(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記従来の蓄電素子では、集電体は、集束部の両面を電極体の端部側から覆っており、集束部の一方の面側に配置された部分に形成された貫通孔において、集束部と溶接されている。このように、集電体が集束部を端部側から覆う構成であるため、蓄電容量の増加のために集束部の幅(端縁からの長さ)を短くした場合、溶接対象となる位置が集束部の端縁に近づく。このため、集束部の端縁が溶接され、スパッタが発生しやすくなるなど、蓄電素子の性能低下を引き起こすおそれがある。また、一般的に、集電体と電極体とを溶接するときに、大きなエネルギーを必要とする。このため、この場合もスパッタが発生するなどの蓄電素子の性能低下を引き起こすおそれがある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、性能低下を抑制できる蓄電素子などを提供することを目的とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、極板が積層されることで形成される電極体と、前記電極体の端部の集束部を前記端部側から覆うことなく、前記集束部の両面のうちの一方の面に溶接される第一導電部材と、を備え、前記電極体と前記第一導電部材とが溶接されている溶接部における溶接面は、前記第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置されている。
【0012】
これによれば、第一導電部材は、集束部の両面を電極体の端部側から覆うことなく、当該両面のうちの一方の面に溶接される。このため、蓄電容量の増加のために集束部の幅を短くした場合であっても、集束部における溶接対象となる位置を、集束部の端縁から離すことができる。このため、集束部の端縁を含む部分が溶接されることを抑制できる。このように、集束部の端部が溶接されることを抑制できる。
【0013】
また、電極体と第一導電部材とが溶接されている溶接部における溶接面が第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置されている。つまり、電極体と溶接面との間の間隔を短くすることができる。このため、少ないエネルギーで溶接できる。
【0014】
このように、集束部の端部が溶接されることを抑制でき、かつ、少ないエネルギーで溶接できるため、溶接時におけるスパッタの発生などを抑制でき、蓄電素子の性能低下を抑制できる。
【0015】
また、前記第一導電部材は、前記蓄電素子が備える、集電体、又は、前記電極体を挟んで前記集電体とは反対側に配置されるカバー部材であってもよい。
【0016】
これによれば、第一導電部材は、集電体又はカバー部材であるため、電極体と集電体又はカバー部材との溶接時におけるスパッタの発生を抑制できる。
【0017】
また、前記溶接部は、前記溶接面に窪みを有してもよい。
【0018】
これによれば、溶接部は、溶接面に、溶接面のうちの外周部よりも凹んだ窪みを有するため、溶接部の体積を少なくすることができる。これにより、少ないエネルギーで溶接でき、溶接時における、スパッタの発生、及び、電極体へ与えるダメージを抑制できる。
【0019】
また、前記第一導電部材は、前記溶接面の外周を囲う壁を有してもよい。
【0020】
これによれば、第一導電部材は、溶接面の外周を囲う壁を有するため、溶接面が第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置される構成であっても、溶接部の周囲の剛性を大きくできる。このため、少ないエネルギーで溶接でき、かつ、第一導電部材の溶接部の周囲の強度を確保できる。
【0021】
また、前記蓄電素子は、さらに、前記集束部を挟んで前記第一導電部材とは反対側に配置され、前記第一導電部材に向かって突出している凸部を有する第二導電部材を備え、前記凸部は、前記溶接部において溶接されていてもよい。
【0022】
これによれば、集束部を挟んで第一導電部材とは反対側に第二導電部材が配置される構成であっても、第二導電部材の、第一導電部材に向かって突出している凸部が溶接されているため、凸部に対して局所的にエネルギーを集中して溶接できる。このため、少ないエネルギーで溶接でき、スパッタの発生、及び、電極体へ与えるダメージを抑制できる。
【0023】
また、前記電極体と前記第二導電部材との間における前記凸部の周囲には、空間が形成されていてもよい。
【0024】
これによれば、電極体と第二導電部材との間における凸部の周囲には、空間が形成されているため、溶接によって発生した熱を当該空間に放出することができる。このため、電極体へ与えるダメージを抑制できる。
【0025】
また、前記第一導電部材は、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記凸部は、前記集束部とともに前記貫通孔に入り込んでいてもよい。
【0026】
これによれば、第二導電部材の凸部が集束部とともに第一導電部材の貫通孔に入り込んでいるため、集束部の、溶接される部分の周囲を傾斜させることができる。このように、集束部の溶接される部分の周囲が傾斜するため、溶接時にスパッタが発生したとしても、発生したスパッタが電極体の内部に侵入することを抑制できる。
【0027】
また、前記第一導電部材は、前記電極体の外側に配置されていてもよい。
