(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
出品者端末、複数の購入希望者端末および仲介用の管理者端末と通信ネットワークで接続されて不動産物件に関する取引情報の仲介を行う仲介制御部を有する仲介システムであって、
複数の前記購入希望者端末から購入希望者情報および購入希望者の購入条件を受け付けて管理する購入情報管理部と、
前記出品者端末から不動産物件の出品情報を受け付けて管理する出品情報管理部と、
出品者または購入希望者へ情報を送信する送信部と、
前記購入希望者端末から出品者の紹介を求める申請を受け付ける受付部と、を有し、
前記購入情報管理部は、購入希望者情報に含まれる項目を予め設定した換算表に基づいて数値化して査定値を算出し、当該査定値の大きさにより複数の購入希望者を複数のグループに分別し、
前記送信部は、出品情報を送信する対象とするグループの範囲を、査定値の最も大きいグループから段階的に大きい順にグループを追加して選択し、選択したグループに属する購入希望者の中で購入条件が出品情報と適する購入希望者へ出品情報を送信することを特徴とする仲介システム。
前記送信部は、出品情報が送信されていないグループに属する購入希望者の中で、購入条件が出品情報と適する前記購入希望者端末へ、出品情報の少なくとも一部を送信する付加送信部を更に有する請求項1に記載の仲介システム。
前記送信部は、購入希望者の購入条件情報から、属するグループよりも査定値が高いグループへ移動するための移動条件を算出し、当該移動条件を購入希望者端末へ送信する移動条件送信部を更に有する請求項1または2に記載の仲介システム。
前記送信部は、出品情報に適する購入条件情報を有する購入希望者の数を算出して当該数を前記出品者端末および購入希望者端末の少なくとも一方へ送信する見込数送信部を更に有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の仲介システム。
前記送信部は、出品情報が送信されず前記受付部へ紹介を求める申請を送信できないグループへの出品情報の送信を開始するよりも前に、前記出品者端末および購入希望者端末の少なくとも一方へ、出品情報が送信されていないグループへの出品情報の送信を開始することを知らせる事前情報送信部を更に有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の仲介システム。
出品者端末、複数の購入希望者端末および仲介用の管理者端末と通信ネットワークで接続されて不動産物件に関する取引情報の仲介を行う仲介制御部により実行される仲介方法であって、
複数の前記購入希望者端末から購入希望者情報および購入希望者の購入条件を受け付けるステップと、
前記出品者端末から不動産物件の出品情報を受け付けるステップと、
購入希望者情報に含まれる項目を予め設定した換算表に基づいて数値化して査定値を算出し、当該査定値の大きさにより複数の購入希望者を複数のグループに分別するステップと、
出品情報を送信する対象とするグループの範囲を、査定値の最も大きいグループから段階的に大きい順にグループを追加して選択し、選択したグループに属する購入希望者の中で購入条件が出品情報と適する購入希望者の前記購入希望者端末へ出品情報を送信するステップと、
前記購入希望者端末から出品者の紹介を求める申請を受け付けた際に、前記出品者端末へ購入希望者の情報を送信するステップと、を有することを特徴とする仲介方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のシステムは、応答フォームの応答率や応答までの時間により優劣を決めるため、システムが継続するほど、購入指標が高く応答する頻度が必然的に高くなる購入希望者の購入指標が高くなり、購入指標の優劣の差が顕著となりやすく、購入希望者の減少を招く可能性がある。購入希望者が減少すると、販売希望者の減少を招き、仲介システムにおける取引の成立性が低下する。
また、取引の対象とする商品が不動産物件の場合には、限定的にしか公開できない未公開物件が含まれる可能性を考慮する必要があるが、公開性が高い通信ネットワークを用いて取引情報の仲介を行うと、取引の成立性を重視することで未公開性が損なわれる可能性が生じ、未公開性を重視すれば取引の成立性が低下する。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、迅速かつ適切な商取引を促しつつ、取引の成立性を高め、かつ購買希望者の公平性をも担保できる仲介システムおよび仲介方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する仲介システムは、出品者端末、複数の購入希望者端末および仲介用の管理者端末と通信ネットワークで接続されて不動産物件に関する取引情報の仲介を行う仲介制御部を有する仲介システムであって、複数の前記購入希望者端末から購入希望者情報および購入希望者の購入条件を受け付けて管理する購入情報管理部と、前記出品者端末から不動産物件の出品情報を受け付けて管理する出品情報管理部と、出品者または購入希望者へ情報を送信する送信部と、前記購入希望者端末から出品者の紹介を求める申請を受け付ける受付部と、を有し、前記購入情報管理部は、購入希望者情報に含まれる項目を予め設定した換算表に基づいて数値化して査定値を算出し、当該査定値の大きさにより複数の購入希望者を複数のグループに分別し、前記送信部は、出品情報を送信する対象とするグループの範囲を、査定値の最も大きいグループから段階的に大きい順にグループを追加して選択し、選択したグループに属する購入希望者の中で購入条件が出品情報と適する購入希望者へ出品情報を送信することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成する仲介方法は、出品者端末、複数の購入希望者端末および仲介用の管理者端末と通信ネットワークで接続されて不動産物件に関する