特許第6806323号(P6806323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806323遮熱シート、遮熱シートの製造方法及び遮熱シートの取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806323
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】遮熱シート、遮熱シートの製造方法及び遮熱シートの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/027 20190101AFI20201221BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20201221BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20201221BHJP
   B32B 15/20 20060101ALI20201221BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20201221BHJP
   B60R 13/08 20060101ALI20201221BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20201221BHJP
   B60R 13/02 20060101ALN20201221BHJP
【FI】
   B32B7/027
   C09K5/14 Z
   B32B27/32 Z
   B32B15/20
   B32B9/00 A
   B60R13/08
   E04B1/80 100N
   !B60R13/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-256375(P2015-256375)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-119377(P2017-119377A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2018年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】591158335
【氏名又は名称】積水ナノコートテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨上 義次
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 敦哉
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−224104(JP,A)
【文献】 特開2012−197581(JP,A)
【文献】 特開2011−080250(JP,A)
【文献】 特開2004−330930(JP,A)
【文献】 特開平10−237772(JP,A)
【文献】 特開2014−184679(JP,A)
【文献】 特開2014−218052(JP,A)
【文献】 特開2011−219918(JP,A)
【文献】 特開2013−043349(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/151460(WO,A1)
【文献】 特開2003−212056(JP,A)
【文献】 特開昭55−154155(JP,A)
【文献】 特開2005−150423(JP,A)
【文献】 特開2005−171446(JP,A)
【文献】 特開2011−058153(JP,A)
【文献】 特開2015−189086(JP,A)
【文献】 特開2015−100961(JP,A)
【文献】 特開2014−091442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B60R 13/01−13/08
C09K 5/00−5/20
E04B 1/62−1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両又は住宅の内装材に用いられ、前記車両又は住宅の熱源から放出された熱を反射させるための遮熱シートであって、
基材と、
前記基材の表面上に積層された、遮熱材と、
を備え、
前記基材が、不織布であり、
前記不織布と前記遮熱材とが接しており、
前記不織布の目付が、40g/m以上、300g/m以下であり、
前記基材の厚みが、5μm以上、500μm以下であり、
前記遮熱材が、アルミニウムを含み、
前記遮熱材の厚みが、10nm以上、300nm以下である、遮熱シート。
【請求項2】
前記遮熱シートは、前記基材側から、前記熱源側に配置されて用いられる、請求項1に記載の遮熱シート。
【請求項3】
車両又は住宅の内装材に用いられ、熱源から放出された熱を反射させるための遮熱シートの製造方法であって、
スパッタリングにより、基材の表面に、遮熱材を配置する工程を備え、
前記基材が、不織布であり、
前記不織布と前記遮熱材とが接しており、
前記不織布の目付が、40g/m以上、300g/m以下であり、
前記基材の厚みが、5μm以上、500μm以下であり、
前記遮熱材が、アルミニウムを含み、
前記遮熱材の厚みが、10nm以上、300nm以下である、遮熱シートの製造方法。
【請求項4】
車両又は住宅の内装材に用いられる遮熱シートの取り付け方法であって、
車両又は住宅の熱源側に、請求項1又は2に記載の遮熱シートを、前記基材側から配置する、遮熱シートの取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用又は住宅用の内装材に用いられる遮熱シート、遮熱シートの製造方法及び遮熱シートの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用又は住宅用の内装材には、内部空間の温度上昇を抑制することを目的として、遮熱シートが用いられている。