【0028】
これによれば、溶接面は、電極体の外側に配置される部材に形成されているため、溶接するための器具を配置しやすい構造となっている。このため、電極体と集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極体と、前記電極体に溶接された第一導電部材とを備える蓄電素子であって、前記電極体と前記第一導電部材とが溶接されている溶接部における溶接面が前記第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置されており、前記溶接部は、前記溶接面に、前記溶接面のうちの外周部よりも凹んだ凹部を有する。
【0030】
これによれば、電極体と第一導電部材とが溶接されている溶接部は、溶接部における溶接面が第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置されおり、溶接面に、溶接面のうちの外周部よりもさらに凹んだ凹部を有する。このため、電極体と溶接面との間の間隔を短くすることができる。これにより、少ないエネルギーで溶接でき、スパッタの発生、及び、電極体へ与えるダメージを抑制できる。
【0031】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子は、極板が積層されることで形成される電極体と、前記電極体の端部の集束部を前記端部側から覆うことなく、前記集束部の両面のうちの一方の面に溶接される第一導電部材と、を備え、前記第一導電部材は、溶接対象位置において貫通孔が形成された薄肉部と、前記薄肉部の周囲を囲う壁とを有する。
【0032】
これによれば、電極体と溶接される第一導電部材は、溶接対象位置において貫通孔が形成された薄肉部を有するため、電極体と溶接される部分の体積を少なくできる。また、第一導電部材は、溶接面の外周を囲う壁を有するため、溶接面が第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置される構成であっても、溶接部の周囲の剛性を大きくできる。このため、少ないエネルギーで溶接でき、かつ、第一導電部材の溶接部の周囲の強度を確保できる。
【0033】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子の製造方法は、極板が積層されることで形成される電極体の端部の集束部を前記端部側から覆うことなく、前記集束部の両面のうちの一方の面に第一導電部材を配置する配置ステップと、前記配置ステップにおいて配置された前記第一導電部材の薄肉部において、前記集束部の前記一方の面に前記第一導電部材の溶接を行う溶接ステップと、を含む。
【0034】
これによれば、第一導電部材は、集束部の両面を電極体の端部側から覆うことなく、当該両面のうちの一方の面に溶接される。このため、蓄電容量の増加のために集束部の幅を短くした場合であっても、集束部における溶接対象となる位置を、集束部の端縁から離すことができる。このため、集束部の端縁を含む部分が溶接されることを抑制できる。このように、集束部の端部が溶接されることを抑制できる。
【0035】
また、前記第一導電部材は、貫通孔が形成された前記薄肉部と、前記薄肉部の周囲に形成された壁とを有し、前記溶接ステップでは、前記貫通孔の周囲の前記薄肉部において、前記溶接を行ってもよい。
【0036】
これによれば、電極体と溶接される第一導電部材は、溶接対象位置において貫通孔が形成された薄肉部を有するため、電極体と溶接される部分の体積を少なくできる。また、第一導電部材は、溶接面の外周を囲う壁を有するため、溶接面が第一導電部材の外面よりも凹んだ位置に配置される構成であっても、溶接部の周囲の剛性を大きくできる。このため、少ないエネルギーで溶接でき、かつ、第一導電部材の溶接部の周囲の強度を確保できる。
【0037】
なお、上記の第一導電部材の構成は、集電体として実現されてもよいし、カバー部材として実現されてもよい。
【0038】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態に係る構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、蓄電装置の説明のための図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
【0039】
(実施の形態)
まず、蓄電素子10の構成について、説明する。
【0040】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の外観を模式的に示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の容器100の容器本体120を分離して蓄電素子10が備える各構成要素を示す斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。なお、
図3は、容器100の容器本体120を省略して図示している。
【0041】
