(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施形態>
<1.1.概要>
以下、本発明の一実施形態に係る照明器具1について図面を参照しながら説明する。照明器具1は、
図1に示すように、器具本体2に光源ユニット3が取り付けられて成る。照明器具1は、
図2に示すように、一例として長尺状の形状を有し、取付対象の一例としての天井面に取り付けられ、室内側に光を照射する。
【0010】
器具本体2は、
図3に示すように、一の面に収容凹部22が形成された箱状の外観を有し、外観を構成する筐体21は、板金を曲げ加工して形成される。光源ユニット3は、光源(
図1の光源322a、光源322b、・・・参照)の一例としてLED(Light Emitting Diode)を備えた長尺状の部材である。光源ユニット3は、
図3に示すように樹脂製のカバー部33を有する。光源ユニット3は、照明器具1の外部方向へ光を照射する向きに、収容凹部22に少なくとも一部が収容される状態で取り付けられる。収容に関し、器具本体2は、収容凹部22における開口面と対向する底面部221に、バネ受け24及び25を備える。また、光源ユニット3は、収容凹部22に収容された状態において底面部221に対向する面に取付バネ部35及び36を備える。
【0011】
器具本体2に光源ユニット3を収容する場合、ユーザが、まず取付バネ部35をバネ受け24に係合し、取付バネ部36をバネ受け25に係合する。その状態で、ユーザが光源ユニット3を収容凹部22の底面部221の方へ近づけていくと、取付バネ部35及び36の弾性力により光源ユニット3が収容凹部22の奥、すなわち底面部221方向に引き寄せられ、収容凹部22内に光源ユニット3の一部が収容された状態で、光源ユニット3が器具本体2に固定される。このとき、光源ユニットの支持体31が器具本体2の開口端縁228に当接する。樹脂部分であるカバー本体部331は器具本体2に当接せずに一定の間隔GA(
図1参照)を保つ。このため、照明器具1においては、金属製である開口端縁に光源ユニットの樹脂部分が押しつけられることはなく、樹脂部分に圧力がかかり光源ユニット3が変形するという問題は生じない。
【0012】
以下、照明器具1について、より詳細に説明する。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために構成の一部を省略、誇張して表わすなど模式的に表している。また、左右対称な形状を有する部材の構成について説明する際に、明らかに同じ説明の繰り返しとなる場合に、左右の一方についてのみ説明して繰り返しを避けている場合がある。
【0013】
<1.2.器具本体2>
器具本体2は、
図3に示すように、筐体21、バネ受け24、バネ受け25及び電源端子台27を備える。
【0014】
筐体21は、一の面に収容凹部22が形成された箱状の部材であり、器具本体2の外観を構成する。筐体21の断面形状は、一例として収容凹部22の開口端縁228より延びる反射板部211及び212を備えた、いわゆる逆富士形である。なお、筐体21は、逆富士形以外にトラフ形、下面開放形などの形状であってもよい。
【0015】
収容凹部22は、
図2及び
図3に示すように、長尺状の底面部221の長辺から長辺側面部222、223が起立し、底面部221の短辺から短辺側面部224、225が起立して成る。底面部221には、天井面5から露出し照明器具1に電力を供給するための電源ケーブル8などの電線を通すための孔が長手方向に沿って複数設けられている。また、底面部221には、天井面5から露出する吊りボルト(一例として6a、7a)を通すための孔が長手方向における両端寄りの位置に2個設けられている。
図3に示すように、これらの孔に吊りボルト6a及び7aがそれぞれ通されたのち、吊りボルト6a及び7aにナット部材(一例として6b、7b)が締め付けられることで、器具本体2が天井面5に固定される。
【0016】
底面部221には、上述のようにバネ受け24、25が配され、また電源端子台27が配されている。バネ受け24は、取付バネ部35が係合されるバネブラケットである。バネ受け24は、金属板を孔あけ加工、折り曲げ加工等して形成される部材であり、
図4に示すように、フック部241及び挿通孔242を有する。フック部241は、幅広で扁平なフック形状を有する。フック部241には、後述する光源ユニット係止状態において、取付バネ351のフレーム部351a(
