(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
飲料を収容する飲料容器と該飲料容器をその内部に収容する外側ケースとを備えた飲料コンテナに取り付けられるように構成され、前記飲料コンテナから飲料を取り出すための飲料流路および前記飲料コンテナにガスを供給するためのガス流路を備えた飲料サーバーキャップと、前記飲料サーバーキャップに対して着脱可能に装着されるカプラとを備えた飲料供給機構であって、
前記飲料流路を開閉可能に閉止する飲料バルブと、前記飲料バルブを閉止方向に向けて付勢する飲料用付勢バネと、前記ガス流路を開閉可能に閉止するガスバルブと、前記ガスバルブを閉止方向に向けて付勢するガス用付勢バネと、前記飲料容器の容器口筒部に着脱可能なアダプターとを備え、
前記アダプターは、前記容器口筒部に対して上方からスナップフィット形式で係合するスナップ係合部を有し、
前記飲料バルブと前記飲料用付勢バネと前記ガスバルブと前記ガス用付勢バネとを含む前記飲料サーバーキャップの各部品は、前記アダプターを介して前記容器口筒部に取り付けられるように構成され、
前記カプラは、カプラ外筒部と、前記カプラ外筒部内に進退可能に配置されたカプラ内筒部と、カプラ内筒部の外周側に取り付けられた環状の内筒側シール部材とを備え、
前記ガスバルブは、上下方向に貫通するバルブ開口孔が形成されたバルブ本体部と、前記バルブ開口孔の内周面に突出形成された環状凸部とを有し、
前記環状凸部よりも上方側に位置する前記バルブ開口孔は、前記カプラの前記内筒側シール部材を上方から受け入れる部位として機能し、
前記環状凸部よりも上方側に位置する前記バルブ開口孔の内径は、前記内筒側シール部材の外径よりも小さく設計されていることを特徴とする飲料供給機構。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、このようなビール等を供給するための飲料サーバーキャップや飲料容器においても、その使用後において飲料サーバーキャップや飲料容器の各部品を分別回収してリサイクルすることや、その軽量化が要求されており、このような要求に答えるために、飲料サーバーキャップや飲料容器の各部品を樹脂から形成することが試みられている。
【0006】
ところが、飲料サーバーキャップや飲料容器の各部品を樹脂製とすることで軽量化を図ることができるものの、特許文献1に開示される飲料サーバーキャップのように、各バルブ部品および各バネ部品をその内部に設置した取付部材を容器口筒部(口金)内に圧入した場合、容器口筒部から取付部材を取り外すことが困難であるばかりでなく、取付部材内に設置された各バルブ部品および各バネ部品についても、容器口筒部や取付部材から取り外すことが困難であり、その分解性に難があるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、部品の分解性を向上させることが可能な
飲料供給機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の
飲料供給機構は、飲料を収容する飲料容器と該飲料容器をその内部に収容する外側ケースとを備えた飲料コンテナに取り付けられるように構成され、前記飲料コンテナから飲料を取り出すための飲料流路および前記飲料コンテナにガスを供給するためのガス流路を備えた飲料サーバーキャップ
と、前記飲料サーバーキャップに対して着脱可能に装着されるカプラとを備えた飲料供給機構であって、前記飲料流路を開閉可能に閉止する飲料バルブと、前記飲料バルブを閉止方向に向けて付勢する飲料用付勢バネと、前記ガス流路を開閉可能に閉止するガスバルブと、前記ガスバルブを閉止方向に向けて付勢するガス用付勢バネと、前記飲料容器の容器口筒部に着脱可能なアダプターとを備え、前記アダプターは、前記容器口筒部に対して上方からスナップフィット形式で係合するスナップ係合部を有し、前記飲料バルブと前記飲料用付勢バネと前記ガスバルブと前記ガス用付勢バネとを含む前記飲料サーバーキャップの各部品は、前記アダプターを介して前記容器口筒部に取り付けられるように構成され
、前記カプラは、カプラ外筒部と、前記カプラ外筒部内に進退可能に配置されたカプラ内筒部と、カプラ内筒部の外周側に取り付けられた環状の内筒側シール部材とを備え、前記ガスバルブは、上下方向に貫通するバルブ開口孔が形成されたバルブ本体部と、前記バルブ開口孔の内周面に突出形成された環状凸部とを有し、前記環状凸部よりも上方側に位置する前記バルブ開口孔は、前記カプラの前記内筒側シール部材を上方から受け入れる部位として機能し、前記環状凸部よりも上方側に位置する前記バルブ開口孔の内径は、前記内筒側シール部材の外径よりも小さく設計されていることにより、前記課題を解決するものである