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。例えば、蓄電素子10は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、またはハイブリッド電気自動車(HEV)などに適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、さらに、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0042】
これらの図に示すように、蓄電素子10は、容器100と、正極端子200と、負極端子300とを備えている。また、容器100内方には、後述する正極集電体400及び負極集電体500と、電極体600と、カバー部材700、800とが収容されている。
【0043】
また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0044】
容器100は、矩形筒状で底を備える容器本体120と、容器本体120の開口を閉塞する板状部材である蓋体110とで構成されている。また、容器100は、電極体600等を内部に収容後、蓋体110と容器本体120とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、蓋体110及び容器本体120の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0045】
電極体600は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる部材である。正極は、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる長尺帯状の金属箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。また、負極は、銅や銅合金などからなる長尺帯状の金属箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。また、セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートである。
【0046】
ここで、正極活物質層に用いられる正極活物質、または負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質または負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
【0047】
そして、電極体600は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻芯610(
図6参照)に巻き回されて形成されている。具体的には、電極体600は、正極と負極とが、セパレータを介して、巻回軸(本実施の形態ではX軸方向に平行な仮想軸)の方向に互いにずらして巻回されている。つまり、電極体600は、巻回型の電極体である。なお、同図では、電極体600の形状としては長円形状を示したが、円形状または楕円形状でもよい。また、電極体600の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した形状でもよい。
【0048】
なお、電極体600は、巻回軸方向の両端に、正極側の集束部601と負極側の集束部602とを有している。集束部601及び集束部602は、電極体600の正極及び負極がそれぞれのずらされた方向に突出している端縁部であり、活物質が塗工されず基材層が露出した(活物質層が形成されていない)部分(活物質層非形成部)である。つまり、集束部601は、正極の活物質層非形成部が積層されて束ねられた電極体の正極側の端部であり、集束部602は、負極の活物質層非形成部が積層されて束ねられた電極体の負極側の端部である。なお、正極の活物質層非形成部とは、正極のうち正極活物質が塗工されず正極基材層が露出した(正極活物質層が形成されていない)部分であり、負極の活物質層非形成部とは、負極のうち負極活物質が塗工されず負極基材層が露出した(負極活物質層が形成されていない)部分である。
【0049】
正極端子200は、電極体600の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子300は、電極体600の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子200及び負極端子300は、電極体600に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体600に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
【0050】
また、正極端子200及び負極端子300は、電極体600の上方に配置された蓋体110に取り付けられている。具体的には、
図3に示すように、正極端子200は、突出部210が蓋体110の貫通孔111と正極集電体400の貫通孔411とに挿入されて、かしめられることにより、正極集電体400とともに蓋体110に固定される。また同様に、負極端子300は、突出部310が蓋体110の貫通孔112と負極集電体500の貫通孔511とに挿入されて、かしめられることにより、負極集電体500とともに蓋体110に固定される。なお、ガスケット等も配置されているが、同図では省略して図示している。
【0051】
