特許第6806469号(P6806469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806469
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】物品収受装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/124 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   A47G29/124
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-115564(P2016-115564)
(22)【出願日】2016年6月9日
(65)【公開番号】特開2017-217314(P2017-217314A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2018年10月11日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501377139
【氏名又は名称】日本宅配システム株式會社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】淺井 泰夫
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−029214(JP,A)
【文献】 特開2008−264370(JP,A)
【文献】 実開昭63−003282(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12 − 29/126
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置した際の正面方向から見た形状が縦方向よりも横方向に長い長方形である横型の物品収受装置であり、
物品を投入するための投入口を1つ有するボックス本体と、
前記投入口から前記ボックス本体内に投入される物品のうち所定のサイズ以上のサイズを有する物品である大型物品を支持する支持部であって、前記大型物品が支持部に支持されている状態で前記大型物品以外の他の物品を前記投入口から前記ボックス本体内に投入可能に形成された支持部と、を備え、
前記支持部は、前記大型物品が前記支持部に支持された状態で前記他の物品が前記投入口から前記ボックス本体内に投入された場合に、前記他の物品が前記大型物品の下方に配置されるように形成され
前記支持部はボックス本体の幅方向の少なくとも一端側に設けられた1つ以上の突起を含むことを特徴とする物品収受装置。
【請求項2】
前記ボックス本体を開閉する開閉部材を備え、
前記支持部は、前記ボックス本体が前記開閉部材によって閉鎖された状態で前記大型物品が前記投入口から投入された場合に前記大型物品を支持し、前記大型物品を支持した状態で前記ボックス本体が前記開閉部材によって開放されると前記大型物品の支持状態を解除するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品収受装置。
【請求項3】
前記支持部は前記開閉部材に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の物品収受装置。
【請求項4】
前記ボックス本体を開閉する開閉部材を備え、
前記支持部が複数設けられている場合に、複数の支持部のうち第1支持部が前記ボックス本体に設けられ、前記複数の支持部のうち第2支持部が前記開閉部材に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の物品収受装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記他の物品を前記投入口から前記ボックス本体内に挿通可能な挿通部を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の物品収受装置。
【請求項6】
前記支持部に支持された状態の前記大型物品の前記投入口側と、前記ボックス本体の上面部との間に延在する延在部を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の物品収受装置。
【請求項7】
前記大型物品が前記支持部に支持された状態における前記大型物品の投入方向への移動を規制する規制部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の物品収受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば宅配物や郵便物等の物品の収受に用いられる物品収受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品収受装置は、宅配物や郵便物等の物品を受け取るために用いられており、各家庭あるいは集合住宅に設けられている。物品収受装置は、戸建の場合には、門柱に埋め込まれたり、あるいは、地上に設置された柱上に固定されており、集合住宅の場合には、居住者の数に応じて縦横に数列に亘って配置されている。
【0003】
