(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線送信部は、複数種類の前記第1温度センサによって検出された前記モータの温度情報を前記第1温度センサの種類ごとにまとめて送信する、請求項7に記載のマルチコプタ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、モータ11の軸部21の回転軸Jと平行な方向を「軸方向」、回転軸Jに直交する方向を「径方向」、回転軸Jを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向を上下方向とし、ベース部40に対してステータ部30側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。すなわち、回転軸Jの延びる一方向を上下方向とする。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係るモータの使用時の向きを限定する意図はない。
【0012】
また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0013】
図1に示す本実施形態のマルチコプタ1は、フライトコントローラ7からの情報に基づいて飛行する。マルチコプタ1は、本体部1aと、バッテリ3と、電流制御部2と、複数の推進ユニット10と、第2検出部5と、送信機4と、を備える。本実施形態では、マルチコプタ1は、同一平面上に配置された4つの推進ユニット10を備える。
【0014】
推進ユニット10は、本体部1aに取り付けられる。推進ユニット10は、回転する回転翼12と、回転翼12を回転させるモータ11と、を有する。推進ユニット10は、モータ11によって回転翼12を回転させることでマルチコプタ1の推進力を発生させる。これにより、マルチコプタ1を上空に飛行させることができる。本実施形態では、4つの推進ユニット10によってマルチコプタ用の推進装置15が構成される。推進ユニット10がそれぞれモータ11を有するため、推進装置15において、モータ11は、複数設けられる。
【0015】
各推進ユニット10は、電力用ケーブルとセンサ用ケーブルとをそれぞれ有する。
図1において電力用ケーブルは実線で示され、センサ用ケーブルは破線で示される。電力用ケーブルは、電流制御部2を介してマルチコプタ1に搭載されたバッテリ3とモータ11とを接続する。本実施形態において電流制御部2は、例えば、ESC(Electronic Speed Controller)である。電流制御部2は、推進ユニット10のそれぞれに対して設けられる。
【0016】
センサ用ケーブルは、モータ11と送信機4とを接続する。センサ用ケーブルは、後述するモータ11に設けられた回転センサ70および第1温度センサ71と電気的に接続される。回転センサ70および第1温度センサ71によって検出された情報は、センサ用ケーブルによって送信機4に送られる。
【0017】
バッテリ3は、本体部1aに取り付けられる。バッテリ3は、電力用ケーブルを介して、推進ユニット10に電流を供給する。電流制御部2は、推進ユニット10とバッテリ3との間に電気的に接続され、バッテリ3から推進ユニット10に供給される電流を制御する。これにより、推進ユニット10のモータ11に供給される電力を安定化させることができ、推進ユニット10の駆動を安定化させることができる。電流制御部2は、バッテリ3から電流制御部2に供給される電流の情報を後述する送信機4の無線送信部に出力する。
図1に一点鎖線で示す電流制御部2と送信機4との接続は、無線であってもよいし、有線であってもよい。
【0018】
図2および
図3に示すように、本実施形態においてモータ11は、アウターロータ型のモータである。モータ11は、回転翼12が固定される回転部13と、マルチコプタ1の本体部1aに取り付けられる静止部14と、回転部13と静止部14とに接続され、回転部13を回転可能に支持する軸受部51,52と、を備える。回転部13は、複数の推進ユニット10が同一平面上に配置された平面に対して略直交する回転軸Jを中心に周方向に回転する部位である。
【0019】
回転部13は、軸部21、ロータ部20、マグネット23、およびヨーク22を有する。軸部21は、回転軸Jを中心に軸方向に延びる部品である。軸部21は、軸受部51,52によって回転可能に支持される。軸受部51,52は、内輪、外輪、ボールおよびリテーナで構成される玉軸受である。なお、軸受部51,52は、すべり軸受であってもよい。軸部21の下側部は、後述するベース貫通孔41aに挿入され、軸受部51,52の内輪に固定される。
【0020】
ロータ部20は、回転軸Jを中心に軸方向に延びるロータ円筒部24と、ロータ円筒部24から径方向外方に延びる複数のロータリブ部27と、ロータ円筒部24の外周面から径方向外方に突出する縁部29と、ロータリブ部27の外端に接続され周方向に広がる円環状のロータ平板部25と、ロータ平板部25から軸方向下方に延びる略円筒状のロータ外縁部26とを有する。ロータ円筒部24は、回転軸中心においてロータ円筒部24を軸方向に貫通する軸固定孔24bを有する。軸固定孔24bには、軸部21の上側部が通されて固定される。軸部21の上側部は、軸固定孔24bに接着または圧入にて固定される。
【0021】
ロータ円筒部24は、回転翼12が固定される複数の回転翼固定部24aを有する。例えば、本実施形態において回転翼固定部24aは、ロータ円筒部24を軸方向に貫通する孔部である。回転翼固定部24aの内周面にはネジ山が設けられる。
