特許第6806077号(P6806077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806077自動車用ラッチの為の閉鎖駆動装置用アクチュエータユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806077
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】自動車用ラッチの為の閉鎖駆動装置用アクチュエータユニット
(51)【国際特許分類】
   E05B 81/40 20140101AFI20201221BHJP
   E05B 81/06 20140101ALI20201221BHJP
【FI】
   E05B81/40
   E05B81/06
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-549704(P2017-549704)
(86)(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公表番号】特表2018-509544(P2018-509544A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】DE2016100132
(87)【国際公開番号】WO2016150433
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2019年3月7日
(31)【優先権主張番号】102015004018.9
(32)【優先日】2015年3月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】テプファー, クラウス
(72)【発明者】
【氏名】キント, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シュテッツァー, ヤン
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−506634(JP,A)
【文献】 特表2001−509559(JP,A)
【文献】 特表2011−514454(JP,A)
【文献】 米国特許第06655225(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動要素(4,15)を備えたアクチュエータユニット(1,12)において、ハウジング(2,13)と、駆動ユニットと、スピンドルナットおよびスピンドル(3,14)を備えたスピンドルギヤとを有し、前記スピンドルギヤは、前記駆動ユニットによって駆動可能であり、前記作動要素(4,15)は前記スピンドル(3,14)によって移動可能である、アクチュエータユニット(1,12)であって、
前記作動要素(4,15)は前記ハウジング(2,13)内で前記作動要素(4,15)を案内する為の手段を有し、移動軸を中心とした前記作動要素(4,15)のねじれが防止され
5つのインボリュート歯形(5)および矩形歯車(8)が、前記作動要素(4,15)の周囲に配置され、前記インボリュート歯形(5)および矩形歯車(8)が、前記ハウジング(2,13)の対応した凹部(7)に案内されることを特徴とする、アクチュエータユニット(1,12)。
【請求項2】
前記作動要素(4,15)は、前記ハウジング(2,13)に案内されることを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエータユニット(1,12)
【請求項3】
前記ハウジング(2,13)は、少なくとも凹部(7)を有し、前記作動要素(4,15)は、前記凹部(7)に対応した隆起部(5)を有し、前記作動要素(4,15)は、前記凹部(7)に案内可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項4】
前記ハウジング(2,13)は少なくとも2つの異なる凹部(7)を有し、前記作動要素(4,15)は、前記凹部に対応した隆起部(5)を有し、前記作動要素(4,15)が前記凹部(7)で案内可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項5】
前記作動要素(4,15)は、少なくともインボリュート歯形(5)を有し、前記インボリュート歯形(5)が前記ハウジング(2,13)の対応した凹部(7)に案内されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項6】
