(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シャフトに固定的に結合され、前記第1のハウジング構成要素に回転可能に結合されたトルクセンサをさらに備え、前記トルクセンサは、内部トルクセンサ構成要素および外部トルクセンサ構成要素を含み、前記内部トルクセンサ構成要素は前記シャフトに固定的に結合され、前記外部トルクセンサ構成要素は、前記第1のハウジング構成要素に回転可能に結合される、請求項1に記載のハブ装置。
前記トルクセンサは、測定されたトルクを前記コントローラに送信するように構成され、前記コントローラは、前記測定トルクが閾値を超えると判定した場合、前記ハブ装置に、前記ハブ装置に結合されている車輪の回転を促進するための追加のトルクを生成するように指示する、請求項5に記載のハブ装置。
前記ロータアセンブリが前記ステータアセンブリに対して回転するのを妨げるように構成されたロック機構をさらに備え、前記ロック機構は、前記ステータアセンブリ上に設けられた少なくとも1つのロックデバイスと、前記ロータアセンブリ上に設けられた少なくとも1つの係合部分とを有し、
前記ロックデバイスは、前記コントローラからの第1の信号に応答して、前記係合部分に係合するように作動され、
前記ロックデバイスは、前記コントローラからの第2の信号に応答して、前記係合部分から係合解除するように作動される、請求項1に記載のハブ装置。
前記ロックデバイスはストッパと、ストッパホルダと、アクチュエータとを備え、前記ストッパホルダは、前記ステータアセンブリに固定的に結合されており、前記ストッパは、前記ストッパホルダ内に配置され、前記ストッパは、前記アクチュエータによって動かされるように構成されており、
前記係合部分は、バンプまたは凹部を備え、
前記アクチュエータは、前記コントローラからの前記第1の信号に応答して、前記係合部分に係合するように前記ストッパを動かすように構成され、
前記アクチュエータは、前記コントローラからの前記第2の信号に応答して、前記係合部分から係合解除するように、前記ストッパを動かすように構成される、請求項10に記載のハブ装置。
前記ハブアセンブリは、前記シャフトに結合されており、前記ハウジングの回転によって発生するトルクを測定するように構成されたトルクセンサをさらに備え、前記トルクセンサは、内部トルクセンサ構成要素と外部トルクセンサ構成要素とを含み、内部トルクセンサ構成要素は、前記シャフトと前記外部トルクセンサ構成要素との間に配置され、前記ハウジングの前記回転は、前記外部トルクセンサ構成要素と前記内部トルクセンサ構成要素との間の相対回転に基づいて測定される、請求項12に記載の車輪セット。
前記ハブアセンブリは、前記トルクセンサに結合されたワイヤを前記シャフトに固定するように構成された保護スリーブをさらに備え、前記保護スリーブは、前記シャフトによって形成される周方向凹部内に配置される、請求項13に記載の車輪セット。
前記コイルアセンブリは、複数のコイルとシャーシとを含み、前記複数のコイルは、前記シャーシの外周面に配置され、前記バッテリアセンブリは、前記シャーシと前記主回路基板との間に配置され、前記主回路基板は、前記シャーシに対向して配置される、請求項16に記載の車両。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本技術は、車両(例えば、自転車、三輪車、スクータ、電動車椅子、カートなど)の車輪/リムを回転させるように構成されたハブ装置に関する。このハブ装置は、ロータアセンブリと、シャフトアセンブリと、ステータアセンブリとを含む。ステータアセンブリはシャフトに固定的に結合され、シャフトはロータアセンブリを通って延伸する。ロータアセンブリは、ステータアセンブリおよびシャフトに対して回転することができる。いくつかの実施形態では、ハブ装置は電気モータと考えることができる。ハブ装置のロータアセンブリは車両の車輪/リムに結合され、シャフトは車両(例えば、フレームなどの車両構造)に固定的に結合される。ハブ装置は、人力の有無にかかわらず車輪を回転させて車両を動かす(または少なくとも動くように促す)ように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、本技術は、ユーザがハブ装置を便利に運ぶことを可能にするコンパクトな設計のハブ装置を対象とする。本発明のハブ装置は、容易で迅速な設置を可能にし、メンテナンスのためのアクセスを可能にするモジュール式設計をも有する。例えば、ハブ装置のサイドカバー(例えば、
図11)は容易に取り外され、ハブ装置の内側へのアクセスを提供することができる。
【0015】
本技術の利点は、例えば、(1)ロータアセンブリとステータアセンブリとを有するコンパクトなハブ形電気モータを提供すること、(2)本発明のハブ装置の構成要素(例えば、バッテリパック、主回路基板、コントローラなど)の大部分が、ステータアセンブリの内側に配置され、したがって、ロータアセンブリと共に回転しないことを含む。これは、構成要素の寿命および信頼性にとって有益である。
