(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806189
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20201221BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-123088(P2019-123088)
(22)【出願日】2019年7月1日
(65)【公開番号】特開2020-38349(P2020-38349A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2019年7月1日
(31)【優先権主張番号】62/727,209
(32)【優先日】2018年9月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/371,752
(32)【優先日】2019年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500164385
【氏名又は名称】デンソー インターナショナル アメリカ インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】トリグリア ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ウェアマン レーベン
【審査官】
鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−505894(JP,A)
【文献】
特開2017−149353(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0332654(US,A1)
【文献】
特開2013−086691(JP,A)
【文献】
特開2008−126984(JP,A)
【文献】
特開2011−222712(JP,A)
【文献】
特開2011−101040(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/191496(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に対応する光を生成して照射するプロジェクタと、
非一時的コンピュータ可読メモリに記憶された命令を実行するように構成されるプロセッサを含む車両の制御モジュールが安全警告を生成したことに応答して光ビームを発するように構成された複数の発光ダイオードと、
第1の側にある透明部分と第2の側にある拡散部分とを含み、前記光ビームが通過し、かつ、前記プロジェクタが照射した画像に対応する光を反射するように構成される第1のミラーと、
操作者に向かって光を反射する第1の反射面に向かって前記光ビームを反射するように構成され、前記光ビームが前記第1のミラーを通過した後に前記光ビームを反射するように構成される第2のミラーと、
を含むヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項2】
前記安全警告は、前記車両と物体との間の差し迫った衝突に対応するものである、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、(i)カメラから得られた画像データ、および(ii)レーダシステムおよびLIDARシステムの少なくとも1つから得られたセンサデータ、のうちの少なくとも1つに基づいて衝突余裕時間を決定することによって前記安全警告を生成する請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項4】
前記複数の発光ダイオードのそれぞれは、前記光ビームを第1の色として見せるように構成された着色ケーシングを含む、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1のミラーがコールドミラーである、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項6】
前記透明部分は、ガラスまたは合成樹脂のうちの1つによって構成される、請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項7】
前記拡散部分が半透明材料によって構成される、請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項8】
前記光ビームは、前記コールドミラーの前記拡散部分から前記透明部分に進むように構成されている、請求項7に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第2のミラーが凹面鏡である、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項10】
前記凹面鏡の第1の側が反射材料によって構成される、請求項9に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項11】
前記複数の発光ダイオードがプリント回路基板上に組み込まれている、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項12】
前記プリント回路基板が前記ヘッドアップディスプレイ装置のハウジングに取り付けられている、請求項11に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項13】
前記車両の動作特性に対応する画像を生成するように構成されたプロジェクタをさらに備える、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項14】
前記第1の反射面が前記車両のフロントガラスである、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項15】
画像に対応する光を生成して照射するプロジェクタと、
非一時的コンピュータ可読メモリに記憶された命令を実行するように構成されるプロセッサを含む車両の制御モジュールが安全警告を生成したことに応答して光ビームを発するように構成された複数の発光ダイオードと、
第1の側にある透明部分と、第2の側にある拡散部分とを含み、前記光ビームが通過し、かつ、前記プロジェクタが照射した画像に対応する光を反射するように構成されるコールドミラーと、
