【課題を解決するための手段】
【0003】
この問題は、電子キーと、電子ロックと、ロッキング動作において電子キー及び電子ロックとは別個にローカルに使用される中央ユニットと、を有するロッキングシステムを動作させる方法によって
解決され、この方法
においては、外部認可コードが、中央ユニットにより、認可コード判定プログラムを用いて生成され、外部認可コードは、電子キーに転送され、且つ、外部認可コードは、電子キーにより、メモリ内において保存され、電子ロックとの間における電子キーのやり取りの際に、外部認可コードは、電子ロックにより、メモリから読み出され、且つ、電子ロックのプロセッサによってチェックされ、この場合に、内部認可コード判定プログラムを使用することにより、プロセッサ自体が、内部認可コードを判定し、且つ、この内部認可コードを電子キーによって受信された外部認可コードと比較し、且つ、判定された内部認可コードが転送された外部認可コードと同一である場合に、プロセッサは、開錠プロセスを許容する。
【0004】
本発明による方法の利点の1つは、複数の電子キー及び複数の電子ロックを伴う状態において、外部認可コードを出力することにより、1つの特定の電子キーのみが、この外部認可コードの入力の際に、特定の電子ロックを開錠する能力を有するという点にあると見なすことができる。
【0005】
本発明による方法の更なる利点は、外部認可コードを判定すると共にこの認可コードを電子キーに転送することにより、電気的認可コードを転送する前においても、操作者によるこのような認可コードに対する要求が正当化される状況
が存在するかどうか、並びに、従って、電子ロックを開錠するための要件が、電子キー及び電子ロックからはリモート状態において、既にローカルに明確化されうるかどうか、をチェックすることができるという点にあると見なすことができる。
【0006】
更には、本発明による方法においては、外部認可コードが中央ユニットによって判定されることに起因し、電子キーを利用可能な状態において有するユーザーによる誤用又は不適切な開錠が不可能である。
【0007】
一回だけ有効な開錠(one−off opening)のみが結果的に許容されるような方式により、中央ユニットの認可コード判定プログラムが外部認可コードを判定すれば、本発明による方法のセキュリティにとって特に好ましい。
【0008】
この結果、特に、操作者が認可コードを保存すると共にその認可コードを再使用する試みが防止される。
【0009】
認可コードが、特に、中央ユニット内のサイクルカウンタを考慮することによって判定される場合には、認可コードは、中央ユニットの認可コード判定プログラムによる一回だけ有効な検証により、認可コードとして特に簡単に判定することが可能であり、この場合に、サイクルカウンタは、開錠対象の電子ロックの開錠プロセスを判定及び記録している。
【0010】
同様に、電子ロックの認可コード判定プログラムが正しい内部認可コードを判定することができるように、電子ロックの認可コード判定プログラムは、同様に、サイクルカウンタを考慮することにより、内部認可コードを判定するようになっている。
【0011】
更には、好ましくは、中央ユニット及び電子ロックの認可コード判定プログラムは、使用される電子キーの識別コード及び開錠対象の電子ロックの識別コードを考慮することにより、個々の認可コードを判定するようになっている。
【0012】
可能な最高レベルのセキュリティを生成するべく、好ましくは、認可コード判定プログラムは、ハッシュアルゴリズムを用いて認可コードを判定するようになっている。
【0013】
中央ユニットの認可コード判定プログラム及び電子ロックの認可コード判定プログラムが、同一のパラメータ及び状態に基づいて認可コードを判定する能力を相互に独立的に有することを保証するべく、好ましくは、その意図された場所における電子ロックの設置の前に、電子ロックは、中央ユニットによって起動されるようになっており、これを実行する際に、中央ユニットは、電子ロックの識別コード及び電子ロックのサイクルカウンタの状態を中央ユニット内において保存されている電子ロックの識別コード及び中央ユニット内において保存されているサイクルカウンタの状態とマッチングさせている。
【0014】
「マッチング」という用語は、対応したデータが、即ち、例えば、識別コード及び/又はサイクルカウンタ状態が、電子ロックと中央ユニットの間において交換されるか、或いは、これらのうちの一方から読み出され、且つ、これらのうちの他方において保存されることを意味するものと解釈されたい。