図8(a)参照)が、引っ掛けられる。挿通孔242は、略矩形状の孔であり、後述する光源ユニット設置状態において、取付バネ351のフレーム部351aが挿通される。バネ受け25は、取付バネ部36に係合されるバネブラケットであり、バネ受け24と同様の構成を有する。電源端子台27は、外部の電源と電源部34とを接続するための電線(電源ケーブル8など)を相互に接続する機能を有する。
【0017】
<1.3.光源ユニット3>
光源ユニット3は、
図3及び
図5に示すように、支持体31、光源部32、及びカバー部33、電源部34、取付バネ部35及び取付バネ部36を有する。
【0018】
<光源部32>
光源部32は、
図1及び
図5に示すように、長尺状の光源基板321上に、複数の光源322(光源322a、光源322b、・・・)の一例として表面実装型LEDが長手方向に間隔を空けて列状に配されてなる。光源322を配置する列数は、
図1に示すように2列としているが、1列でもよいし、3列以上としてもよい。光源部32は、光源322が露出する向きに、支持体31に固定される。
【0019】
<カバー部33>
カバー部33は、
図5に示すように、カバー本体部331、エンドキャップ332、及びエンドキャップ333を備える。カバー部33は、光源322が射出する光を拡散する機能を有する。
【0020】
<カバー本体部331>
カバー本体部331の形状は、短手方向からみて左右対称となっている。カバー本体部331は、拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂)で構成されており、光源部32の光源322を覆うよう配される。カバー本体部331は、
図6に示すように、短辺側断面が凸状のアーチ形状を有する長尺状の部材であり、押出成形により形成される。
【0021】
カバー本体部331は、
図6に示すように、主部331aと、係合部331bと、導光部331cとを有する。主部331aは、カバー本体部331の中央に位置し、断面アーチ状の板状の部分である。係合部331bは、主部331aの一端から突出した部分であり、支持体31に係合される。係合部331bは、一例として、支持体31に設けられた溝に係合するクランク状に形成されている。係合部331bは、主部331aの他端から突出した部分であり、支持体31に係合される。クランク状に形成された係合部331bを支持体31に設けられた溝に係合させるので、強固にカバー本体部331と、支持体31とを係合することができる。なお、係合部331bの形状は、支持体31に係合すれば足り、クランク状に限るものではない。
【0022】
導光部331cは、主部331aに連続し、係合部331bの基端部分から延出した部分である。導光部331cは、カバー部33が支持体31に配された場合に、支持体31の長辺端面の一部を覆うよう形成されている。これにより、支持体31が外部に露出する面積を減らすことができる。また、導光部331cは、光源から発せられた光を導光する機能を有する。よって、光源から発せられる光が支持体31により遮られている部分を明るくし、明るさが周囲において急激に暗くならず見栄えの良い照明器具とすることができる。
【0023】
また、導光部331cの長さは、光源ユニット3が器具本体2に取り付けられた場合に、導光部331cが器具本体2に接触せずに一定の間隔GA(
図1参照)を保つよう規定されている。このため、金属製である開口端縁に光源ユニットの樹脂部分が押しつけられることはないので、樹脂部分に圧力がかかり光源ユニット3が変形するという問題は生じない。
【0024】
また、カバー部33は、上述のように樹脂素材であるため、光源が点灯時に発する熱により多少伸び、消灯した場合にもとに戻るというように伸縮する場合がある。上述の間隔GAは、カバー部33に伸びが発生した場合にも、器具本体2に接触しないように規定されている。このため、カバー部33に伸びが発生することにより導光部331cが器具本体2に接触し、軋みを発生させるというような問題は生じない。
【0025】
<エンドキャップ332、333>
エンドキャップ332は、
図5に示すように、カバー本体部331の短手側端部に位置する部材であり、カバー本体部331には固定されずに支持体31に固定される。
【0026】
エンドキャップ332は、
図7(a)に示すように、ネジ受け部333a、固定部333bを備える。ネジ受け部333aは、