。
【発明の効果】
【0009】
本請求項1に係る発明によれば、アダプターに上方に向けた力を加えることで、飲料容器やアダプター等の各キャップ部品を外側ケースから容易に取り外すことが可能であるため、飲料容器の取り替えを容易に行うことができ、重量が大きく材料の使用量が多い外容器の再利用を円滑に図ることができ、また、外側ケースから取り外した状態で、アダプターからの飲料容器の取り外しや飲料サーバーキャップの各部品の分解を行うことが可能であるため、飲料容器や飲料サーバーキャップの分別廃棄を容易に達成することができる。
また、飲料バルブと飲料用付勢バネとガスバルブとガス用付勢バネとを含む飲料サーバーキャップの各部品が、アダプターを介して容器口筒部に取り付けられるように構成されていることにより、アダプターの設計を調整することで、異なる設計の容器口筒部に対して飲料サーバーキャップを取り付けることが可能であるため、異なる設計の飲料容器間における飲料サーバーキャップの部品の共通化を図ることができる。
【0010】
本請求項2に係る発明によれば、飲料サーバーキャップが、飲料コンテナの外側ケースのケース口筒部に対して着脱可能なクロージャー部材を備え、クロージャー部材が、アダプターを覆うように構成されていることにより、ケース口筒部とアダプターとの間の係合箇所を設けなくてよいため、飲料コンテナや飲料サーバーキャップを廃棄する時等に、容器口筒部からアダプターを取り外すために大きな力を必要とせず、飲料コンテナや飲料サーバーキャップの分別廃棄を容易に達成することができる。
本請求項3に係る発明によれば、クロージャー部材が、ケース口筒部に対して上下方向に着脱可能に構成され、アダプターが、ケース口筒部とクロージャー部材との間で上下方向に挟まれる被挟持部を有していることにより、ケース口筒部に対するクロージャー部材の取り付けによって、ケース口筒部とクロージャー部材とによってアダプターを上下方向に挟み込み、アダプターの設置態様を安定させることが可能であるため、容器口筒部とアダプターとの間の係合が不用意に外れてしまうことを抑制することができる。また、飲料サーバーキャップを分解する時には、ケース口筒部からクロージャー部材を取り外すことで、クロージャー部材に対してアダプターを取り外すことが可能であるため、飲料サーバーキャップの分解作業を容易に達成することができる。
本請求項4に係る発明によれば、飲料バルブと飲料用付勢バネとが、単一部品として形成されていることにより、飲料バルブと飲料用付勢バネとの間の設置態様を安定させることが可能であるため、部品点数を低減するとともに、飲料バルブによる飲料流路の閉止機能を安定して発揮させることができる。
本請求項
1に係る発明によれば、カプラの内筒側シール部材を上方から受け入れる部位として機能する、ガスバルブの環状凸部よりも上方側に位置するバルブ開口孔の内径が、内筒側シール部材の外径よりも小さく設計されていることにより、ガスバルブのバルブ開口孔内に内筒側シール部材が挿入された時に、バルブ開口孔の内周面と内筒側シール部材の外周面との間をシールすることが可能であるため、カプラとガスバルブとの間におけるシール強度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係る飲料供給機構10について、図面に基づいて説明する。
【0013】
まず、飲料供給機構10は、
図1や
図3(b)に示すように、ビールを収容する飲料コンテナ30と、飲料コンテナ30に着脱可能に取り付けられる飲料サーバーキャップ20と、飲料サーバーキャップ20に着脱可能に装着されるカプラ40とを備えている。
【0014】
飲料コンテナ30は、
図1に示すように、ビールを収容する飲料容器31と、飲料容器31をその内部に収容する樹脂製の外側ケース32とを備えている。
【0015】
飲料容器31は、
図1に示すように、可撓性を有した樹脂フィルムから形成されたパウチとして構成された容器本体31aと、容器本体31aの口部に取り付けられ筒状の容器口筒部31bとして機能するスパウト31bとから構成されている。
【0016】
外側ケース32は、
図1に示すように、飲料容器31をその内部に収容するケース本体32aと、筒状に形成されたケース口筒部32bを有している。