前記案内する為の手段は、前記作動要素(4,15)の前記周囲に規則正しく分布されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項7】
前記作動要素(4,15)および前記スピンドル(3,14)は単一コンポーネントとして形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項8】
少なくとも前記作動要素(4,15)および前記スピンドル(3,14)がプラスチックで形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項9】
前記作動要素(4,15)は、ボーデンケーブルに接続されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【請求項10】
前記作動要素(4,15)を案内する為の前記手段は、前記ハウジング(2,13)に沿って延び、前記作動要素(4,15)の直線運動が可能になることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータユニット(1,12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、自動車用ラッチの閉鎖駆動装置の為にアクチュエータを備えた作動ユニットに関し、ハウジング、駆動ユニット、スピンドルナットおよびスピンドルを備えたスピンドルギヤを有し、これによって、スピンドルギヤは駆動ユニットによって駆動され、アクチュエータはスピンドルによって駆動される。
【0002】
車両の操作を容易にするため、技術的機能が、ますます自動車に組み込まれる。使用者の使い勝手は高められ、閉鎖しない側面ドアのような故障は防止可能である。便利な機能は、側面ドアが自動的に閉鎖することである。このため、閉鎖は、使用者が僅かに軽く側面ドアを閉鎖するときに生じる。したがって、側面ドア用ラッチは、側面ドアが自動的に完全に閉鎖される場所からプレラチェット位置に達するだけである。これは、僅かに小さな力が自動車用ドアを完全に閉鎖する為に必要である点で、使用者にとって操作を容易にする。例えば、大きなドアおよび/または閉鎖中のドアに大きな密封圧力が対抗するとき、独立した閉鎖も有利である。
【0003】
本願では、側面ドアを一例としているが、これは、限定的に適用されるものではなく、アクチュエータ要素を備えたアクチュエータユニットは、前部扉、後部扉、スライド式ドアの電動閉鎖のような自動車における他の機能にも関連する。しかしながら、これらは単なる例示にすぎず、アクチュエータユニットの適用領域を制限するものではない。それよりも、ボーデンケーブルを使用して自動車の機能ユニットに力が伝えられなければならないとき、アクチュエータユニットは、常に使用可能である。例えば、アクチュエータユニットは、自動車ドア用ラッチの為の閉鎖駆動装置の一部でもよい。プレラチェット内に存在し、まだ完全に閉鎖されていない側面ドアは、たとえば、閉鎖ユニットによってメインラチェットへと移動可能である。
【0004】
プレラチェットおよびメインラチェットは、自動車側面ドアの安全関連閉鎖位置の両方を定め、これらの位置において、プレラチェット位置に位置する不完全に閉鎖されたドアは、例えば、この開錠位置に位置されなければならない。側面ドアは、その後、メインラチェット内で完全に閉鎖される。閉鎖駆動装置は、電気的閉鎖中、囲むドアシールの力に逆らってドアを閉鎖しなければならず、それによって、ドアの大きさ次第の異なる力が閉鎖駆動装置によって提供されなければならない。
【0005】
DE 20 2008 007 310 U1から、ロック機構および閉鎖駆動装置を備えた自動車ドア用シールが知られているが、これによって、閉鎖駆動装置は、自動車ドア用ラッチのロック機構に作用する。閉鎖爪部を経てロック機構に直接作用するレバー機構を使用すると、ロック機構は、プレレラチェットからメインラチェットまで移動可能である。このために使用されるレバー機構は、閉鎖用爪部を含み、スピンドル駆動装置を経て作動される。同様に、下流側のギアボックスを用いて、スピンドルナットがモータを経てスピンドルにわたって移動される。閉鎖中、スピンドルナットは、前方移動を実行し、これによって、キャッチ部および爪部から成るロック機構は、プレラチェット位置からメインラチェット位置へと移動される。
