(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
以下の説明において、ある種の具体的詳細が、本発明の種々の実施形態の完全な理解を提供するために示される。しかし、当業者は、これら詳細なしに本発明が実施され得ることを理解する。
【0014】
状況が別段要求しなければ、本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、文言「含む、包含する(comprise)」ならびにそのバリエーション(例えば、「含む、包含する(comprises)」および「含む、包含する(comprising)」)は、開放系の包括的な意味で、すなわち、「が挙げられるが、これらに限定されない」として解釈されるべきである。
【0015】
本明細書全体を通じて「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」への言及は、上記実施形態と関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通じて種々の箇所での語句「一実施形態において」または「ある実施形態において」の存在は、必ずしも全てが、同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1もしくはこれより多くの実施形態において任意の適切な様式で組み合わせられ得る。
【0017】
「カルボキシ」とは、−CO
2H基をいう。
【0019】
「ホルミル」とは、−C(=O)H基をいう。
【0020】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」とは、−OH基をいう。
【0024】
「スルフヒドリル」とは、−SH基をいう。
【0026】
「アルキル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、飽和または不飽和であり(すなわち、1個もしくはこれより多くの二重結合および/または三重結合を含み)、1〜12個の炭素原子(C
1−C
12アルキル)、好ましくは1〜8個の炭素原子(C
1−C
8アルキル)または1〜6個の炭素原子(C
1−C
6アルキル)を有し、そして単結合によって分子の残部に結合される、直鎖状または分枝状の炭化水素鎖の基をいう(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなど)。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0027】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」とは、分子の残部を置換基に連結し、炭素および水素のみからなり、飽和または不飽和であり(すなわち、1個もしくはこれより多くの二重結合および/または三重結合を含み)、そして1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の二価の炭化水素鎖(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、n−ブチニレンなど)をいう。上記アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残部に結合され、単結合または二重結合を介して置換基に結合される。分子の残部へのまたは置換基への上記アルキレン鎖の結合点は、上記鎖の中の1個の炭素または任意の2個の炭素を介し得る。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルキレン鎖は、必要に応じて置換され得る。
【0028】
「アミノアルキレン」とは、1個もしくはこれより多くのアミノ置換基を含むアルキレン(定義されるとおり)をいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アミノアルキレン基は、必要に応じて置換される。
【0029】
「アルコキシ」とは、式−OR
aの基であって、ここでR
aは、1〜12個の炭素原子を含む上記で定義されるとおりのアルキル基であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルコキシ基は、必要に応じて置換され得る。
【0030】
「アルキルアミノ」とは、式−NHR
aまたは−NR
aR
aの基であって、ここで各R
aは、独立して、1〜12個の炭素原子を含む上記で定義されるとおりのアルキル基であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキルアミノ基は、必要に応じて置換され得る。
【0031】
「アルキルエーテル」とは、上記で定義されるとおりの任意のアルキル基であって、ここで少なくとも1個の炭素−炭素結合が炭素−酸素結合で置き換わっているものをいう。この炭素−酸素結合は、末端部分に(アルコキシ基の中にあるように)あってもよいし、炭素酸素結合は、内部に(すなわち、C−O−C)あってもよい。アルキルエーテルは、少なくとも1個の炭素酸素結合を含むが、1個より多く含んでいてもよい。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)は、アルキルエーテルの意味の中に含まれる。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。例えば、いくつかの実施形態において、アルキルエーテルは、アルコールまたはホスフェートで置換される。
【0032】
「アルキレンエーテル(alkylenether)」とは、少なくとも1個の炭素−炭素結合が炭素−酸素結合で置き換えられている、上記で定義されるとおりのアルキレン基をいう。上記炭素−酸素結合は、末端にあってもよいし(アルコキシ基にあるとおり)、上記炭素−酸素結合は、内部にあってもよい(すなわち、C−O−C)。アルキレンエーテルは、少なくとも1個の炭素−酸素結合を含むが、1個より多くの炭素−酸素結合を含んでいてもよい(すなわち、「ポリアルキレンエーテル」)。PEG連結基は、ポリアルキレンエーテルの例である。「ヒドロキシルポリアルキレンエーテル」とは、少なくとも1個のヒドロキシル置換基を含むポリアルキレンエーテルをいう。「アミノポリアルキレンエーテル」とは、少なくとも1個のアミノ(アルキルアミノ、アリールアミノおよびアラルキルアミノを含む)置換基を含むポリアルキレンエーテルをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキレンエーテル、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルポリアルキレンエーテルおよびアミノポリアルキレンエーテル基は、必要に応じて置換される。
【0033】
「アルキルホスホ」とは、−RP(=O)(R
a)R
b基であって、ここでRは、アルキレン基であり、R
aは、OH、O
−またはOR
cであり;そしてR
bは、−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキルホスホ基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、アルキルホスホ基の−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oアルキルホスホ」とは、酸素原子を介して分子の残部に接続されるアルキルホスホ基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oアルキルホスホ基は、必要に応じて置換され得る。
【0034】
「アルキルエーテルホスホ(alkyetherphospho)」とは、−RP(=O)(R
a)R
b基であって、ここでRは、アルキレンエーテル基であり、R
aは、OH、O
−またはOR
cであり;そしてR
bは、−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキルエーテルホスホ基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、アルキルエーテルホスホ基の−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oアルキルエーテルホスホ」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるアルキルエーテルホスホ基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oアルキルエーテルホスホ基は、必要に応じて置換され得る。
【0035】
「アルキルチオホスホ」とは、−P(=R
a)(R
b)R
c基であって、ここでR
aは、OまたはSであり、R
bは、OH、O
−、S
−、OR
dまたはSR
dであり;そしてR
cは、−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし:R
aは、Sであるか、またはR
bは、S
−もしくはSR
dであるか;あるいはただしR
aは、Sであり、R
bは、S
−もしくはSR
dであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキルチオホスホ基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、アルキルチオホスホ基の−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oアルキルチオホスホ」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるアルキルチオホスホ基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oアルキルチオホスホ基は、必要に応じて置換され得る。
【0036】
「アルキルエーテルチオホスホ」とは、−P(=R
a)(R
b)R
c基であって、ここでR
aは、OまたはSであり、R
bは、OH、O
−、S
−、OR
dまたはSR
dであり;そしてR
cは、−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし:R
aは、Sであるか、またはR
bは、S
−もしくはSR
dであるか;あるいはただしR
aは、Sであり、R
bは、S
−もしくはSR
dであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アルキルエーテルチオホスホ基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、アルキルエーテルチオホスホ基の−Oアルキルまたは−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oアルキルエーテルチオホスホ」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるアルキルエーテルチオホスホ基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oアルキルエーテルチオホスホ基は、必要に応じて置換され得る。
【0037】
「アミド」とは、−NR
aR
bラジカルであって、ここでR
aおよびR
bは、独立して、H、アルキルまたはアリールであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アミド基は、必要に応じて置換され得る。
【0038】
「アリール」とは、6〜18個の炭素原子および少なくとも1個の炭素環式芳香環を含む炭素環式環系の基をいう。本発明の目的のために、このアリール基は、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得、縮合環系もしくは架橋環系を含み得る。アリール基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンから誘導されるアリール基。本明細書で別段具体的に述べられなければ、用語「アリール」または接頭辞「アラ−(ar−)」(例えば、「アラルキル」におけるように)は、必要に応じて置換されるアリール基を含むことを意味される。
【0039】
「アリールオキシ」とは、式−OR
aの基であって、ここでR
aは、アリール部分(上記で定義されるとおり)であるもの、例えば、フェノキシなどをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アリールオキシ基は、必要に応じて置換され得る。
【0040】
「アラルキル」とは、式−R
b−R
cの基であって、ここでR
bは、アルキレン鎖(上記で定義されるとおり)であり、R
cは、1個もしくはこれより多くのアリール基(上記で定義されるとおり)であるもの、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、アラルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0041】
「Oアラルキル」は、酸素連結を介して分子の残部に接続されるアラルキル基である。「ODMT」とは、O原子を介して分子の残部に連結されるジメトキシトリチルをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oアラルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0042】
「シアノアルキル」とは、少なくとも1個のシアノ置換基を含むアルキル基をいう。1個もしくはこれより多くの−CN置換基は、一級、二級または三級の炭素原子上にあり得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、シアノアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0043】
「炭素環式環」は、各環原子が炭素である環である。炭素環式環は、飽和していてもよいし、不飽和であってもよい(芳香環を含む)。本明細書で別段具体的に述べられなければ、炭素環式基は、必要に応じて置換される。
【0044】
「シクロアルキル」とは、安定な非芳香族の単環式もしくは多環式の炭素環式環であって、縮合環系もしくは架橋環系を含み得、3〜15個の炭素原子を有し、好ましくは、3〜10個の炭素原子を有し、そして飽和または不飽和であり、そして単結合によって分子の残部に結合されるものをいう。単環式シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式シクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。本明細書で別段具体的に述べられなければ、シクロアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0045】
「シクロアルキルアルキル」とは、式−R
bR
dの基であって、ここでR
bは、アルキレン鎖(上記で定義されるとおり)であり、R
dは、シクロアルキル基(上記で定義されるとおり)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、シクロアルキルアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0046】
「多環式」とは、1個より多くの環を有する任意の分子をいう。上記環は、縮合されているか、スピロ環式であるかまたは1個もしくはこれより多くの原子によって分離される(例えば、非環式リンカーによって連結される)かのいずれかであり得る。
【0047】
「スピロ環式」とは、2個の環が1個の炭素原子を共有する多環式分子をいう。
【0048】
「縮合された」とは、本発明の化合物の中に存在する環構造に縮合される、本明細書で記載される任意の環構造をいう。縮合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、この縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部になる、存在する環構造上の任意の炭素原子が、窒素原子で置き換わっていてもよい。
【0049】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードをいう。
【0050】
「ハロアルキル」とは、1個もしくはこれより多くのハロ基(上記で定義されるとおり)によって置換されているアルキル基(上記で定義されるとおり)、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチルなどをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ハロアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0051】
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」とは、少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子であり、その残りの環原子が、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される、安定な3〜18員の芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族の環基をいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得、縮合環系もしくは架橋環系を含み得;そして上記ヘテロシクリル基の中の窒素、炭素、または硫黄原子は、必要に応じて酸化され得;上記窒素原子は、必要に応じて四級化され得;そして上記ヘテロシクリル基は、部分的にまたは完全に飽和され得る。このようなヘテロシクリル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニル。本明細書で別段具体的に述べられなければ、本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヘテロシクリル基は、必要に応じて置換され得る。
【0052】
「N−ヘテロシクリル」とは、少なくとも1個の窒素を含むヘテロシクリル基(上記で定義されるとおり)であって、ここで分子の残部へのヘテロシクリル基の結合点がこのヘテロシクリル基の窒素原子を介するものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、N−ヘテロシクリル基は、必要に応じて置換され得る。
【0053】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、式−R
bR
eの基であって、ここでR
bは、アルキレン鎖(上記で定義されるとおり)であり、R
eは、ヘテロシクリル基(上記で定義されるとおり)であるものをいい、そしてこのヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合に、このヘテロシクリルは、窒素原子において上記アルキル基に結合され得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヘテロシクリルアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0054】
「ヘテロアリール」とは、1〜13個の炭素原子、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1〜6個のヘテロ原子、ならびに少なくとも1個の芳香環を含む5〜14員の環系基をいう。本発明の目的に関して、ヘテロアリール基は、縮合環系もしくは架橋環系を含み得;上記ヘテロアリール基の中の窒素、炭素または硫黄原子は、必要に応じて酸化され得;上記窒素原子は、必要に応じて四級化され得る単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得る。例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヘテロアリール基は、必要に応じて置換され得る。
