(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ある一つの無線LANアクセスポイントであって、当該ある一つの無線LANアクセスポイントと無線通信を行っている無線LAN通信端末に対して、応答を要求する応答要求信号を送信するある一つの無線LANアクセスポイントと、
前記ある一つの無線LANアクセスポイントとは別の無線LANアクセスポイントであって、前記応答の受信の待機を、前記応答要求信号の送信の時点に応じて開始する別の無線LANアクセスポイントと、
に接続された無線LAN装置であって、
前記ある一つの無線LANアクセスポイントに、前記応答要求信号の送信の時点を与える手段と、
前記別の無線LANアクセスポイントに、前記応答の受信の待機の開始の時点を与える手段と、
前記別の無線LANアクセスポイントの中で、前記ある一つの無線LANアクセスポイントにおける前記無線通信の際の受信信号強度よりも、前記応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する無線LANアクセスポイント検出部を備え、
前記ある一つの無線LANアクセスポイントから、前記無線通信の際の受信信号強度を受け、
前記別の無線LANアクセスポイントから、前記応答の受信信号強度を受ける、
無線LAN装置。
ある一つの無線LANアクセスポイントであって、当該ある一つの無線LANアクセスポイントと無線通信を行っている無線LAN通信端末に対して、応答を要求する応答要求信号を送信するある一つの無線LANアクセスポイントと、
前記ある一つの無線LANアクセスポイントとは別の無線LANアクセスポイントであって、前記応答の受信の待機を、前記応答要求信号の送信の時点に応じて開始する別の無線LANアクセスポイントと、
に接続された無線LAN装置における通信処理方法であって、
前記ある一つの無線LANアクセスポイントに、前記応答要求信号の送信の時点を与える工程と、
前記別の無線LANアクセスポイントに、前記応答の受信の待機の開始の時点を与える工程と、
前記ある一つの無線LANアクセスポイントから、前記無線通信の際の受信信号強度を受ける工程と、
前記別の無線LANアクセスポイントから、前記応答の受信信号強度を受ける工程と、
前記別の無線LANアクセスポイントの中で、前記ある一つの無線LANアクセスポイントにおける前記無線通信の際の受信信号強度よりも、前記応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する無線LANアクセスポイント検出工程と、
を備えた通信処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来技術によれば、複数の無線LANアクセスポイントが、いつ送信されてくるか分からない無線LANステーションからの信号を待ち続けなければならず、複数の無線LANアクセスポイントの運用に支障をきたす。
【0009】
例えば、複数の無線LANアクセスポイントの各々は、無線空間の混雑を避けるため、異なるチャネルで無線通信サービスの提供を行うことが一般的である。この場合、複数の無線LANアクセスポイントの各々は、無線LANステーションからの信号を待つ間、無線LANステーションからの信号のチャネルに、各々のチャネルをあわせなければならず、無線通信サービスの提供を停止しなければならない。
【0010】
そこで、本発明は、無線LANアクセスポイントの運用になるべく支障をきたさないように、無線LANステーションとの無線通信に適した無線LANアクセスポイントを検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる無線LAN装置は、ある一つの無線LANアクセスポイントであって、当該ある一つの無線LANアクセスポイントと無線通信を行っている無線LAN通信端末に対して、応答を要求する応答要求信号を送信するある一つの無線LANアクセスポイントと、前記ある一つの無線LANアクセスポイントとは別の無線LANアクセスポイントであって、前記応答の受信の待機を、前記応答要求信号の送信の時点に応じて開始する別の無線LANアクセスポイントとに接続された無線LAN装置であって、前記別の無線LANアクセスポイントの中で、前記ある一つの無線LANアクセスポイントにおける前記無線通信の際の受信信号強度よりも、前記応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する無線LANアクセスポイント検出部を備えるように構成される。
【0012】
