(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1回路パターンに電気的に接続され、前記金属層を貫通する第1ビアを含み、前記絶縁物質は、前記第1ビアと前記金属層とを絶縁させる請求項1に記載のプリント回路基板。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係るプリント回路基板の実施例を添付図面を参照して詳細に説明に、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0009】
また、本明細書において、第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2などの用語により限定されない。
【0010】
また、結合とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0011】
<プリント回路基板>
図1は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0012】
図1を参照すると、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板は、コア100と、絶縁層120と、第1回路パターン130と、絶縁物質140と、第1ビア150と、を含むことができる。ここで、コア100は、金属層110であってもよい。
【0013】
金属層110は、一面と他面とを備え、一面と他面とは互いに対向している。すなわち、一面と他面とは互いに反対側に位置する。
【0014】
金属層110は、複数の層で構成することができる。この場合、金属層110は、第1金属層111及び第2金属層112を含むことができる。第2金属層112は、第1金属層111の一面または両面に積層されることが可能である。また、第1金属層111が、第2金属層112の両面に形成されることも可能である。
【0015】
第1金属層111と第2金属層112とは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、またはモリブデン(Mo)等を含むことができ、また金属層111、112は、インバー(Invar)、コバール(Kovar)等の合金のうちの一つであってもよい。
【0016】
第1金属層111及び第2金属層112は、互いに異なる金属で形成されてもよい。第1金属層111の熱伝導率は、第2金属層112の熱伝導率より大きく、第1金属層111の剛性率は、第2金属層112の剛性率より小さくてもよい。
【0017】
例えば、第1金属層111が銅であり、第2金属層112がインバーであってもよい。銅層は、放熱特性を向上させ、インバー層は、剛性を向上させて歪み(warpage)の問題を解決することができる。
【0018】
またインバー層は、300℃以上の温度においても物理的特性の変化が微々たるものであるため、高温の条件下でプリント回路基板の歪みの問題を改善するのに効果的である。
【0019】
第1金属層111及び第2金属層112は、シート(sheet)形態に製作されて、互いにラミネート(laminate)されてもよい。
【0020】
または第1金属層111及び第2金属層112はそれぞれメッキにより形成されてもよい。すなわち、キャリア上に第1金属層111がメッキにより形成され、第1金属層111上に第2金属層112がメッキにより形成された後、キャリアを除去することにより、金属層110を形成することができる。しかし、この方法に限定されない。
【0021】
絶縁層120は、金属層110上に積層される絶縁性の層である。絶縁層120は、一層以上の層で構成されることができる。
【0022】
絶縁層120は、金属層110の一面にのみ積層され、金属層110の他面には積層されなくてもよい。この場合、絶縁層120は、金属層110の一面にのみビルドアップ(build−up)される。
【0023】
または絶縁層120は、金属層110の両面に積層可能であり、金属層110の一面に積層された絶縁層120の数を金属層110の他面に積層された絶縁層120の数より大きくすることができる。すなわち、絶縁層120は、コア100を基準にして上下非対称に積層されることが可能である。
【0024】
絶縁層120は、プリプレグ(PPG)またはビルドアップフィルム(build up film)であってもよい。プリプレグまたはビルドアップフィルムは、樹脂を主成分とすることができる。この場合、樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド、BT(Bismaleimide−Triazine)樹脂などを含むことができる。
【0025】
エポキシ樹脂には、例えば、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、環型脂肪族系エポキシ樹脂、シリコン系エポキシ樹脂、窒素系エポキシ樹脂、リン系エポキシ樹脂等があるが、これに限定されない。
【0026】