【0015】
好ましくは、電子ロックの識別コードは、保護されたメモリ内において保存されるようになっている。
【0016】
更には、好ましくは、電子ロックの起動の際に、中央ユニットは、電子ロックと中央ユニットの間において、保存対象のパスワードを、具体的には、電子キー及び電子ロック用の割当パスワードを、例えば、1つ又は複数のアクセスグループに対してマッチングさせるようになっている。
【0017】
割当パスワードが、電子ロックの起動の際に、マッチングされれば、セキュリティにとって特に有利である。
【0018】
割当パスワードは、ここでは、ロックの特定のグループ及び/又はキーの特定のグループに対する電子ロックの割当を規定するべく、意図されている。
【0019】
更には、有利な解決策によれば、電子キーの起動の際に、中央ユニットは、電子キーの識別コードを中央ユニット内に保存されている電子キーの識別コードとマッチングさせるようになっている。
【0020】
この場合にも、「マッチング」という用語は、電子キーが、2つのユニットの間において交換されるか、或いは、一方のユニットから読み出され、且つ、他方のユニット内において保存されるか又は両方のユニット内において同時に保存されることを意味するものと解釈されたい。
【0021】
電子キーの起動の際に、割当パスワードがメモリ内において保存されれば、電子キーの使用にとって特に安全である。
【0022】
更には、好ましくは、電子キーの識別コードが、電子キーのメモリ内において保存されるようになっている。
【0023】
好ましくは、セキュリティハッシュコードが使用された際にのみ、電子キーメモリとの間における書込み及び読出しの実行が可能である。
【0024】
好ましくは、外部認可コードを保存するべく、セキュリティハッシュコードは、電子キー内のプロセッサによって判定されるようになっている。
【0025】
同様に、更には、好ましくは、電子キーの保護されたメモリから外部認可コードを読み出すべく、電子ロック内のプロセッサは、保護されたメモリにアクセスするためのセキュリティハッシュコードを生成するようになっている。
【0026】
保護されたメモリの特性との関連においては、これまでのところ、更なる詳細が提供されてはいない。
【0027】
従って、好適な解決策は、セキュリティプロセッサのメモリを電子キー内のメモリとして使用するステップを提供し、この場合に、セキュリティプロセッサは、具体的には、セキュリティプロセッサのメモリ内において、例えば、認可コード及び/又は識別コード及び/又はパスワードなどのデータを保存できるようにするべく、セキュリティハッシュコードの生成を必要としている。
【0028】
更には、電子ロック自体に対する攻撃行為と、認可されていない電子キーによる攻撃によってなんらかの関連する状態を実現しうるかどうかを電子ロックが少なくとも表示することと、を防止するべく、好ましくは、電子ロック状態信号が、表示のために電子キーに転送され、且つ、従って、具体的には、電子ロック自体は、その状態を表示する能力を有していないようになっている。
【0029】
具体的には、電子キーは、電子ロックによって転送された電子ロック状態を表示するための信号要素を制御するプロセッサを有するようになっている。
【0030】
保護された方式でアクセス認可を取得するための、或いは、特に、後述する特徴による、電子ロック及びユーザーによって携帯される少なくとも1つの電子キーを用いた少なくとも一人のユーザー用の保護されたキーのハンドオーバーのための、方法の一実施形態は、
通信装置を用いた、電子ロック及び/又はユーザーを特徴付ける少なくとも1つの情報のアイテムの、電子ロックからはリモート状態において配置された中央情報処理設備又は中央ユニットに対する送信、
送信された情報の中央情報処理設備によるチェック、
情報のアイテムが肯定的にチェックされた場合における通信装置によるユーザーに対する認可コードの送信、
入力ユニットを用いた、携帯された電子キー内へのユーザーによる認可コードの入力、
電子キーとの間におけるやり取りによる電子ロックの開錠、
という方法ステップを有する。
【0031】
例えば、これを目的として、ロックを特徴付ける情報のアイテムは、数字の組合せにより、或いは、バーコードにより、形成されるようになっている。
【0032】