近年、配達対象となる物品が多様化、大型化しており、これに応じて、物品収受装置の投入口のサイズが大きく形成されている。ここで、例えば図8に示すように、投入口から投入された大型物品や小型物品が、物品収受装置を構成するボックス本体内で上下に積み重ねられている場合には、サイズが大型化した投入口に手を差し入れることによって、ボックス本体内に投入された物品(図8の例では、大型物品の上方に積み重ねられた小型物品)が盗まれる虞がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、投入物品の盗難を抑制するための技術が開示されている。特許文献1に記載された技術では、ボックス本体の前面上部に開口された投入口と、投入口からの手の差し入れを阻止する盗難防止処置と、投入口の下方に投入口とは独立して開口され、葉書や封書等の薄手の配達物が投入されるスリットと、を備え、大型の配達物が投入口に投入された場合には、盗難防止処置によって大型の配達物の盗難を抑制し、薄手の配達物がスリットに投入された場合には、盗難防止処置や盗難防止処置に引っ掛かった大型の配達物によって、薄手の配達物の盗難を抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−029214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、葉書や封書等の薄手の配達物を投入するためのスリットを別途設ける必要があるので、製造コストが嵩む虞があった。また、大型の配達物によって投入口が閉塞されている場合には、スリットより大きいサイズの配達物を投入することが困難であった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、投入物品の盗難を簡単な構成で抑制することの可能な物品収受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、物品を投入するための投入口を有するボックス本体と、前記投入口から前記ボックス本体内に投入される物品のうち所定のサイズ以上のサイズを有する物品である大型物品を支持する支持部であって、前記大型物品が支持部に支持されている状態で前記大型物品以外の他の物品を前記投入口から前記ボックス本体内に投入可能に形成された支持部と、を備えることを特徴とする物品収受装置を提供する(発明1)。
【0009】
かかる発明(発明1)によれば、大型物品がボックス本体内に投入された場合には、当該大型物品は、支持部によって支持された状態でボックス本体内に収容される。また、大型物品の収容後に他の物品をボックス本体内に収容する場合には、当該他の物品を、支持部に支持されることなく、且つ、大型物品によって進行が遮られることなく、投入口からボックス本体内に収容することが可能になる。これにより、大型物品の収容後の場合であっても、他の物品を、投入口からボックス本体内に投入することができるとともに、大型物品と積み重ねられることなく収容することができるので、ボックス本体内に投入された物品が積み重ねられたことに起因して投入物品の盗難が発生するのを簡単な構成で抑制することができる。
【0010】
上記発明(発明1)においては、前記ボックス本体を開閉する開閉部材を備え、前記支持部は、前記ボックス本体が前記開閉部材によって閉鎖された状態で前記大型物品が前記投入口から投入された場合に前記大型物品を支持し、前記大型物品を支持した状態で前記ボックス本体が前記開閉部材によって開放されると前記大型物品の支持状態を解除するように形成されていることが好ましい(発明2)。
【0011】
例えば、大型物品を支持部で支持した状態の物品収受装置がユーザから見て低い位置に設けられている場合、ユーザが物品収受装置に収容された物品を取り出す際に開閉部材を用いてボックス本体を開放したときに、物品収受装置に対するユーザの視認角度によっては、ユーザが、支持部によって支持された大型物品の存在に気付かず、結果として大型物品を取り損ねる虞がある。
【0012】
かかる発明(発明2)によれば、開閉部材を用いてボックス本体を開放することによって大型物品の支持状態を解除することができるので、ユーザは、大型物品がボックス本体内に収容されているか否かを、開閉部材を用いてボックス本体を開放したときに確認することができる。これにより、ユーザが大型物品を取り損ねるのを防ぐことができる。
【0013】
上記発明(発明2)においては、前記支持部は前記開閉部材に設けられていることが好ましい(発明3)。
【0014】
かかる発明(発明3)によれば、開閉部材によるボックス本体の開閉に伴って支持部を移動させることができるので、例えば大型物品が支持部によって支持されている場合には、開閉部材によってボックス本体を開放すること(すなわち、支持部を移動させること)によって、大型物品の支持状態を容易に解除することができる。
【0015】
上記発明(発明1〜3)においては、前記ボックス本体を開閉する開閉部材を備え、前記支持部が複数設けられている場合に、複数の支持部のうち第1支持部が前記ボックス本体に設けられ、前記複数の支持部のうち第2支持部が前記開閉部材に設けられていることが好ましい(発明4)。
【0016】
かかる発明(発明4)によれば、ボックス本体及び開閉部材に設けられた複数の支持部によって大型物品を安定して支持することができる。
【0017】
上記発明(発明1〜4)においては、前記支持部は、前記他の物品を前記投入口から前記ボックス本体内に挿通可能な挿通部を備えることが好ましい(発明5)。
【0018】