図4および
図5に示すように、本実施形態において回転翼固定部24aは、周方向に沿って等間隔に4つ設けられる。回転翼12は、回転翼固定部24aに締め込まれるネジによってロータ部20に固定される。なお、回転翼12は、接着またはカシメなどネジ以外の方法でロータ部20に固定されてもよい。
【0022】
ロータリブ部27は、ロータ円筒部24の上端から径方向外方に延びる。ロータリブ部27は、ロータ円筒部24とロータ平板部25とを接続する。
図2に示すように、ロータリブ部27は、軸方向に広がる平板状の形状を有する。つまり、ロータリブ部27の軸方向の厚みは、ロータリブ部27の周方向の厚みより厚い。ロータリブ部27は、ロータ外縁部26まで延びる。
図3に示すように、ロータリブ部27は、ロータ平板部25の下面に設けられた羽根部27aを有する。羽根部27aは軸方向に広がる平板状である。
【0023】
図4および
図5に示すように、複数のロータリブ部27は、例えば、周方向に沿って等間隔に配置される。本実施形態においてロータリブ部27は、例えば、6つ設けられる。
図2および
図3に示すように、縁部29は、ロータ平板部25よりも軸方向下方に位置する。本実施形態において縁部29は、例えば、円環板状である。縁部29は、後述するコアバック31aと軸方向に重なる。
【0024】
ロータ部20は、ロータ円筒部24とロータ平板部25とが複数のロータリブ部27で接続されることで、ロータリブ部27の周方向にロータ孔部28を有する。ロータ孔部28は、ロータ部20を軸方向に貫通する孔である。ロータ孔部28の上端開口の径方向内側の部分は、縁部29の上面と軸方向に対向する。これにより、ロータ孔部28の上端開口から流入する外気の少なくとも一部は、縁部29に当たって径方向外方へと流れる。
図4および
図5に示すように、ロータ孔部28は、例えば、6つ設けられる。
【0025】
ロータ部20がロータ孔部28を有することで、モータ11の内部、つまりステータ部30への空気循環経路が構成され、モータ11の駆動時において、ステータ部30を冷却することができる。特に本実施形態においては、縁部29がコアバック31aと軸方向に重なる。そのため、ロータ孔部28の上端開口に流入した外気は、縁部29によって径方向外方に送られ、コアバック31aから径方向外方に延びるティース31bに巻き回された導線からなる後述するコイル32に吹き付けられやすい。これにより、コイル32を効率よく冷却することができる。つまり、外気が直接、コイル32に当たることで、発熱した導線を効率的に冷却することができる。
【0026】
また、本実施形態においては、ロータリブ部27が軸方向に広がる平板状であるために、ロータ孔部28の周辺に空気の流れを起こすことができる。これにより、ロータ孔部28を介して、モータ11の内部へ外気を流入させやすい。また、本実施形態では、ロータリブ部27がロータ平板部25の下面に設けられた羽根部27aを有するため、モータ11の内部において軸方向下方に空気の流れを起こすことができ、ステータ部30をより冷却することができる。
【0027】
図2および
図3に示すように、ヨーク22は、回転軸Jを中心とする略円筒状の部材である。ヨーク22は、ロータ部20の下側に配置される。より詳細には、ヨーク22は、ロータ外縁部26の下端に固定される。ヨーク22は、強磁性体である金属で構成される。ヨーク22は、マグネット23の外周面の少なくとも一部を覆う。これにより、マグネット23の外周面から磁力が漏れることが抑制される。したがって、モータ11のトルクが低下することが抑制される。
【0028】
図6に示すように、例えば、ヨーク22は、回転軸Jを中心とする円環状のヨーク円筒部22aと、ヨーク円筒部22aの内周面から径方向内方に突出する複数のヨーク突出部22bと、を有する。ヨーク円筒部22aは、ステータ部30の径方向外側に配置される。複数のヨーク突出部22bは、周方向に略等間隔に配置される。
【0029】
マグネット23は、周方向に延びる略円弧状の板形状である。本実施形態においてマグネット23は、複数設けられる。
図6では、マグネット23は、例えば、14個設けられる。マグネット23は、例えば接着剤によって、ヨーク22の内周面に固定される。より詳細には、複数のマグネット23は、ヨーク円筒部22aの径方向内側面において、2つの隣り合うヨーク突出部22b同士の周方向の間の部分に固定される。マグネット23は、内周面にN極またはS極の磁極を有する。N極の磁極を有するマグネット23とS極の磁極を有するマグネット23とは、周方向に沿って交互に配置される。
【0030】
図3に示すように、マグネット23の内周面は、後述する複数のティース31bの径方向外側の端面と、僅かな間隙を介して径方向に対向する。すなわち、マグネット23は、ステータ部30と径方向に対向する磁極面を有する。なお、マグネットは、略円筒形状であってもよい。この場合、マグネットの内周面には、N極とS極とが、周方向に交互に着磁される。
【0031】
図2および
図3に示すように、静止部14は、ベース部40、ステータ部30、および回路部60を有する。ベース部40は、回転軸Jを中心に軸方向に延びるベース円筒部41と、ベース円筒部41から径方向外方に突出するベース段差部45と、ベース円筒部41から径方向外方に広がるベース底部42と、ベース底部42から径方向外方に延びる複数のベースリブ部43と、ベースリブ部43の径方向外端に接続され円環状に周方向に延びるベース円環部44とを有する。ベース円環部44は、ベース底部42よりも軸方向上方かつ径方向外方に位置する。ベース円筒部41の外周面には、ステータ部30の後述するステータコア31が固定される。より具体的には、ベース円筒部41の外周面とステータコア31の内周面とは、径方向に対向して固定される。
