特許第6806600号(P6806600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806600非接触電力伝送ユニット及び非接触電力伝送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806600
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】非接触電力伝送ユニット及び非接触電力伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20201221BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20201221BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20201221BHJP
【FI】
   H01F38/14
   H02J50/40
   H02J50/10
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-48752(P2017-48752)
(22)【出願日】2017年3月14日
(65)【公開番号】特開2018-152501(P2018-152501A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸羽 辰夫
(72)【発明者】
【氏名】古橋 杏子
(72)【発明者】
【氏名】松下 健治
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄太
(72)【発明者】
【氏名】田中 信吾
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−219136(JP,A)
【文献】 特開2012−134217(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第107146700(CN,A)
【文献】 特開2006−173415(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0153741(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102545393(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/14
H02J 50/10
H02J 50/40
B60L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定される基準線上に設けられ、信号を送信又は受信する通信部と、
前記基準線に沿うそれぞれのコイル軸線を中心に渦巻状に形成され、前記基準線周りに設けられる複数のコイル部を有し、前記基準線に沿った方向から見て少なくとも1組の隣り合う前記コイル部において一方の前記コイル部と他方の前記コイル部とが相互に前記コイル軸線を中心に逆回りに電流が流れ、非接触で電力を伝送する電力伝送コイルと、
を備えることを特徴とする非接触電力伝送ユニット。
【請求項2】
前記複数のコイル部は、
1本の導線が前記基準線に直交する方向に沿って巻き回されて形成されている請求項1に記載の非接触電力伝送ユニット。
【請求項3】
前記電力伝送コイルは、
前記複数のコイル部が偶数個設けられ、隣り合う全ての前記コイル部の組み合わせにおいて一方の前記コイル部と他方の前記コイル部とが相互に前記コイル軸線を中心に逆回りに電流が流れる請求項1又は2に記載の非接触電力伝送ユニット。
【請求項4】
前記複数のコイル部は、
それぞれの前記コイル軸線が前記基準線と同軸上に位置し、前記基準線に沿った方向から見た場合に、隣り合う前記コイル部において一方の前記コイル部が内側に位置し他方の前記コイル部が外側に位置する請求項1又は2に記載の非接触電力伝送ユニット。
【請求項5】
非接触で電力を送電する送電側の非接触電力伝送ユニットと、
前記送電側の非接触電力伝送ユニットから送電された電力を受電する受電側の非接触電力送電ユニットと、を備え、
少なくとも前記送電側の非接触電力伝送ユニット又は前記受電側の非接触電力伝送ユニットの一方は、
予め設定される基準線上に設けられ、信号を送信又は受信する通信部と、
前記基準線に沿うそれぞれのコイル軸線を中心に渦巻状に形成され、前記基準線周りに設けられる複数のコイル部を有し、前記基準線に沿った方向から見て少なくとも1組の隣り合う前記コイル部において一方の前記コイル部と他方の前記コイル部とが相互に前記コイル軸線を中心に逆回りに電流が流れ、非接触で電力を伝送する電力伝送コイルと、
を有することを特徴とする非接触電力伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触電力伝送ユニット及び非接触電力伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触電力伝送装置は、送電側の非接触電力伝送ユニットから受電側の非接触電力伝送ユニットに非接触で電力を伝送する。送電側又は受電側の非接触電力伝送ユニットは、電磁誘導等により電力を伝送する電力伝送コイルを備え、当該電力伝送コイルに電流が流れることで電力伝送コイルから磁界が放射される。特許文献1は、電力伝送コイルから放射される放射磁界が外部に影響することを抑制するために、電力伝送コイルを分割した複数の単位コイルを有し、隣接する単位コイルに逆回りの電流を流し放射磁界を相殺し抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−134217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非接触電力伝送ユニットは、電力伝送コイルと共に通信機を備えることが望まれている。この場合、非接触電力伝送ユニットは、電力伝送コイルによる放射磁界が通信機に影響することを抑制するために、通信機を電力伝送コイルから遠ざけて設置する傾向がある。このため、非接触電力伝送ユニットは、ユニットが大型化するので、この点で改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放射磁界を抑制した上でユニットの大型化を抑制することができる非接触電力伝送ユニット及び非接触電力伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る非接触電力伝送ユニットは、予め設定される基準線上に設けられ、信号を送信又は受信する通信部と、前記基準線に沿うそれぞれのコイル軸線を中心に渦巻状に形成され、前記基準線周りに設けられる複数のコイル部を有し、前記基準線に沿った方向から見て少なくとも1組の隣り合う前記コイル部において一方の前記コイル部と他方の前記コイル部とが相互に前記コイル軸線を中心に逆回りに電流が流れ、非接触で電力を伝送する電力伝送コイルと、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記非接触電力伝送ユニットにおいて、前記複数のコイル部は、1本の導線が前記基準線に直交する方向に沿って巻き回されて形成されていることが好ましい。
【0008】
また、上記非接触電力伝送ユニットにおいて、前記複数のコイル部は、それぞれが前記基準線に交差する方向に隣り合うことが好ましい。
【0009】
また、上記非接触電力伝送ユニットにおいて、前記複数のコイル部は、それぞれの前記コイル軸線が前記基準線とずれて位置し、かつ、前記基準線に沿った方向から見た場合に相互に隣り合うことが好ましい。
【0010】
また、上記非接触電力伝送ユニットにおいて、前記電力伝送コイルは、前記複数のコイル部が偶数個設けられ、隣り合う全ての前記コイル部の組み合わせにおいて一方の前記コイル部と他方の前記コイル部とが相互に前記コイル軸線を中心に逆回りに電流が流れることが好ましい。
【0011】
また、上記非接触電力伝送ユニットにおいて、前記複数のコイル部は、それぞれの前記コイル軸線が前記基準線と同軸上に位置し、前記基準線に沿った方向から見た場合に、隣り合う前記コイル部において一方の前記コイル部が内側に位置し他方の前記コイル部が外側に位置することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る非接触電力伝送システムは、非接触で電力を送電する送電側の非接触電力伝送ユニットと、前記送電側の非接触電力伝送ユニットから送電された電力を受電する受電側の非接触電力送電ユニットと、を備え、少なくとも前記送電側の非接触電力伝送ユニット又は前記受電側の非接触電力伝送ユニットの一方は、予め設定される基準線上に設けられ、信号を送信又は受信する通信部と、前記基準線に沿うそれぞれのコイル軸線を中心に渦巻状に形成され、前記基準線周りに設けられる複数のコイル部を有し、前記基準線に沿った方向から見て少なくとも1組の隣り合う前記コイル部において一方の前記コイル部と他方の前記コイル部とが相互に前記コイル軸線を中心に逆回りに電流が流れ、非接触で電力を伝送する電力伝送コイルと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る非接触電力伝送ユニット及び非接触電力伝送システムは、基準線上に設けられる通信部と、当該基準線周りに設けられる渦巻状の複数のコイル部とを備え、隣り合うコイル部が相互に逆回りに電流が流れる。これにより、非接触電力伝送ユニット及び非接触電力伝送システムは、放射磁界を抑制することが可能となり、通信部を複数のコイル部の中央に設けることができるのでユニットの大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る非接触電力伝送システムの構成例を示す図2のX−X断面図である。
図2図2は、実施形態に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す正面図である。
図3図3は、実施形態に係る非接触電力伝送ユニットの放射磁界を示す概念図である。
図4図4は、実施形態に係る非接触電力伝送ユニットの放射磁界の度合を示す図である。