かかる発明(発明5)によれば、例えば大型物品が支持部に支持されている場合であっても、他の物品を、挿通部を介してボックス本体内に容易に収容することができる。
【0019】
上記発明(発明1〜5)においては、前記支持部に支持された状態の前記大型物品の前記投入口側と、前記ボックス本体の上面部との間に延在する延在部を備えることが好ましい(発明6)。
【0020】
かかる発明(発明6)によれば、ボックス本体内において、支持部に支持された状態の大型物品の投入口側と、ボックス本体の上面部との間に空間が形成されている場合には、当該空間を延在部によって埋めることができるので、例えば投入口から挿入した手あるいは道具を大型物品の上面に掛けることにより、当該大型物品が抜き取られるのを抑制することができる。
【0021】
上記発明(発明1〜6)においては、前記大型物品が前記支持部に支持された状態における前記大型物品の投入方向への移動を規制する規制部を備えることが好ましい(発明7)。
【0022】
かかる発明(発明7)によれば、例えば、支持部に支持された状態の大型物品が投入方向に移動可能な空間がボックス本体内に存在する場合に、当該大型物品が投入方向に移動して支持状態が解除されることによって、大型物品と他の物品とが互いに積み重ねられるのを抑制することができる。
【0023】
上記発明(発明1〜7)においては、前記支持部は、前記大型物品が前記支持部に支持された状態で前記他の物品が前記投入口から前記ボックス本体内に投入された場合に、前記他の物品が前記大型物品の下方に配置されるように形成されていることが好ましい(発明8)。
【0024】
かかる発明(発明8)によれば、ボックス本体内で大型物品の上方に他の物品が積み重ねられるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の物品収受装置によれば、投入物品の盗難を簡単な構成で抑制することができる。このため、本発明の物品収受装置は、セキュリティの高い物品収受装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る物品収受装置の外観を示した斜視図である。
図2】物品収受装置の正面図である。
図3】(a)〜(d)は、図2のA−A線断面図であって、物品が物品収受装置に収容されるまでの流れを説明する図である。
図4】変形例に係る物品収受装置の支持部を示した斜視図である。
図5】(a)〜(d)は、変形例に係る物品収受装置において物品が収容されるまでの流れを説明する図である。
図6】(a)〜(b)は、変形例に係る物品収受装置の外観を示した斜視図である。
図7】変形例に係る物品収受装置の外観を示した斜視図である。
図8】従来の物品収受装置における物品の収容状態の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品収受装置の外観を示した斜視図である。図2は、物品収受装置の正面図である。本実施形態に係る物品収受装置は、例えば宅配物(例えば、宅配業者によって配達される荷物や、新聞、広告ビラ、回覧板等を含む)や郵便物等の物品を収受するための装置であって、図1に示すように、ボックス本体10と、ボックス本体10を開閉する扉11と、を備えている。
【0029】
ボックス本体10は、例えば、金属(例えばアルミニウム、ステンレス等の合金を含む)や硬質のプラスチック等から構成されており、例えば一枚又は複数枚のプレートを折り曲げて溶接することにより、前面側が開口した矩形の箱状に形成されている。
【0030】
扉11は、ボックス本体10の前面において水平方向に回動可能に設けられており、例えば蝶番(図示省略)によってボックス本体10の幅方向(図中X方向)一端側に取り付けられている。扉11は、例えば、ボックス本体10と同様の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。また、扉11は、例えばダイヤル錠等の施錠装置(図示省略)を備え、施錠装置の開錠/施錠を行うことにより、ボックス本体10を開閉してもよい。なお、扉11は、本発明の「開閉部材」の一例である。
【0031】
扉11には、物品を投入するための投入口12と、投入口12の背面側において投入口12を開閉する開閉蓋13と、投入口12の背面側の下端に設けられたガイドプレート14と、が設けられている。開閉蓋13及びガイドプレート14の各々は、ボックス本体10又は扉11と同様の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0032】
開閉蓋13は、自重あるいはスプリング(図示省略)の付勢力によりガイドプレート14の上面に当接して投入口12を塞ぐように、又は、該付勢力に抗してガイドプレート14の上面から離れて投入口12を開放するように、ガイドプレート14の垂直上方であって扉11の内側面に設けられた回動軸を中心に回動するように取り付けられている。
【0033】
ガイドプレート14は、投入口12の背面側の下端からボックス本体10内に向かって上方に傾斜するように延在する上端部と、投入口12の背面側の下端において扉11の内側面に取り付けられた下端部と、を有している。
【0034】
ガイドプレート14は、上端部が投入口12の下端からボックス本体10内に向かって上方に傾斜しながら延在するように形成されているので、投入口12からボックス本体10内に手を入れたりあるいは道具を入れることにより、ボックス本体10内に投入された物品が抜き取られるのを抑制することができ、物品の盗難の防止に寄与する。