【0017】
カプラ40は、
図3(b)〜
図5に示すように、飲料コンテナ30からビールを取り出すとともに飲料コンテナ30に二酸化炭素を供給するために、飲料サーバーキャップ20に着脱可能に装着されるものである。
【0018】
カプラ40は、
図3(b)に示すように、金属製の筒状のカプラ外筒部41と、カプラ外筒部41内に長手方向に沿って進退可能に配置された金属製の筒状のカプラ内筒部42と、カプラ外筒部41の先端側に取り付けられた弾性材料から成る環状の外筒側シール部材43と、カプラ内筒部42の外周側に取り付けられた弾性材料から成る環状の内筒側シール部材44と、カプラ外筒部41の内周面に形成された環状凹部内に配置されカプラ外筒部41の内周面とカプラ内筒部42の外周面との間をシールする弾性材料から成るOリング45と、カプラ内筒部42の内側に配置されカプラ40側から飲料コンテナ30側へのビールの逆流を阻止するとともに飲料コンテナ30側からカプラ40へのビールの流れを許容するボール状のチェック弁46とを備えている。
【0019】
飲料サーバーキャップ20は、
図5に示すように、飲料コンテナ30からビールを取り出すための飲料流路50と飲料コンテナ30に二酸化炭素を供給するためのガス流路60とを備えるものであり、
図2に示すように、飲料流路50を開閉可能に閉止する飲料バルブ21と、飲料バルブ21を閉止方向に向けて付勢する飲料用付勢バネ22と、ガス流路60を開閉可能に閉止するガスバルブ23と、ガスバルブ23を閉止方向に向けて付勢するガス用付勢バネ24と、ガスバルブ23に取り付けられて飲料流路50を形成する筒状の注出部材25と、注出部材25に取り付けられるチューブ26と、容器口筒部31bに上方から着脱可能に取り付け可能なアダプター27と、ケース口筒部32bに対して上下方向に着脱可能に取り付けられるクロージャー部材28と、使用者による飲料サーバーキャップ20の把持性を向上するためのハンドル部材29とを備えている。
なお、飲料サーバーキャップ20の各部品は、全て合成樹脂から形成されている。
【0020】
以下、飲料サーバーキャップ20の各構成要素について説明する。
【0021】
飲料バルブ21は、
図2に示すように、略円板状に形成された部位であり、本実施形態では、飲料用付勢バネ22と一体に単一部品として形成されている。
飲料用付勢バネ22は、
図2に示すように、略筒状に形成された全体形状を有し、上下方向にバネ力を生じる形状で形成されている。
単一部品として構成された飲料バルブ21および飲料用付勢バネ22は、
図2に示すように、ガスバルブ23および注出部材25によって形成される収容部内に配置され、具体的には、飲料バルブ21の上面がガスバルブ23の下面に当接するとともに、飲料用付勢バネ22の下端が注出部材25に当接するように配置されている。
【0022】
飲料バルブ21は、
図2に示すように、飲料用付勢バネ22によって上方に向けて付勢され、ガスバルブ23の下面に押し付けられる。これにより、飲料バルブ21とガスバルブ23との間がシールされ、飲料流路50が閉止される。
なお、本実施形態では、
図2に示すように、ガスバルブ23の下面に下面側環状シール部23eを突出形成したが、飲料バルブ21とガスバルブ23との間のシール構造は、飲料バルブ21とガスバルブ23との間の隙間(飲料流路50)を開閉可能にシールするものであれば、如何なるものでもよく、例えば、飲料バルブ21の上面に環状シール部を突出形成してもよい。
【0023】
ガスバルブ23は、
図2に示すように、その中央部に上下方向に貫通するバルブ開口孔23dが形成された略ドーナツ状のバルブ本体部23aと、バルブ本体部23aのバルブ開口孔23dの内周面に環状に突出して形成された環状凸部23bと、バルブ本体部23aの下面から突出して形成された突出片23cとを有している。
【0024】
環状凸部23bよりも上方側に位置するバルブ開口孔23dは、
図4(b)のB箇所に示すように、カプラ40の内筒側シール部材44を上方から受け入れる部位として機能する。
ここで、環状凸部23bよりも上方側におけるバルブ開口孔23dの内径は、カプラ40の内筒側シール部材44の外径よりも小さく設計され、これにより、
図4(a)(b)のB箇所に示すように、バルブ開口孔23d内に内筒側シール部材44が挿入された時に、バルブ開口孔23dの内周面と内筒側シール部材44の外周面との間は密着してシールされる。
なお、バルブ開口孔23d内に内筒側シール部材44が挿入された時には、