図5図5は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図6図6は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図7図7は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図8図8は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図9図9は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図10図10は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図11図11は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図12図12は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図13図13は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図14図14は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図15図15は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図16図16は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図17図17は、変形例1に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図18図18は、変形例2に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図19図19は、変形例2に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図20図20は、変形例3に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
図21図21は、変形例3に係る非接触電力伝送ユニットの構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0016】
〔実施形態〕
実施形態に係る非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100について説明する。非接触電力伝送システム100は、図示しない電源からの電力を非接触で伝送するシステムである。非接触電力伝送システム100は、例えば、車両に搭載され、図1に示すように、非接触で電力を送電する送電側の非接触電力伝送ユニット1aと、当該送電側の非接触電力伝送ユニット1aから送電された電力を受電する受電側の非接触電力伝送ユニット1bとを備える。非接触電力伝送システム100は、送電側の非接触電力伝送ユニット1aと受電側の非接触電力伝送ユニット1bとが通信可能かつ電力伝送可能にコイル軸線方向に対向して設置される。
【0017】
送電側及び受電側の非接触電力伝送ユニット1a、1bは、基準線Za上に設けられる通信カプラ20と、当該基準線Za周りに設けられる渦巻状の複数のコイル部31とを備え、隣り合うコイル部31が相互に逆回りに電流が流れる。これにより、送電側及び受電側の非接触電力伝送ユニット1a、1bは、放射磁界を抑制することが可能となり、通信カプラ20を複数のコイル部31の中央に設けることができるのでユニットの大型化を抑制できる。以下、送電側及び受電側の非接触電力伝送ユニット1a、1bについて詳細に説明する。送電側の非接触電力伝送ユニット1aと受電側の非接触電力伝送ユニット1bとは、同様の構成であるため、特に断りがない限り、単に非接触電力伝送ユニット1と称する。
【0018】
非接触電力伝送ユニット1は、非接触で電力を伝送するユニットであり、基板10と、通信部としての通信カプラ20と、電力伝送コイル30とを備える。基板10は、矩形の平板状に形成され、例えば、透磁率の高い磁性体であるフェライトを含んでいる。
【0019】
通信カプラ20は、無線で信号を送信又は受信する機器である。通信カプラ20は、例えば、近接無線転送技術であるTransferJet(登録商標)を用いて無線通信を行う。通信カプラ20は、予め設定される基準線Za上に設けられる。ここで、基準線Zaは、例えば、基板10の略中央を基板10の実装面11に対して垂直に通過する線である。通信カプラ20は、図2に示すように、後述する複数のコイル部31が当該通信カプラ20の周囲に設けられている。通信カプラ20と各コイル部31との間には、一定の間隔が設けられている。これにより、通信カプラ20と各コイル部31とを電気的に絶縁することができる。また、各コイル部31に発生する熱が通信カプラ20に伝わることを抑制することができる。従って、通信カプラ20の通信性能が低下することを抑制することができる。
【0020】
電力伝送コイル30は、非接触で電力を伝送するコイルである。電力伝送コイル30は、複数のコイル部31、例えば4個のコイル部31a〜31dを有する(図2参照)。電力伝送コイル30は、各コイル部31a〜31dがそれぞれのコイル軸線Zbを中心に渦巻状に形成されている。ここで、各コイル部31a〜31dのコイル軸線Zbは、基準線Zaに沿った直線である。電力伝送コイル30は、導線が基準線Za(コイル軸線Zb)に直交する直交方向に沿って巻き回され各コイル部31a〜31dが平面状に形成されている。電力伝送コイル30は、基準線Zaの方向から見た場合、各コイル部31a〜31dが矩形状かつ同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30は、コイル部31aとコイル部31cとが対向し、かつ、コイル部31bとコイル部31dとが対向している。電力伝送コイル30は、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30の外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30は、例えば、各コイル部31a〜31dが1本の導線から形成されている。つまり、電力伝送コイル30は、1本の導線が巻き回されて4個の渦巻状の各コイル部31a〜31dが形成されている。
【0021】
電力伝送コイル30は、各コイル部31a〜31dが基準線Za周りに設けられている。例えば、電力伝送コイル30は、基板10の実装面11において、基準線Zaが通過する通信カプラ20の周りに各コイル部31a〜31dが設けられている。換言すれば、電力伝送コイル30は、各コイル部31a〜31dのそれぞれのコイル軸線Zbが基準線Zaとずれて位置し、かつ、基準線Zaに沿った方向から見た場合に各コイル部31a〜31dが相互に隣り合う。例えば、電力伝送コイル30は、各コイル部31a〜31dが基準線Zaに交差する方向に隣り合う。典型的には、電力伝送コイル30は、各コイル部31a〜31dが基準線Zaに直交する直交方向に隣り合う。
【0022】
電力伝送コイル30は、コイル部31aがコイル部31bと隣り合い、コイル部31bがコイル部31cと隣り合い、コイル部31cがコイル部31dと隣り合い、コイル部31dがコイル部31aと隣り合った状態で実装面11に実装される。電力伝送コイル30は、実装面11側から見た場合、1本の導線が外側から内側に向けて時計回りに巻き回されてコイル部31aが形成されており、コイル部31aの端部から延在する導線が外側から内側に向けて反時計回りに巻き回されてコイル部31bが形成されており、コイル部31bの端部から延在する導線が外側から内側に向けて時計回りに巻き回されてコイル部31cが形成されており、コイル部31cの端部から延在する導線が外側から内側に向けて反時計回りに巻き回されてコイル部31dが形成されている。
【0023】
これにより、電力伝送コイル30は、隣り合うコイル部31において一方のコイル部31と他方のコイル部31とが相互にコイル軸線Zbを中心に逆回りに電流が流れる。電力伝送コイル30は、例えば、複数のコイル部31が偶数個設けられる場合、隣り合う全てのコイル部31の組み合わせにおいて一方のコイル部31と他方のコイル部31とが相互にコイル軸線Zbを中心に逆回りに電流が流れる。例えば、電力伝送コイル30は、図3に示すように、実装面11側から見た場合、コイル部31aに時計回りの電流が流れ、コイル部31aと隣り合うコイル部31bに反時計回りの電流が流れ、コイル部31bと隣り合うコイル部31cに時計回りの電流が流れ、コイル部31cと隣り合うコイル部31dに反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30は、隣り合う各コイル部31において一方のコイル部31と他方のコイル部31とが相互に磁界の向きが異なる。例えば、電力伝送コイル30は、コイル部31aに発生する磁界の向きと、当該コイル部31aと隣り合うコイル部31bに発生する磁界の向きとが逆向きであり、コイル部31bに発生する磁界の向きと、当該コイル部31bと隣り合うコイル部31cに発生する磁界の向きとが逆向きであり、コイル部31cに発生する磁界の向きと、当該コイル部31cと隣り合うコイル部31dに発生する磁界の向きとが逆向きである。これにより、電力伝送コイル30は、隣り合うコイル部31において磁界の向きが相互に逆向きになるので、コイル部31の並び方向(基準線Zaに直角な方向)の放射磁界を抑制できる(相殺できる)。図4は、同じ長さの導線で形成された比較例としての電力伝送コイルであって隣り合うコイル部の磁界の向きが全て同じ電力伝送コイルと、実施形態の電力伝送コイル30との放射磁界を比較した例である。図4によれば、実施形態の電力伝送コイル30は、比較例の電力伝送コイルよりも放射磁界が10dB程度抑制されていることが分かる。なお、実施形態に係る放射磁界は、電力伝送コイル30の外周部から30cm程度離れた位置で計測された値である。同様に、比較例に係る放射磁界は、比較例の電力伝送コイルの外周部から30cm程度離れた位置で計測された値である。
【0024】