【0035】
ガイドプレート14は、投入口12からボックス本体10内に投入される物品のうち所定のサイズ以上のサイズを有する物品である大型物品G2(図3に示す)を支持し、大型物品G2を支持している状態で大型物品G2以外の小型物品G1(図3に示す)を投入口12からボックス本体10内に投入可能に形成されている。具体的に説明すると、ガイドプレート14の上端部の幅方向両端側には、図2に示すように、大型物品G2を支持するための一対の支持片14aが形成されている。また、各支持片14aの間には、ガイドプレート14の上端から凹状に形成された挿通部14bであって、小型物品G1を投入口12からボックス本体10内に挿通可能な挿通部14bが設けられている。なお、本実施形態において、ガイドプレート14は、本発明の「支持部」の一例である。
【0036】
図2に示すように、各支持片14aは、ボックス本体10の幅方向に間隔Wをおいて設けられてもよい。この場合、ガイドプレート14は、ボックス本体10の幅方向のサイズが各支持片14a間の間隔Wよりも大きい物品を大型物品G2として支持することができ、これ以外の物品については、小型物品G1として挿通部14bを挿通させて、ガイドプレート14よりも下方に積み重ねることができる。これにより、大型物品G2と小型物品G1とが互いに積み重ねられる可能性を低減することができる。
【0037】
なお、本実施形態における大型物品G2は、幅方向(図中X方向)のサイズが間隔W以上であって、長さ方向(図中Y方向)のサイズが、ガイドプレート14の上端とボックス本体10の底面部の内表面との距離H(図3に示す)以上の物品である。また、本実施形態における小型物品G1は、大型物品G2以外の物品であって、本発明の「他の物品」の一例である。
【0038】
本実施形態では、ガイドプレート14が扉11に設けられていることにより、扉11によるボックス本体10の開閉に伴ってガイドプレート14が移動する。これにより、ガイドプレート14は、ボックス本体10が扉11によって閉鎖された状態で大型物品G2が投入口12から投入された場合に大型物品G2を支持し、大型物品G2を支持した状態でボックス本体10が扉11によって開放されると大型物品G2の支持状態を解除することが可能になっている。
【0039】
また、ガイドプレート14の各支持片14aの上方には、ボックス本体10の幅方向に延在する延在部15が設けられてもよい。延在部15は、大型物品G2がガイドプレート14の各支持片14aに支持されている場合に、大型物品G2の投入口12側とボックス本体10の上面部の内表面との間の空間を埋めるように延在してもよい。さらに、延在部15は、例えば、ボックス本体10と同様の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0040】
以上のように構成された物品収受装置の作用の一例について図3を参照して説明する。
【0041】
先ず、図3(a)に示すように、ボックス本体10内に少なくとも1つ(図の例では1つ)の小型物品G1が積み重ねられている場合を想定する。次に、図3(b)に示すように、大型物品G2が投入口12から投入された場合には、大型物品G2は、ガイドプレート14の上面に沿ってボックス本体10内を進行する。
【0042】
次いで、図3(c)に示すように、大型物品G2がボックス本体10の背面側まで投入されると、大型物品G2の投入方向先端側(図において右側)は、大型物品G2の自重によりボックス本体10内の底面上に降下する。このとき、大型物品G2の投入方向後端側(図において左側)はガイドプレート14の各支持片14aによって支持されており、これにより、大型物品G2は、投入方向に向かって下方に傾斜するようにボックス本体10内に収容される。ここで、大型物品G2の投入口12側と、ボックス本体10の上面部との間の空間には延在部15が設けられているので、例えば投入口12から挿入した手あるいは道具を大型物品G2の上面に掛けることにより、大型物品G2が抜き取られるのを抑制することができる。
【0043】
ここで、大型物品G2の収容後に小型物品G1が投入口11から投入された場合には、小型物品G1は、挿通部14bを通過してボックス本体10内に収容される。これにより、大型物品G2がガイドプレート14の支持片14aに支持されている場合であっても、小型物品G1を、挿通部14bを介してボックス本体10内に容易に収容することができる。また、小型物品G1が大型物品G2の下方のスペースに収容されることにより、大型物品G2と小型物品G1とが互いに積み重ねられるのを抑制することができる。
【0044】
次に、図3(d)に示すように、扉11を水平方向に回動させることによってボックス本体10が開放されると、扉11に設けられたガイドプレート14が扉11とともに移動することによって、大型物品G2の支持状態が解除される。したがって、扉11を用いてボックス本体10を開放すること(すなわち、ガイドプレート14を移動させること)によって、大型物品G2の支持状態を容易に解除することができる。また、ユーザは、大型物品G2がボックス本体10内に収容されているか否かを、扉11を用いてボックス本体10を開放したときに確認することができる。
【0045】