【0032】
ベース円筒部41は、回転軸Jを中心にベース円筒部41を軸方向に貫通するベース貫通孔41aを有する。ベース貫通孔41aの内側には、軸受部51,52が配置される。2つの軸受部51,52が、ベース貫通孔41aの内側に軸方向に並んで配置される。ベース貫通孔41aは、径方向内方を向くベース円筒部内周面を有する。軸受部51,52の外輪の外周面は、ベース円筒部内周面に固定される。軸受部51,52は、軸部21およびベース部40に固定されることで、回転軸Jを中心に回転部13を回転可能に支持する。
【0033】
ベース段差部45は、軸方向上方に向く段差部上面45bを有する。
図7に示すように、ベース段差部45には、上側に開口し軸方向に延びる穴部45aが設けられる。穴部45aの内部には、ネジ山が設けられる。なお、
図7においては、ステータ部30の図示を省略する。
【0034】
複数のベースリブ部43は、周方向に沿って等間隔に配置される。本実施形態では、ベースリブ部43は、例えば、12個設けられる。本実施形態でのベースリブ部43は、横リブ部43aと、縦リブ部43bと、を有する。横リブ部43aは、ベース底部42から径方向外側に向かって延びる。縦リブ部43bは、横リブ部43aの径方向外端から軸方向上方に延びる。縦リブ部43bの上端は、ベース円環部44に接続される。
【0035】
図8に示すように、横リブ部43aは、回転軸Jから径方向に延びる線に対して、周方向に傾斜した方向に延びる。具体的には、横リブ部43aは、回転軸Jから径方向に延びる線に対して1〜10度の範囲内で周方向に傾斜する。より好ましくは、横リブ部43aは、回転軸Jから径方向に延びる線に対して5〜8度の範囲内で周方向に傾斜する。
【0036】
ベース部40は、ベース底部42とベース円環部44とが複数のベースリブ部43で接続されることで、ベースリブ部43の周方向に複数のベース孔部46を有する。ベース孔部46は、ベース部40を軸方向に貫通する孔である。
【0037】
ベース部40がベース孔部46を有することで、モータ11の内部、つまりステータ部30へ空気が流れ、モータ11の駆動時においてステータ部30を冷却することができる。なお、本実施形態では、12個のベース孔部46を有するが、ベース孔部46の数はこの限りではなく、13個以上であってもよいし、11個以下であってもよい。
【0038】
本実施形態では、ロータ孔部28とベース孔部46とを組み合わせることで、モータ11の内部の冷却を効率よく行うことができる。ロータ部20の回転または回転翼12の回転によって、ロータ孔部28を介してロータ部20の上側からモータ11の内部へ外気が取り込まれ、ステータ部30を冷却することができる。さらに、モータ11の内部にて熱せられた空気をベース孔部46からモータ11の外部へと排出することで、モータ11の内部の冷却を効率よく行うことができる。
【0039】
また、本実施形態では、ベースリブ部43が横リブ部43aと縦リブ部43bとを有するため、
図9に示すように、ベース孔部46は、ベース部40を軸方向に貫通する部分とベース部40を径方向に貫通する部分とを有する。
【0040】
例えば、ベース孔部が軸方向に貫通する部分のみを有する場合、ベース部40の下面がマルチコプタ1または推進ユニット10に設置された際に、ベース孔部が塞がれて空気の排出が阻害される虞がある。そのため、モータ11の内部を効率的に冷却できない虞が生じる。しかし、本実施形態のように、ベース孔部46が径方向に貫通する部分を有することで、ベース孔部46の下側が塞がれても、モータ11の内部の空気を径方向に排出することができる。したがって、モータ11の内部を効率的に冷却することができる。
【0041】
図3に示すように、ステータ部30は、回転部13と径方向に隙間を介して対向する。
図10に示すように、ステータ部30は、ステータコア31と電流が供給される複数のコイル32とを有する電機子である。すなわち、静止部14は、複数のコイル32を有する。
図2、
図3および
図9においては、コイル32の図示を省略する。ステータコア31は、磁性体である。本実施形態のステータコア31は、電磁鋼板を軸方向に重ねて構成された積層鋼板により構成される。ステータコア31は、ベース部40に固定される。ステータコア31は、コアバック31aおよび複数のティース31bを有する。コアバック31aは、回転軸Jを中心とする円環状である。複数のティース31bは、コアバック31aから径方向外側に延びる。複数のティース31bは、周方向に略等間隔に配置される。コイル32は、ティース31bのそれぞれに巻き回された導線によって構成される。
【0042】
図示は省略するが、コイル32から引き出されたコイル引出線は、モータ11の外部に引き出されたステータ配線部を介して電流制御部2またはバッテリ3に接続される。なお、コイル32から引き出されたコイル引出線は、回路部60に接続されてもよく、回路部60からモータ11の外部に引き出された回路配線部が電流制御部2またはバッテリ3に接続されてもよい。駆動電流は、ステータ配線部または回路配線部を介してコイル32に供給される。
【0043】
このようなモータ11において、コイル32に駆動電流を供給すると、複数のティース31bに磁束が生じる。そして、ティース31bとマグネット23との間の磁束の作用により、静止部14と回転部13との間に、周方向のトルクが発生する。その結果、静止部14に対して回転部13が、回転軸J周りに回転する。回転部13に支持された回転翼12は、回転部13とともに回転軸J周りに回転する。