以上のように、実施形態に係る非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100は、基準線Za上に設けられる通信カプラ20と、当該基準線Za周りに設けられる渦巻状の複数のコイル部31とを備え、隣り合うコイル部31が相互に逆回りに電流が流れる。これにより、非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100は、隣り合うコイル部31に流れる電流の向きが逆向きになるので、隣り合うコイル部31の磁界の向きが逆向きになる。従って、非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100は、各コイル部31a〜31dの並び方向(基準線Zaに直角な方向)の放射磁界を抑制できる(相殺できる)。これにより、非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100は、放射磁界が通信カプラ20や周囲にある他の機器等に影響することを抑制できる。従って、非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100は、通信カプラ20を複数のコイル部31の中央に設けることができるのでユニットの大型化を抑制できる。また、非接触電力伝送ユニット1及び非接触電力伝送システム100は、基準線Zaを中心に非接触電力伝送ユニット1を回転させても、通信カプラ20が電力伝送コイル30の中央の位置を維持することができるので、相手側の通信カプラ20との位置合わせが容易になり、接触電力伝送ユニット1の設置性を向上することができる。
【0025】
また、非接触電力伝送ユニット1において、複数のコイル部31は、1本の導線が基準線Zaに直交する方向に沿って巻き回されて形成されている。これにより、非接触電力伝送ユニット1は、1本の導線に電流を流すことにより各コイル部31a〜31dに電流を流すことができる。
【0026】
また、非接触電力伝送ユニット1において、複数のコイル部31は、それぞれが基準線Zaに交差する方向に隣り合う。これにより、非接触電力伝送ユニット1は、各コイル部31a〜31dが基準線Zaの方向に重ならずに各コイル部31a〜31dを設けることができる。
【0027】
また、非接触電力伝送ユニット1において、複数のコイル部31は、それぞれのコイル軸線Zbが基準線Zaとずれて位置し、かつ、基準線Zaに沿った方向から見た場合にそれぞれが隣り合う。これにより、非接触電力伝送ユニット1は、通信カプラ20の周りに各コイル部31a〜31dを設けることができるのでユニットの大型化を抑制できる。
【0028】
また、非接触電力伝送ユニット1において、電力伝送コイル30は、複数のコイル部31が偶数個設けられ、隣り合う全てのコイル部31の組み合わせにおいて一方のコイル部31と他方のコイル部31とが相互にコイル軸線Zbを中心に逆回りに電流が流れる。これにより、非接触電力伝送ユニット1は、隣り合う全てのコイル部31の組み合わせにおいて磁界の方向が逆方向となるので放射磁界を効果的に抑制できる。
【0029】
〔変形例1〕
次に、実施形態の変形例1について説明する。変形例1に係る非接触電力伝送ユニット1A〜1Mは、実施形態に係る電力伝送コイル30と同じ長さの1本の導線から形成され、各コイル部の形状や個数が異なる。電力伝送コイル30A〜30Mは、各コイル部がそれぞれのコイル軸線Zbを中心に渦巻状に形成されている。電力伝送コイル30A〜30Mは、1本の導線が基準線Za(コイル軸線Zb)に直交する直交方向に沿って巻き回され平面状に形成されている。電力伝送コイル30A〜30Mは、各コイル部が基準線Za周りに設けられている。例えば、電力伝送コイル30A〜30Mは、通信カプラ20の周りに基板10の実装面11に各コイル部が設けられている。換言すれば、電力伝送コイル30A〜30Mは、各コイル部のそれぞれのコイル軸線Zbが基準線Zaとずれて位置し、かつ、基準線Zaに沿った方向から見た場合に各コイル部が相互に隣り合う。電力伝送コイル30A〜30Mは、各コイル部が基準線Zaに交差する方向に隣り合う。典型的には、電力伝送コイル30A〜30Mは、各コイル部が基準線Zaに直交する直交方向に隣り合う。なお、変形例1に係る非接触電力伝送ユニット1A〜1Mは、電力伝送コイル30A〜30Mの形状を模式的に図示し、実施形態と共通する説明は省略する。
【0030】
例えば、図5に示す非接触電力伝送ユニット1Aにおいて、電力伝送コイル30Aは、1本の導線が巻き回されて2個の渦巻状のコイル部32a、32bが形成されている。電力伝送コイル30Aは、各コイル部32a、32bが矩形状かつ同等サイズに形成され、コイル部32aとコイル部32bとが対向している。電力伝送コイル30Aは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Aの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Aは、コイル部32aとコイル部32bとが隣り合った状態で実装面11に実装される。電力伝送コイル30Aは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部32aが形成されており、コイル部32aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部32bが形成されている。
【0031】
これにより、電力伝送コイル30Aは、実装面11側から見た場合、コイル部32aに時計回りの電流が流れ、コイル部32bに反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Aは、コイル部32aに発生する磁界の向きとコイル部32bに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Aは、隣り合う各コイル部32a、32bにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部32a、32bの並び方向(基準線Zaに直角な方向)の放射磁界を抑制できる(相殺できる)。これにより、電力伝送コイル30Aは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0032】
また、図6に示す非接触電力伝送ユニット1Bにおいて、電力伝送コイル30Bは、1本の導線が巻き回されて8個の渦巻状のコイル部33a〜33hが形成されている。電力伝送コイル30Bは、各コイル部33a〜33hが矩形状かつ同等サイズである。電力伝送コイル30Bは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Bの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Bは、各コイル部33a〜33hが外周の周方向に沿って、縦と横に3つずつ配置されている。電力伝送コイル30Bは、図6に示すように、コイル部33a〜33hがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Bは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部33aが形成されており、コイル部33aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部33bが形成されており、コイル部33bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部33cが形成されており、コイル部33cの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部33dが形成されており、コイル部33dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部33eが形成されており、コイル部33eの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部33fが形成されており、コイル部33fの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部33gが形成されており、コイル部33gの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部33hが形成されている。
【0033】
これにより、電力伝送コイル30Bは、実装面11側から見た場合、コイル部33a、33c、33e、33gは反時計回りの電流が流れ、コイル部33b、33d、33f、33hは時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Bは、コイル部33aに発生する磁界の向きとコイル部33bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33bに発生する磁界の向きとコイル部33cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33cに発生する磁界の向きとコイル部33dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33dに発生する磁界の向きとコイル部33eに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33eに発生する磁界の向きとコイル部33fに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33fに発生する磁界の向きとコイル部33gに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33gに発生する磁界の向きとコイル部33hに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部33hに発生する磁界の向きとコイル部33aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Bは、隣り合う各コイル部33a〜33hにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部33a〜33hの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Bは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0034】
また、図7に示す非接触電力伝送ユニット1Cにおいて、電力伝送コイル30Cは、1本の導線が巻き回されて2個の渦巻状のコイル部34a、34bが形成されている。電力伝送コイル30Cは、各コイル部34a、34bが三角形状かつ同等サイズに形成され、コイル部34aとコイル部34bとが対向している。電力伝送コイル30Cは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Cの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Cは、コイル部34aとコイル部34bとが隣り合った状態で実装面11に実装される。電力伝送コイル30Cは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部34aが形成されており、コイル部34aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部34bが形成されている。
