特許第6806057号(P6806057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806057
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】切断装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20201221BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20201221BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20201221BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20201221BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20201221BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20201221BHJP
【FI】
   B23K26/38 A
   B23K26/082
   H01M4/139
   H01M4/04 A
   H01G13/00 381
   H01G11/86
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-524978(P2017-524978)
(86)(22)【出願日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】JP2016068717
(87)【国際公開番号】WO2016208686
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年3月4日
(31)【優先権主張番号】特願2015-126386(P2015-126386)
(32)【優先日】2015年6月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】合田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真也
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−47638(JP,A)
【文献】 特開平8−10970(JP,A)
【文献】 特開2002−192376(JP,A)
【文献】 特開2012−221912(JP,A)
【文献】 特開2003−251481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
H01M 4/04
H01M 4/139
H01G 11/86
H01G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光によってワークを切断する切断装置であって、
パルス波のレーザ光を発振するパルス波レーザ光発振器と、
連続波のレーザ光を発振する連続波レーザ光発振器と、
を備え、
前記ワークの第1の材料からなる第1の部分を前記パルス波のレーザ光で切断し、前記ワークの前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の部分を前記連続波のレーザ光で切断し、
前記第1の部分の厚みは、前記第2の部分の厚みよりも薄く、
前記ワークは、帯状の金属箔の所定の部分に活物質層が形成された帯状電極であり、
前記第1の部分は、前記帯状電極の前記金属箔のみからなる部分であり、
前記第2の部分は、前記帯状電極の前記金属箔に前記活物質層が形成された部分である、
切断装置。
【請求項2】
前記パルス波レーザ光発振器で発振された前記パルス波のレーザ光の照射方向を前記ワークの前記第1の部分における切断箇所に沿うように変化させる第1のスキャナと、
前記連続波レーザ光発振器で発振された前記連続波のレーザ光の照射方向を前記ワークの前記第2の部分における切断箇所に沿うように変化させる第2のスキャナと、
を備える、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
レーザ光によってワークを切断する切断装置であって、
パルス波のレーザ光を発振するパルス波レーザ光発振器と、
連続波のレーザ光を発振する連続波レーザ光発振器と、
前記ワークの第1の材料からなる第1の部分を前記パルス波のレーザ光で切断するように前記パルス波のレーザ光のスポットを相対的に移動させると共に、前記ワークの前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の部分を前記連続波のレーザ光で切断するように前記連続波のレーザ光のスポットを相対的に移動させる制御装置と、