【0006】
DE 10 2012 218 650 A1から、アクチュエータを備えたアクチュエータユニット、アクチュエータの移動の為の駆動装置、アクチュエータに接続されたボーデンケーブルが知られている。アクチュエータユニットおよび、同様に電気駆動装置およびスピンドルギヤを備えている、特に自動車用ラッチの為の閉鎖駆動装置が明らかにされている。アクチュエータは、スピンドルに接続可能であり、ハウジング内で直線に誘導される。ボーデンケーブルはアクチュエータに接続されるので、ボーデンケーブルのコアは、スピンドルおよびアクチュエータによって操作可能である。ロック機構は、たとえば、ボーデンケーブルによってプレラチェットからメインラチェットへと移動可能であり、これによって、引張力は、アクチュエータまたは閉鎖駆動装置によって自動車用ラッチに伝達されるのが好ましい。
【0007】
自動車用ラッチまたはアクチュエータユニットまたは閉鎖駆動装置の更なる開発において存在する問題は、一方で、大きな力が伝達されなければならず、他方で、アクチュエータのねじれが防止されなければならないことである。アクチュエータのねじれは、可能であれば、アクチュエータの安全誘導が保証される一方、アクチュエータによる可能な限り最適な力の伝達が保証されるように、実施されるべきである。この問題は、自動車産業が自動車を全体的に軽量化することに努力する点で悪くなる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、作動要素を備えた改善されたアクチュエータを提供することを課題とする。さらに、本発明は、アクチュエータを備えた作動ユニットを提供することを課題とし、この作動ユニットは、アクチュエータの為にねじれ保護を有し、同時に、アクチュエータから、アクチュエータに接続された力伝達の手段へと最適な力の伝達を保証することができる。
【0009】
この課題は、本発明によると、独立形式の請求項1の特徴部によって解決される。本発明の有利な設計は、従属形式の請求項に記載されている。指摘されることは、以下に説明される例示的実施形態は限定的なものではなく、説明および従属形式請求項に記載された特徴は、あらゆる可能な変形が可能である。
【0010】
請求項1によると、本発明の課題は、特に自動車用ラッチの閉鎖駆動装置の為の作動要素が備えられたアクチュエータユニットによって解決されるが、作動要素は、ハウジング、駆動ユニット、スピンドルナットおよびスピンドルを備えたスピンドルギヤを有し、スピンドルギヤは、駆動ユニットによって駆動可能であり、アクチュエータユニットは、スピンドルによって移動可能であり、作動要素は、ハウジング内で作動要素を案内する為の手段を有し、移動軸を中心とした作動要素のねじれを防止できる。本発明に従うアクチュエータユニットの設計は、これで、作動要素のねじれを直接防止する改善されたアクチュエータユニットを提供する可能性を作り出す。アクチュエータユニットハウジング内への作動要素の誘導は、ハウジング内で全体の移動ルートにわたって直線に作動要素を安全に位置決めして案内する可能性を提供する。さらに、一方では、ハウジング内で移動ルートにわたって直線誘導することによって、作動要素の移動中に均一な力の伝達が可能であり、同時に、作動要素は、例えば、作動要素に接続されるボーデンケーブルの為のねじれを防止するのに役立ち得る。さらに、作動要素は、スピンドルの為に支持点として機能し得る。
【0011】
アクチュエータユニットは、ハウジングを含み、少なくとも作動要素、スピンドル、スピンドルギヤ、駆動ユニットを収容する。駆動ユニットは、電気モータであることが好ましく、電気モータは、例えば、ウォームを用いてスピンドルナットと係合し、スピンドルナットの回転運動を達成できる。駆動ユニットの電気モータが駆動される場合、スピンドルナットは移動し、今度は、スピンドルの直線運動が生じる。スピンドルはスピンドルナットにおいて後方および前方に移動されるので、同時に、スピンドルに付けられた作動要素は、作動ユニットハウジング内で一定の運動を実施する。作動ユニットは、自動車用ラッチの為に閉鎖駆動装置として機能し、これによって、例えば、後尾扉は自動的に閉鎖可能である。作動要素は、このため、ラッチ上で閉鎖手段に直接または間接に接続可能である。作動要素は、今度は自動車用ラッチと相互作用するボーデンケーブルに接続されるのが好ましい。
【0012】