【0035】
これにより、電力伝送コイル30Cは、実装面11側から見た場合、コイル部34aに時計回りの電流が流れ、コイル部34bに反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Cは、コイル部34aに発生する磁界の向きとコイル部34bに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Cは、隣り合う各コイル部34a、34bにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部34a、34bの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Cは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0036】
また、図8に示す非接触電力伝送ユニット1Dにおいて、電力伝送コイル30Dは、1本の導線が巻き回されて4個の渦巻状のコイル部35a〜35dが形成されている。電力伝送コイル30Dは、各コイル部35a〜35dが台形形状であり、かつ、同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30Dは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Dの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Dは、コイル部35aとコイル部35cとが対向し、かつ、コイル部35bとコイル部35dとが対向している。電力伝送コイル30Dは、図8に示すように、コイル部35a〜35dがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Dは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部35aが形成されており、コイル部35aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部35bが形成されており、コイル部35bの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部35cが形成されており、コイル部35cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部35dが形成されている。
【0037】
これにより、電力伝送コイル30Dは、実装面11側から見た場合、コイル部35a、35cは時計回りの電流が流れ、コイル部35b、35dは反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Dは、コイル部35aに発生する磁界の向きとコイル部35bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部35bに発生する磁界の向きとコイル部35cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部35cに発生する磁界の向きとコイル部35dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部35dに発生する磁界の向きとコイル部35aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Dは、隣り合う各コイル部35a〜35dにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部35a〜35dの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Dは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0038】
また、図9に示す非接触電力伝送ユニット1Eにおいて、電力伝送コイル30Eは、1本の導線が巻き回されて8個の渦巻状のコイル部36a〜36hが形成されている。電力伝送コイル30Eは、各コイル部36a〜36hが台形形状であり、かつ、同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30Eは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Eの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Eは、各コイル部36a〜36hが外周の周方向に沿って配置されている。電力伝送コイル30Eは、図9に示すように、コイル部36a〜36hがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Eは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部36aが形成されており、コイル部36aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部36bが形成されており、コイル部36bの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部36cが形成されており、コイル部36cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部36dが形成されており、コイル部36dの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部36eが形成されており、コイル部36eの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部36fが形成されており、コイル部36fの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部36gが形成されており、コイル部36gの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部36hが形成されている。
【0039】
これにより、電力伝送コイル30Eは、実装面11側から見た場合、コイル部36a、36c、36e、36g、は時計回りの電流が流れ、コイル部36b、36d、36f、36hは反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Eは、コイル部36aに発生する磁界の向きとコイル部36bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36bに発生する磁界の向きとコイル部36cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36cに発生する磁界の向きとコイル部36dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36dに発生する磁界の向きとコイル部36eに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36eに発生する磁界の向きとコイル部36fに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36fに発生する磁界の向きとコイル部36gに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36gに発生する磁界の向きとコイル部36hに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部36hに発生する磁界の向きとコイル部36aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Eは、隣り合う各コイル部36a〜36hにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部36a〜36hの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Eは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0040】
また、図10に示す非接触電力伝送ユニット1Fにおいて、電力伝送コイル30Fは、1本の導線が巻き回されて4個の渦巻状のコイル部37a〜37dが形成されている。電力伝送コイル30Fは、各コイル部37a〜37dが矩形状であり、かつ、異なるサイズを含んで形成されている。電力伝送コイル30Fは、同形状のコイル部37aとコイル部37cとが対向し、同形状のコイル部37bとコイル部37dとが対向している。電力伝送コイル30Fは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Fの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Fは、図10に示すように、コイル部37a〜37dがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Fは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部37aが形成されており、コイル部37aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部37bが形成されており、コイル部37bの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部37cが形成されており、コイル部37cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部37dが形成されている。
【0041】
