特許第6806354号(P6806354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806354キャパシタ部品及びこれを備えた実装基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806354
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】キャパシタ部品及びこれを備えた実装基板
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/06 20060101AFI20201221BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20201221BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20201221BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   H01G2/06 500
   H01G4/228 A
   H01G4/30 201H
   H01G4/30 513
   H05K1/18 F
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-39465(P2016-39465)
(22)【出願日】2016年3月1日
(65)【公開番号】特開2016-208011(P2016-208011A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0055398
(32)【優先日】2015年4月20日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヘウン キル
【審査官】 小池 秀介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−033654(JP,A)
【文献】 特開2014−229869(JP,A)
【文献】 特開2011−071220(JP,A)
【文献】 特開2004−273935(JP,A)
【文献】 特開平07−086008(JP,A)
【文献】 特開2012−033655(JP,A)
【文献】 特開昭63−158825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/06
4/00−4/015
4/02−4/40
13/00−17/00
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内部電極と、少なくとも前記複数の内部電極間の領域に形成された圧電材料を有するキャパシタ本体、及び前記複数の内部電極と連結された外部電極を含むキャパシタと、
前記キャパシタと結合されるように配置され、リング形状を有することにより前記キャパシタで発生した振動を低減する金属材質の支持部と、
前記キャパシタの下部に配置されて前記キャパシタ本体及び前記支持部と結合された絶縁層と
を含み、
前記支持部は、少なくとも一部の領域で曲面を有する形態であり、疑似円筒構造を基本とし、且つ前記円筒の厚さ方向に一部の領域が除去されて開口部が形成された形態を有し、前記疑似円筒構造の上面及び下面は楕円形状を有し、
前記支持部は、前記開口部の他に、前記キャパシタと結合された領域とは反対側の領域に、前記厚さ方向と異なる方向に一部が除去されて形成された形態のホール構造を少なくとも一つ備え、前記ホール構造は「+」形状を有する、
キャパシタ部品。
【請求項2】
前記支持部は、前記キャパシタのうち前記外部電極と連結されるように前記キャパシタの下部に配置される、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項3】
前記支持部は、前記外部電極と同一の個数で用いられる、請求項2に記載のキャパシタ部品。
【請求項4】
前記支持部は、開口部が前記キャパシタの側方向に向かうように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項5】
前記支持部は複数個備えられ、複数の前記支持部のそれぞれに備えられた開口部は向かい合うように配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項6】
前記ホール構造は、前記疑似円筒構造において側壁をなす領域の一部が厚さ方向に全て除去された形態である、請求項に記載のキャパシタ部品。
【請求項7】
前記ホール構造は、前記疑似円筒構造において側壁をなす領域のうち曲面領域に形成される、請求項からのいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項8】
前記キャパシタ及び前記支持部の間に配置された導電性接着剤をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項9】