正極集電体400は、電極体600の正極側に配置され、正極端子200と電極体600の正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体400は、電極体600の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
【0052】
負極集電体500は、電極体600の負極側に配置され、負極端子300と電極体600の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体500は、電極体600の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0053】
カバー部材700は、電極体600の正極側の集束部601の内側に配置される、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる、金属製の板状部材である。カバー部材700は、正極集電体400とで集束部601を挟んで、正極集電体400とともに集束部601に接合される。また、カバー部材800は、電極体600の負極側の集束部602の内側に配置される、銅や銅合金などからなる、金属製の板状部材である。カバー部材800は、負極集電体500とで集束部602を挟んで、負極集電体500とともに集束部602に接合される。
【0054】
次に、正極集電体400及び負極集電体500の構成について、詳細に説明する。なお、正極集電体400と負極集電体500とは、同様の構成を有するため、以下では正極集電体400についての説明を行い、負極集電体500についての説明は省略する。
【0055】
図4は、本発明の実施の形態に係る正極集電体400の構成を示す斜視図である。
図4の(a)は、正極集電体400の全体の構成を示す斜視図であり、
図4の(b)は、正極集電体400の、電極体600と溶接される部分の拡大図である。
【0056】
正極集電体400は、
図4の(a)に示すように、端子側配置部410と、2つの電極体側配置部420とを有する。
【0057】
端子側配置部410は、正極端子200側(Z軸方向プラス側)に配置される平板状の部位である。端子側配置部410には、正極端子200の突出部210が挿入される貫通孔411が形成されている。そして、端子側配置部410は、突出部210が蓋体110の貫通孔111に挿入されて蓋体110とともにかしめられることにより、蓋体110に固定される。つまり、突出部210は、正極端子200と正極集電体400とを接続する接続部である。
【0058】
2つの電極体側配置部420は、端子側配置部410の両側面部に接続された、Z軸方向に延びる長尺板状の部位であり、電極体600の正極側の集束部601側に配置される。具体的には、電極体側配置部420は、端子側配置部410のY軸方向で対向する両側面から電極体600の方向(Z軸方向マイナス側)に垂れ下がるように配置された部位であり、電極体600の集束部601に接合される。つまり、電極体側配置部420は、Z軸方向に延びる部材であり、X−Z平面に平行な面を有している。そして、電極体側配置部420は、当該平行な面にて電極体600の集束部601に接合されて、容器100内で電極体600を吊り下げるように保持する。
【0059】
また、2つの電極体側配置部420のそれぞれは、
図4の(b)に示すように、薄肉部421と、薄肉部421に並んで形成され、薄肉部421よりも板厚が厚い厚肉部422とを有する。薄肉部421は、電極体側配置部420の集束部601と溶接される部位である。厚肉部422は、薄肉部421を囲うように形成されている。また、薄肉部421と厚肉部422との間には、段差が形成されている。
【0060】
薄肉部421は、電極体側配置部420の外面(Y軸方向における外側の面)よりも凹んだ位置に配置されている。つまり、2つの電極体側配置部420の外面は、薄肉部421において凹んだ形状を有する。一方で、2つの電極体側配置部420の内面(Y軸方向における内側の面)は、薄肉部421においても厚肉部422においても同じ略平面を形成している。つまり、2つの電極体側配置部420の内面は、電極体600の集束部601の外面とまんべんなく接触できる形状となっている。
【0061】
次に、正極集電体400及び負極集電体500と電極体600との溶接部分について説明する。なお、上述したように、正極集電体400と負極集電体500とは、同様の構成を有するため、以下においても、正極集電体400と電極体600の集束部601との溶接部分についての説明を行い、負極集電体500と電極体600の集束部602との溶接部分についての説明は省略する。また、カバー部材700とカバー部材800とは、同様の構成を有するため、カバー部材800の説明は省略する。
【0062】
図5は、本発明の実施の形態に係る正極集電体400の電極体側配置部420と電極体600の集束部601との溶接部分について説明するための斜視図である。
図6は、本発明の実施の形態に係る電極体側配置部420と集束部601との溶接部分のVI−VI断面図である。
図7は、
図6の電極体側配置部420と集束部601との溶接後の溶接部分の断面図である。なお、
図6の(a)は、電極体側配置部420と集束部601との全体を示す断面図であり、
図6の(b)は、電極体側配置部420と集束部601との溶接部分を拡大した拡大図である。また、
図7の(a)は、
図6の(a)の溶接後を示す図であり、
図7の(b)は、
図6の(b)の溶接後を示す図である。