或いは、この代わりに、又はこれに加えて、具体的には、ユーザーを特徴付ける情報のアイテムは、文字/数字の組合せにより、且つ/又は、パスワードにより、形成されるようになっている。
【0033】
認可コードをユーザーに送信する前に、情報処理
設備又は中央ユニットが、ロック及び/又はユーザーを特徴付ける情報のアイテムに加えて、ユーザーの場所及び/又は使用の時刻の両方の情報のアイテムにリンクされた時間パラメータをチェックすれば、特に好ましい。
【0034】
便利な解決策によれば、電子ロックは、管状金庫のロッキング蓋上において配置されており、電子ロックがアンロックされたら、少なくとも1つの更なる空間にアクセスするべく、物理キーが、このロッキング蓋から取得されるようになっている。
【0035】
更には、便利には、起動及び/又は起動停止の際に、その結果解放された電子ロック及び/又は設備は、情報のアイテムを中央情報処理設備又は中央ユニットに送信するようになっている。
【0036】
好ましい解決策によれば、携帯電話機が、電子ロック及び/又はユーザーを特徴付ける少なくとも1つの情報のアイテムを送信すると共に/又は認可コードを受信するための通信装置として使用されるようになっている。
【0037】
具体的には、通信装置が、電子ロック及び/又はユーザーを特徴付ける少なくとも1つの情報のアイテムを取得することができると共に/又は、認可コードを受信することができると共に/又は、認可コードを電子キーに送信することができるアプリケーションソフトウェアを収容しておれば、便利である。
【0038】
1つの特に有利な変形は、通信装置と電子キーが1つのユニットを形成するような方式によって実施されている。
【0039】
ロックからリモート状態において配置された中央情報処理設備に対して通信装置によって送信されると共にそこでチェックされる、例えば、通信装置によって又はユーザーによって手動で機械可読であるロックの領域内において配置されたコードなどの電子ロックを特徴付ける情報のアイテムの、並びに、例えば、通信装置に入力されたパスワード又は文字/数字の組合せなどのユーザーを特徴付ける情報のアイテムの、チェックに起因し、高度なセキュリティが実現されている。アクセス認可は、開錠対象の電子ロックの領域内においてローカルにチェック及び認可されるのではなく、その代わりに、これからはリモート状態において、中央ユニットを有する情報処理設備内において、チェック及び認可される。
【0040】
認可コードが付与及び送信されたら、この認可コードは、ユーザーによって携帯される電子キーに転送され、これにより、電子ロックが、次いで、開錠される。認可コードの電子キーへの転送は、更なる有利なセキュリティ障壁を提供する。又、転送された認可コードの電子キーへの入力装置による手動による入力の代わりに、認可コードは、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線送信機、又はその他の短距離送信方法による転送により、通信装置から電子キーに自動的に転送することもできる。
【0041】
電子ロックは、このケースにおいては、それ自体が、保護された領域又は保護された設備に対するアクセス認可を許容することができる。但し、一代替実施形態においては、保護された領域は、例えば、建物の外部に又は建物の近傍に配置された管状金庫などの相対的に小さな強盗防止型のコンテナによって形成されている。この管状金庫においては、電子ロックは、電子キーによって一旦開錠されたら、物理キーに対するアクセスを提供し、この物理キーにより、建物にアクセスすることができる。特に有利には、物理キーは、ここでは、建物から離れたら、必ず、物理キーが管状金庫に戻されると共に管状金庫がロッキング蓋によって再度ロックされるように、電子ロックを収容する管状金庫のロッキング蓋の内側に対して接続されている。
【0042】
更なる有利な使用法によれば、認可コードがチェックされたら、電子ロックは、電子キーの電圧源によって送信される電圧(任意選択により、電圧変圧器によって変更されている)を受け取り、且つ、この電圧を、その起動のために(任意選択により、制御装置の介入を伴って)電気モーター化ロック又は電気アクチュエータに中継している。
【0043】