前記複数の内部電極は、前記キャパシタ及び支持部が配列された方向を基準にこれに垂直に配置される、請求項1からのいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項10】
前記複数の内部電極は、前記キャパシタ及び支持部が配列された方向を基準にこれに水平に配置される、請求項1からのいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項11】
前記外部電極は第1及び第2の外部電極を含み、前記複数の内部電極は前記第1及び第2の外部電極とそれぞれ連結される第1及び第2の内部電極を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項12】
複数の内部電極と、少なくとも前記複数の内部電極間の領域に形成された圧電材料を有するキャパシタ本体、及び前記複数の内部電極と連結された外部電極を含むキャパシタと、
前記キャパシタと結合されるように配置され、円筒形状を有する支持部と、
前記キャパシタの下部に配置されて前記キャパシタ本体及び前記支持部と結合された絶縁層と
を含み、
前記支持部は前記円筒の軸方向に中空(hollow)が形成された形態であり、前記軸方向は前記キャパシタと前記支持部が結合された面に平行であり、
前記支持部は、少なくとも一部の領域で曲面を有する形態であり、疑似円筒構造を基本とし、前記疑似円筒構造の上面及び下面は楕円形状を有し、
前記支持部は、前記キャパシタと結合された領域とは反対側の領域に、前記円筒の軸方向と異なる方向に一部が除去されて形成された形態のホール構造を少なくとも一つ備え、前記ホール構造は「+」形状を有する、
キャパシタ部品。
【請求項13】
前記支持部は金属材質である、請求項12に記載のキャパシタ部品。
【請求項14】
前記外部電極及び前記支持部の間に配置された導電性接着剤と、
前記キャパシタの下部に配置されて前記キャパシタ及び前記支持部と結合された絶縁層をさらに含む、請求項12又は13に記載のキャパシタ部品。
【請求項15】
回路基板と、
前記回路基板上に配置され、複数の内部電極と、少なくとも前記複数の内部電極間の領域に形成された圧電材料を有するキャパシタ本体、及び前記複数の内部電極と連結された外部電極を含むキャパシタと、
前記回路基板と前記キャパシタの間に配置され、前記キャパシタと結合されるように配置され、リング形状を有することにより前記キャパシタで発生した振動を低減する金属材質の支持部と、
前記キャパシタの下部に配置されて前記キャパシタ本体及び前記支持部と結合された絶縁層と
を含み、
前記支持部は、開口部が前記キャパシタの側方向に向かうように配置され、前記支持部は少なくとも一部の領域で曲面を有する形態であり、疑似円筒構造を基本とし、且つ前記円筒の厚さ方向に一部の領域が除去されて前記開口部が形成された形態を有し、前記疑似円筒構造の上面及び下面は楕円形状を有し、
前記支持部は、前記開口部の他に、前記キャパシタと結合された領域とは反対側の領域に、前記厚さ方向と異なる方向に一部が除去されて形成された形態のホール構造を少なくとも一つ備え、前記ホール構造は「+」形状を有する、
キャパシタ部品実装基板。
【請求項16】
前記回路基板と前記支持部を結合させるハンダ物質をさらに含み、前記ハンダ物質は前記支持部の曲面に該当する領域によって形成高さが制限される、請求項15に記載のキャパシタ部品実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ部品及びこれを備えた実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を用いる電子部品としては、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタ又はサーミスタなどがある。
【0003】
このようなセラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型であり且つ高容量が保障され実装が容易であるという長所によって多様な電子装置に用いられることができる。
【0004】
例えば、上記積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD:liquid crystal display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:plasma display panel)などの映像機器、コンピューター、個人携帯端末(PDA:personal digital assistants)及び携帯電話のような多様な電子製品の基板に装着されて電気を充電又は放電させる役割をするチップ型のコンデンサに用いられることができる。
【0005】
上記積層セラミックキャパシタは、複数の誘電体層の間に相違する極性の内部電極が交互に配置された構造を有することができる。
【0006】