前記光ビームを、操作者に向かって光を反射する第1の反射面に向けて反射するように構成され、前記光ビームが前記コールドミラーを通過した後に前記光ビームを反射するように構成された凹面鏡と、
を含むヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項16】
前記安全警告は、前記車両と物体との間の差し迫った衝突に対応するものである、請求項15に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項17】
前記制御モジュールは、(i)カメラから得られた画像データ、および(ii)レーダーシステムおよびLIDARシステムの少なくとも1つから得られたセンサデータ、のうちの少なくとも1つに基づいて衝突余裕時間を決定することによって前記安全警告を生成する請求項16に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項18】
前記複数の発光ダイオードのそれぞれが、前記光ビームを第1の色として見せるように構成された着色ケーシングを含む、請求項15に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項19】
前記透明部分は、ガラスまたは合成樹脂のうちの1つによって構成される、請求項15に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項20】
前記拡散部分が半透明材料によって構成される、請求項15に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
この出願は、2018年9月5日に出願された仮米国出願第62/727,209号および2019年4月1日に出願された米国出願16/371,752号の利益を主張する。上記出願の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この欄は、本開示に関連する背景情報を提供し、必ずしも先行技術ではない。
【0004】
車両は、差し迫った衝突をオペレータに警告する前方衝突警報システムを含むことができる。警報は、車両のインストルメントパネルおよび/または車両のヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を使用して表示することができる。具体例として、HUD装置は、車両のフロントガラスに表示される画像またはインジケータを生成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のHUD装置は、例えば、フロントガラスおよびHUD装置のミラーにおける損失のために、高強度の光を生成することができない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この欄は、本開示の概要を提供するが、その全範囲またはそのすべての特徴の包括的な開示を行うものではない。
【0007】
ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置が開示され、そのHUD装置は、
画像に対応する光を生成して照射するプロジェクタと、車両の制御モジュールが安全警告を生成したことに応答して光ビームを発するように構成された複数の発光ダイオードを含み、制御モジュールは非一時的コンピュータ可読メモリに格納された命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。HUD装置はまた、透明部分と拡散部分とを含む第1のミラーを備える。透明部分は、第1のミラーの第1の側にあり、拡散部分は、第1のミラーの第2の側にある。
第1のミラーは、光ビーム
が通過し、かつ、プロジェクタが照射した画像に対応する光を反射するように構成される。HUD装置はまた、
操作者に向かって光を反射する第1の反射面に向かって光ビームを反射するように構成された第2のミラーを備え、第2のミラーは、光ビームが第1のミラーを通過した後に光ビームを反射するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、安全警告は、車両と物体との間の差し迫った衝突に対応するものである。
【0009】
いくつかの実施形態では、制御モジュールは、(i)カメラから得られた画像データ、および(ii)レーダシステムおよびLIDARシステムの少なくとも1つから取得されたセンサデータ、のうちの少なくとも1つに基づいて衝突余裕時間を決定することによって安全警告を生成する。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数の発光ダイオードは、光ビームを第1の色として見せるように構成された着色ケーシングを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の鏡はコールドミラーである。
【0012】
いくつかの実施形態では、透明部分はガラスおよび合成樹脂のうちの一方によって構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、拡散部分は半透明材料によって構成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、光ビームは、コールドミラーの拡散部分から透明部分へ進むように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2のミラーは凹面鏡である。
【0016】
いくつかの実施形態において、凹面鏡の第1の側は反射材料によって構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、複数の発光ダイオードはプリント回路基板(PCB)上に組み込まれる。
【0018】
いくつかの実施形態において、PCBはHUD装置のハウジングに取り付けられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、HUD装置はさらに、車両の動作特性に対応する画像を生成するように構成されたプロジェクタを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の反射面は車両のフロントガラスである。
【0021】
別のHUD装置が開示され、そのHUD装置は、
