【実施例】
【0051】
[065]
管類試験試料:管類標本が、下記で明記されるような材料を用いて、そして押出ツーリング、例えばGeneral Cable CompanyのGenca Division(フロリダ州クリアウォーター)により製造された“Tri Die”押出装置を用いて多層形態での共押出により製造された:
外層:Vistamaxx 3980FL、またはVistamaxx 3020FL(ExxonMobil Chemical、米国テキサス州ヒューストン)
内層:Westlake 808 LDPE(Westlake Chemical、米国テキサス州ヒューストン)
試験された溶剤:
・酢酸エチル(EA)
・メチルエチルケトン(MEK)
・シクロヘキサノン
・テトラヒドロフラン(THF)
・ヘキサン
・キシレン
・シクロヘキサン
[066] 2材料、2層(2M2L)共押出管類標本を、以下の寸法で押出した:0.152インチOD×0.090インチIDおよび全体の壁厚=0.031インチ。PBEの外層は、0.026インチの厚さを有し、エチレンベース材料の内層は、0.005インチの厚さを有していた。当該技術で既知であるように、押出または共押出プロセスは、ポリマー材料(単数または複数)を融解させ、融解した材料(単数または複数)を圧力下で適切なダイヘッドを通して送って管の形状の押出物または共押出物を形成し、次いでそれを従来の水浴または水真空タンクを通して冷却して最終製品を形成することにより実施される。次いで、そのように製造された管類標本を、下記で明記されるような商業的に入手可能なルアーに結合させ、次いで結合強度に関してプルテストした。以下のように試験試料を調製し、利用した試験設備およびパラメーターは以下の通りであった。
【0052】
[067]
溶剤結合のために調製された試料:
1.管試料を8インチに切断し、管の末端を70%イソプロピルアルコールにより洗浄し、風乾させた。
【0053】
2.溶剤を管の洗浄された末端の1/2インチに小型適用装置を用いて適用し、ルアー中に挿入した。
3.管を24時間乾燥させるように設定した後、機械試験を行った(72°F/50%RH)。
【0054】
[068] 下記のような
機械試験設備およびパラメーターが、商業的に入手可能なポリプロピレンルアーに溶剤結合した管類試料の試験において用いられた。張力方式で試料を試験して試料における力を記録することができる機械試験設備は、当該技術で周知であり;設備、例えばInstron(米国マサチューセッツ州ノーウッド、ユニバーシティ・アベニュー826)またはLloyd Instruments Ltd(英国ウェストサセックス)により製造された設備が、試験のために有用である。そのような機器は、可動クランプに取り付けられたロードセルを含み、不動クランプまたはジョーを含む。通常、試料は頂部および底部クランプの間で固定され、一方のクランプが制御速度で動き、クランプが動いている間に試料が経験している力を記録する。下記の試験において、管およびルアー組立品は、設備クランプ内でしっかり留められ、管をルアーから取り外すためのポンドでの最大の力が測定される。そのような試験は、プルテストと呼ばれる:
1.試験設備クランプを、3インチ離して設定する。
【0055】
2.管のルアー末端を、上部クランプの中心において固定する。
3.管の解放末端を、底部クランプの中心において固定する。
4.プルテストを開始し、管が毎分12インチの速度でルアーから引き出されるまで循環させる(cycle through)。
【0056】
5.管をルアーから引き出すためのポンド力(ポンド、lbs)を記録し、管をルアーから取り外す。
6.工程1〜5を、それぞれのタイプのルアー/管の組み合わせに関するそれぞれの試料に関して繰り返す(10回)。
【0057】
[0042] 組立品において用いられてプルテストされる商業的に入手可能なルアー標本は、Qosina Inc.、150−Q Executive Drive、米国ニュージャージー州エッジウッド11717(Qosina.com)から購入され、以下の識別番号および明細を有していた:部品番号65213、メスルアーロックコネクター、0.145インチ〜0.156インチID、0.206インチOD、材料:ポリプロピレン。
【0058】
[0044]