図7(a)に示すように、貫通孔が設けられた部材である。固定部333bは、支持体31に設けられた溝に挿通され嵌合する部材であり、ネジ受け部333aの貫通孔よりも孔径の広い貫通孔が設けられている。ネジ受け部333a、固定部333bは、エンドキャップ332と支持体31の固定に用いられる。エンドキャップ332と支持体31の固定については後述する。
【0027】
また、エンドキャップ332には、切り欠きN1が設けられている。切り欠きN1は、光源と電源部34との結線に必要な配線(
図7(b)参照)を挿通するのに用いられる。
【0028】
エンドキャップ333は、エンドキャップ332と同様の構成を備える。
【0029】
<電源部34>
電源部34は、外部から供給されるAC電力を、光源を駆動するためのDC電力に変換し、光源に供給する機能を有する。電源部34は支持体31の上面に搭載される。なお、本実施形態では、上下方向として、天井に照明器具1が取り付けられる場合における、照明器具1からみて天井方向を上、床方向を下としている。
【0030】
<取付バネ部35、36>
取付バネ部35は、支持体31の上面に取り付けられ、器具本体2が有するバネ受け24に係合する部材である。取付バネ部35がバネ受け24に係合することにより、光源ユニット3が器具本体2に取り付けられる。取付バネ部35は、
図8(a)に示すように、取付バネ351、及びバネ保持部352を備える。
【0031】
取付バネ351は、一例として、ダブルトーションバネであり、バネ線材を曲げ加工等して形成される。取付バネ351は、略コの字形状をしたフレーム部351a、フレーム部に連続しコイル状に曲げられたコイルバネ部351b、コイルバネ部に連続しバネ保持部352に掛止される棒状の部分である掛止部351cを含む。
【0032】
バネ保持部352は、取付バネ351を保持する部材であり、支持体31に固定される。バネ保持部352は、金属板を折り曲げ加工等して形成される。バネ保持部352は、
図8(b)及び
図8(c)に示すように、板部352a、固定部352b、孔部352c、アーチ部352d及び突出部352eを備える。板部352aは、板状部分であり、支持体31の光源基板321が取り付けられる面に対向する面に固定される。固定部352bは、取付バネ351のコイルバネ部351bが掛止される平板状の部分である。孔部352cは、板部352aに設けられた孔であり、板部352aと支持体31とを固定するためのネジ等が挿通される。アーチ部352dは、アーチ状に加工された部分であり、アーチ内に取付バネ351の掛止部351cが挿通され掛止される。突出部352eは、板部352aの端部において折り曲げられて起立する部分であり、その作用はのちに支持体31とともに説明する。
【0033】
取付バネ部36は、器具本体2が有するバネ受け25に係合する部材である。取付バネ部36の構成は、取付バネ部35と同様である。
【0034】
<支持体31>
支持体31は、
図5及び上面図である
図9(a)に示すように長尺板状の部材である。支持体31は、アルミ合金などの金属材料で押出成形により形成され、光源部32が発する熱を放散するためのヒートシンクとして機能する。支持体31の形状は、短手方向からみて左右対称となっている。なお、以下の説明では、支持体31及び支持体31を構成する部分について、正面断面図である
図9(b)に示すように、光源部32が配される側の面を第1の面S1といい、第1の面S1に対向する面を第2の面S2という。光源ユニット3が器具本体2に取り付けられた場合には、第2の面S2が、収容凹部22側を向くことになる。
【0035】
支持体31は、
図9(b)に示すように、底板部31a、側壁部31b、基板抑え部31c、反射板部31d、係止溝部31e、移動規制部31f及びバネ板抑え部31gを備える。
【0036】
底板部31aは、支持体31の短手方向中央の平坦な長尺板状の部分である。底板部31aの第1の面S1に光源部32が配され、第2の面S2に取付バネ部35、取付バネ部36及び電源部34が配される。底板部31aの短手方向の長さは、光源基板321の短手方向の長さより僅かに長い。
【0037】
なお、以下の
図9(b)に示す構成の説明においては、
図9(b)に示すように便宜的に、第1の面S1が向いている方を下、第2の面S2が向いている方を上、底板部31aの中心軸からみて長辺の方を外、長辺からみて中心軸の方を内という。
【0038】