本発明の一実施形態において、作動要素は、形状適合してハウジング内で誘導される。この形状適合は、費用対効果が高い状態で製造可能であり、また、作動要素の直線変位経路にわたって一定の接触表面の可能性を与える。この形状適合は、作動要素の移動経路にわたって変わらないことが好ましい。そのため、ハウジングによって作動要素を移動させるために、いつでも同等の大きさの力を実施できる。また、形状適合は、ハウジング上の作動要素の為に同等の大きさの接触表面を実行する可能性を与える。考えられることは、作動要素が2つの対向した面平行の表面が形成され、面平行の表面が、今度はハウジングの面平行の表面で誘導されることである。互いに対向して横たわる2つの面平行の表面に加えて、更に2つの表面が作動要素に形成でき、これらの2つの表面も同様に、円形セグメントの形状で、互いに対向して形成される。この場合、作動要素は、2つの円形セグメント形状表面と2つの面平行の表面とを有するので、最も広い意味で矩形として説明できる横断表面が利用可能である。この矩形横断表面は、ハウジング内の作動要素の直線変位の為の接触表面として、アクチュエータユニットハウジング内の接触表面として利用可能である。
【0013】
更なる実施形態において、ハウジングは、少なくとも凹部、特に溝を有し、これによって、作動要素は、その凹部に対応した隆起部を有するので、作動要素は、溝内で誘導可能である。ハウジング内で凹部を形成することは構造的に容易なので、それは、コスト優位を与える。しかしながら、凹部は、追加のねじれ保護が凹部内で成形されるようにも形成可能である。特に、ここではアンダーカットが考慮されるので、作動要素は、溝状凹部によってアンダーカットと共に誘導され、これによって、信頼性の良いねじれ防止が実施可能である。さらに、少なくとも溝の形成は、作動要素が不正確に設置されないという利点を与える。少なくとも非対称構造を用いた、変位されて配置された2つの溝の形状の設計においてさえ、不正確な設置が防止できる。さらに、同様に考えられることは、作動要素が凹部を有し、ハウジングが隆起部を含み、その隆起部において、作動要素が、作動要素の全体の移動経路にわたって直線に誘導可能であることである。
【0014】
ハウジングが少なくとも2つの異なる凹部を有する場合、更なる実施形態に係る発明が生じ、これによって、作動要素は、凹部に対応した隆起部を有するので、作動要素は、凹部へと誘導可能である。2つの異なる凹部は、荷重係合点の分布、特に、異なる凹部に作動要素を作用させる分布モーメントに対する可能性という利点がある。さらに、異なる凹部は、設置の安全性に関して有利である。凹部および対応した隆起部も同様に、組み込まれる応力およびトルクに従って、遊び許容誤差を作動要素またはハウジングおよび作動要素の間で設定できるという利点を与える。低い許容誤差は、摩擦モーメントを高めるが、優れた位置決めの確保という利点を与える。
【0015】
本発明の更なる実施形態において、作動要素は、少なくともインリュート歯形を有するが、このインリュート歯形がハウジングの対応した凹部内で誘導される。作動要素上のインリュート歯形は、可能な限り最適に、荷重をハウジングに伝達する可能性を与える。たとえば、作動要素の場合において、直線接触位置が、矩形として説明でき、インボリュート状歯形の形式の作動要素の形を備えた作動要素およびハウジングの間に形成される場合、作動要素およびハウジングの間に平面隣接関係を作ることが可能である。作動要素の平面隣接関係が与える利点は、作動要素に作用するトルクの最大圧力分布であり、摩擦値は作動要素および這う人部の間で最小限になることである。
【0016】
たとえ、本願に従ってインボリュート状歯形が本願で特に話されても、歯車の歯形技術から、作動要素およびハウジング上に既知の形を形成することも、もちろん、考えられる。有利なことに、作動要素のねじれの意識的な開始は、溝だけでなく、歯形によって実施可能である。
【0017】
ボーデンケーブルがしっかりと作動要素に接続される場合、さらに、閉鎖または調整中、ボーデンケーブルがその動作範囲内で(たとえば、最も外部の係合点で)歪められ、ボーデンケーブルの応力を最小限に抑えるためにボーデンケーブルも調整中に歪められる場合、溝および/または歯形は、移動経路にわたって、作動要素を特に角運動に至らせる可能性を与える。移動経路にわたる作動要素の角運動は、外力(たとえば、防止されるべき又は望ましくない、作動要素に作用する外力)によって、作動要素の、望ましくないねじれという形式のねじれと区別される。しかしながら、同様に考えられることは、作動中に角度回転運動も実施する作動要素にレバー機構が直接接続されることである。この場合、溝または凹部は、一方では、ねじれ保護として作用し、作動要素の望ましくない回転運動を防止するが、他方では、移動経路にわたって一定の角度量を作動要素に回らせる可能性がある。
