特許第6806298号(P6806298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806298ポータブル通信デバイスのためのプッシュツートークアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806298
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】ポータブル通信デバイスのためのプッシュツートークアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20201221BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   H01H13/14 Z
   H04M1/02 C
【請求項の数】24
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-558354(P2018-558354)
(86)(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公表番号】特表2019-519881(P2019-519881A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】MY2016000028
(87)【国際公開番号】WO2017200372
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390009597
【氏名又は名称】モトローラ ソリューションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Motorola Solutions, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウン、チョー チョウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チー キット
(72)【発明者】
【氏名】キー、チャー チャン
(72)【発明者】
【氏名】タン、シー ハウ
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−181893(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0078553(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/042403(WO,A1)
【文献】 実開平03−130121(JP,U)
【文献】 特開2009−135852(JP,A)
【文献】 実開昭61−179840(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/14
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル通信デバイスのためのプッシュツートークアセンブリであって、
内部開口を画定する金属リングであって、前記金属リングを前記ポータブル通信デバイスの表面に結合するように構成された少なくとも1つの外部突起を含む前記金属リングと、
前記金属リングに結合されたボタンであって、前記内部開口内に配置され、かつ前記金属リングと共成形された可撓性ポリマー材料を含み、接触して押圧されるように構成された第1の面、及びポータブル通信デバイスの内部に面するように構成された第2の反対側の面を含む前記ボタンと、
前記ボタンの第2の面に結合された金属バッキングプレートと
前記ポータブル通信デバイス内のプリント回路基板に結合されるように構成された補強金属プレートと
を備える、プッシュツートークアセンブリ。
【請求項2】
前記金属バッキングプレートは、前記ボタンの第2の面に接着接合されているか、または共成形されているかのうちの少なくとも一方である、請求項1に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項3】
前記金属バッキングプレートから離間されたドームアレイアセンブリをさらに備え、前記ドームアレイアセンブリは、平面状本体部分と、前記平面状本体部分から延出するドーム形状部分とを有、前記ドーム形状部分は、前記ボタンが押圧された場合に、前記ボタンの第2の面によって接触され、前記平面状本体部分に対して撓むように構成されている、請求項1に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項4】
前記ドームアレイアセンブリは、ステンレス鋼で構成されている、請求項3に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項5】
前記ドームアレイアセンブリの平面状本体部分は、前記ポータブル通信デバイスに前記ドームアレイアセンブリを取り付けるために、プラスチックのヒートステークを受容するように構成された複数の開口を含む、請求項3に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項6】
前記ドームアレイアセンブリに結合された接地金属プレートをさらに備え、前記接地金属プレートは、前記ポータブル通信デバイス内の前記プリント回路基板に結合されるように構成された延長タブを有している、請求項3に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項7】
