035】
第二保持位置は、第二撮像装置22によって撮像された撮像情報に基づいて第二容器C2内の物品Wが存在していると認識された領域内の任意の位置とすることができる。本実施形態では、移載装置3の吸着パッド17によって吸着することができる位置を第二保持位置とすると良い。より好ましくは、判別不可物品W2における第二撮像装置22によって撮像された平坦な領域において最も広い保持領域A4を判別し、その保持領域A4の中央に対応する位置を第二保持位置に設定すると良い。
また、制御装置Hは、保持領域A4の広さに基づいて、複数の吸着パッド17から物品Wを保持する1つ又は2つ以上の吸着パッド17を選択する。保持領域A4の広さが1つの吸着パッド17によって吸着できない広さの場合や、物品Wの重量が選択した数の吸着パッド17によって吸着した場合に持ち上げられない重量の場合は、保持不可能な物品Wとし判別でき、このような物品Wでない場合は、保持可能な物品Wと判別できる。ここで、保持不可能な物品Wと判別された場合は、制御装置Hは、置き直し制御を実行できないと判定する。
【0036】
制御装置Hは、第二容器C2に収容されている物品Wに、判別部24によって種類が判別された物品Wと判別部24によって種類が判別されない物品Wとが存在する場合に、判別部24によって種類が判別された物品Wを優先的に第一容器C1に移載するように移載装置3を制御する。
つまり、図7に示すように第二容器C2に物品Wが収容されている場合は、図7において第二容器C2の左側に段積みされている物品群の最上段の物品Wが、物品Wの種類が判別されているため、この物品Wがまず移載される。そして、この最上段の物品Wが移載されると、上から二段目であった物品W(新たな最上段の物品W)の種類を判別できるようになるため、この物品Wが次に移載される。このように、左側に段積みされた物品群が全て移載された後は、第二容器C2内に種類を判別できた物品Wは存在しなくなり、種類を判別できない物品Wのみが残る。このような状況では、種類を判別できない物品Wの内の最も高い位置にある物品Wについて、上方を向く保持領域A4を保持して移動させるように、置き直し制御を実行する。
【0037】
移載収容制御について、図15に示すフローチャートに基づいて説明を加える。
第二容器C2に収容されている物品Wに、種類を判別できた物品Wが存在する場合は、その物品Wを移載対象の物品Wに選択し、移載制御を実行することで、当該移載対象の物品Wを第一容器C1に移載する(S1〜S3)。
第二容器C2に収容されている物品Wに、種類を判別できた物品Wは存在しないが、種類を判別できない物品Wが存在する場合は、平行領域検出制御を実行して平行領域A3を判別した後、置き直し制御を実行して判別不可物品W2を平行領域A3に移動させる(S1,S2,S4〜S7)。
【0038】
第二容器C2から移載すべき物品Wの全ての移載が完了した場合は(S9)、移載収容制御を終了する。
第二容器C2から移載すべき物品Wの全ての移載が完了していない場合において、第二容器C2に存在するはずの物品Wが存在しない場合(判別物品W1と判別不可物品W2との双方が第二容器C2に存在しない場合)や、第二容器C2に物品Wが存在しているが、その物品Wが保持不可能な物品Wであって置き直し制御を実行することができない場合は、警報等を作動させてエラーを報知する(S4,S5,S8)。
【0039】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0040】
(1)上記実施形態では、置き直し制御において、領域検出部25の検出情報に基づいて、平行領域A3に物品Wを移動させたが、置き直し制御において、第二容器C2内における上下方向視で予め設定した置き直し位置に物品Wを移動させてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、第二容器C2に収容されている物品Wに、判別物品W1と判別不可物品W2とが存在している場合に、判別不可物品W2を置き直すよりも優先的に判別物品W1を第一容器C1に移載した。しかしこれに限定されず、第二容器C2に収容されている物品Wに、判別物品W1と判別不可物品W2とが存在している場合において、判別物品W1を第一容器C1に移載しなくても置き直すことができる判別不可物品W2が存在する場合は、判別物品W1を第一容器C1に移載するよりも優先的に判別不可物品W2を置き直してもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では、第一保持位置を、物品Wの重心に対応する位置としたが、第一保持位置は適宜変更してもよく、例えば、第一保持位置を、上下方向視で物品Wの中央に対応する位置としてもよい。
【0043】
(4)上記実施形態では、置き直し制御において、吸着パッド17を平行領域A3の上面に対して物品Wの厚みと同じ高さまで下降させるようにして物品Wを平行領域A3に移動させて、物品Wを平行領域A3に置くようにして移動させたが、置き直し制御において、物品Wを平行領域A3の真上まで移動させた後、吸着パッド17による物品Wに対する吸着を解除することで、物品Wを平行領域A3に落とすようにして移動させてもよい。
【0044】
(5)上記実施形態では、第一容器C1として、段ボール箱を用いたが、第一容器C1として、折り畳み可能なコンテナを用いてもよい。また、第一容器C1として段ボール箱を用いる場合、段ボール箱の側面が内側に折り畳み可能で側面の高さを変更可能(容量を変更可能)な段ボール箱を用いてもよい。
【0045】
(6)上記実施形態では、1つの第二容器C2に収容されている物品Wは同じ種類の物品Wであり、1つの第二容器C2には1種類の物品Wを収容したが、1つの第二容器C2に2種類以上の物品Wを収容してもよい。また、第二容器C2に、第二容器C2内の空間を複数の領域に仕切る仕切りを備えてもよく、上述のように1つの第二容器C2に2種類以上の物品Wを収容する場合に、異なる種類の物品Wを異なる領域に収容するようにしてもよい。
【0046】
(7)上記実施形態では、収容物Gを衣装や装飾品としたが、収容物Gを、食品や日用品等、衣装や装飾品以外であってもよい。