1つの特に単純な実施形態においては、通信装置は、ユーザー(例えば、セキュリティサービス警備員)が情報処理設備(例えば、セキュリティサービス制御室)を呼び出すと共に自身の名前、ロックに固有の情報のアイテム、及びパスワードを転送する携帯電話機によって形成されており、その際に、情報処理設備は、これらの情報のアイテムをチェックし、更には、任意選択により、それらをファイル上のシフトプランとマッチングさせ、且つ、すべての情報のアイテムの肯定的な評価の場合に、認可コードをユーザー又は通信装置に転送する。ユーザーに対しては、電話機により、或いは、情報処理設備内のコンピュータによって生成されるショートメッセージを介して、認可コードについて通知することができる。
【0044】
ユーザーは、入力ユニットを介して、この認可コードを自身が携帯する電子キーに転送し、且つ、次いで、接触により、或いは、例えば、無線を介した非接触型の信号転送により、電子キーによって電子ロックを起動することができる。
【0045】
この特に単純な実施形態に基づいて、これらのステップの1つ又は複数は、自動的に進行することができる。従って、電子ロックコードは、例えば、通信装置内において保存されているソフトウェア(「app」)及び適切なセンサ(例えば、通信装置として機能するスマートフォンのカメラ)によって自動的に読み出すことができる。これは、例えば、スマートフォン内において保存されているバーコード読取プログラム又はAztecコード読取プログラムによって進行することが可能であり、これを目的として、これらのケースにおいては、適切なグラフィカルコードが、電子ロックの領域内において配置されている。但し、例えば、眼には見えない磁気エンコードされた信号などの、電子ロックの領域内に配置されたその他の電子信号生成器及び通信装置内においてこれに対して相応して制御されているセンサも、可能である。
【0046】
又、認可コードは、バーコードとして、QRコード(登録商標)として、又は類似の形態において、ユーザーのスマートフォンに転送することができる。転送されるコードが、機械可読形態において転送される場合には、このコードは、次いで、通信装置(スマートフォン)から、電子キー上の電子入力装置に転送される。
【0047】
又、電子ロックに固有の情報のアイテム及びユーザーによる入力を、例えば、文字/数字の組合せとして読み込んだ後に、例えば、通信装置内において保存されているソフトウェアにより、ユーザーを特徴付ける情報のアイテムを自動的に要求することも可能であり、且つ、情報処理設備に転送することもできる。
【0048】
更なる有利な方法ステップによれば、認可コードをユーザーに送信する前に、情報処理設備は、電子ロック及び/又はユーザーを特徴付ける情報のアイテムに加えて、使用の場所及び/又は使用の時刻に関する両方の情報のアイテムにシフトプランによってリンクされた情報のアイテムをチェックするようになっている。この結果、更なるセキュリティが生成され、その理由は、これにより、アクセスコードが、警備員の正常な意図されたルートの完全に外側において転送されないことが保証されるからである。
【0049】
本発明の更なる有利な変形によれば、電子ロック及び/又はこれによって保護された設備は、電子ロックの解放の際に且つロックの際に、情報のアイテムを中央情報処理設備に送信するようになっている。
【0050】
システムの有利な更なる変形によれば、中央情報処理設備内におけるチェックは、ロックの意図された開錠のためにファイル上の時刻表(特に、警備員の計画されたルート)に基づいてロック及び/又はユーザーを特徴付ける情報のアイテムを検証する少なくとも1つの時間パラメータの評価を含むようになっている。
【0051】
1つの特定の変形によれば、通信装置及び電子キーが1つのユニットを形成するようにすることができる。このユニットは、ロック及び/又はユーザーを特徴付ける情報のアイテムを取得すると共に中央情報処理設備に送信し、且つ、電子キーの機能によって認可コードを受信するべく、送信機及び受信機のすべての機能を組み合わせている。受信された認可コードにより、例えば、磁気トランスポンダなどの電子キーは、電子ロックを開錠するべく使用されうるように、プログラムされている。
【0052】
本発明は、例えば、国際特許出願公開第2012/045474A1号パンフレットにおいて開示されているものなどの管状金庫との関連において使用することができる。電子ロック上において位置決めされたら、電子キーとしてのトランスポンダは、ここでは、ロッキング蓋を除去するためのハンドルとして直接的に機能する。
【0053】