【0055】
「N−ヘテロアリール」とは、少なくとも1個の窒素原子を含むヘテロアリール基(上記で定義されるとおり)であって、ここで上記分子の残部へのこのヘテロアリール基の結合点が、このヘテロアリール基の窒素原子を介するものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、N−ヘテロアリール基は、必要に応じて置換され得る。
【0056】
「ヘテロアリールアルキル」とは、式−R
bR
fの基であって、ここでR
bは、アルキレン鎖(上記で定義されるとおり)であり、R
fは、ヘテロアリール基(上記で定義されるとおり)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヘテロアリールアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0057】
「ヒドロキシルアルキル」とは、少なくとも1個のヒドロキシル置換基を含むアルキル基をいう。1個もしくはこれより多くの−OH置換基は、一級、二級または三級の炭素原子上にあり得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヒドロキシアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0058】
「ヒドロキシルアルキレン」とは、少なくとも1個のヒドロキシル置換基を含むアルキレン基をいう。1個もしくはこれより多くの−OH置換基は、一級、二級または三級の炭素原子上にあり得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヒドロキシアルキレン基は、必要に応じて置換される。
【0059】
「ヒドロキシルアルキルエーテル」とは、少なくとも1個のヒドロキシル置換基を含むアルキルエーテル基をいう。1個もしくはこれより多くの−OH置換基は、一級、二級または三級の炭素原子上にあり得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ヒドロキシアルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。
【0060】
「ホスフェート」とは、−OP(=O)(R
a)R
b基であって、ここでR
aは、OH、O
−またはOR
cであり;R
bは、OH、O
−、OR
c、さらなるホスフェート基(ジホスフェートおよびトリホスフェートにおけるように)、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na
+など)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ホスフェート基は、必要に応じて置換され得る。
【0061】
「ホスホ」とは、二価の−OP(=O)(R
a)O−基であって、ここでR
aは、O
−またはOR
cであり;ここでR
cは、対イオン(例えば、H
+、Na
+など)であるものをいう。
【0062】
「ホスホアルキル」とは、−P(=O)(R
a)R
b基であって、ここでR
aは、OH、O
−またはOR
cであり;そしてR
bは、−Oアルキルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na
+など)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ホスホアルキル基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、ホスホアルキル基の−Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリルまたはホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oホスホアルキル」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるホスホアルキル基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、oホスホアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0063】
「ホスホアルキレン」とは、二価の−OP(=O)(R
a)R
b−基であって、ここでR
aは、O
−またはOR
cであり;そしてR
bは、−Oアルキレンであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、H
+、Na
+など)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ホスホアルキレン基は、必要に応じて置換される。例えば、ある種の実施形態において、ホスホアルキル基のアルキレン部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリルまたはホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換され、その置換基は、必要に応じて置換される。
【0064】
「ホスホアルキルエーテル」とは、−P(=O)(R
a)R
b基であって、ここでR
aは、OH、O
−またはOR
cであり;そしてR
bは、−Oアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na
+など)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、ホスホアルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、ホスホアルキルエーテル基の−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oホスホアルキルエーテル」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるホスホアルキルエーテル基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、oホスホアルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。
【0065】
「スルフヒドリルアルキル」とは、少なくとも1個のスルフヒドリル置換基を含むアルキル基をいう。1個もしくはこれより多くの−SH置換基は、一級、二級または三級の炭素原子上にあり得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、スルフヒドリルアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0066】
「スルフヒドリルアルキルエーテル」とは、少なくとも1個のスルフヒドリル置換基を含むアルキルエーテル基をいう。1個もしくはこれより多くの−SH置換基は、一級、二級または三級の炭素原子上にあり得る。本明細書で別段具体的に述べられなければ、スルフヒドリルアルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。
【0067】
「スルホネート」とは、−OS(O)
2R
a基であって、ここでR
aは、アルキルまたはアリールであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、スルホネート基は、必要に応じて置換され得る。
【0068】
「チオアルキル」とは、式−SR
aの基であって、ここでR
aは、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基(上記で定義されるとおり)であるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、チオアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0069】
「チオホスフェート」とは、−OP(=R
a)(R
b)R
c基であって、ここでR
aは、OまたはSであり;R
bは、OH、O
−、S
−、OR
dまたはSR
dであり;R
cは、OH、O
−、OR
d、ホスフェート基 チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり;ここでR
dは、対イオン(例えば、Na
+など)であるが、ただし:R
aは、Sであるか、またはR
bは、S
−もしくはSR
dであるか;あるいはただしR
aは、Sであり、R
bは、S
−もしくはSR
dであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、チオホスフェート基は、必要に応じて置換され得る。
【0070】
「チオホスホ」とは、二価の−R
dP(=R
a)(R
b)R
c−基であって、ここでR
a、R
cおよびR
dは、各々独立して、OまたはSであり;R
bは、O
−、S
−、OR
eまたはSR
eであり;ここでR
eは、対イオン(例えば、H
+、Na+など)であるが、ただし:R
aは、Sであるか;またはR
bは、S
−もしくはSR
eであるか;またはR
cは、Sであるか;またはRdは、S、またはこれらの組み合わせであるものをいう。
【0071】
「チオホスホアルキル」とは、−P(=R
a)(R
b)R
c基であって、ここでR
aは、OまたはSであり、R
bは、OH、O
−、S
−、OR
dまたはSR
dであり;R
cは、−Oアルキルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし:R
aは、Sであるか、またはR
bは、S
−もしくはSR
dであるか;あるいはただしR
aは、Sであり、R
bは、S
−またはSR
dであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、チオホスホアルキル基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、チオホスホアルキル基の−Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oチオホスホアルキル」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるチオホスホアルキル基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oチオホスホアルキル基は、必要に応じて置換され得る。
【0072】
「チオホスホアルキレン」とは、二価の−R
dP(=R
a)(R
b)R
c−基であって、ここでR
aおよびR
dは、各々独立して、OまたはSであり、R
bは、O
−、S
−、OR
eまたはSR
eであり;R
cは、−Oアルキレンまたは−Sアルキレンであり、ここでR
eは、対イオン(例えば、H+、Na+など)であるが、ただし:R
aは、Sであるか;またはR
bは、S
−もしくはSR
eであるか;またはRcは、−Sアルキレンであるか;あるいはR
dは、Sであるか、あるいはこれらの組み合わせであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、チオホスホアルキレン基は、必要に応じて置換される。例えば、ある種の実施形態において、チオホスホアルキレン基のアルキレン部分は、必要に応じて、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで置換され、その置換基は、必要に応じて置換される。
【0073】
「チオホスホアルキルエーテル」とは、−P(=R
a)(R
b)R
c基であって、ここでR
aは、OまたはSであり、R
bは、OH、O
−、S
−、OR
dまたはSR
dであり;R
cは、−Oアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし:R
aは、SであるかまたはR
bは、S
−もしくはSR
dであるか;あるいはただしR
aは、Sであり、R
bは、S
−もしくはSR
dであるものをいう。本明細書で別段具体的に述べられなければ、チオホスホアルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。例えば、ある種の実施形態において、チオホスホアルキル基の−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルのうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換される。「Oチオホスホアルキルエーテル」は、酸素原子を介して分子の残部に接続されるチオホスホアルキルエーテル基である。本明細書で別段具体的に述べられなければ、Oチオホスホアルキルエーテル基は、必要に応じて置換され得る。
【0074】
本明細書で使用される用語「置換された」とは、上記の基(すなわち、アルキル、アルキレン、アミノアルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルエーテル、アルキレンエーテル、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、アルキルホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、アミド、チオアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、Oアラルキル、シアノアルキル、炭素環式環、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシルアルキル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、ホスホアルキル、ホスホアルキレン、ホスホアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、スルホネート、チオホスホアルキル、チオホスホアルキレン、および/またはチオホスホアルキルエーテル)のうちのいずれかであって、 ここで少なくとも1個の水素原子が、非水素原子(例えば、以下が挙げられるが、これらに限定されない:F、Cl、Br、およびIのようなハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基のような基の中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基のような基の中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、およびエナミンのような基の中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基のような基の中のケイ素原子;ならびに種々の他の基の中の他のヘテロ原子)への結合によって置き換えられることを意味する。「置換された」とはまた、1個もしくはこれより多くの水素原子が、ヘテロ原子(例えば、オキソ、カルボニル、カルボキシル、およびエステル基の中の酸素;ならびにイミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリルのような基の中の窒素)へのより高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置き換えられる上記の基のうちのいずれかを意味する。例えば、「置換された」は、1個もしくはこれより多くの水素原子が−NR
gR
h、−NR
gC(=O)R
h、−NR
gC(=O)NR
gR
h、−NR
gC(=O)OR
h、−NR
gSO
2R
h、−OC(=O)NR
gR
h、−OR
g、−SR
g、−SOR
g、−SO
2R
g、−OSO
2R
g、−SO
2OR
g、=NSO
2R
g、および−SO
2NR
gR
hで置き換えられる上記の基のうちのいずれかを含む。「置換された」はまた、1個もしくはこれより多くの水素原子が−C(=O)R
g、−C(=O)OR
g、−C(=O)NR
gR
h、−CH
2SO
2R
g、−CH
2SO
2NR
gR
hで置き換えられる上記基のうちのいずれかを意味する。前述において、R
gおよびR
hは、同じであるかまたは異なっており、そして独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキルである。「置換された」とは、1個もしくはこれより多くの水素原子がアミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられる上記の基のうちのいずれかをさらに意味する。さらに、前述の置換基の各々はまた、上記の置換基のうちの1個もしくはこれより多くで必要に応じて置換され得る。
【0075】
「共役」とは、「M」部分に関して、1つのp軌道と別のp軌道とが、間に挟まるσ結合を横断して重なり合っていることをいう。共役は、環式または非環式の化合物で起こり得る。「共役度」とは、少なくとも1つのp軌道と別のp軌道とが間に挟まっている二重結合を横断して重なり合っていることをいう。例えば、1,3−ブタジエンは、1の共役度を有する一方で、ベンゼンおよび他の芳香族化合物は、代表的には、多重の共役度を有する。蛍光および有色化合物は、代表的には、少なくとも1の共役度を含む。
【0076】
「蛍光(性)(fluorescent)」とは、特定の周波数の光を吸収し、異なる周波数の光を発することができる分子をいう。蛍光(fluorescence)は、当業者に周知である。
【0077】
「有色(の)(colored)」とは、有色のスペクトル内の光(すなわち、赤、黄、青など)を吸収する分子をいう。
【0078】
「リンカー」とは、分子の一部をその同じ分子の別の部分にまたは異なる分子、部分もしくは固体支持体(例えば、微粒子)に接続する、少なくとも1個の原子(例えば、炭素、酸素、窒素、硫黄、リンおよびこれらの組み合わせ)の連続する鎖に言及する。リンカーは、共有結合または他の手段(例えば、イオン結合または水素結合相互作用)を介して上記分子を接続し得る。
【0079】
本発明の目的で、用語「生体分子」とは、種々の生物学的物質のうちのいずれか(核酸、炭水化物、アミノ酸、ポリペプチド、糖タンパク質、ホルモン、アプタマーおよびこれらの混合物が挙げられる)をいう。より具体的には、この用語は、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、改変または誘導体化されたヌクレオチド、酵素、レセプター、プリオン、レセプターリガンド(ホルモンを含む)、抗体、抗原、および毒素、ならびに細菌、ウイルス、血球、および組織細胞が挙げられるが、これらに限定されないことが意図される。本発明の視覚的に検出可能な生体分子(すなわち、生体分子が連結されている構造(I)の化合物)は、本明細書でさらに記載されるように、生体分子と化合物(これは、上記生体分子上のアミノ、ヒドロキシ、カルボキシル、またはスルフヒドリル基のような任意の利用可能な原子または官能基を介して上記化合物への生体分子の結合を可能にする反応性基を有する)とを接触させることによって調製される。
【0080】
用語「視覚的」および「視覚的に検出可能な」とは、事前の照射、または化学的活性化もしくは酵素的活性化なしで、目視によって観察可能である物質に言及するために、本明細書で使用される。このような視覚的に検出可能な物質は、約300〜約900nmの範囲に及ぶスペクトルの領域にある光を吸収し、発する。好ましくは、このような物質は、強く有色であり、好ましくは、少なくとも約40,000、より好ましくは、少なくとも約50,000、さらにより好ましくは、少なくとも約60,000、なおさらにより好ましくは、少なくとも約70,000、および最も好ましくは、少なくとも約80,000M
−1cm