【0044】
図3に示すように、回路部60は、ベース部40の少なくとも一部に固定される。回路部60は、平板状の回路基板61と、モータ11の情報を検出する少なくとも1つの第1検出部と、を有する。すなわち、静止部14は、回路基板61を有する。モータ11は、第1検出部を備える。本実施形態において第1検出部は、回転センサ70と、第1温度センサ71と、を含む。本実施形態では、複数のモータ11は、それぞれ同一の第1検出部を有する。そのため、各推進ユニット10のモータ11として、同じモータを用いることができるため、推進装置15の製造が容易である。
【0045】
回路基板61は、ステータ部30の軸方向一方側、すなわち下側に配置される。回路基板61は、段差部上面45bに設置される。回路基板61は、穴部45aに締め込まれるネジによってベース段差部45に固定される。これにより、回路部60は、ベース部40と接続される。また、回路基板61は、接着などネジ以外の方法でベース部40に固定されてもよい。本実施形態において、回路基板61は、軸方向において、ステータ部30とベース底部42との間に配置される。回路基板61は、ベース円環部44の上端よりも下側に配置される。図示は省略するが、回路基板61の軸方向一方側、すなわち下側の面には、出力部としてのセンサ用ケーブルが取り付けられる。
【0046】
図7に示すように、回路基板61は、ベース円筒部41の径方向外方に位置し略円環状の基板平板部62と、基板平板部62から径方向外方に延びる複数の基板突出部63と、を有する。基板突出部63は、ベース孔部46と軸方向に重なる位置に配置される。本実施形態において基板突出部63は、例えば、3つ設けられる。3つの基板突出部63は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。
【0047】
本実施形態において、回転センサ70は、ホール素子である。回転センサ70は、回転部13の周方向位置情報を検出する。すなわち、本実施形態において第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、回転部13の周方向位置情報を含む。これにより、回転センサ70によって、回転部13の回転数、回転速度を検出できる。回転センサ70は、回路基板61の上面に配置される。すなわち、少なくとも一つの第1検出部は、回路基板61の軸方向他方側、すなわち上側の面に取り付けられる。
【0048】
本実施形態において回転センサ70は、例えば、3つ設けられる。3つの回転センサ70は、基板突出部63の上面の径方向外端部にそれぞれ配置される。
図3に示すように、回転センサ70は、ティース31bの径方向外端部と軸方向に隙間を介して対向する。回転センサ70は、マグネット23の磁束の変化を検出することで、回転部13の周方向位置情報を検出する。ここで、回転センサ70によって検出される回転部13の周方向位置情報は、回転部13の周方向位置に関する情報であればよい。例えば、周方向位置情報は、ある基準位置に対して回転部13が一回転するうちのいずれの位置にいるかを示す情報であってもよいし、回転部13が一回転するうちのある範囲内に位置することを示す情報であってもよい。また、例えば、周方向位置情報は、マグネット23と回転センサ70との相対的な位置関係を示す情報であってもよいし、回転部13におけるマグネット23が回転センサ70の上側を通過した回数であってもよい。
【0049】
なお、本実施形態では、回転部13の周方向位置情報を検出する回転センサ70を、マグネット23の磁束の変化を検出するホール素子としたが、これに限られない。回転センサは、光を回転部13に照射して回転部13の周方向位置情報を検出する光学式のフォトセンサであってもよいし、その他の方式のセンサであってもよい。
【0050】
回転センサ70によって検出された信号は、回路基板61に配置された導通パターン、および回路基板61に接続されたセンサ用ケーブルを介して送信機4へと移送される。すなわち、モータ11は、回転センサ70が検出したモータ11の情報を外部に出力する出力部としてセンサ用ケーブルを備える。そのため、本実施形態によれば、センサ用ケーブルを介して、マルチコプタ1が飛行する際のモータ11の情報をモータ11の外部に出力することができる。したがって、出力されたモータ11の情報を送信機4で地上に設置された受信機6に送信する等によって、マルチコプタ1が飛行する際のモータ11の情報を取得可能である。これにより、取得したモータ11の情報に基づいてマルチコプタ1を制御することで、マルチコプタ1の飛行状態を所望する飛行状態に維持できる。
【0051】
また、マルチコプタ1が飛行する際のモータ11の情報を取得できるため、マルチコプタ1に応じてモータ11の設計仕様を最適化することができる。これにより、マルチコプタ1に適したモータ11を製造することができる。したがって、マルチコプタ1の飛行性能を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、モータ11は、推進ユニット10に搭載され、回転翼12を回転させるモータである。そのため、モータ11の情報を取得することで、推進ユニット10の状態を把握しやすい。
【0053】