冒頭において記述されている問題は、更には、接点組立体及び対をなす接点組立体によって互いにやり取りするように構成された電子キー及び電子ロックを有する電子ロッキングシステムによって解決され、電子キーは、外部で生成された認可コードがプロセッサに転送されうる入力ユニットとやり取りするプロセッサを有し、プロセッサは、メモリとやり取りし、且つ、外部で生成された認可コードをメモリ内に書込み、且つ、電子ロックは、接点組立体及び対をなす接点組立体を介した電子ロックとの間における電子キーのやり取りの際に、外部で生成された認可コードを読み出すべく、電子キー内のメモリとやり取りするプロセッサを有する。
【0054】
本発明による解決策の利点については、本発明による方法との関連において既に説明済みであり、且つ、従って、これらを参照されたい。
【0055】
更なる利点は、外部で生成された認可コードが利用可能ではない場合に、開錠が電子キー及び電子ロックによってのみ可能となることなしに、可能な最高のセキュリティを伴って電子キー及び電子ロックを使用することが結果的にできるという点にあると見なすことができる。
【0056】
電子キーのセキュリティを向上させるべく、好ましくは、電子キー内のメモリは、保護されたメモリであり、且つ、電子キーのプロセッサは、外部で生成された認可コードを保護されたメモリ内において保存するべく、セキュリティコードを生成するようになっている。
【0057】
又、保護されたメモリから認可コードを読み出す際に高度なセキュリティを保証するべく、好ましくは、電子ロックのプロセッサは、保護されたメモリ内において保存されている認可コードを読み出すべく、セキュリティコードを生成するようになっている。
【0058】
更には、好ましくは、電子キーは、電子ロックから電子キーに転送された電子ロック状態を表示するべく、表示要素を有するようになっている。
【0059】
このケースにおいては、便利には、電子ロックのプロセッサは、現在の電子ロック状態に関する状態信号を電子キーのプロセッサに転送し、且つ、電子キーのプロセッサは、転送された状態に従って電子キーの表示要素を制御するようになっている。
【0060】
保護されたメモリの実施形態との関連においては、これまでのところ、更なる詳細が提供されてはいない。
【0061】
従って、有利な解決策によれば、保護されたメモリは、セキュリティプロセッサのメモリであるようになっている。
【0062】
このようなセキュリティプロセッサは、好ましくは、セキュリティコードの転送の際にのみ、保護されたメモリへのアクセスを許容するプロセッサである。
【0063】
セキュリティコードは、ここでは、便利には、ハッシュアルゴリズムによって判定することができる。
【0064】
内部電源によって電子ロックを動作させることが原則的に常に可能であってもよいであろう。
【0065】
但し、このケースにおいては、内部電源は、特に電子ロックが長期間にわたって使用されていない際に、電圧源がもはや十分な電圧を提供しなくなるという欠点を有する。
【0066】
この理由から、便利には、電子ロックは、電子キーの電圧源によって動作可能であるようになっている。
【0067】
電子ロックは、ここでは、更に、内部電圧源を有することも可能であり、且つ、内部電圧源の障害の場合に、電子キーの電圧源によってのみ、動作可能であってもよいであろう。
【0068】
但し、電子ロックが、常に、電子キーの電圧源によってのみ、動作可能であれば、特に好ましく、その理由は、このケースにおいては、電圧の印加が、電子ロックの機能を開始するためにも機能しうるからである。
【0069】
更には、本発明による解決策によれば、電子ロックは、ロッキングボルトを作動させるためのロッキングドライブを有するようになっている。
【0070】
従って、このケースにおいては、電気ロックは、それ自体が、ロッキングドライブの作動により、開錠プロセスを、或いは、ロッキングドライブの非作動により、施錠を、トリガする能力を直接的に有する。
【0071】
電子ロックがロッキングドライブを有する場合には、同様に、好ましくは、電子ロックのロッキングドライブは、電子キーの電圧源によって動作可能であるようになっている。
【0072】
このケースにおいては、便利には、電子ロックは、ロッキングドライブを動作させるべく、電圧変圧器を有するようになっており、その理由は、このようなロッキングドライブは、一般に、電子キー及び電子ロック内のプロセッサを動作させるべく必要とされるものよりも高い電圧を必要としているからである。
【0073】