−1のモル吸光係数を有する。本発明の生体分子は、裸眼で、または光学ベースの検出デバイス(吸光分光光度計、透過型光学顕微鏡(transmission light microscope)、デジタルカメラおよびスキャナが挙げられるが、これらに限定されない)の助けを借りて観察することによって検出され得る。視覚的に検出可能な物質は、可視スペクトルの中の光を発するおよび/または吸収するものに限定されない。紫外線(UV)領域(約10nm〜約400nm)、赤外線(IR)領域(約700nm〜約1mm)の中の光を発するおよび/または吸収する物質、ならびに電磁スペクトルの他の領域において発するおよび/または吸収する物質はまた、「視覚的に検出可能な」物質の範囲内に含まれる。
【0081】
本発明の目的のために、用語「光安定性視覚的染料(photostable visible dye)」とは、本明細書上記で定義されるように、視覚的に検出可能であり、そして光に曝露した際に、顕著に変化も分解もしない化学部分に言及する。好ましくは、上記光安定性視覚的染料は、少なくとも1時間光に曝された後に、顕著な漂白も分解も示さない。より好ましくは、上記視覚的染料は、少なくとも12時間、さらにより好ましくは、少なくとも24時間、さらになおより好ましくは、少なくとも1週間、および最も好ましくは、少なくとも1ヶ月間光に曝した後に安定である。本発明の化合物および方法における使用に適した光安定性視覚的染料の非限定的例としては、アゾ染料、チオインディゴ染料、キナクリドン顔料、ジオキサジン、フタロシアニン、ペリノン、ジケトピロロピロール、キノフタロン、およびトルアリーカルボニウム(truarycarbonium)が挙げられる。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「ペリレン誘導体」とは、視覚的に検出可能である任意の置換されたペリレンを含むことが意図される。しかし、この用語は、ペリレン自体を含むことは意図されない。用語「アントラセン誘導体」、「ナフタレン誘導体」、および「ピレン誘導体」が、同様に使用される。いくつかの好ましい実施形態において、誘導体(例えば、ペリレン、ピレン、アントラセンまたはナフタレンの誘導体)は、ペリレン、アントラセン、ナフタレン、またはピレンのイミド、ビスイミドまたはヒドラザムイミド(hydrazamimide)誘導体である。
【0083】
本発明の視覚的に検出可能な生体分子は、特定の生体分子の存在、位置、または量を決定する必要がある広く種々の生化学的および生物医学的用途に有用である。従って、別の局面において、本発明は、生体分子を視覚的に検出するための方法を提供し、上記方法は、(a)生物学的系に、生体分子に連結された構造(I)の化合物を含む視覚的に検出可能な生体分子を提供する工程;および(b)上記生体分子をその視覚的特性によって検出する工程を包含する。本発明の目的のために、語句「生体分子をその視覚的特性によって検出する」とは、生体分子が、照射または化学的もしくは酵素的活性化なしに、裸眼で、または光学ベースの検出デバイス(吸光分光光度計、透過型光学顕微鏡、デジタルカメラおよびスキャナが挙げられるが、これらに限定されない)の助けを借りて観察されることを意味する。デンシトメーターは、存在する視覚的に検出可能な生体分子の量を定量するために使用され得る。例えば、2つのサンプル中の上記生体分子の相対的量は、相対的光学密度を測定することによって決定され得る。1生体分子あたりの染料分子の化学量論が既知でありかつ上記染料分子の吸光係数が既知である場合、上記生体分子の絶対濃度もまた、光学密度の測定から決定され得る。本明細書で使用される場合、用語「生物学的系」は、視覚的に検出可能な生体分子に加えて、1もしくはこれより多くの生体分子を含む任意の溶液または混合物をいうために使用される。このような生物学的系の非限定的例としては、細胞、細胞抽出物、組織サンプル、電気泳動ゲル、アッセイ混合物、およびハイブリダイゼーション反応混合物が挙げられる。
【0084】
「微粒子」とは、1つのタイプの固体支持体であり、そして本発明の化合物への結合に有用な多くの小さな粒子のうちのいずれか(ガラスビーズ、磁性ビーズ、ポリマービーズ、非ポリマービーズなどが挙げられるが、これらに限定されない)をいう。ある種の実施形態において、微粒子は、ポリスチレンビーズを含む。
【0085】
「塩基対合部分」とは、相補的な複素環式部分と水素結合(例えば、ワトソン−クリック塩基対合)を介してハイブリダイズし得る複素環式部分をいう。塩基対合部分は、天然および非天然の塩基を含む。塩基対合部分の非限定的例は、RNA塩基およびDNA塩基(例えば、アデノシン、グアノシン、チミジン、シトシンおよびウリジンならびにこれらのアナログ)である。
【0086】
本明細書で開示される本発明はまた、1個もしくはこれより多くの原子が異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換わることによって、同位体標識されている構造(I)の全ての化合物を包含することが意味される。開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体(例えば、それぞれ、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123I、および
125I)が挙げられる。
【0087】
構造(I)の同位体標識された化合物は一般に、当業者に公知の従来技術によって、または以下でおよび以下の実施例において記載されるものに類似のプロセスによって、以前に使用されていた標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用して調製され得る。
【0088】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度への単離および有効な治療剤への製剤化に耐えるように十分に強い化合物を示すことが意味される。
【0089】
「選択肢的な(optional)」または「必要に応じて(optionally)」とは、その後に記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、ならびにその記載が上記事象または状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されたアルキル」とは、そのアルキル基が置換されていてもされていなくてもよいこと、ならびにその記載が、置換されたアルキル基および置換を有しないアルキル基の両方を含むことを意味する。
【0090】
「塩」とは、酸付加塩および塩基付加塩の両方を包含する。
【0091】
「酸付加塩」とは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)および有機酸(例えば、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、カンファー酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)と形成される塩をいう。
【0092】
「塩基付加塩」とは、遊離酸に無機塩基または有機塩基を添加することから調製される塩をいう。無機塩基に由来する塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:一級、二級、および三級アミン、置換されたアミン(天然に存在する置換されたアミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂(例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など)が挙げられる)の塩。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインである。
【0093】
しばしば、結晶化は、本発明の化合物の溶媒和物を生じる。本発明は、記載される化合物の全ての溶媒和物を包含する。本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」とは、1分子もしくはこれより多くの本発明の化合物と、1分子もしくはこれより多くの溶媒とを含む凝集物をいう。上記溶媒は水であり得、この場合、この溶媒和物は水和物であり得る。あるいは、上記溶媒は、有機溶媒であり得る。従って、本発明の化合物は、水和物(一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などが挙げられる)ならびにその対応する溶媒和形態として存在し得る。本発明の化合物は、真の溶媒和物であり得る一方で、他の場合には、本発明の化合物は、偶発の水もしくは別の溶媒を保持しているに過ぎなくてもよいし、水と何らかの偶発の溶媒との混合物であってもよい。
【0094】
本発明の化合物(例えば、構造I〜VIIの化合物)、またはそれらの塩、互変異性体もしくは溶媒和物は、1もしくはこれより多くの不斉中心を含み得、従って、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の点から、(R)−もしくは(S)−として、またはアミノ酸に関しては(D)−もしくは(L)−として定義され得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、全てのこのような考えられる異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことが意味される。光学的に活性な(+)および(−)、(R)−および(S)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来技術(例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化)を使用して分離され得る。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来技術としては、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、あるいは例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ混合物(または塩もしくは誘導体のラセミ混合物)の分離が挙げられる。本明細書で記載される化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何的非対称性の中心を含み、そして別段特定されなければ、上記化合物がEおよびZ両方の幾何異性体を含むことは、意図される。同様に、全ての互変異性形態がまた、含まれることが意図される。
【0095】
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合されるが、交換可能ではない異なる三次元構造を有する同じ原子から構成される化合物をいう。本発明は、種々の立体異性体およびその混合物を企図し、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体をいう「エナンチオマー」を含む。
【0096】
「互変異性体」とは、分子の1つの原子からその同じ分子の別の原子へのプロトンシフトに言及する。本発明は、任意の上記化合物の互変異性体を含む。上記化合物の種々の互変異性形態は、当業者によって容易に導き出される。
【0097】
本明細書で使用される化学的命名法プロトコルおよび構造図は、ACD/Name Version 9.07ソフトウェアプログラムおよび/またはChemDraw Version 10.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用するI.U.P.A.C.命名法体系の改変形態である。当業者が精通する一般名もまた、使用される。
【0098】
「結合(する)」とは、1個の分子または原子が別の原子または分子と会合するプロセスをいう。結合としては、イオン結合、共有結合、キレート化、会合錯体、水素結合などが挙げられる。分析物分子もしくは固体支持体と結合し得る部分は、上記分析物分子もしくは固体支持体と、上記の手段のうちのいずれかによって会合し得る部分である。一実施形態において、上記部分は、分析物分子もしくは固体支持体と共有結合によって結合する(すなわち、上記部分は、上記分析物分子もしくは固体支持体と共有結合を形成し得る)。
【0099】
上記のように、本発明の一実施形態において、種々の分析法において蛍光染料および/または有色染料として有用な化合物が提供される。
一実施形態において、上記化合物は、以下の構造(I):
【化2】
またはその塩もしくは立体異性体を有し、ここで:
M
1およびM
2は、各存在において、独立して、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、そしてM
1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
L
1、L
3、L
4、L
6、L
7およびL
8は、各存在において、独立して、選択肢的なアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり;
R
1は、各存在において、独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R
2は、電子対、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル(sulfyhdrylalkylether)、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
3は、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
4は、各存在において、独立して、O
−、S
−、OZ、SZまたはN(R
6)
2であり、ここでZは、カチオンであり、各R
6は、独立して、Hまたはアルキルであり;
R
5は、各存在において、独立して、オキソ、チオキソまたは非存在であり;
L
9およびL
11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L
10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
nは、1〜20の整数であり;
qおよびwは、各々独立して、nの各整数値に関して0または1であり、ここでqは、nのうちの少なくとも2個の整数値に関して1であるか、またはここでqおよびwは、各々独立して、nのうちの少なくとも1個の整数値に関して1であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0100】
いくつかの実施形態において、ただしR
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qである。他の実施形態において、R
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0101】
いくつかの実施形態において、nの各整数値に関して、qは、1であり、wは、0である。
【0102】
前述のうちの他の実施形態において、上記化合物は、以下の構造(Ia):
【化3】
を有し、ここで:
M
1は、各存在において、独立して、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M
1のうちの少なくとも1個の存在は、4個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
L
1、L
7およびL
3は、各存在において、独立して、選択肢的なアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり;
R
1は、各存在において、独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R
2は、電子対、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであるか、あるいはR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
3は、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
4は、各存在において、独立して、O
−、S
−、OZ、SZまたはN(R
6)
2であり、ここでZは、カチオンであり、各R
6は、独立して、Hまたはアルキルであり;
R
5は、各存在において、独立して、オキソ、チオキソまたは非存在であり;
L
9およびL
11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L
10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子であり;
nは、1〜10の整数であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0103】
いくつかの他の実施形態において、上記化合物は、以下の構造(Ib):
【化4】
を有し、ここで:
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12は、各存在において、独立して、Hまたはアルキルであり;そして
x
1、y
1およびz
1は、各存在において、独立して、0〜5の整数である。
【0104】
異なる実施形態において、上記化合物は、以下の構造(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)のうちの1つ:
【化5】
を有する。
【0105】
さらにより多くの実施形態において、wは、nのうちの少なくとも1個の整数値に関して1である。例えば、いくつかの実施形態において、上記化合物は、以下の構造(Ig):
【化6】
を有し、ここで:
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12は、各存在において、独立して、Hまたはアルキルであり;そして
x
1、x
2、y
1、y
2、z
1およびz
2は、各存在において、独立して、0〜5の整数である。
【0106】
前述のうちの他の実施形態において、R
5は、オキソであり、R
4は、O
−またはOZである。
【0107】
いくつかの他の実施形態において、R
2は、Hまたは電子対であり、R
3は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qである。
【0108】
いくつかの異なる実施形態において、R
2は、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキルまたはスルフヒドリルアルキルエーテルであり、R
3は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qである。例えば、いくつかの実施形態において、R
2は、以下の構造のうちの1つ:
【化7】
を有し、ここで:
R
2aは、−OH、−NH
2、または−SHであり;そして
aは、1〜10の整数である。
【0109】
前述のうちのより多くの実施形態において、R
3は、−L
9−(L
10)
zL
11−Qであり、R
2は、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
2は、−OH、−NH
2および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換される。例えば、いくつかの実施形態において、R
2は、以下の構造のうちの1つ:
【化8】
【化9】
【化10】
を有し、ここで:
R
2aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R
4aおよびR
4bは、独立して、O
−、S
−、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R
5aおよびR
5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
a、bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である。
【0110】
前述のうちのより多くの実施形態において、R
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
3は、OHまたはホスフェートである。
【0111】
前述のうちのさらにより多く実施形態において、R