上記のように構成された無線LAN装置は、ある一つの無線LANアクセスポイントであって、当該ある一つの無線LANアクセスポイントと無線通信を行っている無線LAN通信端末に対して、応答を要求する応答要求信号を送信するある一つの無線LANアクセスポイントと、前記ある一つの無線LANアクセスポイントとは別の無線LANアクセスポイントであって、前記応答の受信の待機を、前記応答要求信号の送信の時点に応じて開始する別の無線LANアクセスポイントとに接続されている。無線LANアクセスポイント検出部は、前記別の無線LANアクセスポイントの中で、前記ある一つの無線LANアクセスポイントにおける前記無線通信の際の受信信号強度よりも、前記応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する。
【0013】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記ある一つの無線LANアクセスポイントに、前記応答要求信号の送信を指示する送信指示部と、前記別の無線LANアクセスポイントに、前記応答の受信の待機を指示する受信待機指示部とを備えるようにしてもよい。
【0014】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記応答の受信の待機が、前記応答要求信号の送信と同時に開始するようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記応答の受信の待機が、前記別の無線LANアクセスポイントによる前記応答の受信より前に開始するようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記応答の受信の待機は、前記別の無線LANアクセスポイントが前記応答のチャネルの信号を受信可能とすることであるようにしてもよい。
【0017】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記応答要求信号は、ARP RequestまたはNull Dataであるようにしてもよい。
【0018】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記無線LANアクセスポイント検出部の検出結果が有る場合に、前記ある一つの無線LANアクセスポイントに対して、前記無線LAN通信端末との通信の切断を指示する通信切断指示部を備えるようにしてもよい。
【0019】
なお、本発明にかかる無線LAN装置は、前記無線LANアクセスポイント検出部の検出結果の内の一つを前記無線LAN通信端末に伝達するようにしてもよい。
【0020】
本発明は、ある一つの無線LANアクセスポイントであって、当該ある一つの無線LANアクセスポイントと無線通信を行っている無線LAN通信端末に対して、応答を要求する応答要求信号を送信するある一つの無線LANアクセスポイントと、前記ある一つの無線LANアクセスポイントとは別の無線LANアクセスポイントであって、前記応答の受信の待機を、前記応答要求信号の送信の時点に応じて開始する別の無線LANアクセスポイントとに接続された無線LAN装置における通信処理方法であって、前記別の無線LANアクセスポイントの中で、前記ある一つの無線LANアクセスポイントにおける前記無線通信の際の受信信号強度よりも、前記応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する無線LANアクセスポイント検出工程を備えた通信処理方法である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムを示す図である。
【0024】
本発明の実施形態にかかる無線LANシステムは、無線LANコントローラ10および無線LANアクセスポイント21、22、23、無線LANステーション30を備える。なお、図面においては、「無線LAN」の表記を省略し、コントローラ10、アクセスポイント21、22、23およびステーション30と表記する。
【0025】
無線LANステーション(無線LAN通信端末)30は、無線LANシステムにおいて無線通信を行う端末である。無線LANステーション30は、ある一つの無線LANアクセスポイント21と無線通信を行っている。ある一つの無線LANアクセスポイント21は、無線LANステーション30に対して、応答を要求する応答要求信号(例えば、ARP RequestまたはNull Dataである)を送信する。なお、応答要求信号がARP Requestである場合は、応答はARP Replyであり、応答要求信号がNull Dataである場合は、応答はAckフレームである。
【0026】