【0063】
正極集電体400は、正極集電体400が正極端子200により蓋体110に固定された状態で、電極体600の集束部601の外面に電極体側配置部420が接する位置に配置される。電極体600の集束部601は、偏平形状に巻回されている極板及びセパレータの巻回の中心から極板の積層方向(Y軸方向)に2つに分かれている部位を有する。正極集電体400の2つの電極体側配置部420の一方は、集束部601の2つに分かれている部位のうち、一方の部位の外側の面に接する位置に配置され、2つの電極体側配置部420の他方は、集束部601の2つに分かれている部位のうち、他方の部位の外側の面に接する位置に配置される。つまり、1つの電極体側配置部420は、電極体600の集束部601を電極体600の端部側(X軸方向のプラス側)から覆うことなく、集束部601の両面(Y軸方向における両方の外面)のうちの一方の面側に配置される第一導電部材である。
【0064】
また、カバー部材700は、電極体600の集束部601を挟んで第一導電部材としての電極体側配置部420とは反対側に配置される第二導電部材である。カバー部材700は、集束部601の2つの分かれている部位のそれぞれの内側に配置される、2枚の長尺板状部材である。カバー部材700の外側の面は、集束部601の内側の面とまんべんなく接触できるように略平面であり、集束部601の内側の面に接触して配置される。
【0065】
電極体側配置部420は、例えば、
図5及び
図6に示すレーザビームLが溶接対象となる薄肉部421に照射されることによりレーザ溶接され、薄肉部421において電極体600の正極側の集束部601と接合される。このとき、電極体側配置部420及び集束部601だけでなく、集束部601の電極体側配置部420とは反対側に配置されているカバー部材700も、電極体側配置部420及び集束部601とともにレーザ溶接されることにより、接合される。なお、ここでの溶接の種類は、レーザ溶接に限らずに、電子ビーム溶接であってもよいし、超音波溶接、抵抗溶接などであってもよいが、溶接時の振動や電極棒での加圧により、薄肉部421を変形させるおそれがあるため、レーザ溶接が好ましい。
【0066】
このように、正極集電体400の電極体側配置部420と電極体600の集束部601とがレーザ溶接により接合されることにより、
図7に示すような、溶接部430が形成される。溶接部430は、電極体側配置部420、集束部601及びカバー部材700に介在して形成され、電極体側配置部420、集束部601及びカバー部材700を互いに接合する。
【0067】
レーザ溶接は、電極体側配置部420の薄肉部421において行われるため、溶接部430は、電極体側配置部420の薄肉部421に対応する位置において形成されている。つまり、溶接部430における溶接面431は、電極体側配置部420の外面よりも凹んだ位置に配置されている。ここで、溶接面431は、溶接部430の表面である。また、電極体側配置部420では、厚肉部422が薄肉部421を囲うように形成されており、かつ、薄肉部421と厚肉部422との間で段差が形成されている。このため、溶接面431の外周は、壁423に囲われている。
【0068】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、第一導電部材としての、正極集電体400の2つの電極体側配置部420のそれぞれは、電極体600の集束部601の両面を電極体600の端部側から覆うことなく、集束部601の両面のうちの一方の面に溶接される。このため、蓄電容量の増加のために集束部601の幅(端縁からの長さ)を短くした場合であっても、集束部601における溶接対象となる位置を、集束部601の端縁から離すことができる。このため、集束部601の端縁を含む部分が溶接されることを抑制できる。
【0069】
また、電極体600と正極集電体400の電極体側配置部420とが溶接されている溶接部430における溶接面431が電極体側配置部420の外面よりも凹んだ位置に配置されている。つまり、電極体600と溶接面431との間の間隔を短くすることができる。このため、少ないエネルギーで溶接できる。
【0070】
このように、集束部601の端縁が溶接されることを抑制でき、かつ、少ないエネルギーで溶接できるため、溶接時における、スパッタの発生などを抑制でき、蓄電素子の性能低下を抑制できる。
【0071】
また、電極体側配置部420は、溶接面431の外周を囲う壁423を有するため、溶接面431が電極体側配置部420の外面よりも凹んだ位置に配置される構成であっても、溶接部430の周囲の剛性を大きくできる。このため、少ないエネルギーで溶接でき、かつ、電極体側配置部420の溶接部430の周囲の強度を確保できる。
【0072】
また、電極体側配置部420は、電極体600の集束部601の外側に配置されている。
【0073】
つまり、溶接面431は、電極体600の外側に配置される電極体側配置部420に形成されているため、溶接するための器具を配置しやすい構造となっている。このため、電極体600と正極集電体400の電極体側配置部420との溶接工程を容易に行うことができる。
【0074】
なお、上述したような効果は、正極集電体400及び集束部601だけでなく負極集電体500及び集束部602についても同様である。
【0075】