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
3は、−OH、−NH
2および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換された、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
3は、以下の構造のうちの1つ:
【化11】
を有し、ここで:
R
3aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R
4aおよびR
4bは、独立して、O
−、S
−、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R
5aおよびR
5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である。
【0112】
前述のうちのさらにより多く実施形態において、R
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
3は、OHまたはホスフェートである。
【0113】
異なる実施形態において、R
4aおよびR
4bは、各々O
−であり、R
5aおよびR
5bは、各々オキソでである。いくつかの他の実施形態において、R
4aおよびR
4bは、各々O
−であり、R
5aおよびR
5bは、各々チオキソである。いくつかの異なる実施形態において、R
4aおよびR
4bは、各々S
−であり、R
5aおよびR
5bは、各々チオキソである。より多くの異なる実施形態において、R
4aおよびR
4bは、各々S
−であり、R
5aおよびR
5bは、各々オキソである。
【0114】
いくつかの他の実施形態において、a、bまたはcのうちの少なくとも1つは、2である。例えば、いくつかの実施形態において、a、bおよびcの各々は、2である。
【0115】
前述のうちのより多くの実施形態において、a、bまたはcのうちの少なくとも1つは、6である。例えば、いくつかの実施形態において、a、bおよびcの各々は、6である。
【0116】
前述のうちの他の実施形態において、nは、1〜5の整数である。いくつかの実施形態において、nは、2〜15の整数である。いくつかの異なる実施形態において、nは、2〜10の整数である。いくつかの他の実施形態において、nは、2〜5の整数である。
【0117】
さらに他の実施形態は、以下の構造(II):
【化12】
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体を提供し、ここで:
M
1は、各存在において、独立して、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M
1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
L
1、L
3、およびL
7は、各存在において、独立して、選択肢的なアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり;
R
1は、各存在において、独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R
2は、電子対、H、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
3は、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR
3は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し、
R
4は、各存在において、独立して、O
−、S
−、OZ、SZまたはN(R
6)
2であり、ここでZは、カチオンであり、そして各R
6は、独立して、Hまたはアルキルであり;
R
5は、各存在において、独立して、オキソ、チオキソまたは非存在であり;
L
9およびL
11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L
10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
nは、1〜20の整数であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0118】
いくつかの実施形態において、R
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qである。異なる実施形態において、R
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0119】
前述のうちの他の実施形態において、R
3は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
2は、電子対またはHである。
【0120】
前述のうちのさらにより多く実施形態において、R
3は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
2は、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
2は、−OH、−NH
2および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換される。例えば、いくつかの実施形態において、R
2は、以下の構造のうちの1つ:
【化13】
【化14】
を有し、ここで:
R
2aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R
4aおよびR
4bは、独立して、O
−、S
−、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R
5aおよびR
5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
a、bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である。
【0121】
いくつかの異なる実施形態において、R
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
3は、OHまたはホスフェートである。いくつかの他の実施形態において、R
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、R
3は、−OH、−NH
2、および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換された、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルである。
【0122】
前述のうちの他の実施形態において、R
3は、以下の構造のうちの1つ:
【化15】
【化16】
を有し、ここで:
R
3aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R
4aおよびR
4bは、独立して、O
−、S
−、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R
5aおよびR
5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である。
【0123】
種々の実施形態において、各存在において、R
4は、O
−であり、R
5は、オキソである。
【0124】
異なる実施形態において、L
1、L
3およびL
7は、各々、アルキレンリンカーである。
【0125】
いくつかの他の異なる実施形態において、L
1およびL
3は、各々アルキレンリンカーであり、L
7は、非存在である。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、アルキレンは、メチレンである。
【0126】
他の実施形態は、以下の構造(III):
【化17】
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体を提供し、ここで:
M
1は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
R
1は、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R
2は、H、電子対またはカチオンであるか;あるいはR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
3は、H、ホスフェートまたはOHであるか;あるいはR
3は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R
4は、O
−、S
−、OZ、SZであり、ここでZは、カチオンであり;
R
5は、オキソまたはチオキソであり;
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12は、各存在において、独立して、Hまたはアルキルであり;
L
9およびL
11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L
10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;そして
x、yおよびzは、各存在において、独立して、0〜5の整数であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0127】
いくつかの他の実施形態において、R
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qである。異なる実施形態において、R
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。
【0128】
さらなる実施形態において、x、yおよびzは、各々1である。
【0129】
種々の他の実施形態において、xは、0であり、yおよびzは、各々1である。
【0130】
M
1は、一般に、視覚的に検出可能な部分または基質である。例えば、M
1は、UVスペクトル、可視スペクトルまたはIRスペクトルにおいて視覚的に検出可能であり得る。前述のうちのいずれかのいくつかにおいて、M
1は、各存在において、独立して、蛍光性または有色である。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、蛍光性である。
【0131】
ある種の実施形態において、M
1は、プリン塩基またはピリミジン塩基(例えば、グアニン、シトシン、チミジンおよびアデニンが挙げられるが、これらに限定されない)ではない。他の実施形態において、M
1は、ポルフィリンではない。他の実施形態において、M
1は、以下のうちの1つ:
【0133】
前述のうちのいずれかのさらに他の実施形態において、M
1は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせ、例えば、4個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせ、あるいはさらに5個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、M
1は、6個のアリールまたはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、上記環は、縮合されている。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、3個もしくはこれより多くの縮合環、4個もしくはこれより多くの縮合環、5個もしくはこれより多くの縮合環、またはさらには6個もしくはこれより多くの縮合環を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、M
1は、環式である。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、炭素環式である。他の実施形態において、M
1は、複素環式である。前述のうちのさらに他の実施形態において、M
1は、各存在において独立して、アリール部分を含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上記アリール部分は、多環式である。他のより多くの具体例において、上記アリール部分は、縮合多環式アリール部分であり、例えば、これは、少なくとも3個、少なくとも4個、またはさらには4個より多くのアリール環を含み得る。
【0135】
構造(I)の前述の化合物のうちのいずれかの他の実施形態において、M
1は、各存在において独立して、少なくとも1個のヘテロ原子を含む。例えば、いくつかの実施形態において、上記ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。
【0136】
前述のうちのいずれかのさらにより多くの実施形態において、M
1は、各存在において、少なくとも1個の置換基を独立して含む。例えば、いくつかの実施形態において、上記置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミド、またはホルミル基である。
【0137】
前述のうちのいくつかのさらにより多くの具体的実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、ター−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10−エチニルアントラセンまたはター−ナフチル部分である。他の実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、p−ターフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン(thioxanthrene)、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミド、もしくはペリレンアミドまたはその誘導体である。さらにより多くの実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、クマリン染料、レゾルフィン染料、ジピロメテンボロンジフルオリド染料、ルテニウムビピリジル染料、エネルギー移動染料、チアゾールオレンジ染料、ポリメチンまたはN−アリール−1,8−ナフタルイミド染料である。
【0138】
前述のうちのいずれかのさらにより多くの実施形態において、M
1は、各存在において、同じである。他の実施形態において、各M
1は、異なる。さらにより多くの実施形態において、1個もしくはこれより多くのM
1は、同じであり、1個もしくはこれより多くのM
1は、異なる。
【0139】
いくつかの実施形態において、M
1は、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドもしくは6−FAMまたはその誘導体である。いくつかの他の実施形態において、M
1は、以下の構造のうちの1つ:
【化19】
を有する。
【0140】
いくつかの実施形態において、M
2は、上記のM
1部分のうちのいずれか1つから選択される。いくつかの実施形態において、M
1およびM
2は、同じである。他の実施形態において、M
1およびM
2は、異なる。
【0141】
他の実施形態において、M
2のうちの少なくとも1個の存在は、塩基対合部分である。例えば、いくつかの実施形態において、M
2の各存在は、塩基対合部分である。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上記塩基対合部分は、プリン、ピリミジン、ジヒドロピリミジンまたはその誘導体である。さらなる実施形態において、上記塩基対合部分は、以下の構造のうちの1つ:
【化20】
を有する。
【0142】
本発明は、モノマー化合物(例えば、n=1)ならびにオリゴマー化合物(例えば、nは、2〜20または2〜10)を含む。前述の実施形態のうちの他のものにおいて、nは、1〜5の整数である。例えば、いくつかの実施形態において、nは、2〜10の整数、または2〜5の整数、例えば、3である。他の実施形態において、nは、1である。より多くの実施形態において、nは、2である。他の実施形態において、nは、3である。より多くの実施形態において、nは、4である。他の実施形態において、nは、5である。より多くの実施形態において、nは、6である。他の実施形態において、nは、7である。より多くの実施形態において、nは、8である。他の実施形態において、nは、9である。より多くの実施形態において、nは、10である。
【0143】
任意の数(すなわち、x、yおよびz)のメチレンスペーサーユニットが、含まれ得る。いくつかの実施形態において、xは、0である。他の実施形態において、xは、1である。より多くの実施形態において、xは、2である。いくつかの実施形態において、xは、3である。他の実施形態において、xは、4である。より多くの実施形態において、xは、5である。
【0144】
いくつかの実施形態において、yは、0である。他の実施形態において、yは、1である。より多くの実施形態において、yは、2である。いくつかの実施形態において、yは、3である。他の実施形態において、yは、4である。より多くの実施形態において、yは、5である。
【0145】
いくつかの実施形態において、zは、1〜5である。いくつかの実施形態において、zは、0である。他の実施形態において、zは、1である。より多くの実施形態において、zは、2である。いくつかの実施形態において、zは、3である。他の実施形態において、zは、4である。より多くの実施形態において、zは、5である。
【0146】
他の実施形態において、xは、1であり、yは、0であり、そしてzは、1である。他の実施形態において、xは、0であり、yは、1であり、そしてzは、1である。
【0147】
種々の実施形態において、L
9は、存在する。例えば、いくつかの実施形態において、L
9は、C
1−C
6アルキレンである。
【0148】
種々の実施形態において、L
10は、ポリアルキレンエーテル、ホスホおよびホスホアルキレンからなる群より選択される。例えば、いくつかの実施形態において、L
10は、以下:
【化21】
からなる群より選択され、ここでaは、1〜6の整数であり、bは、2〜10の整数である。
【0149】
種々の実施形態において、(L
10)
zは、以下の構造のうちの1つ:
【0150】
【化22】
【化23】
を有し、ここでbは、2〜10の整数、例えば、5である。
【0151】
種々の実施形態において、L
9およびL
11は、各々独立して、C
1−C
6アルキレンリンカーである。いくつかの実施形態において、L
9は、C
2アルキレンリンカーである。他の実施形態において、L
11は、C
6アルキレンリンカーである。
【0152】
さらに他の実施形態において、Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合し得る部分である。ある種の実施形態において、Qは、構造(I)の化合物を分析物分子または固体支持体に(例えば、共有結合によって)接続する手段を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、Qは、分析物分子もしくは固体支持体と共有結合を形成し得る反応性基である。この点では、Q基のタイプおよび構造(I)の化合物の残部へのQ基の接続は、限定されない。ある種の実施形態において、上記Qは、水性条件下で加水分解を受けにくい部分であるが、分析物分子または固体支持体上の対応する基(例えば、アミン)と結合を形成するために十分に反応性である。
【0153】
本明細書中に記載される化合物のある種の実施形態は、生体結合反応の分野において一般に使用されるQ基を含む。例えば、いくつかの実施形態において、Qは、求核反応性基、求電子反応性基もしくは環化付加反応性基である。いくつかのより具体的な実施形態において、Qは、スルフヒドリル、ジスルフィド、活性化エステル、イソチオシアネート、アジド、アルキン、アルケン、ジエン、ジエノフィル、酸ハライド、スルホニルハライド、ホスフィン、α−ハロアミド、ビオチン、アミノもしくはマレイミドである。いくつかの実施形態において、上記活性化エステルは、N−スクシンイミドエステル、イミドエステルまたはポリフルオロフェニルエステルである。他の実施形態において、上記アルキンは、アルキルアジドまたはアシルアジドである。