一方、プリプレグには、上記樹脂にガラス繊維(glass cloth)等の補強材が含まれてもよい。ビルドアップフィルムには、上記樹脂にシリカ等の無機フィラー(filler)が充填されてもよい。このビルドアップフィルムとしては、ABF(Ajinomoto Build−up Film)等を用いることができる。
【0027】
金属層110及び非対称(または、一方向に積層)絶縁層120を用いると、プリント回路基板の歪み(warpage)の問題を解決することができる。
【0028】
第1回路パターン130は、コア100、すなわち金属層110に埋め込まれることができる。金属層110が、第1金属層111と第2金属層112とを含む場合、第1回路パターン130の厚さは第1金属層111の厚さ以下であってもよい。
【0029】
ここで、「埋め込まれる」とは、金属層110の内部に第1回路パターン130の少なくとも一部が挿入されることを意味し、第1回路パターン130の全ての面が外部に露出されないことを意味するものではない。
【0030】
第1回路パターン130は、金属層110に埋め込まれ、第1回路パターン130の一面が金属層110から露出することができる。この場合、第1回路パターン130は、金属層110の下側にかたよって形成されることができる。すなわち、第1回路パターン130の一面と金属層110の上記他面とは同一面上に位置できる。
【0031】
第1回路パターン130は、電気伝導特性を考慮し、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等の金属で形成されることができる。
【0032】
絶縁物質140は、第1回路パターン130と金属層110との間に介在されてもよい。第1回路パターン130及び金属層110は、すべて電気伝導性の物質であるため、第1回路パターン130と金属層110とは互いに絶縁される必要がある。よって、第1回路パターン130と金属層110とは接触しないで、互いに離隔しており、離隔された空間に絶縁物質140を充填することができる。
【0033】
絶縁物質140は、感光性であって、photo imageable dielectric(PID)であってもよい。感光性絶縁物質140を用いると、フォトリソグラフィ工程を絶縁物質140に直接適用することができる。
【0034】
第1ビア150は、第1回路パターン130に接続され、金属層110に埋め込まれることができる。この場合、第1ビア150は、絶縁物質140により金属層110とは絶縁され、結果的に絶縁物質140に第1ビア150が埋め込まれることになる。すなわち、第1ビア150も金属層110から離隔され、離隔空間に絶縁物質140が充填される。
【0035】
第1ビア150が感光性絶縁物質140内に埋め込まれる場合、第1ビア150は、フォトリソグラフィ工程によりビアホールを形成し、ビアホールを伝導性物質で充填することにより形成できる。この場合、第1ビア150の断面積の上下差は、ほとんどないように形成できる。すなわち、第1ビア150の断面積を上下一定にすることができる。
【0036】
第1回路パターン130及び第1ビア150の全体の厚さは、金属層110の厚さと同一であってもよい。
【0037】
本発明の実施例に係るプリント回路基板は、第2回路パターン160と第2ビア170とをさらに含むことができる。
【0038】
第2回路パターン160は、絶縁層120に形成され、絶縁層120の一面または内部に形成できる。特に、第2回路パターン160のうち、上記金属層110の一面に形成される回路パターンは絶縁層120の内部に形成され、その以外の回路パターンは絶縁層120の一面に位置する。最外郭に位置した第2回路パターン160は絶縁層120に対して突出している。
【0039】
第2回路パターン160は、第1ビア150により第1回路パターン130に電気的に接続できる。
【0040】
第2回路パターン160は、電気伝導特性を考慮し、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等の金属で形成することができる。
【0041】
第2ビア170は、第2回路パターン160の層間接続の機能を担う。第2ビア170は、銅(Cu)で形成するか、銅以外に錫(Sn)、銀(Ag)、またはこれらの合金などで形成することができる。
【0042】
第1回路パターン130、第2回路パターン160、第1ビア150、及び第2ビア170は、全て同一の金属で形成されてよいが、これに限定されず、少なくとも二つは互いに異なる金属で形成することもできる。
【0043】
本発明の実施例に係るプリント回路基板は、ソルダーレジスト190をさらに含むことができる。
【0044】
ソルダーレジスト層190は、最外郭の絶縁層120上に、また金属層110の他面に形成され、プリント回路基板の最外郭に位置し、第1回路パターン130及び第2回路パターン160を保護する層である。
【0045】
但し、ソルダーレジスト層190には開口領域が形成されており、第1回路パターン130及び第2回路パターン160の少なくとも一部を露出させることができる。露出された回路パターン上には、ソルダーボールのような接続部が形成され、本発明の実施例に係るプリント回路基板のチップ、電子素子、メインボードなどが外部装置に接続することができる。
【0046】
