(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6806308
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】コンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパ
(51)【国際特許分類】
B26B 1/08 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
B26B1/08 Z
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-29812(P2020-29812)
(22)【出願日】2020年2月25日
【審査請求日】2020年4月10日
(31)【優先権主張番号】16/506,186
(32)【優先日】2019年7月9日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519412811
【氏名又は名称】タフビルト インダストリーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エイチ. パノジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア キーラー
【審査官】
山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2017/057468(WO,A1)
【文献】
実開昭63−166163(JP,U)
【文献】
米国特許第06951055(US,B1)
【文献】
米国特許第7647702(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 1/00 − 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルアクションコンバーチブルツールであって、
細長いハウジングであって、前端および後端と、細長い内部チャネルであって、長手軸を画定し、前記前端に終端開口部と、前記細長いハウジングの側壁に、前記細長い内部チャネルと連通し、かつ、前記長手軸に関して実質的に平行な方向に沿って延伸する細長い開口部とを有する、細長い内部チャネルとを有する、細長いハウジングと、
キャリッジであって、前記内部チャネル内で、前記細長い内部チャネル内の完全に後退させた位置と、少なくとも部分的に前記終端開口部を越え突出する完全に延出させた位置との間を前記長手軸に沿って動くためにスライド可能に取付けられ、第1の要素を有する、キャリッジと、
前記細長い内部チャネル内のスライド機構であって、前記キャリッジに連結され、前記完全に延出させた位置と完全に後退させた位置との間で前記キャリッジと動きを共有し、かつ、前記キャリッジの前記完全に延出させた位置を越える変換位置へと移動可能であり、前記第1の要素と係合した第2の要素をさらに有する、スライド機構と、
ブレードを固定するためのブレード支持組立体であって、第1の切断用配置と、第2のスクレープ用配置との概して直交する2つの配置の間で前記ブレード支持組立体を移動させるために、前記キャリッジに旋回可能に取付けられる、ブレード支持組立体と、
アクチュエータボタンであって、前記ハウジングの外からアクセス可能で、前記キャリッジおよび前記スライド機構を前記完全に延出させた位置と完全に後退させた位置との間をスライドし、かつ、前記スライド機構を前記変換位置へと移動するために、前記細長い開口部を通して前記スライド機構に連結されている、アクチュエータボタンとを備え、
前記第1の要素と前記第2の要素との間の前記係合は、前記アクチュエータボタンが、前記スライド機構を前記完全に延出させた位置から前記変換位置へと移動させるように連続的に前方に進められる場合に、前記ブレード支持組立体および前記ブレード支持組立体に取付けられる任意のブレードを、前記直交する2つの配置の間で交互に旋回するように配置される、
ツール。
【請求項2】
前記ブレード支持組立体は、第1の嵌合面を備え、前記ハウジングは、前記ブレード支持組立体が、前記第2のスクレープ用配置に移動され、かつ、前記キャリッジおよび前記スライド機構が前記完全に延出させた位置に移動される場合に、前記終端開口部に近接して、前記第1の嵌合面と嵌合可能な第2の嵌合面を備え、これにより、スクレープ中にブレードに作用する力は前記ハウジングに伝達される、
請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記第2の嵌合面は、前記ハウジングの前記終端開口部の対向する面に2つの隣接表面を含み、前記第1の嵌合面は、前記ブレード支持組立体上に、前記ブレード支持組立体が前記第2のスクレープ用配置かつ動作可能なスクレープ位置に移動される場合に、前記2つの隣接表面と整列し接触する相互に離間した2つの支持面を含む、
請求項2に記載のツール。
【請求項4】
前記キャリッジの位置を少なくとも前記延出させた位置に選択的にロックするための前記ハウジング内にロック手段をさらに備える、
請求項1または2に記載のツール。
【請求項5】
前記ロック手段は、前記キャリッジを前記完全に延出させた位置と前記完全に後退させた位置とに選択的にロックするように配置される、