更なる有利な解決策によれば、電子ロック内における電気ロッキングドライブの提供の代替肢として、電子ロックは、外部ロッキングシステムを起動及び機能固定するべく、スイッチユニットを有するようになっている。
【0074】
このケースにおいては、電子ロック自体は、ロッキングプロセス又は開錠プロセスをトリガ又は開始するべく直接的に機能することはなく、電子ロックは、その代わりに、外部ロッキングシステムを起動又は機能固定するべく機能する。
【0075】
従って、例えば、電子キー及び電子ロックを使用することにより、不十分なレベルのセキュリティしか有していない既存のロッキングシステムを利用することができる。
【0076】
その結果、これらの既存のロッキングシステムは、電子ロックが既存のロッキングシステムを起動又は機能固定した場合に、相対的に高いセキュリティのレベルを、即ち、電子キー又は電子ロックのセキュリティのレベルを、もたらすことができる。
【0077】
更なる有利な解決策によれば、電子キーは、中央ユニットによって電子キーを起動するためのインターフェイスを有するようになっている。
【0078】
中央ユニットは、中央ユニットが、電子キーを起動することが、且つ、従って、認可コードを生成すべく必要とされる電子キーデータについて認知することが、必要となるように、外部認可コードを生成するべく機能する。
【0079】
更には、電子ロックは、中央ユニットによって電子ロックを起動するためのインターフェイスを有するようになっている。
【0080】
又、このケースにおいては、電子ロックを外部認可コードの生成を許容する状態とするためにも、電子ロックの起動が必要とされている。
【0081】
具体的には、好ましくは、電子キー及び電子ロックは、起動の際に第三者によって受信されるデータに照らして可能な最高のセキュリティを実現するべく、有線接続を介して中央ユニットによって起動されるようになっている。
【0082】
データ及び/又はエネルギーを電子ロックに転送するための少なくとも2つの接点を有する電子キーの有利な解決策は、認可コードを入力するべく電子キーのハウジング上に設けられた少なくとも1つの入力装置を提供している。
【0083】
ここでは、入力装置及び接点が、ハウジングの異なる側に配置されておれば、有利である。
【0084】
具体的には、入力装置は、前面上に配置され、且つ、接点は、ハウジングの反対側の裏面上に配置されることが好ましい。
【0085】
電子キーには、便利には、少なくとも1つの電圧が提供される。
【0086】
具体的には、電子キーには、電子ロック上における対応したカウンタ磁石との協働状態においてセンタリングするための少なくとも1つの磁石が提供されている。
【0087】
更には、電子キーの接点は、ハウジング内において弾性を有する方式で取り付けられている。
【0088】
電子ロッキングシステムは、少なくとも2つの同心状に配置された対をなす接点及び磁気センタリング手段が設けられた少なくとも1つの電子ロックを更に有する。
【0089】
ここで、対をなす接点は、具体的には、電子キーの任意の望ましい相対的な角度位置において電子キーの接点との接触状態となる同心円の形態を有する。
【0090】
電子ロックは、便利には、管状金庫のロッキング蓋上において配置されており、この場合に、電子ロックとの接触状態にある電子キーは、ロッキング蓋の作動のためのハンドルとして機能する。
【0091】
電子ロックは、例えば、保護対象の設備のモーター化ロックの上流において配置されており、且つ、このモーター化ロックに対する電流供給を起動する。
【0092】
但し、制御装置が電子ロックとモーター化ロックの間において配置されることも想定可能であり、制御装置に対する電流供給は、電子ロックとの接触状態となり、且つ、入力ユニットによって入力された認可コードの検証に成功した際に、電子キーによって起動される。
【0093】
更には、好ましくは、電子ロッキングシステムの実施形態は、ロッキングシステムを動作させるための冒頭において記述した方法に従って動作するようになっている。
【0094】
本発明によれば、具体的には、大部分の様々なロックを開錠するべく簡便に且つ交互に起動されうる電子キーを提供することができる。
【0095】
本発明による電子キーは、ここでは、特に有利には、少なくとも1つの電子ロックとやり取りしている。
【0096】