側壁部31bは、底板部31aの長辺端から起立する壁部である。側壁部31bは、光源部32が支持体31の第1の面S1に配された場合に、短手方向の位置が変化しないよう光源部32の短手方向の移動を規制する。
【0039】
基板抑え部31cは、側壁部31bに連続し、側壁部31bの下端部分から内向きに突出する板状部分である。基板抑え部31cは、光源基板321が支持体31の第1の面S1に配された場合に、光源基板321の位置が上下方向に変化しないよう移動を規制する機能を有する。
【0040】
反射板部31dは、側壁部31bに連続し、側壁部31bの下端部分から外向きに突出する板状部分である。反射板部31dの第1の面S1は、光源322から出射される光を反射する機能を有する。反射板部31dの第1の面S1は、例えば白色塗装されている。また、反射板部31dは、外に向かうにつれて下へと傾斜している。このように反射板部31dを傾斜させることにより、底板部31aを反射板部31dの外側端部Eよりも上側に位置させ、底板部31aをカバー部33から離すようにしている。光源ユニット3が器具本体2に取り付けられた場合に、底板部31aの、収容凹部22の底面部221に対向する面(第2の面S2)は、収容凹部22の開口端縁228に接触している面よりも、底面部221に近い。こうすることで、個々の光源322が発してカバー本体部331に当たった光によりカバー本体部331に生じるつぶつぶ感を低減し、又は無くし得る。
【0041】
係止溝部31eは、反射板部31dの外側端部に連続し、カバー部33の係合部331bに係合する溝の一例として、光源基板321が取り付けられる面側が開口する溝Dが設けられた部分である。係止溝部31eは、カバー本体部331の係合部331bと係合することにより、カバー本体部331が支持体31から外れないようにする。係止溝部31eは、底板部31aの第2の面S2と同じ側の面CSが、開口端縁228に接触する。
【0042】
移動規制部31fは、支持体31の光源基板321が取り付けられる面の反対面側の、開口端縁228に接触する部分よりも内側から立設し、支持体31が器具本体2に取り付けられた場合に、光源ユニット3が器具本体2に対し所定長以上短手方向にずれないよう位置を規制する機能を有する。つまり、移動規制部31fは、
図1に示すように、光源ユニット3が器具本体2に取り付けられた場合に、収容凹部22の内に位置することになる。光源ユニット3が器具本体2に対し、短辺に沿う方向に所定長以上ずれそうになった場合、移動規制部31fが収容凹部22の長辺側面部222、223と干渉することになる。
【0043】
バネ板抑え部31gは、移動規制部31fから内向きに突出する板状部分である。バネ板抑え部31gは、取付バネ部35が支持体31の第2の面S2に固定された場合に、取付バネ部35の突出部352eの端部に対して上方向への移動を規制する。
【0044】
<1.4.光源ユニット3の組み立て>
(1)光源部32の支持体31への取り付け
図5を参照して光源部32を支持体31に取り付ける場合、支持体31の短辺側から、光源基板321の長辺及びその近傍が、
図9(b)記載の支持体31の底板部31a、側壁部31b及び基板抑え部31cで囲まれた領域内に位置するようにし、光源部32を支持体31の長手方向にスライドさせる。
【0045】
(2)カバー部33の支持体31への取り付け
図5を参照してカバー部33を支持体31に取り付ける場合、支持体31の短辺側から、
図6に記載のカバー部33の係合部331bが、
図9(b)記載の支持体31の係止溝部31eに設けられた溝Dに係合するようにし、カバー本体部331を支持体31の長手方向にスライドさせる。この構成により、支持体31とカバー部33とを固定するために別途ビス等を用いる必要がなくなり、また固定する場合の作業者の手間が少なくなる。
【0046】
(3)取付バネ部35及び取付バネ部36の支持体31への取り付け
取付バネ部35を支持体31に取り付ける場合、支持体31の短辺側から、
図8(c)記載の取付バネ部35の板部352aの端部及び突出部352eが、
図9(b)記載の支持体31の反射板部31d及びバネ板抑え部31gの間に位置するように、支持体31の長手方向にスライドさせる。そして、取付バネ部35が支持体31に対して所定の位置にくるまでスライドされた後、バネ保持部352の孔部352cにネジが挿通され支持体31にネジ止めされる。
【0047】