【0154】
例示的なQ部分は、以下の表Iに提供される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0155】
いくつかの実施形態において、−SHは、多くの分析物分子、二官能性リンカー基および/または固体支持体に(例えば、分析物分子または固体支持体上の遊離スルフヒドリルとのジスルフィド結合の形成によって)容易に結合され得るので、Qが−SHである化合物を使用することは、有利である。しかし、化合物の長期の安定性の目的で、ジスルフィドダイマーの形態において化合物を貯蔵することは、望まれ得る。よって、いくつかの実施形態は、このようなジスルフィドダイマーを提供する。例えば、いくつかの実施形態において、R
2またはR
3のうちの少なくとも一方は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qまたは−L
9−(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す。「構造(I)の化合物」とは、構造(I)によって包含される、本明細書で記載される化合物のうちのいずれかをいう。
【0156】
このダイマーは、R
2またはR
3のうちのいずれか一方とR
2またはR
3のうちの別の一方との間で形成され得る。限定ではなく例証を容易にするために、2個のR
2基の間でダイマーが形成される例示的なダイマーは、以下(Ia’):
【化24】
またはその塩に図示され、ここでR
1、R
3、R
4、R
5、L
1、L
3、L
7、L
9、L
10、L
11およびzは、各々独立して、前述の実施形態のうちのいずれかに関して定義されるとおりである。
【0157】
上記ダイマーはまた、以下のとおり(Ia’)に図示される:
【化25】
。
【0158】
構造(I)の2個の化合物の間のジスルフィドリンカー、すなわち、−L
9(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−は、種々の構造を有し得る。いくつかの実施形態において、−L
9(L
10)
z−L
11−S−S−L
11−(L
10)
z−L
9−は、以下の構造のうちの1つ:
【化26】
を有する。
【0159】
さらに他の実施形態において、Qは、分析物分子もしくは固体支持体である。例えば、いくつかの実施形態において、上記分析物分子は、生体分子である。いくつかの実施形態において、上記生体分子は、核酸、アミノ酸またはこれらのポリマーである。他の実施形態において、上記生体分子は、核酸、ペプチド、炭水化物、脂質、酵素、レセプター、レセプターリガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー、抗原またはプリオンである。
【0160】
異なる実施形態において、上記分析物分子は、薬物、ビタミンまたは低分子である。
【0161】
種々の他の実施形態において、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12は、存在する場合、各々Hである。
【0162】
いくつかの他の異なる実施形態において、x
1、y
1およびz
1は、各々1である。
【0163】
より多くの異なる実施形態において、各x
1は、0であり、各y
1およびz
1は、1である。
【0164】
いくつかの異なる実施形態において、各x
2は、1であり、各y
2およびz
2は、0である。
【0165】
他の実施形態は、以下の構造(IV):
【化27】
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体に関し、ここで:
M
1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M
1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
R
20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C
1−C
6アルキルまたはC
1−C
6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、独立して、0〜10の整数である。
【0166】
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、M
1は、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて定義されるとおりである。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、ペリレンである。
【0167】
他の実施形態において、Qは、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて定義されるとおりである。例えば、いくつかの実施形態において、Qは、−SHである。
【0168】
種々の実施形態において、各y’は、0である。いくつかの異なる実施形態において、各z’は、1である。前述のうちのさらにより多く実施形態において、各x’は、独立して、2〜6の整数である。
【0169】
いくつかの他の異なる実施形態において、R
20は、ホスフェート、−CH
2OPO
32−またはCH
2OHである。
【0170】
いくつかの実施形態において、上記化合物は、以下の構造:
【化28】
を有する。
【0171】
他の実施形態は、以下の構造のうちの1つ:
【化29】
【化30】
を有する化合物を提供し、ここでQは、分析物分子である。
他の実施形態は、以下の構造(V):
【化31】
を有するジスルフィドダイマーまたはその塩もしくは立体異性体に関し、ここで:
M
1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M
1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
R
20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、アルキルホスフェート、C
1−C
6アルキルまたはC
1−C
6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、独立して、0〜10の整数である。
【0172】
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、M
1は、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて定義されるとおりである。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、ペリレンである。
【0173】
種々の実施形態において、各y’は、0である。いくつかの異なる実施形態において、各z’は、1である。前述のうちのさらにより多く実施形態において、各x’は、独立して、2〜6の整数である。
【0174】
いくつかの他の異なる実施形態において、R
20は、ホスフェート、CH
2OPO
32−またはCH
2OHである。
【0175】
種々の他の実施形態において、上記ジスルフィドダイマーは、以下の構造:
【化32】
を有する。
【0176】
前述のうちのさらなる実施形態において、M
1は、以下の構造を有する:
【化33】
。
【0177】
種々の他の実施形態において、以下の構造(VI):
【化34】
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体が提供され、ここで:
M
1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M
1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
R
20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C
1−C
6アルキルまたはC
1−C
6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、各存在において、独立して、0〜10の整数である。
【0178】
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、M
1は、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて定義されるとおりである。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、ペリレンである。
【0179】
他の実施形態において、Qは、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて定義されるとおりである。例えば、いくつかの実施形態において、Qは、−SHである。
【0180】
種々の実施形態において、各y’は、0である。いくつかの異なる実施形態において、各z’は、1である。前述のうちのさらにより多く実施形態において、各x’は、独立して、2〜6の整数である。
【0181】
いくつかの他の異なる実施形態において、R
20は、ホスフェート、CH
2OPO
32−またはCH
2OHである。
【0182】
いくつかの実施形態において、上記化合物は、以下の構造:
【化35】
を有する。
【0183】
前述のうちのさらなる実施形態において、M
1は、以下の構造:
【化36】
を有する。
【0184】
他の実施形態は、以下の構造(VII):
【化37】
を有するジスルフィドダイマーまたはその塩もしくは立体異性体を提供し、ここで:
M
1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M
1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
R
20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C
1−C
6アルキルまたはC
1−C
6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、各存在において、独立して、0〜10の整数である。
【0185】
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、M
1は、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて定義されるとおりである。例えば、いくつかの実施形態において、M
1は、ペリレンである。
【0186】
種々の実施形態において、各y’は、0である。いくつかの異なる実施形態において、各z’は、1である。前述のうちのさらにより多く実施形態において、各x’は、独立して、2〜6の整数である。
【0187】
いくつかの他の異なる実施形態において、R
20は、ホスフェート、CH
2OPO
32−またはCH
2OHである。
【0188】
ある実施形態において、上記ジスルフィドダイマーは、以下の構造:
【化38】
を有する。
【0189】
例えば、前述のうちのいくつかの実施形態において、M
1は、以下の構造:
【化39】
を有する。
【0190】
例証を容易にするために、リン部分(例えば、ホスフェートなど)を含む種々の化合物は、アニオン状態(例えば、−OPO
32−)で示される。当業者は、その電荷がpHに依存し、荷電していない(例えば、プロトン化または塩(例えば、ナトリウムもしくは他のカチオン))形態がまた、本発明の範囲に含まれることを容易に理解する。
【0191】
前述の化合物のうちのいずれかおよび1もしくはこれより多くの生体分子を含む組成物は、種々の他の実施形態において提供される。いくつかの実施形態において、上記1もしくはより多くの生体分子の検出のための分析方法でのこのような組成物の使用がまた、提供される。
【0192】
さらに他の実施形態において、上記化合物は、種々の分析法において有用である。例えば、ある種の実施形態において、本開示は、サンプルを染色するための方法を提供し、上記方法は、上記サンプルに構造(I)の化合物(ここでR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、Qは、分析物分子と結合できる部分であり、かつR
3は、H、OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルである)を、上記サンプルが適切な波長で照射される場合に光学的応答を生じるために十分な量で添加する工程を包含する。
【0193】
前述の方法のうちのいくつかの実施形態において、R
2は、分子(例えば、生体分子への共有結合を含むリンカーである。例えば、核酸、アミノ酸またはこれらのポリマー(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)。さらにより多くの実施形態において、上記生体分子は、酵素、レセプター、レセプターリガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマーまたはプリオンである。
【0194】
前述の方法のうちのさらに他の実施形態において、R
2は、微粒子への共有結合を含むリンカーを含む。例えば、いくつかの実施形態において、上記微粒子は、ポリマービーズまたは非ポリマービーズである。
【0195】
さらにより多くの実施形態において、上記光学的応答は、蛍光応答である。
【0196】
他の実施形態において、上記サンプルは、細胞を含み、いくつかの実施形態は、フローサイトメトリーによって上記細胞を観察する工程をさらに含む。
【0197】
さらにより多くの実施形態において、上記方法は、上記蛍光応答を、検出可能に異なる光学的特性を有する第2の発蛍光団のものから区別する工程をさらに包含する。
【0198】
他の実施形態において、本開示は、分析物分子(例えば、生体分子)を視覚的に検出するための方法を提供し、上記方法は、
【0199】
(a)構造(I)の化合物(ここでR
2は、−L
9−(L
10)
z−L
11−Qであり、Qは、生体分子と結合できる部分であり、かつR
3は、H、OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルである)を提供する工程;および
(b)上記化合物をその視覚的特性によって検出する工程
を包含する。
【0200】
例えば、核酸、アミノ酸またはこれらのポリマー(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)。さらにより多くの実施形態において、上記生体分子は、酵素、レセプター、レセプターリガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマーまたはプリオンである。
【0201】
他の実施形態において、生体分子を視覚的に検出するための方法が提供され、上記方法は、
(a)前述の化合物のうちのいずれかと1もしくはこれより多くの生体分子とを混合する工程;および
(b)上記化合物をその視覚的特性によって検出する工程
を包含する。
【0202】
構造(I)の化合物のうちの任意の実施形態(上で示されるとおり)ならびに構造(I)の化合物においてR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、L
1、L
3、L
4、L
6、L
7、L
8、M
1、M
2、q、wおよびnの変数について本明細書で示される任意の具体的選択(上で示されるとおり)は、独立して、構造(I)の化合物の他の実施形態および/または変数と組み合わされて、上では具体的には示されない本発明の実施形態を形成し得ることは理解される。さらに、選択肢のリストが、特定の実施形態および/または請求項における任意の特定のR基またはM基に関して列挙される場合において、各個々の選択は、上記特定の実施形態および/または請求項から削除され得ること、ならびにその残りの選択の列挙は、本発明の範囲内にあると考えられることは、理解される。
【0203】
本明細書において、示される式の置換基および/または変数の組み合わせは、このような寄与が安定な化合物を生じる場合にのみ許容可能であることは、理解される。
【0204】
本明細書で記載されるプロセスにおいて、中間体化合物の官能基が、適切な保護基によって保護される必要があり得ることはまた、当業者によって認識される。このような官能基としては、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシの適切な保護基としては、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが挙げられる。アミノ、アミジノおよびグアニジノの適切な保護基としては、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。メルカプトの適切な保護基としては、−C(O)−R”(ここでR”は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、トリチルなどが挙げられる。カルボン酸の適切な保護基としては、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが挙げられる。保護基は、当業者に公知でありかつ本明細書で記載されるとおりである標準的技術に従って付加または除去され得る。保護基の使用は、Green, T.W. and P.G.M. Wutz、Protective Groups in Organic Synthesis(1999)、3rd Ed., Wileyに詳細に記載される。当業者が認識するように、上記保護基はまた、ポリマー樹脂(例えば、Wang樹脂、Rink樹脂または2−クロロトリチル−クロリド樹脂)であり得る。
【0205】
さらに、遊離塩基または酸形態で存在する全ての本発明の化合物は、当業者に公知の方法による適切な無機塩基もしくは有機塩基または無機酸もしくは有機酸での処理によって、それらの塩に変換され得る。本発明の化合物の塩は、標準的技術によってそれらの遊離塩基形態または遊離酸形態へと変換され得る。
【0206】
以下の反応スキームは、本発明の化合物を作製するための例示的方法を例証する。当業者がこれら化合物を類似の方法によってまたは当業者に公知の他の方法を組み合わせることによって作製する能力があり得ることは、理解される。当業者が以下に記載されるのと類似の様式で、適切な出発構成要素を使用し、必要な場合には、合成のパラメーターを改変することによって、以下で具体的に例証されない構造(I)の他の化合物を作製し得ることもまた、理解される。一般に、出発構成要素は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis, Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCI、およびFluorochem USAなどのような供給源から得られ得るか、または当業者に公知の出典に従って合成され得る(例えば、Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure、5th edition(Wiley, December 2000)を参照のこと)か、または本発明において記載されるとおり調製され得る。
反応スキームI
【化40】
【0207】
反応スキームIは、構造Iの化合物を調製するための例示的方法を図示する。R
2’およびR
3’は、本明細書で定義されるとおりのR
2およびR
3部分、あるいはR
2およびR
3部分に対する前駆体またはその保護された誘導体を表し、これらは、当該分野で公知の、および以下の実施例において提供される技術を使用して、所望のR
2およびR
3部分に変換され得る。反応スキーム1を参照すると、構造aの化合物は、購入され得るかまたは当業者に周知の方法によって調製され得る。M