本発明による電子キーは、認可コードを入力するべく電子キーのハウジング上に配置された入力ユニットによって弁別される。入力装置は、ここでは、数字又はアルファベットキーボードの形態を有することが可能であり、望ましい解放のための認可コードは、このケースにおいては、ユーザーによって手動で入力される。
【0097】
本発明の更なる一態様によれば、電子キーは、様々な電子ロックを開錠するべく入力ユニットを介して入力可能な認可コードによってプログラム可能である。
【0098】
又、入力ユニットは、この代わりに、或いは、これに加えて、電子取得装置によって形成することもできる。電子取得装置は、例えば、ユーザーによる、或いは、ユーザーによって操作される通信装置(例えば、スマートフォン)による、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、或いは、これらに類似したものの、無線、Bluetooth(登録商標)、RFID、又はNFC通信により、或いは、光学転送により、転送される認可コードを取得する読取器又は受信機によって形成することができる。
【0099】
認可コードは、好ましくは、電子キーのメモリ内においてバッファ処理され、且つ、電子ロックとの接触後に、少なくとも1つの接点を介して、電子ロックに転送される。
【0100】
開錠対象の電子ロックの空間的な近傍の外側において入力ユニットによって電子キーに別個に入力可能である認可コードは、アクセス認可の認証におけるセキュリティを大幅に向上させ、その理由は、認可されていない第三者による対応したアクセスデータの傍受がほぼ不可能であり、且つ、認可コードが完全に入力される時点まで、電子キーが電子ロックの近傍に移動しないからである。
【0101】
盗難に遭うか又は失われた電子キーは、対象のキーが認可コードによって準備されている電子ロックを識別することができない窃盗犯又は発見者にとっては、無価値である。
【0102】
入力ユニット及び接点は、好ましくは、ハウジングの異なる側に配置されている。特に好ましくは、入力装置は、ハウジングの前面上に配置されており、且つ、接点は、ハウジングの裏面上に配置されている。又、この結果、入力装置は、接点が電子ロック上の個々の対をなす接点との係合状態にある位置において、非常に簡単な方式で作動させることができる。
【0103】
電子キーには、特に好ましくは、電子キーの電子コンポーネント用の内部電源として機能するのみなず、少なくとも、電子ロックを内部電源に接続することができない開錠プロセス或いは初期化又は起動プロセスにおいて電子ロックに供給するように機能する少なくとも1つの電圧源(好ましくは、充電可能な蓄電池を有する)が提供されている。
【0104】
利点は、電子ロックが提供された設備に対して動作電圧を永久的に供給する必要がないという点にあり、その理由は、開錠のために必要とされる電流が、必要に応じて、電子キーによってのみ、供給されるからである。従って、物理キーがその内部に配置された送電網に接続されていない状態(off−grid)で設置された管状金庫は、例えば、なんらの固定電源を伴うことなしにのみならず、交換を要する電池を伴うことなしに、動作させることができる。その結果、これらのシステムにおける保守及び損耗の費用が低減される。
【0105】
同様に、金庫−預入ボックス、貴重品用の預入ボックス、又は金庫も、永久的な電源を伴うことなしに、動作させることが可能であり、その理由は、アクセスを初期化するための電流が、電子キーによって供給されるからである。アクセス認可の認証が確認されたら、電子ロックは、任意選択により、ここでは、まず、制御装置を作動させ、これにより、モーター化ロック又は別のアクチュエータを作動させるための外部動作電圧源が起動される。
【0106】
電子キーには、好ましくは、電子ロック上における対応したカウンタ磁石との協働状態におけるセンタリングのために、少なくとも1つの磁石(具体的には、環状磁石)が提供されている。相互に吸引する磁気力は、電子ロックに接近するのに伴って、電子キーを自動的に接触位置に移動させる。
【0107】
確実な接触の形成を支援するべく、電子キー上の接点は、好ましくは、そのハウジング内において弾性を有する方式で取り付けられている。
【0108】
電子キーとは別に、電子ロッキングシステムは、少なくとも2つの同心状に配置された対をなす接点及び磁気センタリング手段が設けられた電子ロックを少なくとも有する。
【0109】