取引情報の仲介を行う仲介制御部により実行される仲介方法であって、複数の前記購入希望者端末から購入希望者情報および購入希望者の購入条件を受け付けるステップと、前記出品者端末から不動産物件の出品情報を受け付けるステップと、購入希望者情報に含まれる項目を予め設定した換算表に基づいて数値化して査定値を算出し、当該査定値の大きさにより複数の購入希望者を複数のグループに分別するステップと、出品情報を送信する対象とするグループの範囲を、査定値の最も大きいグループから段階的に大きい順にグループを追加して選択し、選択したグループに属する購入希望者の中で購入条件が出品情報と適する購入希望者の前記購入希望者端末へ出品情報を送信するステップと、前記購入希望者端末から出品者の紹介を求める申請を受け付けた際に、前記出品者端末へ購入希望者の情報を送信するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した仲介システムおよび仲介方法は、査定値により購入希望者をグループ分けし、査定値の高いグループから段階的に出品情報を送信するため、購入の可能性が高いグループに優先的に出品情報を紹介して迅速かつ適切な商取引を促しつつ、取引の成立性を高め、かつ購入の可能性が高くないグループへも出品情報を送信して、購買希望者の公平性を担保できる。また、仲介システムが取引の対象とする不動産物件には、通信ネットワークにおいて限定的にしか公開できない未公開物件が含まれる可能性があるが、本仲介システムは、情報を送信する買取希望者を、購入条件が適するとともに査定値の高いグループから順番に設定することで、取引の対象を極力少ない買取希望者に限定しつつも、購入する可能性の高い購入希望者を選択することで、相反する物件の未公開性および取引の成立性の両方を、最大限に高めることができる。
【0012】
前記送信部は、出品情報が送信されていないグループに属する購入希望者の中で、購入条件が出品情報と適する前記購入希望者端末へ、出品情報の少なくとも一部を送信する付加送信部を更に有してもよい。これにより、出品情報が送信されていないグループに属する購入希望者が、出品情報の少なくとも一部を見ることが可能となり、情報を受け取った購入希望者は、受付部への受付が可能となった場合に、直ぐに申請を行えるように準備することができ、利便性が向上する。また、付加送信部は、出品情報が送信されていないグループに属する購入希望者に対して、より上位のグループへ移動することを促すことができ、購入希望者の全体の質を高めることができる。
【0013】
前記送信部は、前記購入希望者の購入条件情報から、属するグループよりも前記査定値が高いグループへ移動するための移動条件を算出し、当該移動条件を前記購入希望者端末へ送信する移動条件送信部を更に有してもよい。これにより、購入希望者は、購入希望者情報をより望ましい条件に修正することが促されるため、購入希望者の全体の質を高めることができる。
【0014】
前記送信部は、前記出品情報に適する前記購入条件情報を有する前記購入希望者の数を算出して当該数を前記出品者端末および前記購入希望者端末の少なくとも一方へ送信する見込数送信部を更に有してもよい。これにより、購入希望者は、購入希望者情報をより望ましい条件に修正することが促されるため、購入希望者の全体の質を高めることができる。また、出品者は、適する購入希望者の数を認識して、後の交渉の参考とすることができるともに、途中で出品の取りやめを検討したり、出品情報の変更を判断することができる。また、購入希望者は、購入の可能性のある購入希望者の数を知ることで、紹介を求めるか否かを判断する際の参考とすることができる。
【0015】
前記送信部は、前記出品情報を送信していないグループへの前記出品情報の送信を開始するよりも前に、前記出品者端末および前記購入希望者端末の少なくとも一方へ、前記出品情報を送信していないグループへの出品情報の送信を開始することを知らせる事前情報送信部を更に有してもよい。これにより、出品情報を送信されておらずまだ出品者の紹介を求める申請を行うことができないグループの購入希望者は、出品情報を受け取った後に直ぐに申請を行えるように準備することができる。また、既に出品情報を送信されているグループの購入希望者は、購入希望者が増える前に、もう一度情報を確認することができ、購入が促される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係る仲介システム10は、インターネットなどの通信ネットワーク20を介して行われる不動産(土地、建物)物件の取引を仲介するシステムである。
【0018】
仲介システム10は、
図1に示すように、出品者が使用する出品者端末30と、購入希望者が使用する購入希望者端末40と、取引を仲介する管理者が使用する管理者端末50と、取引の仲介を制御する仲介制御部60とを備えている。出品者端末30、購入希望者端末40、管理者端末50および仲介制御部60は、通信ネットワーク20を介して通信可能に接続されている。さらに、仲介システム10は、銀行などの金融機関や審査機関のシステムである外部システム110と、通信ネットワーク20を介して通信可能に接続される。
【0019】
出品者端末30は、商品である不動産物件の売却を希望する出品者が、出品者情報、出品情報(物件情報)などを入力し、さらに購入希望者の情報などを受け取るための端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話やタブレットなどの携帯端末、または専用装置などにより構成される。出品者端末30は、通信ネットワーク20上の専用サイト内で登録手続きを行うことで、仲介制御部60と通信することが可能となる。出品者端末30は、取引の安全性のため、登録の際に審査されることが好ましい。
【0020】