上記誘電体層は圧電性を有するため、上記積層セラミックキャパシタに直流又は交流電圧が印加されるときに内部電極の間に圧電現象が発生し、周波数によってセラミック本体の体積を膨張及び収縮させながら周期的な振動を発生させる可能性がある。
【0007】
上記振動は上記積層セラミックキャパシタの外部電極及び上記外部電極と基板を連結するハンダを介して基板に伝達されて上記基板全体が音響反射面となり、雑音となる振動音を発生させる可能性がある。上記振動音は人に不快感を与える20〜20,000Hz領域の可聴周波数に該当し、このように人に不快感を与える振動音をアコースティックノイズ(acoustic noise)という。
【0008】
最近の電子機器では、機構部品の静音化が進められているため、上記積層セラミックキャパシタで発生するアコースティックノイズが目立つ可能性がある。
【0009】
また、機器の動作環境が静かな場合では、上記アコースティックノイズがユーザーに機器の故障と認識される可能性がある。さらに、音声回路を有する機器では、音声出力にアコースティックノイズが重なることにより機器の品質が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0093878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一つの目的は、印刷回路基板などに実装して用いるときにアコースティックノイズが低減されることができるキャパシタ部品を提供することである。また、本発明の他の目的は、このようなキャパシタ部品を有することにより振動性能などに優れた実装基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、複数の内部電極と、少なくとも上記複数の内部電極間の領域に形成された圧電材料を有するキャパシタ本体、及び上記複数の内部電極と連結された外部電極を含むキャパシタと、上記キャパシタと結合されるように配置され、リング形状を有することにより上記キャパシタで発生した振動を低減する金属材質の支持部と、を含むキャパシタ部品が提供される。
【0013】
本発明の一実施例において、上記支持部は、上記キャパシタのうち上記外部電極と連結されるように上記キャパシタの下部に配置されることができる。
【0014】
本発明の一実施例において、上記支持部は、上記外部電極と同一の個数で用いられることができる。
【0015】
本発明の一実施例において、上記支持部は、開口部が上記キャパシタの側方向に向かうように配置されることができる。
【0016】
本発明の一実施例において、上記支持部は複数個備えられ、上記複数の支持部のそれぞれに備えられた開口部は向かい合うように配置されることができる。
【0017】
本発明の一実施例において、上記支持部は、少なくとも一部の領域で曲面を有する形態であり得る。
【0018】
本発明の一実施例において、上記支持部は、疑似円筒構造を基本とし、且つ上記円筒の厚さ方向に一部の領域が除去されて開口部が形成された形態を有することができる。
【0019】
本発明の一実施例において、上記疑似円筒構造の上面及び下面は楕円形状を有することができる。
【0020】
本発明の一実施例において、上記支持部は、上記開口部の他に、上記厚さ方向と異なる方向に一部が除去されて形成された形態のホール構造を少なくとも一つ備えることができる。
【0021】
本発明の一実施例において、上記キャパシタ及び上記支持部の間に配置された導電性接着剤をさらに含むことができる。
【0022】
本発明の一実施例において、上記キャパシタの下部に配置されて上記キャパシタ及び上記支持部と結合された絶縁層をさらに含むことができる。
【0023】
本発明の一実施例において、上記複数の内部電極は、上記キャパシタ及び支持部が配列された方向を基準にこれに垂直に配置されることができる。
【0024】
本発明の一実施例において、上記複数の内部電極は、上記キャパシタ及び支持部が配列された方向を基準にこれに水平に配置されることができる。
【0025】
本発明の一実施例において、上記外部電極は第1及び第2の外部電極を含み、上記複数の内部電極は上記第1及び第2の外部電極とそれぞれ連結される第1及び第2の内部電極を含むことができる。
【0026】
本発明の一実施例において、上記第1及び第2の内部電極はそれぞれ上記第1及び第2の外部電極と連結されるためのリードを含むことができる。
【0027】
また、本発明の他の実施形態によれば、回路基板と、上記回路基板上に配置され、複数の内部電極と、少なくとも上記複数の内部電極間の領域に形成された圧電材料を有するキャパシタ本体、及び上記複数の内部電極と連結された外部電極を含むキャパシタと、上記回路基板と上記キャパシタの間に配置され、上記キャパシタと結合されるように配置され、リング形状を有することにより上記キャパシタで発生した振動を低減する金属材質の支持部と、を含むキャパシタ部品実装基板が提供される。
【0028】
本発明の一実施例において、上記支持部は開口部が上記キャパシタの側方向に向かうように配置され、上記支持部は少なくとも一部の領域で曲面を有する形態であり得る。