前記接地金属プレートは、チタン銅合金で作られており、0.20mmより大きくない厚さを有している、請求項6に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項8】
前記接地金属プレートは、前記ドームアレイアセンブリに接着接合されており、前記ドームアレイアセンブリの平面状本体部分は、第1の複数の開口を含み、前記接地金属プレートは、前記第1の複数の開口と位置合わせされた第2の複数の開口を含み、前記第1の複数の開口及び前記第2の複数の開口は、前記ドームアレイアセンブリ及び前記接地金属プレートを前記ポータブル通信デバイスに取り付けるために、ヒートステークを受容するように構成されている、請求項6に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項9】
前記補強金属プレートは、前記プリント回路基板に結合されるように構成された第1の部分と、前記ドームアレイアセンブリのドーム形状部分によって接触されるように構成された硬質の接触領域を有する固定端子を画定する第2の剛性部分とを含む、請求項6に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項10】
前記補強金属プレートは、チタン銅合金で作られており、0.20mmより大きくない厚さを有している、請求項9に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項11】
前記金属リングは、前記内部開口に向かって内側に延出する棚部を有する細長いリングであり、前記可撓性ポリマー材料は、シリコーンゴムであり、前記シリコーンゴムの一部は、前記棚部の周りを包み込んでいる、請求項1に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの外部突起は、アンダーカットを画定して前記ポータブル通信デバイスのハウジングと係合する4つの突起を含む、請求項1に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【請求項13】
ポータブル通信デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に結合されたプッシュツートークアセンブリと
を備え、前記プッシュツートークアセンブリは、さらに、前記ハウジングの側面に結合され、かつ前記ハウジングの側面に沿って配置され、内部開口を画定する金属リングを有し、前記金属リングは、前記金属リングを前記ハウジングに結合する少なくとも1つの外部突起を含み、前記プッシュツートークアセンブリは、前記金属リングに結合されたボタンをさらに含み、前記ボタンは、前記内部開口内に配置され、かつ前記金属リングと共成形されたポリマー材料を含み、前記ボタンは、接触されて押圧されるように構成された第1の面と、前記ポータブル通信デバイスの内部に面する第2の反対側の面とを含み、
前記プッシュツートークアセンブリは、前記プリント回路基板に結合された第1のタブを有する接地金属プレートと、前記プリント回路基板に結合された第2のタブを有する補強金属プレートとをさらに含む、ポータブル通信デバイス。
【請求項14】
前記ボタンは、前記ハウジングの側面と実質的に同一平面である、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項15】
前記プッシュツートークアセンブリの全体の厚さは、2.1mm以下である、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項16】
前記プッシュツートークアセンブリは、感圧接着剤、可撓性ポリマー材料、または液体接着剤のうちの少なくとも1つを用いて前記ハウジングに封止されている、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項17】
前記ボタンは、折り畳み可能なゴムの領域を含み、前記プッシュツートークアセンブリが前記ハウジングに結合されると、前記折り畳み可能なゴムの領域が、前記プッシュツートークアセンブリを前記ハウジングに封止する、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項18】
前記プッシュツートークアセンブリは、前記ボタンの第2の面に接着接合された金属バッキングプレートを含む、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項19】
前記プッシュツートークアセンブリは、前記ハウジングに結合されたドームアレイアセンブリを含み、前記ドームアレイアセンブリは、平面状本体部分と、前記平面状本体部分から延出するドーム形状部分とを有し、前記ドーム形状部分は、前記ボタンの底面によって接触され、前記平面状本体部分に対して撓むように構成されている、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項20】
前記接地金属プレートは、前記ドームアレイアセンブリに結合されており、前記補強金属プレートは、前記ドームアレイアセンブリのドーム形状部分により接触されるように構成された硬質の接触領域を有する固定端子を画定する第2の剛性部分をさらに含む、請求項19に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項21】