画像に対応する光を生成して照射するプロジェクタと、車両の制御モジュールが安全警告を生成したことに応答して光ビームを発するように構成された複数の発光ダイオードを含み、制御モジュールは非一時的コンピュータ可読メモリ内に記憶された命令を実行するように構成されるプロセッサを含む。HUD装置はまた、第1の側にある透明部分と第2の側にある拡散部分とを含むコールドミラーを備え、光ビームはコールドミラーを通過
し、かつ、プロジェクタが照射した画像に対応する光を反射するように構成される。HUD装置はまた、光ビームを
、操作者に向かって光を反射する第1の反射面に向かって反射するように構成された凹面鏡を含み、凹面鏡は、光ビームがコールドミラーを通過した後に光ビームを反射するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、安全警告は、車両と物体との間の差し迫った衝突に対応する。
【0023】
いくつかの実施形態では、制御モジュールは、(i)カメラから取得された画像データ、および(ii)レーダシステムおよびLIDARシステムの少なくとも1つから取得されたセンサデータ、のうちの少なくとも1つに基づいて衝突余裕時間を決定することによって安全警告を生成する。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数の発光ダイオードのそれぞれは、光ビームを第1の色として見えるようにするように構成された着色ケーシングを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、透明部分はガラスおよび合成樹脂のうちの一方によって構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、拡散部分は半透明材料によって構成される。
【0027】
さらなる適用可能分野は、本明細書の説明から明らかになるであろう。この概要における説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態の例示目的のみであり、すべての可能な実施形態ではなく、図面は本開示の範囲を限定することを意図していない。
【
図1】本開示に係る車両の機能を高い抽象度で例示したブロック図である。
【
図2】本開示に係る車両のHUD装置の一例を示す図である。
【
図3A】本開示に係るHUD装置の詳細を例示する図である。
【
図3B】本開示に係るHUD装置の詳細を例示する図である。
【
図4】本開示に係るHUD装置のプロジェクタの詳細を例示する図である。
【
図5】本開示に係るHUD装置のFCWADを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
複数の図面に渡る対応する参照番号は、対応する部分を示す。
【0030】
例示的な実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0031】
図1を参照すると、例示の車両10が示されている。車両10は、電子制御モジュール(ECM)20、カメラ30、レーダシステム40、LIDARシステム50、およびヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)60を含むことができる。本明細書に記載の機能を実行するために、ECM20は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはリードオンリーメモリ(ROM)などの非一時的コンピュータ可読メモリに記憶された命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサによって構成することができる。
【0032】
一実施形態では、ECM20は前方衝突警報(FCW)アルゴリズムを実行するように構成される。一例として、ECM20は、カメラ30から画像データを受信し、レーダシステム40および/またはLIDARシステム50からセンサデータを受信することができる。画像データおよび/またはセンサが、例えば、車両10に接近する物体または車両10の前方を横断する歩行者を示す場合、ECM20は、物体または歩行者との衝突までの時間(衝突余裕時間とも称す)を計算することができる。衝突余裕時間が閾値未満である場合、ECM20は、車両10を減速し停止させるために、車両10のブレーキを作動させるように車両10に指示することができる。例示的なFCWアルゴリズムは、2015年1月23日に出願され、デンソーインターナショナルアメリカインコーポレーテッドに譲渡された米国特許第9,308,914号にさらに詳細に記載されている。米国特許第9,308,914号は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。さらに、衝突余裕時間が閾値未満である場合、ECM20は、
図2−
図5を参照して以下に詳しく説明するように、物体や歩行者および/または潜在的な差し迫った衝突に対応する、安全警告に相当する警告を生成し表示するようにHUD装置60に指示するように構成される。
【0033】
図2を参照すると、HUD装置60および車両10の図が示されている。HUD装置60は、車両10のインストルメントパネル70内に配置することができる。HUD装置60は、ガラス、合成樹脂、または他の同様の透明材料によって構成されたフロントガラス80上に画像を投影するように構成することができる。投影画像は、その後、フロントガラス80の内面80Aによって反射され、それによって、光路100によって示されるように、操作者90が投影画像に対応する虚像を見ることを可能にする。虚像は、車両10の現在の速度、車両10内の燃料の量、および他の車両状態情報などの様々な種類の情報を示すことができる。さらに、虚像は、ナビゲーション命令および/または道路情報に対応していてもよい。
【0034】
同様に、HUD装置60は、物体または歩行者および/または潜在的な差し迫った衝突に対応する警報をフロントガラス80上に投影するように構成することができる。したがって、操作者90は、光路105によって示されるように、フロントガラス80の内面80Aによって反射される警告を見ることができる。フロントガラス80は第1の反射面である。
【0035】
図3A−
図3Bを参照すると、HUD装置60の詳細な例示図が示されている。一実施形態では、HUD装置60は、プロジェクタ110、第1のミラーであるコールドミラー120、第2のミラーである凹面鏡130、ハウジング140、ダストカバー150、前方衝突警報装置(FCWAD)160、およびHUD制御モジュール170を含むことができる。