【0029】
本発明の一実施例において、上記支持部は、疑似円筒構造を基本とし、且つ上記円筒の厚さ方向に一部の領域が除去されて開口部が形成された形態を有することができる。
【0030】
本発明の一実施例において、上記回路基板と上記支持部を結合させるハンダ物質をさらに含み、上記ハンダ物質は上記支持部の曲面に該当する領域によって形成高さが制限されることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の多様な効果のうち一つの効果によれば、キャパシタで発生した振動を減らしたり防止したりすることができる支持部を用いることによりキャパシタ部品のアコースティックノイズを低減することができる。また、このようなキャパシタ部品を有することにより振動性能などに優れた実装基板を提供することができる。但し、本発明の多様且つ有益な長所と効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す断面図である。
図3図1及び図2の実施形態において支持部がキャパシタの振動を緩和する様子を示すものである。
図4図2の実施形態の変形例によるキャパシタ部品を概略的に示す断面図である。
図5】変形例によるキャパシタ部品及びその実装基板を概略的に示す断面図である。
図6】変形例によるキャパシタ部品及びその実装基板を概略的に示す断面図である。
図7】変形例によるキャパシタ部品及びその実装基板を概略的に示す斜視図である。
図8】支持部の多様な変形例を概略的に示す斜視図である。
図9】支持部の多様な変形例を概略的に示す斜視図である。
図10】支持部の多様な変形例を概略的に示す斜視図である。
図11】支持部の多様な変形例を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0034】
図1及び図2は、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す斜視図及び断面図である。図1及び図2を共に参照すると、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品100は、キャパシタ110及び支持部120a、120bを含む構成を有する。以下、キャパシタ部品100の構成要素を詳細に説明する。
【0035】
キャパシタ110は、複数の内部電極112a、112b、圧電材料を有するキャパシタ本体111、及び外部電極113a、113bを含む構造である。キャパシタ110は、多様な形態で用いられることができる。一例として、図2に示されているように、複数の内部電極112a、112bは、互いに異なる外部電極113a、113bにそれぞれ連結された状態で交互に配置されることができる。即ち、外部電極は第1及び第2の外部電極113a、113bを含み、第1及び第2の内部電極112a、112bは第1及び第2の外部電極113a、113bとそれぞれ連結された形態である。キャパシタ本体111は、少なくとも複数の内部電極112a、112b間の領域に形成され、例えば、図2に示されている構造のように、内部に内部電極112a、112bを収容する形態を有することができる。キャパシタ本体111には、当業界に知られているセラミックなどの誘電物質を用いることができる。このようなセラミック物質などは、電気信号の印加時に模様や体積が変化する圧電材料に該当する。上述したように、キャパシタ本体111のこのような圧電特性によってアコースティックノイズが問題となる。よって、本実施形態では、支持部120a、120bを活用してアコースティックノイズを低減しようとした。
【0036】
一方、キャパシタ本体111に含まれることができる誘電物質は、高誘電率のセラミック材料を含み、例えば、BaTiO(チタン酸バリウム)系セラミック粉末などを含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。上記BaTiO系セラミック粉末としては、例えば、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1−xCa)TiO、Ba(Ti1−yCa)O、(Ba1−xCa)(Ti1−yZr)O又はBa(Ti1−yZr)Oなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
支持部120a、120bは、キャパシタ110と結合されるように配置されて回路基板などへの実装時に端子部として機能することができる。例えば、図1及び図2に示されているように、支持部120a、120bは、キャパシタ110のうち外部電極113a、113bと連結されるようにキャパシタ110の下部に配置され、また、外部電極113a、113bと同一の個数で用いられることができる。
【0038】