を備え、
前記第1の部分の厚みは、前記第2の部分の厚みよりも薄く、
前記ワークは、帯状の金属箔の所定の部分に活物質層が形成された帯状電極であり、
前記第1の部分は、前記帯状電極の前記金属箔のみからなる部分であり、
前記第2の部分は、前記帯状電極の前記金属箔に前記活物質層が形成された部分である、切断装置。
【請求項4】
第1のスキャナ及び第2のスキャナを備え、
前記制御装置は、前記第1のスキャナの制御により前記パルス波のレーザ光のスポットを相対移動させると共に、前記第2のスキャナの制御により前記連続波のレーザ光のスポットを相対移動させる、
請求項3に記載の切断装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1の部分と前記第2の部分との境界から前記第2の部分側に前記連続波のレーザ光の未照射領域が生じるように前記連続波のレーザ光のスポットを相対移動させると共に、前記パルス波のレーザ光が前記未照射領域に照射されるように前記パルス波のレーザ光のスポットを相対移動させる、
請求項3又は4に記載の切断装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記パルス波のレーザ光を前記未照射領域に照射するときには、前記パルス波のレーザ光を前記第1の部分に照射するときに比べて、前記パルス波のレーザ光による前記ワークへの入熱量が大きくなるように前記パルス波レーザ光発振器を制御する、
請求項5に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、レーザ光によってワークを切断する切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を用いた切断装置としては、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、帯状の金属箔に活物質層が形成された帯状電極にレーザ光を照射して切断し、電極を製造する。特に、この装置では、加工速度を高くしつつ切断品質を確保するために、レーザヘッドを移動開始した時点からの経過時間に応じて予め設定されているエネルギー強度のレーザ光をレーザヘッドから照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−221912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、1台のレーザ発振器を用いてエネルギー強度を変えることで、金属箔のみから部分と金属箔に活物質層が形成された部分とを切断している。しかし、この2つの部分は厚み等が異なっているため、1台のレーザ発振器でエネルギー強度等の切断加工条件を変えるだけでは2つの部分の切断品質をそれぞれ満たすのは困難である。
【0005】
そこで、本発明の一側面においては、ワークの複数の部分の切断品質をそれぞれ満たす切断が可能な切断装置を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る切断装置は、レーザ光によってワークを切断する切断装置であって、パルス波のレーザ光を発振するパルス波レーザ光発振器と、連続波のレーザ光を発振する連続波レーザ光発振器とを備え、ワークの第1の材料からなる第1の部分をパルス波のレーザ光で切断し、ワークの第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の部分を連続波のレーザ光で切断する。
【0007】
パルス波のレーザ光の場合、短いパルス幅の中にエネルギーを集中させた非常に高いエネルギーをワークに与えることで、熱による溶融を抑えてワークを切断できる。一方、連続波のレーザ光の場合、所定の大きさのエネルギーをワークに連続的に与えることで、熱による溶融でワークを切断できる。切断装置では、熱による溶融を抑えた切断が適した第1の部分に対してはパルス波のレーザ光で切断し、熱による溶融による切断が適した第2の部分に対しては連続波のレーザ光で切断することにより、ワークの複数の部分の切断品質をそれぞれ満たす切断が可能である。
【0008】
一実施形態の切断装置では、パルス波レーザ光発振器で発振されたパルス波のレーザ光の照射方向をワークの第1の部分における切断箇所に沿うように変化させる第1のスキャナと、連続波レーザ光発振器で発振された連続波のレーザ光の照射方向をワークの第2の部分における切断箇所に沿うように変化させる第2のスキャナとを備える構成としてもよい。
【0009】
