特許第6806411号(P6806411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806411コネクションレス伝送における同期維持のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806411
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】コネクションレス伝送における同期維持のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/11 20180101AFI20201221BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20201221BHJP
【FI】
   H04W76/11
   H04W76/30
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-559208(P2018-559208)
(86)(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公表番号】特表2019-515586(P2019-515586A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】CN2017082550
(87)【国際公開番号】WO2017193835
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年12月19日
(31)【優先権主張番号】62/334,740
(32)【優先日】2016年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/484,540
(32)【優先日】2017年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】テニー、ネイサン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ズン、シャオシャオ
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−209301(JP,A)
【文献】 特表2002−525940(JP,A)
【文献】 特表2002−539680(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/013590(WO,A1)
【文献】 特表2014−532340(JP,A)
【文献】 3GPP,TS 43.064 V13.0.0 (2015-11),General Packet Radio Service (GPRS); Overall description of the GPRS radio interface; Stage 2 (Release 13),2015年11月,pages 45,87,92-94,96-99,URL,https://www.3gpp.org/DynaReport/43-series.htm
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信デバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記受信デバイスによって、第1のバースト伝送の第1のプロトコルデータユニット(PDU)を受信する段階であって、前記第1のPDUは、前記第1のバースト伝送に関連付けられた第1の伝送識別子(T_ID)を有し、前記第1のPDUは、前記第1のPDUが前記第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示をさらに有する、段階と、
前記第1のT_IDに関連付けられた第1の無線リンク制御(RLC)リソースを、前記第1のT_IDに関連付けられた前記第1のRLCリソースが存在する場合、前記受信デバイスによってリリースする段階と、
前記受信デバイスによって、第2のバースト伝送の第2のPDUを受信する段階であって、前記第2のPDUは、前記第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有する、段階と、
前記第2のT_IDが古いT_IDの場合、前記受信デバイスによってエラー指示送信デバイスへ送信する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記受信デバイスによって、前記第1のPDUのための確認応答を送信する段階をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のT_IDが新たなT_IDである場合、前記第2のT_IDに関連付けられた第2のRLCリソースを前記受信デバイスによって確立する段階
前記第2のT_IDが古いT_IDの場合、且つ前記第2のT_IDが関連付けられたRLCリソースを有さない場合、前記受信デバイスによってエラー状態を示す段階とをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記受信デバイスによって、前記第2のT_IDを古いT_IDとして更新する段階をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のバースト伝送および前記第2のバースト伝送は、全く同じである、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記受信デバイスによって、前記第2のPDUのための確認応答を送信する段階をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記確認応答および前記エラー状態は、単一のPDUで送信される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のRLCリソースを確立する段階は、前記第2のバースト伝送に関連付けられたRLCエンティティを確立する段階を含む、請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記受信デバイスは、ダウンリンクバースト伝送におけるユーザ機器(UE)、またはアップリンクバースト伝送におけるアクセスノードのうちの1つを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
伝送デバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記伝送デバイスによって、第1のバースト伝送の第1の伝送識別子(T_ID)に関連付けられた無線リンク制御(RLC)リソースを確立する段階と、
前記伝送デバイスによって、前記第1のバースト伝送の第1のプロトコルデータユニット(PDU)を送信する段階であって、前記第1のPDUは、前記第1のT_IDと、前記第1のPDUが前記第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示とを有する、段階と、
前記伝送デバイスによって、第2のバースト伝送の第2のPDUを送信する段階であって、前記第2のPDUは、前記第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有する、段階と、
前記第2のT_IDが古いT_IDの場合に受信デバイスによって送信される前記第1のバースト伝送に関連付けられたエラー指示を前記伝送デバイスが受信した場合、前記第1のT_IDに関連付けられた前記RLCリソースを前記伝送デバイスによってリリースする段階と
を備える方法。
【請求項11】
前記伝送デバイスは、アップリンクバースト伝送におけるユーザ機器(UE)、またはダウンリンクバースト伝送におけるアクセスノードのうちの1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
受信デバイスであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラミングを格納するコンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記プログラミングは、
第1のバースト伝送の第1のプロトコルデータユニット(PDU)を受信することであって、前記第1のPDUは、前記第1のバースト伝送に関連付けられた第1の伝送識別子(T_ID)を有し、前記第1のPDUはさらに、前記第1のPDUが前記第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示を有する、受信することと、
前記第1のT_IDに関連付けられた第1の無線リンク制御(RLC)リソースを、前記第1のT_IDに関連付けられた前記第1のRLCリソースが存在する場合、リリースすることと
第2のバースト伝送の第2のPDUを受信することであって、前記第2のPDUは、前記第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有する、受信することと、
前記第2のT_IDが古いT_IDの場合、エラー指示送信デバイスへ送信することと
を実行するよう前記受信デバイスを構成する命令を含む、
受信デバイス。
【請求項13】