無線LANアクセスポイント(別の無線LANアクセスポイント)22、23は、ある一つの無線LANアクセスポイント21とは別の無線LANアクセスポイントである。別の無線LANアクセスポイント22、23は、応答の受信の待機を、応答要求信号の送信の時点に応じて開始する。例えば、別の無線LANアクセスポイント22、23は、応答の受信の待機を、応答要求信号の送信と同時(例えば、タイミングt0)に開始する。
【0027】
なお、無線LANアクセスポイント21、22、23は、各々が、別々のチャネルの信号を送受信している。これにより、各々の無線LANアクセスポイント21、22、23どうしの無線空間の混雑を回避するようにしている。
【0028】
また、応答の受信の待機は、別の無線LANアクセスポイント22、23が応答のチャネル(ある一つの無線LANアクセスポイント21が送受信に使用しているチャネルである)の信号を受信可能とすることである。例えば、別の無線LANアクセスポイント22、23が、ある一つの無線LANアクセスポイント21が送受信に使用しているチャネルにてプロミスキャスモードでのRFスキャンを行うことが、応答の受信の待機に相当する。
【0029】
さらに、無線LANステーション30に近い順に、別の無線LANアクセスポイント23、ある一つの無線LANアクセスポイント21、別の無線LANアクセスポイント22が配置されている。別の無線LANアクセスポイント23が、無線LANステーション30に最も近い。
【0030】
無線LANコントローラ(無線LAN装置)10は、ある一つの無線LANアクセスポイント21および別の無線LANアクセスポイント22、23にLANケーブルにより接続されている。無線LANコントローラ10は、ある一つの無線LANアクセスポイント21および別の無線LANアクセスポイント22、23と有線通信を行う。
【0031】
図2は、本発明の実施形態にかかる無線LANコントローラ(無線LAN装置)10の構成を示す機能ブロック図である。本発明の実施形態にかかる無線LANコントローラ(無線LAN装置)10は、タイミング指定部11、送信指示部13、受信待機指示部15、RSSI記録部12、RSSI受信部14、RSSI比較部(無線LANアクセスポイント検出部)16、候補選択部17、通信切断指示部18を備える。
【0032】
タイミング指定部11は、応答要求信号の送信および応答の受信の待機開始の時点であるタイミングt0を送信指示部13および受信待機指示部15に与える。
【0033】
送信指示部13は、ある一つの無線LANアクセスポイント21に、応答要求信号の送信を指示する。なお、この指示にはタイミングt0を含めており、ある一つの無線LANアクセスポイント21は、このタイミングt0の時点で応答要求信号の送信を行う。
【0034】
受信待機指示部15は、別の無線LANアクセスポイント22、23に、応答の受信の待機を指示する。なお、この指示にはタイミングt0を含めており、別の無線LANアクセスポイント22、23は、このタイミングt0の時点で応答の受信の待機を開始する。
【0035】
RSSI記録部12は、ある一つの無線LANアクセスポイント21における無線LANステーション30との無線通信の際の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を記録する。なお、受信信号強度は、ある一つの無線LANアクセスポイント21と無線LANステーション30との無線通信の際に、ある一つの無線LANアクセスポイント21により測定しておく。
【0036】
RSSI受信部14は、別の無線LANアクセスポイント22、23における応答の受信信号強度を受信する。なお、受信信号強度は、別の無線LANアクセスポイント22、23において応答を受信した際に測定したものを、別の無線LANアクセスポイント22、23から受信する。
【0037】
RSSI比較部(無線LANアクセスポイント検出部)16は、RSSI受信部14から受けた別の無線LANアクセスポイント22、23における応答の受信信号強度と、RSSI記録部12に記録されたある一つの無線LANアクセスポイント21における無線通信の際の受信信号強度とを比較する。この比較結果に基づき、RSSI比較部16は、別の無線LANアクセスポイント22、23の中で、ある一つの無線LANアクセスポイント21における無線通信の際の受信信号強度よりも、応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する。
図1の例でいえば、検出結果は、別の無線LANアクセスポイント23となる。
【0038】