一実施形態の切断装置では、第1の部分の厚みは第2の部分の厚みよりも薄くてもよい。特に、一実施形態の切断装置では、ワークは、帯状の金属箔の所定の部分に活物質層が形成された帯状電極であり、第1の部分は帯状電極の金属箔のみからなる部分であり、第2の部分は帯状電極の金属箔に活物質層が形成された部分である。
【0010】
本発明の一側面に係る切断装置は、レーザ光によってワークを切断する切断装置であって、パルス波のレーザ光を発振するパルス波レーザ光発振器と、連続波のレーザ光を発振する連続波レーザ光発振器と、ワークの第1の材料からなる第1の部分をパルス波のレーザ光で切断するようにパルス波のレーザ光のスポットを相対的に移動させると共に、ワークの第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の部分を連続波のレーザ光で切断するように連続波のレーザ光のスポットを相対的に移動させる制御装置と、を備える。
【0011】
パルス波のレーザ光の場合、短いパルス幅の中にエネルギーを集中させた非常に高いエネルギーをワークに与えることで、熱による溶融を抑えてワークを切断できる。一方、連続波のレーザ光の場合、所定の大きさのエネルギーをワークに連続的に与えることで、熱による溶融でワークを切断できる。切断装置では、熱による溶融を抑えた切断が適した第1の部分に対してはパルス波のレーザ光で切断し、熱による溶融による切断が適した第2の部分に対しては連続波のレーザ光で切断することにより、ワークの複数の部分の切断品質をそれぞれ満たす切断が可能である。
【0012】
一実施形態の切断装置は、第1のスキャナ及び第2のスキャナを備え、制御装置は、第1のスキャナの制御によりパルス波のレーザ光のスポットを相対移動させると共に、第2のスキャナの制御により連続波のレーザ光のスポットを相対移動させてもよい。
【0013】
一実施形態の切断装置においては、制御装置は、第1の部分と第2の部分との境界から第2の部分側に連続波のレーザ光の未照射領域が生じるように連続波のレーザ光のスポットを相対移動させると共に、パルス波のレーザ光が未照射領域に照射されるようにパルス波のレーザ光のスポットを相対移動させてもよい。この場合、制御装置は、パルス波のレーザ光を未照射領域に照射するときには、パルス波のレーザ光を第1の部分に照射するときに比べて、パルス波のレーザ光によるワークへの入熱量が大きくなるようにパルス波レーザ光発振器を制御してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、ワークの複数の部分の切断品質をそれぞれ満たす切断が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。
図2】(a)は切断前の帯状電極の平面図であり、(b)は切断後の電極の平面図である。
図3】パルス波レーザ光と連続波レーザ光のエネルギーの時間変化の一例である。
図4図2(a)の拡大図であり、境界近傍の切断を説明する図である。
図5図2(a)の拡大図であり、境界近傍の切断を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の一側面の実施形態に係る切断装置を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
一実施形態では、電池に用いられる電極の製造ラインに組み込まれ、帯状電極(ワーク)から個々の電極を切断する切断装置に適用する。この切断装置は、レーザ光によって帯状電極を切断する切断装置である。なお、製造される電極は、例えば、二次電池又は電気二重層キャパシタ等の蓄電装置に用いられる。二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。この実施形態では、リチウムイオン二次電池に用いられる電極を製造する場合とする。
【0018】
電極は、金属箔の少なくとも一面に電極ペーストが塗工されて、活物質層が形成されている。電極は、金属箔の端部に活物質層が形成されていないタブを有している。金属箔は、例えば、正極の場合にはアルミニウム箔であり、負極の場合には銅箔、ニッケル箔である。電極ペーストは、所定の粘度を有するスラリ状であり、活物質、バインダ、溶剤等を含んでいる。活物質は、正極活物質又は負極活物質である。正極活物質は、例えば、複合酸化物、硫黄系材料である。複合酸化物は、マンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとを含む。負極活物質は、例えば、黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素である。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂である。溶剤は、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)、メタノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤である。また、電極ペーストは、カーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)等の導電助剤を含んでいてもよい。また、電極ペーストは、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を含んでいてもよい。