前記プログラミングは、前記第1のPDUのための確認応答を送信するよう前記受信デバイスを構成する命令を含む、請求項12に記載の受信デバイス。
【請求項14】
前記プログラミングは、前記第2のT_IDが新たなT_IDである場合、前記第2のT_IDに関連付けられた第2のRLCリソースを確立することと、前記第2のT_IDが古いT_IDの場合、且つ前記第2のT_IDが関連付けられたRLCリソースを有さない場合、エラー状態を示すこととを実行するよう前記受信デバイスを構成する命令を含む、請求項12または13に記載の受信デバイス。
【請求項15】
前記プログラミングは、前記第2のT_IDを古いT_IDとして更新するよう前記受信デバイスを構成する命令を含む、請求項14に記載の受信デバイス。
【請求項16】
前記プログラミングは、前記第2のPDUのための確認応答を送信するよう前記受信デバイスを構成する命令を含む、請求項14または15に記載の受信デバイス。
【請求項17】
伝送デバイスであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラミングを格納するコンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記プログラミングは、
第1のバースト伝送の第1の伝送識別子(T_ID)に関連付けられた無線リンク制御(RLC)リソースを確立することと、
前記第1のバースト伝送の第1のプロトコルデータユニット(PDU)を送信することであって、前記第1のPDUは、前記第1のT_IDと、前記第1のPDUが前記第1のバースト伝送の最終PDUであることを示す最終PDU指示とを有する、送信することと、
第2のバースト伝送の第2のPDUを送信することであって、前記第2のPDUは、前記第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有する、送信することと、
前記伝送デバイスが、前記第2のT_IDが古いT_IDの場合に受信デバイスによって送信される前記第1のバースト伝送に関連付けられたエラー指示を受信する場合、前記第1のT_IDに関連付けられた前記RLCリソースをリリースすることと
を実行するよう前記伝送デバイスを構成する命令を含む。
【請求項18】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行するよう適合化されているプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年4月11日出願の「System and method for Maintaining Synchronization in Connectionless Transmissions」と題する米国非仮特許出願第15/484,540号に基づく優先権を主張し、当該出願は、2016年5月11日出願の「System and method for Maintaining Synchronization in Connectionless Transmissions」と題する米国仮特許出願第62/334,740号に基づく優先権を主張し、両特許出願は、参照によってそれらの全体が再現されるかのように本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、デジタル通信のためのシステムおよび方法に関連し、具体的な実施形態では、コネクションレス伝送における同期維持のためのシステムおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)、狭域インターネットオブシングス(NB‐IoT)、第5世代(5G)などの多くの技術的規格に関する提案により、通信ネットワーク(または単純にネットワーク)におけるエンティティとユーザ機器(UE)との間のコネクションレス型バースト伝送の何らかの形態の可能性が高まっている。概して、これらの技術は、UEと、モビリティ管理エンティティ(MME)などのコアネットワークノードにおいてUEのために維持される非アクセス層(NAS)コンテキストとの間のエンドツーエンドセキュリティに依拠し、基地局または発展型NodeB(eNB)などのアクセスノードにおけるUEのためのアクセス層(AS)コンテキストの確立および維持に関連付けられるオーバーヘッドを回避する。
【0004】
NASコンテキストはバースト伝送の複数のインスタンスにわたって永続的であるので、NASコンテキストの状態情報は、1回の伝送の間のみでなく、当該バースト伝送が完了した後も、UEとネットワークとの間で同期されたままである必要がある。特に、NASコンテキストからの情報(例えば、NASシーケンス番号)が暗号同期として用いられる場合、当該情報は、確実に同期されたままでなければならず、そうでなければ、正しくない復号化が行われることになる。同期が失われたことは検出可能でない場合があり、アプリケーション層に不要データを搬送することになる。同期が要件となることによって、例えば、レイヤ2における自動再送要求(ARQ)メカニズムを用いることによる、信頼できる搬送が必要となる。
【発明の概要】
【0005】
例示的な実施形態は、コネクションレス伝送における同期維持のためのシステムおよび方法を提供する。
【0006】
例示的な実施形態によれば、受信デバイスを動作させるための方法が提供される。 本方法は、受信デバイスによって、第1のバースト伝送の第1のプロトコルデータユニット(PDU)を受信する段階であって、第1のPDUは、第1のバースト伝送に関連付けられた第1の伝送識別子(T_ID)を有し、第1のPDUは、第1のPDUが第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示をさらに有する、段階と、第1のT_IDに関連付けられた第1の無線リンク制御(RLC)リソースを、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースが存在する場合、受信デバイスによってリリースする段階とを備える。
【0007】
本方法は、受信デバイスによって、第1のPDUのための確認応答を送信する段階を備える。本方法は、また受信デバイスによって、第2のバースト伝送の第2のPDUを受信する段階であって、第2のPDUは、第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有する、段階と、第2のT_IDが新たなT_IDである場合、第2のT_IDに関連付けられた第2のRLCリソースを受信デバイスによって確立する段階と、第2のT_IDが古いT_IDの場合、且つ第2のT_IDが関連付けられたRLCリソースを有さない場合、受信デバイスによってエラー状態を示す段階とを備える。
【0008】
本方法は、また受信デバイスによって、第2のT_IDを古いT_IDとして更新する段階を備える。第1のバースト伝送および第2のバースト伝送は、全く同じである。本方法は、また受信デバイスによって、第2のPDUのための確認応答を送信する段階を備える。確認応答およびエラー状態は、単一のPDUで送信される。 第2のRLCリソースを確立する段階は、第2のバースト伝送に関連付けられたRLCエンティティを確立する段階を含む。受信デバイスは、ダウンリンクバースト伝送におけるユーザ機器(UE)、またはアップリンクバースト伝送におけるアクセスノードのうちの1つを含む。
【0009】
例示的な実施形態によれば、伝送デバイスを動作させるための方法が提供される。本方法は、伝送デバイスによって、バースト伝送のT_IDに関連付けられたRLCリソースを確立する段階と、伝送デバイスによって、バースト伝送の第1のPDUを送信する段階であって、第1のPDUは、T_IDと、第1のPDUがバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示とを有する、段階と、第1のPDUのための確認応答、またはバースト伝送に関連付けられたエラー指示のうちの1つを伝送デバイスが受信した場合、T_IDに関連付けられたRLCリソースを伝送デバイスによってリリースする段階とを備える。
【0010】
本方法は、また伝送デバイスによって、バースト伝送の第2のPDUを送信する段階であって、第2のPDUがT_IDを有する段階を備える。第2のPDUはさらに、第2のPDUを示す先頭PDU指示がバースト伝送の先頭PDUであることを有する。伝送デバイスは、アップリンクバースト伝送におけるUE、またはダウンリンクバースト伝送おけるアクセスノードのうちの1つを含む。
【0011】
例示的な実施形態によれば、受信デバイスが提供される。受信デバイスは、1つまたは複数のプロセッサと、当該1つまたは複数のプロセッサによる実行のためのプログラミングを格納するコンピュータ可読記憶媒体とを含む。本プログラミングは、第1のバースト伝送の第1のPDUを受信することであって、第1のPDUは、第1のバースト伝送に関連付けられた第1のT_IDを有し、第1のPDUは、第1のPDUが第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示をさらに有する、ことと、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースを、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースが存在する場合、リリースすることとを有する受信デバイスが構成されるよう命令を含む。