なお、回転センサ70の数は、2つ以下でもよい。回転センサ70が複数設けられることで回転部13の回転状態をより正確に検出することができる。また、回転センサ70が複数設けられることで、1つの回転センサ70が故障した場合も、他の回転センサ70によって回転部13の回転状態を検出することができる。
【0054】
また、本実施形態では、回転センサ70を基板突出部63に配置することで、回転センサ70をマグネット23に対して径方向に近づけて配置できる。これにより、回転センサ70による回転部13の周方向位置情報の検出精度を向上できる。また、基板突出部63が設けられることで、回転センサ70を配置する以外の箇所、すなわち基板平板部62については、回路基板61の径方向の寸法を小さくできる。これにより、回路基板61によってベース孔部46の上側が覆われることを抑制でき、モータ11内部の空気を、ベース孔部46を介して効率的にモータ11の下方に排出することができる。つまり、モータ11の内部の空気が回路基板61によって阻害されることを抑制できる。
【0055】
第1温度センサ71は、モータ11の温度を検出する。すなわち、本実施形態において第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、モータ11の温度を含む。本実施形態では、第1温度センサ71は、モータ11の温度のうち、特にコイル32の温度を検出する。
図7および
図10に示すように、第1温度センサ71は、回路基板61の上面に配置される。より詳細には、第1温度センサ71は、基板突出部63のうちの1つの上面に配置される。第1温度センサ71は、回転センサ70の径方向内側に配置される。
【0056】
第1温度センサ71は、センサ本体と、センサ本体から下側に延びる2本の端子と、を有する。2本の端子は、回路基板61の上面に接続される。第1温度センサ71のセンサ本体は、周方向に隣り合うコイル32同士の間に配置される。そのため、コイル32の温度を好適に検出することができる。また、第1温度センサ71のセンサ本体は、直接または別素材を介してコイル32と接触する。そのため、コイル32の温度をより好適に検出することができる。別素材とは、例えば、アクリル系熱伝導層を有するシート状の素材である。熱伝導性を有するシートを第1温度センサ71のセンサ本体とコイル32とに密着させるように配置することで、コイル32の温度を効率よく検出することができる。
【0057】
なお、第1温度センサ71のセンサ本体は、回路基板61とコイル32との軸方向の間に配置されてもよい。この場合においても、例えば、第1温度センサ71のセンサ本体は、コイル32の軸方向下方において直接または別素材を介してコイル32と接触してもよい。これにより、第1温度センサ71によってコイル32の温度をより好適に検出することができる。
【0058】
また、第1温度センサ71をコイル32の軸方向下方に配置することで、第1温度センサ71がステータ部30上方から下方へと流れる空気に直接接することを抑制できる。これにより、第1温度センサ71によるコイル32の温度の検出誤差が少なく、コイル32の温度をより正確に検出することができる。
【0059】
以上のように、第1検出部が、モータ11ごとに複数種類設けられることで、モータ11の情報を複数得ることができ、モータ11の状態および推進ユニット10の状態をより精度よく把握することができる。
【0060】
図1に示す第2検出部5は、本体部1aに搭載される。第2検出部5は、マルチコプタ1の飛行状態の情報を検出する。マルチコプタ1の飛行状態の情報とは、例えば、マルチコプタ1の姿勢、マルチコプタ1の飛行速度、マルチコプタ1の高度、マルチコプタ1が飛行している周囲の気温、マルチコプタ1が飛行している周囲に流れる風量、マルチコプタ1の姿勢、マルチコプタ1に生じる振動等を含む。第2検出部5によって検出されたマルチコプタ1の飛行状態の情報は、送信機4に出力される。
【0061】
送信機4は、マルチコプタ1の状態を示す情報を送信する。本実施形態においてマルチコプタ1の状態を示す情報とは、上述したモータ11の情報およびマルチコプタ1の飛行状態の情報を含む。送信機4から送信された情報は、受信機6を介して、マルチコプタ1を操縦する操縦者のフライトコントローラ7、または情報解析システム8へ転送される。送信機4は、CPU、メモリおよび無線送信部を有する。すなわち、マルチコプタ1は、CPU、メモリおよび無線送信部を備える。
【0062】
CPUには、センサ用ケーブルを介して、回転センサ70および第1温度センサ71が検出したモータ11の情報、第2検出部5が検出したマルチコプタ1の飛行状態の情報、およびバッテリ3から電流制御部2に供給される電流の情報が入力される。CPUは、入力された各情報を処理する。具体的には、CPUは、例えば、回転センサ70によって検出された回転部13の周方向位置情報から、回転部13の回転数、回転速度等を算出する。CPUは、処理した情報を無線送信部へと出力する。メモリは、CPUが処理した情報を記憶する。これにより、送信機4と受信機6との通信状態が悪い状態であっても、CPUで処理された情報をメモリに保存しておくことができ、情報の損失を抑制できる。
【0063】
無線送信部は、回転センサ70および第1温度センサ71が検出したモータ11の情報、第2検出部5が検出したマルチコプタ1の飛行状態の情報、およびバッテリ3から電流制御部2に供給される電流の情報を無線によって外部に送信する。これにより、マルチコプタ1が飛行する際のモータ11の情報を取得可能なマルチコプタ1が得られる。
【0064】
また、本実施形態では、モータ11が第1検出部を有するため、第1検出部が本体部1aに設けられる場合等に比べて、モータ11の情報をより精度よく検出することができる。