一方、ソルダーレジスト層190には、開口領域以外に金属層の露出領域を設けることができる。ソルダーレジスト層190の金属層の露出領域を設けると、金属層110が外部に露出されるので、プリント回路基板の上部に実装される外部機器から発生した熱を金属層の露出領域から放出できる。
【0047】
特に、金属層の露出領域に対応して絶縁層120内に放熱ビア180を形成することができる。放熱ビア180は、金属層110に直接接触することができる。
【0048】
放熱ビア180は、第2ビア170と同一の物質で、また同様の工程により形成できる。但し、放熱ビア180は第2回路パターン160とは接続するが、第1回路パターン130とは電気的に接続されなくてもよい。
【0049】
例えば、プリント回路基板の上部にチップが実装されると、チップのパッドは第2回路パターン160に電気的に接続される。チップとプリント回路基板との間の信号伝達は、第2回路パターン160、第2ビア170、第1ビア150、及び第1回路パターン130の順(またはその逆順)に行われることができ、チップで発生した熱は、第2回路パターン160、放熱ビア180、及び金属層110(特に金属層の露出領域)を介して排出できる。
【0050】
一方、金属層の露出領域から、相対的に熱伝導率の大きい第1金属層111が露出してもよい。
【0051】
図2は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0052】
図2を参照すると、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板は、コア100と、絶縁層120と、第1回路パターン130と、第1ビア150と、を含むことができる。ここで、コア100は、金属層110と絶縁物質140とを含むことができる。
【0053】
金属層110は、一面と他面とを備え、一面と他面とは互いに対向している。すなわち、一面と他面とは互いに反対側に位置する。
【0054】
金属層110は、複数の層で構成されることができる。この場合、金属層110は、第1金属層111及び第2金属層112を含むことができる。第2金属層112は、第1金属層111の一面または両面に積層されることができる。また、第1金属層111が、第2金属層112の両面に形成されることもできる。
【0055】
第1金属層111及び第2金属層112は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、またはモリブデン(Mo)等を含むことができ、また、金属層110、120は、インバー(Invar)、コバール(Kovar)等の合金のうちの一つであってもよい。
【0056】
第1金属層111と第2金属層112とは、互いに異なる金属で形成可能である。第1金属層111の熱伝導率は、第2金属層112の熱伝導率より大きく、第1金属層111の剛性率は第2金属層112の剛性率より小さくてもよい。
【0057】
例えば、第1金属層111が銅であり、第2金属層112はインバーであることができる。銅層は、放熱特性を向上させ、インバー層は、剛性を向上させて歪み(warpage)の問題を解決することができる。
【0058】
またインバー層は、300℃以上の温度では物理的特性の変化が微々たるものであり、高温の条件下でプリント回路基板の歪みの問題を改善するのに効果的である。
【0059】
第1金属層111及び第2金属層112は、シート(sheet)形態に製作されて、互いにラミネート(laminate)されてもよい。または、第1金属層111及び第2金属層112はそれぞれメッキにより形成されることも可能である。
【0060】
絶縁物質140は、金属層110の両面に形成可能である。絶縁物質140は、プリプレグ(PPG)またはビルドアップフィルム(build up film)であってもよい。プリプレグまたはビルドアップフィルムは、樹脂を主成分としてもよい。ここで樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド、BT(Bismaleimide−Triazine)樹脂などを含むことができる。
【0061】
絶縁物質140は、非感光性であってもよい。
【0062】
プリプレグには、上記樹脂にガラス繊維(glass cloth)等の補強材が含まれてもよい。ビルドアップフィルムには、上記樹脂にシリカ等の無機フィラー(filler)が充填されてもよい。このビルドアップフィルムとしては、ABF(Ajinomoto Build−up Film)等を用いることができる。
【0063】
絶縁層120は、コア100上に積層される絶縁性の層である。絶縁層120は、一層以上の層で構成可能である。
【0064】
絶縁層120は、金属層110を基準にして一面上にのみ積層され、他面上には積層されなくてもよい。すなわち、絶縁層120は、金属層110の一面に積層された絶縁物質140上にのみビルドアップすることができる。
【0065】
または絶縁層120は、金属層110を基準にして両面上に積層され、金属層110の一面上に積層された絶縁層120の数を金属層110の他面上に積層された絶縁層120の数より大きくすることができる。すなわち、絶縁層120は、コア100を基準にして上下非対称に積層されることが可能である。