請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記第1の切断用配置において、前記ブレード支持組立体によって支持されるブレードの刃先は前記長手軸に対して概して平行であり、前記第2のスクレープ用配置において、前記刃先は前記長手軸に対して概して直交する、
請求項1から5のいずれか1項に記載のツール。
【請求項7】
前記キャリッジと、前記細長いハウジングとの間で作用し、通常、前記キャリッジを前記後端に向かって押し付ける付勢手段をさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載のツール。
【請求項8】
前記スライド機構と、前記キャリッジとの間で作用し、前記アクチュエータボタンが解放される場合に、前記スライド機構の前記変換位置から前記完全に延出させた位置へと切り替えるように、通常、前記キャリッジに対して前記スライド機構を押し付ける付勢手段をさらに備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載のツール。
【請求項9】
前記キャリッジに係合し、前記スライド機構が、前記完全に延出させた位置から前記変換位置へと前進する場合に、前記ブレード支持組立体の前記配置のうちの1つから他の前記配置への前記旋回を補助するように配置される前記ブレード支持組立体の上死点バネをさらに備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載のツール。
【請求項10】
前記第1の要素はトラックまたは溝であり、前記第2の要素は前記トラックまたは溝に係合されたカム従動部である、
請求項1から9のいずれか1項に記載のツール。
【請求項11】
前記トラックまたは溝は、前記キャリッジ内に形成され、前記カム従動部は、前記トラックまたは溝内に捕捉され、前記スライド機構に連結されている、
請求項10に記載のツール。
【請求項12】
前記カム従動部は、前記スライド機構に旋回可能に一端で取付けられたアームと、前記アームの他端に、前記トラックまたは溝内に受け入れられかつ前記トラックまたは溝内を追従するように寸法付けられた従動ピンとを含む、
請求項11に記載のツール。
【請求項13】
前記トラックまたは溝は連続的で、かつ、複数の連続的な斜面を含み、前記カム従動部が前記トラックまたは溝に沿って常に同じ方向に進むことを保証するように、前記複数の連続的な斜面は、前記従動ピンを次第に上昇させ、前記複数の連続的な斜面の間で前記従動ピンを落下させる、
請求項12に記載のツール。
【請求項14】
前記トラックまたは溝は、前記長手軸に関して相互に離間した2つの先行または前方位置を有し、前記従動ピンが前記2つ位置のうちの1つに移動することが原因となり、前記ブレード支持組立体を、前記直交する2つの配置のうちのある配置から他の配置へと移動させる、
請求項13に記載のツール。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のツールを用いて、ブレードの機能をユーティリティナイフからスクレーパへと変換する方法であって、
方法は、
前記前端および前記後端と、前記長手軸を画定し、前記前端に前記開口部を有する前記細長い内部チャネルとを有する前記細長いハウジングを提供する段階と、
前記キャリッジを、前記細長い内部チャネル内で複数の位置の間を前記長手軸に沿って移動させるためにスライド可能に取付ける段階と、
前記ブレードを2つの配置間で移動させるために、前記ブレードを前記キャリッジに旋回可能に取付けられた前記ブレード支持組立体に固定する段階と、
前記アクチュエータボタンを提供する段階であって、前記アクチュエータボタンは、前記ハウジングの外からアクセス可能で、前記キャリッジおよび前記スライド機構を少なくとも延出させた位置を含む前記複数の位置の間をスライドさせるために前記スライド機構に連結される、前記アクチュエータボタンを提供する段階を備え、前記ブレード支持組立体は、動作可能な切断位置またはスクレープ位置および変換位置にあり、前記ブレード支持組立体は、前記ブレード支持組立体がある配置から他の配置へと移行することを可能にするように前記延出させた位置の前方に移動され、
前記スライド機構を前記変換位置へと前方に進め、前記スライド機構を前記変換位置へと移動させるように前記アクチュエータボタンを前方に進める段階と、
前記アクチュエータボタンが連続的に前方に進められる場合に、双安定性機構を用いて、前記ブレード支持組立体を前記切断位置と前記スクレープ位置との間で旋回することにより、前記2つの配置の第1および第2の配置の間で前記ブレード支持組立体を交互に旋回する段階とを備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ハンドツール、より具体的には、シングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユーティリティナイフは、ハンドルまたはハウジング軸に平行な刃先を有し、切断するために使用される。一方、一般に、スクレーパは、ハンドルの軸に対して垂直なまたは直交するブレードを有し、窓のペンキや、平坦な表面から他の材料を削り取るような、表面をスクレープするのに使用される。通常、ユーティリティナイフとスクレーパとは、2つの別個のハンドツールである。これにより、通常、2つの別個のツールを購入し、保管する必要がある。