【0018】
案内手段が作動要素の周囲に規則正しく分布される場合、本発明の更なる実施形態が生じる。案内手段の規則正しい配置が与える利点は、作動要素に伝えられるトルクの均一分布を容易にすることである。同一の力は、その後、作動要素およびハウジングの間で、すべての部位で作動要素に作用する。さらに、周囲に分布される規則正しい案内装置は、生産が容易であるため、費用効果がよい。この結果、案内装置の規則正しい形成は、作動要素の正確な配列または接合助力が施されるので、迅速な作動要素の設置も可能である。周辺に規則正しく形成された案内手段の均一な隣接関係によって、荷重は、均一に分布され、摩耗が最小限に抑えられる。
【0019】
5つのインボリュート歯形および矩形歯形が作動要素の周囲に配置され、これらがハウジングの対応した凹部に案内される場合、更なる実施形態に係る発明が生じる。この実施形態に係る発明は、ハウジング内の作動要素の明確な位置決めの利点にインボリュート歯形の利点を組み合わせる。許容交差が設定可能であり、不正確な設置が防止でき、作動要素およびハウジングの間で最大の接触表面が実施されるので、可能な限り最適なモーメントを伝えることが、ハウジングおよび作動要素の間で促進可能である。これが、本発明の好ましい実施形態を構成する。
【0020】
作動要素およびスピンドルが単一コンポーネントとして形成される場合、更なる実施形態に係る発明が生じる。作動要素およびスピンドルの単一コンポーネント形成は、容易な製造を可能にし、同時に、スピンドルおよび作動要素の間の最大の力の伝達という利点を与える。特に、作動ユニットが高い引張力を出さなければならない場合、作動要素の方向におけるスピンドルの最適な力の流れは有利である。スピンドルおよび作動要素の間の移行領域で適した形態によって、たとえば、作動要素上のボーデンケーブルに、作動ユニットの力を伝えるように最適な力のラインコースが保証可能である。
【0021】
少なくとも作動要素およびスピンドルは、有利な実施形態においてプラスチックで形成されている。プラスチックは良好な順応性という利点を与え、この利点を軽量という利点に組み合わせる。さらに、プラスチックは、さらに処理され、製造するのに費用効果がよい。好ましい材料は、ポリオキシメチレン(POM)である。
【0022】
一実施形態において、作動要素はボーデンケーブルに接続される。このため、作動要素およびボーデンケーブルの間の接続は、遠隔起動であっても、作動ユニットによって可能になり、力がそらされるという利点を与える。作動ユニットは、例えば、ラッチの閉鎖すなわち側面ドアの閉鎖の為に、自動車用側面ドアのラッチにおいて大きな力を伝えることができ、特に、その後、ボーデンケーブルの適した案内で存在するボーデンケーブル内の引張力を伝えることができる。
【0023】
作動要素の案内手段がハウジングに沿って伸び、作動要素の直線運動が可能になる場合、更なる実施形態に係る発明が生じる。スピンドル駆動装置は、直線運動を発生させるので、作動要素の直線運動が可能になる。ハウジングに沿った案内手段が、特にハウジングに沿って同様にまたは一様に形成される場合、作動要素の全体の移動経路にわたって作動要素の為に一定のねじれ保護が与えられる。特に、作動要素およびハウジング間の摩擦力は、前もって決定可能であり、全体の移動経路にわたって一様である。
【0024】
以下、添付図面を参照して、好ましい実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、例示的実施形態は本発明を限定するものではなく、有利な実施形態を構成するという原則が適合される。描かれる特徴は、個別に、または、当該説明の他の特徴と組み合わせて実施することが可能であり、請求項も同様に、個別に又は組合せて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、切断がスピンドルナット、ハウジング、ボーデンケーブル、作動要素を通って行われる、スピンドルナット領域における現状技術による作動ユニットを通る横断面である。
図2図2は、作動要素およびスピンドルコンポーネントを備えた作動ユニットのハウジングを通る切断部を示す。