【0066】
絶縁層120は、プリプレグ(PPG)またはビルドアップフィルム(build up film)であってもよい。プリプレグまたはビルドアップフィルムは、樹脂を主成分とすることができる。ここで樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド、BT(Bismaleimide−Triazine)樹脂等を含むことができる。
【0067】
プリプレグには、上記樹脂にガラス繊維(glass cloth)等の補強材が含まれてもよい。ビルドアップフィルムには上記樹脂にシリカのような無機フィラー(filler)が充填されてもよい。このビルドアップフィルムとしては ABF(Ajinomoto Build−up Film)等を用いることができる。
【0068】
一方、絶縁層120は、感光性であってもよい。
【0069】
金属層110及び非対称(または、一方向に積層された)絶縁層120を用いると、プリント回路基板の歪み(warpage)の問題を解決することができる。
【0070】
第1回路パターン130は、コア100に埋め込まれてもよい。第1回路パターン130は、絶縁物質140内に埋め込まれてもよい。特に、第1回路パターン130は、金属層110の他面に積層された絶縁物質140内に埋め込まれてもよい。
【0071】
第1回路パターン130の厚さは、金属層110の他面に積層された絶縁物質140の厚さ以下であってもよい。第1回路パターン130の一面は、絶縁物質140に対して露出することができる。ここで、第1回路パターン130は、金属層110の他面に積層された絶縁物質140の下側にかたよって形成されてもよい。すなわち、第1回路パターン130の一面と絶縁物質140の表面とは、同一面上に位置できる。
【0072】
第1回路パターン130は、電気伝導特性を考慮し、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等の金属で形成されることができる。
【0073】
第1回路パターン130と金属層110とは接触されなく、絶縁物質140により絶縁できる。
【0074】
第1ビア150は、第1回路パターン130に接続され、コア100に埋め込まれることができる。第1ビア150は、金属層110と絶縁物質140とを全て貫通することができる。ここで、第1ビア150は、金属層110と離隔され、離隔空間には上記絶縁物質140を充填できる。
【0075】
すなわち、絶縁物質140は、金属層110の両面だけではなく、第1ビア150と金属層110との間にも形成されることができる。これにより、第1ビア150は、絶縁物質140により金属層110と絶縁されることができる。
【0076】
第1回路パターン130と第1ビア150の全体の厚さは、コア100の厚さと同一であってもよい。
【0077】
本発明の実施例に係るプリント回路基板は、第2回路パターン160と第2ビア170とをさらに含むことができる。
【0078】
第2回路パターン160は、絶縁層120に形成され、絶縁層120の内部にも形成されることができる。第2回路パターン160のうちの一部はコア100の表面に形成されることができる。
【0079】
一方、絶縁層120が感光性である場合、第2回路パターン160の少なくとも一部はフォトリソグラフィ工程を用いて形成することができる。特に、第2回路パターン160のうちのコア100の表面に形成されるもの以外の回路パターンは、フォトリソグラフィ工程を用いて形成することができる。
【0080】
第2回路パターン160は、第1ビア150により第1回路パターン130に電気的に接続可能となる。
【0081】
第2回路パターン160は、電気伝導特性を考慮して、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)などの金属で形成することができる。
【0082】
第2ビア170は、第2回路パターン160の層間接続のための機能を担う。第1回路パターン130、第2回路パターン160、第1ビア150、及び第2ビア170は全て同じ金属で形成できるが、これに限定されず、少なくとも二つは互いに異なる金属で形成されてもよい。
【0083】
特に、第2ビア170は、ソルダー(solder)を含む物質で形成されることができる。第2ビア170は、ソルダーペースト(paste)であってもよい。第2ビア170がソルダーペーストであると、プリント回路基板の一括積層に有利となる。
【0084】
ここで、ソルダーとは、半田付けに使用される物質を意味し、その材質が鉛(Pb)に限定されることはない。すなわち、第2ビア170は、錫(Sn)、銀(Ag)またはこれらの合金で形成されることができる。
【0085】
一方、第2ビア170は、ソルダー以外の伝導性物質で形成された伝導性ペーストであってもよい。
【0086】
本発明の実施例に係るプリント回路基板は、ソルダーレジスト190をさらに含むことができる。
【0087】
ソルダーレジスト層190は、最外郭絶縁層120上に、またコア100の露出された面上に形成され、プリント回路基板の最外郭に位置し、第1回路パターン130と第2回路パターン160とを保護する層である。
【0088】