【0012】
プログラミングは、第1のPDUのための確認応答を送信するよう受信デバイスを構成する命令を含む。本プログラミングは、第2のバースト伝送の第2のPDUを受信し、第2のPDUは、第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有し、第2のT_IDが新たなT_IDである場合、第2のT_IDに関連付けられた第2のRLCリソースを確立することと、第2のT_IDが古いT_IDの場合、且つ第2のT_IDが関連付けられたRLCリソースを有さない場合、エラー状態を示すこととを実行するよう受信デバイスを構成する命令を含む。本プログラミングは、第2のT_IDを古いT_IDとして更新するよう受信デバイスを構成する命令を含む。本プログラミングは、第2のPDUための確認応答を送信するよう受信デバイスを構成する命令を含む。
【0013】
例示的な実施形態によれば、伝送デバイスが提供される。伝送デバイスは、1つまたは複数のプロセッサと、当該1つまたは複数のプロセッサによる実行のためのプログラミングを格納するコンピュータ可読記憶媒体とを含む。本プログラミングは、バースト伝送のT_IDに関連付けられたRLCリソースを確立することと、バースト伝送の第1のPDUを送信することと、第1のPDUは、T_IDと、第1のPDUがバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示とを有する、ことと、第1のPDUのための確認応答、またはバースト伝送に関連付けられたエラー指示のうちの1つを伝送デバイスが受信した場合、T_IDに関連付けられたRLCリソースをリリースすることとを有する伝送デバイスが構成される命令を含む。
【0014】
プログラミングは、バースト伝送の第2のPDUを送信するよう伝送デバイスを構成する命令を含み、当該第2のPDUがT_IDを含む。
【0015】
前述の実施形態の実施によって、バースト伝送を用いて通信する送信デバイスと受信デバイスとの間において、同期外れ状態の発生が抑制される。同期外れ状態になると、受信デバイスは受信したデータを復号化することが不可能になるので、データ伝送が無意味となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示およびその利点をより十分に理解するために、ここで、添付図面と併せて、以下の説明が参照される。
【0017】
図1】例示的な通信システムを図示する。
【0018】
図2】本明細書に提示される実施形態に応じたUEとアクセスノードとの間のアップリンクバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理の図を図示する。
【0019】
図3】本明細書に提示される実施形態に応じた暗号同期問題に焦点を当てたアップリンクバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理の図を図示する。
【0020】
図4】本明細書に提示される実施形態に応じたUE、アクセスノード、およびCNにおける例示的なプロトコルスタックを図示する。
【0021】
図5】本明細書に提示される実施形態に応じた伝送デバイスで実行される例示的な動作のフロー図を図示する。
【0022】
図6】本明細書に提示される実施形態に応じた受信デバイスで実行される例示的な動作のフロー図を図示する。
【0023】
図7】本明細書に提示される実施形態に応じた、交換されるRLC PDUが状態情報の維持を容易にするための追加情報を含むバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理の図を図示する。
【0024】
図8】本明細書に提示される実施形態に応じた、交換されるRLC PDUが状態情報の維持を容易にするための追加情報を含み、エラー状態の例示的なハンドリングに焦点を当てたバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理の図を図示する。
【0025】
図9】本明細書に提示される実施形態に応じた、交換されるRLC PDUが状態情報の維持を容易にするための追加情報を含み、再伝送に対応するべく時間を延長してその間受信デバイスがRLCリソースを維持することに焦点を当てたバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理の図を図示する。
【0026】
図10】本明細書に提示される実施形態に応じた、長いバースト伝送に焦点を当てたアップリンクバースト伝送における例示的なデータフローの詳細図を図示する。
【0027】
図11】本明細書で説明する方法を実行するための処理システムの実施形態のブロック図を図示する。
【0028】
図12】本明細書に提示される実施形態に応じた、遠隔通信ネットワークを介してシグナリングを伝送および受信するように適合されている送受信機のブロック図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施形態例の作成および使用は、以下で詳細に説明される。しかしながら、本開示は、さまざまな具体的状況において具現化され得る多くの適用可能な発明の概念を提供するものであることを理解すべきである。説明される具体的な実施形態は、単に実施形態を作成および使用するための具体的な方法を説明するものであり、本開示の範囲を制限するものではない。
【0030】
図1は、例示的な通信システム100を図示する。通信システム100は、NodeB、eNB、基地局、コントローラ、アクセスポイント、gNode B (gNB)などのアクセスノード105を含む。セルラ動作モードにおいて、アクセスノード105は、UE110、UE112、およびUE114などのUEとの間の通信を、ネットワークリソースを通信に許可することによって、制御する。UEは、また一般的に、局、移動局、モバイル、ユーザ、加入者、端末などと称され得る。直接動作モードにおいて、UE同士は、中継としてアクセスノード105を挟むことなく互いに直接通信することができる。一例として、UEは、アクセスノード105との間で送受信を行うことなく他のUEと通信することができる。UEは、また一般的に移動局、モバイル、加入者、端末、ユーザ、局などと称され得る。多くのUEと通信することが可能な多重アクセスノードを通信システムは採用し得ると理解されたいが、図示を簡略化するべく図示しているのは1つのアクセスノードおよび5つのUEのみである。
【0031】
UEとアクセスノードとの間の通常のアップリンクバースト伝送において、短縮された手順、またはランダムアクセス手順が存在する。ランダムアクセス手順は、実行される場合、アップリンクタイミングを取得するため、またはUEを識別するために用いられてよい。ランダムアクセス手順はまた、必要であれば、MMEを選択する場合など、ユーザデータのルーティングを確立するために用いられ得る。概して、UEは、1つのインターネットプロトコル(IP)パケットとほぼ同様の少量のデータを伝送する。当該データは、NASセキュリティコンテキストで暗号化される。伝送は、レイヤ2の構成に応じて、1つまたはいくつかの無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)に対応し得る。伝送が完了した後、ASコンテキストは維持されず、UEはアイドル状態に戻る。バースト伝送は一般的に、ショート伝送とも称される。
【0032】
例示的な実施形態の説明を容易にすべく、以下のように仮定される。
UE−アクセスノード間のリンクは、レイヤ2のARQメカニズムの何らかの形態を利用し、何らかのRLCコンテキストが存在するので、伝送が真にコネクションレス型ではないことを示唆する。伝送は、準コネクションレス型であるとして特徴付けられてよい。
UE−コアネットワーク(CN)間のリンクは、例えば、暗号同期などのカウンタベースメカニズムを用いて、セキュリティを担当する。
コネクション設定、構成、またはリリースメッセージングなどの明示的なコネクション維持のシグナリングは、実行されない。
アクセスノードは、バーストの最終PDUを認識することができる。
【0033】
