特許第6806695号(P6806695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806695黄色バックライトシステム及び黄色バックライトの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806695
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】黄色バックライトシステム及び黄色バックライトの方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20201221BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20201221BHJP
【FI】
   F21S2/00 482
   F21S2/00 439
   F21S2/00 484
   H01L33/00 L
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-548503(P2017-548503)
(86)(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公表番号】特表2018-501631(P2018-501631A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】CN2014001111
(87)【国際公開番号】WO2016090518
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2017年6月2日
【審判番号】不服2019-6659(P2019-6659/J1)
【審判請求日】2019年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】517195343
【氏名又は名称】林伯剛
【氏名又は名称原語表記】LIN Po−Kang
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】林伯剛
【合議体】
【審判長】 島田 信一
【審判官】 出口 昌哉
【審判官】 一ノ瀬 覚
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102044195(CN,A)
【文献】 特開2009−251352(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/129727(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0164975(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103296179(CN,A)
【文献】 特開2006−259667(JP,A)
【文献】 特開2014−26094(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0164975(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G09F 9/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色光の光線を有する表示装置と、
前記表示装置の背面に取り付けられ、570nmから590nmの間にある波長の黄色光のみを発し、前記表示装置の周囲に屈折、反射、及び反射と屈折の組み合わせのいずれかの方法で前記黄色光を発して、前記青色光を中和して相殺し、人の目に入る青色光の強度を弱める少なくとも1つの黄色灯光源と、
を含むことを特徴とする黄色光照明システム。
【請求項2】
表示装置を介して青色光を含む光線を発し、
前記表示装置の背面に取り付けられ、570nmから590nmの間にある波長の黄色光のみを発する少なくとも1つの黄色灯光源を介して、前記表示装置の周囲に屈折、反射、及び反射と屈折の組み合わせのいずれかの方法で前記黄色光を発して、前記青色光を中和して相殺し、人の目に入る青色光の強度を弱めることを特徴とする黄色光照射の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を有する環境に適した、青色光の人体の視覚細胞への影響を改善するための黄色バックライトシステム及び黄色バックライトの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、コンピュータやスマートフォン等のテクノロジー製品の普及により、こうした表示画面のあるテクノロジー製品の使用時間は長くなる一方であり、画面を長時間眺めた結果、目への傷害も増加の一途を辿っている。
【0003】
青色光は生活の場における照明設備やコンピュータのディスプレイの放射線に普遍的に存在する。平素、目に入る青色光線は紫外線に最も近い可視光線で、エネルギーが最も高い部分である。青色光の波長は400〜500nmの間にあり、青色光に曝されると目を傷めやすく、特に黄斑部病変を引き起こす。
【0004】
人体の視覚細胞が長時間慢性的に青色光に照射されると、細胞中の色素分子が光毒性反応を誘発して細胞が損傷するが、こうした黄斑部病変は失明の主な要因となっている。
【0005】
また、現在のタブレット、テレビ、スマートフォン等のテクノロジー製品は、通常、高解析度画面を有しており、高解析度画面から放射された高い強度の青色光が更に視覚細胞造に大きなダメージをもたらし易くしている。
【0006】
目下、目に入る青色光を弱めるブルーライト対策レンズが装着された眼鏡が出回っているが、その方法は2種類に分けられ、染色式のブルーライトカットレンズと、もうひとつは表面コーティング式のブルーライト対策レンズである。
【0007】
現段階では、青色光をカットするレンズの比率が全面的に高めであり、ブルーライトカットレンズの青色光への対策効果は、コーティング式ブルーライト対策レンズより良好であり、ブルーライトカットレンズの効果が良いことから、大多数の人に利用されている。
【0008】
上記の解決方法は何れも別途レンズの装着が必要であり、元々近視眼鏡を掛けているユーザにとって、この方法は不便である。また、ブルーライトカットレンズを長時間装着していると、物体の色の判断を誤る可能性があり、ひいては交通信号の色の判断を誤る等の悩みがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記公知技術の欠点に鑑みて、本発明の主な目的は、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減するための黄色バックライトシステム及び黄色バックライトの方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的及び他の目的を達するために、本発明は青色光を含む光線を発する表示装置と、表示装置の周囲に特定の方法で黄色光を発して、青色光の強度を中和して相殺する少なくとも1つの黄色灯光源とを含む黄色バックライトシステムを提供する。
【0011】
前記黄色光の波長は570nmから590nmの間であることが好ましい。
【0012】
また、前記特定の方法は反射、屈折、又は反射と屈折の組み合わせタイプであることが好ましい。
【0013】
前記少なくとも1つの黄色灯光源は前記表示装置及び前記表示装置の周囲のいずれかに設置されるのが好ましい。
【0014】
また、本発明の黄色バックライトシステムは更に、前記表示装置に設置された少なくとも1つの光透過板を含み、前記少なくとも1つの黄色灯光源は前記少なくとも1つの光透過板上に設置される。
【0015】
本発明は更に、表示装置を介して青色光を含む光線が発せられ、また、少なくとも1つの黄色灯光源を介して前記表示装置の周囲に特定の方法で黄色光を発して、前記青色光の強度を中和して相殺する内容を含む黄色バックライトの方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