1−X(ここでxは、ブロモのようなハロゲンである)との、当該分野で公知の鈴木カップリング条件下での反応は、構造bの化合物を生じる。構造bの化合物は、構造Iの多くの他の化合物を得るために修飾され得る。例えば、構造bの化合物は、構造Iの他の化合物(すなわち、ここでnは、1より大きい(例えば、2〜10))を得るためにオリゴマー化され得る。オリゴマー化の例示的な方法は、ホスホロアミダイトベースの固相オリゴヌクレオチド合成(これは、当該分野で周知である)に類似の方法を含む。
反応スキームII
【化41】
【0208】
反応スキームIIは、構造Iの化合物の調製のための代替法を図示する。R
2’およびR
3’は、本明細書で定義されるとおりのR
2およびR
3部分、あるいはR
2およびR
3部分に対する前駆体またはその保護された誘導体を表し、これらは、当該分野で公知の、および以下の実施例において提供される技術を使用して、所望のR
2およびR
3部分に変換され得る。このアプローチにおいて、構造cの化合物(これは、購入され得るかまたは周知の技術によって調製され得る)をM
1−Zと反応させて、構造dの化合物を得る。ここでYおよびZは、相補的反応性を有する官能基(すなわち、反応して共有結合を形成する官能基)を表す。Zは、M
1へのペンダントであり得るかまたはMの構造的骨格(例えば、環式無水物)の一部であり得る。Yは、アミノのような任意の数の官能基であり得る。
【0209】
リボース部分を含む構造(I)の化合物は、類似の手順に従って調製されるか、または市販の供給元から購入され得る(例えば、ホスホロアミダイト(phosphoramadites)として)。
【0210】
ある種の実施形態において、構造Iの化合物は、2〜10個の反復単位を含むオリゴマーである。このようなオリゴマーは、周知の自動化DNA合成法に類似の方法を使用して調製され得る。DNA合成法は、当該分野で周知である。簡潔には、2個のアルコール基は、それぞれ、ジメトキシトリチル(DMT)基および2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスホロアミダイト基で官能化される。上記ホスホロアミダイト基は、代表的には、テトラゾールのような活性化因子の存在下でアルコール基にカップリングされ、続いて、ヨウ素でリン原子の酸化が行われる。上記ジメトキシトリチル基は、酸(例えば、クロロ酢酸)で除去されて、遊離アルコールを露出させ得、これは、ホスホロアミダイト基と反応させられ得る。この2−シアノエチル基は、水性アンモニアでの処理によるオリゴマー化の後に除去され得る。
【0211】
上記オリゴマー化方法において使用されるホスホロアミダイトの調製もまた、当該分野で周知である。例えば、一級アルコール(例えば、R
3)は、DMT−Clとの反応によって、DMT基として保護され得る。次いで、二級アルコール(例えば、R
2)は、2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトのような適切な試薬との反応によってホスホロアミダイトとして官能化される。ホスホロアミダイトの調製およびそれらのオリゴマー化の方法は、当該分野で周知であり、実施例の中でより詳細に記載される。
【0212】
以下の実施例は、例証目的で提供されるのであって、限定目的で提供されるのではない。
【実施例】
【0213】
一般的方法
1Hおよび
31P NMRスペクトルを、JEOL 400MHz分光計で得た。
31P NMRスペクトルは、85% 水性リン酸を基準とし、
1Hスペクトルは、TMSを基準とした。逆相HPLC染料分析を、45℃で保持した2.1mm×50mm Acquity BEH−C18カラム付きのWaters Acquity UHPLCシステムを使用して行った。質量分析を、Waters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステムで(MSのみモードで)、MassLynx 4.1獲得ソフトウェアを使用して行った。染料に関してLC/MSに使用した移動相は、100mM 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、8.6mM トリエチルアミン(TEA)、pH8であった。ホスホロアミダイトおよび前駆体分子を、ダイオードアレイ検出器および高速オートサンプラーのAgilent Infinity 1260 UHPLCシステムを使用して、Aapptec
(C) Spirit
TM Peptide C18カラム(4.6mm×100mm、5μm粒度)を使用して分析した。励起および発光プロフィール実験を、Cary Eclipse分光光度計で記録した。
【0214】
全ての反応を、別段述べられなければ、窒素雰囲気下でオーブン乾燥したガラス器具の中で行った。市販のDNA合成試薬を、Glen Research(Sterling, VA)から購入した。無水ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、酢酸、ピリジン、およびTHFを、Aldrichから購入した。全ての他の化学物質を、AldrichまたはTCIから購入し、さらに精製せずにそのまま使用した。
【0215】
全てのオリゴマー染料を、ABI 394 DNA合成機で、ホスホロアミダイトベースのカップリングアプローチの標準プロトコルを使用して合成した。オリゴマー合成のための鎖アセンブリサイクルは、以下であった:(i)脱トリチル化、ジクロロメタン中3% トリクロロ酢酸、1分間;(ii)カップリング、アセトニトリル中0.1M ホスホロアミダイトおよび0.45M テトラゾール、10分間;(iii)キャップ形成、THF/ルチジン、1/1(v/v)中0.5M 無水酢酸、15秒間;(iv)酸化、THF/ピリジン/水、10/10/1(v/v/v)中0.1M ヨウ素、30秒間。
【0216】
上記サイクル内の化学的工程の次に、アセトニトリル洗浄および乾燥アルゴンでのフラッシュを0.2〜0.4分間行った。支持体からの切断ならびに塩基およびホスホロアミダイト保護基の除去を、1時間、室温においてアンモニアで処理することによって達成した。次いで、オリゴマー染料を、上記のように逆相HPLCによって分析した。
【0217】
実施例1
活性化エステル部分を有する可溶性染料の合成
【0218】
実施例1は、一級アミン官能基を有する大分子に結合され得る活性化エステル基を含むように改変された、水溶性染料物質(2および3)を例示する。この実施例において、ジスルフィドリンカーを含む染料連続物(1)は、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で還元されて、2個のより小さな染料連続物を放出する(各々は、蛍光部分(fluor)および遊離チオール末端を有する)。これらの生成物を、次いで、N−マレイミド−6−アミノカプロイル1−ヒドロキシ−2−ニトロ−4−ベンゼンスルホン酸エステル(Mal−Sac−HNSA)のマレイミド部分と反応させ、H
2O媒介性加水分解に耐え、まだなお一級アミンを含む分子による求核性攻撃を受けやすい活性化エステル基を各染料連続物上に配置する。化合物1を、本明細書で記載される一般的手順(当該分野で公知の固相DNAホスホロアミダイト化学に類似の方法を含む)に従って調製した。
【化42】
【化43】
【0219】
5mLのマイクロピペッターを使用して、3.88mLのH
2Oを、50mLのコニカルチューブ中の10mgの乾燥化合物1に添加した。溶解した化合物1を、ボルテックスミキサーを使用しておよそ5分間混合したところ、僅かな非染料関連沈殿物が出現した。上記チューブおよびその内容物を、遠心分離機の中でその最大速度(3280RCF)において5分間遠沈し、次いで、上記化合物1の上清を、ペレットを壊さないように注意深く取り出した。この清澄化した化合物1を、新しいコニカルチューブに移し、サンプルを定量およびHPLC分析のために取り出した。HPLC−MSから、化合物1は52%純粋であり、質量1648ダルトン(Da)を有することが示された。
【0220】
5mLの化合物1を、清澄化した溶液からマイクロピペッターを使用してサンプル採取し、H
2O中で20倍希釈した。ブランク測定を、H
2Oを使用してNanoDropで行い、次いで、希釈した化合物1の吸光度を443nmで測定した。式1を使用して、化合物1のモル濃度を計算した:
式1:化合物1のモル濃度={A
443/(L×e
化合物1)}×希釈係数
e
化合物1=
38,000M−1cm−1
L
nanodrop=
0.1cm
A
443=
0.614AU
希釈係数=
20
化合物1のモル濃度=
3.23×10−03M
化合物1。
【0221】
TCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン),HCl塩のストック溶液を、47.7mgのTCEPを秤量し、これを15mLのコニカルチューブに添加することによって作製した。1.5mLのH
2Oをこのチューブに添加し、TCEPを、ボルテックスミキサーを使用して溶解して、およそ5分間溶液を激しく混合した。得られた溶液は、31.8mg/mLのTCEP、または0.111M
TCEPであった。化合物1のモル数を、式2を使用して計算した:
式2:化合物1のモル数={M
化合物1×(V
化合物1−mL/1000)}
M
化合物1=
3.23×10−03M(式1)
V
化合物1=
3.88mL
還元されるべき化合物1のモル数=
1.23×10−05モルの化合物1。
【0222】
式3を使用して、TCEP対化合物1の11.3:1のモル比を達成するために必要とされるTCEPのモル数を計算した。
式3:TCEPのモル数=モル数
化合物1×11.3
モル数
化合物1=
1.23×10−05(式2)
モル過剰:
11.3
必要とされるTCEPのモル数=
1.39×10−04モルのTCEP。
【0223】
式4を使用して、化合物1に添加されるべきTCEPの容積を計算した:
式4:必要とされるTCEPの容積(mL)={(モル数
TCEP/M
TCEP)×1000}
モル数
TCEP=
1.39×10−04(式3)
M
TCEP=
0.111M
必要とされるTCEPの容積=
1.28mLのTCEP。
【0224】
TCEPのHCl塩は酸性であり、化合物1の還元は、僅かに酸性から中性のpH(例えば、pH6〜7)で行われる必要がある。NaPO
4緩衝液は、およそ5倍またはこれより高いモル過剰にあるはずであり、pH6.5を維持するはずである。0.6MのNaPO
4ストック溶液の容量モル濃度は、0.111MのTCEPストック溶液より5.45倍高いので、TCEPに添加される等容積のストックは、反応を緩衝するために十分である。
必要とされる試薬の容積:
3.23×10
−03Mの化合物1=
3.88mL
0.6MのNaPO
4=
1.28mL
0.111MのTCEP=
1.28mL
【0225】
マイクロピペッターを使用して、1.28mLのNaPO
4緩衝液を、3.88mLの化合物1に添加した。1.28mLのTCEPを、最終反応容積6.44mLになるように、この化合物1−NaPO
4溶液に添加した。上記反応物を室温(約23℃)でインキュベートした。2時間後、サンプルをHPLC−MSのために取り出した。HPLC分析から、これらの条件下での還元反応が部分的に完了していることが示された(おそらく、酸化TCEPに起因する)。
【0226】
2種の還元された化合物1生成物が存在する:予測質量785ダルトンを有する5’−ECC−SH種および予測質量865ダルトンを有するHS−CCE−3’種。
【0227】
この実施例において部分的還元に過ぎないにも拘わらず、この2種の意図した生成物を含む混合物をN−マレイミド−6−アミノカプロイル1−ヒドロキシ−2−ニトロ−4−ベンゼンスルホン酸エステル(MSH)と反応させた。
【0228】
化学てんびんを使用して、37mgの乾燥MSHを秤量し、15mLのコニカルチューブに移した。3.7mLのH
2Oを、5mLマイクロピペッターを使用してこのチューブに添加し、MSHの10mg/mL(0.023M)溶液を作製した。3.1mLのこのMSH溶液を、6.44mLの化合物1還元混合物を含むチューブに添加し、得られた溶液の容積を、0.46mLのH
2Oを添加することによって10mLにした。この反応物を、室温において30分間インキュベートした。
【0229】
この反応物質の最終濃度を、最終の10mL容積に関して計算した:
化合物1:(3.23×10
−03Mの化合物1)×(3.88mLの化合物1)/10mL=
1.25×10−03Mの化合物1
TCEP:(0.111MのTCEP)×(1.28mLのTCEP)/10mL=
0.014MのTCEP
MSH:(0.023MのMSH)×(3.1mLのMSH)/10mL=
7.13×10−03MのMSH
NaPO
4:(0.6MのNaPO
4×1.28mLのNaPO
4)/10mL=
0.077MのNaPO
4
【0230】
サンプルを、HPLC−MS分析のために取り出したところ、HPLC−MS分析から、MSHのマレイミド官能基が5’−ECC−SH種およびHS−CCE−3’種の両方に付加されること、ならびに上記生成物が化合物2および3であることが示された。
【0231】
半分取用逆相クロマトグラフィーを使用して、以下のように、反応混合物から生成物を単離した:
装置
・HPLC:Akta Purifier 100
カラム
・Phenomenex Gemini C18(5mm、110Å、10×250mm)、部品番号00G−4435−N0
方法1:
・流速:2mL/分
・移動相:
○A=0.1MのTEAA、H
2O中5%のアセトニトリル
○B=100%のアセトニトリル
・注入:5mLの反応物質
・溶離:0〜55%の移動相B、5CV、カラム洗浄:100%の移動相B、1CV
・モニターされる痕跡:
○伝導度
○445nmおよび310nmでのUV吸光度
・分画:50mAUでのUV445によって引き起こされた閾値、画分あたり1.25mLを15mLに集める
○15mLのコニカルチューブの中に集める
○画分をHPLCによって分析して、純度を確認した。
【0232】
前述のHPLC法を使用して化合物3を精製したが、さらなるHPLC精製を、化合物2に対して以下のとおりに行った:
装置
・HPLC:Akta Purifier 100
カラム
・Phenomenex Gemini C18(5mm、110Å、10×250mm)、部品番号00G−4435−N0
方法2:
・流速:2mL/分
・移動相:
○A=0.1MのTEAA、H
2O中5%のメタノール
○B=100%のメタノール
・注入:5mLのHNSA−S−CCE−3’+未反応化合物1(画分B11)
・溶離:0〜55%の移動相B、5CV、カラム洗浄:100%の移動相B、1CV
・モニターされる痕跡:
○伝導度
○445nmおよび310nmでのUV吸光度
・分画:50mAUでのUV445によって引き起こされた閾値、画分あたり1.25mLを15mLに集める
○15mLのコニカルチューブの中に集める
○画分をHPLCによって分析して、純度を確認した
画分C10を、精製化合物2であると確認した。
【0233】
10mLのH
2Oを、集めた生成物(すなわち、化合物2および3)画分の各々に添加して、有機修飾因子を15%未満へと希釈した。このサンプルを、ドライアイス/エタノールバスの中で急速凍結し、Labconco FreeZone 4.5凍結乾燥器に置き、一晩凍結乾燥させて、水分、溶媒およびTEAA緩衝液構成要素を除去した。
【0234】
化合物2および3を、TRIS(一級アミンを含む分子)と反応させて、一級アミン含有大分子(例えば、タンパク質または抗体)への染料の結合を模擬実験した。300mlのH
2Oを各構成要素に添加して、完全に溶解させた。各構成要素の50mlのアリコートを、50μLの水または50μLの1MのTris(pH8.5)のいずれかで処理し、室温において15分間反応させた。各々のサンプルを、HPLC分析に供した(
図8aおよび8bを参照のこと)。
【0235】
HPLC−MS分析から、HNSA活性化染料連続物は、分子のHNSAエステル位において、緩衝液関連メタノール付加または水和のいずれかを介して幾分分解されやすいことが示されたが、インタクトな化合物1−HNSAは、TRISと予測どおりに反応することも示された。5’−ECC−S−HNSA生成物の結果のみが示される。
【0236】
実施例2
マレイミド含有染料の合成
【化44】
【0237】
官能性マレイミド基を有する水溶性染料を、末端一級アミンを含む水溶性染料(化合物4)とスルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(スルホ−SMCC)のN−ヒドロキシスクシンイミジル基とを反応させることによって合成した。
【0238】
化合物4のモル濃度を、Nanodropおよびベールの法則を使用して、その吸光度を測定することによって決定する。希釈液としてH
2Oを使用して、化合物4の10倍希釈物(100倍最終希釈)を2つ作製する。H
2Oを使用して、NanoDropでブランク測定を行う。443nmにおいて化合物4の吸光度を測定する。式1を使用して、化合物4のモル濃度を吸光度から計算する。
式1(ベールの法則):SND215のモル濃度={A
443/(L×e化合物4)}×希釈係数
e化合物4
5=
38,000M−1cm−1
L
nanodrop=
0.1cm
A
443=
0.372
希釈係数=
100
SND215のモル濃度=
9.79×10−03Mの化合物4。
【0239】
スルホ−SMCCのストック溶液を作製する。28mgのスルホ−SMCCを秤量し、これを15mlのコニカルチューブに添加する。2.8mlのH
2Oをこのチューブに添加する。上記スルホ−SMCCを、ボルテックスミキサーを使用しておよそ5分間溶解させる。これは、10mg/mlのスルホ−SMCC溶液である。スルホ−SMCCの容量モル濃度が、0.023M
スルホ−SMCCであることを計算する。
式2:SND215のモル数={M 化合物4
5×(V 化合物4
−ml/1000)}
M 化合物4=
9.79×10−03M(式1)
V 化合物4=
0.65ml
スルホ−SMCCと反応させるべき化合物4のモル数=
6.36×10−06モルの化合物4。
【0240】
式3を使用して、10:1のスルホ−SMCC対化合物4のモル比を達成するために必要とされるスルホ−SMCCのモル数を計算する。
式3:スルホ−SMCCのモル数=化合物4のモル数×10
化合物4のモル数=
6.36×10−06(式2)
モル過剰:
10
必要とされるスルホ−SMCCのモル数=
6.36×10−05モルのスルホ−SMCC。
【0241】
式4を使用して、化合物4に添加されるスルホ−SMCCの容積を計算する。
式4:必要とされるスルホ−SMCCの容積(ml)={(モル数
スルホ−SMCC/M
スルホ−SMCC)×1000}
モル数
スルホ−SMCC=
6.36×10−05(式3)
M
スルホ−SMCC=
0.023M
必要とされるスルホ−SMCCの容積=
2.765mlのスルホ−SMCC。
【0242】
スルホ−SMCCは酸性であるので、化合物4の添加は、僅かに塩基性から中性のpH(例えば、pH7.5〜8.5)で行われるべきである。NaPO
4緩衝液は、pH7.5を維持するためにスルホ−SMCCに対しておよそ等モルにされるべきである。この反応を緩衝するために0.45MのNaPO
4(pH=8.0)を使用した。
【0243】
以下の容積(以下を参照のこと)を使用して、5mlのコニカルチューブに反応物質を添加する。
9.79×10
−03Mの化合物4=
0.65ml
0.45MのNaPO
4=
1.15ml
0.023Mのスルホ−SMCC=
2.75ml
H
2O=
0.45ml
【0244】
最終容積が5mlである場合の反応物質の最終濃度は、以下のように計算される:
化合物4:(9.79×10
−03Mの化合物4)×(0.65mlの化合物4)/5ml=
1.27×10−03Mの化合物4
スルホ−SMCC:(0.023Mのスルホ−SMCC)×(3.1mlのスルホ−SMCC)/5ml=
0.013Mのスルホ−SMCC
NaPO
4:(0.45MのNaPO
4×1.15mlのNaPO
4)/5ml=
0.104MのNaPO
4
【0245】