但し、ソルダーレジスト層190には開口領域が形成され、第1回路パターン130及び第2回路パターン160の少なくとも一部を露出させることができる。露出された回路パターン上にはソルダーボールのような接続部が形成されて、本発明の実施例に係るプリント回路基板のチップ、電子素子、メインボードなどが外部装置に接続可能となる。
【0089】
一方、本発明の実施例に係るプリント回路基板は、放熱ビア180をさらに含むことができる。放熱ビア180は、コア100の絶縁物質140内に形成されるビア181と絶縁層120に形成されるビア182とに分けられる。
【0090】
放熱ビア180は、コア100の金属層110に直接接触することができる。放熱ビア180は、外部機器から発生した熱を金属層110に伝達し、その熱は金属層110の側面または他面を介して放出されることができる。
【0091】
放熱ビア180のうちコア100の絶縁物質140に形成されるビア181は、第1ビア150と同じ物質で、同様の工程により形成されることができる。
【0092】
また、放熱ビア180のうち絶縁層120に形成されるビア182は、第2ビア170と同じ物質で、同様の工程により形成されることができる。
【0093】
放熱ビア180は、第2回路パターン160とは接続しても、第1回路パターン130とは電気的に接続されなくてもよい。
【0094】
<プリント回路基板の製造方法>
図3から
図9は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板の製造方法を示す図である。
【0095】
図3から
図9を参照すると、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板の製造方法は、キャリア基板Cを用いて、キャリア基板Cに第1回路パターン130を形成し、絶縁物質140、金属層110を形成し、第1ビア150、第2回路パターン160、及び絶縁層120を形成し、ソルダーレジスト層190を形成することができる。
【0096】
図3を参照すると、キャリア基板C上に第1回路パターン130を形成する。キャリア基板Cは、樹脂からなった絶縁材で形成されることができる。
【0097】
第1回路パターン130は、アディティブ(additive)法、サブトラックティブ(subtractive)法、セミアディティブ(Semi additive)法、テンティング(Tenting)法、MSAP(Modified Semi Additive Process)法等の方法により形成することができるが、これらに限定されない。
【0098】
キャリア基板C上には、先ずシード層Sを形成することができる。シード層Sは、第1回路パターン130と同じ金属で形成することができる。また、シード層Sの厚さは、第1回路パターン130の厚さより小さくてもよい。
【0099】
シード層Sは、無電解メッキ法またはスパッタリングなどの方法により形成可能であり、複数の層で構成することができる。
【0100】
シード層S上に電解メッキ層が形成され、第1回路パターン130を形成することができる。この過程で、感光性ドライフィルムが積層され、ドライフィルムに選択的に開口を形成した後、該当開口内に電解メッキ層が形成されて第1回路パターン130を形成することができる。
【0101】
図4を参照すると、キャリア基板C上に感光性の絶縁物質140及び金属層110が形成される。
【0102】
先ず、絶縁物質140が第1回路パターン130をカバーするようにキャリア基板C上に形成され、フォトリソグラフィ工程により第1回路パターン130に対応する部分のみ残り、その他の部分が除去される。ここで、第1回路パターン130に対応する部分とは、第1回路パターン130と金属層110とを絶縁できる程度の余分を含む概念である。
【0103】
すなわち、第1回路パターン130は、絶縁物質140により取り囲まれて外部に露出されない。
【0104】
その後、絶縁物質140が存在しない部分に対して金属層110が形成される。金属層110は、電解メッキ法により形成可能であり、シード層Sからメッキ層が成長することができる。
【0105】
金属層110は、第1金属層111と第2金属層112とを含むことができる。
【0106】
先ず、シード層S上に第1金属層111が形成され、第1金属層111上に第2金属層112が形成されることができる。第1金属層111の厚さと第2金属層112の厚さとは、同一であるか、いずれかがより大きく形成されてもよい。
【0107】
第1金属層111の厚さは、第1回路パターン130の厚さ以上であってもよい。
【0108】
また、金属層110の厚さは、絶縁物質140の厚さと同じであってもよく、絶縁物質140の厚さが金属層110の厚さより大きくてもよい。
【0109】
図5を参照すると、絶縁物質140にビアホールVHが形成される。
【0110】
上述したように、絶縁物質140は感光性であるので、フォトリソグラフィ工程によりビアホールVHを形成することができる。しかし、この方法に限定されず、絶縁物質140のビアホールVHは、CO
2、YAG等のレーザー加工を用いて形成することもできる。
【0111】