【0016】
図1は、本技術の実施形態によるハブ装置またはハブアセンブリ100の等角図である。
図1に示すように、ハブ装置100は、複数のスポーク105を収容するように構成された外側ハウジング(またはハウジング)およびハブフランジ(またはリング構造)103を含む(例えば、スポーク105の他端は、二輪車の前輪/後輪に結合することができる)。
【0017】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、複数のハウジング構成要素から組み立てることができる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、互いに結合され、ともに、ハブ装置100の要素を収容するための内/内方/内部空間を形成する第1のハウジング構成要素101および第2のハウジング構成要素201を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、第1のハウジング構成要素101は、側壁101aと、側壁101aの外周の周りに延伸する外側リム101bとを含むことができる。外側リム101bは、第1のハウジング構成要素101の内方空間を画定する高さを有する。
【0018】
図1に示すように、第1のハウジング構成要素101は、その中央に側面開口が形成され、シャフト(例えば、
図2のシャフト209)が通過することを可能にする。開口は、サイドカバー1102を収容するように構成される(例えば、
図11参照)。サイドカバー1102は、シャフトに固定的に結合されており、したがって、ハウジングと共に回転しない。いくつかの実施形態では、サイドカバー1102とハウジングとの間に、ハウジングがサイドカバー1102(およびシャフト209)に対して回転することを可能にするベアリングを配置することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング101とサイドカバー1102との間にオイルシールを配置することができる。
【0019】
図1に示すように、ハブフランジ103またはリング構造は、側壁101aに結合されるか、または側壁101aと一体的に形成される。ハブフランジ103は、第1のハウジング構成要素101の中心点から半径方向外側の位置において、側壁101aの表面から外向きに延伸する。第2のハウジング構成要素201(例えば、蓋またはキャップ、
図2)は、第1のハウジング構成要素101の開放端を、第1のハウジング構成要素101の外側リム101bの下に嵌合する構造によって封止する。いくつかの実施形態では、第2のハウジング構成要素201は、その上に形成された挿入フランジ2011を含むことができる。挿入フランジ2011は、第2のハウジング構成要素201を第1のハウジング構成要素101に結合するように(例えば、
図5を参照して以下に説明する間隙に挿入されるように)構成される。いくつかの実施形態では、第2のハウジング構成要素201とシャフト209との間にベアリングまたはオイルシール214(
図2)を配置することができる。ベアリング214は、第2のハウジング構成要素201とシャフト209との間の相対回転を容易にするように構成される。
【0020】
図2に最もよく示されているように、ハウジングの内方空間には、ハブアセンブリ100の中心を通る車軸またはシャフト209に直接的または間接的に固定されている主回路基板203、バッテリアセンブリ205、およびコイルアセンブリ207が嵌合されている。そのような実施形態では、第1のハウジング構成要素101と、第1のハウジング構成要素101の内方の複数の磁石508(
図1または
図2には見えない、例えば
図5参照)が共にロータアセンブリを形成する。さらに、主回路基板203、バッテリアセンブリ205、およびコイルアセンブリ207は共に、ステータアセンブリ208と考えることができる。
【0021】
バッテリアセンブリ205のバッテリパックによって供給される電流がステータアセンブリ208のコイル(またはコイルアセンブリ207)を通過すると、磁場が生成され、したがってロータアセンブリの磁石508を動かして、ロータアセンブリを軸R(またはシャフト209)を中心として回転させる。いくつかの実施形態では、追加のバッテリパックが、バックアップの補助電源として、ハブ装置100の外部に配置されてもよい。その結果、ハウジング、および、スポーク105を介してハウジングに取り付けられた車輪も回転して、スクータ、自転車、または車両が動く。
【0022】
図示の実施形態では、ハブフランジ103またはリング構造および側壁101aは、同心円状に配置されている。ハブフランジ103は、側壁101aの中心点の周りに配置されている。他の実施形態では、ハブフランジ103は、側壁101aの異なる半径方向位置(例えば、ハウジングの外縁に近い、または中心点に近い)に配置することができる。図示のように、ハブフランジ103は、それぞれ複数のスポーク105の端部を受け入れるように構成された複数の開口107を含む。
