(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806493
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】生体検査システム及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20201221BHJP
A61B 5/318 20210101ALI20201221BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B5/04 310Z
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-163051(P2016-163051)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2018-29727(P2018-29727A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100152571
【弁理士】
【氏名又は名称】新宅 将人
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(72)【発明者】
【氏名】口山 崇
【審査官】
増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0109875(US,A1)
【文献】
特開2007−044331(JP,A)
【文献】
特開2009−095486(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/084162(WO,A1)
【文献】
太田楓、石川由羽、高田雅美、城和貴,呼吸変動解析によるストレス指標の提案,情報処理学会研究報告,2015年 6月23日,Vol.2015-BIO-42 No.22,1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/22
G16H 10/00−10/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者から生体信号を取得するセンサ、及び、前記センサから入力される生体信号に基づいてデータを処理する第1データ処理部を有するデバイスと、
前記デバイスと通信可能であり、前記デバイスから受信したデータを処理する第2データ処理部と、基準となる周波数特性のデータを比較データとして記憶する記憶部とを有する端末装置とを備え、
前記第1データ処理部は、
前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得部と、
前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理部と、
前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理部と、
前記基本データ及び前記逆変換データに基づいて、被検者の異常を判定する第1判定処理部と、
前記第1判定処理部により異常と判定された場合に、前記変換データを前記端末装置に送信する送信処理部とを含み、
前記第2データ処理部は、
前記デバイスから受信した前記変換データを前記比較データと比較することにより、被検者の異常を判定する第2判定処理部を含むことを特徴とする生体検査システム。
【請求項2】
前記逆変換処理部は、前記変換データのうち周波数が所定の閾値以下のデータに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成することを特徴とする請求項1に記載の生体検査システム。
【請求項3】
前記第1判定処理部は、前記基本データにおける特定のピークの信号強度と、前記逆変換データにおける対応するピークの信号強度との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体検査システム。
【請求項4】
前記第1判定処理部は、前記基本データにおける特定のピークの検出時間と、前記逆変換データにおける対応するピークの検出時間との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体検査システム。
【請求項5】
前記第1判定処理部は、前記基本データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータと、前記逆変換データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータとを算出し、それらのヒストグラムデータを比較することにより被検者の異常を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体検査システム。
【請求項6】
前記第1判定処理部は、算出された各ヒストグラムデータにおける信号強度ごとの検出頻度同士を比較することにより比較基準値を算出し、前記比較基準値が所定の閾値範囲内であるか否かに基づいて被検者の異常を判定することを特徴とする請求項5に記載の生体検査システム。
【請求項7】
前記デバイスが、被検者に装着されるウェアラブルデバイスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の生体検査システム。
【請求項8】