特に、レーザー加工によりビアホールVHを形成する場合、ビアホールVHの断面積は、加工面からキャリア基板C側に行くほど小さくなることができる。これに対して、フォトリソグラフィ工程によりビアホールVHを形成する場合は、ビアホールVHの断面積を一定にすることができる。
【0112】
ビアホールVHにより第1回路パターン130の少なくとも一部が露出される。
【0113】
図6及び
図7を参照すると、第1ビア150と第2回路パターン160が形成される。
【0114】
図6を参照すると、ドライフィルムDが金属層110上に積層される。ドライフィルムDは感光性である。また、ドライフィルムDには、フォトリソグラフィ工程などにより開口部Oが形成される。開口部Oは、ビアホールVHと対応しており、開口部Oの領域はビアホールVH領域を含むことができる。
【0115】
図7を参照すると、ビアホールVHが充填されて、第1ビア150が形成される。また、開口部Oが充填されて第2回路パターン160の一部が形成される。第1ビア150と第2回路パターン160とは、同様のメッキ工程により形成することができる。
【0116】
図8を参照すると、絶縁層120と第2回路パターン160とが繰り返し積層される。すなわち、第2回路パターン160の一部は、金属層110の一面に先に形成され、第2回路パターン160の残りは絶縁層120とともに形成される。
【0117】
具体的に、絶縁層120は、金属層110の一面に形成された第2回路パターン160をカバーしながら積層される。絶縁層120は半硬化状態にあるため、金属層110の一面に形成された第2回路パターン160の形状に合わせて変形することができる。よって、絶縁層120は、金属層110の一面に形成された第2回路パターン160とも接触し、金属層110とも接触することができる。
【0118】
以後、絶縁層120内に第2ビア170が形成され、絶縁層120上にまた他の第2回路パターン160が形成される。このような過程が繰り返されて、所望する層数まで形成することができる。
【0119】
第2回路パターン160は、アディティブ(additive)法、サブトラックティブ(subtractive)法、セミアディティブ(Semi additive)法、テンティング(Tenting)法、MSAP(Modified Semi Additive Process)等の方法により形成することができ、これらの方法に限定されない。
【0120】
または、金属層110の一面に第2回路パターン160が形成された後に、予め積層された複数の絶縁層120を一度に一括して金属層110に積層することもできる。当該絶縁層120には第2回路パターン160が形成されていることは勿論である。
【0121】
図9を参照すると、キャリア基板Cが除去され、プリント回路基板の最外郭にソルダーレジスト層190が形成される。ソルダーレジスト層190は、絶縁層120及び金属層110上に積層され、必要によって、ソルダーレジスト層190に第1回路パターン130及び第2回路パターン160の一部を露出させるための開口を形成することができる。
【0122】
図面には図示されていないが、ソルダーレジスト層190の開口から露出された第1回路パターン130及び第2回路パターン160の表面には、表面処理層が設けられてもよい。表面処理層は、金メッキ層またはOSP層であってもよい。
【0123】
図10から
図24は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板の製造方法を示す図である。
【0124】
本発明の第2実施例に係るプリント回路基板の製造方法は、大きく3つのステップに分けられる。第1ステップは、コア100を形成するステップであり、第2ステップは、絶縁層部分を形成するステップであり、第3ステップは、コア100と絶縁層部分とを互いに一括積層するステップである。
【0125】
図10から
図16には、コア100を形成するステップが示されており、
図17から
図22には、絶縁層部分を形成するステップが示されており、
図23及び
図24には、コア100と絶縁層部分とを一括積層するステップが示されている。
【0126】
図10を参照すると、キャリア基板C上に第1回路パターン130が形成される。キャリア基板Cは、樹脂からなった絶縁材で形成されることができる。
【0127】
第1回路パターン130は、アディティブ(additive)法、サブトラックティブ(subtractive)法、セミアディティブ(Semi additive)法、テンティング(Tenting)法、MSAP(Modified Semi Additive Process)等の方法により形成することができ、これらの方法に限定されない。
【0128】
キャリア基板C上には、シード層Sが先に形成されてもよい。シード層Sは、第1回路パターン130と同じ金属で形成することができる。また、シード層Sの厚さは、第1回路パターン130の厚さより小さくてもよい。
【0129】
シード層Sは、無電解メッキ法またはスパッタリングなどの方法により形成可能であり、複数の層で構成されることができる。
【0130】
シード層S上に電解メッキ層が形成され、第1回路パターン130を形成することができる。この過程で、感光性ドライフィルムが積層され、ドライフィルムに選択的に開口を形成した後に、当該開口内に電解メッキ層を形成することで第1回路パターン130を形成することができる。