出品者端末30の仲介制御部60との通信は、登録時に設定されるIDおよびパスワードによりログイン可能な専用サイト内で行われる。また、ログインされていない可能性のある出品者端末30へ仲介制御部60が通知を行う場合などでは、電子メールにより通知が行われる場合もあり得る。出品者端末30は、出品者により入力された出品者情報(出品者を特定するための情報)や物件情報等を、通信ネットワーク20を介して仲介制御部60へ送信し、かつ購入希望者から物件の紹介を求める情報等を、仲介制御部60から受信して出品者へ表示する。なお、本実施形態では、一の出品者が一の商品を出品する場合を例として説明するが、実際の仲介システム10では、複数の出品者により複数の出品がなされて、複数の取引が並行して行われる。
図1では、出品者端末30が便宜上2つとなっているが、数は限定されない。
【0021】
購入希望者端末40は、商品である不動産物件の購入を希望する購入希望者が、出品情報(物件情報)等を閲覧して紹介を求める申請等を行うために使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話やタブレットなどの携帯型情報端末、または専用装置などにより構成される。購入希望者端末40は、通信ネットワーク20上の専用サイト内で登録手続きを行うことで、仲介制御部60と通信することが可能となる。購入希望者端末40は、取引の安全性のため、登録の際に審査されることが好ましい。
【0022】
購入希望者端末40の仲介制御部60との通信は、登録時に設定されるIDおよびパスワードによりログイン可能な専用サイト内で行われる。また、ログインされていない可能性のある購入希望者端末40へ仲介制御部60が通知を行う場合などでは、電子メールにより通知が行われる場合もあり得る。購入希望者端末40は、物件情報等を通信ネットワーク20を介して仲介制御部60から受信して購入希望者へ表示し、かつ購入希望者により入力された購入希望者情報(購入希望者を特定するための情報)や購入条件(購入したい物件の条件)を、通信ネットワーク20を介して仲介制御部60へ送信し、それらの登録や変更を申請することができる。なお、
図1では、購入希望者端末40が便宜上4つとなっているが、数は限定されない。
【0023】
管理者端末50は、取引の仲介の管理者が操作する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話やタブレットなどの携帯型情報端末、または仲介用の専用装置などにより構成される。管理者端末50は、仲介制御部60における各プログラムの処理状況を表示したり、管理者が入力することが可能である。管理者端末50の仲介制御部60との通信は、仲介制御部60から付与される管理者用IDおよびパスワードによりログイン可能な管理用サイト内で行われる。また、ログインされていない可能性のある管理者端末50へ仲介制御部60が通知を行う場合などでは、電子メールにより通知が行われる場合もあり得る。なお、本実施形態では、管理者端末50は、仲介制御部60と別構成として定義されているが、仲介制御部60に含まれる構成とすることもできる。また、管理者端末50は、複数設けられてもよく、機能毎に端末が複数に分割されてもよい。
【0024】
仲介制御部60は、購入希望者端末40、出品者端末30および管理者端末50と通信ネットワーク20を介して通信可能に接続されており、通信ネットワーク20を介したネットオークションを実行するための大容量のサーバ装置やコンピュータである。仲介制御部60は、ハードウェアの物理的構成として、
図2に示すように、記憶装置61と、処理装置62と、通信装置63とを備えている。
【0025】
記憶装置61は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等である。記憶装置61は、出品者情報、商品情報、購入希望者情報、プログラム等を、処理の状況に応じて書き込み、または読み出すことができる。
【0026】
処理装置62は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等である。処理装置62は、記憶装置61に記憶されているプログラムを、RAMを作業領域として実行させて演算処理を行い、プログラムに従って通信装置63や記憶装置61を作動させて、取引の仲介を通信ネットワーク20上で実行する。
【0027】
通信装置63は、通信ネットワーク20を介して接続された購入希望者端末40、出品者端末30および管理者端末50と通信を行うためのインターフェース装置である。通信装置63は、多数の購入希望者端末40、多数の出品者端末30および管理者端末50と同時に通信可能である。
【0028】
取引の仲介を実行する仲介制御部60は、論理的な構成として、
図1に示すように、出品者の情報を管理する出品情報管理部70と、購入希望者の情報を管理する購入情報管理部80と、出品者または購入希望者へ情報を送信する送信部90と、出品者または購入希望者から取引相手の紹介を求める申請を受け付ける受付部100とを有している。
【0029】
次に、仲介制御部60により行われる処理を説明する。まず、出品者の情報を管理する出品情報管理部70における処理を、
図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0030】
出品情報管理部70は、出品者端末30から出品する物件(商品)またはサービスの情報を受け付けて、これらの情報を管理(読み出し可能に記憶)する。出品情報管理部70は、出品者となることを希望する業者や個人が操作する出品者端末30から、通信ネットワーク20を介して出品者情報とともに会員登録申請を受け付け、記憶装置61に保存する(ステップ10)。出品者情報は、例えば、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、職業、身分証明書のコピー等である。また、出品情報管理部70は、出品者端末30へ、ウェブ上で取引を行うための専用サイトへログインするためのIDおよびパスワードの設定を要求し、出品者端末30が設定するIDおよびパスワードを、出品者がログインするための情報として記憶装置61に保存する(ステップ11)。