前記プッシュツートークアセンブリは、前記金属リングの内側に面した表面に沿って塗布された接着剤で前記ハウジングに封止されている、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項22】
前記プッシュツートークアセンブリは、前記ボタンの第2の反対側の面から延出する突起で前記ハウジングに封止されている、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項23】
ドームアレイアセンブリをさらに備え、前記ドームアレイアセンブリは、前記プリント回路基板と分離している、請求項13に記載のポータブル通信デバイス。
【請求項24】
前記可撓性ポリマー材料は、前記内部開口を完全に満たしている、請求項1に記載のプッシュツートークアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
双方向無線、陸上移動無線、携帯電話機などのポータブル通信デバイスは、しばしばプッシュツートークアセンブリを含む。プッシュツートークは、音声送信モードと音声受信モードとの間の切り替えを制御する無線通信サービスにおいて一般的に使用される通信手段である。これらのアセンブリは、一般に、押圧された場合にユーザが他のポータブル通信デバイスと通話することを可能にするボタンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】一実施形態によるポータブル通信デバイスの斜視図である。
図2図1のポータブル通信デバイスの背面図である。
図3図1のポータブル通信デバイスの側面図である。
図4図1のポータブル通信デバイスのプッシュツートークアセンブリの斜視分解図である。
図5】プッシュツートークアセンブリのボタン及び金属リングの斜視分解図である。
図6】組み立てられた状態のプッシュツートークアセンブリを示す、図1のポータブル通信デバイスの斜視断面図である。
図7図3の線7−7に沿った、図1のポータブル通信デバイスの断面図である。
図8】プッシュツートークアセンブリの金属リング上の係止要素を示す、図7の断面図の拡大部分を示す図である。
図9】プッシュツートークアセンブリの金属リング上の係止要素を示す、図1のポータブル通信デバイスの、図3の線9−9に沿った断面図である。
図10】プッシュツートークアセンブリの接地金属プレート及び補強金属プレートの斜視分解図である。
図11】接地金属プレートに結合されたプッシュツートークアセンブリのドームアレイアセンブリの斜視図である。
図12】ハウジング及びプリント回路基板に結合されたプッシュツートークアセンブリの部分を示す、図1のポータブル通信デバイスの部分斜視図である。
図13】ハウジング及びプリント回路基板に結合されたプッシュツートークアセンブリの部分を示す、図1のポータブル通信デバイスの部分斜視図である。
図14】ハウジング及びプリント回路基板に結合されたプッシュツートークアセンブリの部分を示す、図1のポータブル通信デバイスの部分斜視図である。
図15】プッシュツートークアセンブリの回路を示す図である。
図16】別の実施形態によるドームアレイアセンブリの斜視図である。
図17】プッシュツートークアセンブリをハウジングに封止する接着性シーリング要素を示す、図1のポータブル通信デバイスの、図3の線17−17に沿った断面図である。
図18】プッシュツートークアセンブリをハウジングに封止するゴムシーリング要素を示す、別の実施形態によるポータブル通信デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
同様の参照番号が同一または機能的に同様の要素を示す添付図面は、以下の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、請求された発明を含む概念の実施形態及びそれらの実施形態の様々な原理及び利点をさらに説明するために用いられる。
【0004】
当業者であれば、図面の要素は、簡潔かつ明確にすることを目的として示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解するであろう。例えば、図面のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解を向上させるのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0005】
装置及び方法の構成要素は、本開示の恩恵を受ける当業者であれば容易に理解できるような詳細により本開示が不明瞭にならないように、適切な場合には本発明の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示す図面の様式化された記号によって表されている。
【0006】
ポータブル通信デバイスは、内部開口を画定する金属リングを含み、金属リングは、金属リングをポータブル通信デバイスの表面に結合するように構成された少なくとも1つの外部突起を含む。プッシュツートークアセンブリは、金属リングに結合されたボタンをさらに含み、ボタンは、内部開口内に配置され、かつ金属リングに共成形された(co-molded)可撓性ポリマー材料を含む。ボタンは、接触されて押圧されるように構成された第1の面と、ポータブル通信デバイスの内部に面するように構成された第2の反対側の面とを含む。プッシュツートークアセンブリは、ボタンの第2の面に結合された金属バッキングプレート(backing plate)をさらに含む。