前記端末装置は、直接入力又は外部からの通信によるデータの入力を受け付ける入力受付部を有し、前記入力受付部において入力が受け付けられた比較データが前記記憶部に記憶されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の生体検査システム。
【請求項9】
前記記憶部に記憶されている比較データは、前記入力受付部において新たに比較データの入力が受け付けられた場合に更新されることを特徴とする請求項8に記載の生体検査システム。
【請求項10】
前記比較データは、被検者の健常時のデータ、又は、基準となる健常者のデータであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体検査システム。
【請求項11】
被検者から生体信号を取得するセンサを有するデバイスと、前記デバイスと通信可能な端末装置とを備える生体検査システムが、被検者を検査する生体検査システムの作動方法であって、
前記デバイスが、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得工程と、
前記デバイスが、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理工程と、
前記デバイスが、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理工程と、
前記デバイスが、前記基本データ及び前記逆変換データに基づいて、被検者の異常を判定する第1判定処理工程と、
前記デバイスが、前記第1判定処理工程により異常と判定された場合に、前記変換データを前記端末装置に送信する送信処理工程と、
前記端末装置が、前記デバイスから受信した前記変換データを、基準となる周波数特性のデータである比較データと比較することにより、被検者の異常を判定する第2判定処理工程とを含むことを特徴とする生体検査システムの作動方法。
【請求項12】
前記逆変換処理工程では、前記変換データのうち周波数が所定の閾値以下のデータに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成することを特徴とする請求項11に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項13】
前記第1判定処理工程では、前記基本データにおける特定のピークの信号強度と、前記逆変換データにおける対応するピークの信号強度との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定することを特徴とする請求項11又は12に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項14】
前記第1判定処理工程では、前記基本データにおける特定のピークの検出時間と、前記逆変換データにおける対応するピークの検出時間との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項15】
前記第1判定処理工程では、前記基本データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータと、前記逆変換データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータとを算出し、それらのヒストグラムデータを比較することにより被検者の異常を判定することを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項16】
前記第1判定処理工程では、算出された各ヒストグラムデータにおける信号強度ごとの検出頻度同士を比較することにより比較基準値を算出し、前記比較基準値が所定の閾値範囲内であるか否かに基づいて被検者の異常を判定することを特徴とする請求項15に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項17】
前記デバイスが、被検者に装着されるウェアラブルデバイスであることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項18】
前記端末装置は、直接入力又は外部からの通信によるデータの入力を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部において入力が受け付けられた比較データを記憶する記憶部とを有することを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項19】
前記入力受付部において新たに比較データの入力が受け付けられた場合に、前記記憶部に記憶されている比較データを更新する更新処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の生体検査システムの作動方法。
【請求項20】
前記比較データは、被検者の健常時のデータ、又は、基準となる健常者のデータであることを特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載の生体検査システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者から生体信号を取得するセンサを有するデバイスと、前記デバイスと通信可能な端末装置とを用いて被検者を検査するための生体検査システム及び