【0019】
なお、帯状電極から電極を切断する場合、一般的に、刃具を用いた接触型の切断(打ち抜き)が行われている。この刃具による切断装置は、電極を切断する毎に帯状電極の搬送を一旦停止させるので、電極の生産効率が低下する。一方、レーザ光による切断装置は、切断中に帯状電極の搬送を停止させる必要がないので、電極の生産効率が高い。
【0020】
図1図3を参照して、一実施形態に係る切断装置1について説明する。図1は、一実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。図2(a)は切断前の帯状電極の平面図であり、図2(b)は切断後の電極の平面図である。図3はパルス波レーザ光と連続波レーザ光のエネルギーの時間変化の一例である。図3では、横軸が時間であり、縦軸がエネルギーである。
【0021】
電極を製造する場合、上記した各物質を混練して電極ペーストを生成する工程、電極ペーストを帯状の金属箔に塗工する工程、その塗工された電極ペーストを乾燥して帯状の金属箔に活物質層を形成する工程等により、図2(a)に示す帯状の金属箔Mに活物質層Aが形成された帯状電極ZEを生成する。この実施形態では、金属箔Mの少なくとも一面に連続塗工で活物質層Aが形成された帯状電極ZEとし、帯状電極ZEの幅方向において2個の電極が配置される2条取りとする。帯状電極ZEは、幅方向の各端部からそれぞれ所定の間隔(タブTの長さよりも長い間隔)をあけて幅方向の中央部に活物質層Aが塗工されている。切断工程では、切断装置1により帯状電極ZEから、図2(b)に示す電極Eを切り出す。電極を製造する場合、上記した各工程の他にもプレス、ベーク、検査等の工程もある。
【0022】
帯状電極ZE(ワーク)は、金属箔M(第1の材料)のみからなる部分(第1の部分)と、金属箔Mと活物質層A(第2の材料)からなる部分(第2の部分)とを有している。金属箔Mの厚みは、例えば、数10μmである。活物質層Aの厚みは、例えば、数100μmである。したがって、金属箔Mのみからなる部分の厚みは、金属箔Mと活物質層Aからなる部分の厚みに比べて非常に薄い。なお、図2(a)に示す帯状電極ZEには、破線により、切断装置1で切断される切断箇所を示す線CLを示している。この切断線CLは、仮想線であり、実際には線が引かれていない。
【0023】
切断装置1は、パルス波と連続波の2種類のレーザ光を用いて帯状電極ZEを切断する。特に、パルス波レーザ光PWが帯状電極ZEの金属箔Mのみからなる部分に用いられ、連続波レーザ光CWが金属箔Mと活物質層Aからなる部分に用いられる。切断装置1は、搬送中の帯状電極ZEの上方から各レーザ光PW,CWをそれぞれ照射する。また、切断装置1は、搬送方向Dにおいて連続波レーザ光CWをパルス波レーザ光PWよりも上流側で照射する。また、切断装置1は、電極Eの外形状に相当する切断線CLに沿って各レーザ光PW,CWのスポットの中心をそれぞれ移動させて照射する。特に、切断線CLのうち金属箔Mのみからなる部分にはパルス波レーザ光PWが照射され、切断線CLのうち金属箔Mと活物質層Aからなる部分には連続波レーザ光CWが照射される。切断装置1は、パルス波レーザ光発振器10と、連続波レーザ光発振器11と、スキャナ(第1のスキャナ)12と、スキャナ(第2のスキャナ)13と、制御装置14とを備えている。
【0024】
なお、帯状電極ZEは、図示しない搬送装置によって所定の速度で搬送される。この搬送装置では、例えば、帯状電極ZEが巻出ロールから送り出されて搬送され、この搬送途中の所定の箇所に切断装置1のスキャナ12,13が配置されている。搬送速度は、例えば、数m/分である。より好ましくは、搬送速度は、例えば、十数メートル/分(十m以上)である。搬送中は、帯状電極ZEに所定のテンション(張力)がかかっている。
【0025】
パルス波レーザ光発振器10は、パルス波のレーザ光PWを発振する発振器である。パルス波レーザ光発振器10は、発振したパルス波レーザ光PWをスキャナ12に出力する。パルス波レーザ光PWの波長は、例えば、1000〜1100nmである。パルス波レーザ光PWの出力は、例えば、25Wである。パルス波レーザ光発振器10では、出力を所定の範囲で変更可能である。パルス波レーザ光PWのパルス幅は、例えば、10p秒(10ピコ秒)である。パルス波レーザ光PWの繰り返し周波数は、例えば、200kHzである。パルス波レーザ光発振器10では、繰り返し周波数を所定の範囲で変更可能である。