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0076】
(1)変形例1
本実施の形態の変形例1について説明する。
【0077】
上記実施の形態では、正極集電体400の電極体側配置部420の溶接対象となる薄肉部421には、貫通孔が形成されていない構成であるが、例えば、薄肉部に貫通孔が形成されている正極集電体を採用してもよい。
図8〜
図11を用いて、薄肉部421Aに貫通孔424Aが形成されている正極集電体400Aについて説明する。
【0078】
図8は、本発明の実施の形態の変形例1に係る正極集電体400Aの構成を示す斜視図である。
図8の(a)は、正極集電体400Aの全体の構成を示す斜視図であり、
図8の(b)は、正極集電体400Aの、電極体600と溶接される部分の拡大図である。
図9は、本発明の実施の形態の変形例1に係る正極集電体400Aと電極体600の集束部601との溶接部分について説明するための斜視図である。
図10は、本発明の実施の形態の変形例1に係る電極体側配置部420Aと集束部601との溶接部分のX−X断面図である。
図11は、
図10の電極体側配置部420Aと集束部601との溶接後の溶接部分の断面図である。なお、
図10の(a)は、電極体側配置部420Aと集束部601との全体を示す断面図であり、
図10の(b)は、電極体側配置部420Aと集束部601との溶接部分を拡大した拡大図である。また、
図11の(a)は、
図10の(a)の溶接後を示す図であり、
図11の(b)は、
図10の(b)の溶接後を示す図である。
【0079】
図8及び
図10に示すように、正極集電体400Aは、薄肉部421Aと厚肉部422とを有する電極体側配置部420Aを有する。そして、電極体側配置部420Aは、薄肉部421Aに貫通孔424Aが形成されている。正極集電体400Aは、
図9及び
図10に示すように、薄肉部421Aの、貫通孔424Aの周囲の部分にレーザビームLが照射されることによりレーザ溶接され、薄肉部421Aにおいて電極体600の正極側の集束部601と接合される。
【0080】
このように、正極集電体400Aの電極体側配置部420Aと電極体600の集束部601とがレーザ溶接により接合されることにより、
図11に示すような、溶接部430Aが形成される。溶接部430Aは、電極体側配置部420A、集束部601及びカバー部材700に介在して形成され、電極体側配置部420A、集束部601及びカバー部材700を互いに接合する。
【0081】
レーザ溶接は、電極体側配置部420Aの薄肉部421Aにおいて行われるため、溶接部430Aは、電極体側配置部420Aの薄肉部421Aに対応する位置において形成されている。また、薄肉部421Aには、貫通孔424Aが形成されているため、レーザ溶接により溶融した金属が貫通孔424Aを埋める。これにより、
図11の(b)に示すように、溶接面431Aに窪み432が形成される。つまり、溶接部430Aは、溶接面431Aの中央付近に、集束部601側に窪んだ窪み432を有する。
【0082】
以上のように、本実施の形態の変形例1によれば、溶接部430Aは、溶接面431Aに、溶接面431Aのうちの外周部よりも凹んだ窪み432を有するため、溶接部430Aの体積を少なくすることができる。これにより、少ないエネルギーで溶接でき、溶接時における、スパッタの発生、及び、電極体600へ与えるダメージを抑制できる。
【0083】
(2)変形例2
次に、本実施の形態の変形例2について説明する。
【0084】
上記実施の形態では、電極体600の集束部601の内側に配置されているカバー部材700は、カバー部材700の外側の面と、集束部601の内側の面とがまんべんなく接触している形状を有するが、これに限らない。
【0085】
例えば、
図12に示すように、電極体側配置部420Bに向かって突出している凸部701Bを有するカバー部材700Bが採用されてもよい。なお、この場合の正極集電体400Bの電極体側配置部420Bは、変形例1の電極体側配置部420Aと同様に薄肉部421Bに貫通孔424Bが形成される構成である。この貫通孔424Bは、貫通孔424AよりもX軸方向における幅が大きいものとする。
【0086】
カバー部材700Bには、電極体側配置部420Bに形成されている貫通孔424Bに対応する位置に、凸部701Bが形成されている。凸部701BのX軸方向における幅b1は、薄肉部421Bにおける貫通孔424BのX軸方向における幅a1以下である。これにより、カバー部材700Bが電極体600の集束部601の内側に配置されたときに、カバー部材700Bの凸部701Bの先端は、集束部601の内側の面と接し、カバー部材700Bの凸部701B以外の部位の外側の面は、集束部601の内側の面と接触しない。つまり、カバー部材700Bが集束部601の内側に配置されたときに、カバー部材700Bと集束部601との間には空間が形成されている。
【0087】
正極集電体400Bは、
図12に示すように、変形例1と同様に薄肉部421Bの貫通孔424Bの周囲の部分にレーザビームLが照射されることによりレーザ溶接され、薄肉部421Bにおいて電極体600の集束部601及びカバー部材700Bの凸部701Bと接合される。このように、正極集電体400Bの電極体側配置部420Bと、電極体600の集束部601と、カバー部材700Bの凸部701Bとがレーザ溶接により接合されることにより、