【0003】
ブレードを、動かして回転できるユーティリティナイフが米国特許第3,518,758に提案されており、ブレードは、ナイフのハンドル内のある位置から刃先が露出するある位置まで移動することができる。ブレードはまた、スクレープ位置まで回転できる。しかしながら、このツールは、一方の手でハウジングまたはツールのハンドルを保持している間に、他方の手でノブを回転させてブレードを緩める必要があり、2つの手による操作が必要となる。さらに、手動でブレードを回転させるため、ブレードに触れたり、ブレードを取り扱ったりすることが必要となり、ユーザが負傷する可能性がある。
【0004】
本体部材内部に、ツールビット取付けデバイスをスライド可能に収容するよう構成される細長い本体部材を含む、同様の多目的ユーティリティツールが米国特許第8,739,414に開示されている。ツールは、ユーティリティブレード位置またはスクレーパ−リッパー位置のような異なる配置に移動することもできるユーティリティブレードを支持可能である。しかしながら、これもまた、2つの手による操作が必要とされ、ブレードの極めて近くのギザギザしたノブの向きを変える必要があり、ある位置から他の位置にブレードを回転させるときにユーザに傷を負わせる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術によるツールの欠点を有さないシングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、構造が簡単で、安価に製造できるシングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、簡易で使用しやすいシングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供することである。
【0008】
本発明のなお別の目的は、片手を使用してある機能から他の機能にツールを迅速に変換できるシングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、これまでの目的と同様に、シングルアクションであり、ブレードの刃先から離れたアクチュエータボタンを移動させて、あるツールから他のツールへの変換を有効にし得るコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供することである。
【0010】
本発明のなおさらなる目的は、ブレードの取り扱いや、ブレードの極めて近くでユーザの手を必要とすることより、ユーザに傷を負わせずに使用可能な、コンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供することである。
【0011】
本発明のなおさらなる目的は、手動でのノブまたはブレードへの他の押圧部材の締め付けが必要ない説明対象のタイプのコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供し、それにより、ユーザがうっかりノブを緩めているか、十分に締め付けていない場合でも使用中の失敗を回避する。
【0012】
前述の目的および続く説明で自明になるであろう他の目的を達成するために、目下の本発明の好ましい実施形態は、細長いハウジングであって、前端と、後端と、長手軸を画定する細長い内部チャネルとを有し、かつ、前述の前端に開口部と、前述の細長いハウジングの側壁内に前述のチャネルと連通し、前述の軸と実質的に平行な方向に沿って延伸する細長い開口部とを有する細長いハウジングとを備える、シングルアクションコンバーチブルツールである。キャリッジは、前述の内部チャネル内で、前述の軸に沿って、完全に後退させた位置と完全に延出させた位置との間を移動させるためにスライド可能に取付けられ、前述のキャリッジは、双安定性構造の第1の要素を有する。前述のチャネル内のスライド機構は、前述のキャリッジに連結され、前述のキャリッジと前述の完全に延出させた位置と完全に後退させた位置との間で動きを共有し、前述のキャリッジに対して前述の完全に延出させた位置を越えた変換位置に動き可能で、前述のスライド機構は、さらに前記双安定性構造の第2の要素を有する。ブレードを固定するためにブレード支持組立体が設けられ、前述のブレード支持組立体は、第1の切断用配置と第2のスクレープ用配置との、概して直交する2つの配置の間を移動するために前述のキャリッジに旋回可能に取付けられる。アクチュエータボタンは、前述のハウジングの外からアクセス可能で、前述のキャリッジおよび前述のスライド機構を前述の完全に延出させた位置と完全に後退させた位置との間をスライドさせ、前述のスライド機構を前述の変換位置へと移動するために前述の細長い開口部を通して前述のスライド機構に連結されている。前述のスライド機構を前述の完全に延出させた位置から前述の変換位置まで移動させるように前述のアクチュエータボタンが連続的に前方に進められるとき、前述の双安定性構造は、前述のブレード支持組立体およびそこに取付けられる任意のブレードを、前述の直交する2つの配置の間で交互に旋回させるように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明によるシングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパのブレードを完全に後退させた斜視図を示す。