【0065】
より詳細には、無線送信部は、CPUによって処理された各情報を受信機6に送信する。受信機6で受信された各情報は、マルチコプタ1を操縦する操縦者へ情報を提供するためにフライトコントローラ7へ転送される。すなわち、無線送信部は、フライトコントローラ7に情報を送信する。また、受信機6で受信された各情報は、推進ユニット10の飛行状態を解析するためにクラウド型の情報解析システム8へ転送される。すなわち、無線送信部は、クラウド型の情報解析システムに情報を送信する。これにより、モータ11の情報を監視または解析することで、上空で飛行するマルチコプタ1に搭載された推進ユニット10の駆動状態を地上で監視することができる。さらに、推進ユニット10に発生した異常または異常の予知検知を行うことができる。
【0066】
また、本実施形態では、第2検出部5によって検出されたマルチコプタ1の飛行状態の情報もフライトコントローラ7および情報解析システム8へ転送される。そのため、モータ11の情報とマルチコプタ1の飛行状態の情報とを組み合わせて解析を行うことで、より正確なマルチコプタ1の情報を取得することが可能である。
【0067】
また、本実施形態では、電流制御部2を利用して、電流制御部2に供給される電流の情報を無線送信部からモータ11の外部に送信できる。そのため、モータ11の駆動状態をより精度よく監視することができる。
【0068】
無線送信部は、複数種類の第1検出部によって検出されたモータ11の情報を、推進ユニット10ごとにまとめて送信する。そのため、推進ユニット10ごとの状態を把握しやすい。また、無線送信部は、複数種類の第1検出部によって検出されたモータ11の情報を第1検出部の種類ごとにまとめて送信してもよい。この構成によれば、各情報の解析を行いやすい。
【0069】
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。
【0070】
第1温度センサ71は、複数設けられてもよい。第1温度センサ71は、たとえば、回路基板61に3個設けられてもよい。この場合、第1温度センサ71のそれぞれをステータ部30の異なる相のコイル32の軸方向下方に配置してもよい。すなわち、ステータ部30が3相のコイル32を備える場合、3相それぞれに対して第1温度センサ71を配置する。これにより、各第1温度センサ71によって、3相それぞれのコイル32の温度を検出する。3相それぞれのコイル32の温度を検出することで、コイル32の発熱をより精度よく検出および予測することができる。また、第1温度センサ71は、周方向において、隣り合うコイル32同士の間に1つ配置され、隣り合うコイル32の両方の温度を検出してもよい。
【0071】
また、第1検出部は、モータ11の外部雰囲気の温度を検出する第2温度センサを含んでもよい。すなわち、第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、モータ11の外部雰囲気の温度を含んでもよい。第2温度センサによってモータ11の外部雰囲気の温度を測定することで、モータ11の外部雰囲気の温度と上述の第1温度センサ71によって検出されるコイル32の温度との差を正確に検出することができ、コイル32の発熱量をより正確に測定することができる。このように、第1温度センサ71と第2温度センサとの検出結果からコイル32の温度を検出することで、ステータ部30またはモータ11の異常な発熱をより精度よく検出および予測することができる。第2温度センサは、例えば、回路基板61の下面に取り付けられる。回路基板61の面のうちコイル32と対向する上面と逆側の下面に第2温度センサを配置することで、コイル32の熱による影響を受けにくく、第2温度センサによってモータ11の外部の温度をより精度よく検出できる。
【0072】
また、第1検出部は、モータ11の外部雰囲気の湿度を検出する湿度センサを含んでもよい。すなわち、第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、モータ11の外部雰囲気の湿度を含んでもよい。湿度センサによってモータ11の外部雰囲気の湿度を測定することで、外部雰囲気の湿度とモータ11との挙動の関係を検出することができ、モータ11の挙動をより精度よく予測することができる。
【0073】
本実施形態では、上述したようにモータ11の内部に外気が流入されるため、第2温度センサおよび湿度センサによって、モータ11の外部雰囲気の温度および湿度を好適に検出しやすい。
【0074】
また、第1検出部は、モータ11の加速度を検出する加速度センサを含んでもよい。すなわち、第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、モータ11の加速度を含んでもよい。加速度センサによってモータ11の加速度を測定することで、モータ11、推進ユニット10およびマルチコプタ1の挙動をより正確に検出することができる。また、モータ11、推進ユニット10およびマルチコプタ1の位置をより正確に測定することができる。また、モータ11、推進ユニット10およびマルチコプタ1の異常な加速を検出および予測することができる。
【0075】
例えば、加速度センサは、回路基板61に設けられる。加速度センサは、複数設けられてもよい。例えば、加速度センサを回路基板61に3個取り付け、加速度センサのそれぞれをステータ部30の異なる周方向位置と軸方向対向する位置に配置してもよい。複数の加速度センサによって検出された信号から、より詳しいモータ11の挙動を検出できる。これにより、モータ11、推進ユニット10およびマルチコプタ1の異常な加速をより精度よく検出および予測することができる。