突出部352eは、反射板部31d及びバネ板抑え部31gの間にはめこまれるので、仮に孔部352cに挿通されたネジが外れた場合にも、取付バネ部35が支持体31から分離し脱落してしまうのを防ぐことができる。
【0048】
取付バネ部36の支持体31への取り付けは、取付バネ部35の支持体31への取り付けと同様である。
【0049】
(4)エンドキャップ332及びエンドキャップ333の支持体31への取り付け
図5を参照して、エンドキャップ332は、カバー部33が支持体31に取り付けられた後に、支持体31に取り付けられる。
図7(a)及び(b)を参照して、エンドキャップ332を支持体31に取り付ける場合、エンドキャップ332を支持体31の短辺側から、エンドキャップ332の固定部333bが反射板部31dの第2の面S2に接するように、支持体31の長手方向にスライドさせる。このとき、支持体31の短辺の端部付近を、ネジ受け部333aと固定部333bの間に位置させる。
【0050】
ここで、支持体31において、固定部333bの貫通孔と重なる部分には、固定部333bの孔径と同径の貫通孔が設けられている。この状態で、固定部333b側から、固定部333bの貫通孔、支持体31の貫通孔を通して、ネジ受け部333aの貫通孔へとタッピングネジを締め付ける。タッピングネジは、ネジ受け部333aの貫通孔にねじ立てする。これにより、支持体31がネジ受け部333aと固定部333bとに挟まれ、エンドキャップ332と支持体31とが固定される。
【0051】
エンドキャップ333の支持体31への取り付けは、エンドキャップ332の支持体31への取り付けと同様である。
【0052】
<1.5.器具本体2の天井への設置、光源ユニット3の器具本体2への取り付け>
以下の手順で、照明器具1を天井に設置する。なお、天井でなくレースウェイ等のバー金具に設置してもよい。
【0053】
(1)
図3を参照し、天井側から延びた吊ボルト6a、7aに器具本体2の孔を通し、吊りボルト6b,7bで器具本体2を天井に固定する。なお、吊りボルトを用いずに下からビスで器具本体2を固定してもよい。
【0054】
(2)電源ケーブル8を、端子台27と接続する。
【0055】
(3)光源ユニット3側の取付バネ部35のバネ351を、器具本体2側のバネ受け24のフック部241(
図4参照)に掛ける。この状態を「光源ユニット係止状態」とする。取付バネ部36についても同様にバネ受け25に掛ける。
【0056】
(4)係止状態において、器具本体3の端子台から延びた電源コードのコネクタ(図示せず)と、光源ユニット3から延びた電源コードのコネクタ(図示せず)を接続する。
【0057】
(5)光源ユニット3を上に押し上げる。すると、バネ351がバネ受け24の挿通孔242に入る。バネの力により光源ユニット3が引き上げられ、光源ユニット3の支持部31が器具本体2の開口端縁228に押し付けられて接触する。この状態を「光源ユニット設置状態」といい、その断面図が
図1に示されている。このように剛性のある金属製の支持体を金属製の器具本体に引き上げ固定することにより、両者の間に隙間が生じにくく、照明器具の外側である横方向から見上げた場合であってもきれいな見栄えが実現できる。
【0058】
<2.第2の実施形態>
第1の実施形態では、光源基板321の光源322を配置する面には反射シートを貼付していなかったが、これを貼付することとしてもよい。本実施形態では、反射シートが剥がれても落下しないように抑える抑え部材1010をさらに設けている。以下、本実施形態について、抑え部材1010(
図10参照)の構成を中心に説明する。
【0059】
図10(b)〜(c)に示すように、支持体31の底板部31aの第1の面S1に光源部32が載置され、その光源部32の光源322側の面上に光反射率が例えば90%以上と高い白色の反射シート1020が貼付され、その反射シート1020の露出する側の面上に、抑え部材1010が取り付けられる。反射シート1020には、
図10(b)に示すように、光源322の位置に合わせて開口H10が設けられているので、反射シート1020が光源322を覆ってしまうことはない。
【0060】
抑え部材1010は、
図10(a)に示すように、抑え板部1010a、リブ部1010b、把持爪1010c、及び把持爪1010dを備える。抑え板部1010aは、平板状の部分であり、反射シートを抑える機能を有する。リブ部1010bは、抑え板部1010aの短手中央から立設する板状のリブであり、抑え板部1010aの長手方向の撓みを防止し、かつ、厚みは、軽量化のため抑え板部1010aの短辺長よりも薄くなっている。把持爪1010cは、抑え部材1010が支持体31に取り付けられた場合に、基板抑え部31cと底板部31aとに挟まれる。これにより、抑え部材1010が上下方向にずれないよう移動が規制される。