候補選択部17は、RSSI比較部16による検出結果を受け、いずれか一つを選択して、通信切断指示部18に与える。候補選択部17は、例えば、RSSI比較部16による検出結果のうち、応答の受信信号強度が最強なものを選択する。
図1の例でいえば、RSSI比較部16による検出結果は別の無線LANアクセスポイント23しかないので、候補選択部17は別の無線LANアクセスポイント23を選択する。
【0039】
通信切断指示部18は、候補選択部17が何らかの候補を選択した場合(RSSI比較部16による検出結果が有ることを意味する)に、ある一つの無線LANアクセスポイント21に対して、無線LANステーション(無線LAN通信端末)30との通信の切断を指示する。なお、通信切断指示部18は、候補選択部17の選択した候補(RSSI比較部16による検出結果の内の一つである)を無線LANステーション30に伝達してもよい。
【0040】
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
【0041】
図3は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムの動作を示すフローチャートである。なお、
図3においては、無線LANコントローラ10、ある一つの無線LANアクセスポイント21、別の無線LANアクセスポイント22、23、無線LANステーション30に分けて動作を図示している。
【0042】
図4は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムの動作を示すタイミングチャートである。なお、
図4においては、無線LANコントローラ10、ある一つの無線LANアクセスポイント21、別の無線LANアクセスポイント22、別の無線LANアクセスポイント23、無線LANステーション30に分けて動作を図示している。
【0043】
まず、タイミングt0より前の動作を説明する。
【0044】
図5は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムのタイミングt0より前の動作を示す機能ブロック図である。
【0045】
まず、無線LANコントローラ10の送信指示部13が、ある一つの無線LANアクセスポイント21に、応答要求信号(例えば、ARP RequestまたはNull Dataである)の送信を指示する(S10)。ある一つの無線LANアクセスポイント21は、送信指示(S10)を無線LANコントローラ10から、有線通信により受信する(S20)。送信指示(S10)と指示受信(S20)とはほぼ同時である。
【0046】
なお、送信指示(S10)には、タイミング指定部11により指定されたタイミングt0(すなわち、応答要求信号の送信の時点)が含まれている。
【0047】
その後、無線LANコントローラ10の受信待機指示部15が、別の無線LANアクセスポイント22、23に、応答の受信の待機を指示する(S12)。別の無線LANアクセスポイント22、23は、受信待機指示(S12)を無線LANコントローラ10から、有線通信により受信する(S30)。受信待機指示(S12)と指示受信(S30)とはほぼ同時である。
【0048】
なお、受信待機指示(S12)には、タイミング指定部11により指定されたタイミングt0(すなわち、応答の受信の待機開始の時点)が含まれている。
【0049】
やがて、時間が経過し、タイミングt0が到来する。
【0050】
図6は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムのタイミングt0における動作を示す機能ブロック図である。
【0051】
ある一つの無線LANアクセスポイント21は、無線LANステーション30に対して、応答要求信号を送信する(S22)。それと同時に、別の無線LANアクセスポイント22、23は、応答の受信の待機を開始する(S32)。
【0052】
応答要求信号は、タイミングt0より後に、無線LANステーション30により受信される。
【0053】
図7は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムのタイミングt0より後における動作を示す機能ブロック図である。
【0054】
無線LANステーション30は、応答要求信号を受信すると、応答信号(例えば、ARP ReplyまたはAckフレームである)を送信する(S40)。応答信号は、別の無線LANアクセスポイント22、23により受信される(S34)。別の無線LANアクセスポイント22の方が、別の無線LANアクセスポイント23よりも、無線LANステーション30から見て遠いが、応答信号の伝搬速度はほぼ光速であるため、別の無線LANアクセスポイント22による応答の受信(S34)も、別の無線LANアクセスポイント23による応答の受信(S34)もほぼ同時となる。