その作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検者から生体信号を取得して、心電図、脳波又は筋電図などにより被検者を検査する生体検査システムが知られている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。このような生体検査システムの中には、被検者から生体信号を取得するためのセンサを有するデバイスと、当該デバイスにより取得した生体信号に基づいてデータ処理を行う端末装置とが、分離して設けられた構成を有するものがある。
【0003】
この場合、センサにより取得された生体信号は、有線又は無線による通信を介して、デバイスから端末装置に送信される。デバイスから端末装置に送信されるデータ量が多い場合であっても、例えばデスクトップパソコンなどのデータ処理能力が高い端末装置を用いれば、デバイスから受信したデータを端末装置において処理し、被検者の検査結果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/039646号
【特許文献2】特開2013−78543号公報
【特許文献3】特開2013−66719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、スマートフォン、タブレット又はモバイルパソコンといった携帯端末の普及に伴い、これらの携帯端末でデバイスからデータを受信し、携帯端末に備えられたデータ処理部でデータを処理するようなシステムも提案されている。しかしながら、上記のような携帯端末は、デスクトップパソコンと比べると一般的にデータ処理能力が低いため、データ処理時の負荷が非常に大きくなる。特に、非常に多くのデータ(いわゆるビックデータ)を一度に収集するような場合には、携帯端末のデータ処理能力では不十分となるおそれがある。
【0006】
携帯端末は、バッテリーの電力を用いているため、電力の確保が非常に重要である。例えば、非常時(災害時など)にはバッテリーを充電できない場合があるため、デバイスからのデータに対する処理が、通話やデータの収集及び発信といった携帯端末本来の機能を妨げる可能性もある。したがって、デバイスからデータを受信する携帯端末におけるデータ処理の負荷を軽減させることが好ましい。これは、携帯端末だけでなく、データ処理能力が低い他の端末装置を用いた場合も同様である。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、デバイスからデータを受信する端末装置におけるデータ処理の負担を軽減することができる生体検査システム及び生体検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る生体検査システムは、デバイスと、端末装置とを備えている。前記デバイスは、被検者から生体信号を取得するセンサ、及び、前記センサから入力される生体信号に基づいてデータを処理する第1データ処理部を有する。前記端末装置は、前記デバイスと通信可能であり、前記デバイスから受信したデータを処理する第2データ処理部と、基準となる周波数特性のデータを比較データとして記憶する記憶部とを有する。
【0009】
前記第1データ処理部は、基本データ取得部と、変換処理部と、逆変換処理部と、第1判定処理部と、送信処理部とを含む。前記基本データ取得部は、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する。前記変換処理部は、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する。前記逆変換処理部は、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する。前記第1判定処理部は、前記基本データ及び前記逆変換データに基づいて、被検者の異常を判定する。前記送信処理部は、前記第1判定処理部により異常と判定された場合に、前記変換データを前記端末装置に送信する。前記第2データ処理部は、第2判定処理部を含む。前記第2判定処理部は、前記デバイスから受信した前記変換データを前記比較データと比較することにより、被検者の異常を判定する。
【0010】
(2)本発明に係る生体検査方法は、被検者から生体信号を取得するセンサを有するデバイスと、前記デバイスと通信可能な端末装置とを用いて被検者を検査するための生体検査方法であって、基本データ取得工程と、変換処理工程と、逆変換処理工程と、第1判定処理工程と、送信処理工程と、第2判定処理工程とを含む。
【0011】
前記基本データ取得工程では、前記デバイスが、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する。前記変換処理工程では、前記デバイスが、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する。前記逆変換処理工程では、前記デバイスが、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する。前記第1判定処理工程では、前記デバイスが、前記基本データ及び前記逆変換データに基づいて、被検者の異常を判定する。前記送信処理工程では、前記デバイスが、前記第1判定処理工程により異常と判定された場合に、前記変換データを前記端末装置に送信する。