これにより、電力伝送コイル30Fは、実装面11側から見た場合、コイル部37a、37cは時計回りの電流が流れ、コイル部37b、37dは反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Fは、コイル部37aに発生する磁界の向きとコイル部37bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部37bに発生する磁界の向きとコイル部37cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部37cに発生する磁界の向きとコイル部37dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部37dに発生する磁界の向きとコイル部37aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Fは、隣り合う各コイル部37a〜37dにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部37a〜37dの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Fは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0042】
また、図11に示す非接触電力伝送ユニット1Gにおいて、電力伝送コイル30Gは、1本の導線が巻き回されて12個の渦巻状のコイル部38a〜38mが形成されている。電力伝送コイル30Gは、各コイル部38a〜38mが矩形状又は三角形状であり、かつ、同じ形状において同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30Gは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Gの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Gは、各コイル部38a〜38mが外周の周方向に沿って配置されている。例えば、電力伝送コイル30Gは、図11に示すように、コイル部38a〜38mがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Gは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部38aが形成されており、コイル部38aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部38bが形成されており、コイル部38bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部38cが形成されており、コイル部38cの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部38dが形成されており、コイル部38dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部38eが形成されており、コイル部38eの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部38fが形成されており、コイル部38fの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部38gが形成されており、コイル部38gの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部38hが形成されており、コイル部38hの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部38iが形成されており、コイル部38iの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部38jが形成されており、コイル部38jの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部38kが形成されており、コイル部38kの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部38mが形成されている。
【0043】
これにより、電力伝送コイル30Gは、実装面11側から見た場合、コイル部38a、38c、38e、38g、38i、38kは反時計回りの電流が流れ、コイル部38b、38d、38f、38h、38j、38mは時計回りの電流が流れる。
【0044】
この結果、電力伝送コイル30Gは、コイル部38aに発生する磁界の向きとコイル部38bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38bに発生する磁界の向きとコイル部38cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38cに発生する磁界の向きとコイル部38dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38dに発生する磁界の向きとコイル部38eに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38eに発生する磁界の向きとコイル部38fに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38fに発生する磁界の向きとコイル部38gに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38gに発生する磁界の向きとコイル部38hに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38hに発生する磁界の向きとコイル部38iに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38iに発生する磁界の向きとコイル部38jに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38jに発生する磁界の向きとコイル部38kに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38kに発生する磁界の向きとコイル部38mに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部38mに発生する磁界の向きとコイル部38aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Gは、隣り合う各コイル部38a〜38mにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部38a〜38mの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Gは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0045】
また、図12に示す非接触電力伝送ユニット1Hにおいて、電力伝送コイル30Hは、1本の導線が巻き回されて8個の渦巻状のコイル部39a〜39hが形成されている。電力伝送コイル30Hは、各コイル部39a〜39hが三角形状又は台形形状であり、かつ、同じ形状において同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30Hは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Hの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Hは、各コイル部39a〜39hが外周の周方向に沿って三角形状のコイル部39a等と台形形状のコイル部39b等とが交互に配置されている。例えば、電力伝送コイル30Hは、図12に示すように、コイル部39a〜39hがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Hは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部39aが形成されており、コイル部39aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部39bが形成されており、コイル部39bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部39cが形成されており、コイル部39cの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部39dが形成されており、コイル部39dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部39eが形成されており、コイル部39eの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部39fが形成されており、コイル部39fの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部39gが形成されており、コイル部39gの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部39hが形成されている。
【0046】
これにより、電力伝送コイル30Hは、実装面11側から見た場合、コイル部39a、39c、39e、39gは反時計回りの電流が流れ、コイル部39b、39d、39f、39hは時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Hは、コイル部39aに発生する磁界の向きとコイル部39bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39bに発生する磁界の向きとコイル部39cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39cに発生する磁界の向きとコイル部39dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39dに発生する磁界の向きとコイル部39eに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39eに発生する磁界の向きとコイル部39fに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39fに発生する磁界の向きとコイル部39gに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39gに発生する磁界の向きとコイル部39hに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部39hに発生する磁界の向きとコイル部39aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Hは、隣り合う各コイル部39a〜39hにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部39a〜39hの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Hは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0047】