【0055】
別の無線LANアクセスポイント22、23は、それぞれ、受信(S34)した応答の受信信号強度(RSSI)を測定する(S36)。測定された受信信号強度(RSSI)は、無線LANコントローラ10に向けて送信され、無線LANコントローラ10のRSSI受信部14により受信される(S14)。
【0056】
RSSI受信部14により受信された受信信号強度(RSSI)(別の無線LANアクセスポイント22、23により測定されたもの)は、RSSI記録部12に記録された受信信号強度(RSSI)(ある一つの無線LANアクセスポイント21により測定されたもの)と比較される。
【0057】
図8は、本発明の実施形態にかかる無線LANシステムのタイミングt0より後(ただし、受信信号強度の比較より後)における動作を示す機能ブロック図である。
【0058】
無線LANコントローラ10のRSSI受信部14により受信された受信信号強度(RSSI)(別の無線LANアクセスポイント22、23により測定されたもの)と、RSSI記録部12に記録された受信信号強度(RSSI)(ある一つの無線LANアクセスポイント21により測定されたもの)とは、RSSI比較部(無線LANアクセスポイント検出部)16に与えられる。
【0059】
RSSI比較部16は、RSSI受信部14により受信された受信信号強度(RSSI)と、RSSI記録部12に記録された受信信号強度(RSSI)とを比較する(S16)。RSSI比較部16は、さらに、この比較結果に基づき、別の無線LANアクセスポイント22、23の中で、ある一つの無線LANアクセスポイント21における無線通信の際の受信信号強度よりも、応答の受信信号強度が強い無線LANアクセスポイントを検出する。
図1の例でいえば、RSSI比較部16は、別の無線LANアクセスポイント23を検出する。そして、候補選択部17が、別の無線LANアクセスポイント23を選択する。
【0060】
無線LANコントローラ10の通信切断指示部18は、候補選択部17から選択された候補である別の無線LANアクセスポイント23を受け、ある一つの無線LANアクセスポイント21に対して、無線LANステーション30との通信の切断を指示する(S18)。ある一つの無線LANアクセスポイント21は、無線LANステーション30との無線通信を切断する(S24)。
【0061】
その後、無線LANステーション30はローミングにより、最も近い別の無線LANアクセスポイント23との無線通信を確立する。
【0062】
ただし、通信切断指示部18が、無線LANステーション30に、新たに無線通信を確立すべき候補である別の無線LANアクセスポイント23を伝達してもよい。この場合、無線LANステーション30は、別の無線LANアクセスポイント23と無線通信を試み、無線通信を確立する。
【0063】
本発明の実施形態によれば、別の無線LANアクセスポイント22、23の運用になるべく支障をきたさないように、無線LANステーション30との無線通信に適した無線LANアクセスポイント23を検出することができる。
【0064】
すなわち、別の無線LANアクセスポイント22、23は、受信待機(S32)の開始から応答の受信(S34)までのわずかな時間だけ応答のチャネル(ある一つの無線LANアクセスポイント21が送受信に使用しているチャネルである)の信号を受信可能とすればよい。別の無線LANアクセスポイント22、23を通常の運用(ある一つの無線LANアクセスポイント21が送受信に使用しているチャネルとは「別の」チャネルで送受信を行っている)に供することができないのは、このわずかな時間に過ぎず、運用にほとんど支障をきたさない。
【0065】
なお、別の無線LANアクセスポイント22、23が、応答の受信の待機を、ある一つの無線LANアクセスポイント21からの応答要求信号の送信の時点に応じて開始する(例えば、同時に開始)ことができるのであれば、タイミング指定部11、送信指示部13および受信待機指示部15は無くてもかまわない。例えば、ある一つの無線LANアクセスポイント21が応答要求信号の送信の時点を決定して、別の無線LANアクセスポイント22、23に知らせるようにしてもよい。または、別の無線LANアクセスポイント22、23が応答の受信の待機の開始時点を決定して、ある一つの無線LANアクセスポイント21に知らせるようにしてもよい。
【0066】
また、本発明の実施形態においては、応答の受信の待機を、応答要求信号の送信の時点t0と同時に開始していたが、必ずしも同時でなくてもよい。応答の受信の待機を、応答要求信号の送信の時点t0に応じて開始すればよい。