前記第2判定処理工程では、前記端末装置が、前記デバイスから受信した前記変換データを、基準となる周波数特性のデータである比較データと比較することにより、被検者の異常を判定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、デバイスのセンサにより取得される被検者からの生体信号に基づいて、デバイスにおいて基本データが取得され、その基本データに対する高速フーリエ変換、逆高速フーリエ変換がデバイスにおいて行われるとともに、得られた逆変換データと基本データとに基づく被検者の異常判定もデバイスにおいて行われる。デバイスにおいて異常と判定された場合、端末装置では、デバイスから変換データを受信し、その変換データを比較データと比較することにより被検者の異常判定が行われる。このように、被検者からの生体信号に基づくデータ処理が、デバイス側と端末装置側とに分散されることにより、デバイスからデータを受信する端末装置におけるデータ処理の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る生体検査システムの構成例を示したブロック図である。
【
図2】心電図の波形データの一例を示した図である。
【
図3】差分値判定について説明するための図である。
【
図4】ヒストグラム判定について説明するための図である。
【
図6】デバイスの第1データ処理部による処理の一例を示したフローチャートである。
【
図7】端末装置の第2データ処理部による処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.生体検査システムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る生体検査システムの構成例を示したブロック図である。この生体検査システムは、被検者の生体情報の一例である心電図を検査するためのシステムであり、被検者側に設けられるデバイス1と、当該デバイス1との間で通信可能な端末装置2とを備えている。ただし、被検者の心電図に限らず、脳波又は筋電図などの他の生体情報を本発明に係る生体検査システムにより検査することも可能である。
【0015】
デバイス1は、例えば被検者に装着されるウェアラブルデバイスにより構成されている。デバイス1の電源としては、1次電池、2次電池又は太陽電池などが用いられる。端末装置2は、例えばスマートフォン、タブレット又はモバイルパソコンなどの携帯端末により構成されており、被検者が携帯しながらデバイス1と通信を行うことができる。すなわち、デバイス1は、被検者が日常生活を送っているときに被検者に装着されており、被検者が携帯している端末装置2との間で自動的にデータの送受信を行うことができるようになっている。
【0016】
デバイス1は、センサ11、第1データ処理部12及び記憶部13を備えている。センサ11は、被検者から心拍などの生体信号を取得するための電極部(図示せず)を備えている。センサ11の電極部は、被検者の身体に対して粘着する粘着特性と、生体信号を電気信号として検出するための導電特性とを有している。これらの特性は、例えば互いに分離した金属電極及び粘着材を含む構成や、導電性の添加剤を含む粘着材などによって両立することが可能である。
【0017】
金属電極及び粘着材を分離して設ける場合、例えば粘着材に開口部をパターン形成し、その開口部から金属電極を露出させるような構成であってもよい。金属電極の材料は、人体への適合性がある材料であれば特に限定されるものではないが、例えば銀が好適に用いられる。この場合、粒径がミクロンオーダーの銀粒子を樹脂中に分散した銀ペーストを用いることが特に好ましい。粘着材の材料についても、人体への適合性がある材料であれば特に限定されるものではないが、例えばアクリル樹脂又はシリコン樹脂などの樹脂材料が好適に用いられる。アクリル樹脂は、例えば数時間から1日程度の短時間の貼付に適しており、シリコン樹脂は、それ以上の長時間の貼付に適している。
【0018】
センサ11の金属電極により検出される生体信号は、第1データ処理部12に入力される。このとき、生体信号が増幅器(図示せず)により増幅されて第1データ処理部12に入力されてもよい。第1データ処理部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、センサ11から入力される生体信号に基づいてデータを処理する。第1データ処理部12は、CPUがプログラムを実行することにより、基本データ取得部121、変換処理部122、逆変換処理部123、第1判定処理部124及び送信処理部125などとして機能する。
【0019】
基本データ取得部121は、センサ11から入力される生体信号に基づいて、生体信号の強度の経時的変化を表す基本データを取得する。すなわち、基本データは、生体信号の信号強度と時間との関係を表している。被検者の生体情報として心電図を検査する場合には、上記基本データは心電図の波形データとなる。基本データ取得部121により取得された基本データは、記憶部13に記憶される。記憶部13は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。
【0020】
変換処理部122は、記憶部13に記憶されている基本データに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を行う。この変換処理部122の処理により、周波数とノルムとの関係を表す変換データが生成される。基本データが、
図2に示すような心電図の波形データである場合、R波以外(P波、Q波、S波、T波、U波など)は広幅な波として検出されるが、周波数特性値に変換された変換データにおいては、ピークとして検出することが可能となる。