図13に示すような、溶接部430Bが形成される。溶接部430Bは、電極体側配置部420B、集束部601及び凸部701Bに介在して形成され、電極体側配置部420B、集束部601及び凸部701Bを互いに接合する。
【0088】
薄肉部421Bには、貫通孔424Bが形成されており、かつ、カバー部材700Bには、貫通孔424Bに対応する位置に凸部701Bが形成されているため、貫通孔424Bの周囲の部位、集束部601及び凸部701Bにわたって溶接部430Bが形成される。なお、貫通孔424Bは、貫通孔424Aよりも大きいため、レーザ溶接により溶融した金属では貫通孔424Bを埋めきれずに、X軸方向に2カ所に分離された溶接面431Bが形成される。なお、貫通孔が小さい場合には、実施の形態で説明したように貫通孔が溶融した金属で埋められることにより、溶接面に窪みが形成される。
【0089】
また、溶接後においても、電極体600とカバー部材700Bとの間における凸部701Bの周囲には、空間が形成されている。このため、溶接時において、溶接によって発生した熱を当該空間に放出することができる。これにより、溶接時において、電極体600へ与えるダメージを抑制できる。
【0090】
また、例えば、
図14に示すように、電極体側配置部420Cに向かって突出している凸部701Cを有するカバー部材700Cが採用されてもよい。なお、この場合の正極集電体400Cの電極体側配置部420Cは、変形例1及び上記の電極体側配置部420A、420Bと同様に、薄肉部421Cに貫通孔424Cが形成される構成である。この貫通孔424Cは、貫通孔424A及び貫通孔424BよりもX軸方向における幅が大きいものとする。
【0091】
カバー部材700Cは、電極体側配置部420Cに形成されている貫通孔424Cに対応する位置に、凸部701Cが形成されている。凸部701CのX軸方向における幅b2は、薄肉部421Cにおける貫通孔424CのX軸方向における幅a2と集束部601の厚みt2を2倍した長さとの和以上である。また、図示しないが、凸部701CのY軸方向における幅についても同様のことが言え、凸部701CのY軸方向における幅は、薄肉部421Cにおける貫通孔424CのY軸方向における幅と集束部601の厚みt2を2倍した長さとの和以上である。つまり、凸部701Cは、集束部601及び電極体側配置部420Cの所定の位置に配置されたときに、集束部601とともに薄肉部421Cの貫通孔424Cに入り込むことができる形状である。よって、カバー部材700Cが電極体600の集束部601の内側に配置されたときに、カバー部材601Cの先端は、集束部601とともに電極体側配置部420Cの薄肉部421Cの貫通孔424Cに入り込む。集束部601の貫通孔424Cに入り込んだ部位は、一部が凸部701Cにより外側に押し出され、凸部701Cの形状に沿った形状が形成されるため、当該入り込んだ部位の周囲の部位から傾斜した形状を有する。
【0092】
正極集電体400Cは、
図14に示すように、薄肉部421Cの、貫通孔424Cの周囲の部分、及び、集束部601の傾斜している部分にレーザビームLが照射されることによりレーザ溶接され、薄肉部421Cと、電極体600の集束部601と、カバー部材700Cの凸部701Cとが接合される。このように、電極体側配置部420C、集束部601及び凸部701Cがレーザ溶接により接合されることにより、
図15に示すような、溶接部430Cが形成される。溶接部430Cは、電極体側配置部420C、集束部601及び凸部701Cに介在して形成され、電極体側配置部420C、集束部601及びカバー部材700Cを互いに接合する。
【0093】
レーザ溶接は、電極体側配置部420Cの薄肉部421C及び集束部601の傾斜している部分において行われるため、溶接部430Cは、電極体側配置部420Cの薄肉部421Cに対応する位置、及び、集束部601の傾斜している部分に対応する位置において形成されている。また、凸部701Cと集束部601の一部とが貫通孔424Cに入り込んだ状態でレーザ溶接されるため、薄肉部421Cにおける貫通孔424Cの周囲の部位、集束部601及び凸部701Cにわたって溶接部430Cが形成される。ここで、凸部701Cは、貫通孔424Cに入り込んだ状態でレーザ溶接されるため、電極体側配置部420C、集束部601及びカバー部材700Cの間には空間があまり形成されない状態で接合される。
【0094】
以上のように、カバー部材700Cの凸部が集束部601とともに電極体側配置部420Cの貫通孔424Cに入り込んでいるため、集束部601の、溶接部分の周囲を傾斜させることができる。つまり集束部601の溶接部分の周囲が傾斜するため、溶接時にスパッタが発生したとしても、発生したスパッタが電極体600の内部に侵入することを抑制できる。
【0095】
上記のように、
図12〜
図15で示した変形例2では、カバー部材700B、700Cは、電極体側配置部420B、420Cに向かって突出している凸部701B、701Cを有している。そして、当該凸部701B、701Cが溶接されているため、カバー部材700B、700Cに対して局所的にエネルギーを集中して溶接できる。このため、溶接時に、少ないエネルギーで溶接でき、スパッタの発生、及び、電極体へ与えるダメージを抑制できる。
【0096】
(3)その他の実施の形態