図4(b)のB箇所に示すように、環状凸部23bの上面と内筒側シール部材44の下面との間についても、密着してシールされるように設計されている。
突出片23cは、
図2に示すように、注出部材25の上端側部分の外周側に配置されて、注出部材25に対して着脱可能に取り付けられる。
【0025】
ガスバルブ23は、
図2に示すように、その下端がアダプター27に当接するとともにその上端がガスバルブ23に当接して設置されたガス用付勢バネ24によって上方に向けて付勢され、クロージャー部材28の下面に押し付けられる。これにより、ガスバルブ23とクロージャー部材28との間がシールされ、ガス流路60が閉止される。
なお、本実施形態では、
図2に示すように、ガスバルブ23の上面に上面側環状シール部23fを形成したが、ガスバルブ23とクロージャー部材28との間のシール構造は、ガスバルブ23とクロージャー部材28との間の隙間(ガス流路60)を開閉可能にシールするものであれば、如何なるものでもよく、例えば、クロージャー部材28の下面側に環状シール部を形成してもよい。
【0026】
また、ガスバルブ23は、複数種類(2種類)の樹脂材料から多色成形(二色成形)され、具体的には、他部材(飲料バルブ21、クロージャー部材28、カプラ40の内筒側シール部材44)との接触によってシール部を形成する部位(環状凸部23bよりも上方側のバルブ開口孔23dの内周面、下面側環状シール部23e、上面側環状シール部23f)については、弾性を有した樹脂材料から形成され、それ以外の部位についてはより剛性を有した樹脂材料から形成されている。
【0027】
注出部材25は、
図2に示すように、ガスバルブ23に取り付けられてその内部に飲料流路50を形成するものである。注出部材25の下端部分には、
図2に示すように、飲料容器31内からビールを取り出すためのチューブ26が取り付けられている。チューブ26は、飲料容器31内に配置され、飲料容器31の底付近にまで延びている。
【0028】
注出部材25とガスバルブ23とによって形成された収容部内には飲料バルブ21と飲料用付勢バネ22とが配置され、これにより、注出部材25とガスバルブ23とを組み付けた状態では、飲料バルブ21と飲料用付勢バネ22とガスバルブ23と注出部材25と(チューブ26と)は、1つのユニットとして取り扱うことができる。
【0029】
アダプター27は、
図2に示すように、飲料容器31の容器口筒部31bに着脱可能に取り付けられ、飲料サーバーキャップ20の各構成要素と容器口筒部31bとの間に介在して配置されるものであり、言い替えると、飲料サーバーキャップ20の各構成要素は、アダプター27を介して容器口筒部31bに取り付けられる。
また、注出部材25とチューブ26とを除いて、飲料サーバーキャップ20の各構成要素は、容器口筒部31bの外側に配置されている。
【0030】
アダプター27は、容器口筒部31bおよびケース口筒部32bの間に介在して配置されるように形成され、
図2に示すように、略筒状に形成されたアダプター本体27aと、アダプター本体27aの内周側に突出して形成された環状のスナップ係合部27bと、アダプター本体27aの外周側に突出して形成された環状の被挟持部27gとを有している。
【0031】
アダプター本体27aの少なくとも一部は、
図2に示すように、ケース口筒部32b内に僅かな間隙を持って配置されている。
スナップ係合部27bは、容器口筒部31bに対して上方からスナップフィット形式で係合する部位であり、
図2に示すように、容器口筒部31bの外周側に配置される環状の外周側部分27cと、容器口筒部31bの内周側に挿入される環状の内周側部分27dと、外周側部分27cの上端側と内周側部分27dの上端側とを径方向に連結する環状の連結部27eとを有している。
スナップ係合部27bは、アダプター27(外周側部分27cまたは内周側部分27dの少なくとも一方)または容器口筒部31bの少なくとも一方の弾性を利用して、本実施形態では、主に外周側部分27cおよび内周側部分27dの弾性を利用して、容器口筒部31bにスナップフィットする。
【0032】
外周側部分27cの内周面には、
図1に示すように、容器口筒部31bの外周面に形成された被係合部31cに係合可能な係合部27fが形成されている。
なお、本実施形態では、外周側部分27cの内周面に係合部27fが形成されているが、係合部27fは、外周側部分27cの内周面または内周側部分27dの外周面の少なくとも一方に形成すればよい。なお、内周側部分27dの外周面に係合部27fを形成する場合には、容器口筒部31bの内周面に被係合部31cを形成すればよい。