上述したように、本実施形態の物品収受装置によれば、大型物品G2がボックス本体10内に投入された場合には、大型物品G2は、ガイドプレート14(支持部)によって支持された状態でボックス本体10内に収容される。また、大型物品G2の収容後に小型物品G1をボックス本体10内に収容する場合には、小型物品G1を、ガイドプレート14に支持されることなく、且つ、大型物品G2によって進行が遮られることなく、投入口12からボックス本体10内に収容することが可能になる。これにより、大型物品G2の収容後の場合であっても、小型物品G1を、投入口12からボックス本体10内に投入することができるとともに、大型物品G2と積み重ねられることなく収容することができるので、ボックス本体10内に投入された物品G1,G2が積み重ねられたことに起因して投入物品の盗難が発生するのを簡単な構成で抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態の物品収受装置によれば、ボックス本体10を開閉する扉11を備え、ガイドプレート14が、ボックス本体10が扉11によって閉鎖された状態で大型物品G2が投入口12から投入された場合に大型物品G2を支持し、大型物品G2を支持した状態でボックス本体10が扉11によって開放されると大型物品G2の支持状態を解除するように形成されているので、扉11を用いてボックス本体10を開放することによって大型物品G2の支持状態を解除することができる。このため、ユーザは、大型物品G2がボックス本体10内に収容されているか否かを、扉11を用いてボックス本体10を開放したときに確認することができる。これにより、ユーザが大型物品G2を取り損ねるのを防ぐことができる。
【0047】
さらに、本実施形態の物品収受装置によれば、ガイドプレート14が扉11に設けられているので、扉11によるボックス本体10の開閉に伴ってガイドプレート14を移動させることができる。これにより、例えば大型物品G2がガイドプレート14によって支持されている場合には、扉11を用いてボックス本体10を開放すること(すなわち、ガイドプレート14を移動させること)によって、大型物品G2の支持状態を容易に解除することができる。
【0048】
さらにまた、本実施形態の物品収受装置によれば、ガイドプレート14が、小型物品G1を投入口12からボックス本体10内に挿通可能な挿通部14bを備えているので、例えば大型物品G2がガイドプレート14の支持片14aに支持されている場合であっても、小型物品G1を、挿通部14bを介してボックス本体10内に容易に収容することができる。
【0049】
また、本実施形態の物品収受装置によれば、ガイドプレート14に支持された状態の大型物品G2の投入口12側と、ボックス本体10の上面部との間に延在する延在部15を備えているので、ボックス本体10内において、ガイドプレート14に支持された状態の大型物品G2の投入口12側と、ボックス本体10の上面部との間に空間が形成されている場合には、当該空間を延在部15によって埋めることができる。このため、例えば投入口12から挿入した手あるいは道具を大型物品G2の上面に掛けることにより、大型物品G2が抜き取られるのを抑制することができる。
【0050】
さらに、本実施形態の物品収受装置によれば、ガイドプレート14は、大型物品G2がガイドプレート14の支持片14aに支持された状態で小型物品G1が投入口12からボックス本体10内に投入された場合に、小型物品G1が大型物品G2の下方に配置されるように形成されているので、ボックス本体10内で大型物品G2の上方に小型物品G1が積み重ねられるのを抑制することができる。
【0051】
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
【0052】
(変形例1)
上記実施形態では、挿通部14bがガイドプレート14の上端から凹状に形成されている場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、図4に示すように、挿通部14bは、ガイドプレート14を貫通する孔状に形成されてもよい。この場合においても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0053】
(変形例2)
上記実施形態では、ガイドプレート14が本発明の「支持部」である場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、図5(a)〜(d)に示すように、ガイドプレート14とは異なる支持部16がボックス本体10内に設けられてもよい。ここで、支持部16は、ボックス本体10の長さ方向(図中Y方向)に延在する柱状又は板状の部材で形成されており、当該部材の長さ方向(図中Y方向)の中央部を支点として上下方向に回動する(すなわち、ボックス本体10の幅方向(図中X方向)を回動軸として回動する)シーソー構造を有してもよい。本変形例では、扉11によってボックス本体10が閉鎖されている場合に、支持部16の長さ方向一端側16aが、支持部16の長さ方向他端側16bよりも高い位置に存在して大型物品G2を支持するようになっている。
【0054】
支持部16は、ボックス本体10の幅方向両端側に設けられてもよいし、ボックス本体10の幅方向一端側のみに設けられてもよいし、これら以外の位置に設けられてもよい。さらに、支持部16の数は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0055】