電子ロッキングシステムの1つの有利な使用法によれば、電子ロックは、管状金庫のロッキング蓋上において配置されており、この場合に、電子ロックとのその接触位置にある電子キーは、好ましくは、同時に、ロッキング蓋の作動のためのハンドルとして機能している。
【0110】
電子ロッキングシステムの一代替使用法によれば、電子ロックは、保護対象の設備のモーター化ロック又はアクチュエータの上流において配置されており、且つ、これらに対する電流供給を起動している。既に上述したように、金庫−預入ボックス、貴重品用の預入ボックス、又は金庫は、永久的な電源を伴うことなしに動作させることが可能であり、その理由は、アクセスを初期化するための電流が、電子キーによって供給されるからである。
【0111】
アクセス認可の認証が確認されたら、電子ロックは、任意選択により、ここでは、まず、制御装置を作動させ、これにより、次いで、モーター化ロック又は別のアクチュエータを作動させるための外部動作電圧源が起動される。
【0112】
電子ロック上の対をなす接点の面は、好ましくは、電子キーの任意の望ましい相対的な角度位置において電子キーの接点との接触状態となる同心円の形態を有する。電子キーを電子ロックと間において回転的にアライメントさせる必要がないことから、視認性が乏しい場合にも、ユーザーが電子キーを電子ロック上においてドッキングすることが極めて容易である。
【0113】
又、本発明は、更には、管状本体内において挿入された状態におけるそのロッキング位置において管状本体蓋をロック又はアンロックするべく、管状本体と、電子ロックがその内部において配置されている管状本体蓋と、を有する管状金庫にも関する。
【0114】
キーは、好ましくは、管状本体内において保存されており、その理由は、管状本体が、一般に、キーの金庫として機能しているからである。
【0115】
キーに対する容易なアクセスを得るのみならず、特に管状本体がロッキング位置に移動した際にキーが管状本体蓋との間において挟まって動かなくなった状態となることなしに、管状本体内においてキーを容易に預け入れることができるように、本発明による管状金庫の一実施形態によれば、管状本体蓋を有する管状本体内に挿入されうるか又はこれから除去されうるキーコンテナが、管状本体蓋上において取り付けられるようになっている。
【0116】
キーコンテナは、ここでは、好ましくは、キー用の収容空間を有し、これにより、キーが、キーコンテナ内において簡単に預け入れられうると共にそれから除去されうるように、構築されている。
【0117】
更には、好ましくは、キーは、キーコンテナからの完全な除去に抗してキーコンテナに対して固定されており、これにより、キーが、使用の際に失われず、或いは、許可なくキーコンテナから除去されないことが保証されるようになっている。
【0118】
更なる有利な解決策によれば、キーコンテナの収容空間は、キーが除去されうるか又はその内部において挿入されうる開口部を通じてアクセス可能であるようになっている。
【0119】
操作者が、管状本体内においてキーコンテナを預け入れ、且つ、特に、管状本体のロックの際に、管状本体が管状本体蓋によってロックされるような方式により、キーコンテナを預け入れることを保証するべく、好ましくは、管状本体内のキーコンテナの位置は、センサによって取得されうるようになっている。
【0120】
センサは、任意の種類のセンサによって形成することができよう。
【0121】
センサが、キーコンテナ上において取り付けられた磁石を認識する磁界センサであれば、特に単純且つ確実である。
【0122】
センサ信号を簡単に評価しうるように、好ましくは、センサは、管状本体蓋のロッキング位置を、例えば、上述の中央ユニットなどのセキュリティセンタに転送する転送ユニットとの間においてやり取りするようになっている。
【0123】
管状本体が管状本体蓋によって適切に閉鎖されたことを完全に特定するべく、更なる有利な解決策によれば、管状本体内の管状本体蓋のロッキング位置を取得するセンサが、管状本体上において配置されるようになっている。
【0124】
このケースにおいても、好ましくは、管状本体蓋には、磁石が提供され、その位置が、センサによって取得されるようになっている。
【0125】
又、このセンサは、好ましくは、管状金庫のロッキング状態をセキュリティセンタ又は冒頭において記述されている中央ユニットに伝達するべく、既に上述した転送ユニットとの間においてやり取りする。
【0126】
本発明の更なる特徴及び利点は、特定の例示用の実施形態に関する以下の説明及び添付図面の主題を構成している。