このような基本的な支持構造体及び端子としての機能と共に形状の面で、支持部120a、120bは、金属材質のリング形状を有することにより、キャパシタ110で発生した振動を低減する機能をすることができる。したがって、キャパシタ110で発生したノイズが、振動に対するバッファー機能を行う支持部120a、120bによって遮断又は軽減され、実装基板などに及ぶ悪影響を減らすことができる。このような端子部としての機能とバッファー機能を行うことができる金属材質としては、ニッケル、銅、アルミニウムなどを用いることができる。以下、支持部120a、120bの振動低減機能を図3を参照して説明する。図3は、図1及び図2の実施形態において支持部120a、120bがキャパシタ110の振動を緩和する様子を示すものであり、より明確な説明のために内部電極と絶縁層を示していない代わりに、キャパシタ部品が実装された形態を示すために回路基板150とハンダ物質151を示している。なお、キャパシタが実装された形態全体をキャパシタ部品実装基板と称することができる。
【0039】
図3を参照すると、キャパシタ110のうち、特に、圧電材料を有する領域であるキャパシタ本体111は、電気信号の印加時、点線で表示したように模様と体積が変化し、このような変化が振動などのノイズの形で下部に伝達される。開口部Oが内部に形成された支持部120a、120bは、このような振動などのノイズを側方向に分散させることにより実装基板150に伝達されないようにしたり伝達される量を低減したりすることができる。振動に対するこのようなバッファー機能のために、支持部120a、120bは、開口部Oがキャパシタ110の側方向、即ち、回路基板150に平行な方向に向かうように配置されることができる。
【0040】
また、振動をより効果的に側方向に分散させるのに適した構造として、支持部120a、120bは、少なくとも一部の領域で曲面を有する形態を有し、具体的な実施形態では円筒構造を基本とすることができる。即ち、図1に示されているように、支持部120a、120bは、円筒構造を基本とし、且つ上記円筒の厚さ方向に一部の領域が除去されて開口部Oが形成された形態を有することができる。より具体的には、支持部120a、120bは円筒形状を有し且つ円筒の軸方向に中空(hollow)が形成された形態であり、この場合、上記軸方向はキャパシタ110と支持部120a、120bが結合された面に平行である。
【0041】
但し、キャパシタ110及び回路基板などと結合されるのに適した形態として、上面及び下面が円形であるよりは平らな面を有する楕円形であることが好ましい。したがって、本明細書において、円筒構造は、疑似円筒構造、特に、上面及び下面が平らな面でできている楕円形の構造も含むことができる。
【0042】
曲面の形態を有することにより支持部120a、120bが有する振動低減機能はハンダ物質151とも関連がある。図3に示されているように、キャパシタ部品は、ハンダ物質151によって回路基板150と結合されることが一般的であり、ハンダ物質151は、キャパシタ部品で発生した振動を伝達する媒介体となる。したがって、キャパシタ部品と接触するハンダ物質151の量が多いほどアコースティックノイズの影響が大きくなる可能性があるため、機械的強度や電気的連結性を低下させない範囲内でハンダ物質151が形成される高さを低くした方が振動低減の面で好ましい。このような面で、本実施形態のように支持部120a、120bがリング形状に形成され且つ曲面の形態を有する場合、ハンダ物質151は支持部120a、120bの曲面に該当する領域によって形成高さが制限され、これにより、アコースティックノイズの発生も低減されることができる。
【0043】
以下、他の構成要素を説明すると、前述した内部電極112a、112bは、図2に示されているように、キャパシタ110及び支持部120a、120bに対して垂直実装方式で配置された内部電極112a、112bを含む。即ち、複数の内部電極112a、112bは、キャパシタ110及び支持部120a、120bが配列された方向を基準にこれに対して垂直に配置されることができる。このような垂直実装方式は、電流の経路を減らすなどの形でキャパシタの等価直列抵抗や等価直列インダクタンスなどを減らすのに適し、また、キャパシタ110において図3に示した厚さ方向への振動を低減させることによりアコースティックノイズの発生も低減させることができる。これは、垂直実装方式で配置された内部電極112a、112bの場合、キャパシタ110の厚さ方向よりはこれに垂直な方向へより多くの振動を発生させるためである。
【0044】
以下、さらに他の構成要素を説明すると、キャパシタ部品100は、キャパシタ110及び支持部120a、120bを機械的及び電気的に結合するための手段として、これらの間に導電性接着剤130を備え、このような結合機能を具現できるものであればいずれの物質でも用いることができる。例えば、導電性エポキシや共晶金属などを導電性接着剤130として用いることができる。但し、導電性接着剤130は本実施形態において必ずしも必要な構成ではなく、場合によって、キャパシタ110と支持部120a、120bを直接ボンディングすることもできる。
【0045】