【0031】
出品者情報が記憶装置61に保存された後、出品情報管理部70は、管理者端末50へ、出品者情報の確認を要求する(ステップ12)。管理者が管理者端末50から出品者情報を確認し、必要に応じて出品者に対して情報を確認し、不足する証明書等の書類の追加や情報の修正を行った後、管理者は管理者端末50から出品情報管理部70へその情報を送信する。出品情報管理部70は、この出品者の情報を記憶装置61に保存し、出品者情報が確定される(ステップ13)。出品者として登録されることで、出品者は、この後に何度も物件を出品する際に、出品者情報の再入力や再審査が不要となり、利便性が高い。
【0032】
出品情報管理部70は、登録されている出品者の出品者端末30から、新たな物件の出品情報を受信すると(ステップ14)、記憶装置61に保存する(ステップ15)。出品情報は、例えば、金額、カテゴリ(一戸建て、マンション、ワンルーム、土地、棟売りマンション、棟売りアパート、ビル等)、面積、間取り、築年数、地域、階数、方角、間口、接面道路の種類、接面道路の幅員、地形、地勢、物件の公開状況(通信ネットワーク20において限定的にしか公開できない未公開物件、通信ネットワーク20において限定せずに公開可能な公開物件)等であるが、これらに限定されない。
【0033】
出品者情報管理部70は、新たな物件の出品情報を受信した後、出品情報を購入希望者へ送信するために、新たな出品情報が登録されたことを送信部90へ通知する(ステップ16)。
【0034】
次に、購入情報管理部80における処理を、
図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0035】
購入情報管理部80は、複数の購入希望者端末40から購入希望者の情報を受け付けて、これらの情報を管理する。購入情報管理部80は、購入希望者の登録情報の各項目を予め設定した換算表に基づいて数値化して査定値を算出し、査定値の大きさにより複数のグループに分ける。
【0036】
購入情報管理部80は、出品される物件を買い取ることを希望する業者や個人が操作する購入希望者端末40から、通信ネットワーク20を介して購入希望者情報とともに会員登録申請を受け付け、記憶装置61に保存する(ステップ20)。購入希望者情報は、例えば、一般情報と、グループ分けに使用する査定情報と、購入したい物件の条件を表す情報(購入条件情報)を含む。一般情報は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、身分証明書のコピー等である。査定情報は、資金の種類(現金、借入金)、所有している現金の額、借入する場合の銀行の審査が済んでいるか否か、他の借入があるか否か、購入時期、職種(自営業、会社員)、職業、年収、購入後のリフォーム会社が決まっているか否か、購入後の管理会社が決まっているか否か等である。査定情報は、取引において他者に対して優位性を示すことができる情報である。査定情報は、取引において優位な条件ほど高い数値となるように各項目が数値化され、合計された数値が信頼度を表す査定値となる。
【0037】
購入条件情報は、出品情報と比較する情報であるため、出品情報に含まれる情報であることが好ましく、例えば、物件の公開状況(未公開物件、公開物件)、金額、カテゴリ(一戸建て、マンション、ワンルーム、土地、棟売りマンション、棟売りアパート、ビル等)、面積、間取り、築年数、地域、階数、方角、間口、接面道路の種類、接面道路の幅員、地形、地勢等から選択される。なお、上述した一般情報、査定情報および購入条件情報は、一部が重複することも有り得る。
【0038】
購入希望者情報が記憶装置61に保存された後、購入情報管理部80は、管理者端末50へ、購入希望者情報の確認を要求する(ステップ21)。管理者は、購入希望者に聞き取り等を行い、上述した情報には含まれない情報を付加することができる。例えば、条件を満たす物件がある場合に購入するのか検討するのか、購入後解体するのか否か、他の物件と比較しながら購入したいとの要望があるか、過去に気に入らなかった物件があるなどの情報を、管理者が管理者端末50に入力することで、購入情報管理部80はその情報を受け取り、査定情報として記憶装置61に保存する(ステップ22)。また、購入情報管理部80は、購入希望者端末40へ、ウェブ上で取引を行うための専用サイトへログインするためのIDおよびパスワードの設定を要求し、購入希望者端末40が設定するIDおよびパスワードを、購入希望者がログインするための情報として記憶装置61に保存する(ステップ23)。購入者会員として登録されることで、購入者会員は、この後に出品される物件の紹介を請求する際に、購入希望者情報の再入力や再審査が不要となり、利便性が向上する。
【0039】
また、購入情報管理部80は、査定情報を数値化する(ステップ24)。査定情報の数値化は、予め設定される換算表を記憶装置61から読み込んで参照して、自動で行われる。換算表の一例を、表1に示す。換算表の点数は、取引において優位な条件(出品者に取って望ましい条件)を満たすほど、数値が高くなるように設定されている。例えば、資金の種類に関しては、借入の場合よりも現金の場合の点数が高い。銀行審査に関しては、未審査の場合よりも銀行審査が済んでいる場合の点数が高い。購入時期に関しては、直ぐ購入したい場合の方が、そうでない場合よりも点数が高い。他の借入に関しては、借入がある場合には、点数がマイナスとなる。年収に関しては、年収が高いほど点数が高い。なお、表1は、一部の査定項目の例であるが、表1にはない他の項目に関しても、条件によって予め点数が設定される。なお、換算表は、商品(物件)に応じて変化するように設定することも可能である。設定の変更は、管理者端末50から入力して、変更要求を仲介制御部60へ送ることで、仲介制御部60にて実行される。例えば、所有している現金の額は、物件の価格以上(物件を現金で購入可能)であれば、現金の額の差異はあまり重要でないため、点数を一定とすることができ、物件毎に、物件の価格によって点数配分を変更することができる。この計算は、購入情報管理部80にて行われる。このような設定は、特に、価格の高い不動産物件の売買において、非常に有効である。