【0021】
逆変換処理部123は、変換データに対して逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を行う。この逆変換処理部123の処理により、信号強度と時間との関係を表す逆変換データが再度生成される。本実施形態では、変換データ全体ではなく、変換データの一部に対して逆高速フーリエ変換が行われるようになっている。具体的には、変換データのうち周波数が所定の閾値以下のデータに対して逆高速フーリエ変換が行われる。これにより、ノイズ成分となる高周波成分を変換データから除去した上で、その変換データから逆変換データを生成することができる。
【0022】
第1判定処理部124は、記憶部13に記憶されている基本データと、逆変換処理部123により生成された逆変換データとに基づいて、被検者の異常を判定する。この第1判定処理部124による異常判定の方法としては、任意の方法を採用することができるが、本実施形態では差分値判定及びヒストグラム判定を用いて異常判定が行われる。差分値判定及びヒストグラム判定の具体的な方法については後述する。
【0023】
送信処理部125は、第1判定処理部124により異常と判定された場合に、変換処理部122により生成された変換データを端末装置2に送信する。この送信処理部125によるデバイス1と端末装置2との間の通信には、例えばBluetooth(登録商標)などの電力消費量の少ない無線通信が用いられることが好ましいが、これに限られるものではなく、有線通信が用いられてもよい。
【0024】
端末装置2は、第2データ処理部21、記憶部22及び入力受付部23を備えている。第2データ処理部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、デバイス1から受信したデータに対する処理を行う。第2データ処理部21は、CPUがプログラムを実行することにより、受信処理部211、第2判定処理部212及び報知処理部213などとして機能する。
【0025】
受信処理部211は、デバイス1の送信処理部125から送信されるデータを受信する処理を行う。第2判定処理部212は、受信処理部211により受信したデータに基づいて、被検者の異常を判定する。この第2判定処理部212による異常判定の方法としては、任意の方法を採用することができるが、本実施形態では、デバイス1から受信した変換データと被検者の健常な状態を表す比較データとを比較する比較判定が行われる。比較判定の具体的な方法については後述する。
【0026】
比較データは、記憶部22に予め記憶されている。記憶部13は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク又はメモリカードなどにより構成されている。
【0027】
入力受付部23は、直接入力又は外部からの通信によるデータの入力を受け付ける。入力受付部23により比較データの入力が受け付けられた場合には、その比較データが記憶部22に記憶される。例えば、操作部(図示せず)を操作することにより、入力受付部23に対する比較データの直接入力が行われた場合には、その入力された比較データが記憶部22に記憶される。また、有線又は無線の通信により、入力受付部23に外部から比較データが入力された場合には、その入力された比較データが記憶部22に記憶される。
【0028】
これにより、任意の比較データを記憶部22に記憶させることができるため、被検者に応じた適切な比較データを用いて比較判定を行うことができる。入力受付部23において新たに比較データの入力が受け付けられた場合には、記憶部22に記憶されている比較データが、その新たな比較データで上書きされることにより更新されてもよい(更新処理ス工程)。この場合、被検者の年齢や体調などの変化に合わせて、より適切な比較データを用いて比較判定を行うことができる。
【0029】
報知処理部213は、被検者の異常判定の最終結果を報知するための処理を行う。この報知処理部213による処理は、例えば端末装置2に備えられた表示部(図示せず)に判定結果を表示させるような処理の他、音声などで判定結果を報知させる処理など、各種処理により行うことができる。
【0030】
2.差分値判定
図3は、差分値判定について説明するための図である。デバイス1の第1判定処理部124により行われる差分値判定は、基本データの波形W11に含まれるピークと、逆変換データの波形W12に含まれるピークとを比較することにより行われる。基本データは、高速フーリエ変換を行う前のデータであるのに対して、逆変換データは、基本データに対して高速フーリエ変換を行い、さらに逆高速フーリエ変換を行ったデータである。そのため、
図3に示すように、被検者の生体信号に生じるばらつきが、それらの波形W11,W12のずれとなって現れる。
【0031】
具体的には、基本データにおける特定のピークP11の信号強度(ピーク頂点の高さ)と、逆変換データにおける対応するピークP12の信号強度(ピーク頂点の高さ)との差分値Aは、被検者の生体信号に生じる信号強度のばらつきに起因している。基本データが心電図の波形データである場合には、血圧又は血中成分量(血液の抵抗率)などのばらつきが差分値Aとなって現れる。
【0032】
したがって、差分値Aに基づいて、血圧又は血中成分量などについての被検者の異常を判定することができる。この場合、差分値Aが所定の閾値以上であれば、異常と判定するような構成であってもよい。この例では、特定のピークP11,P12として、心電図のR波に対応するピークの信号強度の差分値Aを算出しているが、他のピークの信号強度の差分値を算出してもよい。