【0061】
なお、光源基板321において、把持爪1010cが配置される部分の近傍は、
図10(b)に示すように、把持爪1010cの形に合わせた切り欠きN10が設けられている。この切り欠きN10部分に把持爪1010cが位置するので、把持爪1010c、抑え部材1010が、支持体31の長手方向に移動するのが規制される。なお、光源基板321において切り欠きN10部分がなくても、例えば把持爪1010cを薄くすることにより、抑え部材1010を用いることができる。
【0062】
把持爪1010dは、抑え部材1010が支持体31に取り付けられた場合に、把持爪1010cとで基板抑え部31cを挟み込む。これにより、抑え部材1010の移動を規制する。
【0063】
<3.第3の実施形態>
第1の実施形態における支持体31は、長尺状の部材であるため、特に長手方向に撓む可能性があり、撓まないよう補強するのがより望ましい。このため、本実施形態に係る支持体1000は、
図11(a)に示すように支持体31の反射板部31dの第2の面S2に、リブ1100及びリブ1101を設けたものである。
【0064】
リブ1100及びリブ1101は、支持体1000の一短辺から他短辺まで長手方向に立設している。これにより、支持体1000は、長手方向に撓みにくくなるよう補強された状態になっている。
【0065】
また、第1の実施形態では、支持体31に取付バネ部35などの取り付け対象部材をネジ止めする場合、支持体31の反射板部31dにネジ止めしていた。反射板部31dは、底板部31aに対して傾斜しているため、反射板部31dに垂直にネジ止めするには、底板部31aを基準として斜め方向にネジ止めすることとなり、ネジに力を加えにくく作業効率が低下する可能性がある。
【0066】
しかしながら、リブ1100の上端とリブ1101の上端とを結ぶ線は、底板部31aに平行になっている。取付バネ部35などの取付対象部材1120は、底板部31a、リブ1100、及びリブ1101に跨り配置される。取付対象部材1120におけるネジ止め位置は、リブ1100とリブ1101の間に相当する位置であり、この位置に予め孔が開けられている。また、リブ1100とリブ1101との間の、ネジBを締め付ける位置には予めネジ切り(
図11(b)のネジ切りN1100、及びN1101)されることでネジ孔が形成されている。このネジ孔にネジBが挿通され、ネジBがリブ1100及びリブ1101のネジ孔に締め付けられ、取付対象部材1120と支持体1100とが密着固定される。
【0067】
取付対象部材1120のネジ止め位置部分が、底板部31aに対して平行になっているので、ネジ止めを行う作業者は、底板部31aを基準として垂直方向にネジ止めすることができ、底板部31aに対して斜めにネジ止めする場合にくらべ、ネジに力が加えやすくなり作業効率は向上する。
【0068】
なお、上述のように予めリブ1100とリブ1101との間にネジ切りをせずに、タッピングネジをリブ1100とリブ1101の間にねじ込むことで、支持体31に取付対象部材をネジ止めすることとしてもよい。
【0069】
<4.変形例その他>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を例えば以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0070】
(1)上述の実施形態では、無線通信について説明をしなかったが、支持体31の第2の面S2側に無線通信を行うデバイスを配することとしてもよい。例えば、電源部34が、
図3に示すように無線通信を行うデバイス38を備えることとしてもよい。この場合に、デバイス38が、金属製の器具本体2と支持体31とに囲まれた空間に配されることとなり、無線通信用の電波の放出を妨げられる場合がある。これを回避するために、底板部31aに、
図5及び
図9に示すように、支持体31における無線通信用のデバイスが配される位置の近傍に孔Hが開いていてもよい。こうすることで、無線通信用の電波が非金属性の光源基板321を介して照明器具1外に放出されやすくなる。
【0071】