【0040】
購入情報管理部80は、資金の種類、銀行審査が済んでいるか否かの情報、審査結果の内容、他の借入の有無等の査定情報を、銀行等の金融機関や審査機関等の外部システム110から得ることもできる。例えば、購入情報管理部80は、査定情報を数値化する前に、ネットワークで繋がっている外部システム110(または外部システム10に含まれる端末)に、情報を要求する。外部システム110は、要求された情報を所持している場合には、その情報を送信することができる。購入情報管理部80は、その情報を受け取ることができる。購入情報管理部80は、受け取った情報に基づいて、査定情報を最新かつ正確な情報に更新できる。または、購入希望者端末40から入力される査定情報に含まれる購入希望者の要望の情報に基づいて、外部システム110から情報を入手してもよい。なお、購入希望者端末40から受け取った査定情報と、金融機関や審査機関等から受け取った査定情報に、大きな差異がある場合には、換算表から算出される点数を変動させる(減点または加点する)設定としてもよい。この場合、例えば、どの項目にどの程度の差異がある場合に何点減点するかを、第2の換算表として購入情報管理部80に予め設定する必要がある。購入情報管理部80は、その第2の換算表にしたがって、換算表から算出される点数を減点することができる。例えば、他の借入の有無の情報が、購入希望者が入力した査定情報と、外部システム110から得た情報で異なる場合には、購入情報管理部80は、第2の換算表に基づいて、点数を減点できる。これにより、購入希望者の信頼度を、数値で評価できる。
【0042】
表2には、表1の換算表を利用して、購入希望者A〜Dの査定値を算出した例である。表2に示すように、購入情報管理部80は、査定情報および換算表から、各購入希望者の合計点数(査定値)を算出できる。
【0044】
更に、購入情報管理部80は、表3に示すように、予め設定されるグループ分けの境界値を記憶装置61から読み込み、各購入希望者の査定値から、グループ分けを行う(ステップ25)。表3の境界値によれば、査定値が60点の購入希望者Aはプレミア会員となり、査定値が55点の購入希望者Bはゴールド会員となり、査定値が−10点の購入希望者Cおよび査定値が20点の購入希望者Dはシルバー会員となる。なお、換算表を、上述したように商品(物件)に応じて変化するように設定した場合には、各購入希望者が属するグループは、商品毎に異なる可能性がある。また、グループ分けは、1グループに1人のみが属するようにしてもよい。この場合、グループは、購入希望者の数だけ存在することになる。なお、査定値は、商品(物件)に応じて変化する可能がある。例えば、所有している現金の額が査定情報の項目として登録されている場合、その額が物件の価格以上であれば、現金で購入可能であるが、物件の価格未満であれば、現金で購入できないため、借入が必要となる。このため、物件の価格に応じて算出される査定値が変わり、属するグループも変化する可能性がある。この計算は、購入情報管理部80にて行われる。このような設定は、特に、価格の高い不動産物件の売買において、非常に有効である。
【0046】
購入希望者は、購入希望者端末40から専用サイトへログインし、購入情報管理部80にて管理されている購入者情報、査定情報および購入条件情報を、修正することができる。特に、購入条件情報を変更することで、購入したい条件を変更しながら物件を検索することが可能である。
【0047】
次に、送信部90における処理を、
図5〜9に示すフローチャートを参照しつつ説明する。送信部90は、出品者端末30および購入希望者端末40へ、取引の仲介のために種々の情報を送信する機能を有する。送信部90は、
図1に示すように、送信対象を選択して情報を送信する送信実行部91と、出品情報が配信されていないグループへ情報の一部を送信する付加送信部92と、上位のグループへの移動を促す移動条件送信部93と、を有する。送信部90は、更に、出品情報に適する購入希望者の数を出品者端末30および購入希望者端末40へ送信する見込数送信部94と、他のグループ(下位のグループ)への出品情報の送信を開始することを知らせる事前情報送信部95とを有している。
【0048】
送信実行部91は、
図5に示すように、記憶装置61に保存された出品情報および購入条件情報を読み込み(ステップ30)、出品情報を送信する対象とするグループを選択する(ステップ31)。出品情報を送信するグループは、出品者から新たな物件が出品された後、最も査定値の高いプレミアムグループが選択される。次に、送信実行部91は、プレミアムグループに属する購入希望者の中から、購入条件情報が出品情報と適する購入希望者を選択し(ステップ32)、選択された購入希望者の購入希望者端末40に出品情報を送信する(ステップ33)。したがって、例えば、出品された物件が公開物件である場合、未公開物件のみを希望している購入希望者は、他の購入条件を満たしたとしても、購入条件情報が出品情報と適さず、出品情報の対象として選択されない。出品された物件が未公開物件である場合、未公開物件を希望している購入希望者は、他の購入条件も満たすことで、購入条件情報が出品情報と適することになり、出品情報の対象として選択される。このように、購入希望者は、全ての条件を満たすことで、出品情報の対象として選択される。送信実行部91から出品情報を送信された購入希望者は、購入希望者端末40から受付部100に対して、興味がある場合に物件の紹介の申請を行うことが可能となる。また、送信実行部91は、選択された購入希望者の購入希望者情報の少なくとも一部を、出品者端末30に送信する(ステップ34)。出品者30は、出品者端末30から受付部100に対して、興味がある購入希望者の紹介の申請を行うことが可能となる。なお、出品者端末30から受付部100に対して、興味がある購入希望者の紹介の申請を行う機能は、なくてもよい。