【0036】
図3Aに示すように、プロジェクタ110は、画像に対応する光を生成してコールドミラー120に向けて照射させるように構成されている。プロジェクタ110は、
図4を参照して以下でさらに詳細に説明される。合成樹脂、ガラス、または他の類似の透明材料などの透明材料によって構成されるコールドミラー120は、光路100によって示されるように、画像に対応する光を凹面鏡130に向かって反射するように構成される。さらに、コールドミラー120は、赤外線を透過するように構成されてもよい。
【0037】
光路100上に配置されている凹面鏡130は、透明材料で構成されてもよく、凹面鏡130の第1の表面130A上にアルミニウムを含んでもよい。さらに、凹面鏡130は、光路100によって示されるように、画像に対応する光をフロントガラス80(図示せず)に向かって反射するように構成される。
【0038】
ダストカバー150は、アクリル樹脂などの透明材料によって構成されてもよい。ダストカバー150は、異物がハウジング140内に侵入するのを防ぎ、凹面鏡130で反射された光がフロントガラス80に接触することを可能にし、それによって操作者90が虚像を見ることを可能にする。
【0039】
図3Bを参照すると、FCWAD160は、上述したように、例えば衝突余裕時間が閾値未満であることに応答して発光するように構成される。一実施形態では、RAMおよび/またはROMなどの非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行するように構成されたプロセッサによって構成することができるHUD制御モジュール170は、衝突余裕時間の値が閾値よりも小さいことに応答して、ECM20から信号を受信することができる。信号の受信に応答して、HUD制御モジュール170は、FCWAD160の光源を作動させる信号を送信することができる。FCWAD160によって生成された光は、コールドミラー120によって拡散され、凹面鏡130によって反射される。その後、フロントガラス80は、FCWAD160によって生成された光を反射し、それによって、光路105によって示されるように、操作者がFCWAD160によって生成された光を見ることを可能にする。FCWAD160は、
図5を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0040】
他の実施形態では、HUD装置60は、凹面鏡130の上方に配置された偏光板および位相差板を含むことができる。偏光板は、プロジェクタ110およびFCWAD160のうちの少なくとも一方によって透過された光を偏光させるように構成されてもよい。位相差板は、プロジェクタ110およびFCWAD160の少なくとも一方を透過した光の位相値をシフトさせるように構成されていてもよい。偏光板および位相差板については、2016年6月7日に出願され、株式会社デンソーに譲渡された米国特許出願第15/736,143号にさらに詳細に記載されている。米国特許出願第15/736,143号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
図4を参照すると、プロジェクタ110の詳細図が示されている。プロジェクタ110は、光源180と、集光レンズ190と、拡散板200と、投射レンズ210と、液晶パネル220とを含む。プロジェクタ110の各構成要素は、プロジェクタケース(図示せず)内に収容されていてもよい。
【0042】
一実施形態では、光源180は、プリント回路基板(PCB)180A上に配置された複数の発光ダイオード(LED)によって構成される。光源180は、プロジェクタ110のPCB180Aを介して電源(例えば、自動車のバッテリー)に接続することができる。光源180は、集光レンズ190に向けて光を照射するように構成されている。この光は光ビームである。一例として、光源180は、複数のLEDの少なくとも一部が蛍光材料で覆われている場合に擬似白色光を投射するように構成されてもよい。
【0043】
集光レンズ190は、合成樹脂、ガラス、他の類似の透明材料などの透明材料で構成されている。また、集光レンズ190は、光源180と拡散板200との間に配置された凸レンズでありうる。集光レンズ190は、光源180から出射された光を集光するように構成されている。
【0044】
拡散板200は、透明な材質で構成することができる。また、拡散板200は、集光レンズ190と投射レンズ210との間に配置されてもよい。拡散板200は、光源180が発する光の明るさを調整するように構成されている。
【0045】
投射レンズ210は、透明材料で構成されている。また、投射レンズ210は、拡散板200と液晶パネル220との間に配置されている。投射レンズ210は、光源180から発せられた光を集光して液晶パネル220に向けて投射するように構成されている。
【0046】
液晶パネル220は、例えば、液晶パネル220の各画素を制御するように構成された複数の薄膜トランジスタ(TFT)によって構成することができる。液晶パネル220はまた、各画素を制御するためにアクティブマトリクスアドレッシング方式を利用してもよい。液晶パネル220は一対の偏光板を含み、一対の偏光板の間には液晶層が配置されている。偏光板は、第1の方向に偏光した光を通過させ、第1の方向に対して直交する第2の方向に偏光した光を排除するように構成される。また、液晶層は、各画素に電圧を印加することにより、偏光板を透過した光の偏光方向を回転させることができ、これによりプロジェクタ110は、フロントガラス80に表示される画像を生成することができる。
【0047】
図5を参照すると、FCWAD160の詳細図が示されている。一実施形態では、コールドミラー120は、コールドミラー120の第1の側に配置された、透明部分である透明表面部230と、コールドミラー120の第2の側に配置された第2の表面部240とを含むことができる。さらに、FCWAD160は、プリント回路基板(PCB)260上に配置された複数の発光ダイオード(LED)250と、ブラケット270と、を含むことができる。複数のLED250はそれぞれ、色付けされたケースを含み、それによってLEDが赤、緑、黄色、青などに見える光を放射することを可能にする。PCB260は、任意の適切な取り付けまたは固定要素(例えば、ネジ)を使用してブラケット270に取り付けられ、ブラケット270は、任意の適切な取り付け要素または固定要素を使用してハウジング140内の任意の位置に取り付けることができる。