【0047】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0048】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送設備の概要について説明する。
【0049】
物品搬送設備は、柔軟性を有する物品を第二容器から第一容器に移載する移載装置と、前記移載装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第二容器内の前記物品を撮像する撮像装置と、前記撮像装置による撮像情報に基づいて前記第二容器内の前記物品の存在を認識すると共に存在を認識した前記物品の種類を判別する判別部と、を備え、前記移載装置により保持する前記物品の第一保持位置が前記物品の種類毎に設定され、前記制御装置は、前記判別部によって認識され且つ種類が判別された前記物品に対して実行する移載制御と、前記判別部によって認識されたものの種類が判別されていない前記物品に対して実行する置き直し制御と、を実行し、前記移載制御では、前記第二容器に収容されている前記物品の前記第一保持位置を保持して当該物品を前記第一容器に移載するように前記移載装置を制御し、前記置き直し制御では、前記第二容器に収容されている前記物品における前記移載装置によって保持可能な第二保持位置を判別し、前記第二保持位置を保持して前記物品を前記第二容器内で移動させるように前記移載装置を制御する。
【0050】
この構成によれば、判別部によって種類が判別された物品については、移載制御を実行することで、移載装置によって第二容器から第一容器に物品を移載することができる。このように物品を移載する場合は、物品における予め設定されている第一保持位置を移載装置によって保持した状態で移載するため、物品を適切に第二容器から第一容器に移載し易い。
また、判別部によって種類が判別されていない物品については、置き直し制御を実行することで、移載装置によって第二容器内で物品を移動させる。このように第二容器内で物品を移動させることで、柔軟性を有する物品の姿勢が変わることが期待できる。そのため、置き直し制御によって移動させた後の物品について判別部によって種類を判別される場合があり、判別部によって種類が判別された物品は、移載制御を実行することで適切に第二容器から第一容器に移載することができる。
このように、判別部によって種類が判別されていない物品についても、置き直し制御を実行することで、物品搬送設備を停止させることなく、移載装置による物品の移載を継続して行うことができるため、移載装置による物品の移載を効率よく行える。
【0051】
ここで、前記第二容器内における前記物品を支持する支持面と平行状態となっている領域である平行領域を検出する領域検出部を更に備え、前記制御装置は、前記置き直し制御において、前記領域検出部の情報に基づいて、前記平行領域に前記物品を移動させると好適である。
【0052】
この構成によれば、置き直し制御では、判別部によって種類が判別されていない物品は、領域検出部によって検出された支持面と平行な平行領域に移動させる。このため、置き直し制御によって平行領域に移動した物品は、前記判別部によって種類を判別するのに適した姿勢になり易く、置き直し制御を実行した後に、判別部によって物品の種類を判別できる可能性を高めることができる。
【0053】
また、前記制御装置は、前記第二容器に収容されている前記物品に、前記判別部によって種類が判別された前記物品と前記判別部によって種類が判別されない前記物品とが存在する場合に、前記判別部によって種類が判別された前記物品を優先的に前記第一容器に移載するように前記移載装置を制御すると好適である。
【0054】
この構成によれば、種類が判別された物品を優先的に第一容器に移載することで、種類が判別されていない物品の周囲から種類が判別された他の物品が取り除くことができる。そのため、判別部によって種類を判別し易くなると共に、置き直し制御によって物品を移動させて前記判別部によって種類を判別するのに適した姿勢にすることが容易となる。
【0055】
ここで、前記第二容器内の各部分の高さを検出する高さ検出部を更に備え、前記第二容器は、前記物品を支持する支持面を備え、前記判別部は、前記第二容器内における前記支持面より高いことが検出された領域を前記物品が存在している存在領域と認識すると共に、前記存在領域において種類を判別できた前記物品が存在している第一領域以外の第二領域が存在する場合は、前記第二領域に、種類を判別できない前記物品が存在していると判別すると好適である。
【0056】
この構成によれば、高さ検出部によって第二容器内における物品の有無を認識することができるので、判別部によって物品の種類が判別できない場合であっても、物品の存在自体を認識できない状態となる可能性を低く抑えることができる。従って、置き直し制御を適切に実行することができ、その結果、移載装置による物品の移載を効率よく行える。
【0057】
また、前記第一保持位置は、前記物品の重心に対応する位置であり、前記第二保持位置は、前記撮像情報に基づいて前記第二容器内の前記物品が存在していると認識された領域内の任意の位置であると好適である。
【0058】
この構成によれば、判別部によって種類を判別できた物品については、物品の重心に対応する第一保持位置を保持することで移載装置によって安定よく保持し易い。また、判別部によって種類を判別できない物品については、前記撮像情報に基づいて前記第二容器内の前記物品が存在していると認識された領域内の任意の位置を保持することで、種類を判別できない物品であっても移載装置によって物品のいずれかの位置を保持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示に係る技術は、物品を第一容器から第二容器に移載する移載装置を備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0060】
3:移載装置
13A:支持面
22:第二撮像装置(撮像装置)
24:判別部
25:領域検出部
26:高さ検出部
A1:第一領域
A2:第二領域
A3:平行領域
C1:第一容器
C2:第二容器
H:制御装置
W:物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15