【0023】
各スポーク105は、車輪/リム構造(
図1には示されていない)に結合するように構成された外端と、ハブフランジ103の内周に形成された対応する形状の凹部に着座する張り出し(または球形)内端109とを有する。一実施形態では、球面ワッシャ108がスポーク105の上に嵌め込まれ、スポーク105の張り出し端部に当接する。対応して成形された球形凹部が、ハブフランジ103内に形成されて、球面ワッシャ108を受け入れ、張力下でスポーク105を固定する。
【0024】
また、球面ワッシャ108は、スポーク105がハブフランジ103に種々の角度で接触することを可能にするので、本発明の構造は、(1)製造の自由度を改善し(例えば、嵌合が容易で誤差許容度が高い)、(2)少なくともスポーク105が端部においてハブフランジ103に剛直に固定されていないので、ハブ装置100を操作するときに付加的な耐久性を提供する。
【0025】
図2は、本技術の実施形態によるハブ装置200を示す分解図である。ハブ装置200は、(側壁101aおよび外側リム101bを有する)第1のハウジング構成要素101と、蓋もしくはキャップまたは第2のハウジング構成要素201とを含む。その外面に、第1のハウジング構成要素101は、複数のスポークを介して車輪/リム構造に結合するように構成されたハブフランジ103を含む。第2のハウジング構成要素201は、その内面上に、(例えば、
図7を参照して後述するロックデバイス700またはモータロックデバイスと協働することによって)ハウジングとコイルアセンブリ207との間の相対回転を停止させるように構成された複数の突起または止めバンプ213を含む。複数の突起または止めバンプ213は、「係合部分」と名付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のハウジング構成要素101および蓋または第2のハウジング構成要素201は共にハウジングアセンブリを形成する。
【0026】
いくつかの実施形態では、係合部分は、(例えば、ロックデバイス700を受け入れるように構成された)凹部、(例えば、ロックロックデバイス700に係合するように構成された)フック、および他の適切な構成要素として実装することができる。いくつかの実施形態では、係合部分は、第1のハウジング構成要素101の側壁101aの内面および/または第2のハウジング構成要素201の内面上に位置する。係合部分およびロックデバイス700は、共に、ハブ装置200のための「ロック機構」または「ロックシステム」を形成する。
【0027】
図示された実施形態では、複数の磁石508(例えば、
図5参照)が外側リム101bの内面上に周方向に配置され、したがって、第1のハウジング構成要素101、第2のハウジング構成要素201、および磁石508は、共にこの実施形態において「ロータアセンブリ」またはロータとして作用する。
【0028】
主回路基板203は、電流をコイルに印加するために、またはハウジングを回転させるのに必要な1つまたは複数のコントローラ、制御回路、ロジック、センサ、配線、および/または他の適切な構成要素を担持するように構成される。いくつかの実施形態では、主回路基板203は、車両の電気制御ユニット(ECU)を担持することができる。いくつかの実施形態では、主回路基板203は、ハブ装置200の出力を制御するように構成された動力コントローラ(図示せず)を担持することができる。出力は、ロータアセンブリ(内部またはその内面上に磁石508が配置されたハウジング)とステータアセンブリ208との間の回転トルク力の形態で、またはモータによって消費されるワットによって測定することができる。いくつかの実施形態では、主回路基板203は、(例えば、三相交流を供給するために)バッテリアセンブリ205からの電力を管理するように構成された駆動回路を担持することができる。いくつかの実施形態では、駆動回路および動力コントローラは、1つの構成要素(たとえば、モータ制御ユニット、MCU)に統合することができる。
【0029】
バッテリアセンブリ205は、複数のバッテリパックを含むことができる。図示の実施形態では、バッテリアセンブリ205は、主回路基板203に隣接して横方向に配置された3つのバッテリパックを含む。他の実施形態では、バッテリアセンブリ205は、様々な方法で構成された異なる数のバッテリパックを有することができる。いくつかの実施形態では、バッテリアセンブリ205は、シャフト209に対して概ね垂直な基準面内に(例えば、このような実施形態では、バッテリパックの長手方向は基準面内にある)多角形(例えば、三角形、長方形、五角形、六角形など)を形成するように配置された複数のバッテリパックを含むことができる。いくつかの実施形態では、バッテリパックは、シャフト209の周りに等角度で配置することができる。いくつかの実施形態では、バッテリパックは、コイルアセンブリ207に嵌め込まれるようにバッテリパックのサイズ/形状に基づいて配置され得る。例えば、バッテリパックは、