【0014】
【
図2】
図1と同様であるが、ユーティリティナイフとして使用するツールを実現するために、動作可能な延出させた位置にあるブレードを示す。
【0015】
【
図3】
図2と同様であるが、動作可能なスクレーパ位置にあるブレードを示す。
【0016】
【
図4】
図1に示されるユーティリティナイフの分解図で、その動作可能な構成要素を示す。
【0017】
【
図4A】ブレードキャリアと、ブレードと、アクチュエータレバーおよびそこに取付けられた上死点バネの拡大斜視図である。
【0018】
【0019】
【
図5】キャリッジ組立体と、アクチュエータボタンに連結されたスライド機構とのさらなる内部の詳細を示す、アクチュエーションボタンが取付けられているハウジングの部分または1つのクラムシェルの拡大斜視図である。
【0020】
【
図6A】キャリッジのトラックに追従するように係合されたスライド機構に連結されたトラック従動体機構の部分透視図である。
【0021】
【0022】
【
図6C】
図6Aおよび
図6Bに示されるトラックの斜視図で、トラック内のそれぞれの斜面の終端の落差や不連続性を示す。
【0023】
【
図7】
図1と同様であり、ブレード支持組立体および完全に後退させた位置にあるブレードを顕在化するようにハウジングのクラムシェルのうちの1つを除いて示される。
【0024】
【
図8】
図7と同様であり、
図2に示されるユーティリティナイフとして動作可能な機能のためにブレード組立体が延出させた位置に移動されたときの構成部分の位置を示す。
【0025】
【
図9】
図3と同様であり、ブレードを回転または反転させてツールをユーティリティナイフからスクレーパ配置に変換した後、および、
図3に示される動作可能なスクレーパ位置へとブレード支持組立体を内方向に移動させる前の、ブレード支持組立体が変換位置または変換領域にある図である。
【0026】
【
図10】
図9と同様であり、スクレーパ配置へ移動したときに、ブレード支持組立体を回転させる構成要素を示している。
【0027】
【
図11】
図10と同様であり、アクチュエータボタンが解放された後、スクレーパモードで操作中に、ブレード支持組立体がハウジングに支えられるように後退される。
【0028】
【
図12】
図1に示されるツールの側面正面図で、ブレードが完全に後退させた位置にあるときの構成部分の相対的な位置を示す。
【0029】
【
図13】
図12と同様であり、
図2に示されるブレードが延出させた位置またはユーティリティブレード位置にあるときの構成部分の相対的な位置を示す。
【0030】
【
図14】
図13と同様であり、動作可能配置間で回転させるときに、ハウジングを空にするように、ブレード支持組立体を延出させた位置を越えて外方向に変換位置まで移動させるときである。
【0031】
【
図15】
図14と同様であるが、ブレード組立体を後方に移動してハウジングに隣接させる前に、スクレーパ位置またはスクレーパ配置に回転または反転されているブレード組立体を示す。
【0032】
【
図16】
図15と同様であり、ブレードをスクレーパ位置に維持するようにトラック従動体が配置されている。
【0033】
【
図17】
図16と同様であり、
図3に示されるスクレーパ機能を可能にするように、ブレード組立体が引き込まれハウジングと接触した後である。
【0034】
【
図18】ブレード組立体をブレード切断用配置に回転または反転させる直前にブレード組立体が変換位置まで前進することを示す。
【0035】
【
図19】
図18と同様であり、ブレードを切断またはユーティリティブレード位置に方向付けるようブレード組立体が回転された後である。
【0036】
【
図20】
図19と同様であり、ツールのユーティリティ機能を提供するようにブレード組立体を延出させた位置に移動した後である。
【0037】
【
図21】
図20と同様であり、アクチュエータボタンをブレード支持組立体の後退させた位置に移動した後である。
【0038】
【
図22】アクチュエータボタンがツールハウジングの上部に配置され、アクチュエータボタンの位置に対応するようキャリッジ組立体が修正されている他の実施形態のツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
ここで、全体にわたり同一または同様の部分が同じ参照番号で示される図を具体的に参照する。まず、
図1を参照する。シングルアクションコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパツールは、概して参照番号10で示される。
【0040】
そのようなツールで典型的であるように、ツール10は、2つのクラムシェル12a、12bで形成され得、ハンドルまたは握手として適切に機能する長手軸を画定する細長いハウジング12を含む。ハウジングまたはハンドル12は、前端12cと後端12dとを有する。示されるように、クラムシェルを組立てるとき、複数のクラムシェルは、軸12'を画定し、前端12cに開口部14'を有する細長い内部チャネル14を形成する。より完全に説明されるように、ツール10は、