上記反応物のpHは、リトマス紙を使用しておよそ7.5であった。上記反応物を一晩実験室室温(およそ23℃)でインキュベートする。上記反応のための反応物質の最終濃度を計算する。7〜14のpH範囲にわたるリトマス紙を使用して、上記反応物のpHを測定する。反応する前およびいったん反応が完了した後に、HPLC/MS分析用のサンプルを取り出す。反応前の化合物4のM.S.分析:MWの計算値は、888.4である。MWの実測値は、887.2である。反応前の化合物5のM.S.分析:MWの計算値は、1107.2である。MWの実測値は、1106.4である。
【0246】
化合物5は、以下のとおり、粗製反応混合物から78%の全体的純度へと精製された:
装置
・HPLC:Akta Purifier 100
カラム
・Waters Spherisorb C6(5mm、80Å、10×250mm)、部品番号PSS831085
方法1:
・流速:2mL/分
・移動相
○A=0.1MのTEAA、H
2O中5%のアセトニトリル
○B=100%のアセトニトリル
・注入:5mLの反応物質
・溶離:0〜55%の移動相B、5CV、カラム洗浄:100%の移動相B、1CV
・モニターされる痕跡:
○伝導度
○445nmおよび310nmでのUV吸光度
・分画:50mAUでのUV445によって引き起こされた閾値、画分あたり1.25mLを15mLに集める
○画分B6およびB5を15mLのコニカルチューブの中に集める
○画分をプールし、HPLCによって分析して、純度を確認する
【0247】
精製された化合物5を、以下のとおり凍結乾燥させた:
【0248】
H
2Oで最終容積25mlへと精製化合物5を希釈する。希釈した化合物5をドライアイス/エタノールバスの中で急速凍結する。希釈した化合物5が凍結した後、化合物5を、予め冷却しておいたLabconco FreeZone 4.5凍結乾燥器のチャンバへと入れる。真空を適用し、化合物5を一晩凍結乾燥させる。針を使用して、少量の物質を掻きだし、これをH
2O中で再構成する。この再構成した化合物5をHPLCによって分析する。残りの乾燥SND215−マレイミドを、−20℃冷凍庫で貯蔵する。
【0249】
化合物5が分析物分子と共有結合を形成する能力を、以下のとおりに試験した:
試薬:
・L−システイン塩酸塩一水和物(CAS 7048−04−6、FW 175.6、Thermo Scientific)
・0.1Mのホスフェート緩衝液(+0.15MのNaCl)、pH6.5
・SND215+MSHの水性ストック(0.15mM)
手順:
水中のL−システインの5mM溶液を、14.2mLの水の中に12.5mgの固体を溶解することによって作った。L−システインとマレイミド基との間の反応は、僅かに酸性の条件で行われるべきであるので、サンプルを示されるように調製し、pHレベルがpH6〜7であるようにチェックした:
・ブランク:45μLの水+50μLの緩衝液+5μLのL−システインストック
・未処理サンプル:45μLのSND215、50μLの緩衝液、5μLの水
・処理サンプル:45μLのSND215、50μLの緩衝液、5μLのL−システインストック。
【0250】
サンプルを十分に混合し、室温で3時間反応させた。分析を、LC/MSを使用して、各試験サンプルの10μL注入物に対して行った。結果は、化合物5がシステインと反応して、予測どおり共有結合を形成することを示した。
【0251】
本明細書において言及される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物の全ては、米国仮特許出願第62/121,415号(2015年2月26日出願)を含め、本記載と矛盾しない程度までそれらの全体において本明細書に参考として援用される。
【0252】
前述から、本発明の具体的実施形態が例証目的のために本明細書で記載されてきたものの、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることは認識される。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕以下の構造(I):
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここで:
M1およびM2は、各存在において、独立して、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
L1、L3、L4、L6、L7およびL8は、各存在において、独立して、選択肢的なアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり;
R1は、各存在において、独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R2は、電子対、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR2は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R3は、H、OH、SH、−NH2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR2は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R4は、各存在において、独立して、O-、S-、OZ、SZまたはN(R6)2であり、ここでZは、カチオンであり、各R6は、独立して、Hまたはアルキルであり;
R5は、各存在において、独立して、オキソ、チオキソまたは非存在であり;
L9およびL11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
nは、1〜20の整数であり;
qおよびwは、各々独立して、nの各整数値に関して0または1であり、ここでqは、nのうちの少なくとも2個の整数値に関して1であるか、あるいはここでqおよびwは、各々独立して、nのうちの少なくとも1個の整数値に関して1であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR2またはR3のうちの少なくとも一方は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す、
化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔2〕nの各整数値に関して、qは、1であり、wは、0である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕前記化合物は、以下の構造(Ia):
を有し、ここで:
M1は、各存在において、独立して、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、4個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
L1、L7およびL3は、各存在において、独立して、選択肢的なアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり;
R1は、各存在において、独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R2は、電子対、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであるか、あるいはR2は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R3は、H、OH、SH、−NH2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR2は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R4は、各存在において、独立して、O-、S-、OZ、SZまたはN(R6)2であり、ここでZは、カチオンであり、各R6は、独立して、Hまたはアルキルであり;
R5は、各存在において、独立して、オキソ、チオキソまたは非存在であり;
L9およびL11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子であり;
nは、1〜10の整数であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR2またはR3のうちの少なくとも一方は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す、
前記〔2〕に記載の化合物。
〔4〕前記化合物は、以下の構造(Ib):
を有し、ここで:
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、各存在において、独立して、Hまたはアルキルであり;そして
x1、y1およびz1は、各存在において、独立して、0〜5の整数である、前記〔3〕に記載の化合物。
〔5〕前記化合物は、以下の構造(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)のうちの1つ:
を有する、前記〔4〕に記載の化合物。
〔6〕wは、nのうちの少なくとも1個の整数値に関して1である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔7〕前記化合物は、以下の構造(Ig):
を有し、ここで:
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、各存在において、独立して、Hまたはアルキルであり;そして
x1、x2、y1、y2、z1およびz2は、各存在において、独立して、0〜5の整数である、前記〔6〕に記載の化合物。
〔8〕R5は、オキソであり、R4は、O-またはOZである、前記〔7〕に記載の化合物。
〔9〕R2は、Hまたは電子対であり、R3は、−L9−(L10)z−L11−Qである、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔10〕R2は、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキルまたはスルフヒドリルアルキルエーテルであり、R3は、−L9−(L10)z−L11−Qである、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔11〕R2は、以下の構造のうちの1つ:
を有し、ここで:
R2aは、−OH、−NH2、または−SHであり;そして
aは、1〜10の整数である、前記〔10〕に記載の化合物。
〔12〕R3は、−L9−(L10)z−L11−Qであり、R2は、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR2は、−OH、−NH2および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換されている、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔13〕R2は、以下の構造のうちの1つ:
を有し、ここで:
R2aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R4aおよびR4bは、独立して、O-、S-、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R5aおよびR5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
a、bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である、
前記〔12〕に記載の化合物。
〔14〕R2は、−L9−(L10)z−L11−Qであり、R3は、OHまたはホスフェートである、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔15〕R2は、−L9−(L10)z−L11−Qであり、R3は、−OH、−NH2および−SHから選択される置換基で置換されていてもよい、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルである、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔16〕R3は、以下の構造のうちの1つ:
を有し、ここで:
R3aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R4aおよびR4bは、独立して、O-、S-、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R5aおよびR5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である、
前記〔15〕に記載の化合物。
〔17〕R4aおよびR4bは、各々O-であり、R5aおよびR5bは、各々オキソである、前記〔13〕または〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔18〕R4aおよびR4bは、各々O-であり、R5aおよびR5bは、各々チオキソである、前記〔13〕または〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔19〕R4aおよびR4bは、各々S-であり、R5aおよびR5bは、各々チオキソである、前記〔13〕または〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔20〕R4aおよびR4bは、各々S-であり、R5aおよびR5bは、各々オキソである、前記〔13〕または〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔21〕a、bまたはcのうちの少なくとも1つは、2である、前記〔13〕または〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔22〕a、bおよびcの各々は、2である、前記〔21〕に記載の化合物。
〔23〕a、bまたはcのうちの少なくとも1つは、6である、前記〔13〕または〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔24〕a、bおよびcの各々は、6である、前記〔23〕に記載の化合物。
〔25〕nは、1〜5の整数である、前記〔1〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔26〕nは、2〜15の整数である、前記〔1〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔27〕nは、2〜10の整数である、前記〔1〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔28〕nは、2〜5の整数である、前記〔26〕に記載の化合物。
〔29〕以下の構造(II):
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここで:
M1は、各存在において、独立して、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
L1、L3、およびL7は、各存在において、独立して、選択肢的なアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり;
R1は、各存在において、独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R2は、電子対、H、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR2は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R3は、H、OH、SH、−NH2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルであるか;あるいはR3は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し、
R4は、各存在において、独立して、O-、S-、OZ、SZまたはN(R6)2であり、ここでZは、カチオンであり、そして各R6は、独立して、Hまたはアルキルであり;
R5は、各存在において、独立して、オキソ、チオキソまたは非存在であり;
L9およびL11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L10は、各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
nは、1〜20の整数であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR2またはR3のうちの少なくとも一方は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す、
化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔30〕R3は、−L9−(L10)z−L11−Qであり、R2は、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR2は、−OH、−NH2および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換されている、前記〔29〕に記載の化合物。
〔31〕R2は、以下の構造のうちの1つ:
を有し、ここで:
R2aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R4aおよびR4bは、独立して、O-、S-、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R5aおよびR5bは、独立して、オキソまたはチオキソであり;そして
a、bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である、
前記〔30〕に記載の化合物。
〔32〕R2は、−L9−(L10)z−L11−Qであり、R3は、OHまたはホスフェートである、前記〔29〕に記載の化合物。
〔33〕R2は、−L9−(L10)z−L11−Qであり、R3は、−OH、−NH2および−SHから選択される置換基で必要に応じて置換された、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキルまたは−Oチオホスホアルキルエーテルである、前記〔29〕に記載の化合物。
〔34〕R3は、以下の構造のうちの1つ:
を有し、ここで:
R3aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェートまたはチオホスフェートであり;
R4aおよびR4bは、独立して、O-、S-、OZまたはSZであり、ここでZは、カチオンであり;
R5aおよびR5bは、独立して、オキソ、またはチオキソであり;そして
bおよびcは、各々独立して、1〜10の整数である、
前記〔33〕に記載の化合物。
〔35〕各存在において、R4は、O-であり、R5は、オキソである、前記〔29〕〜〔34〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔36〕L1、L3およびL7は、各々アルキレンリンカーである、前記〔29〕〜〔35〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔37〕L1およびL3は、各々アルキレンリンカーであり、L7は、非存在である、前記〔29〕〜〔35〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔38〕アルキレンは、メチレンである、前記〔36〕または〔37〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔39〕以下の構造(III):
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここで:
M1は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
R1は、H、アルキルまたはアルコキシであり;