図5において要約されている結合強度データにより示されるように、効果が最低限の結合溶剤(酢酸エチル)に溶剤結合しているVistamaxx(商標)3980 FL(斜線付きの棒)またはVistamaxx(商標)3020 FL(斜線なしの棒)から形成された外層を有する多層(2材料、2層)管10は、機械的締り嵌めのみに頼る溶剤結合していない組立品と比較して、なおポリプロピレンルアーに対する結合強度における有意な向上を提供する。データにより示されるように、効果が最低限の溶剤の結合強度は、(溶剤を用いない)機械的締り嵌めのみに基づく約2.3〜2.6lbsの結合強度と比較して、少なくとも約3.5lbsであった。いくつかの溶剤は、4lbsより大きい6.3〜13.5lbsの範囲の結合強度をもたらした。
【0059】
[0045]
図6は、2種類の非水性流体系(DMSOおよびNMP)の本発明の一態様に従う前記のVistamaxx 3980 FL管類試料との化学的適合性を実証する。DMSO(ジメチルスルホキシド)およびNMP(N−メチル 2−ピロリドン)は、アメリカ食品医薬品局により医薬流体における使用に関して認められている一般的な流体キャリヤーまたは溶剤であり、典型的には、数ある用途の中でも、水中で容易に溶けない親油性薬物を可溶化するために利用されている。DMSOおよびNMPは、強溶剤または応力亀裂剤のどちらとしても多くのポリマーに対して非常に攻撃的であることも認識されている。データは、ポリエチレンの内層と共押出され、ポリプロピレンのルアーにキシレンまたはシクロヘキサンを利用して溶剤結合された場合の外層としてのVistamaxx 3980FLから作製された試料に関するプルテストの結果を示す。管およびルアー組立品の用意の後、ルアーを熱圧着させて(heat crimped)ルアーを管が挿入されている側と逆側の末端において密封した。ルアーの末端を密封した後、管およびルアーの組立品にDMSOまたはNMPのどちらかを充填し、密封されたガラスジャー中で室温条件(72F/50%R.H.)下においた。充填後24時間および48時間の時点で、DMSOおよびNMPを管およびルアーの組立品から排出し、試料をプルテストした。
図6を見れば理解できるように、記載された期間にわたって管およびルアーの間で結合強度の劣化はほとんどまたは全くなかった。気付かれた管の膨張はなく、ルアーの膨張または亀裂もなかった。
【0060】
[0046] 容易に明らかであるように、数多くの修正および変更が、当業者には容易に思い浮かび得る。従って、本明細書における開示は、示された、および記載された正確な構成および操作に本発明を限定することを意図していない。全ての適切な均等物が、特許請求される本発明の範囲内に含まれる。
本発明は以下の態様を含む。
[1] ポリマー管を予め製造された管体に同軸結合させる方法であって、該予め製造された管体が、ポリプロピレンベースの材料の内壁を境界とする前後軸を有する中空の中心の管状通路を定めており、該方法が、以下の工程:
熱可塑性プロピレンベースエラストマー(PBE)材料を含む外側管壁表面ならびに前後軸および対向する端部を有する中心管状通路を有する嵌合ポリマー管を押出し、
該管の端部の一方における選択された軸長に沿った該嵌合管の外側表面を溶剤で処理し、該処理された外側表面が乾燥時に該管体の内壁に接着するようにする、
該嵌合管の処理された端部を、該処理された端部の外側表面が該管体の内壁と選択された軸長に沿って嵌合して嵌合した接合部を形成するように、該管体の中心管状通路中に同軸で挿入し、
該嵌合した接合部を、該処理された外側表面が該内壁に溶剤結合するように乾燥させる;
を含む方法。
[2] [1]に記載の方法であって、該溶剤が、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ヘキサン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル(EA)およびメチルエチルケトン(MEK)の1以上から選択される方法。
[3] [2]に記載の方法であって、該溶剤が、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレン、テトラヒドロフラン、およびヘキサンの1以上から選択される方法。
[4] [2]に記載の方法であって、該PBEが、プロピレンおよびアルファオレフィンのコポリマーまたはブレンドである方法。
[5] [4]に記載の方法であって、該PBEが、半結晶性イソタクチックプロピレン区分を有するプロピレン/アルファオレフィンコポリマーである方法。