【0026】
図3には、パルス波レーザ光PWのエネルギーの時間変化PEの一例を示している。このように、パルス波レーザ光PWは、繰り返し周波数に応じた一定時間毎に短い時間のパルス幅のエネルギーである。パルス波レーザ光PWは、この短い時間のパルス幅の中にエネルギーを集中させているので、ピークエネルギーが非常に大きくなる。パルス幅を短くしたり、出力を大きくすることで、各パルスのピークエネルギーが高くなる。パルス波レーザ光PWの場合、この非常に高いピークエネルギーにより、多光子励起が起こり易い。
【0027】
連続波レーザ光発振器11は、連続波のレーザ光CWを発振する発振器である。連続波レーザ光発振器11は、発振した連続波レーザ光CWをスキャナ13に出力する。連続波レーザ光CWの波長は、例えば、1000〜1100nmである。連続波レーザ光CWの出力は、例えば、500Wである。連続波レーザ光発振器11では、出力を所定の範囲で変更可能である。活物質層Aの厚みは金属箔Mよりも厚いので、活物質層Aを切断するためには金属箔Mよりも高い出力が必要となる。
【0028】
図3には、連続波レーザ光CWのエネルギーの時間変化CEの一例を示している。このように、連続波レーザ光CWは、連続的な所定の大きさのエネルギーである。この連続波レーザ光CWのエネルギーは、厚い活物質層Aを切断するために高いエネルギーであるが、パルス波レーザ光PWの短いパルス幅の中で集中したピークエネルギーと比べると低い。
【0029】
スキャナ12は、搬送中の帯状電極ZEに対してパルス波レーザ光PWを金属箔Mのみからなる部分の切断線CLに沿って移動させる装置である。スキャナ12は、搬送される帯状電極ZEの上方となる位置に配置され、下方の帯状電極ZEに向けてパルス波レーザ光PWを照射する。スキャナ12は、例えば、2枚のミラーと、各ミラーを異なる方向の回転軸周りに角度を変化(つまり、2枚のミラーの組み合わせで照射方向を3次元的に変更)させる2個の駆動装置と、集光レンズとを有している。スキャナ12では、各駆動装置で各ミラーの角度をそれぞれ変化させ、この2枚のミラーでパルス波レーザ光PWをそれぞれ反射させて照射方向を変化させる。各駆動装置で各ミラーの角度を変化させる速度に応じて、パルス波レーザ光PWによる切断速度が変化する。切断速度は、例えば、数m/分である。より好ましくは、切断速度は、例えば数十m/分である。切断速度は、搬送装置で搬送される帯状電極ZEの搬送速度とは独立して設定される。各駆動装置での各ミラーの角度を変化させるパターン及び変化させる速度は、搬送速度毎に予め設定され、スキャナ12に記憶されている。スキャナ12では、2枚のミラーで反射されたパルス波レーザ光PWを集光レンズに入射させ、集光レンズで集光されたパルス波レーザ光PWを搬送中の帯状電極ZEに向けて照射する。集光されたパルス波レーザ光PWのスポット径は、例えば、100μmである。
【0030】
スキャナ13は、搬送中の帯状電極ZEに対して連続波レーザ光CWを金属箔Mと活物質層Aからなる部分の切断線CLに沿って移動させる装置である。スキャナ13は、搬送される帯状電極ZEの上方となる位置に配置され、下方の帯状電極ZEに向けて連続波レーザ光CWを照射する。また、スキャナ13は、搬送方向Dにおいてスキャナ12よりも上流側に配置され、スキャナ12から照射されるパルス波レーザ光PWよりも上流側に連続波レーザ光CWを照射する。スキャナ13の構成は、スキャナ12の構成と同様の構成であり、例えば、2枚のミラーと、2個の駆動装置と、集光レンズとを有している。連続波レーザ光CWの切断速度は、例えば、数m/分である。集光された連続波レーザ光CWのスポット径は、例えば、100μmである。
【0031】
制御装置14は、切断装置1を制御する電子制御部であり、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]及びRAM[Random Access Memory]等のメモリ、入出力回路等からなる。制御装置14は、電極の製造ラインの制御装置の一機能として組み込まれてもよいしあるいは切断装置1専用の制御装置として構成されてもよい。制御装置14では、搬送装置による帯状電極ZEの搬送と同期するように、各レーザ光発振器10,11及び各スキャナ12,13を制御する。そのために、制御装置14には、搬送装置による帯状電極ZEの搬送速度の情報が入力される。搬送速度は、例えば、搬送装置の巻出ロールに設けられたロータリエンコーダで検出された検出値から算出される。搬送装置による帯状電極ZEの搬送が開始されると、制御装置14では、パルス波レーザ光発振器10でパルス波レーザ光PWを発振させると共に、連続波レーザ光発振器11で連続波レーザ光CWを発振させる。また、制御装置14では、搬送速度に応じてスキャナ12の2個の駆動装置を稼動させると共に、搬送速度に応じたスキャナ13の2個の駆動装置を稼動させる。帯状電極ZEの搬送が終了すると、制御装置14では、パルス波レーザ光発振器10、連続波レーザ光発振器11及びスキャナ12,13の各駆動装置を停止させる。