【0076】
また、加速度センサとしては、検出子を複数内蔵したセンサを使用してもよい。すなわち、加速度センサとして、例えば6軸の加速度センサを設けてもよい。これにより、一軸の加速度センサを複数設ける場合に比べて回路構成を単純にしつつ、1つの加速度センサによって多くの加速度情報を得ることができる。例えば、加速度センサによって、モータ11の姿勢を検出できる。特に、推進ユニット10は、マルチコプタ1における重心から離れた位置に配置されやすい。このような位置に配置された推進ユニット10に加速度センサを搭載することで、モータ11の姿勢を好適に検出できる。
【0077】
また、第1検出部は、モータ11から生じる音波情報を検出する音波センサを含んでもよい。すなわち、第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、モータ11から生じる音波情報を含んでもよい。音波センサによってモータ11から生じる音波情報を測定することで、モータ11の挙動が異常であることを検出および予測することができる。具体的には、回転部13が回転する際に異音が生じたことを検出することで、回転部13の回転に異常が生じたことを検出できる。また、回転部13が回転する際に生じる音の変化によって、回転部13の回転性能が低下したこと等を検出できる。音波センサは、例えば、複数設けられてもよい。音波センサをモータ11の異なる位置に複数配置することで、モータ11から生じる音波情報をより正確に検出することができる。音波センサは、例えば、回路基板61に設けられる。
【0078】
また、第1検出部は、モータ11の外部雰囲気に含まれる物質情報を検出する物質検出センサを含んでもよい。すなわち、第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、モータ11の外部雰囲気に含まれる物質情報を含んでもよい。物質検出センサによってモータ11の外部雰囲気に含まれる物質情報を検出することで、推進ユニット10およびマルチコプタ1周辺の化学物質を検出することができる。これにより、例えば、マルチコプタ1によって農薬等を散布する場合に、散布した農薬等の外部雰囲気中における濃度を測定することができる。また、モータ11の外部雰囲気に含まれる物資情報を検出することで、外部雰囲気に含まれる物質がモータ11に与える影響を検出および予測することができる。本実施形態では、上述したようにモータ11の内部に外気が流入されるため、物質検出センサによって、モータ11の外部雰囲気の物質を好適に検出しやすい。
【0079】
また、第1検出部は、本体部1aに対するモータ11の傾きを検出する傾斜センサを含んでもよい。すなわち、第1検出部によって検出されるモータ11の情報は、本体部1aに対するモータ11の傾きを含む。傾斜センサによって本体部1aに対するモータ11の傾きを検出できるため、例えば、モータ11の本体部1aに対する固定が緩む等によって、本体部1aに対するモータ11の姿勢が異常な姿勢となっていることを検出できる。
【0080】
また、第1検出部は、コイル32に流れる電流値を検出する電流検出センサを含んでもよい。すなわち、モータ11の情報は、コイル32に流れる電流値を含んでもよい。電流検出センサによってコイル32に流れる電流値を測定することで、モータ11の駆動状態を検出することができる。モータ11の異常は、モータ11を駆動する電流に現れることが多いため、モータ11の異常をより検出しやすい。また、モータ11の異常をより予測しやすい。
【0081】
また、上述した第1検出部としての各種センサが検出したモータ11の情報をCPUで処理する際に、各情報を適宜組み合わせることで、CPUによって、より好適にモータ11の情報を算出することができる。
【0082】
また、センサ用ケーブルと送信機4との間の接続は、無線にしてもよい。すなわち、出力部が、無線によってモータの情報を外部に出力する無線出力部であってもよい。この場合、無線出力部は、回転センサ70および第1温度センサ71とケーブルで接続される。無線出力部は、例えば、回路基板61の下側の面に取り付けられる。上述した実施形態のように、回路基板61の上側の面がステータ部30と軸方向に対向する場合に、回路基板61におけるステータ部30と対向する面と逆側の下面に無線出力部を配置することで、無線出力部にステータ部30の熱が伝わることを抑制できる。これにより、無線出力部が熱によって損傷することを抑制できる。この構成において、送信機4には、無線出力部から発信された無線信号を受信する受信部が設けられる。受信部は、送信機4に設けられた無線送信部とケーブルで接続される。このような構成とすることで、配線の数とマルチコプタ1の重量とを低減できる。
【0083】
また、上記実施形態において6つのロータ孔部28の上端開口は、それぞれ縁部29の上面と軸方向に対向しているが、これに限られない。例えば、ロータ孔部28のうち一部のロータ孔部28の上端開口は、縁部29の上面と軸方向に対向しなくてもよい。すなわち、一部のロータ孔部28が設けられる周方向位置において縁部29が設けられなくてもよい。縁部29が設けられないロータ孔部28を通る空気は、軸方向に沿ってモータ11の内部に流入する。このようにして、縁部29が設けられるロータ孔部28と縁部29が設けられるロータ孔部28とを組み合わせることで、モータ11の内部の空間を広範囲に冷却することができる。また、ロータ孔部28の数は、特に限定されず、7つ以上であってもよいし、5つ以下であってもよい。