図1の後退させた位置で示される内部ブレードを有する。しかしながら、ブレードに触れたり、ブレードを取り扱ったりすることなく、ツールを迅速に、
図2に示されるようにユーティリティナイフモード、または、
図3に示されるようにスクレーパモードに置くことができる。
【0041】
説明されるように
図4を参照すると、キャリッジ16は、内部チャネル14に沿う軸12'に沿って複数の位置に移動するようにスライド可能に取付けられる。キャリッジ16は、背面プレート16aおよび背面プレート16aに固定される嵌合キャリッジ部材16bを含み、長手方向の動きまたは軸方向の動きを背面プレートの長手方向の動きまたは軸方向の動きと共有する。嵌合キャリッジ部材16bは、鋳造アルミニウムにより形成されてよい。示されるように、背面プレート16aは、シェル12a内部のトラック40に沿ってキャリッジ16をスライド可能に取付けるように、タブまたは他のガイド部材16'を備えている。
【0042】
背面プレート16aおよび嵌合キャリッジ部材16bの前端または案内端には、整列穴16c、16dが設けられている。説明するスライド機構36のレール36bのガイドを形成するために内方向に向けたタブ16e、16fが設けられる。説明するブレード支持組立体18の支持面を提供するように、背面プレート16aには、爪として機能する傾斜した切り抜きタブ26が設けられる。示されるように、圧縮バネ34を保持するために長手方向タブ28、28aおよび28bが設けられ、背面プレート16aが最前方または変換位置にあるときに、前端12cに向かって前方方向に加えられる外力に応じて圧縮バネを圧縮することが可能になる。引張バネ32は、任意の適切な手法で背面プレート16aの一端に固定され、バネの他端はハウジング12の後端12dに近接する部分に固定される。引張バネ32は、通常、キャリッジ16をハウジングの後端12dに向かって押し付けるための付勢部材である。キャリッジ16は、バネ32によって加えられる張力に対抗して、手動で押し付けて前端12cに向かって移動することができる。
【0043】
ブレード支持組立体18は、ブレード20を支持するために使用される。ブレード20は、傾斜した縁部20a、20bおよび刃先20cを有する従来のユーティリティブレードであってよい。示されるように、ブレード支持組立体18は、ブレードの前側または縁部20aの露出および刃先20cの長さが実質的に最大になるように角度をつけた前縁部18aと、後縁部18bとを有する。
図4に示されるように、ブレード支持組立体18は、ブレードの上方で前端に突起部22aを有し、後終端に同様の突起部22bを有する。また、
図4Aおよび
図4Bを参照すると、それぞれカム表面18d'および18e'を有する対向するカム部分18d、18eを画定する起動レバー18cとして機能する概して細長い部分が、ブレード支持組立体18の1つの表面から横方向に突出している。開口部または穴16d内に回転可能に支持することを意図して、カム表面18d'、18e'の間に、円形状または円筒状の突出部18fが設けられる。ブレード支持組立体の他の側には、背面プレート16aの開口部または穴16c内に回転可能に受け入れられる同様の突出部(図示せず)が設けられ、それにより、ブレード支持組立体18は回転可能にキャリッジ16上に支持される。説明されるように、上死点(ODC)バネ24が旋回可能に連結される円形突出部18gが、アクチュエータレバー部分18cの自由端から延びている。上死点(ODC)バネ24は、一端がアクチュエータレバー18cに旋回可能に固定され、他端または自由端は、嵌合キャリッジ部材16b内の表面と係合するように配置される。
【0044】
ブレード支持組立体18は、ブレードを固定し、
図2に示されるブレードの刃先がツールの軸12'に概して平行な第1の配置と、
図3に示されるブレードの刃先が、概して軸に直交または垂直な第2の配置とを含む複数の軸方向位置および直交する2つの配置との間をキャリッジと共に回転可能なおよび直線的な動きをするように、キャリッジ16に旋回可能に取付けられる。
【0045】
スライド機構36は、キャリッジの後退させた位置、延出させた位置、変換位置、および他の中間位置を含むキャリッジの動きを共有するためにキャリッジ16に連結されて設けられる。示されるように、スライド機構は、上方および下方に向けられたレール36bと、少なくとも1つ、好ましくは2つの離間したスロット36dを備える突出するスプリングフィンガ36cとで形成された本体36aとを含む。レール36bは、背面プレート16aのタブ16e、16f内にスライド可能に受け入れられるよう構成される。細長いアーム36eは、本体36aに関してアームが関節連結でき、
図4に示される概して軸方向の配置に関して時計回りまたは反時計回り方向に回転できるように、本体36aの一端に旋回可能に取付けられる。アームの穴または開口部内のピン36fを使用して、関節連結された動きを可能にする。アーム36eの前方端または自由端では、嵌合キャリッジ部材16bの方向に横方向に延出し、双安定性構造の1要素として機能するピンまたはトラック従動体36gが設けられる。
【0046】