3GPP LTE技術規格において規定されたRLC手順が用いられた場合、バースト伝送の大多数が機能することとなる。しかしながら、同期外れ状態が、バーストの最終PDUにおいて発生する場合がある。本問題は、最終PDUのための確認応答(ACK)が失われた場合に生じ、図2に示される。図2は、UE205とアクセスノード210との間のアップリンクバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理のダイアグラム200を図示する。UE205は、PDU1(イベント215)およびPDU2(イベント217)をアクセスノード210に送信する。UE205はまた、ポーリング指示を送信し、確認応答を要求する(イベント219)。ポーリング指示は、図2では別個のイベントとして示されるが、実際には、例えば、PDU2のヘッダにおいてポーリングフラグを設定することによって、単一のメッセージにおいて他のイベントと組み合わせてよいことを理解すべきである。アクセスノード210は、RLC STATUS PDUなどの、PDU1およびPDU2のための確認応答を送信する(イベント221)。UE205はPDU3を送信する。PDU3は、バースト伝送の最終PDUとなる(イベント223)。UE205はまた、ポーリング指示および「END BURST」指示を送信する(イベント225)。アクセスノード210は、PDU3のための確認応答を送信する(イベント227)。しかしながら、PDU3のための確認応答が失われる。従って、UE205は、PDU3のための確認応答を受信することはない(ブロック229)。しかしながら、アクセスノード210は、UE205がPDU3のための確認応答の受信に成功したと仮定し、存在する場合、バースト伝送に関連付けられたRLC状態をリリースする(ブロック231)。UE205は、アクセスノード210がPDU3を受信しなかったと想定して、PDU3を再送信する(イベント233)。アクセスノード210は、再送信されたPDU3を受信するが、バースト伝送に関連付けられたRLC状態が既にリリースされたので、再送信されたPDU3を新たなバースト伝送と解釈する(ブロック235)。従って、UE205とアクセスノード210との間で同期外れ状態が生じる。通信を行うデバイスの役割を逆転させるだけで、同じ状況がダウンリンク伝送においても生じ得ることに留意されたい。
【0034】
図3は、暗号同期問題に焦点を当ててアップリンクバースト伝送において交換されるメッセージおよび実行される処理のダイアグラム300を図示する。ダイアグラム300は、UE305、アクセスノード310、およびCN315によって、交換されるメッセージおよび実行される処理を図示する。最初に、UE305およびCN315における暗号同期カウンタは、同じ値Nで同期している(ブロック320および322)。UE305は、値Nを用いてショートバーストにおいて送信されたデータを暗号化する(ブロック324)。UE305は、PDU1、PDU2、およびPDU3をアクセスノード310に送信し、アクセスノード310は、PDU1およびPDU2については確認応答の提供に成功し得るが、PDU3に関連付けられた確認応答は失われる(イベント326)。アクセスノード310は、PDU1、PDU2、およびPDU3をCN315に送信し(イベント328)、CN315は値Nを用いてPDUの復号化に成功し(ブロック330)、アプリケーション層に転送される良好なデータを生成する(イベント332)。CN315は、暗号同期カウンタをN+1にインクリメントし(ブロック334)、アクセスノード310は、バースト伝送に関連付けられたRLC状態をリリースする(ブロック336)。
【0035】
しかしながら、UE305は、PDU3のための確認応答を受信していないので、暗号同期カウンタをインクリメントせず、代わりにPDU3を再送信する(イベント338)。アクセスノード310は、RLC状態がリリースされていることから、再送信されたPDU3を新たな伝送と解釈する(ブロック340)。アクセスノード310はまた、PDU3をCN315に転送し(イベント342)、PDU3の確認応答を提供する(イベント344)。アクセスノード310はRLC状態をリリースし(ブロック346)、UE305は、PDU3のための確認応答を受信すると、RLC状態(ブロック348)をリリースする。CN315は、アクセスノード310からのPDU3を受信すると、N+1の値に従ってPDU3を復号化(ブロック350)するが、PDU3が値Nに従って暗号化されたので(上記ブロック324参照)、不要データがアプリケーション層に転送されることとなる(イベント352)。UE305およびCN315の両方は、それぞれの暗号同期カウンタをUE305についてN+1をインクリメントし(ブロック354)、CN315についてはN+2にインクリメントする(ブロック356)。当該2つの暗号同期カウンタは、同期から外れていて、復元メカニズムがない。
【0036】
概して、上述した同期外れの問題は、コネクション型設定(確立した接続を介して行われる伝送)では問題にならない。なぜなら、コネクション型伝送は、例えば、RLC確認応答モード(AM)動作によって、確実に搬送される監視用のレイヤ3シグナリングを特徴とするからである。そのような接続をリリースするには、コンテキストが削除される前に接続の両側においてハンドシェイクを必要とするので、接続リリース後という遅いタイミングで再伝送が発生することはない。遅いタイミングで再伝送が発生するというまれな例では、受信デバイスは単に、再伝送を無効データとして扱う。なぜなら、遅いタイミングでの再伝送には接続設定手順が関連付けられておらず、遅いタイミングでの再伝送を処理するプロトコルスタックが存在しないためである。
【0037】
接続が確立されていないバースト伝送という状況において、同期外れの問題は、以下のように解決してよい。
既に存在しているプロトコル状態情報のうちいくつかを維持することにより、遅いタイミングでの再伝送が無効と認識され適切に処理され得る。
または、遅いタイミングでの再伝送を防止または検出するための追加情報を追加する。
【0038】
図4は、UE405、アクセスノード410、およびCN415における例示的なプロトコルスタック400、を図示する。UE405におけるプロトコルスタックは、物理(PHY)層エンティティと、メディアアクセス制御(MAC)層エンティティと、RLCエンティティと、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)エンティティとを含む。アクセスノード410におけるプロトコルスタックは、PHY層エンティティと、MAC層エンティティと、RLCエンティティとを含む。CN415におけるプロトコルスタックは、PDCPエンティティを含む。UE405およびアクセスノード410のRLCエンティティは、確認応答を交換し、UE405とアクセスノード410との間において信頼できる搬送を保証する。RLCエンティティは、パケットをセグメンテーションしてよいが、パケットのセグメンテーションは必須ではない。3GPP LTEと類似したモデルが図示されており、ポーリングPDUおよびステータスPDUが確認応答のために用いられる。これに代えて、他のレイヤ2の確認応答モデルを、本明細書に提示される例示的な実施形態に実質的な変更をすることなく、用いてもよい。概して、両方のデバイスは、バーストにおけるすべてのRLC PDUのためのレイヤ2の確認応答は当該バーストが搬送されたことを示唆すると考える。UE405およびCN415のPDCPエンティティは、バースト伝送のためのセキュリティを提供する。それぞれのPDCP PDUは、セグメンテーションまたはコンカチネーションを有さない1つのデータバーストを含むことが想定される。暗号同期は、PDCPエンティティにおいて維持され、例えば、PDCPシーケンス番号、または同様のものを用いる。
【0039】
本明細書では、3GPP LTE技術規格の名称および手順を利用して説明を行う。しかしながら、例示的な実施形態は、バースト伝送をサポートする任意の通信システムで実施可能である。従って、3GPP LTEに関連付けられた名称および手順を利用したからといって、本例示的な実施形態の範囲または趣旨のいずれかに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0040】
バースト伝送の後で状態情報を維持するための方法が幾つかあるとしてよい。以下が挙げられる。
選択肢1:CNにおいて既に存在するPDCPコンテキストを用いる。
既に存在するPDCPコンテキストを使用することでPDCPエンティティにおける重複検出が可能になる。
図3において既に説明された例示的な状況において、PDU3は、PDCPシーケンス番号(SN)などの繰り返し情報に基づき、CNによって重複PDUとして認識されるべきである。
しかしながら、LTEと同様に、PDCP SNがPDCPサービスデータユニット(SDU)の先頭に近いことを想定すると、PDU3はPDCP SNを含まず、PDU1はPDCP SNを含むので、PDU3のための重複検出は、実際には、可能とはならない。
従って、既存のPDCPコンテキストを用いる解決法は、RLCセグメンテーションがないので各RLC SDUがPDCP SNを含む場合には機能することとなる。
RLCセグメンテーションがある場合に機能するよう本解決法を変形するには、PDCP機能を変更する必要がある。
選択肢2:バースト伝送が完了した後、一定期間においてRLCコンテキストを保持する。この解決策は、以下の影響を有する。
一定期間は、生じ得るすべての再伝送タイミングをカバーするよう十分長くすべきであり、例えば、失われた確認応答に起因するRLC PDUの再伝送が実行され得る最長期間よりも長くする必要がある。
UEとCNとの間でかなり厳格な同期が必要となり、そうでなければ、CNのタイマが時間切れになる前にUEから新たなバースト伝送が送信されて、誤って古いコンテキストに関連付けられる場合がある。
バースト伝送間の最小遅延時間が強制的に必要になり、RLCの設定に応じて長くなる場合がある。
選択肢3:新たな情報が追加され、状態情報の維持をサポートする。
【0041】
状態情報の維持をサポートするための新たな情報の追加は、同期外れの問題が、PDUが1つであっても発生するので、単にバースト伝送の先頭および/または最終(または最初および/または最後)のPDUを指定すること以上の処理を含むとしてよい。新たな情報の追加は、以下を含んでよい。