[6] [2]に記載の方法であって、該PBEが、主に結晶質立体規則性ポリプロピレンである第1ポリマー構成要素(FPC)ならびにC2、C4〜C20アルファオレフィンおよびプロピレンの結晶化可能なコポリマーである第2ポリマー構成要素(SPC)のブレンドである方法。
[7] [4]に記載の方法であって、該アルファオレフィンがエチレンである方法。
[8] [1]に記載の方法であって、該管が、ポリエチレン(PE)の層を含む内壁を有する方法。
[9] [8]に記載の方法であって、該内壁のPEが、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)またはそのブレンドである方法。
[10] [1]に記載の方法であって、該押出の工程が、該PBE材料の外側管層を熱可塑性エチレンベースオレフィン材料の少なくとも1つの最も内側の管層と共押出することを含む方法。
[11] [10]に記載の方法であって、該嵌合管の共押出された外層が、少なくとも9重量%のエチレン含有率を有するPBEであり、該嵌合管の最も内側の層が、ポリエチレンである方法。
[12] [1]に記載の方法であって、該管体が、PBE材料の予め製造された体を含む方法。
[13] [12]に記載の方法であって、該管体のPBE材料が、ホモポリマーポリプロピレンまたは主にプロピレン単位およびエチレンのコポリマーである方法。
[14] 以下:
ポリプロピレンベースの材料の内壁を境界とする前後軸を有する中空の中心管状通路を定める予め製造された管体、
熱可塑性プロピレンベースエラストマー(PBE)材料を含む押出された外側管壁表面を有する押出管であって、該嵌合管が、前後軸および対向する端部を有する中心管状通路を有する押出管;
を含む結合した管組立品であって、
該嵌合管の端部の一方が、該嵌合管の一方の端部の外側表面が該管体の内壁と該嵌合管の選択された軸長に沿って嵌合するように該予め製造された管体の中心管状通路内に同軸で位置しており、
該嵌合した外側表面および内壁が、互いに溶剤結合している管組立品。
[15] [14]に記載の管組立品であって、該押出管が、該PBE材料の外側管層を熱可塑性エチレンベースオレフィン材料の少なくとも1つの最も内側の管層と共に有する共押出管である管組立品。
[16] [15]に記載の管組立品であって、該嵌合管の共押出された外層が、少なくとも9重量%のエチレン含有率を有するPBE材料であり、該嵌合管の最も内側の層が、ポリエチレンである管組立品。
[17] [14]に記載の管組立品であって、該管が、ポリエチレン(PE)の共押出された層を含む中心管状通路を形成する内壁を有する管組立品。
[18] [15]に記載の管組立品であって、該PEが、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)またはそのブレンドである管組立品。
[19] 流体送達部材を該体の中に挿入し、そして該医療用流体を該管を通して該送達部材に送達することを含む、水性もしくは非水性の医薬流体またはその組み合わせを患者に送達する方法であって、該部材が、[14]に記載の管組立品に流体接続されている方法。
[20] [14]に記載の方法であって、該医薬流体が、以下:
植物油、オレイン酸エチル、プロピレングリコール、ならびに300および400の分子量を有するポリエチレングリコール類からなる群から選択される非水性溶媒;
の1以上を含む方法。
[21] [14]に記載の方法であって、該医薬流体が、以下:
アルコール類、エステル類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類およびピロリドン類からなる群から選択される、該患者への注射のための溶剤としての合成および半合成調製物または混合溶剤ベースの流体調製物;
の1以上を含む方法。
[22] [21]に記載の方法であって、該流体調製物が、エチルアルコール;ベンジルアルコール;フェニルエチルアルコール;プロピレングリコール;ブチレングリコール;トリクロロ−t−ブチル;ポリオキシエチレングリコール;エチルエーテル;フェノキシエタノール;酢酸エチル;オレイン酸エチル;安息香酸ベンジル;N−メチルアセトアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびN−メチル 2−ピロリドン(NMP)からなる群から選択される方法。