アクチュエータボタン38は、ハウジング12の外からアクセス可能で、キャリッジ16およびスライド機構36をチャネル14に沿う複数の位置の間をスライドさせるために細長い開口部12'を通してスライド機構36に連結されている。複数の位置には、目下の好ましい実施形態においては、少なくとも、ブレード支持組立体18が完全にハウジング内に後退しているときの後退させた位置、ブレード支持組立体が動作可能な切断位置またはスクレーパ位置にある延出させた位置、およびブレード支持組立体が、ハウジングから離れてある配置から他の配置に自由に移行可能なように、ブレード支持組立体がキャリッジ16の最前方位置に移動される変換位置が含まれる。アクチュエータボタン38は、スロット36d内に受け入れられるタブ38a、38b(図示せず)によってスライド機構36に係合する。
【0047】
キャリッジ16が、最大前方位置または変換位置に達した時点で、圧縮バネ34のバネ回復力を克服するのに十分な前方への圧力がアクチュエータボタン38に加えられたときに、スライド機構36が、静止キャリッジ16に対する軸に沿って前方に動くことができるように、向きを変えたタブ16e、16fは、外方向に延びるレール36bのガイドとして機能する。目下の好ましい実施形態においては、キャリッジ16を、少なくとも、ブレード支持組立体の、後退させた位置と、延出させた位置と、延出させた位置を越えた変換位置との間を手動で移動することができる。目下の好ましい実施形態が、
図1に示されるように、キャリッジおよびブレード支持組立体の完全に後退させた位置への移動を可能にする一方、本発明はまた、常にブレード20が露出し続けるように、ブレード組立体を、延出させた位置または動作可能位置、および変換位置にだけ設置できるように後退させた位置をなくすことを検討する。
【0048】
ブレード支持組立体がその変換位置に到達した時点で、キャリッジ16は、もはや前方へ移動できない。しかしながら、アクチュエータボタン38に十分な力が加えられ、圧縮バネ34が圧縮されたときには、スライド機構36は、圧縮バネ34の動作に対抗して、キャリッジ16に対する軸に沿って漸進的に前方に移動することができる。これにより、より完全に説明される理由により、スライド機構36およびアーム36eは、ピンまたは表面トラック従動体36gを支持して動く。ブレード支持組立体の変換位置においてアクチュエータボタンが解放されると、説明される理由により、バネ34が、漸進的に後方にピン36gを移動させる。
【0049】
図5を参照すると、タブ28a、28bの間に受け入れられ、バネ34に係合するように寸法決めされるタブ36iを追加的に示す嵌合キャリッジ部材16bの逆側と、クラムシェル12bの内部とが一緒に示される。クラムシェル12bの内側表面は、示されるように、複数の長手方向または軸方向に離間した上方および下方の整列セグメントまたはストリップ42a〜42dにより形成され、スライド機構36上の突出部36hおよび36iを受け入れるように整列した間隙またはロック凹部44a〜44cを提供する。所望の位置にキャリッジ16を実際的または確実にロックするためには対向する2組のストリップを提供することが好ましいが、上部または下部の1組のストリップだけを使用することが可能であることを理解されよう。間隙または凹部44cを使用して、キャリッジを変換位置にロックする一方、間隙または凹部44aを使用して、ブレード組立体18を後退させた位置にロックし、間隙または凹部44bを使用して、キャリッジを延出させた位置にロックする。アクチュエータボタン38をチャネル14の中央に向かって内方向に移動するように押し下げることにより、突出部36h、36iが間隙または凹部から外に出るようにさせ、選択された間隙または凹部を得ることができる。これにより、スライド機構36は、軸に沿って移動するように解放される。次に、スライド機構36のみならずキャリッジ16の長手方向の動きまたは軸方向の動きにより、任意の所望のロック位置でアクチュエータボタン38を解放できる。
【0050】
嵌合キャリッジ部材16bの内側表面(
図5)には、アーム36eに取付けられたトラック従動体またはピン36gを受け入れるように構成された双安定性構造の他の要素として機能する連続する凹部トラックまたはループ48が設けられる。ピン36gとトラック48は、ピンまたはトラック従動体36gを受容する連続する閉トラック48を形成する表面を有する表面トラック従動体を一緒に形成する。
【0051】
図6A〜6Cを参照すると、示されるように、トラック48は、複数の傾斜した斜面48a〜48dにより形成され、大きな「V」または「U」の中により小さな「V」の形状がはめ込まれて配置される閉ループまたは閉トラックである。各斜面の終端部には、段差または急斜面48a'〜48d'が設けられている。具体的に
図6Bを参照すると、それぞれのトラックまたは斜面の始点の4ヶ所の休止位置は、A〜Dとラベル付けされている。より完全に説明されるように、位置Aは、ブレードのユーティリティナイフまたは切断位置におけるブレード支持組立体18の休止位置を表す。位置Bは、ブレード組立体がスクレーパ位置に反転または回転する場所である。位置Cは、ブレードがスクレーパ位置のときのブレード支持体の休止位置を表す。位置Dは、表面従動部機構が位置Aに切り替わった後に、ブレード組立体がブレードのユーティリティナイフまたは切断位置に対して逆方向に反転または回転される場所である。点Dと、点Cとの間の軸方向距離は52で、点Dと、点Aとの間の軸方向距離は53である。キャリッジ16が、