【0131】
図11を参照すると、絶縁物質140と金属層110とが形成される。先ず、絶縁物質140が第1回路パターン130をカバーするように形成され、絶縁物質140上に金属層110が形成される。金属層110は、シート形態に製作されて、絶縁物質140上に積層されることができる。
【0132】
図12を参照すると、金属層110にエッチングホールEHが形成される。エッチングホールEHはエッチング方法により形成され、金属層110が2種の金属で構成された場合、それぞれの金属と反応するエッチング液を用いてエッチング工程を2回行うか、2種の金属両方とも反応するエッチング液を用いてエッチング工程を1回行うことにより、エッチングホールEHを形成することができる。
【0133】
但し、エッチングホールEHは、金属層110にのみ形成され、絶縁物質140には形成されない。
【0134】
図13を参照すると、エッチングホールEHが絶縁物質140で充填される。ここで、充填される絶縁物質140は、金属層110よりも先に形成された絶縁物質140と同じであってもよい。
【0135】
絶縁物質140は、エッチングホールEHの深さよりも大きい厚さで形成され、金属層110の一面をカバーできる。
【0136】
図14を参照すると、エッチングホールEH内に充填された絶縁物質140にビアホールVHが形成される。一方、
図14では、放熱ビア180のためのホールも共に形成される。このようなビアホールVH及び放熱ビアホールは、レーザー加工により形成可能である。
【0137】
図15を参照すると、ビアホールVHが伝導性物質で充填されて第1ビア150が形成され、放熱ビアホールが伝導性物質で充填されて放熱ビア180が形成される。伝導性物質が充填される方法としてはメッキ法を用いてもよい。
【0138】
一方、
図15に示すように、絶縁物質140上に第2回路パターン160を形成することができる。絶縁物質140の表面に形成される第2回路パターン160は、第1ビア150と同様の工程により形成可能である。
【0139】
図16を参照すると、キャリア基板Cが除去され、シード層Sがともに除去される。シード層Sは、エッチングにより除去することができる。
【0140】
図17を参照すると、キャリアフィルムF上に、後に第2回路パターン160となる金属物質層(M)が形成される。金属物質層(M)はキャリアフィルムFの両面に形成される。キャリアフィルムFは、PET材質であってもよい。
【0141】
図18を参照すると、金属物質層がエッチングされ、金属物質層に選択的に開口が形成される。ここで、キャリアフィルムFはエッチングされない。
【0142】
図19を参照すると、感光性または非感光性の絶縁層120が積層される。絶縁層120は、金属物質層をカバーし、金属物質層の開口を充填する。
【0143】
図20を参照すると、絶縁層120にビアホールVH'が形成される。ビアホールVH'は、金属物質層(M)に接続するように形成される。ビアホールVH'は、フォトリソグラフィ工程またはレーザー加工などにより形成可能である。
【0144】
図21を参照すると、ビアホールVH'が伝導性物質で充填されて第2ビア170が形成される。伝導性物質で充填されたビアホールVH'の一部は、放熱ビア180となる。一方、第2回路パターン160と放熱ビア180とは絶縁層120に埋め込まれる。
【0145】
ここで、伝導性物質はソルダーペーストであってもよい。
【0146】
図22を参照すると、キャリアフィルムFが除去される。キャリアフィルムFが除去されると、金属物質層(M)は第2回路パターン160となり、絶縁層120、第2回路パターン160、第2ビア170が完成される。このように完成されたものを絶縁層部分と称した。
【0147】
図17から
図22までの工程を繰り返すと、第2回路パターン160及び第2ビア170が多様に形成された絶縁層部分を複数形成することができる。
【0148】
図23及び
図24を参照すると、コア100と絶縁層部分とが一括積層される。
【0149】
図23に示すように、コア100と複数の絶縁層部分とを並んで配置し、
図24に示すように、これらを一括して加圧積層すると、第2回路パターン160と第2ビア170とが互いに接続し、放熱ビア180が互いに接続し、絶縁層120とコア100の絶縁物質140とが互いに接触する。
【0150】
図24を参照すると、プリント回路基板の最外郭にソルダーレジスト層190が形成される。ソルダーレジスト層190は、絶縁層120及びコア100上に積層され、必要によって、ソルダーレジスト層190に第1回路パターン130及び第2回路パターン160の一部を露出させるための開口を形成することができる。
【0151】
図面には図示されていないが、ソルダーレジスト層190の開口から露出された第1回路パターン130及び第2回路パターン160の表面には、表面処理層を形成することができる。表面処理層は、金メッキ層またはOSP層であってもよい。
【0152】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の範囲内に含まれるといえよう。