【0067】
例えば、応答の受信の待機を、ある一つの無線LANアクセスポイント21からの応答要求信号の送信の時点t0よりも後で、別の無線LANアクセスポイント22、23による応答の受信よりも前に開始するようにしてもよい。
【0068】
または、応答の受信の待機を、ある一つの無線LANアクセスポイント21からの応答要求信号の送信の時点t0よりも少し前に開始するようにしてもよい。ただし、タイミングt0よりもあまりにも前過ぎると、別の無線LANアクセスポイント22、23の通常の運用に支障をきたすので、応答の受信の待機をタイミングt0より「少し」前に開始するようにする。
【0069】
なお、本実施形態においては、無線LANステーション30に近い順に、別の無線LANアクセスポイント23(無線LANステーション30に最も近い)、ある一つの無線LANアクセスポイント21、別の無線LANアクセスポイント22が配置されていることとしている。しかし、位置関係は必ずしもこれに限定されない。
【0070】
(1)ある一つの無線LANアクセスポイント21が最も遠い場合
例えば、無線LANステーション30に近い順に、別の無線LANアクセスポイント23(無線LANステーション30に最も近い)、別の無線LANアクセスポイント22、ある一つの無線LANアクセスポイント21が配置されている場合もありうる。このような場合、別の無線LANアクセスポイント23のみならず別の無線LANアクセスポイント22の応答の受信信号強度も、ある一つの無線LANアクセスポイント21における無線通信の際の受信信号強度よりも強い。よって、別の無線LANアクセスポイント22および23がRSSI比較部16による検出結果となる。候補選択部17は、応答の受信信号強度が最強である別の無線LANアクセスポイント23を選択することとなる。
【0071】
(2)ある一つの無線LANアクセスポイント21が最も近い場合
例えば、無線LANステーション30に近い順に、ある一つの無線LANアクセスポイント21(無線LANステーション30に最も近い)、別の無線LANアクセスポイント23、別の無線LANアクセスポイント22が配置されている場合もありうる。このような場合、別の無線LANアクセスポイント22および23の応答の受信信号強度が、ある一つの無線LANアクセスポイント21における無線通信の際の受信信号強度よりも弱い。よって、RSSI比較部16による検出結果は無いこととなる。候補選択部17は、候補を選択することは無い。なお、候補選択部17が何の候補も選択しない場合は、通信切断指示部18により通信切断の指示は行われない。
【0072】
また、本実施形態においては、候補選択部17が、RSSI比較部16による検出結果のうち、応答の受信信号強度が最強なものを選択することとしていた。しかし、候補選択部17が、RSSI比較部16による検出結果のうちのいずれか一つを選択すればよく、上記の選択法に限定しなくてもよい。例えば、混雑している別の無線LANアクセスポイントを除いて最強の受信信号強度の別の無線LANアクセスポイントを選んでもよい。
【0073】
(1)ある一つの無線LANアクセスポイント21が最も遠い場合、すなわち、無線LANステーション30に近い順に、別の無線LANアクセスポイント23(無線LANステーション30に最も近い)、別の無線LANアクセスポイント22、ある一つの無線LANアクセスポイント21が配置されている場合を例にとって、候補選択部17のさらなる候補の選択法を説明する。
【0074】
ここで、別の無線LANアクセスポイント23は混雑している一方で、別の無線LANアクセスポイント22は混雑していないものとする。すると、混雑している無線LANアクセスポイント23を除いて最強の受信信号強度の無線LANアクセスポイントは、無線LANアクセスポイント22であり、この無線LANアクセスポイント22を候補選択部17が選ぶ。
【0075】
ただし、混雑しているか否かは、別の無線LANアクセスポイントに接続している無線LANステーションの台数が所定の閾値を超えるか否かにより判断してもよい。または、(別の無線LANアクセスポイントの通信量(bps))/(別の無線LANアクセスポイントが通信し得る最大の通信量(bps))が所定の閾値を超えるか否かにより判断してもよい。
【0076】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、上記の各部分、例えば無線LANコントローラ10または無線LANアクセスポイント21、22、23の各部分を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。