【0007】
図1から図3は、ポータブル通信デバイス10の一例を示す。図示の例では、ポータブル通信デバイス10は、ハウジング14を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング14は、ポータブル通信デバイス10の筐体(enclosure)を画定する。ポータブル通信デバイス10はまた、ハウジング14に結合され、かつハウジング14から延出するアンテナ18と、ハウジング14の前面26に配置された表示領域22と、ハウジング14の頂部34に沿って配置された電源ボタン30と、ハウジング14の頂部34に沿って配置されたトグルボタン38と、ハウジング14の側面46に沿って配置された第1のプログラム可能なボタン42と、ハウジング14の側面46に沿って配置された音量制御ボタン50と、ハウジング14の側面46に沿って配置された第2のプログラム可能なボタン54と、ハウジング14の側面46に沿って配置されたプッシュツートークアセンブリ58とを含む。他の実施形態は、アンテナ18、表示領域22、電源ボタン30、トグルボタン38、第1のプログラム可能なボタン42、第2のプログラム可能ボタン54、及びプッシュツートークアセンブリ58のうちの少なくとも一つについて、図示のものと異なる位置を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ18、表示領域22、電源ボタン30、トグルボタン38、及びプログラム可能なボタン42,54のうちの1つまたは複数は設けられていない。
【0008】
図4を参照すると、プッシュツートークアセンブリ58は、ボタン62と、ボタン62に結合された金属リング66と、ドームアレイアセンブリ70と、接地金属プレート74と、補強金属プレート78とを含む。図1及び図2に示すように、組み立てられるとプッシュツートークアセンブリ58は、ハウジング14の側面46と概して同一平面となるようにハウジング14の側面46に沿って配置され、ハウジング14からはみ出さない。
【0009】
図5を参照すると、金属リング66は、内部開口82を画定し、ポータブル通信デバイス10の表面に金属リング66を結合するように構成された少なくとも1つの外部突起86を含んでいる。図示した実施形態では、金属リング66は、4つの外部突起86を含み、その各々がハウジング14の一部に係合する係止要素(catch element)として機能するアンダーカットを形成する。他の実施形態は、異なる数の外部突起86、またはポータブル通信デバイス10の表面に金属リング66を結合するように構成された他の構造を含む。図5に示すように、金属リング66は、丸みを帯びた端部を有する概ね細長い形状を有しており、主リング部90と、主リング部90から内部開口82に向かって内方に延出する棚部(ledge)94とを含む。図示された実施形態では、金属リング66は、ステンレス鋼板金で作られている。金属リング66の他の実施形態は、図示されたものと異なる形状及びサイズ、ならびに異なる材料を含む。
【0010】
図6から図9を参照すると、ボタン62及び金属リング66がハウジング14上に組み立てられた場合、金属リング66は、概してハウジング14の凹部領域84(図8)内に位置し、金属リング66の最も外側の部分は、ハウジング14の最も外側の部分と同一平面か、または概ね同一平面となり、外部突起86は、ハウジング14の1つまたは複数の領域を把持している。図7から図9に示すように、図示された実施形態では、金属リング66は、金属リング66の上部に沿った外部突起86、及び(図7に示すように)金属リング66の底部に沿った別の外部突起86、ならびに金属リング66の各側部に沿った外部突起86(図9に見られるように、図5に示された外部突起86のオフセット性質のために外部突起86のうちの1つのみが図9において見えている)を含む。図8に示すように、外部突起86の各々は、曲がった、又はC字形のプロファイルを有しており、これにより、外部突起86を、ハウジング14と係合し、かつ金属リング66及びボタン62をハウジング14に(例えば、スナップ嵌め式に)結合する係止要素として機能させることが可能となる。その外部突起86を含む金属リング66は、プッシュツートークアセンブリ58全体に安定性を提供し、凹部領域84の領域においてハウジング14を強化する。他の実施形態は、外部突起86の図示されたものと異なる形状及びサイズ、ならびに外部突起86の図示されたものと異なる位置を含む。他の実施形態はまた、金属リング66及びボタン62のためのポータブル通信デバイス10に沿った図示のものと異なる位置を含む。
【0011】
図5及び図6を参照すると、ボタン62は、可撓性ポリマー材料(例えば、シリコーンゴム)からなり、折り畳み可能な領域(collapsible region)100を含んでいる。ボタン62は、内部開口82内に配置され、金属リング66と共成形されて、ボタン62の部分が(図6に示すように)棚部94を包み込むか、またはそうでなければ棚部94に係合し、あるいは棚部94を包み込みかつ棚部94と係合する。ボタン62の他の実施形態は、異なる材料で作られているか、または(例えば接着剤を介して)異なる方法で金属リング66に結合されている。