また、図13に示す非接触電力伝送ユニット1Iにおいて、電力伝送コイル30Iは、1本の導線が巻き回されて2個の渦巻状のコイル部310a、310bが形成されている。電力伝送コイル30Iは、各コイル部310a、310bが半円状かつ同等サイズに形成され、コイル部310aとコイル部310bとが対向している。電力伝送コイル30Iは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Iの外周の形状が円形状である。電力伝送コイル30Iは、コイル部310aとコイル部310bとが隣り合った状態で実装面11に実装される。電力伝送コイル30Iは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部310aが形成されており、コイル部310aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部310bが形成されている。
【0048】
これにより、電力伝送コイル30Iは、実装面11側から見た場合、コイル部310aに反時計回りの電流が流れ、コイル部310bに時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Iは、コイル部310aに発生する磁界の向きとコイル部310bに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Iは、隣り合う各コイル部310a、310bにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部310a、310bの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Iは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0049】
また、図14に示す非接触電力伝送ユニット1Jにおいて、電力伝送コイル30Jは、1本の導線が巻き回されて4個の渦巻状のコイル部320a〜320dが形成されている。電力伝送コイル30Jは、各コイル部320a〜320dが扇形状かつ同等サイズに形成され、コイル部320aとコイル部320cとが対向し、かつ、コイル部320bとコイル部320dとが対向している。電力伝送コイル30Jは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Jの外周の形状が円形状である。電力伝送コイル30Jは、図14に示すように、コイル部320a〜320dがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Jは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部320aが形成されており、コイル部320aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部320bが形成されており、コイル部320bの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部320cが形成されており、コイル部320cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部320dが形成されている。
【0050】
これにより、電力伝送コイル30Jは、実装面11側から見た場合、コイル部320a、320cは時計回りの電流が流れ、コイル部320b、320dは反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Jは、コイル部320aに発生する磁界の向きとコイル部320bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部320bに発生する磁界の向きとコイル部320cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部320cに発生する磁界の向きとコイル部320dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部320dに発生する磁界の向きとコイル部320aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Jは、隣り合う各コイル部320a〜320dにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部320a〜320dの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Jは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0051】
また、図15に示す非接触電力伝送ユニット1Kにおいて、電力伝送コイル30Kは、1本の導線が巻き回されて8個の渦巻状のコイル部330a〜330hが形成されている。電力伝送コイル30Kは、各コイル部330a〜330hが扇形状かつ同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30Kは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Kの外周の形状が円形状である。電力伝送コイル30Kは、各コイル部330a〜330hが外周の周方向に沿って配置されている。電力伝送コイル30Kは、図15に示すように、コイル部330a〜330hがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Kは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部330aが形成されており、コイル部330aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部330bが形成されており、コイル部330bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部330cが形成されており、コイル部330cの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部330dが形成されており、コイル部330dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部330eが形成されており、コイル部330eの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部330fが形成されており、コイル部330fの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部330gが形成されており、コイル部330gの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部330hが形成されている。
【0052】
これにより、電力伝送コイル30Kは、実装面11側から見た場合、コイル部330a、330c、330e、330gは反時計回りの電流が流れ、コイル部330b、330d、330f、330hは時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Kは、コイル部330aに発生する磁界の向きとコイル部330bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330bに発生する磁界の向きとコイル部330cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330cに発生する磁界の向きとコイル部330dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330dに発生する磁界の向きとコイル部330eに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330eに発生する磁界の向きとコイル部330fに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330fに発生する磁界の向きとコイル部330gに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330gに発生する磁界の向きとコイル部330hに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部330hに発生する磁界の向きとコイル部330aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Kは、隣り合う各コイル部330a〜330hにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部330a〜330hの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Kは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0053】
また、図16に示す非接触電力伝送ユニット1Lにおいて、電力伝送コイル30Lは、1本の導線が巻き回されて3個の渦巻状のコイル部340a〜340cが形成されている。電力伝送コイル30Lは、各コイル部340a〜340cがひし形状かつ同等サイズに形成されている。電力伝送コイル30Lは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Lの外周の形状が多角形、例えば正六角形状である。電力伝送コイル30Lは、外周の形状が正六角形状になるように各コイル部340a〜340cが配置される。電力伝送コイル30Lは、図16に示すように、コイル部340a〜340cがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Lは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部340aが形成されており、コイル部340aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部340bが形成されており、コイル部340bの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部340cが形成されている。