【0084】
また、上記実施形態において、縁部29は、ロータ円筒部24から径方向外方に延びる平板状であるが、縁部29の形状はこの限りではない。また、例えば、縁部29の代わりに、ロータ円筒部24が、径方向外方に広がる大径部を有してもよい。すなわち、ロータ円筒部24が、ロータ平板部25と径方向に対向する小径部と、小径部の下方において、小径部よりも外径の大きい大径部とを有してもよい。この場合、小径部と大径部との径差部位に設けられた段差面が、縁部29の上面と同様に機能する。
【0085】
また、ロータリブ部27は傾斜面を有してもよい。つまり、ロータリブ部27の周方向に向く面は傾斜する傾斜面であってもよい。これにより、ロータ部20の回転によって、ロータ孔部28を介して、ロータ部20の上側に位置する外気をよりモータ11の内部に引き込みやすい。したがって、ロータリブ部27が傾斜面を有することで、モータ11の内部を効率的に冷却することができる。
【0086】
また、羽根部27aは傾斜面を有してもよい。つまり、羽根部27aの周方向に向く面は傾斜する傾斜面であってもよい。これにより、ロータ部20の回転によって、モータ11の内部において軸方向下方に空気の流れをより起こすことができ、ステータ部30をより効率的に冷却することができる。また、羽根部27aは、ロータリブ部27に設けられなくてもよい。羽根部27aは、ロータリブ部27と別体として設けられてもよい。この場合、例えば、羽根部27aの周方向位置は、ロータリブ部27の周方向位置と異なってもよい。また、羽根部27aの数とロータリブ部27の数とが異なってもよい。
【0087】
また、複数のロータリブ部27は、それぞれ異なった間隔で配置されてもよい。例えば、6つのロータリブ部27のうち、少なくとも一部のロータリブ部27が回転軸Jを中心に異なった角度で配置されてもよい。複数のロータリブ部27が略等間隔で配置された場合、共振などにより騒音および振動を引き起こす虞がある。複数のロータリブ部27の角度を変えることで、固有振動周波数が変化し、騒音および振動を低減することができる。また、上述したように羽根部27aがロータリブ部27と別体として設けられる場合には、羽根部27aとロータリブ部27とのうちのいずれか一方が、異なった間隔で配置されてもよいし、回転軸Jを中心に異なった角度で配置されてもよい。
【0088】
また、ベースリブ部43は、ベース底部42からベース円環部44へと連続的に延びる傾斜したリブ形状であってもよい。ベースリブ部43が、ベース底部42からベース円環部44まで、直線または湾曲したリブ形状を有することで、軸方向および径方向の貫通路が構成される。したがって、横リブ部43aと縦リブ部43bと有するリブ形状と同様に、モータ11の内部の空気を軸方向および径方向に排出でき、モータ11の内部を効率的に冷却することができる。
【0089】
また、送信機4は、CPUを有していなくてもよい。この場合、各情報は、アナログ信号として受信機6に送信される。また、送信機4は、メモリを有していなくてもよい。また、送信機4の無線送信部から送信される情報の送信先は、特に限定されない。無線送信部から送信される情報は、フライトコントローラ7および情報解析システム8以外に送信されてもよい。
【0090】
また、モータ11ごとに搭載される第1検出部としてのセンサの種類が異なってもよい。各モータ11には、第1検出部として、3種類以上のセンサが設けられてもよいし、1種類のセンサが設けられてもよい。また、第1検出部としての各センサは、回路基板61に設けられてもよいし、回路基板61以外のモータ11の部分に設けられてもよい。また、例えば、第1検出部の一部を回路基板61に設ける場合、第1検出部の一部を回路基板61の下面に取り付けてもよい。この構成によれば、第1検出部を発熱するコイル32から離して配置することができ、第1検出部が熱によって破損することを抑制できる。また、第1検出部は、モータ11に設けられなくてもよい。第1検出部は、本体部1aに設けられてもよいし、モータ11以外の推進ユニット10の部分に設けられてもよい。例えば、第2温度センサを本体部1aに搭載することで、モータ11の外部雰囲気の温度を精度よく検出しやすい。
【0091】
また、上述した各種類のセンサは、第1検出部とは別に、モータ11の情報以外の情報を取得するセンサとしてマルチコプタ1に搭載されてもよい。この場合、モータ11の情報以外の情報を取得するセンサは、モータ11に搭載されてもよいし、モータ11以外に搭載されてもよい。例えば、モータ11の情報以外の情報を取得するセンサは、推進ユニット10のうちのモータ11以外の部分に搭載されてもよいし、マルチコプタ1の本体部1aに搭載されてもよい。
【0092】
また、上述した実施形態では、モータ11は、マルチコプタ1の推進ユニット10用のモータとしたが、これに限られない。モータは、本体部1aまたは推進ユニット10に搭載されるモータであれば、特に限定されない。モータは、例えば、推進ユニットの姿勢を変化させるモータであってもよい。この場合、モータは、例えば、マルチコプタの本体部における推進ユニットが取り付けられる部分を駆動させる。これにより、安定性を重視する場合の推進ユニットの姿勢、および速度を重視する推進ユニットの姿勢等を切り換えることが可能である。
【0093】
また、上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。