RRC Connection Releaseコマンドなどの明示リリースコマンドを用いる。
しかしながら、明示リリースコマンドは、コネクションレス型の概念とは逆である。
さらに、バースト伝送の両側において、双方向ハンドシェイクが完了するまでそれらのコンテキストを維持しなければならない。
無線リソース制御(RRC)のリリース要求−リリース承認−リリース完了のような3段階のやり取りが必要となる。
明示リリースコマンドは、必要となるオーバーヘッドが多くなり過ぎ、5GHzを超える周波数で動作する場合など、無線リンクが脆弱な環境において信頼できない。実質的に、このアプローチは、効果が小さくなったコネクションレス型伝送の代わりに、従来の手順でRRC接続を用いることを含むことになる。
バースト伝送のためのセッションIDおよび/またはトランザクションIDが確立されて、例えば、RLCヘッダの一部として、当該伝送に含まれる。
バースト伝送の両側において、RLC状態がリリースされた後も、最近用いられた識別子値を格納または記憶する。
遅いタイミングでの再伝送は、RLCヘッダに古くなった識別子または古い識別子を含むことになる。
受信側は、古くなった識別子を認識し、確認応答を送信してよいが、遅いタイミングでの再伝送は上位レイヤには転送しない。
量を制限して永続的な情報(「ミニ接続」と説明することができる)が設定されるが、RRC接続などに関連付けられているようなコンテキストおよび設定シグナリングはない。後述される実施形態は、この形態の解決法に関連する。
【0042】
例示的な実施形態によれば、状態情報の維持をサポートする情報がPDUに追加される。説明のための例として、当該情報は新たな伝送識別子T_IDを含む。T_IDは、セッション(すなわち、バースト伝送)の先頭RLC PDUに含まれるT_IDがどの程度新しいかは、可能なT_IDのリストにおけるスライディングウィンドウ、またはバースト伝送に参加している特定の一対のデバイスに定められているタイマに基づいて定義されてよく、同じ一対のデバイス間ではタイマが時間切れとなるまで、特定の値のT_IDが再利用されない。一例として、タイマに設定される期間は、最長再伝送可能時間よりも長くする必要がある。しかしながら、タイマは、別の新たなT_IDを有する新たなバースト伝送の開始を禁止することはないので、連続するバースト伝送間において最小遅延時間を強制的に設けることはない。新たなRLCエンティティおよび/または新たなRLCコンテキストなどの新たなRLCリソースが、新たなT_IDをサポートするべく、通信のエンドポイントにて確立される。バースト伝送の他のRLC PDUも、新たなT_IDなどの情報を含む。結果として、単一のRLC PDUを受信するデバイスは、PDCP SNなどの他の情報を含まない場合であっても、当該PDUがどの伝送の一部であるかを、T_IDによって識別することが可能であってよい。
【0043】
例示的な実施形態によると、新たなT_IDを有する伝送を受信するデバイスは、新たなT_IDに関連付けられた新たなRLCエンティティおよび/または新たなRLCコンテキストなどの新たなRLCリソースを確立する。RLC AMなどのARQメカニズムは、新たなRLCリソース内で通常通り動作する。先頭RLC PDU指示が用いられることを留意されたい。RLCヘッダにおける明示フラグ、または黙示的指示が、先頭RLC PDU指示として用いられてよい。一例として、RLC SN=1(または、いくつかの他の特定された値)が先頭RLC PDU指示として用いられる。
【0044】
例示的な実施形態によれば、RLCエンティティおよび/またはRLCコンテキストなどの関連付けられたRLCリソースはバースト伝送が終了すると削除されるが、T_IDは格納または記憶される。T_IDは、例えば、一定期間格納または記憶される。スライディングウィンドウ技術が用いられてよい。バースト伝送の終了の検出には最終RLC PDU指示を用い、最終RLC PDU指示は、RLCヘッダにおける明示的フラグまたは黙示的指示として実装されてよい。確認応答は最終RLC PDUの後に送信されてよく、最終RLC PDU指示は、送信されるべきそのような確認応答を生じさせる黙示的ポーリングとして機能し得る。最終RLC PDUを受信するデバイスは、例えば、RLCリソースをリリースまたは削除する前に、自動的にステータスPDUを送信してよい。
【0045】
例示的な実施形態によれば、古いT_IDを有するデータRLC PDUを受信することは、エラー状態である。エラー状態には、完了済みセッション指示などの指示で応答してよい。当該指示を利用することで、さらなる再伝送を禁止し得る。当該指示はまた、最終RLC PDUの受信の確認応答として機能し得る。これに代えて、エラー状態は受信側で無視されるとしてよく、その結果、データRLC PDUについての、例えば、RLC STATUS PDUなどの、確認応答指示が送信されるとしてよい。
【0046】
例示的な実施形態によれば、セッション(すなわち、バースト伝送)の最終RLC PDUは、セッションの最終RLC PDUであることを示す指示を含む。当該指示は、最終RLC PDU指示と称されてよく、状態情報の維持をサポートする情報の一部である。最終RLC PDU指示を有するRLC PDUを受信する受信デバイスは、T_ID(同様に、RLC PDUに含まれる)に関連付けられたRLCリソースを削除またはリリースしてよい。
【0047】
図5は、伝送デバイスで実行される例示的な動作500を示すフロー図を図示する。動作500は、アップリンクバースト伝送におけるUE、またはダウンリンクバースト伝送におけるアクセスノードなどの送信デバイスで実行される動作を示すとしてよい。これは、当該送信デバイスは、状態情報の維持を容易にするべくPDUにおいて追加情報を使用するからである。
【0048】
動作500は、送信デバイスが、新たなT_IDのために、RLCエンティティおよび/またはRLCコンテキストなどのRLCリソースを確立することから開始される(ブロック505)。新たなT_IDは、送信デバイスが送信する新たなセッション(すなわち、新たなバースト伝送)に関連付けられる。送信デバイスは、セッションの先頭RLC PDUを生成し、先頭RLC PDUは、新たなT_IDを含む(ブロック510)。送信デバイスは、先頭RLC PDUを受信デバイスに送信する(ブロック515)。送信デバイスは、当該バースト伝送で必要とされる場合には追加RLC PDUを生成して送信する(ブロック520)。追加RLC PDUも新たなT_IDを含む。バースト伝送の最終RLC PDUも、既に説明したように、最終RLC PDU指示(新たなT_IDと共に)を示す。送信デバイスは、RLC PDUのための確認応答を受信する(ブロック525)。いくつかの例示的な実施形態において、送信デバイスは、ポーリングメッセージなどのメッセージを受信デバイスに送信することで、確認応答を要求する。他の実施形態の例において、受信デバイスは、RLC PDUに含まれるT_IDが正しい限り、受信したRLC PDUのための確認応答を自動的に送信する。送信デバイスは、最終RLC PDUのための確認応答が受信されたかどうかを判断するためのチェックを実行する(ブロック530)。最終RLC PDUのための確認応答が受信されている場合、送信デバイスは、T_IDに関連付けられたRLCリソースを削除、またはリリースする(ブロック535)。最終RLC PDUのための確認応答が受信されていなかった場合、送信デバイスは、ブロック530に戻り、確認応答を待つ。タイムアウトメカニズム、または、確認応答が受信されたかどうかを判断するためのチェックを送信デバイスが行う回数を、送信デバイスが確認応答を受信するために長時間にわたって延長時間を待たなくて済むように、実装してよい。
【0049】
第1の態様において、本出願は、伝送デバイスを動作させるための方法を提供する。本方法は、伝送デバイスによって、バースト伝送のT_IDに関連付けられたRLCリソースを確立する段階と、伝送デバイスによって、バースト伝送の第1のPDUを送信する段階であって、第1のPDUは、T_IDと、第1のPDUがバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示とを有する、段階と、第1のPDUのための確認応答、またはバースト伝送に関連付けられたエラー指示のうちの1つを伝送デバイスが受信した場合、T_IDに関連付けられたRLCリソースを伝送デバイスによってリリースする段階とを備える。
【0050】
第1の態様に係る本方法の第1の実施形態によれば、本方法は、伝送デバイスによって、バースト伝送の第2のPDUを送信する段階であって、第2のPDUがT_IDを有する段階を備える。第1の態様の任意の上述の実施形態または第1の態様それ自体に係る本方法の第2の実施形態によると、第2のPDUはさらに、第2のPDUを示す先頭PDU指示がバースト伝送の先頭PDUであることを有する。第1の態様の任意の上述の実施形態または第1の態様それ自体に係る本方法の第3の実施形態によると、伝送デバイスは、アップリンクバースト伝送におけるUE、またはダウンリンクバースト伝送おけるアクセスノードのうちの1つを含む。
【0051】
図6は、受信デバイスで実行される例示的な動作600を示すフロー図を図示する。動作600は、アップリンクバースト伝送におけるアクセスノード、またはダウンリンクバースト伝送おけるUEなどの受信デバイスで実行される動作の指示を示すとしてよい。これは、当該受信デバイスは、状態情報の維持を容易にするべくPDUにおいて追加情報を使用するからである。