公知技術と比較して、本発明は別途ブルーライトカットレンズを装着する必要がなく、青色光の人体の視覚細胞への傷害も低減可能であり、元々近視眼鏡を掛けているユーザにとっても、ブルーライトカットレンズを新調するための不必要な出費が嵩むこともない。そのうえ、本発明の方法はまた、公知技術におけるブルーライトカットレンズを長時間装着することで色の判断を誤る問題も起きない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る実施形態における黄色バックライトの方法のフローチャートである。
図2】本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの側面図である。
図3】本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの背面図である。
図4】本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの背面図である。
図5】本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に基づいて、黄色バックライトシステム及び黄色バックライトの方法について記述する。
【0019】
図1は、本発明に係る実施形態における黄色バックライトの方法のフローチャートである。
【0020】
図1のように、ステップS11において、表示装置を介して青色光を含む光線を発する。実施形態では、表示装置はノート型パソコン、タブレット、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、テレビ等の表示画面のある製品でよい。本発明の実施形態では、青色光は波長が400nmから500nmの間の可視光である。
【0021】
ステップS12では、少なくとも1つの黄色灯光源を介して、表示装置の周囲に特定の方法で黄色光を発して、青色光の強度を中和して相殺する。実施形態では、上記特定の方法は反射、屈折、反射と屈折の組み合わせタイプでよく、又は直接照射してもよい。本発明の実施形態では、上記黄色光は波長が570nmから590nmの可視光である。本発明の実施形態では、上記黄色光の光源は白熱灯、蛍光灯、LED灯、冷陰極管、ガス放電灯等の黄色光を発する光源であればよい。上記の特定の方法で黄色光を発して、表示装置が発する青色光を中和し、青色光の強度を低減して、強烈な青色光の照射で損傷しないよう人体の視覚細胞を保護することを実現した。
【0022】
図2は、本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの側面図である。
【0023】
図2では、表示装置100は青色光を含む光線を発し、続いて、黄色灯光源200が黄色光を発して表示装置100からの青色光を中和する。このうち、黄色灯光源200は表示装置100の後方と壁300の間に載置される。この実施形態では、黄色灯光源200が発する黄色光は後方の壁300を照射してから、壁面を介して表示装置100の周囲に反射されて、表示装置100が発する青色光を中和して相殺し、目に入る青色光の強度を弱めて、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減する。この実施形態では、表示装置100はノート型パソコン、タブレット、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、テレビ等の表示画面のある製品でよい。また、この実施形態では、黄色灯光源200は白熱灯、蛍光灯、LED灯、冷陰極管、ガス放電灯等の黄色光を発する光源であればよい。
【0024】
図3は、本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの背面図である。
【0025】
図3では、表示装置100の背面に複数の黄色灯光源200を取り付け、この実施形態では、表示装置100に4つの黄色灯光源200を取り付けたが、これに限定されない。黄色灯光源200は表示装置100の後方から黄色光を発して、表示装置100の周囲から柔和な光線効果が生じる。黄色灯光源200からの黄色光は反射作用で表示装置100の周囲と前方に照射されて、表示装置100からの青色光を中和して相殺し、目に入る青色光の強度を弱めて、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減する。
【0026】
図4は、本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの背面図である。
【0027】
図4では、表示装置100の両側に2枚の光透過板400を設置し、光透過板400の的背面に各々黄色灯光源200を設置する。別の実施形態では、黄色灯光源200は表示装置100背面の側辺に取り付けてもよい。この実施形態では、2枚の光透過板400を設置しただけであるが、これに限定されない。黄色灯光源200が発する黄色光は光透過板400を介して屈折し、続いて表示装置100の周囲や前方に照射されて、表示装置100からの青色光を中和して相殺し、目に入る青色光の強度を弱めて、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減する。実施形態では、光透過板400は透光樹脂、くもりガラス等の光透過素材である。
【0028】
本発明の実施形態では、黄色灯光源200が発する黄色光も光透過板400を介して屈折して、表示装置100後方の壁(図示せず)に反射し、続いて、表示装置100の周囲や前方を照射して、表示装置100からの青色光を中和して相殺し、目に入る青色光の強度を弱めて、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減する。
【0029】
本発明の実施形態では、光透過板400は白色の光透過板である。黄色灯光源200が発する黄色光は白色の光透過板を介して屈折した後も、依然として黄色光であるため、青色光を中和して相殺する効果を奏することができる。
【0030】
本発明の実施形態では、光透過板400は黄色光の透過板である。黄色灯光源200は白色灯光源に取って代わることができ、白色灯光源から発する白色光は黄色光の透過板を介して屈折した後も、依然として黄色光であるため、青色光を中和して相殺する効果を奏することができ、目に入る青色光の強度を弱めて、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減する。
【0031】
図5は、本発明に係る実施形態における黄色バックライトシステムの正面図である。
【0032】
図5では、表示装置100の前方に2つの黄色灯光源200を設置し、表示装置100は青色光を含む光線を発し、続いて、黄色灯光源200は黄色光を発することで表示装置100が発する青色光を中和する。黄色灯光源200の黄色光は表示装置100並びに表示装置100後方の壁(図示せず)に照射されて、反射された微弱な黄色光が、表示装置100からの青色光を中和して相殺し、目に入る青色光の強度を弱めて、青色光の人体の視覚細胞への傷害を低減する。
【0033】
公知技術と比較して、本発明は別途ブルーライトカットレンズを装着する必要がなく、人体の視覚細胞への傷害を低減すべく青色光の強度の低減が可能であり、元々近視眼鏡を掛けているユーザにとっても、ブルーライトカットレンズを新調するための不必要な出費が嵩むこともない。そのうえ、本発明の方法はまた、公知技術におけるブルーライトカットレンズを長時間装着することで色の判断を誤る問題も起きない。また、本発明において別途黄色灯光源を追加すると、周囲の環境の輝度が目に見えて向上され、画面を長時間眺めても、目は容易に疲れない。
【0034】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0035】
100表示装置
200黄色灯光源
300壁
400光透過板
S11〜S12 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5