また、扉11の背面側の内側面には、ボックス本体10内に向かって突出する突出部11aが設けられてもよい。突出部11aの表面のうちボックス本体10の背面側の表面は、下方に向かって前方に傾斜するように形成されており、支持部16の長さ方向他端側16bが扉11の回動に伴って当該表面に沿って上下方向に摺動可能になっている。なお、突出部11aは、扉11と同様の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0056】
本変形例における物品収受装置の作用の一例について図5を参照して説明する。先ず、図5(a)に示すように、扉11によってボックス本体10が閉鎖されている場合には、支持部16の長さ方向一端側16aが、支持部16の長さ方向他端側16bよりも高い位置に存在している。ここで、支持部16の長さ方向他端側16bは、突出部11aの底面に接触している。そして、大型物品G2が投入口12から投入された場合には、大型物品G2は、ガイドプレート14の上面に沿ってボックス本体10内を進行し、さらには、支持部16の長さ方向一端側16aに沿ってボックス本体10内を進行する。
【0057】
次いで、図5(b)に示すように、大型物品G2がボックス本体10の背面側まで投入されると、大型物品G2の投入方向先端側(図において右側)は、大型物品G2の自重によりボックス本体10内の底面上に降下する。このとき、大型物品G2の投入方向後端側(図において左側)は支持部16の長さ方向一端側16aによって支持されており、これにより、大型物品G2は、投入方向に向かって下方に傾斜するようにボックス本体10内に収容される。
【0058】
ここで、大型物品G2の収容後に小型物品G1が投入口11から投入された場合には、小型物品G1は、大型物品G2とガイドプレート14との間を通過してボックス本体10内に収容される。これにより、大型物品G2がガイドプレート14の支持片14aに支持されている場合であっても、小型物品G1を、ボックス本体10内に容易に収容することができる。また、小型物品G1が大型物品G2の下方のスペースに収容されることにより、大型物品G2と小型物品G1とが互いに積み重ねられるのを抑制することができる。
【0059】
次に、図5(c)に示すように、扉11を水平方向に回動させることによってボックス本体10が開放され始めると、扉11に設けられた突出部11aが扉11とともに移動する。このとき、支持部16の長さ方向他端側16bが突出部11aの表面に沿って上方に摺動する一方で、支持部16の長さ方向一端側16aが下方に移動する。
【0060】
そして、図5(d)に示すように、扉11をさらに回動させることによってボックス本体10が開放されると、支持部16の長さ方向一端側16aがボックス本体10の底面部まで降下することによって、支持部16の回動が停止する。このとき、支持部16による大型物品G2の支持状態が解除される。
【0061】
本変形例によれば、支持部16が、ボックス本体10が扉11によって閉鎖された状態で大型物品G2が投入口12から投入された場合に大型物品G2を支持し、大型物品G2を支持した状態でボックス本体10が扉11によって開放されると大型物品G2の支持状態を解除するように形成されているので、扉11を用いてボックス本体10を開放することによって大型物品G2の支持状態を解除することができる。このため、ユーザは、大型物品G2がボックス本体10内に収容されているか否かを、扉11を用いてボックス本体10を開放したときに確認することができる。これにより、ユーザが大型物品G2を取り損ねるのを防ぐことができる。
【0062】
なお、本変形例では、支持部16がボックス本体10の幅方向(図中X方向)を回動軸として回動する場合を一例として説明したが、例えば、ボックス本体10の長さ方向(図中Y方向)を回動軸として回動するように形成されてもよい。
【0063】
(変形例3)
上記実施形態では、ガイドプレート14の各支持片14aが大型物品G2を支持する場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、支持部が複数設けられている場合に、複数の支持部のうち第1支持部がボックス本体10に設けられ、複数の支持部のうち第2支持部が扉11(開閉部材)に設けられてもよい。この場合、ボックス本体10及び扉11に設けられた複数の支持部によって大型物品G2を安定して支持することができる。本変形例における物品収受装置の構成の一例を説明すると、図6(a)に示すように、ガイドプレート14の幅方向(図中X方向)一端側には支持片14aが設けられており、ボックス本体10の幅方向両端部のうち、ガイドプレート14の幅方向(図中X方向)他端側の端部の内側面には突起17が設けられている。そして、扉11によってボックス本体10が閉鎖されている場合には、支持片14a及び突起17によって大型物品G2が支持される。ここで、突起17は、本発明の「第1支持部」の一例であり、ガイドプレート14は、本発明の「第2支持部」の一例である。
【0064】
本変形例では、図6(b)に示すように、扉11を水平方向に回動させることによってボックス本体10が開放されると、扉11に設けられたガイドプレート14が扉11とともに移動することによって、ガイドプレート14の支持片14aによる大型物品G2の支持状態が解除される。したがって、本変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0065】