【0033】
被挟持部27gは、
図2に示すように、ケース口筒部32bの上端とクロージャー部材28(クロージャー本体部28a)の下面との間で上下方向に挟まれる部位である。アダプター27とクロージャー部材28との間には、Oリング27hが配置され、本実施形態では、Oリング27hは、
図2に示すように、アダプター27の被挟持部27gの上面とクロージャー本体部28aの下面との間に介在して配置されている。これにより、ケース口筒部32bとクロージャー部材28とを組み付けた状態では、ケース口筒部32bとクロージャー部材28とによってクロージャー部材28が保持される。
【0034】
クロージャー部材28は、アダプター27の少なくとも一部を覆うように(本実施形態では、飲料サーバーキャップ20の各部品21〜27を覆うように)構成され、
図2に示すように、その中央部に上下方向に貫通する開口孔28dを有した円板状のクロージャー本体部28aと、クロージャー本体部28aの外周側部分から下方に向けて垂下するスカート部28bと、クロージャー本体部28aの内周側部分から上方に向けて突出する環状のカプラ用突出部28cとを有している。
【0035】
スカート部28bは、
図2に示すように、ケース口筒部32bの上側部分の外周側に配置され、スカート部28bの内周面には、ケース口筒部32bの外周面に形成されたネジ部に螺合されるネジ部が形成されている。
カプラ用突出部28cには、
図2や
図3(b)に示すように、クロージャー部材28に対してカプラ40が挿入された時に、カプラ外筒部41に形成された係合部に係合する係合部28eが内周側に向けて突出形成されおり、これにより、クロージャー部材28に対するカプラ40の抜け出しが阻止される。
【0036】
ハンドル部材29は、
図1や
図2に示すように、外側ケース32のケース口筒部32bの外周側に取り付けられ、クロージャー部材28と外側ケース32との間で上下方向に挟み込まれて固定されている。
【0037】
次に、本実施形態の飲料供給機構10の使用方法について、以下に説明する。
【0038】
まず、
図3(a)(b)に示すように、カプラ40を飲料サーバーキャップ20に対して装着する。具体的には、クロージャー部材28内にカプラ40の先端を挿入した後に、上下軸を中心としてカプラ40を回転させて、クロージャー部材28の係合部28eとカプラ40のカプラ外筒部41の外周側に形成された係合部とを係合させることで、カプラ40が抜けない状態にする。
【0039】
また、
図3(b)に示すように、カプラ40をクロージャー部材28に装着した状態では、
図3(b)のA箇所において、外筒側シール部材43の外周面とクロージャー部材28の開口孔28dの内周面とが径方向に密着するとともに、外筒側シール部材43の下端面とクロージャー部材28とが上下方向に密着して、飲料サーバーキャップ20内への外気の侵入が阻止される。
【0040】
次に、
図4(a)(b)に示すように、カプラ外筒部41に対してカプラ内筒部42を下方に向けて進出させると、カプラ40の内筒側シール部材44がガスバルブ23のバルブ開口孔23d内に挿入されて、
図4(a)(b)のB箇所において、内筒側シール部材44の外周面とクロージャー部材28のバルブ開口孔23dの内周面とが密着するとともに、内筒側シール部材44の下端面とクロージャー部材28の環状凸部23bの上面とが密着して、飲料流路50とガス流路60との間が遮断される。
【0041】
また、
図4(b)の状態では、
図4(b)のC箇所に示すように、カプラ内筒部42が下方に進出して、カプラ内筒部42の外周面に形成された環状の凹部がOリング45に対向する位置に来るため、Oリング45によるカプラ外筒部41とカプラ内筒部42との間のシールが解除される。
【0042】
また、
図4(b)の状態では、カプラ内筒部42が下方に進出して、飲料用付勢バネ22による付勢力に抗して飲料バルブ21がカプラ内筒部42の下端によって下方に押され、
図4(b)のD箇所に示すように、飲料バルブ21とガスバルブ23との間のシールが開放されて、飲料容器31内とカプラ40との間でビールを流動させるための飲料流路50が開通し、飲料容器31内からカプラ40側へのビールの取り出しが可能な状態になる。
ここで、飲料流路50について具体的に説明すると、本実施形態では、