【0054】
これにより、電力伝送コイル30Lは、実装面11側から見た場合、コイル部340aは反時計回りの電流が流れ、コイル部340b、340cは時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Lは、コイル部340aに発生する磁界の向きとコイル部340bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部340bに発生する磁界の向きとコイル部340cに発生する磁界の向きとが同じ向きになり、コイル部340cに発生する磁界の向きとコイル部340aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Lは、隣り合うコイル部340aとコイル部340b、コイル部340aとコイル部340cにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部340a〜340cの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Lは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0055】
また、図17に示す非接触電力伝送ユニット1Mにおいて、電力伝送コイル30Mは、1本の導線が巻き回されて6個の渦巻状のコイル部350a〜350fが形成されている。電力伝送コイル30Mは、各コイル部350a〜350fが三角形状かつ同等サイズに形成される。電力伝送コイル30Mは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Mの外周の形状が多角形、例えば正六角形状である。電力伝送コイル30Mは、各コイル部350a〜350fが外周の周方向に沿って配置されている。電力伝送コイル30Mは、図17に示すように、コイル部350a〜350fがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Mは、実装面11側から見た場合、1本の導線が反時計回りに巻き回されてコイル部350aが形成されており、コイル部350aの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部350bが形成されており、コイル部350bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部350cが形成されており、コイル部350cの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部350dが形成されており、コイル部350dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部350eが形成されており、コイル部350eの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部350fが形成されている。
【0056】
これにより、電力伝送コイル30Mは、実装面11側から見た場合、コイル部350a、350c、350eは反時計回りの電流が流れ、コイル部350b、350d、350fは時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Mは、コイル部350aに発生する磁界の向きとコイル部350bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部350bに発生する磁界の向きとコイル部350cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部350cに発生する磁界の向きとコイル部350dに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部350dに発生する磁界の向きとコイル部350eに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部350eに発生する磁界の向きとコイル部350fに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部350fに発生する磁界の向きとコイル部350aに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Mは、隣り合う各コイル部350a〜350fにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部350a〜350fの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Mは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0057】
〔変形例2〕
次に、実施形態の変形例2について説明する。変形例2に係る非接触電力伝送ユニット1N、1Pは、実施形態に係る電力伝送コイル30と同じ長さの1本の導線から形成され、各コイル部の形状や個数が異なる。電力伝送コイル30N、30Pは、各コイル部がそれぞれのコイル軸線Zbを中心に渦巻状に形成されている。電力伝送コイル30N、30Pは、1本の導線が基準線Za(コイル軸線Zb)に直交する直交方向に沿って巻き回され平面状に形成されている。電力伝送コイル30N、30Pは、各コイル部が基準線Za周りに設けられている。例えば、電力伝送コイル30N、30Pは、基準線Zaが通過する通信カプラ20の周りに実装面11に各コイル部が設けられている。換言すれば、電力伝送コイル30N、30Pにおいて、複数のコイル部は、それぞれが異なる大きさで環状に形成されており、それぞれのコイル軸線Zbが基準線Zaと同軸上に位置する。複数のコイル部は、基準線Zaに沿った方向から見た場合に、隣り合うコイル部において一方のコイル部が内側に位置し他方のコイル部が外側に位置する。電力伝送コイル30N、30Pは、各コイル部が基準線Zaに交差する方向に隣り合う。典型的には、電力伝送コイル30N、30Pは、各コイル部が基準線Zaに直交する直交方向に隣り合う。なお、変形例2に係る非接触電力伝送ユニット1N、1Pは、電力伝送コイル30N、30Pの形状を模式的に図示し、実施形態と共通する説明は省略する。
【0058】
例えば、図18に示す非接触電力伝送ユニット1Nにおいて、電力伝送コイル30Nは、1本の導線が巻き回されて2個の渦巻状のコイル部360a、360bが形成されている。電力伝送コイル30Nは、コイル部360a、360bのそれぞれのコイル軸線Zbが基準線Zaと同軸上に位置する。電力伝送コイル30Nは、各コイル部360a、360bが矩形の環状に形成され、かつ、異なるサイズに形成されている。例えば、電力伝送コイル30Nは、コイル部360aがコイル部360bより小さく形成されており、コイル部360aがコイル部360bの内側に位置する。電力伝送コイル30Nは、コイル部360aの内側には通信カプラ20が位置する。電力伝送コイル30Nは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Nの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Nは、コイル部360aとコイル部360bとが内側と外側とで隣り合った状態で実装面11に実装される。電力伝送コイル30Nは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部360aが形成されており、コイル部360aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部360bが形成されている。
【0059】
これにより、電力伝送コイル30Nは、実装面11側から見た場合、コイル部360aに時計回りの電流が流れ、コイル部360bに反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Nは、コイル部360aに発生する磁界の向きとコイル部360bに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Nは、隣り合う各コイル部360a、360bにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部360a、360bの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Nは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0060】
また、図19に示す非接触電力伝送ユニット1Pにおいて、電力伝送コイル30Pは、1本の導線が巻き回されて4個の渦巻状のコイル部370a〜370dが形成されている。電力伝送コイル30Pは、コイル部370a〜370dのそれぞれのコイル軸線Zbが基準線Zaと同軸上に位置する。電力伝送コイル30Pは、各コイル部370a〜370dが矩形の環状に形成され、かつ、異なるサイズに形成されている。例えば、電力伝送コイル30Pは、コイル部370aがコイル部370bより小さく形成されており、コイル部370bがコイル部370cより小さく形成されており、コイル部370cがコイル部370dより小さく形成されている。そして、電力伝送コイル30Pは、コイル部370aがコイル部370bの内側に位置し、コイル部370bがコイル部370cの内側に位置し、コイル部370cがコイル部370dの内側に位置する。電力伝送コイル30Pは、コイル部370aの内側に通信カプラ20が位置する。電力伝送コイル30Pは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Pの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Pは、図19に示すように、コイル部370a〜370dがそれぞれ内側と外側とで隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Pは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部370aが形成されており、コイル部370aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部370bが形成されており、コイル部370bの端部から延在する導線が時計回りに巻き回されてコイル部370cが形成されており、コイル部370cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部370dが形成されている。