【0003】
下記の特許文献1には、樹脂発泡体により構成される基体上に赤外線反射機能を有する層が設けられた自動車内装材用の遮熱シートが開示されている。上記赤外線反射機能を有する層としては、アルミニウム箔、アルミニウムシート、ステンレス箔、アルミニウム蒸着シート、クロム蒸着シート又はスズめっきシートが用いられている。上記赤外線反射機能を有する層は、基体よりルーフパネル側に配置されている。特許文献1では、上記赤外線吸収機能を有する層を設けることで、熱遮蔽効果を発揮できることが記載されている。
【0004】
また、下記の特許文献2には、基材と、基材のルーフパネル側の表面上に設けられた裏面層とを備える車両用内装材が開示されている。上記基材は、ガラスマットや、ウレタンフォームにより構成されている。上記裏面層は、合成樹脂製フィルムであるベース層と、ルーフパネル側に配置される赤外線反射層とにより構成される遮熱シートである。特許文献2の遮熱シートでは、ルーフパネル側(熱源側)に赤外線反射層を配置することで、車室内の温度上昇を効果的に抑えられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4180210号公報
【特許文献2】特開2014−91442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動車のルーフパネルは、太陽光が照射されることにより温度上昇し、熱源となる。特許文献1や特許文献2の遮熱シートでは、赤外線反射層が、ルーフパネル側(熱源側)の最外層に設けられている。赤外線反射層が最外層に設けられている場合、赤外線反射層を構成する金属が酸化し易いという問題がある。また、赤外線反射層が、最外層に配置されているので、熱源から放出される熱を十分に遮ることができない場合がある。そのため、特許文献1や特許文献2の遮熱シートでは、車両における内部空間の温度上昇を十分に抑制できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、車両や住宅の内部空間における温度上昇を抑制することができる、遮熱シート、遮熱シートの製造方法及び遮熱シートの取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の広い局面によれば、車両又は住宅の内装材に用いられ、前記車両又は住宅の熱源から放出された熱を反射させるための遮熱シートであって、基材と、前記基材の表面上に積層された、遮熱材と、を備え、前記遮熱材の厚みが、10nm以上、300nm以下である、遮熱シートが提供される。
【0009】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記基材が、高密度ポリエチレン基材又は不織布である。
【0010】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記基材が、高密度ポリエチレン基材である。
【0011】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記基材が、不織布である。
【0012】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記遮熱材が、アルミニウム、ステンレス、クロム又は錫を含む。好ましくは、前記遮熱材が、アルミニウムを含む。
【0013】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記遮熱シートは、前記基材側から、前記熱源側に配置されて用いられる。
【0014】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記熱源に対して、断熱材を介して、前記遮熱シートが配置される。
【0015】
本発明に係る遮熱シートのある特定の局面では、前記熱源に対して、断熱材を介して、前記遮熱シートが前記遮熱材側から配置される。
【0016】
本発明の広い局面によれば、車両又は住宅の内装材に用いられ、熱源から放出された熱を反射させるための遮熱シートの製造方法であって、スパッタリングにより、基材の表面に、遮熱材を配置する工程を備え、前記遮熱材の厚みが、10nm以上、300nm以下である、遮熱シートの製造方法が提供される。
【0017】
本発明の広い局面によれば、車両又は住宅の内装材に用いられる遮熱シートの取り付け方法であって、車両又は住宅の熱源側に、上述した遮熱シートを、前記基材側から配置する、遮熱シートの取り付け方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る遮熱シートは、車両又は住宅の熱源から放出された熱を反射させるための遮熱シートであって、基材と、上記基材の表面上に積層された、遮熱材と、を備え、上記遮熱材の厚みが、10nm以上、300nm以下であるので、熱源から放出された熱を遮熱シートによって遮ることができる。そのため、本発明の遮熱シートは、車両や住宅の内部空間における温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る遮熱シートを示す模式的断面図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態に係る遮熱シートを示す模式的断面図である。
図3図3は、遮熱試験の方法を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明に係る遮熱シートは、車両又は住宅の内装材に用いられる。上記遮熱シートは、基材及び遮熱材を備える。上記基材の表面上に、上記遮熱材が積層されている。上記遮熱材は、車両又は住宅の熱源から放出された熱を反射させるために設けられている。上記遮熱材の厚みは、10nm以上、300nm以下である。