【0033】
また、基本データにおける特定のピークP21の検出時間(ピーク頂点の時間)と、逆変換データにおける対応するピークP22の検出時間(ピーク頂点の時間)との差分値Bは、被検者の生体信号に生じる時間のばらつきに起因している。基本データが心電図の波形データである場合には、心拍などのばらつきが差分値Bとなって現れる。
【0034】
したがって、差分値Bに基づいて、心拍などについての被検者の異常を判定することができる。この場合、差分値Bが所定の閾値以上であれば、異常と判定するような構成であってもよい。この例では、特定のピークP21,P22として、心電図のT波に対応するピークの検出時間の差分値Bを算出しているが、他のピークの検出時間の差分値を算出してもよい。
【0035】
3.ヒストグラム判定
図4は、ヒストグラム判定について説明するための図である。デバイス1の第1判定処理部124により行われるヒストグラム判定では、信号強度が複数の区分に分けられ、各区分の信号強度が検出された回数を検出頻度として、基本データにおける信号強度ごと(区分ごと)の検出頻度を表すヒストグラムデータと、逆変換データにおける信号強度ごと(区分ごと)の検出頻度を表すヒストグラムデータとが算出される。そして、それらのヒストグラムデータを比較することにより、被検者の異常が判定される。
【0036】
具体的には、
図4に示すように、ある信号強度の区分における基本データの検出頻度D1と、同じ信号強度の区分における逆変換データの検出頻度D2との交点Dがプロットされる。このような交点Dが全ての信号強度の区分についてプロットされることにより、基本データ及び逆変換データの各ヒストグラムデータにおける信号強度ごと(区分ごと)の検出頻度同士が対応付けられる。このようにしてプロットされた各点は、仮に基本データと逆変換データとが同一のデータであれば、同一の直線L1上に分布することとなる。
【0037】
しかし、実際には被検者の生体信号にばらつきが生じていることに起因して、
図4に示すように、プロットされる各点は直線L1から離れている場合がある。このようなヒストグラムデータのばらつきに基づいて、血圧、血中成分量、心拍、その他の被検者の異常を判定することができる。
【0038】
この例では、基本データ及び逆変換データの各ヒストグラムデータにおける信号強度ごと(区分ごと)の検出頻度同士が比較されることにより、信号強度ごとに、基本データの検出頻度と逆変換データの検出頻度の比率(例えばD2/D1)が比較基準値として算出される。そして、この比較基準値が、所定の閾値範囲内であるか否かに基づいて被検者の異常が判定される。上記閾値範囲は、例えば直線L1で表される分布下限と、直線L2で表される分布上限との間の範囲である。
【0039】
ただし、比較基準値は、基本データの検出頻度と逆変換データの検出頻度の比率に限られるものではなく、他の値であってもよい。例えば、信号強度ごとにプロットされた各点と原点とを結ぶ直線の傾きが比較基準値として算出され、その比較基準値が所定の閾値範囲内であるか否かに基づいて被検者の異常が判定されてもよい。
【0040】
ヒストグラム判定の処理は、差分値判定の処理と同じプロセスで行われてもよいし、別々のプロセスで行われてもよい。基本データ取得部121では、センサ11から入力される生体信号に基づいて連続的に基本データが取得されるため、処理に遅れが生じるのを防止する観点から、ヒストグラム判定及び差分値判定の各処理は、別のプロセスで行われることが好ましい。
【0041】
4.比較判定
図5は、比較判定について説明するための図である。端末装置2の第2判定処理部212により行われる比較判定は、デバイス1から受信した変換データの波形W21と、記憶部22に記憶されている比較データの波形W22とを比較することにより行われる。比較データは、例えば被検者の健常時のデータ、すなわち被検者を健常時に測定することにより得られたデータである。ただし、比較データは、被検者から取得されたデータに限らず、例えば基準となる健常者のデータ、すなわち一般的な健常者を測定することにより得られたデータなどであってもよい。
【0042】
健常時の波形W22には、生体信号の経時的変化における特徴に対応する周波数でピークが現れる。具体的には、各波形W21,W22において、周波数F1で現れるピークは隣接するR波間の間隔(RR間隔)、周波数F2で現れるピークは隣接するQ波とT波の間隔(QT間隔)、周波数F3で現れるピークはT波の幅(T波幅)、周波数F4で現れるピークは隣接するS波とT波の間隔(ST間隔)、周波数F5で現れるピークは隣接するP波とQ波の間隔(PQ間隔)、周波数F6で現れるピークは隣接するQ波とS波の間隔(QRS間隔)にそれぞれ対応している。
【0043】
比較判定では、上記のような特定の周波数F1〜F6で各波形W21,W22に現れるピークの位置(周波数)、高さ又は半値幅などのパラメータが比較される。なお、半値幅は、ピークの高さの半分における幅を意味している。この場合、各波形W21,W22における上記パラメータの差が所定の閾値以上であれば、異常と判定するような構成であってもよい。各周波数F1〜F6のうち、いずれの周波数で現れるピークにおいて上記パラメータの差が所定の閾値以上であったかによって、具体的な異常の症状まで判定することも可能である。
【0044】
5.デバイスにおける処理