【0052】
動作600は、受信デバイスがT_IDを含むRLC PDUを受信することから開始される(ブロック605)。受信デバイスは、RLC PDUに含まれるT_IDが古いT_IDであるかどうかを判断するためのチェックを実行する(ブロック610)。既に説明されたように、スライディングウィンドウまたはタイマの時間切れの前に既に完了したバースト伝送にT_IDが用いられた場合、T_IDは古いと判断される。RLC PDUに含まれるT_IDが古いものでない場合、受信デバイスは、T_IDが新たなT_IDであるかどうかを判断するための別のチェックを実行する(ブロック615)。T_IDは、スライディングウィンドウまたはタイマの時間切れの前に別のバースト伝送に用いられていない場合、新たなT_ID。言い換えれば、T_IDは、T_IDが最近用いられていない場合、新たなT_IDである。T_IDが新たなT_IDである場合、受信デバイスは、T_IDのために、例えば、RLCエンティティおよび/またはRLCコンテキストなどのRLCリソースを確立する(ブロック620)。T_IDが新たなT_IDではない場合(例えば、現在進行中のバースト伝送に属する場合)、または受信デバイスがT_IDのためにRLCリソースを確立した後、受信デバイスは、確認応答を送信する(ブロック625)。いくつかの例示的な実施形態において、受信デバイスは、送信デバイスからポーリングメッセージ、またはポーリング指示を含むメッセージなどのメッセージを受信した後に確認応答を送信する。他の実施形態の例において、受信デバイスは、古いT_IDを含まないRLC PDUを受信した後で確認応答を自動的に送信する。受信デバイスは、RLC PDUがバースト伝送の最終RLC PDUであるかどうかを判断する別のチェックを実行する(ブロック630)。既に説明したように、最終RLC PDUは、T_IDに加えて、最終RLC PDU指示を含む。RLC PDUがバースト伝送の最終RLC PDUである場合、受信デバイスは、T_IDに関連付けられたRLCリソースを削除、またはリリースし(ブロック635)、ブロック605に戻り、さらにRLC PDUを受信する。RLC PDUがバースト伝送の最終RLC PDUではない場合、受信デバイスは、ブロック605に戻り、さらにRLC PDUを受信する。T_IDが古いT_IDである場合(ブロック610)、受信デバイスは、エラー指示を送信デバイスに送信し(ブロック640)、ブロック605に戻り、さらにRLC PDUを受信する。エラー指示に加えて、受信デバイスは、古いT_IDを有するRLC PDUのための確認応答を送信してよい。
【0053】
第2の態様において、本出願は、受信デバイスを動作させるための方法を提供する。本方法は、受信デバイスによって、第1のバースト伝送の第1のPDUを受信する段階であって、第1のPDUは、第1のバースト伝送に関連付けられた第1のT_IDを有し、第1のPDUは、第1のPDUが第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示をさらに有する、段階と、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースを、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースが存在する場合、受信デバイスによってリリースする段階とを備える。
【0054】
第2の態様に係る本方法の第1の実施形態によれば、本方法は、受信デバイスによって、第1のPDUのための確認応答を送信する段階を含む。第2の態様の任意の上述の実施形態または第2の態様それ自体に係る本方法の第2の実施形態によると、本方法は、受信デバイスによって、第2のバースト伝送の第2のPDUを受信する段階であって、第2のPDUは、第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有する、段階と、第2のT_IDが新たなT_IDである場合、第2のT_IDに関連付けられた第2のRLCリソースを受信デバイスによって確立する段階と、第2のT_IDが古いT_IDの場合、且つ第2のT_IDが関連付けられたRLCリソースを有さない場合、受信デバイスによってエラー状態を示す段階とを備える。第2の態様の任意の上述の実施形態または第2の態様それ自体に係る本方法の第3の実施形態によると、本方法は、受信デバイスによって、第2のT_IDを古いT_IDとして更新する段階を備える。本方法の第4の実施形態による、第2の態様の任意の上述の実施形態、または第2の態様それ自体によって、第1のバースト伝送および第2のバースト伝送は、全く同じである。第2の態様の任意の上述の実施形態または第2の態様それ自体に係る本方法の第5の実施形態によると、本方法は、受信デバイスによって、第2のPDUのための確認応答を送信する段階を含む。第2の態様の任意の上述の実施形態または第2の態様それ自体に係る本方法の第6の実施形態によると、確認応答およびエラー状態は、単一のPDUに送信される。第2の態様の任意の上述の実施形態または第2の態様それ自体に係る本方法の第7の実施形態によると、第2のRLCリソースを確立する段階は、第2のバースト伝送に関連付けられるRLCエンティティを確立する段階を含む。第2の態様の任意の上述の実施形態または第2の態様それ自体に係る本方法の第8の実施形態によると、受信デバイスは、ダウンリンクバースト伝送におけるUE、またはアップリンクバースト伝送おけるアクセスノードのうちの1つを含む。
【0055】
図7は、バースト伝送において、交換されるメッセージおよび実行される処理のダイアグラム700を図示し、交換されたRLC PDUは、追加情報を含み、状態情報の維持を容易にする。ダイアグラム700は、伝送エラーが発生しない場合に送信デバイス705および受信デバイス710によって交換されるメッセージおよび実行される処理を図示する。
【0056】
図7に示される初期の処理および伝送は、既に説明され、ここでは繰り返されない。図7に示されるように、受信デバイス710がバースト伝送の最終RLC PDUに対応する確認応答を送信した後(イベント715)、受信デバイス710は、バースト伝送に含まれる情報を上位レイヤに送信し、T_IDに関連付けられたRLCリソースを削除する(ブロック720)。送信デバイス705が最終RLC PDUに対応する確認応答を受信した後、送信デバイス705は、T_IDに関連付けられたRLCリソースを削除する(ブロック725)。
【0057】
図8は、バースト伝送において、交換されるメッセージおよび実行される処理のダイアグラム800を図示し、交換されたRLC PDUは、追加情報を含み、状態情報の維持を容易にし、エラー状態の例示的なハンドリングを強調する。ダイアグラム800は、伝送エラーが発生する場合に送信デバイス805および受信デバイス810によって交換されるメッセージおよび実行される処理を図示する。
【0058】
図8に示される初期の処理および伝送は、既に説明され、ここでは繰り返されない。図8に示されるように、受信デバイス810は、バースト伝送の最終RLC PDUに対応する確認応答を送信する(イベント815)。しかしながら、確認応答は、失われ、送信デバイス805によって受信されない。確認応答を送信した後、受信デバイス810は、バースト伝送に含まれた情報を上位レイヤに転送し、T_IDに関連付けられたRLCリソースを削除する(ブロック820)。送信デバイス805は、最終RLC PDUに対応する確認応答を受信しないので、送信デバイス805は、最終RLC PDUを再送信する(イベント825)。最終RLC PDUは、バースト伝送の他のRLC PDUと同じT_IDを含む。受信デバイス810は、T_IDを有する最終RLC PDUを受信し、古いT_IDを含むものとして最終RLC PDUを認識する(ブロック830)。受信デバイス810は、エラー指示を送信デバイス805に送信する(イベント835)。当該エラー指示は、最終RLC PDUのための確認応答をさらに含むとしてもよい。これに代えて、受信デバイス810は、当該エラー指示を省略することができ、最終RLC PDUのための確認応答のみを送信することができる。エラー指示を受信すると、または、伝送のすべてのPDUについて確認応答がなされたと判断した場合、送信デバイス805は、T_IDに関連付けられたRLCリソースを削除する(ブロック840)。
【0059】
図9は、バースト伝送において、交換されるメッセージおよび実行される処理のダイアグラム900を図示し、交換されたRLC PDUは、追加情報を含み、状態情報の維持を容易にし、再伝送をハンドリングする延長時間のためのRLCリソースを維持する受信デバイスを強調する。ダイアグラム900は、送信デバイス905および受信デバイス910によって交換されるメッセージおよび実行される処理を図示する。
【0060】