図3図3は、作動要素の上面図として、III−III線に沿った図2に従うハウジングを通る切断部を示す。
図4図4は、スピンドルおよび作動要素を備えたハウジングを通る切断部として、3次元図における本発明の更なる実施形態である。
図5図5は、矩形作動要素における上面図として、図4からのV−V線に沿った切断部を示す。
【詳細な説明】
【0026】
図1は、例えば、DE 10 2015 100 750から知られるように、現状技術に従う作動ユニットを通る切断部を示す。作動要素は、ボーデンケーブルに接続され、スピンドルに成形されている。作動要素は、作動要素の直線案内の為、作動ユニットのハウジングへと案内される。スピンドル、スピンドルナットおよびハウジングは、クラス特有の現状技術に対応する。
【0027】
図2は、ハウジング2,スピンドル3,作動要素4を備えた作動ユニット1の一部の領域だけを示す。作動要素4は、矢印Pの方向でハウジング2に組み込まれ、直線に変位可能であり、前後に移動し得る。作動要素4およびスピンドル3は、この例示的実施例において、単一コンポーネントとして形成される。
【0028】
矢印III方向からの作動要素4における図は、図3において、ハウジング2を通る切断部で再現されている。作動要素4は、5つのインボリュート歯を有し、これらは、作動要素の周囲に規則正しい間隔で配置されている。インボリュート歯形5は、ハウジング内の凹部7に対して大きな接触表面6を形成する。インボリュート歯形5の形成によって、大きな接触表面6が形成され、これらの接触表面6が、図2から明らかな歯型の縦方向の伸張のため、ハウジング2および作動要素4の間に5つの平坦な接触表面を形成する。
【0029】
歯形5に加えて、矩形として説明可能な歯8は、作動要素上に形成される。そのため、異なる隆起部5,8すなわち歯5,8は、作動要素上に存在する。そのため、歯車5,8の異なる形成は、大きな接触表面積6という利点と、同様に設置の安全性という利点とを与える。ハウジング2内の凹部7および隆起部9は、作動要素4の移動経路にわたって伸張する作動要素4の為に、縦方向の案内を形成する。
【0030】
図2に更に示されるように、ハウジング2も同様に、ボーデンケーブルおよび固定部11の為に装着部10を形成し、ボーデンケーブルコア(図示せず)の一端部を装着する。スピンドルナットおよびスピンドル3により矢印Pの方向に作動要素4を変位させることによって、作動要素4を直線に移動させることができる。それによって、案内手段5,7,8,9は、作動要素4の為に変位保護として作用する。
【0031】
作動ユニット12の更なる例示的実施形態が、図4に再現されている。アクチュエータユニット12は、ハウジング13,スピンドル14,作動要素15を有する。ハウジング13は、ボーデンケーブルの為に装着部14と、ボーデンケーブルコアの為に固定部15とを更に含む。固定部16,作動要素15,スピンドル14は、この例示的実施形態において、単一コンポーネントとして形成される。
【0032】
図5は、図4からのV−V線に沿ったハウジング13を通る切断部を示す。作動要素15は、2つの平行表面17,18、2つの円形断面形状表面19,20を有する。そのため、作動要素15の横断面は、大雑把な矩形として説明できる。作動要素15の反対側の面平行表面17,18は、ハウジング13の案内表面21上に支持される。図の良好な透明性を高めるため、案内表面21だけに参照符合が付けられている。円形断面形状表面19,20および面平行表面17,18は、ハウジングに完全または部分的に隣接する。案内表面21は、ねじれ保護として作用する。
【0033】
特に、作動ユニット1,12がプラスチックで形成される場合、POMが材料として使用されるのが好ましいが、作動ユニット1,12の為に、費用効果がよく、軽量が保証可能である。スピンドル3,14、作動要素4,15および固定部11は、単色(single-component)プラスチック射出成形コンポーネントとして形成されるのが好ましい。
【符合の説明】
【0034】
1 アクチュエータユニット
2 ハウジング
3 スピンドル
4 作動要素
5 インボリュート歯形
6 接触表面
7 凹部
8 矩形歯
9 隆起部
10 装着部
11 固定部
12 アクチュエータユニット
13 ハウジング
14 装着部
15 作動要素
16 固定部
17,18 平行表面
19,20 セグメント状表面
21 案内表面
P 矢印
図1
図2
図3
図4
図5