【0032】
なお、切断装置1では、帯状電極ZEに対して各レーザ光PW,CWが照射される箇所にアシストガスをそれぞれ噴き付けるようにしてもよい。また、切断装置1では、スキャナ12を搬送方向Dにおいてスキャナ13よりも上流側に配置し、スキャナ13から照射される連続波レーザ光CWよりも上流側にパルス波レーザ光PWを照射するようにしてもよい。
【0033】
切断装置1の動作について説明する。搬送装置では、所定の搬送速度で帯状電極ZEを搬送する。帯状電極ZEの搬送中、パルス波レーザ光発振器10では、パルス波レーザ光PWを発振し、パルス波レーザ光PWをスキャナ12に出力する。連続波レーザ光発振器11では、連続波レーザ光CWを発振し、連続波レーザ光CWをスキャナ13に出力する。
【0034】
スキャナ13では、帯状電極ZEの搬送に同期させて、各駆動装置で各ミラーの角度をそれぞれ変化させている。そして、スキャナ13では、入力された連続波レーザ光CWをこの2枚のミラーで順次反射させて照射方向を変化させ、この連続波レーザ光CWを集光レンズで集光して帯状電極ZEに向けて照射する。この照射された連続波レーザ光CWは、搬送中の帯状電極ZEの切断線CL(特に、活物質層Aが形成されている部分)上を移動する。
【0035】
帯状電極ZEにおいて連続波レーザ光CWが照射された箇所には、高いエネルギーが連続的に与えられる。これにより、連続波レーザ光CWが照射された箇所は、この連続的に与えられる高いエネルギーの熱によって活物質等が溶融されることで、切断される。この際、活物質等の溶融物が凝固して切断面に付着する(例えば、ダマ状のものが付着する)場合がある。このように切断面に付着物ができた場合でも、活物質層Aは厚いので、付着物の大きさが活物質層の厚み以上に大きくなることは殆どない。そのため、製造された電極(正極、負極)が電池(特に、正極と負極とをセパレータを介して積層した電池)に用いられた場合でも、この付着物がセパレータを破損させて正極と負極とを短絡させる可能性は非常に低い。したがって、連続波レーザ光CWを用いた溶融による切断であるが、帯状電極ZEにおける活物質層Aが形成されている部分の切断品質を十分に満たす。また、連続波レーザ光CWを用いた溶融による切断の場合、厚い活物質層Aを短い照射時間で切断できる。そのため、連続波レーザ光CWを用いた切断は、搬送速度及び切断速度を高い速度に設定しても、厚い活物質層Aの切断が可能である。搬送速度及び切断速度を高くすることで、電極Eの単位時間当たりの生産量が増え、生産効率が高くなる。
【0036】
スキャナ12では、帯状電極ZEの搬送に同期させて、各駆動装置で各ミラーの角度をそれぞれ変化させている。そして、スキャナ12では、入力されたパルス波レーザ光PWをこの2枚のミラーで順次反射させて照射方向を変化させ、このパルス波レーザ光PWを集光レンズで集光して帯状電極ZEに向けて照射する。パルス波レーザ光PWが照射される箇所は、搬送中の帯状電極ZEの切断線CL(特に、金属箔Mのみの部分)上を移動する。また、パルス波レーザ光PWが照射される箇所は、連続波レーザ光CWが照射される箇所よりも下流側である。したがって、パルス波レーザ光PWが照射されるときには、帯状電極ZEの活物質層Aが形成されている部分については既に切断されている。
【0037】
帯状電極ZEにおいてパルス波レーザ光PWが照射された箇所には、短いパルス幅の中にエネルギーを集中させた非常に高いエネルギーが瞬間的に与えられ、多光子励起が起こる。これにより、パルス波レーザ光PWが照射された箇所は、金属箔Mを形成している金属の分子同士の結合が切られることで、切断される。そのため、パルス波レーザ光PWを用いた切断では、溶融による切断が抑えられるので、切断面に溶融物が凝固して付着することも抑えられる。切断面に付着物ができた場合でも、その付着物の大きさは小さいので、付着物がセパレータを破損させて正極と負極とを短絡させる可能性は非常に低い。したがって、帯状電極ZEの金属箔Mのみの部分は非常に薄いが、帯状電極ZEにおける金属箔Mのみの部分の切断品質を十分に満たす。また、パルス波レーザ光PWを用いた切断の場合、金属箔Mは薄いので、金属箔Mを短い照射時間で切断できる。そのため、パルス波レーザ光PWを用いた切断も、連続波レーザ光CWを用いた切断と同様に、搬送速度及び切断速度を高い速度に設定できる。