図4(b)に示すように、飲料流路50は、チューブ26の内側と、注出部材25およびガスバルブ23の内側と、カプラ内筒部42の下端に形成された切り欠き部と、カプラ内筒部42の内側とから構成される。
なお、飲料流路50は、飲料容器31内にビールを充填する時に、飲料容器31内のガス(エアー)を排出するための流路としても利用される。
【0043】
次に、
図4(b)の状態から、カプラ内筒部42を更に下方に進出させると、内筒側シール部材44によってガスバルブ23(および注出部材25)が下方に押され、
図5のE箇所に示すように、ガスバルブ23とクロージャー部材28との間のシールが開放されて、飲料容器31内とカプラ40との間で二酸化炭素を流動させるためのガス流路60が開通し、カプラ40側から飲料容器31内への二酸化炭素の供給が可能な状態になる。
ここで、ガス流路60について具体的に説明すると、本実施形態では、
図5に示すように、ガス流路60は、カプラ外筒部41とカプラ内筒部42との間の間隙と、ガスバルブ23とクロージャー部材28との間の間隙と、ガスバルブ23とアダプター27との間の間隙と、容器口筒部31bと注出部材25との間の間隙とから構成される。
なお、ガス流路60は、飲料容器31内にビールを充填する時の流路としても利用される。
【0044】
次に、本実施形態における飲料コンテナ30からの飲料サーバーキャップ20の取り外し方法について、以下に説明する。
【0045】
まず、飲料サーバーキャップ20からカプラ40を取り外した後に、クロージャー部材28を回転させてケース口筒部32bから取り外す。
【0046】
すると、ケース口筒部32bとクロージャー部材28との間で挟持されていたアダプター27を容器口筒部31bから取り外すことができる状態になるため、次に、容器口筒部31bからアダプター27を上方に向けて抜くように力を加えることで、飲料容器31ごとアダプター27が取り外される。その後、アダプター27のスナップ係合部27bと容器口筒部31bとの間の係合を解除して、容器口筒部31bからのアダプター27の取り外しが完了する。
そして、本実施形態では、飲料サーバーキャップ20の各構成要素は、容器口筒部31bに対してアダプター27を介して取り付けられる構造であるため、上記の容器口筒部31bからのアダプター27の取り外しによって、容器口筒部31bからの飲料サーバーキャップ20の取り外しが完了する。
【0047】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0048】
例えば、上述した実施形態では、飲料容器31内に収容される飲料がビールであるものとして説明したが、本発明が対象とする飲料の具体的種類はビールに限定されず、例えば、二酸化炭素を含有した炭酸飲料であってもよい。
また、上述した実施形態では、カプラ40から供給されたガス(二酸化炭素)を飲料容器31内に導入するものとして説明したが、外側ケース32と飲料容器31との間の空間にエアー等の二酸化炭素以外のガスを導入するように構成してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、飲料サーバーキャップ20を構成する全ての部品が樹脂製であるものとして説明したが、飲料サーバーキャップ20を構成する部品の具体的材料はこれに限定されず、一部の部品を金属から構成してもよい。
また、上述した実施形態では、飲料容器31や外側ケース32についても樹脂製であるものとして説明したが、飲料容器31や外側ケース32が金属製であってもよい。
また、上述した実施形態では、飲料バルブ21と飲料用付勢バネ22とが一体に単一部品として形成されているものとして説明したが、飲料バルブ21と飲料用付勢バネ22とを別部品として形成してもよい。
また、上記に限らず、例えばガスバルブ23とガス用付勢バネ24とを単一部品として形成する等、上述した実施形態では別体に形成されている部品を一体に単一部品としてもよく、また、上述した実施形態では単一部品として形成されている部品を複数のパーツから構成してもよい。
【解決手段】飲料容器31の容器口筒部31bに上方から着脱可能なアダプター27を備え、アダプター27が、容器口筒部31bに対して上方からスナップフィット形式で係合するスナップ係合部27bを有し、飲料バルブ21と飲料用付勢バネ22とガスバルブ23とガス用付勢バネ24とを含む飲料サーバーキャップ20の各部品が、アダプター27を介して容器口筒部31bに取り付けられるように構成されている飲料サーバーキャップ20。