【0049】
送信実行部91は、更に、新たな出品情報のプレミアグループへの送信を開始した後、予め設定された条件を満たすと(例えば、所定時間が経過すると(ステップ35))、次に査定値が高いグループがあるかを判別し(ステップ36)、次に査定値が高いゴールドグループを、出品情報を送信するグループに追加する(ステップ37)。この後、送信実行部91は、プレミアムグループおよびゴールドグループに属する購入希望者から、購入条件情報が出品情報と適する購入希望者を選択し(ステップ32)、選択された購入希望者の購入希望者端末40に出品情報を送信する(ステップ33)。また、送信実行部91は、選択された購入希望者の購入希望者情報の少なくとも一部を、出品者端末30に送信する(ステップ34)。送信実行部91は、更に、ゴールドグループへの送信を開始した後、予め設定された所定時間経過が経過すると(ステップ35)、次に査定値が高いグループがあるかを判別し(ステップ36)、次に査定値が高いシルバーグループを、出品情報を送信するグループに追加する(ステップ37)。この後、送信実行部91は、プレミアムグループ、ゴールドグループおよびシルバーグループに属する購入希望者から、購入条件情報が出品情報と適する購入希望者を選択し(ステップ32)、選択された購入希望者の購入希望者端末40に出品情報を送信する(ステップ33)。更に、送信実行部91は、選択された購入希望者の購入希望者情報の少なくとも一部を、出品者端末30に送信する(ステップ34)。なお、送信するグループの範囲を広げるタイミングを決定する条件は、送信を開始した後から所定時間経過後と定義するのではなく、設定可能であれば、どのような条件であってもよい。例えば、情報を送信中のグループに、紹介の申請が可能な購入希望者が一人もいなくなった場合、または所定の人数以下となった場合に、その下位のグループへ送信を開始してもよい。
【0050】
送信実行部91は、いずれかの購入希望者による購入が決定して取引が成立すると、出品者端末30(または購入希望者端末40)から取引が成立したことを知らせる情報を受け取る受付部100から情報を受け取り、出品情報の送信対象として選択された購入希望者の購入希望者端末40への出品情報の送信を停止させるとともに、購入希望者情報の出品者端末30への送信を停止させる(ステップ37)。
【0051】
付加送信部92は、
図6に示すように、送信実行部91から、情報を送信しているグループの情報を受け取る(ステップ40)。次に、付加送信部92は、出品情報が配信されていないグループを選択し(ステップ41)、選択されたグループの購入希望者から、購入条件が出品情報と適する購入希望者を選択する(ステップ42)。次に、付加送信部92は、選択された購入希望者の購入希望者端末40へ、出品情報の一部を送信する(ステップ43)。出品情報の一部は、一例として、金額、カテゴリ、面積、地域等とすることができる。なお、出品情報の全てを公開してもよい。ただし、このグループの購入希望者は、まだ出品者の紹介を求める申請を行うことができない。付加送信部92は、出品情報がプレミアムグループにのみ送信されている際に、出品情報の一部をゴールドグループおよびシルバーグループへ送信し、出品情報がプレミアムグループおよびゴールドグループに送信されている際に、出品情報の一部をシルバーグループへ送信する。付加送信部92は、出品情報がプレミアムグループ、ゴールドグループおよびシルバーグループの全てに送信されている際には、情報を送信しない。付加送信部92は、まだ出品者の紹介を求める申請を行うことができないグループの購入希望者へ、出品情報の少なくとも一部を送信するため、送信された購入希望者は、出品者の紹介を求める申請が可能となった場合に、直ぐに申請を行えるように準備することができる。また、付加送信部92は、まだ出品者の紹介を求める申請を行うことができないグループの購入希望者へ、出品情報の少なくとも一部を送信するため、査定情報を見直して上位のグループへ移動することを促す役割を果たす。このため、購入希望者の全体の質を高めることができる。なお、付加送信部92が選択する出品情報が配信されていないグループは、出品情報が配信されていない全てのグループでなくてもよい。例えば、配信されているグループの直下の1つまたは数グループのみ(例えば、プレミアムグループに出品情報が配信させている場合に、シルバーグループは含まずゴールドグループのみ)とすることもできる。
【0052】
付加送信部92は、いずれかの購入希望者による購入が決定して取引が成立すると、出品者端末30(または購入希望者端末40)から取引が成立したことを知らせる情報を受け取る受付部100から情報を受け取り、出品情報の一部の送信対象として選択された購入希望者の購入希望者端末40への出品情報の送信を停止させる(ステップ44)。
【0053】
移動条件送信部93は、
図7に示すように、送信実行部91から、情報を送信しているグループの情報を受け取る(ステップ50)。次に、移動条件送信部93は、出品情報が配信されていないグループを選択する(ステップ51)。次に、移動条件送信部93は、出品情報が配信されていないグループのぞれぞれの購入希望者の査定情報のどの条件を修正すれば、上位のいずれのグループへ移動できるかを算出し(ステップ52)、その結果をそれぞれの購入希望者端末40へ通知する(ステップ53)。購入希望者は、その通知を参照し、購入希望者端末40から査定情報を見直して修正することで、上位のグループへ移動することができ、より良いサービスを受けることが可能となる。このため、購入希望者は、査定情報をより望ましい条件に修正することが促されるため、購入希望者の全体の質を高めることができる。例えば、ゴールドクループの購入希望者は、プレミアムグループへ移動可能であるため、移動条件送信部93は、ゴールドクループの購入希望者へ、プレミアムグループへ移動するための移動条件を算出して送信する。また、シルバーグループの購入希望者は、プレミアムグループまたはゴールドグループへ移動可能であるため、動条件送信部93は、シルバーグループの購入希望者へ、プレミアムグループへ移動するための移動条件と、ゴールドグループへ移動するための移動条件を算出して送信する。一例として、移動条件送信部93は、表2に示す購入希望者Dに対して、銀行の審査が済むことで査定値が20点から65点に上昇し、シルバーグループからプレミアムグループへ移動できることを通知できる。なお、移動条件送信部93が選択する出品情報が配信されていないグループは、上述した付加送信部92と同様に、出品情報が配信されていない全てのグループでなくてもよい。