図6は、デバイス1の第1データ処理部12による処理の一例を示したフローチャートである。デバイス1では、センサ11から入力される生体信号に基づいて連続的に基本データが取得される(ステップS101:基本データ取得工程)。そして、取得された基本データに対して高速フーリエ変換が行われることにより変換データが生成され(ステップS102:変換処理工程)、生成された変換データに対して逆高速フーリエ変換が行われることにより逆変換データが生成される(ステップS103:逆変換処理工程)。
【0045】
このようにして得られた基本データ、変換データ及び逆変換データのうち、基本データ及び逆変換データに基づいて、デバイス1において被検者の異常が判定される(ステップS104:第1判定処理工程)。このデバイス1における異常判定では、上述した差分値判定又はヒストグラム判定などのように、数学的なデータ解析により、被検者の一般的な症状が判定される。デバイス1は、不特定多数の被検者により使用される可能性があるため、第1判定処理工程では、特定の被検者についての個別の異常判定ではなく、一般的な異常判定を行うようになっている。
【0046】
第1判定処理工程により異常と判定された場合には(ステップS105でYes)、その判定時に生成された変換データが端末装置2に送信される(ステップS106:送信処理工程)。このように、端末装置2には、デバイス1における第1判定処理工程に用いたデータ(基本データ及び逆変換データ)以外のデータである変換データが送信され、端末装置2では当該変換データを用いた処理が行われる。
【0047】
6.端末装置における処理
図7は、端末装置2の第2データ処理部21による処理の一例を示したフローチャートである。端末装置2では、デバイス1から変換データを受信するか否かを監視している(ステップS201)。端末装置2は被検者により携帯されているため、デバイス1で被検者の異常が検出されて変換データが送信されれば、その都度、自動的に端末装置2で変換データが受信されるようになっている。
【0048】
端末装置2がデバイス1から変換データを受信した場合には(ステップS201でYes)、端末装置2における被検者の異常判定が行われる。具体的には、記憶部22から比較データが読み出され(ステップS202)、その比較データと、デバイス1から受信した変換データとに基づいて、被検者の異常が判定される(ステップS203:第2判定処理工程)。
【0049】
この端末装置2における異常判定では、上述した比較判定のように、被検者の健常時のデータ、又は、基準となる健常者のデータを用いて、被検者の個人的な症状が判定される。すなわち、デバイス1で行われる異常判定のような一般的な症状ではなく、基準となる周波数特性のデータとの比較による個別の異常判定が行われる。
【0050】
端末装置2は、デバイス1のように不特定多数の被検者に使用されるものではなく、各被検者が個別に所有しているものであるため、特定の被検者についての個別の異常判定を行うのに適している。このように、被検者からの生体信号に基づくデータ処理が、デバイス1側と端末装置2側とに分散されることにより、デバイス1からデータを受信する端末装置2におけるデータ処理の負担を軽減することができる。
【0051】
端末装置2における異常判定の結果、被検者に異常があると判定された場合には(ステップS204でYes)、その旨(異常である旨)が端末装置2を介して被検者に報知される(ステップS205:報知処理工程)。デバイス1は日常的に被検者に装着され、デバイス1で被検者の異常が検出された場合に変換データが端末装置2に対して随時送信されるため、被検者は、異常が生じたときに端末装置2からリアルタイムで報知を受けることができる。
【0052】
一方、被検者に異常がないと判定された場合には(ステップS204でNo)、判定に用いた変換データで比較データが更新される(ステップS206:更新処理工程)。すなわち、被検者に異常がないと判定されたときの変換データは、被検者の健常時のデータとして最新のデータであるため、その変換データを記憶部22に比較データとして上書きすることにより、その後の比較判定を最適化することができる。
【0053】
7.変形例
以上の実施形態では、デバイス1及び端末装置2を含む生体検査システムについて説明したが、この生体検査システムに含まれるデバイス1又は端末装置2を個別に提供したり、デバイス1又は端末装置2などのコンピュータにより実行されるプログラムを個別に提供したりすることも可能である。この場合、上記プログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、プログラム自体が有線又は無線で提供されてもよい。
【0054】
(1)本発明に係る生体検査システムは、被検者から生体信号を取得するセンサと、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得部と、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理部と、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理部と、前記基本データにおける特定のピークの信号強度と、前記逆変換データにおける対応するピークの信号強度との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定する判定処理部とを備えていてもよい。
【0055】