図9に示される初期の処理および伝送は、既に説明され、ここでは繰り返されない。図9に示されるように、受信デバイス910は、伝送において失われ、且つ送信デバイス905によって受信されないバースト伝送の最終RLC PDUに対応する確認応答を送信する(イベント915)。図8に図示される状況とは異なり、受信デバイス910は、最終RLC PDUのT_IDに関連付けられたRLCリソースを即座には削除しない。送信デバイス905は、同じT_IDを有する最終RLC PDUを再送信する(例えば、T_ID=X)(イベント920)。受信デバイス910は、T_ID=Xである再送信された最終RLC PDUを受信し、最終RLC PDUが既に受信され、且つ確認応答されたことに気付く。従って、エラーが発生する。受信デバイス910は、エラー指示を送信デバイス905に送信する(イベント925)。当該エラー指示は、最終RLC PDUのための確認応答も含む。エラー指示を受信すると、送信デバイス905は、T_ID=Xに関連付けられたRLCリソースを削除する(ブロック930)。これより後のタイミングで、送信デバイス905は、異なるT_ID(例えば、T_ID=Y)を有するRLC PDUを受信デバイス910に送信する(イベント935)。イベント935は、イベント925の後の任意のタイミングで発生してよいが、受信デバイス910が、T_ID=XのためのRLCリソースを削除して間もなくであることに留意されたい。受信デバイス910は、T_ID=Yが新たなT_IDであると判断するので、新たなRLCリソースがT_ID=Yについて確立される(ブロック940)。受信デバイス910は、T_ID=Xに関連付けられたRLCエンティティを削除する(ブロック945)。
【0061】
例示的な実施形態によれば、それぞれのバースト伝送のための伝送IDは送信デバイスによって選択され、送信デバイスおよび受信デバイスの両方が、伝送IDが当該デバイスペア(送信デバイスおよび受信デバイス)について定められているとみなす。言い換えれば、異なるデバイスペアが、コリジョンを発生させることなく、同じ伝送IDを用いてよい。説明のための例として、第1のUE−アクセスノードペアおよび第2のUE−アクセスノードペアがあり、両方のペアにおいてアクセスノードが同じである場合、コリジョンを発生させることなく同じ伝送IDを用いることができる。アップリンクバースト伝送において、UE(送信デバイス)の識別子がアクセスノードに伝達されることが提案される。これに代えて、送信デバイスは、ノンスまたは時間ベース値などのフレッシュネスパラメータを伝送IDの一部として送信してよい。
【0062】
例示的な実施形態によれば、伝送IDの有効性は、ウィンドウシステムに基づいてチェックされる。デバイスペアのデバイスは両方とも、当該デバイス間で用いられる伝送IDのリスト(または、同様のビットマップ、または同様な表現)を維持する。そうして、新たなバースト伝送を開始する場合、送信デバイスは、当該リストが空かどうかを判断するべくチェックする。リストが空である場合、送信デバイスは、任意の伝送IDを選んでよい。リストが空でない場合、送信デバイスは、バースト伝送の伝送IDにまだ使用されていない最下位(lowest)の伝送IDを選んでよく、リストを更新してよい。
【0063】
既に進行しているバースト伝送ではないバースト伝送の伝送IDを持つRLC PDUを受信した場合、受信デバイスは、当該伝送IDがリストにあるかどうかを判断するべくチェックする。当該伝送IDがリストにある場合、受信デバイスは、当該RLC PDUを前のバースト伝送の繰り返しとして扱う。当該伝送IDがリストにない場合、受信デバイスは、当該伝送IDに関連付けられた新たなRLCリソースを確立し、リストを更新する。
【0064】
リストを更新することは、以下のように実行している。
現在の伝送IDがリストにおいて使用済みとしてマークされる。
リストにいてW個の伝送IDが未使用としてマークされ、W=ウィンドウサイズである。
【0065】
例示的な実施形態は、RLCに対して以下の影響を有してよい。
バースト伝送のために用いられるデータPDUフォーマットに伝送IDが追加され、以下の影響を有する。
3GPP LTEとの間で後方互換性の問題が生じる可能性がある。
バースト伝送が、フォーマットが異なるAMの変形例を用いることを示唆し得る。
これに代えて、新たなプロトコルは、ヘッダにおける伝送IDを設計してよい。
データPDUフォーマットに先頭PDU指示および最終PDU指示が追加され、以下の影響を有する。
追加ヘッダビットが必要となり、現在の3GPP LTE確認応答モードデータ(AMD)ヘッダフォーマットでは容易に利用可能ではない場合がある。
新たなプロトコルにおいて、指示ビットが一から設計される場合がある。
無効な伝送IDを示す新たな種類のPDU(またはステータスPDUにおけるフラグ)が任意選択的である。
エラー指示がない通常の確認応答を用いることで回避される場合がある。
例えば、エラー、またはエラーの種類について多くの情報を提供しない場合がある。
伝送ID値のための管理手順が追加される。
【0066】
図10は、無線で伝送するために複数のRLC PDUへのセグメンテーションを必要とする比較的長いバースト伝送に焦点を当てて、アップリンクバースト伝送における例示的なデータフロー1000の詳細図を図示する。データフロー1000によると、データがUE1005からアクセスノード1010に移動し、CN1015にて終了する。図10に示されるように、バースト伝送には、複数のブロックへのデータのセグメンテーションを必要とするだけの十分な量のデータがあり、それぞれのブロックが別個のRLC PDUとして伝送されてよい。この状況においても依然として、暗号同期の再利用を回避することが必要である。暗号同期の再利用は、暗号同期として用いられる値が繰り返す場合の状況であり、同じキーおよび同じ暗号同期で暗号化された2つのデータブロックを取得する攻撃者による復号化に対する脆弱性などの問題をもたらす。
【0067】
暗号同期の再利用は、伝送されるデータ量が多過ぎる場合、または例えば、暗号化を実行するプロトコル層のPDUなどの暗号化のための個々のデータブロックが小さ過ぎる場合に生じる。データ量が多い場合に暗号同期の再利用を回避する1つの方法は、複数のより小さい部分へとデータをセグメンテーションし、それぞれの部分を十分に小さくする。これにより、暗号同期は繰り返されないと信頼することができる。説明のための例として、暗号化がRLC層の機能であり、RLC SNが暗号同期として用いられるシステムにおいて、上述した部分(例えば、RLC SDU)は、RLC SNの繰り返しが発生しないような数のRLC PDUを生成するようサイズを設定することができる。そのような例において、部分に含まれるデータ量が当該部分のバースト伝送におけるRLC PDUのRLC SNが繰り返さない程度に十分に少ない場合、可能な暗号同期は、伝送ID+RLC SNと表されるとしてよい。ここで、伝送IDは、RLC SDUごとに変わる。従って、それぞれのRLC SDUは、RLC SNによって互いに区別されるので決して繰り返さない一連の暗号同期値を生じさせ、異なるRLC SDU間で、暗号同期値は、伝送IDによって互いに区別されるので、繰り返すことにならない。この技術は、上位のRLC副レイヤにおいて、PDCPをRLCセグメンテーションと組み合わせることとして視覚化してよい。代替的に、この技術は、セグメンテーションおよび重複検出をPDCPへと移動させることとして視覚化されてよい。いくつかの実施形態において、RLC SN、この場合PDCP SNが、それ自体で頻繁なRLC SNの繰り返しを回避する、できるだけの長さを持つ場合、伝送IDを省略してよい。CNおよび/またはUEに配置される上位レイヤ2エンティティは、情報のリオーダ、ならびに暗号化および/または復号化に用いられてよい。RLC SNの繰り返しが低頻度の場合は、キー再生成または同様の手順で対処するとしてよく、これにより、同じキーを持つ同じ暗号同期の再利用は決して発生しない。この場合、暗号同期の管理の目的のために、CN1015におけるそれぞれのUEコンテキストは、1つの連続したセッションとしてみなされる。
【0068】
第3の態様において、本出願は、受信デバイスを提供する。受信デバイスは、プロセッサと、当該プロセッサによる実行のためにプログラミングを格納するコンピュータ可読記憶媒体とを含む。本プログラミングは、第1のバースト伝送の第1のPDUを受信することであって、第1のPDUは、第1のバースト伝送に関連付けられた第1のT_IDを有し、第1のPDUは、第1のPDUが第1のバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示をさらに有する、ことと、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースを、第1のT_IDに関連付けられた第1のRLCリソースが存在する場合、リリースすることとを有する受信デバイスが構成されるよう命令を含む。
【0069】
第3の態様に係る伝送デバイスの第1の実施形態によれば、本プログラミングは、第1のPDUのための確認応答を送信するよう受信デバイスが構成される命令を含む。 第3の態様の任意の上述の実施形態または第3の態様それ自体に係る伝送デバイスの第2の実施形態によると、本プログラミングは、第2のバースト伝送の第2のPDUを受信することであって、第2のPDUは、第2のバースト伝送に関連付けられた第2のT_IDを有し、第2のT_IDが新たなT_IDである場合、第2のT_IDに関連付けられた第2のRLCリソースを確立することと、第2のT_IDが古いT_IDの場合、且つ第2のT_IDが関連付けられたRLCリソースを有さない場合、エラー状態を示すこととを実行するよう受信デバイスを構成する命令を含む。 第3の態様の任意の上述の実施形態または第3の態様それ自体に係る伝送デバイスの第3の実施形態によると、本プログラミングは、第2のT_IDを古いT_IDとして更新するよう受信デバイスを構成する命令を含む。第3の態様の任意の上述の実施形態または第3の態様それ自体に係る伝送デバイスの第4の実施形態によると、本プログラミングは、第2のPDUための確認応答を送信するよう受信デバイスを構成する命令を含む。