図2に示したものとは異なる向きを有することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、バッテリアセンブリ205は、バッテリ管理システム(BMS)によって制御または管理することができる。BMSは、バッテリの状態を監視するように構成された1つまたは複数のセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、BMSを主回路基板203上に配置することができる。いくつかの実施形態では、様々なニーズまたは実際の設計に応じて、バッテリパック(およびその中のバッテリセル)を直列または並列に接続することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、バッテリアセンブリ205は、主回路基板203上に配置され、バッテリ関連情報(例えば、バッテリ使用情報、バッテリ動作命令(例えば、バッテリによって異なる場合がある充電/放電レートまたは他の命令)、バッテリファームウェア、バッテリ状態など)を記憶するように構成された1つまたは複数のバッテリメモリに結合されることができる。いくつかの実施形態では、バッテリメモリは、車両情報(例えば、ハブ装置200内の動作温度)またはユーザ情報(例えば、運転/乗車履歴、習慣など)を格納するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、バッテリメモリは、バッテリアセンブリ205のバッテリハウジング内に配置することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ハブ装置200がコンパクトな設計になることができるように、バッテリアセンブリ205をコイルアセンブリ207の内側に配置することができる。バッテリアセンブリ205をコイルアセンブリ207の内側に配置する利点は、例えば、(1)コイルアセンブリ207が、例えば外部からの衝撃からバッテリアセンブリ205を保護することができること、および(2)この構成が、バッテリアセンブリ205がロータアセンブリの磁石によって生成される磁界の干渉/影響を受けるのを少なくとも部分的に防止または妨げることができることを含む。
【0033】
車軸またはシャフト209は、主回路基板203、バッテリアセンブリ205、およびコイルアセンブリ207に固定的に結合される。シャフト209は、車体(例えば、フレーム、シャーシ、構造部品など)に結合され、これらを支持することができる。作動中、ハウジングおよびそれに取り付けられた車輪(ハブフランジに結合されたスポークを介して)は、シャフト209に対して回転して車体を動かすことができる。いくつかの実施形態では、シャフト209は、前輪構成要素(例えば、前輪フォーク)または後輪構成要素(例えば、後輪フレーム)に結合することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ハブ装置200は、ハブ装置200を防水にするように構成された1つまたは複数の防水構成要素(例えば、Oリング)を含むことができる。いくつかの実施形態では、防水構成要素は、シャフト209に隣接する位置、ハブ装置200等の構成要素(例えば、
図3aを参照して後述する内部トルクセンサ317、
図4aを参照して後述する外部トルクセンサ構成要素419)に隣接する位置などの、1つまたは複数の位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、防水構成要素は、ハブ装置200全体の防水性を向上させるために、第1のハウジング構成要素101と第2のハウジング構成要素201との間、シャフト209の一方または両方の端部、サイドカバー1102と第1のハウジング構成要素101および第2のハウジング構成要素201との間などに配置することもできる。
【0035】
いくつかの実施形態では、シャフト209は、トルクセンサを保護し、かつ/またはトルクセンサの取り付けを容易にするように構成されたトルクセンサジャケット215に結合することができる。例えば、トルクセンサジャケット215は、トルクセンサに取り付けられたワイヤをシャフト209に取り付けるのを容易にするように構成される。トルクセンサジャケット215およびトルクセンサの実施形態を、
図3a〜
図4bを参照して以下に説明する。
【0036】
図3aおよび3bは、内部トルクセンサ構成要素317がトルクセンサジャケット215にどのように結合されるかを示す。図示されているように、内部トルクセンサ構成要素317は、最初に(たとえば、シャフト209を内部トルクセンサ構成要素317の開口に挿入することによって)シャフト209に結合され、その後、トルクセンサジャケット215に向かって移動または摺動される。適切なワイヤ/ケーブル接続(例えば、内部トルクセンサ構成要素317のケーブルを主回路基板203上のコントローラに結合する)の後、内部トルクセンサ構成要素317を押して、トルクセンサジャケット215に固定的に結合することができる。
【0037】