R2は、H、電子対またはカチオンであるか;あるいはR2は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R3は、H、ホスフェートまたはOHであるか;あるいはR3は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表し;
R4は、O-、S-、OZ、SZであり、ここでZは、カチオンであり;
R5は、オキソまたはチオキソであり;
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、各存在において、独立して、Hまたはアルキルであり;
L9およびL11は、各存在において、独立して、選択肢的なリンカーであり;
L10は、 各存在において、独立して、ポリアルキレンエーテル、ヒドロキシルアルキレン、アミノアルキレン、ヒドロキシルポリアルキレンエーテル、アミノポリアルキレンエーテル、ホスホ、チオホスホ、ホスホアルキレンまたはチオホスホアルキレンからなる群より選択される二価の官能基であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;そして
x、yおよびzは、各存在において、独立して、0〜5の整数であり;そして
zは、1〜10の整数であるが、
ただしR2またはR3のうちの少なくとも一方は、−L9−(L10)z−L11−Qまたは−L9−(L10)z−L11−S−S−L11−(L10)z−L9−Iであり、ここでIは、独立して、構造(I)のさらなる化合物を表す、
化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔40〕x、yおよびzは、各々1である、前記〔39〕に記載の化合物。
〔41〕xは、0であり、yおよびzは、各々1である、前記〔39〕に記載の化合物。
〔42〕少なくとも1個のM1は、4個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分である、前記〔1〕〜〔41〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔43〕M1は、各存在において、独立して、蛍光性または有色である、前記〔1〕〜〔42〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔44〕M1は、蛍光性である、前記〔43〕に記載の化合物。
〔45〕各M1は、4個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分である、前記〔1〕〜〔44〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔46〕各M1は、少なくとも4個のアリール環を含む、前記〔1〕〜〔45〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔47〕各M1は、少なくとも1個のヘテロアリール環を含む、前記〔1〕〜〔46〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔48〕各M1は、各存在において、独立して、少なくとも4個の縮合環を含む縮合多環式アリール部分を含む、前記〔1〕〜〔47〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔49〕M1は、各存在において、独立して、少なくとも1個の置換基を含む、前記〔1〕〜〔48〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔50〕前記置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミド、またはホルミル基である、前記〔49〕に記載の化合物。
〔51〕少なくとも1個のM1は、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、ター−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10−エチニルアントラセンまたはター−ナフチル部分である、前記〔1〕〜〔50〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔52〕少なくとも1個のM1は、p−ターフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミド、もしくはペリレンアミドまたはその誘導体である、前記〔1〕〜〔51〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔53〕少なくとも1個のM1は、クマリン染料、レゾルフィン染料、ジピロメテンボロンジフルオリド染料、ルテニウムビピリジル染料、エネルギー移動染料、チアゾールオレンジ染料、ポリメチンまたはN−アリール−1,8−ナフタルイミド染料である、前記〔1〕〜〔52〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔54〕各M1は、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドもしくは6−FAMまたはその誘導体である、前記〔1〕〜〔53〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔55〕L9は、存在する、前記〔1〕〜〔54〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔56〕L9は、C1−C6アルキレンである、前記〔55〕に記載の化合物。
〔57〕L10は、ポリアルキレンエーテル、ホスホおよびホスホアルキレンからなる群より選択される、前記〔1〕〜〔56〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔58〕L10は、以下からなる群:
より選択され、ここでaは、1〜6の整数であり、bは、2〜10の整数である、前記〔57〕に記載の化合物。
〔59〕(L10)zは、以下の構造のうちの1つ:
を有し、ここでbは、2〜10の整数である、前記〔1〕〜〔58〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔60〕Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分である、前記〔1〕〜〔59〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔61〕Qは、求核性反応性基、求電子性反応性基または付加環化反応性基である、前記〔60〕に記載の化合物。
〔62〕Qは、スルフヒドリル、ジスルフィド、活性化エステル、イソチオシアネート、アジド、アルキン、アルケン、ジエン、ジエノフィル、酸ハライド、スルホニルハライド、ホスフィン、α−ハロアミド、ビオチン、アミノまたはマレイミドである、前記〔61〕に記載の化合物。
〔63〕前記活性化エステルは、N−スクシンイミドエステル、イミドエステルまたはポリフルオロフェニルエステルである、前記〔62〕に記載の化合物。
〔64〕前記アルキンは、アルキルアジドまたはアシルアジドである、前記〔62〕に記載の化合物。
〔65〕Qは、分析物分子もしくは固体支持体である、前記〔1〕〜〔59〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔66〕前記分析物分子は、生体分子である、前記〔65〕に記載の化合物。
〔67〕前記生体分子は、核酸、アミノ酸またはこれらのポリマーである、前記〔66〕に記載の化合物。
〔68〕前記生体分子は、核酸、ペプチド、炭水化物、脂質、酵素、レセプター、レセプターリガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー、抗原またはプリオンである、前記〔66〕に記載の化合物。
〔69〕前記分析物分子は、薬物、ビタミンまたは低分子である、前記〔65〕に記載の化合物。
〔70〕M1は、以下の構造のうちの1つ:
を有する、前記〔1〕〜〔69〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔71〕M2が存在する場合、M2のうちの少なくとも1個の存在は、塩基対合部分である、前記〔1〕〜〔70〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔72〕M2の各存在は、塩基対合部分である、前記〔71〕に記載の化合物。
〔73〕前記塩基対合部分は、プリン、ピリミジン、ジヒドロピリミジンまたはその誘導体である、前記〔72〕または〔1〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔74〕前記塩基対合部分は、以下の構造のうちの1つ:
を有する、前記〔71〕〜〔73〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔75〕R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、存在する場合、各々Hである、前記〔4〕、〔5〕または〔7〕〜〔70〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔76〕x1、y1およびz1は、各々1である、前記〔4〕、〔5〕または〔7〕〜〔38〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔77〕各x1は、0であり、各y1およびz1は、1である、前記〔4〕、〔5〕または〔7〕〜〔38〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔78〕各x2は、1であり、各y2およびz2は、0である、前記〔7〕〜〔38〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔79〕以下の構造(IV):
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここで:
M1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
R20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C1−C6アルキルまたはC1−C6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、独立して、0〜10の整数である、
化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔80〕M1は、前記〔42〕〜〔52〕のいずれか1項に定義されるとおりである、前記〔79〕に記載の化合物。
〔81〕M1は、ペリレンである、前記〔79〕に記載の化合物。
〔82〕Qは、前記〔58〕〜〔67〕のいずれか1項に定義されるとおりである、前記〔79〕〜〔81〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔83〕Qは、−SHである、前記〔79〕〜〔81〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔84〕各y’は、0である、前記〔79〕〜〔83〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔85〕各z’は、1である、前記〔79〕〜〔84〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔86〕各x’は、独立して、2〜6の整数である、前記〔79〕〜〔85〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔87〕R20は、ホスフェート、−CH2OPO32-またはCH2OHである、前記〔79〕〜〔86〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔88〕以下の構造:
を有する、前記〔79〕に記載の化合物。
〔89〕以下の構造のうちの1つ:
を有する、化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここでQは、分析物分子である、化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔90〕サンプルを染色するための方法であって、該方法は、該サンプルに、前記〔1〕〜〔89〕のいずれか1項の化合物を、該サンプルが適切な波長で照射される場合に光学的応答を生じるために十分な量で添加する工程を包含する方法。
〔91〕前記光学的応答は、蛍光応答である、前記〔90〕に記載の方法。
〔92〕前記サンプルは、細胞を含む、前記〔90〕〜〔91〕のいずれか1項に記載の方法。
〔93〕前記細胞をフローサイトメトリーによって観察する工程をさらに包含する、前記〔92〕に記載の方法。
〔94〕前記蛍光応答を、検出可能に異なる光学的特性を有する第2の発蛍光団の蛍光応答から区別する工程をさらに包含する、前記〔93〕に記載の方法。
〔95〕生体分子を視覚的に検出するための方法であって、該方法は、
(a)前記〔1〕〜〔89〕のいずれかの化合物を提供する工程;および
(b)該化合物をその視覚的特性によって検出する工程、
を包含する方法。
〔96〕生体分子を視覚的に検出するための方法であって、該方法は、
(a)前記〔1〕〜〔89〕のいずれかの化合物と、1もしくはこれより多くの生体分子とを混合する工程;
(b)該化合物をその視覚的特性によって検出する工程、
を包含する方法。
〔97〕前記〔1〕〜〔89〕または〔99〕〜〔127〕のいずれか1項の化合物および1もしくはこれより多くの生体分子を含む、組成物。
〔98〕前記1もしくはこれより多くの生体分子の検出のための分析方法における前記〔97〕に記載の組成物の使用。
〔99〕以下の構造(V):
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここで:
M1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
R20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C1−C6アルキルまたはC1−C6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、独立して、0〜10の整数である、
化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔100〕M1は、前記〔42〕〜〔54〕のいずれか1項に定義されるとおりである、前記〔99〕に記載の化合物。
〔101〕M1は、ペリレンである、前記〔99〕に記載の化合物。
〔102〕各y’は、0である、前記〔99〕〜〔101〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔103〕各z’は、1である、前記〔99〕〜〔102〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔104〕各x’は、独立して、2〜6の整数である、前記〔99〕〜〔103〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔105〕R20は、ホスフェート、CH2OPO32-またはCH2OHである、前記〔99〕〜〔104〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔106〕以下の構造:
を有する、前記〔99〕に記載の化合物。
〔107〕M1は、以下の構造:
を有する、前記〔106〕に記載の化合物。
〔108〕以下の構造(VI):
を有する化合物またはその塩であって、ここで:
M1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
Qは、分析物分子もしくは固体支持体と結合できる部分であるか;またはQは、分析物分子もしくは固体支持体であり;
R20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C1−C6アルキルまたはC1−C6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、各存在において、独立して、0〜10の整数である、
化合物またはその塩。
〔109〕M1は、前記〔42〕〜〔52〕のいずれか1項に定義されるとおりである、前記〔108〕に記載の化合物。
〔110〕M1は、ペリレンである、前記〔108〕〜〔109〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔111〕Qは、前記〔58〕〜〔67〕のいずれか1項に定義されるとおりである、前記〔108〕〜〔110〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔112〕Qは、−SHまたは−NH2である、前記〔108〕〜〔110〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔113〕各y’は、0である、前記〔108〕〜〔112〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔114〕各z’は、1である、前記〔108〕〜〔113〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔115〕各x’は、独立して、2〜6の整数である、前記〔108〕〜〔114〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔116〕R20は、ホスフェート、CH2OPO32-またはCH2OHである、前記〔108〕〜〔115〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔117〕以下の構造:
を有する、前記〔108〕に記載の化合物。
〔118〕M1は、以下の構造:
を有する、前記〔117〕に記載の化合物。
〔119〕以下の構造(VII):
を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体であって、ここで:
M1は、2個もしくはこれより多くの二重結合および少なくとも1の共役度を含む部分であり、M1のうちの少なくとも1個の存在は、3個もしくはこれより多くのアリールもしくはヘテロアリール環、またはこれらの組み合わせを含む部分であり;
R20は、各存在において、独立して、H、ホスフェート、ホスフェートで置換されたアルキル、C1−C6アルキルまたはC1−C6ヒドロキシルアルキルであり;そして
各x’、y’およびz’は、各存在において、独立して、0〜10の整数である、
化合物またはその塩もしくは立体異性体。
〔120〕M1は、前記〔42〕〜〔52〕のいずれか1項において定義されるとおりである、前記〔119〕に記載の化合物。
〔121〕M1は、ペリレンである、前記〔119〕〜〔120〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔122〕各y’は、0である、前記〔119〕〜〔121〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔123〕各z’は、1である、前記〔119〕〜〔122〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔124〕各x’は、独立して、2〜6の整数である、前記〔119〕〜〔123〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔125〕R20は、ホスフェート、CH2OPO32-またはCH2OHである、前記〔119〕〜〔124〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔126〕以下の構造:
を有する、前記〔119〕に記載の化合物。
〔127〕M1は、以下の構造:
を有する、前記〔126〕に記載の化合物。