【0061】
これにより、電力伝送コイル30Pは、実装面11側から見た場合、コイル部370a、370cは時計回りの電流が流れ、コイル部370b、370dは反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Pは、コイル部370aに発生する磁界の向きとコイル部370bに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部370bに発生する磁界の向きとコイル部370cに発生する磁界の向きとが逆向きになり、コイル部370cに発生する磁界の向きとコイル部370dに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Pは、隣り合う各コイル部370a〜370dにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、各コイル部370a〜370dの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Pは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0062】
〔変形例3〕
次に、実施形態の変形例3について説明する。変形例3に係る非接触電力伝送ユニット1Q、1Rは、実施形態に係る電力伝送コイル30と同じ長さの1本の導線から形成され、各コイル部の形状や個数が異なる。そして、変形例3に係る非接触電力伝送ユニット1Q、1Rは、コイル軸線Zbが基準線Zaと同軸上に位置するコイル部と、コイル軸線Zbが基準線Zaと異なる軸上に位置するコイル部との両方を含む。なお、変形例3に係る非接触電力伝送ユニット1Q、1Rは、電力伝送コイル30Q、30Rの形状を模式的に図示し、実施形態と共通する説明は省略する。
【0063】
例えば、図20に示す非接触電力伝送ユニット1Qにおいて、電力伝送コイル30Qは、1本の導線が巻き回されて5個の渦巻状のコイル部380a〜380eが形成されている。電力伝送コイル30Qは、コイル部380aのコイル軸線Zbが基準線Zaと同軸上に位置し、コイル部380b〜380eのコイル軸線Zbが基準線Zaと異なる軸上に位置する。電力伝送コイル30Qは、コイル部380aが矩形の環状に形成され、各コイル部380b〜380eが矩形状に形成されている。電力伝送コイル30Qは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Qの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Qは、コイル部380aを挟んでコイル部380bとコイル部380dとが対向し、コイル部380aを挟んでコイル部380cとコイル部380eとが対向している。電力伝送コイル30Qは、図20に示すように、コイル部380aとコイル部380b〜380eとが隣り合うように実装面11に実装される。さらに、電力伝送コイル30Qは、コイル部380b〜370eがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。電力伝送コイル30Qは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部380aが形成されており、コイル部380aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部380bが形成されており、コイル部380bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部380cが形成されており、コイル部380cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部380dが形成されており、コイル部380dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部380eが形成されている。
【0064】
これにより、電力伝送コイル30Qは、実装面11側から見た場合、コイル部380aに時計回りの電流が流れ、各コイル部380b〜380eに反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Qは、コイル部380aに発生する磁界の向きと各コイル部380b〜380eに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Qは、隣り合うコイル部380aと各コイル部380b〜380eとにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、コイル部380aと各コイル部380b〜380eの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Qは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0065】
また、図21に示す非接触電力伝送ユニット1Rにおいて、電力伝送コイル30Rは、1本の導線が巻き回されて13個の渦巻状のコイル部390a〜390nが形成されている。電力伝送コイル30Rは、コイル部390aのコイル軸線Zbが基準線Zaと同軸上に位置し、コイル部390b〜390nのコイル軸線Zbが基準線Zaと異なる軸上に位置する。電力伝送コイル30Rは、コイル部390aが矩形の環状に形成され、各コイル部390b〜390nが矩形状に形成されている。電力伝送コイル30Rは、基準線Zaの方向から見た場合、当該電力伝送コイル30Rの外周の形状が矩形状である。電力伝送コイル30Rは、環状のコイル部390aが中央に配置され、環状のコイル部390aの周囲に各コイル部390b〜390nが配置されている。電力伝送コイル30Rは、図21に示すようにコイル部390aとコイル部390b〜390nとが隣り合うように実装面11に実装される。さらに、電力伝送コイル30Rは、コイル部390b〜390nがそれぞれ隣り合うように実装面11に実装される。
【0066】
電力伝送コイル30Rは、実装面11側から見た場合、1本の導線が時計回りに巻き回されてコイル部390aが形成されており、コイル部390aの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390bが形成されており、コイル部390bの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390cが形成されており、コイル部390cの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390dが形成されており、コイル部390dの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390eが形成されており、コイル部390eの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390fが形成されており、コイル部390fの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390gが形成されており、コイル部390gの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390hが形成されており、コイル部390hの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390iが形成されており、コイル部390iの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390jが形成されており、コイル部390jの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390kが形成されており、コイル部390kの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390mが形成されており、コイル部390mの端部から延在する導線が反時計回りに巻き回されてコイル部390nが形成されている。
【0067】
これにより、電力伝送コイル30Rは、実装面11側から見た場合、コイル部390aに時計回りの電流が流れ、各コイル部390b〜390nに反時計回りの電流が流れる。この結果、電力伝送コイル30Rは、コイル部390aに発生する磁界の向きと各コイル部390b〜390nに発生する磁界の向きとが逆向きになる。これにより、電力伝送コイル30Rは、隣り合うコイル部390aと各コイル部390b〜390nとにおいて磁界の向きが相互に逆向きになるので、コイル部390aと各コイル部390b〜390nの並び方向の放射磁界を抑制できる。これにより、電力伝送コイル30Rは、通信カプラ20に影響する放射磁界を抑制することができる。
【0068】
なお、複数のコイル部31等は、1本の導線から形成されていなくてもよく、複数の導線から形成されていてもよい。この場合、それぞれの導線に電流を同時に流す。
【0069】
また、複数のコイル部31等は、平面状において、導線がコイル軸線Zb方向に積層され2段以上に巻き回されていてもよい。また、複数のコイル部31等の個数は、例示した個数に限定されない。
【0070】
また、非接触電力伝送システム100は、少なくとも送電側又は受電側の非接触電力伝送ユニットの一方が、隣り合うコイル部31等において逆回りに電流が流れる電力伝送コイル30等を備えていればよい。
【符号の説明】
【0071】
1〜1R 非接触電力伝送ユニット
20 通信カプラ(通信部)
30〜30R 電力伝送コイル
31〜390n コイル部
100 非接触電力伝送システム
Za 基準線
Zb コイル軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21