【0012】
図6を続けて参照すると、ボタン62は、第1の面102と、第2の反対側の面106とを含む。第1の面102は、折り畳み可能な領域100において、ユーザによって接触され、押圧されるように構成されている。第2の面106は、ポータブル通信デバイス10の内部に面している。
【0013】
図5及び図6を参照すると、プッシュツートークアセンブリ58はまた、金属バッキングプレート110を含んでいる。金属バッキングプレート110は、ボタン62の第2の面106に結合されている。金属バッキングプレート110は、ユーザが第1の面102を押すと、その力がほぼボタン62全体に分散されるように、ボタン62の裏側に追加の安定性を提供する。したがって、たとえユーザがボタン62の中央のボタン62を押し損なったとしても、プッシュツートークアセンブリ58は依然として起動されている。
【0014】
図示された実施形態では、金属バッキングプレート110は、ボタン62の第2の面106に接着接合されている(adhesively bonded)。他の実施形態では、金属バッキングプレート110は、ボタン62と共成形されるか、または別の方法で第2の面106に結合されている。図5に示すように、図示された金属バッキングプレート110は、丸みを帯びた端部を有する概ね細長いプレートである。しかし、他の実施形態は、図示されたものとは異なる形状及びサイズを含む。
【0015】
図10を参照すると、接地金属プレート74は、第1の平面状本体部分114と、第1の平面状本体部分114から非ゼロ角度(例えば、90度)で延出する第1のタブ118とを含む。補強金属プレート78は、第2の平面状本体部分122と、第2の平面状本体部分122から非ゼロ角度(例えば、90度)で延出する第2のタブ126とを含む。補強金属プレート78は、硬質の接触領域を画定する自由端128を有する剛性の固定端子(rigid, stationary terminal)127をさらに含む。自由端128は、補強金属プレート78の第2のタブ126とは反対側の端部に配置されている。図10に示すように、組み立てられた状態では、接地金属プレート74は、補強金属プレート78からすべての点で離間されており、第1のタブ118及び第2のタブ126は互いに隣接して配置されている。
【0016】
図示された実施形態では、接地金属プレート74及び補強金属プレート78の両方は、金メッキされたチタン銅合金板金で作られている。他の実施形態では、接地金属プレート74及び補強金属プレート78は、異なる材料から作られるか、または異なるタイプのメッキを有するか、あるいはその両方であり、ニッケルメッキまたは電気接続特性を提供するための適切なメッキ仕上げを有する他の電気導体材料を含む。図示の実施形態では、接地金属プレート74及び補強金属プレート78の両方が、0.20mmより大きくない厚さを有する。他の実施形態は、異なる値または範囲の厚さを含む。
【0017】
図11を参照すると、ドームアレイアセンブリ70が、接地金属プレート74に結合されている。ドームアレイアセンブリ70は、第3の平面状本体部分130と、第3の平面状本体部分130から延出するドーム形状部分134とを含む。第3の平面状本体部分130は、第1の平面状本体部分114に(例えば接着剤を用いて)直接的に結合されて、ドーム形状部分134が、接地金属プレート74から離れるように第1の方向に延在し、第1のタブ118が、ドームアレイアセンブリ70から離れるように第2の反対の方向に延出している。
【0018】
図10から図12を参照すると、接地金属プレート74、補強金属プレート78、及びドームアレイアセンブリ70の各々は、複数の開口138を含み、そのうちの少なくとも1つがハウジング14上で(図12に示すように)ヒートステーク(heat stake)142を受容するために使用されている。いくつかの実施形態では、ヒートステーク142はプラスチックであるが、他の実施形態は異なる材料を含む。接地金属プレート74、補強金属プレート78、及びドームアレイアセンブリ70をハウジング14に組み立てるために、接地金属プレート74及びドームアレイアセンブリ70上の開口138は、相互に位置合わせされ、かつ1つまたは複数のヒートステーク142の上に配置され、補強金属プレート78上の開口138は、1つまたは複数のヒートステーク142の上に配置される(図12参照)。次にヒートステーク142を加熱して冷却させることにより、接地金属プレート74、補強金属プレート78、ドームアレイアセンブリ70を適所にしっかりと固定して取り付ける。他の実施形態は、接地金属プレート74、補強金属プレート78、及びドームアレイアセンブリ70をポータブル通信デバイス10に固定するための異なる構造及び方法を含む。
【0019】
図1から図12を参照すると、ユーザがボタン62の第1の面102を押すと、ボタン62の第2の面106は、ドーム形状部分134に接触し、ドーム形状部分134が補強金属プレート78の自由端128に接触するまで、ドーム形状部分134を第1の平面状本体部分114に対して撓ませる。図示された実施形態では、ドーム形状部分134は、第1の平面状本体部分114と同様に、ステンレス鋼で作られており、ドーム形状部分134が押圧されたときにユーザに触覚フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、ドーム形状部分134は、めっき仕上げを使用することによって得られる電気接続特性を含んでいる。ドーム形状部分134及び第1の平面状本体部分114の他の実施形態は、異なる材料で作られている。