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極集電体400、400A〜400Cの電極体側配置部420、420A〜420Cの厚肉部422は薄肉部421、421A〜421Cを囲うように形成されているとしたが、これに限らない。例えば、
図16A及び
図16Bに示すように、薄肉部421D、421Eを挟むように厚肉部422D、422Eが形成されている電極体側配置部420D、420Eを有する正極電極体400D、400Eを採用してもよい。つまり、薄肉部と厚肉部とが並んで配置されている形状を有する電極体側配置部であればよい。また、正極電極体400Eのように、貫通孔424Eが形成された電極体側配置部420Eを有する正極電極体400Eを採用してもよい。
【0097】
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極集電体400、400A〜400Eの電極体側配置部420、420A〜420Eには、薄肉部421、421A〜421Eが一カ所に形成されている構成としたが、1つの電極体側配置部の複数カ所に薄肉部が形成されている構成としてもよい。この場合、電極体側配置部を電極体600の集束部601の複数カ所で溶接でき、複数カ所で溶接した結果、複数の溶接部が形成されるため、正極集電体と電極体600との間の通電面積を十分に確保できる。
【0098】
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極集電体400、400A〜400Eの電極体側配置部420、420A〜420Eは、電極体600の集束部601の外側に配置される構成であるとしたが、内側に配置される構成としてもよい。この場合、カバー部材700、700B、700Cは電極体600の集束部601の外側に配置される。なお、この場合、溶接は、集束部601の内側に配置される電極体側配置部側から行われる。例えば、集束部601の内側からの溶接は、電子ビーム溶接により、電極体600の端部側から放射した電子ビームを、集束部601の内側に向けて曲げることによって実施してもよい。
【0099】
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体側配置部420、420A〜420Eが薄肉部421、421A〜421Eを有しており、電極体側配置部420、420A〜420E側からレーザ溶接されている構成であるが、これに限らずに、カバー部材が薄肉部を有しておりカバー部材側からレーザ溶接される構成であってもよい。この場合、カバー部材は、第一導電部材である。つまり、上述した、電極体側配置部の構成とカバー部材の構成とが逆の構成であってもよい。なお、逆の構成とは、具体的には、
図6、7、10〜15において、電極体側配置部とした符号420、420A〜420Cの構成をカバー部材と読み替え、かつ、カバー部材とした符号700、700B、700Cの構成を電極体側配置部と読み替えた場合の構成である。この場合の集電体の全体構成は、図示しないが、当該集電体の電極体側配置部が電極体600の集束部601の内側に配置される構成である。
【0100】
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体側配置部側からレーザ溶接される構成と、カバー部材側からレーザ溶接される構成の一方の構成が採用されているが、電極体側配置部側及びカバー部材側の両方からレーザ溶接される構成が採用されてもよい。この場合であっても、レーザ溶接は、電極体側配置部に形成される薄肉部及びカバー部材に形成される薄肉部において行われる。なお、電極体側配置部に形成される薄肉部及びカバー部材に形成される薄肉部は、互いに対向する位置に配置されてもよいし、互いに異なる位置に配置されてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、電極体600は、集束部601が積層方向に2つの部位に分けられて、2つの部位のそれぞれについて、電極体側配置部及びカバー部材が配置されたが、2つの部位に分けられていなくてもよい。つまり、巻回型の電極体600であっても、集束部が1つにまとめられた状態で、当該集束部の一方の面に電極体側配置部が配置され、他方の面にカバー部材が配置される構成を採用してもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、電極体600は、巻回型の電極体が採用されたが、正極、負極及びセパレータが巻回されることなく積層される積層型(スタック型)の電極体が採用されてもよい。この場合は、集束部は、積層方向に2つの部位に分けられなくてもよく、1つの部位の一方の面に電極体側配置部が配置され、他方の面にカバー部材が配置される構成となる。ただし、積層型の電極体を採用した場合であっても、集束部を積層方向に2つの部位に分けた構成を採用してもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、電極体600の集束部601には、電極体側配置部420とは反対側にカバー部材700が配置されたが、カバー部材700を配置しない構成としてもよい。
【0104】
なお、上記のことは、負極集電体や、負極側の集束部602、カバー部材800についても同様である。
【0105】
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。