【0048】
ECM20からの信号の受信に応答して、HUD制御モジュール170は、複数のLED250から延びる破線の矢印によって示されるように、複数のLED250を発光させる信号を送信することができる。第2の表面部240は、拡散部分であり、第2の表面部240から延びる破線の矢印で示されるように、複数のLED250から放出された光を拡散させるように構成されている。一実施形態では、第2の表面部240は、半透明材料(例えば、すりガラス、ポリテトラフルオロエチレン、ホログラム、オパールガラス、グレーガラスなど)のような、光を拡散するように構成された任意の材料によって構成することができる。あるいは、第2の表面部240は、コールドミラー120の第2の側を研磨ブラスト(例えば、サンドブラスト)することによって形成されてもよい。他の実施形態では、第2の表面部240はフロストコーティングまたは他の同様の要素によって構成されてもよい。
【0049】
拡散された光は、上述のように、透明表面部230を通過し、次いで凹面鏡130によって反射される。続いて、フロントガラス80は拡散光を反射するように構成され、それによってオペレータが拡散光を見ることを可能にする。拡散光の均一性および強度は、複数のLED250とコールドミラー120との間の距離に基づくことができる。
【0050】
言い換えれば、FCWAD160は、ECM20によって衝突余裕時間が閾値未満であると決定されたことに応じて、検出された物体や歩行者および/または潜在的な差し迫った衝突に対応する、均一に拡散された高強度光(すなわち警告)を提供するように構成されるものであるが、均一に拡散された高強度光の拡散の程度、即ち均一性を任意に調整できるものである。さらに、凹面鏡130およびフロントガラス80によって反射された高強度の光(例えば、赤色に見える光)は、物体または歩行者および/または潜在的な差し迫った衝突を操作者90に十分に知らせるように構成される。それ故、操作者90が、危険を軽減する是正処置(例えば、ブレーキペダルを踏むこと)を実行するのに十分な警告になる。
【0051】
前述の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、本開示、その適用、または使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すれば他の修正が明らかになるので、開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つまたは複数のステップを異なる順序で(または同時に)実行することができることを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたこれらの特徴のうちの任意の1つ以上は、他の実施形態の特徴において実行することができ、および/または、明示的に示されていないとしても、他の実施形態に組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、そして1つ以上の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内にとどまる。
【0052】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続」、「係合」、「結合」、「隣接」、「隣」、「上」、「上方」、「下方」「配置」などの様々な用語を用いて説明される。第1要素と第2要素との間の関係が上記開示において説明されているとき、「直接」であると明示的に記載されている場合を除いて、その関係は、第1要素と第2要素との間に他の介在要素が存在しない直接関係であってもよいし、第1要素と第2要素の間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係でもよい。本明細書で使用されるとき、A、B、およびCのうちの少なくとも1つの句は、非排他的論理和を使用する論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、および少なくとも1つのCを意味すると解釈されるべきではない。
【0053】
図面において、矢印記号で示されるように、矢印の方向は、一般的に、図示において重要な情報(データまたは命令など)の流れを示す。例えば、要素Aと要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が図に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことがある。この一方向の矢印は他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味しない。さらに、要素Aから要素Bに送信された情報の場合、要素Bは、要素Aに情報の要求または受信確認を送信することができる。
【0054】
この明細書において、以下の定義を含めて、用語「モジュール」または用語「コントローラ」は用語「回路」と置き換えられてもよい。「モジュール」という用語は、次の要素を指すこと、次の要素の一部であること、またはそれらを含むこと、ができる。その要素としては、(1)特定用途向け集積回路(ASIC)、(2)デジタル式、アナログ式、またはアナログ/デジタル混合式のディスクリート回路、(3)デジタル式、アナログ式、またはアナログ/デジタル混合式の集積回路、(4)組み合わせ論理回路、(5)フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コードを実行する(共有、専用、またはグループの)プロセッサ回路、(6)プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶する(共有、専用、またはグループの)メモリ回路、(7)説明された機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、(8)システムオンチップなどにおける上記の要素のいくつかまたはすべての組み合わせ、がある。
【0055】