(2)上述の実施形態では、支持体31の第1の面S1側の部材と、第2の面S2側の部材との間の配線について説明をしなかったが、
図7(b)に示すように、エンドキャップ333に設けた切り欠きN1(
図7(a)参照)と光源基板321に設けた切り欠きN2とが構成する孔に配線を通すこととしてもよい。切り欠きN1と切り欠きN2は、それぞれ半円形の切り欠きであり、合わせることで円形の孔になるよう形成されている
なお、この円形の孔は配線の径よりも大きめに構成しておき、
図7(b)に示すように、配線401にシリコンチューブ402を被せたり、シリコンチューブ402は用いずにシリコンでコーキング処理するなどして、配線を孔に通した後の配線と孔との隙間を詰めることとしてもよい。
【0072】
(3)上述の実施形態では、反射板部31dに白色塗装することで反射機能を高めることとしていたが、反射板として機能すれば足り、例えば、反射板31dに白色塗装をする代わりに反射シートなどの反射部材を貼ってもよい。このとき、反射シートの剥離を防止するために、抑え部材1010に代え、
図12に示す抑え部材1050を用いてもよい。抑え部材1050は、抑え部材1010に対し、把持爪1010dに連続するシート抑え1050dを加えたものである。シート抑え1050dは、抑え部材1050が支持体31に取り付けられた場合に、反射板部31dに貼り付けられた反射シートの剥離を防止する機能を有する。
【0073】
(4)上述の実施形態では、光源322は、光源基板321の第1の面S1上に実装することとしたが、光源322が実装されれば足り、例えば、光源基板321を用いずに光源322を支持体31に直接実装してもよい。
【0074】
(5)本発明の各部構成は上記実施形態及び変形例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記照明器具の各部構成は、LEDに係る照明器具に限定されていない様々な照明器具に適用することが出来る。
【0075】
(6)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
【0076】
<5.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明器具の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0077】
(1)本発明の一実施形態に係る照明器具は、長尺状の光源ユニットと、前記光源ユニットが取り付けられる器具本体とを備える照明器具であって、前記器具本体は、前記光源ユニットの少なくとも一部を収容する収容凹部を有し、前記光源ユニットは、複数の光源が実装された光源基板と、前記光源基板が取り付けられる支持体と、前記光源基板を覆うようにして前記支持体に取り付けられるカバー部とを備え、前記光源ユニットが前記器具本体に取り付けられた状態では、前記カバー部は前記収容凹部の開口端縁に接触せずに、前記支持体が前記収容凹部の開口端縁に接触する。
【0078】
この構成により、本発明に係る照明器具は、開口端縁に光源ユニットのカバー部が押しつけられることがないため、カバー部に圧力がかかることにより変形してしまうのを抑制することができる。
【0079】
(2)また、前記支持体において、前記光源基板が取り付けられている底板部の、前記光源基板が取り付けられる面の反対面は、前記開口端縁と接触している面よりも前記収容凹部の底面に近いこととしてもよい。
【0080】
この構成により、光源をカバー部から離し、光源が発してカバー本体に当たった光によりカバー本体に生じるつぶつぶ感を低減し、又は無くし得る。
【0081】
(3)また、前記支持体は、前記光源基板が取り付けられる面の反対面における前記開口端縁に接触する部分よりも内側において、前記収容凹部側に立設した移動規制部を備えることとしてもよい。
【0082】
この構成により、支持体の短手方向の移動を収容凹部の側面と干渉することで規制することができる。
【0083】
(4)また、前記カバー部は、内向きに突出する断面クランク状に形成された係合部を備え、前記支持体は、前記光源基板が取り付けられる面側が開口し、前記係合部に係合する係止溝部を備えることとしてもよい。
【0084】
この構成により、支持体とカバー部とを強固に係合させることができる。
【0085】
(5)また、前記カバー部は、前記支持体の長辺端の一部を覆う導光部を備えることとしてもよい。
【0086】
この構成により、暗い部分を減らすことができる。