【0020】
図13から図15を参照すると、第1のタブ118は、プリント回路基板150(その境界は図14に部分的に示されている)上の第1の電気接点146(図13及び図14)に結合されている。第1の電気接点146は、例えば、ばね接点、ポゴピン、または他の電気接点とすることができる。プリント回路基板150は、ハウジング14内に配置され、(図14に概略的に示される)電気プロセッサ154に結合されている。第2のタブ126は、プリント回路基板150上の第2の電気接点158に結合されている。第2の電気接点158は、例えば、ばね接点、ポゴピン、または他の電気接点とすることができる。いくつかの実施形態では、接地金属プレート74及び補強金属プレート78のうちの少なくとも一方は、ハウジング14に取り付けられた別個の金属プレートではなく、代わりにハウジング14の基板上へのレーザ直接構造化によってエッチングされる。
【0021】
図13から図15を続けて参照すると、ドーム形状部分134が自由端128に接触すると、第1の電気接点146、第1のタブ118、第1の平面状本体部分114、ドーム形状部分134、自由端128、第2の平面状本体部分122、第2のタブ126、及び第2の電気接点158の間の電気的接続(図15)が完成する。いくつかの実施形態では、この完成した電気的接続は、電気プロセッサ154にポータブル通信デバイス内のスピーカまたは電気的構成要素(図示せず)を起動させ、ユーザが別のポータブル通信デバイス10に話すことを可能にする。
【0022】
別個の接地金属プレート74及び補強金属プレート78の使用は、ボタン62の押圧中の安定性及びバッキング強度(backing strength)を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポータブル通信デバイス10は、ハウジング14内に配置された可撓性プリント回路基板(図示せず)を含み、上述した別個の接地金属プレート74及び補強金属プレート78を使用しない。むしろ、可撓性プリント回路基板自体は、可撓性プリント回路基板の内部に(例えば、金またはニッケルメッキされた)接地端子及びライフ端子(life terminal)を含み、接地端子とライフ端子との間は分離されている。図16を参照すると、この実施形態では、ポータブル通信デバイス10は、接地金属プレート74及び補強金属プレート78の代わりにドームアレイアセンブリ162を使用する。ドームアレイアセンブリ162は、ハウジング14に結合されるように構成され、第1の平面状部分166及びドーム形状部分170(例えば、ステンレス鋼板金製)を含む。ユーザがボタン62の第1の面102を押すと、ボタン62の第2の面106がドーム形状部分170に接触し、ドーム形状部分170が撓んで可撓性プリント回路基板上の電気接点に接触し、その結果、接地端子とライフ端子との間の電気的接続が完成する。
【0023】
図17及び18を参照すると、いくつかの実施形態では、プッシュツートークアセンブリ58は、ポータブル通信デバイス10への水または他の物質の流入を抑制または防止するために、シーリング要素によってハウジング14に封止される(sealed)。例えば、いくつかの実施形態では、シーリング要素は、接着剤174(例えば感圧接着剤または液体接着剤)であり、プッシュツートークアセンブリ58とハウジング14との間に塗布される(図17参照)。いくつかの実施形態では、ボタン62自体が、ボタン62から延出する少なくとも1つの突起178(例えばシリコーンゴム製のリブ)の形態のシーリング要素を含み、少なくとも1つの突起178は、プッシュツートークアセンブリ58がポータブル通信デバイス10上に組み立てられた場合にハウジング14を圧迫し、ハウジング14に対してシールを形成する(図18参照)。いくつかの実施形態では、シーリング要素は、ボタン62と共に成形される。いくつかの実施形態では、シーリング要素は、可撓性のポリマー材料で作られる。他の実施形態は、図17及び図18に示されたものと異なるシーリング要素及びシーリング要素のための材料、ならびにシール要素の異なる位置を含む。
【0024】
図7を参照すると、プッシュツートークアセンブリ58は、ポータブル通信デバイス10の側面46に沿った外側のハウジング14に垂直な方向に沿って測定された全体の厚さ182(第1のタブ118及び第2のタブ126を含まない)を有する。いくつかの実施形態では、厚さ182は3mm未満である。いくつかの実施形態では、厚さは2.5mm未満である。いくつかの実施形態では、厚さは2.0mmと2.5mmとの間である。いくつかの実施形態では、厚さは2.1mmである。他の実施形態は、異なる厚さ及び厚さの範囲を含む。
【0025】
前述の明細書では、特定の実施形態について説明した。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解することが可能である。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、そのような変更のすべては、本教示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0026】