【0038】
この切断装置1によれば、帯状電極ZEの金属箔Mのみからなる部分に対してはパルス波レーザ光PWで切断し、金属箔Mと活物質層Aからなる部分に対しては連続波レーザ光CWで切断することにより、この2つの部分の切断品質をそれぞれ満たす切断が可能である。また、この切断装置1によれば、帯状電極ZEの搬送速度及び切断速度を高い速度に設定できるので、電極Eの生産効率を向上できる。この切断装置1で切断され電極E(正極、負極)が電池に用いられた場合、電池においては電極Eの切断面の付着物が要因となる短絡を抑制できる。
【0039】
以上、本発明の一側面の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0040】
例えば、上記実施形態では帯状電極の金属箔のみからなる部分をパルス波レーザ光で切断し、金属箔と活物質層からなる部分を連続波レーザ光で切断する構成としたが、パルス波レーザ光で切断する第1の部分、連続波レーザ光で切断する第2の部分については他のものにも適用でき、例えば、活物質層を保護する保護層(例えば、セラミックを用いた保護層)を有する電極の場合、帯状電極の金属箔と保護層からなる部分及び金属箔のみからなる部分をパルス波レーザ光で切断し、金属箔と活物質層と保護層とからなる部分を連続波レーザ光で切断する構成とする。
【0041】
また、上記実施形態では幅方向において2個の電極が配置された2条取りの帯状電極に適用したが、幅方向において1個の電極が配置された1条取りの帯状電極にも適用可能である。また、上記実施形態では帯状の金属箔に連続塗工で活物質層が形成された帯状電極に適用したが、帯状の金属箔の間欠塗工で所定間隔をあけて活物質層が形成された帯状電極にも適用できる。
【0042】
また、上記実施形態では搬送中のワーク(帯状電極)側を自由に動かすことができないので、スキャナでワークの切断線に沿ってレーザ光を移動させながら照射できる切断装置に適用したが、ワーク側を動かすことが可能であるなら、ワークを切断線に応じて動かして、レーザ光を一定の箇所に照射する切断装置にも適用できる。
【0043】
ここで、上述したように、切断装置1においては、制御装置14が、パルス波レーザ光発振器10及び連続波レーザ光発振器11を制御することにより、パルス波レーザ光PW及び連続波レーザ光CWを発振させる。また、制御装置14が、スキャナ12を制御することにより、パルス波レーザ光PWのスポットを、切断線CLに沿って、帯状電極ZEに対して相対移動させる。さらに、制御装置14が、スキャナ13を制御することにより、連続波レーザ光CWのスポットを、切断線CLに沿って、帯状電極ZEに対して相対移動させる。これにより、切断装置1は、帯状電極ZEの切断を行う。
【0044】
換言すれば、切断装置1は、ワーク(帯状電極ZE)の第1の材料(金属箔M)からなる第1の部分をパルス波レーザ光PWで切断するようにパルス波レーザ光PWのスポットを相対的に移動させると共に、ワークの第1の材料と第1の材料とは異なる第2の材料(活物質層A)とからなる第2の部分を連続波レーザ光CWで切断するように連続波レーザ光CWのスポットを相対的に移動させる制御装置14を備えている。特に、制御装置14は、スキャナ12の制御によりパルス波レーザ光PWのスポットを相対移動させると共に、スキャナ13の制御により連続波レーザ光CWのスポットを相対移動させる。
【0045】
引き続いて、制御装置14が行う制御の一例について説明する。図4及び図5は、図2の(a)の拡大図に相当する。ここでは、図4(a)に示されるように、帯状電極ZEの少なくとも一部分において、第2の部分の切断線CLに沿った連続波レーザ光CWの照射(スポットの相対移動、スキャン)が行われている。したがって、帯状電極ZEの第2の部分には、切断線CLに沿って、切断が完了した領域(以下、第2の切断完了領域CLAという)が形成されている。
【0046】
このとき、連続波レーザ光CWのスポットが、第1部分と第2部分との境界BLに至らないようにする。これは、連続波レーザ光CWのスポットが境界BLを越えることにより、相対的に出力の大きな連続波レーザ光CWが第1の部分に照射されると、金属箔Mの大きなドロスが発生するおそれがあるためである。したがって、ここでは、第2の切断完了領域CLAは、第1の部分と第2の部分との境界BLに至っていない。換言すれば、第1の部分と第2の部分との境界BLから第2の部分側に、連続波レーザ光CWの未照射領域ARが切断線CLに沿って生じている。未照射領域ARは、第2の部分における境界BL側の一部分であり、例えば1mm程度である。
【0047】