なお、図6(b)の例では、ボックス本体10の幅方向両端側のうち扉11の回動軸に近い側に突起17が設けられ、扉11の回動軸から遠い側に支持片14aが設けられている場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、ボックス本体10の幅方向両端側のうち扉11の回動軸に近い側に支持片14aが設けられ、扉11の回動軸から遠い側に突起17が設けられてもよい。
【0066】
また、本変形例では、扉11によってボックス本体10が開放されると、ガイドプレート14の支持片14a及び突起17のうち、支持片14aによる大型物品G2の支持状態が解除される場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、扉11によってボックス本体10が開放された場合に、ガイドプレート14の支持片14a及び突起17のうち、突起17による大型物品G2の支持状態が解除されてもよい。また、扉11によってボックス本体10が開放された場合に、ガイドプレート14の支持片14a及び突起17の各々による大型物品G2の支持状態が解除されてもよいし、解除されなくてもよい。
【0067】
(変形例4)
図7は、本変形例に係る物品収受装置の外観を示した斜視図である。本変形例に係る物品収受装置は、大型物品G2がガイドプレート14(支持部)に支持された状態における大型物品G2の投入方向への移動を規制する規制部18を備えている。本変形例によれば、例えば、ガイドプレート14に支持された状態の大型物品G2が投入方向に移動可能な空間がボックス本体10内に存在する場合に、大型物品G2が投入方向に移動して支持状態が解除されることによって、大型物品G2と小型物品G1とが互いに積み重ねられるのを抑制することができる。
【0068】
図7に示すように、規制部18は、ボックス本体10の高さ方向(図中Z方向)に延在する柱状の部材で形成されており、ボックス本体10内の空間においてボックス本体10の幅方向(図中X方向)両端側に設けられている。なお、規制部18は、周知の移動機構(図示省略)によってボックス本体10の長さ方向(図中Y方向)に移動可能に設けられてもよい。また、ボックス本体10内の規制部18の位置は、例えば大型物品G2として扱う物品のサイズやガイドプレート14(支持部)のサイズ等に応じて任意に設定されてもよい。
【0069】
規制部18は、ボックス本体10内の設置位置において、ボックス本体10内に投入された大型物品G2の投入方向先端側を係止して、大型物品G2が規制部18の設置位置から投入方向へ移動するのを規制する。
【0070】
なお、規制部18は、大型物品G2の投入方向への移動を規制することが可能な形状であれば、如何なる形状を有していてもよい。また、図7の例では、規制部18が2つ設けられている場合を一例として説明したが、規制部18の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0071】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0072】
上記実施形態では、ボックス本体10を開閉する扉11(開閉部材)がボックス本体10の前面に設けられている場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、開閉部材は、ボックス本体の背面に設けられてもよい。この場合、ボックス本体の前面に設けられた投入口を介してボックス本体内に投入された物品を、ボックス本体の背面から取り出すことが可能である。また、この場合には、ボックス本体の背面に設けられた開閉部材を用いてボックス本体を閉鎖したときに大型物品を支持し、当該開閉部材を用いてボックス本体を開放することによって大型物品の支持状態を解除してもよい。この場合においても、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0073】
上記実施形態では、ガイドプレート14が本発明の「支持部」である場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、ボックス本体10の幅方向一端側又は幅方向両端側に設けられた1つ以上の突起17を本発明の「支持部」として構成してもよい。
【0074】
上記実施形態では、ガイドプレート14が扉11に設けられている場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、ガイドプレート14は、扉11から独立してボックス本体10内に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
上述したような本発明の物品収受装置は、投入物品の盗難を簡単な構成で抑制することができ、セキュリティの高い物品収受装置として有用であることから、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0076】
10…ボックス本体
11…扉
12…投入口
13…開閉蓋
14…ガイドプレート
14a…支持片
14b…挿通部
15…延在部
16…支持部
17…突起
18…規制部
G1…小型物品
G2…大型物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8