図9および
図10に示される変換位置でもはや前方に移動できなくなった時点で、スライド機構36が少なくとも53と等しく漸進的に移動することを保証するように、ガイド機構36および圧縮バネ34は配置される。より詳細に説明されるように、トラックまたは溝48と、スライド機構36のピン36gとの間の係合は、双安定性構造として機能し、変換領域内のブレード支持体位置を越えてスライド機構を移動させるようにアクチュエータボタン38が連続的に進められるとき、ブレード支持組立体を切断位置と、スクレープ位置との間で旋回させることにより、ブレード支持体18を2つの角度のある配置の間で交互に旋回させる。
【0052】
説明される実施形態において、双安定性構造は、少なくとも、トラック従動体ピン36gおよびトラックまたは溝48を移動させるためのスライド機構36を含み、また、圧縮バネ34を含んでよい。しかしながら、アクチュエータボタン38を連続的に前進させることにより、2つの角度のある位置の間でブレード支持組立体を旋回可能な任意の双安定性構造を使用することができる。
【0053】
図4Aおよび
図4Bに示されるアクチュエータレバーまたはカム18cおよび円形突出部18fは、ブレード支持組立体と一体的に形成されてよいか、または、任意の適切な手段によりブレード支持組立体に固定して取付けられる分離した構成要素であってよい。
【0054】
上死点(ODC)バネ24は、一端24aにループを備え、ループは、レバーまたはカム部分18eの自由端の円筒状突出部18gの周りにゆるく連結されている。バネ24の他の自由端24bは、嵌合キャリッジ部材16bの角の凹部16g内(
図5)に制限されるように配置され、ツールを操作中は、自由端24bは保持されるか、維持されるか、または制限される。アクチュエータレバーまたはカム18cが回転するにしたがってバネ24が屈曲し、バネ24の死点状態を通過すると、バネははじかれて弛緩状態になり、アクチュエータレバーまたはカム18cをブレード支持組立体18と一緒にブレード保持組立体18の代替位置または配置へ移動させるように推進または補助する。したがって、アクチュエータボタン38が十分に前方に移動されバネ24が上死点条件を越えて屈曲するように強いられるとき、バネ24は、ブレード保持組立体のある配置から他の配置への移行を加速する。本動作を提供するためにバネ24を開示する一方、利点の度合いが異なる同一または同様の機能を果たす他のODC構成を使用できることは、当業者には明らかなはずである。バネ32および34が好ましいが、任意であり、そのようなバネがなくてもその場合は軸方向の動きを手動で加えれば、ツールを操作および使用できる。
【0055】
図5は、スライド機構36およびキャリッジ16を3つの固定位置にロックするために、タブまたは突出部36hを受け入れるための3つの間隙または凹部44a〜44cを形成しているストリップ42a〜42dを示す。一方、キャリッジに、したがって、ブレード支持組立体18に追加のロック位置または爪を提供するために、ハウジングの長手方向に沿って追加の間隙を形成する追加のストリップを設けてよいことは明らかなはずである。例えば、
図2に示されるようにブレードを完全に延出させるのではなく、刃先20aの小さな部分または刃先の先端だけが露出するように、ブレードを部分的に延出させることが所望されるかもしれない。これは、例えば、その内容物のあらゆる損傷を防止しながら、箱または段ボール箱を切断するときに有用である。
【0056】
ここで、ツールの操作を説明する。
図7を参照すると、アクチュエータボタン38が、その最後端位置にある場合のブレード支持組立体18の完全に後退させた位置が示されている。タブ部分36hおよび36iは、間隙または凹部44a内にある(
図5)。この時ピンまたはトラック従動体36gは、トラック48の点Aに配置されている(
図6B)。ユーティリティナイフまたは切断モードで使用するために、ブレード20を延出させることが所望される場合、アクチュエータボタン38は内方向に押圧されて36cをそらせ、それにより、突出スプリングフィンガ部36h、36iを凹部または間隙44aから移動させる。これにより、キャリッジ16およびスライド機構36が解放され、ハウジングの前端12cに向かい前方に移動する。タブまたは突出部36h、36iが、間隙または凹部44bと整列しているときに、アクチュエータボタン38が解放されると、突出部が間隙または凹部内に受け入れ可能になり、それにより、キャリッジ16およびスライド機構36の長手方向または軸方向へのさらなる移動がロックされる。この位置においては、ブレード支持組立体18は、
図2および
図8に示される位置にある。ピンまたはトラック従動体36gは、依然として、トラックの点Aに配置されている(
図6B)。ツールをユーティリティナイフからスクレーパに変換したい場合は、改めてアクチュエータボタン38を押し下げることによって、キャリッジおよびブレード支持組立体がさらに前方へ動くことが可能になる。突出部またはタブ36hおよび36iは、間隙または凹部44cにロックされるように移動され、ブレード支持組立体を