キャパシタ110の下部には絶縁層140が形成され、絶縁層140はキャパシタ110及び支持部120a、120bと結合されることができる。絶縁層140は、キャパシタ110とその下部の支持部120a、120bを締結する役割をし、これにより、キャパシタ110と支持部120a、120bとの接合強度を向上させることができる。
【0046】
図4は、図2の実施形態の変形例によるキャパシタ部品を概略的に示す断面図である。図4の実施形態は、前述した実施形態とキャパシタの形態が異なる。具体的には、図4の実施形態によるキャパシタ部品200は、図1及び図2の実施形態と比較して、内部電極112a'、112b'が配置された形態が異なる。即ち、図2の実施形態の複数の内部電極112a、112bが、キャパシタ110及び支持部120a、120bが配列された方向(図4を基準に上下方向)を基準にこれに対して垂直に配置されたのとは異なり、複数の内部電極112a'、112b'は、キャパシタ110及び支持部120a、120bが配列された方向を基準にこれに対して水平に配置されることができる。
【0047】
以下、多様な変形例によるキャパシタ部品及びこれを備える実装基板を説明する。まず、図5及び図6は、変形例によるキャパシタ部品及びその実装基板を概略的に示す断面図である。本実施形態の場合、キャパシタ部品400は、前述した実施形態のようにキャパシタ110と支持部320a、320bなどを含み、支持部320a、320bの形状の面でのみ前述した実施形態と異なるため、これについてのみ説明する。本実施形態の場合、支持部320a、320bは、開口部Oの他にホール構造Hを含む。このホール構造Hは、上述した円筒構造又は疑似円筒構造の厚さ方向と異なる方向に一部が除去されて形成された形で支持部320a、320bに少なくとも一つ備えられることができる。このホール構造Hは、開口部Oにハンダ物質151が凝集して形成されてハンダ物質151の高さが高くなる問題を防止すると共にキャパシタ110と回路基板150との接合強度の向上に寄与することができる。一方、ホール構造Hは、図5の実施例のようにキャパシタ110が配置された方向に向かうか、又はこれとは逆に図6のキャパシタ部品500に備えられた支持部420a、420bのように回路基板150に向かうことができる。
【0048】
また、本発明が提案する支持部は、同じ形態であっても、キャパシタと異なる方式で結合されることもできる。図7は、変形例によるキャパシタ部品及びその実装基板を概略的に示す斜視図である。本実施形態の場合、キャパシタ部品600は、前述した実施形態のようにキャパシタ110と支持部520a、520bなどを備えるが、支持部520a、520bが配列された形態が前述した実施形態と異なる。即ち、図7に示されているように、複数個備えられた支持部520a、520bは、図1の場合と比較して90°回転した形態であり、複数の支持部520a、520bのそれぞれの開口部Oが向かい合うように配置されることができる。
【0049】
図8〜11は、支持部の多様な変形例を概略的に示す斜視図であり、前述した支持部の機能、即ち、振動低減機能、端子機能、接合強度向上機能などを考慮して、その形状、具体的には、ホール構造が形成された形態を変形したものである。まず、図8に示されている例のように、支持部620は、基本となる円筒構造又は疑似円筒構造において側壁をなす領域の一部が厚さ方向に全て除去された形態のホール構造を有することができる。また、図9に示されている例のように、支持部720は、基本となる円筒構造又は疑似円筒構造において側壁をなす領域の一部が円筒構造又は疑似円筒構造の高さ方向に全て除去され、これに垂直な方向に他の領域が除去された形態、即ち、「+」と類似した形状のホール構造を有することができる。また、図10に示されている例のように、支持部820a、820b、820cは、基本となる円筒構造において側壁をなす領域のうち二つの領域が「1」や「+」形状に除去されてホール構造が形成されることができる。また、支持部820cのように、一つの支持部に形成された二つのホール構造の形状が互いに異なってもよい。また、図11に示されている例のように、支持部920は、基本となる円筒構造又は疑似円筒構造において側壁をなす領域のうち曲面領域に形成されたホール構造を含むことができる。本実施形態のように曲面領域に形成されたホール構造は、キャパシタで発生した振動及び応力を分散させて低減するのにより一層寄与することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0051】
100、200、400、500、600 キャパシタ部品
110、110' キャパシタ
111 キャパシタ本体
112a、112b、112a'、112b' 内部電極
113a、113b、213a、213b 外部電極
120a、120b、220a、220b、320a、320b、420a、420b、520a、520b、620、720、820a、820b、820c、920 支持部
130 導電性接着剤
140 絶縁層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11