【0022】
本発明に係る遮熱シートの製造方法は、スパッタリングにより、基材の表面に、遮熱材を配置する工程を備える。上記遮熱材の厚みは、10nm以上、300nm以下である。
【0023】
一般に、車両や住宅においては、太陽光などにより外壁材が熱せられ、外壁材に蓄熱される。外壁材の温度は、周囲の温度よりも高くなり、外壁材は熱源となる。この外壁材に蓄熱された熱は、内装材(遮熱シート)側に放熱され、車両や住宅の内部空間における温度が上昇する原因となる。
【0024】
本発明では、上記の構成を備えているので、熱源である外壁材から放出された熱を、遮熱シートにより遮ることができる。そのため、車両や住宅の内部空間における温度上昇を抑制することができる。
【0025】
本発明に係る遮熱シートの取り付け方法では、車両又は住宅の熱源側に、上述した遮熱シートを、基材側から配置する。遮熱材に金属が含まれる場合、遮熱シートを上記のように配置することで、金属の酸化を抑制することができ、金属の腐食を抑えることができる。そのため、温度上昇の抑制効果を長期間に渡り発揮することができる。従って、温度上昇の抑制効果を長期間に渡り発揮する観点から、本発明の遮熱シートは、基材側から、熱源側に配置されて用いられることが好ましい。
【0026】
また、本発明の遮熱シートの取り付け方法では、内装材に断熱材が用いられる場合は、熱源に対して、断熱材を介して、遮熱シートが配置されてもよい。遮熱シートは、遮熱材側から、断熱材側に配置されることが好ましい。遮熱シートをこのように配置しても、遮熱材に金属が含まれる場合、金属の酸化を抑制することができ、金属の腐食を抑えることができる。そのため、温度上昇の抑制効果を長期間に渡り発揮することができる。従って、温度上昇の抑制効果を長期間に渡り発揮する観点から、内装材に断熱材が用いられる場合は、熱源に対して、断熱材を介して、遮熱シートが配置されていることが好ましい。熱源に対して、断熱材を介して、遮熱シートが遮熱材側から配置されていることがより好ましい。
【0027】
本発明の遮熱シートは、車両や住宅の内部空間における温度上昇を抑制することができるので、車両や、住宅の内装材に用いることができる。
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遮熱シートを示す模式的断面図である。
【0030】
図1に示すように、遮熱シート1は、基材2及び遮熱材3を備える。遮熱シート1は、車両用又は住宅用の内装材である。
【0031】
基材2は、第1の表面2a及び第2の表面2bを有する。第1の表面2aと、第2の表面2bとは、互いに対向している。第1の表面2a上に、遮熱材3が配置され、積層されている。第1の表面2aは、遮熱材3が配置される側の表面である。基材2は、遮熱材3の支持部材である。第2の表面2bは、車両又は住宅の熱源側の表面である。第2の表面2b上には、断熱材が設けられていてもよい。
【0032】
遮熱材3は、熱源から放出された熱を反射させるために設けられている。遮熱材3は、具体的に、車両又は住宅の熱源である外壁材から、図1の矢印Xで示す方向に放出された熱を、図1の矢印Yに示す方向に反射させるために設けられている。なお、遮熱材3の基材2とは反対側の表面は、車両又は住宅の内部空間側の表面である。
【0033】
遮熱シート1は、基材2側から、熱源側に配置されて用いられる。遮熱シート1をこのように配置することで、金属の酸化を抑制することができ、金属の腐食を抑えることができる。そのため、温度上昇の抑制効果を長期間に渡り発揮することができる。なお、本発明においては、遮熱シートが、遮熱材側から、熱源側に配置されて用いられてもよい。
【0034】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る遮熱シートを示す模式的断面図である。
【0035】
図2に示す遮熱シート1Aでは、基材2側から、熱源側に配置されて用いられていない。遮熱シート1Aは、熱源に対して、断熱材4を介して、配置されている。遮熱シート1Aは、熱源に対して、断熱材4を介して、遮熱材3側から配置されている。遮熱シート1Aでは、遮熱材3の基材2とは反対側の表面が、車両又は住宅の熱源側の表面である。また、基材2の第2の表面2bは、車両又は住宅の内部空間側の表面である。基材2の第2の表面2b上には、表皮層が設けられていてもよい。
【0036】
遮熱シート1Aは、熱源に対して、断熱材4を介して、遮熱材3側から配置されている。遮熱シート1Aをこのように配置することで、金属の酸化を抑制することができ、金属の腐食を抑えることができる。そのため、温度上昇の抑制効果を長期間に渡り発揮することができる。なお、本発明においては、遮熱シートが、熱源に対して、断熱材を介して、基材側から配置されていてもよい。
【0037】
次に、図1に示す遮熱シート1の製造方法の一例を説明する。
【0038】
遮熱シート1は、例えば、以下の方法により作製することができる。
【0039】
基材2の第1の表面2a上に、遮熱材3を配置する。遮熱材3は、スパッタリングにより形成し、配置することができる。遮熱材3をスパッタリングにより形成することで、遮熱材3の厚みを薄くすることができ、厚みの均一性を高めることができる。また、遮熱材3と基材2との密着性を高めることができる。なお、遮熱材3の厚みは、10nm以上、300nm以下とする。
【0040】
以下、遮熱シートを構成する各層の詳細を説明する。
【0041】
(基材)
基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン基材、ポリエステルなどのフィルム基材又は不織布等が挙げられる。上記ポリオレフィン基材としては、ポリエチレン基材及びポリプロピレン基材等が挙げられる。ポリエチレン基材としては、高密度ポリエチレン基材及び低密度ポリエチレン基材等が挙げられる。熱源から放出された熱をより一層効果的に遮る観点から、基材は、高密度ポリエチレン基材であることが好ましい。