(2)本発明に係る生体検査システムは、被検者から生体信号を取得するセンサと、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得部と、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理部と、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理部と、前記基本データにおける特定のピークの検出時間と、前記逆変換データにおける対応するピークの検出時間との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定する判定処理部とを備えていてもよい。
【0056】
(3)本発明に係る生体検査システムは、被検者から生体信号を取得するセンサと、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得部と、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理部と、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理部と、前記基本データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータと、前記逆変換データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータとを算出し、それらのヒストグラムデータを比較することにより被検者の異常を判定する判定処理部とを備えていてもよい。
【0057】
(4)前記判定処理部は、算出された各ヒストグラムデータにおける信号強度ごとの検出頻度同士を比較することにより比較基準値を算出し、前記比較基準値が所定の閾値範囲内であるか否かに基づいて被検者の異常を判定してもよい。
【0058】
(5)前記逆変換処理部は、前記変換データのうち周波数が所定の閾値以下のデータに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成してもよい。
【0059】
(6)本発明に係る生体検査方法は、被検者から生体信号を取得するセンサを用いて被検者を検査するための生体検査方法であって、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得工程と、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理工程と、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理工程と、前記基本データにおける特定のピークの信号強度と、前記逆変換データにおける対応するピークの信号強度との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定する判定処理工程とを備えていてもよい。
【0060】
(7)本発明に係る生体検査方法は、被検者から生体信号を取得するセンサを用いて被検者を検査するための生体検査方法であって、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得工程と、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理工程と、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理工程と、前記基本データにおける特定のピークの検出時間と、前記逆変換データにおける対応するピークの検出時間との差分値を算出し、その差分値に基づいて被検者の異常を判定する判定処理工程とを備えていてもよい。
【0061】
(8)本発明に係る生体検査方法は、被検者から生体信号を取得するセンサを用いて被検者を検査するための生体検査方法であって、前記センサから入力される生体信号に基づいて、時間と信号強度との関係を表す基本データを取得する基本データ取得工程と、前記基本データに対して高速フーリエ変換を行うことにより、変換データを生成する変換処理工程と、前記変換データに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成する逆変換処理工程と、前記基本データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータと、前記逆変換データにおける信号強度ごとの検出頻度を表すヒストグラムデータとを算出し、それらのヒストグラムデータを比較することにより被検者の異常を判定する判定処理工程とを備えていてもよい。
【0062】
(9)前記判定処理工程では、算出された各ヒストグラムデータにおける信号強度ごとの検出頻度同士を比較することにより比較基準値を算出し、前記比較基準値が所定の閾値範囲内であるか否かに基づいて被検者の異常を判定してもよい。
【0063】
(10)前記逆変換処理工程では、前記変換データのうち周波数が所定の閾値以下のデータに対して逆高速フーリエ変換を行うことにより、逆変換データを生成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 デバイス
2 端末装置
11 センサ
12 第1データ処理部
13 記憶部
21 第2データ処理部
22 記憶部
23 入力受付部
121 基本データ取得部
122 変換処理部
123 逆変換処理部
124 判定処理部
125 送信処理部
211 受信処理部
212 判定処理部
213 報知処理部