【0054】
移動条件送信部93は、いずれかの購入希望者による購入が決定して取引が成立すると、出品者端末30(または購入希望者端末40)から取引が成立したことを知らせる情報を受け取る受付部100から情報を受け取り、情報の送信対象として選択された購入希望者の購入希望者端末40への条件の送信を停止させる(ステップ54)。
【0055】
見込数送信部94は、
図8に示すように、記憶装置61に保存された出品情報および購入条件情報を読み込み(ステップ60)、これから出品を行う物件または既に出品されている物件の出品情報に適する購入希望者の数(購入見込数)を、グループにかかわらず全ての購入希望者から特定し(ステップ61)、この数を、出品者の出品者端末30または出品情報に適する全ての購入希望者の購入希望者端末40へ送信する。見込数送信部94は、既に出品されている物件の出品情報のみならず、出品者端末30からなされる出品者の要望に応じて、正式に出品される前の出品情報に基づいて、適する購入希望者の数を特定することもできる。見込数送信部94は、出品情報が既に出品されているか出品されていないかを判別し(ステップ62)、既に出品されている場合には、特定された数を、出品者端末30および購入希望者端末40の少なくとも一方へ送信する(ステップ63)。これにより、出品者は、適する購入希望者の数を認識して、後の交渉の参考とすることができるともに、途中で出品の取りやめを検討したり、出品情報の変更を判断することができる。また、購入希望者は、購入の可能性のある購入希望者の数を知ることで、紹介を求めるか否かを判断する際の参考とすることができる。
【0056】
また、見込数送信部94は、出品情報が既に出品されているか出品されていないかを判別し(ステップ62)、出品情報が正式には出品されていない場合には、特定した数を出品者端末30へ送信する(ステップ64)。これにより、出品者は、購入の可能性のある購入希望者の数を知ることができ、出品するか否かを判断できるとともに、出品情報の変更を判断することができる。
【0057】
見込数送信部94は、いずれかの購入希望者による購入が決定して取引が成立すると、出品者端末30(または購入希望者端末40)から取引が成立したことを知らせる情報を受け取る受付部100から情報を受け取り、適する購入希望者の数の情報の送信対象として選択された購入希望者の購入希望者端末40への数の情報の送信を停止させる(ステップ65)。
【0058】
事前情報送信部95は、
図9に示すように、送信実行部91から、情報を送信しているグループの情報を受け取る(ステップ70)。次に、送信実行部91により出品情報を送信するグループの範囲を広げる時間よりも所定時間前となった場合に(ステップ71)、送信するグループの範囲を広げることを知らせる情報を、既に送信されているグループと、これから送信されるグループの両方の出品情報に適する全ての購入希望者に送信する(ステップ72)。したがって、出品情報を送信されておらず出品者の紹介を求める申請を行うことができないグループの購入希望者は、グループの範囲を広げることを知らせる情報を受け取ることで、直ぐに申請を行えるように準備することができる。また、既に出品情報を送信されているグループの購入希望者は、購入希望者が増える前に、もう一度情報を確認することができ、購入を促すことができる。
【0059】
事前情報送信部95は、いずれかの購入希望者による購入が決定して取引が成立すると、出品者端末30(または購入希望者端末40)から取引が成立したことを知らせる情報を受け取る受付部100から情報を受け取り、情報の送信を停止させる(ステップ73)。なお、送信するグループの範囲を広げることを知らせる情報を送信するタイミングを決定する条件は、出品情報を送信するグループの範囲を広げる時間よりも所定時間前と定義するのではなく、設定可能であれば、どのような条件であってもよい。例えば、1つ上位のグループに出品情報の送信が開始されたことを条件として、その下位のグループに、この旨を知らせる情報を送信してもよい。
【0060】
受付部100は、
図10に示すように、購入希望者が物件の出品情報に興味を持ち、購入希望者端末40から出品者の紹介を求める申請を行った場合に、この申請を受け付ける(ステップ80)。また、受付部100は、出品者が購入希望者の情報に興味を持ち、出品者端末30から購入希望者の紹介を求める申請を行った場合に、この申請を受け付ける(ステップ80)。この後、受付部100は、購入希望者の情報を出品者端末30を介して出品者へ知らせるとともに(ステップ81)、出品者の情報を購入希望者端末40を介して購入希望者へ知らせる(ステップ82)。これにより、購入希望者と出品者は、互いに連絡を取り、取引のための交渉を行うことができる。取引の交渉は、仲介システム10上で行われてもよく、仲介システム10以外の場所で行われてもよい。
【0061】