【0042】
また、遮熱シートの柔軟性や通気性を高める観点から、基材は、不織布であることが好ましい。不織布の材料としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル又はポリプロピレン等が挙げられる。
【0043】
不織布の目付は、好ましくは15g/m以上、より好ましくは40g/m以上、好ましくは300g/m以下である。不織布の目付が、上記下限以上及び上記上限以下である場合、熱源から放出された熱をより一層効果的に遮ることができる。
【0044】
基材の厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは20μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下である。基材の厚みが上記下限以上及び上記上限以下である場合、熱源から放出された熱をより一層効果的に遮ることができる。
【0045】
また、基材は、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤又は着色剤を含んでいてもよい。
【0046】
(遮熱材)
遮熱材は、熱源から放出された熱を反射させるために設けられている。遮熱材の材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、ステンレス、クロム又は錫等を含む材料を用いることができる。熱源から放出された熱をより一層効果的に反射させる観点から、遮熱材は、好ましくは、アルミニウム、ステンレス、クロム又は錫を含むことが好ましく、アルミニウムを含むことがより好ましい。遮熱材は、上記の金属を含む金属膜であることが好ましい。
【0047】
遮熱材の厚みは、10nm以上、300nm以下である。遮熱材の厚みは、好ましくは30nm以上、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。遮熱材の厚みが上記下限以上及び上記上限以下である場合、熱源から放出された熱をより一層効果的に反射させることができる。
【0048】
また、遮熱材の光線反射率に関しては、10nm〜300nmの波長領域における平均反射率が好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。遮熱材の光線反射率が上記下限以上である場合、熱源から放出された熱をより一層効果的に反射させることができる。
【0049】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0050】
参考例1)
基材として、厚み110μm及び目付15g/mの不織布を用意した。用意した不織布の上に、スパッタリングにより、アルミニウムを堆積させ、厚み20nmの遮熱材を形成し、遮熱シートを得た。得られた遮熱シートは、基材を、熱源側に配置して用いた(熱源/基材/遮熱材の配置状態)。
【0051】
(実施例2)
基材として、厚み210μm及び目付40g/mの不織布を用いたこと以外は、参考例1と同様にして遮熱シートを得た。
【0052】
(参考例3)
基材として、厚み80μmの高密度ポリエチレン(HDPE)を用いたこと以外は、参考例1と同様にして遮熱シートを得た。
【0053】
(比較例1)
参考例1の基材を、遮熱材を設けていない状態で、遮熱シートとして用いた(熱源/基材の配置状態)。
【0054】
(比較例2)
実施例2の基材を、遮熱材を設けていない状態で、遮熱シートとして用いた。
【0055】
(比較例3)
参考例3の基材を、遮熱材を設けていない状態で、遮熱シートとして用いた。
【0056】
(評価)
参考例1、実施例2、参考例3及び比較例1〜3の遮熱シートについて、図2に示す状態で、遮熱試験を行った。
【0057】
遮熱シートを、長さ600mm及び幅600mmの矩形の外形を有するように切断して、試験片5を得た。また、長さ54cm、幅54cm及び高さ45cmの直方体状である試験用ボックス6を用意した。試験用ボックス6の一方側の端面である第1の端面6aに、ガラス板7を設けた。試験片5は、ガラス板7に貼り合わせた。試験片5から、50cm離れた位置に100V及び500Wの赤外ランプ8(岩崎電気社製、商品名「アイランプ」)を設けた。
【0058】
また、試験用ボックス6の第1の端面6aから、他方側の第2の端面6bに向かって8cmの位置Aに、第1の温度計9を設けた。第2の端面6bから、第1の端面6aに向かって4cmの位置Bに、第2の温度計10を設けた。
【0059】
遮熱試験では、ガラス板7に試験片5を貼り合わせた状態で、赤外ランプ8より熱線を照射し、位置A及び位置Bの60分経過後の温度を測定し、位置A及び位置Bそれぞれにおける温度上昇防止率を求めた。
【0060】
なお、温度上昇防止率は、試験片5を貼り合わせていない状態で、赤外ランプ8より熱線を照射したときの60分経過後の測定温度(空試験の測定温度)を用いて、位置A及び位置Bのそれぞれについて、以下の式により求めた。
【0061】
温度上昇防止率(%)=(X−Y)/X × 100
(X:空試験の測定温度、Y:試験片5を貼り合わせたときの測定温度)
【0062】
詳細及び結果を下記の表1に示す。
【0063】
【表1】
【符号の説明】
【0064】
1,1A…遮熱シート
2…基材
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…遮熱材
4…断熱材
5…試験片
6…試験用ボックス
6a…第1の端面
6b…第2の端面
7…ガラス板
8…赤外ランプ
9…第1の温度計
10…第2の温度計
図1
図2
図3