メリット、利点、問題への解決策、及びメリット、利点、または解決策を発生させる可能性がある任意の要素(複数可)は、いずれかまたは全ての請求項の重要な、必須の、または不可欠な特徴または要素と解釈されるべきではない。本発明は、本出願の係属中になされた任意の補正を含む添付の請求の範囲及び発行された請求の範囲の全ての均等物によってのみ定義される。
【0027】
さらに、本明細書では、第1及び第2、上部及び下部などの関係用語は、ある実体または動作を別の実体または動作と区別するためにのみ使用されてもよく、そのような実体または動作の間の実際のそのような関係または順序を必ずしも必要としない。「備える」、「備えている」、「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」などの用語、またはこれらの任意の他の変化形は、非排他的な包含を対象とすることを意図しており、要素のリストを備え、有し、含み、包含するプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていないかまたはそのプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得る。「〜を備える」、「〜を有する」、「〜を含む」、または「〜を包含する」と記載される要素は、それ以上の制約なしに、その要素を備える、有する、含む、含有するプロセス、方法、物品または装置におけるさらなる同一の要素の存在を排除するものではない。「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」などの用語、またはその任意の他のバージョンは、当業者によって理解されるものに近いものとして定義され、1つの非限定的な実施形態において、この用語は、10%以内、別の実施形態では5%以内、別の実施形態では1%以内、別の実施形態では0.5%以内であると定義される。本明細書で使用される「結合された」という用語は、必ずしも直接的ではなく必ずしも機械的にではないが、接続されたものとして定義される。特定の方法で「構成された」デバイスまたは構造体は、少なくともその方法で構成されているが、記載されていない方法で構成することも可能である。
【0028】
いくつかの実施形態は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタマイズされたプロセッサ及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び独自の格納されたプログラム命令(ソフトウェア及びファームウェアの両方を含む)のような1つまたは複数の汎用または専用プロセッサ(または「処理デバイス」)からなり、これらは、1つまたは複数のプロセッサを制御して、本明細書で説明される方法及び装置のうちの少なくとも一方の機能のいくつか、大部分、またはすべてを、特定の非プロセッサ回路を併用して実装する。あるいは、機能のいくつかまたはすべてが、格納されたプログラム命令をもたない状態機械によって、または、各機能または機能のいくつかの組み合わせがカスタムロジックとして実装される1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)によって実装されることが可能である。もちろん、2つのアプローチを組み合わせて使用することも可能である。
【0029】
さらに、一実施形態は、本明細書に記載され請求される方法を実行するようにコンピュータ(例えば、プロセッサを含む)をプログラミングするためのコンピュータ可読コードを記憶したコンピュータ可読記憶媒体として実装することができる。そのようなコンピュータ可読記憶媒体の例には、ハードディスク、CD−ROM、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、ROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラム可能な読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ)、及びフラッシュメモリが含まれるが、これに限定されない。さらに、当業者は、本明細書に開示された概念及び原理によって導かれる場合、できる限りの大きな努力及び例えば利用可能な時間、現在の技術、及び経済的な考慮事項によって動機付けられる多くの設計選択にもかかわらず、最小限の実験でこのようなソフトウェア命令及びプログラム及びICを容易に生成することが可能であると予期される。
【0030】
開示の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるようにするために提供される。これは、請求の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解して提出されるものである。さらに、上記の詳細な説明では、本開示を合理化する目的で、さまざまな実施形態において様々な特徴がまとめられていることが分かる。この開示の方法は、請求された実施形態が各請求項に明示的に記載されたより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものである。したがって、以下の特許請求の範囲は、発明の詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別々に請求される主題として独立するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18