【0070】
第4の態様において、本出願は、伝送デバイスを提供する。伝送デバイスは、プロセッサと、プロセッサによる実行に対するプログラミングを格納するコンピュータ可読記憶媒体とを含む。本プログラミングは、バースト伝送のT_IDに関連付けられたRLCリソースを確立することと、バースト伝送の第1のPDUを送信することであって、第1のPDUは、T_IDと、第1のPDUがバースト伝送の最終PDUである旨を示す最終PDU指示とを有する、ことと、第1のPDUのための確認応答、またはバースト伝送に関連付けられたエラー指示のうちの1つを伝送デバイスが受信した場合、T_IDに関連付けられたRLCリソースをリリースすることとを有するよう伝送デバイスが構成される命令を含む。
【0071】
第4の態様に係る受信デバイスの第1の実施形態によれば、プログラミングは、バースト伝送の第2のPDUを送信するよう伝送デバイスを構成する命令を含み、当該第2のPDUがT_IDを含む。
【0072】
図11は、ホストデバイスに設置し得る、本明細書において説明される方法を実行するための、実施形態に係る処理システム1100のブロック図を図示する。示されるように、処理システム1100は、プロセッサ1104と、メモリ1106と、インタフェース1110〜インタフェース1114とを含み、これらは、図11に示されるように配置されて(またはされなくて)よい。プロセッサ1104は、計算および/または他の処理に関連するタスクを実行するよう適合されている任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合であってよく、メモリ1106は、プロセッサ1104による実行のためのプログラミングおよび/または命令を格納するよう適合されている任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合であってよい。一実施形態において、メモリ1106は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。インタフェース1110、1112、1114は、処理システム1100が他のデバイス/コンポーネントおよび/またはユーザと通信を行うことを可能とする任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合であってよい。例えば、インタフェース1110、1112、1114のうちの1つまたは複数は、データを通信するよう適合されていてよく、プロセッサ1104からホストデバイスおよび/またはリモートデバイスにインストールされたアプリケーションへのメッセージを制御または管理するように適合されてよい。別の例として、インタフェース1110、1112、1114のうち1つまたは複数は、ユーザまたはユーザデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)など)が処理システム1100とやり取り/通信することを可能とするよう適合されてよい。処理システム1100は、長期記憶装置(例えば、不揮発性メモリなど)など、図11に示されていない追加のコンポーネントを含んでよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、処理システム1100は、アクセスを行っているネットワークデバイスに含まれるか、またはそうでなければ、遠隔通信ネットワークの一部である。一例において、処理システム1100は、基地局、中継局、スケジューラ、コントローラ、ゲートウェイ、ルータ、アプリケーションサーバ、または、遠隔通信ネットワークにおける任意の他のデバイスなど、無線形式または有線形式の遠隔通信ネットワークにおけるネットワーク側デバイス内にある。他の実施形態において、処理システム1100は、移動局、ユーザ機器(UE)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、ウェアラブル通信デバイス(例えば、スマートウォッチなど)、または遠隔通信ネットワークにアクセスするよう適合されている任意の他のデバイスなど、無線形式または有線形式の遠隔通信ネットワークにアクセスするユーザ側デバイス内にある。
【0074】
いくつかの実施形態において、インタフェース1110、1112、1114のうちの1つまたは複数は、遠隔通信ネットワークを介してシグナリングを伝送および受信するよう適合されている送受信機に、処理システム1100を接続する。図12は、遠隔通信ネットワークを介してシグナリングを伝送および受信するように適合されている送受信機1200のブロック図を図示する。送受信機1200は、ホストデバイス内に設置されてよい。示されるように、送受信機1200は、ネットワーク側インタフェース1202と、カプラ1204と、伝送機1206と、受信機1208と、信号プロセッサ1210と、デバイス側インタフェース1212とを含む。ネットワーク側インタフェース1202は、無線形式または有線形式の遠隔通信ネットワークを介してシグナリングを伝送または受信するように適合される任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合を含んでよい。カプラ1204は、ネットワーク側インタフェース1202を介した双方向通信を容易にするように適合されている任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合を含んでよい。伝送機1206は、ネットワーク側インタフェース1202を介した伝送に適した変調キャリア信号へとベースバンド信号を変換するように適合されている任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合(例えば、アップコンバータ、パワーアンプなど)を含んでよい。受信機1208は、ネットワーク側インタフェース1202を介して受信されたキャリア信号をベースバンド信号へと変換するように適合される任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合(例えば、ダウンコンバータ、低ノイズアンプなど)を含んでよい。信号プロセッサ1210は、ベースバンド信号を、(複数の)デバイス側インタフェース1212を介した通信に適したデータ信号へと変換する、または、その逆を実行するよう適合されている任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合を含んでよい。(複数の)デバイス側インタフェース1212は、信号プロセッサ1210とホストデバイス内のコンポーネント(例えば、処理システム1100、ローカルエリアネットワーク(LAN)ポートなど)との間でデータ信号の通信を行うよう適合される任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集合を含んでよい。
【0075】
送受信機1200は、任意の種類の通信媒体を介して、シグナリングを伝送および受信してよい。いくつかの実施形態において、送受信機1200は、無線媒体を介して、シグナリングを伝送および受信する。例えば、送受信機1200は、セルラプロトコル(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)など)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコル(例えば、Wi−Fi(登録商標)など)、または任意の他の種類の無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)など)などの無線遠隔通信プロトコルに従って通信を行うよう適合されている無線送受信機であってよい。そのような実施形態において、ネットワーク側インタフェース1202は、1つまたは複数のアンテナ/放射要素を含む。例えば、ネットワーク側インタフェース1202は、単一のアンテナ、複数の別個のアンテナ、または、例えば、単入力多出力(SIMO)、多入力単出力(MISO)、多入力多出力(MIMO)などの多層通信のために構成されるマルチアンテナアレイを含んでよい。他の実施形態において、送受信機1200は、例えば、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなどの有線媒体を介して、シグナリングを伝送および受信する。具体的な処理システムおよび/または送受信機は、図示されるコンポーネントのすべて、またはコンポーネントのサブセットのみを利用してよく、統合のレベルがデバイス毎に異なるとしてよい。本開示およびその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書において可能であってよいことを理解すべきである。
図1
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図12