取引が成立すると、受付部100は、出品者端末30または購入希望者端末40から取引が成立したことを知らせる情報を受け取り、出品情報が取下げられる(ステップ83)。なお、1つの出品情報(物件)を紹介する購入希望者の数は、1人に限定されず、取引が成立するまでは、別の購入希望者端末40から出品情報(物件)の紹介を求める申請があった場合に、この申請を受け付ける(ステップ84)。1人の出品情報を紹介する購入希望者の数は、出品者からの出品者端末30からの入力により設定可能であってもよい。なお、取引が成立すると、出品情報が取り下げられるため、例えば、ゴールドグループやシルバーグループの購入希望者が出品情報を得る前に、取引が成立してしまう可能性がある。取引が成立すると、受付部100は、紹介されていた他の購入希望者の購入希望者端末40に、取引が成立したことを通知する(ステップ85)。これにより、仲介システム10による1つの物件に関する取引の仲介が終了する。
【0062】
以上のように、本実施形態に係る仲介システム10は、出品者端末30、複数の購入希望者端末40および仲介用の管理者端末50と通信ネットワーク20で接続されて不動産物件に関する取引情報の仲介を行うシステムであって、複数の購入希望者端末40から購入希望者の購入希望者情報および購入条件を受け付けて管理する購入情報管理部80と、出品者端末30から不動産物件の出品情報を受け付けて管理する出品情報管理部70と、出品者または購入希望者へ情報を送信する送信部90と、購入希望者端末40から出品者の紹介を求める申請を受け付ける受付部100と、を有し、購入情報管理部80は、購入希望者情報の複数の項目を予め設定した換算表に基づいて数値化して査定値を算出し、査定値の大きさにより複数の購入希望者を複数のグループに分別し、送信部90は、出品情報を送信する対象とするグループの範囲を、査定値の最も大きいグループから段階的に大きい順にグループを追加して選択し、選択したグループに属する購入希望者の中で購入条件が出品情報と適する購入希望者へ出品情報を送信する。
【0063】
上記のように構成した仲介システム10は、査定値により購入希望者をグループ分けし、査定値の高いグループから段階的に出品情報を送信するため、購入の可能性が高いグループに優先的に出品情報を紹介して迅速かつ適切な商取引を促しつつ、取引の成立性を高め、かつ購入の可能性が高くないグループへも出品情報を紹介して、購買希望者の公平性を担保できる。また、仲介システム10が取引の対象とする不動産物件には、通信ネットワーク20において限定的にしか公開できない未公開物件が含まれる可能性があるが、仲介システム10は、情報を公開(送信)する買取希望者を、購入条件が適するとともに査定値の高いグループから順番に設定することで、取引の対象を極力少ない買取希望者に限定しつつも、購入する可能性の高い購入希望者を選択することで、相反する物件の未公開性および取引の成立性の両方を、最大限に高めることができる。
【0064】
また、送信部90は、出品情報が送信されず受付部100へ紹介を求める申請を送信できないグループに属する購入希望者の中で、購入条件が出品情報と適する購入希望者端末40へ、出品情報の少なくとも一部を送信する付加送信部92を更に有する。これにより、出品情報が送信されていないグループに属する購入希望者が、出品情報の少なくとも一部を見ることが可能となり、情報を受け取った購入希望者は、受付部への受付が可能となった場合に、直ぐに申請を行えるように準備することができ、利便性が向上する。また、付加送信部92は、出品情報が送信されていないグループに属する購入希望者に対して、より上位のグループへ移動することを促すことができ、購入希望者の全体の質を高めることができる。
【0065】
また、送信部90は、購入希望者の購入条件情報から、属するグループよりも査定値が高いグループへ移動するための移動条件を算出し、当該移動条件を購入希望者端末40へ送信する移動条件送信部93を更に有する。これにより、購入希望者は、査定情報をより望ましい条件に修正することが促されるため、購入希望者の全体の質を高めることができる。
【0066】
また、送信部90は、出品情報に適する購入条件情報を有する購入希望者の数を算出して当該数を出品者端末30および購入希望者端末40の少なくとも一方へ送信する見込数送信部94を更に有する。これにより、購入希望者は、査定情報をより望ましい条件に修正することが促され、購入希望者の全体の質を高めることができる。また、出品者は、適する購入希望者の数を認識して、後の交渉の参考とすることができるともに、途中で出品の取りやめを検討したり、出品情報の変更を判断することができる。また、購入希望者は、購入の可能性のある購入希望者の数を知ることで、紹介を求めるか否かを判断する際の参考とすることができる。
【0067】
また、送信部90は、出品情報を送信していないグループへの出品情報の送信を開始するよりも前に、出品者端末30および購入希望者端末40の少なくとも一方へ、出品情報を送信していないグループへの出品情報の送信を開始することを知らせる事前情報送信部95を更に有する。これにより、出品情報を送信されておらずまだ出品者の紹介を求める申請を行うことができないグループの購入希望者は、出品情報を受け取った後に直ぐに申請を行えるように準備することができる。また、既に出品情報を送信されているグループの購入希望者は、購入希望者が増える前に、もう一度情報を確認することができ、購入が促される。
【0068】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、出品できる商品は、取引が可能であれば不動産物件に限定されず、例えば、中古車、宝飾品、家具等の商品や、改築工事、内装工事等のサービス商品であってもよい。
【0069】
また、出品者端末30、購入希望者端末40および管理者端末50へ情報を送信する方法は、電子的な方法であれば専用サイトによる送信に限定されず、例えば電子メールであってもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、グループの数は3つであるが、グループの数は限定されない。グループは、購入希望者の数だけあってもよく、この場合、各グループに1人の購入希望者が存在する。