このような状態において、図4の(b)に示されるように、パルス波レーザ光PWの照射(スポットの相対移動、スキャン)を行う。すなわち、切断線CLに沿ってパルス波レーザ光PWのスポットを相対移動させ、パルス波レーザ光PWのスポットを第1の部分側から境界BLに到達させる。これにより、帯状電極ZEの第1の部分には、切断線CLに沿って、切断が完了した領域(以下、第1の切断完了領域CLMという)が形成される。
【0048】
図5に示されるように、そのまま、パルス波レーザ光PWが未照射領域ARに照射されるように、切断線CLに沿って境界BLを越えてパルス波レーザ光PWのスポットを相対移動させる。そして、パルス波レーザ光PWを未照射領域ARに照射するときには、パルス波レーザ光PWを第1の部分に照射するときに比べて、パルス波レーザ光PWによる帯状電極ZEへの入熱量を大きくする。
【0049】
帯状電極ZEへの入熱量を大きくするためには、パルス波レーザ光PWの照射条件を制御する。制御の一例として、繰り返し周波数を大きくしたり、例えば3Dスキャナを用いてスポット径を小さくしたり、スポットの相対移動速度を低下させたり、複数回にわたって繰り返し照射したりすることが考えられる。或いは、これらの複数の条件を組み合わせてもよい。このようにすれば、相対的に出力の小さなパルス波レーザ光PWであっても、十分な入熱量により第2の部分を溶融させて切断することが可能である。これにより、第1の切断完了領域CLMと第2の切断完了領域CLAとがつなげられ、切断が完了する。
【0050】
なお、切断装置1においては、パルス波レーザ光PWの照射を行った後に、連続波レーザ光CWの照射を行ってもよい。すなわち、まず、切断線CLに沿ってパルス波レーザ光PWのスポットを相対移動させ、パルス波レーザ光PWのスポットを第1の部分側から境界BLに到達させる。続けて、パルス波レーザ光PWが未照射領域ARに照射されるように、切断線CLに沿って境界BLを越えてパルス波レーザ光PWのスポットを相対移動させる。これにより、まず、第1の切断完了領域CLMを形成する。
【0051】
その後、連続波レーザ光CWによる第2の切断完了領域CLAが、すでに境界BLを越えて形成されている第1の切断完了領域CLMに接続されるように、連続波レーザ光CWのスポットを切断線CLに沿って相対移動させる。切断装置1の以上の動作は、上述したように、制御装置14の制御によって実現される。
【0052】
すなわち、切断装置1においては、制御装置14は、第1の部分と第2の部分との境界BLから第2の部分側に連続波レーザ光CWの未照射領域ARが生じるように連続波レーザ光CWのスポットを相対移動させると共に、パルス波レーザ光PWが未照射領域ARに照射されるようにパルス波レーザ光PWのスポットを相対移動させる。特に、制御装置14は、パルス波レーザ光PWを未照射領域ARに照射するときには、パルス波レーザ光PWを第1の部分に照射するときに比べて、パルス波レーザ光PWによる帯状電極ZEへの入熱量が大きくなるようにパルス波レーザ光発振器10を制御する。
【0053】
切断装置1においては、以上の構成によって、第1の部分と第2の部分との境界BLの近傍において金属箔Mのドロスが発生することを抑制しながら、帯状電極ZEの切断を行うことが可能となる。
【0054】
以上の態様について、以下に付記する。
【0055】
(付記1)
レーザ光によってワークを切断する切断装置であって、
パルス波のレーザ光を発振するパルス波レーザ光発振器と、
連続波のレーザ光を発振する連続波レーザ光発振器と、
を備え、
前記ワークの第1の材料からなる第1の部分を前記パルス波のレーザ光で切断し、前記ワークの前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の部分を前記連続波のレーザ光で切断する、切断装置。
【0056】
(付記2)
前記第1の部分と前記第2の部分との境界から前記第2の部分側に前記連続波のレーザ光の未照射領域が生じるように前記連続波のレーザ光の照射を行うと共に、前記パルス波のレーザ光を前記未照射領域に照射する、
付記1に記載の切断装置。
【0057】
(付記3)
前記パルス波のレーザ光を前記未照射領域に照射するときには、前記パルス波のレーザ光を前記第1の部分に照射するときに比べて、前記パルス波のレーザ光による前記ワークへの入熱量が大きくなるようにする、
付記2に記載の切断装置。
【産業上の利用可能性】
【0058】
ワークの複数の部分の切断品質をそれぞれ満たす切断が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…切断装置、10…パルス波レーザ光発振器、11…連続波レーザ光発振器、12,13…スキャナ、14…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5