図10に示される変換位置に設置する。ここで、ブレード支持組立体18は、ハウジング12から離れてブレード支持組立体18が回転でき、ある配置から他の配置へと反転できる最外位置に移動している。ナイフモードからスクレーパモードへの変換を有効にするには、アクチュエータボタン38を内方向かつ前方に押圧する。変換位置においてキャリッジ16は、チャネル14の最前方位置まで移動しているので、もはや、前方に移動できない。しかしながら、キャリッジ16とスライド機構36とが整列された通常の位置へとスライド機構を切り替えようとする圧縮バネ34の動作に対抗してスライド機構36は漸進することができる。
【0057】
スライド機構36を現在の静止キャリッジ16まで相対的に前進させることにより、(
図6Aおよび
図6Bに見られるように)ピンまたはトラック従動体36gを点Aから斜面48aを追従して点Bまで前方かつ下方に距離53移動させる。
図6Cに示されるように、ピンまたはトラック従動体36gは、斜面48dの終端の段差48d'のせいで上方パス48dに沿って移動できない。
【0058】
ピン36gが点Bに到達すると、アーム36eの自由端がアクチュエータレバー18cの低位部分18eと係合し、表面18e'に力を加え、
図10に見られるように、アクチュエータレバー18cを時計回り方向に回転させる。これにより、ブレード支持組立体18全体が、時計回り方向に回転させられ、ブレードをスクレーパ位置またはスクレーパ配置に方向付ける。この時点でのアクチュエータボタン38の解放が原因となり、スライド機構36は、アーム36eおよびピンまたは従動部36gを共に引っ張りながら漸次的に後方に距離52移動し、ピン36gは
図6Bの位置Cにもたらされる。ピン36gは、不連続性48aが原因で、斜面48aに沿って戻ることはできず、トラック部分48bに沿ってパスを追従しなければならない。アクチュエータボタン38が解放されると、バネ32は、ブレード組立体全体を後方に移動させてブレード支持組立体18の突起部22a、22bを開口部14'の両側の上方および下方支持面12e、12fに隣接させる。これは、
図8に示されるように寸法「l」を、スロットまたは開口部14(
図13)の高さ「h」より、ある程度大きくすることで保証される。
図13において、示されるように、ブレード組立体18の高さ「h」は、ユーティリティナイフモードまたはユーティリティナイフ位置において、ブレード組立体18がスロットを通って延出することを可能にする。さらに、「l」を、「h」より大きく、好ましくは、ハウジング全体の高さである「H」により近くすることで、距離「l」は、ハウジングまたはハンドル12と完全に嵌合接触することを保証する距離に選択される。
図6Bにおいて、ピン36gが点Cに配置されると、アクチュエータボタン38の前方へのさらなる動きにより、バネ34の圧縮力が再び克服され、再びスライド機構36を背面プレート16aに対して前方に進める。アーム36eおよび従動ピン36gが前進して、ここでピンを斜面48Cを上に移動させ、48c'における段差または不連続性から落下して点Dに移動させる。ピン36gが位置Dに移動されると、アーム36eの自由端がアクチュエータレバーまたはカム18cの部分18dの表面18d'に力を加え、
図19に見られるように、ブレード支持組立体18が反時計回り方向に回転または旋回させられ、それにより、ブレードはユーティリティナイフ位置またはユーティリティナイフモードに切り替わる。この移行が起きた時点で、アクチュエータボタン38が解放されると、圧縮バネ34は、スライド機構36をキャリッジ16に対して漸次的に後方に距離53移動させることが可能となり、それによりピン36gが引き戻される。ここで、このピンは、斜面48dを上り、不連続性48dを越えて移動でき、改めて
図6Bの位置Aに入る。ブレードは、再び
図2に示される位置にある。ユーティリティナイフとして使用した後、ツールを
図1および
図12に示される最初の状態に戻すようにアクチュエータボタン38を改めて内方向に押圧し、後方に押すことができる。
【0059】
前述のことは、本発明の原則だけを示すものとみなされる。さらに、当業者であれば多数の変形および変更に容易に想到するので、発明を、図示および説明された厳密な構造および動作に限定することは望ましくない。したがって、全ての好適な変形および均等物は、本発明の範囲に再分類されてよく、これに属する。
【要約】 (修正有)
【課題】シングルアクションであり、ブレードの刃先から離れたアクチュエータボタンを移動させて、あるツールから他のツールへの変換を有効にし得るコンバーチブルユーティリティナイフおよびスクレーパを提供する。
【解決手段】キャリッジ16と、ハウジング内にスライド可能に取付けられたスライド機構36とを含む。ブレード支持体18は、ブレードが切断用配置とスクレーパ配置の間を移動するように旋回可能にキャリッジに取付けられる。外側のボタン38によって、キャリッジおよびスライド機構を、ブレード支持体が完全にハウジング内に後退する後退させた位置と、ブレード支持体が動作可能な切断位置またはスクレープ位置にある延出させた位置と、ブレード支持体をある配置から他の配置へと移行可能なように、ブレード支持体がハウジングから離れて延出させた位置の前方に移動する変換位置との間で移動することができる。
【選択図】
図4