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせに接続されている有線または無線インターフェースを含むことができる。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続されている複数のモジュール間で分散させることができる。例えば、複数のモジュールで負荷分散が可能である。さらなる例では、サーバ(リモート、またはクラウドとしても知られる)モジュールは、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成することができる。
【0056】
コードという用語は、上記で使用されているように、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのコードの一部または全部を実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、複数の個別ダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、またはこれらの組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのコードの一部または全部を格納する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0057】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語の一要素である。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、(搬送波上などの)媒体を通って伝播する一時的な電気信号または電磁信号を含まない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形の非一時的なものと見なすことができる。非一時的で有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ回路、またはマスク読み出し専用メモリ回路など)、揮発性メモリ回路(例えば、スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、光記憶媒体(CD、DVDまたはブルーレイディスクなど)である。
【0058】
本明細書に記載されている装置および方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的または完全に実装されてもよい。上記の機能ブロックおよびフローチャート要素はソフトウェアの仕様として機能し、熟練した技術者またはプログラマーの通常業務によってコンピュータープログラムに変換することができる。
【0059】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの一時的でない有形のコンピュータ可読媒体に格納されているプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含むかまたはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定の装置と相互作用するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含み得る。
【0060】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(HyperText Markup L
anguage)、XML(Xtensible Markup Language)のような解析されるべき記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)実行時コンパイラ(just−in−time compiler)によるコンパイルおよび実行のためのソースコードなどを含むが、これらに限定されない。例示だけとして、ソースコードは、以下に列挙する言語の構文を使用して書くことができる。利用可能な言語の名称(いくつかの名称は登録商標である)は、C、C++、C#、Objective−C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript、HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash、VisualBasic、Lua、MATLAB、SIMULINK、Pythonなどである。
【0061】
請求項に記載された要素(element)は、その要素が語句「means for」、または方法の請求項の場合における語句「operation for」または「step for」を使用して明示的に記載されない限り、どれも35 U.S.C. §112(f)の意味における「means−plus−function element」として解釈されることを意図していない。
【0062】
実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提供されている。それは網羅的であることまたは開示を制限することを意図しない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般的にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能であれば交換可能であり、具体的に図示または説明されていなくても選択された実施形態で使用できる。これは、多くのやり方で変形され得る。そのような変形は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような修正はすべて本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0063】
10:車両 20:ECM(電子制御モジュール) 30:カメラ 40:レーダシステム 50:LIDARシステム 60:HUD装置 70:インストルメントパネル 80:フロントガラス 80A:内面 90:操作者 100:光路 105:光路 110:プロジェクタ 120:コールドミラー(第1のミラー) 130:凹面鏡(第2のミラー) 130A:第1の表面 140:ハウジング 150:ダストカバー 160:FCWAD 170:HUD制御モジュール 180:光源 180A:PCB 190:集光レンズ 200:拡散板 210:投射レンズ 220:液晶パネル 230:透明表面部 240:第2の表面部 250:LED 260:PCB 270:ブラケット