図3bに示すように、第1のハウジング構成要素101は、外部トルクセンサ構成要素419と係合するように構成された複数の爪301を含む。
図4aおよび
図4cは、外部トルクセンサ構成要素419が内部トルクセンサ構成要素317にどのように結合されるかを示す。図示されているように、外部トルクセンサ構成要素419は、最初に(たとえば、シャフト209を外部トルクセンサ構成要素419の開口に挿入することによって)シャフト209の近くに配置され、その後、外部トルクセンサ構成要素419は、内部トルクセンサ構成要素317に向かって移動または摺動される。外部トルクセンサ構成要素419は、内部トルクセンサ構成要素317の外側に配置されるように構成される。
【0038】
図4aに示すように、外部トルクセンサ構成要素419は、外部トルクセンサ構成要素419が第1のハウジング構成要素101に結合(それとともに回転)することができるように爪301と係合するように構成されたラチェットギア421を含む。ラチェットギア421は、外部トルクセンサ構成要素419が第1のハウジング構成要素101と共に単一の回転方向に回転することを可能にする。外部トルクセンサ構成要素419はまた、変速機構成要素(例えば、チェーン、ベルト、伝動ギアセットなど)に結合するように構成されたギア付き面423を含む。変速機構成要素は、さらに、ユーザ/乗り手が踏むためのペダルに結合することができ、その結果、人力によってハウジングを回転させることができる。
【0039】
ユーザがペダルを踏むと、ペダルに加えられたトルクを、外部トルクセンサ構成要素419に伝達することができる。外部トルクセンサ構成要素419と内部トルクセンサ構成要素317との間の相対回転を(例えば、磁界の変化を測定することによって)測定することによって、ユーザの動作から生じるトルク/力を検知/測定することができる。いくつかの実施形態では、トルクセンサは、測定に対応する信号を主回路基板上のコントローラに送信することができる。いくつかの実施形態では、測定されたトルクが閾値を超える場合、ハブ装置200は、ハブ装置200に結合された車輪の回転を容易にする追加のトルクを生成することによって応答することができる。例えば、ユーザが上り坂を進むとき、ユーザはペダルを通常よりも強く押す必要があり得る。このような状況では、トルクセンサはこの変化を検知し、それに応じて応答するようにハブ装置200に通知することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、追加のトルクは、平均的なユーザ乗車速度または運転速度に基づいて決定することができる。例えば、平らな道路を進むときの平均乗車速度(例えば、乗車履歴、ユーザ選好などの様々な要因に基づいて判定することができる)を、25キロメートル毎時とすることができる。この例では、ハブ装置200が、ユーザが(例えば、ユーザがペダルをより強く踏むことを検知することによって)上り坂を進んでいると判断すると、ハブ装置200は、平均的な乗車速度で進むようにユーザを支援するように、ユーザに追加のトルクを提供することができる。いくつかの実施形態では、追加のトルクを生成して、ユーザが上り坂でユーザの平均乗車速度の50〜99%で乗るのを支援することができる。
【0041】
図5は、ステータアセンブリ208が第1のハウジング構成要素101またはハウジングアセンブリ内にどのように嵌合されるかを示す。図示されているように、ステータアセンブリ208はシャフト209に結合され、その後、シャフト209は(示されているようにX方向において)第1のハウジング構成要素101の中心開口510を通るように配置される。示されているように、複数の永久磁石508が、第1のハウジング構成要素101の内部または内面に配置される。動作中、複数の永久磁石508および第1のハウジング構成要素101は、ステータアセンブリ208に対して(第2のハウジング構成要素とともに、ロータアセンブリとして)回転することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、磁石508は、接続構造(例えば、金属リング)を介して第1のハウジング構成要素101に結合することができる。いくつかの実施形態では、磁石508は、第1のハウジング構成要素101の側壁101aに結合することができる。いくつかの実施形態では、磁石508は、第1のハウジング構成要素101の外側リム101bに結合することができる。
【0043】
図5に示すように、間隙512が、磁石508と第1のハウジング構成要素101との間に形成される。間隙512は、第2のハウジング構成要素201と第1のハウジング構成要素101とが固定的に結合されるように、第2のハウジング構成要素201の挿入フランジ2011(
図2)を受け入れるように構成される。
【0044】
図6aおよび
図6bは、トルクセンサのワイヤをシャフト209に固定するように構成された保護スリーブまたはワイヤクリップ612を示す等角図である。図示のように、コネクタ610は平坦な形状を有する。図示の実施形態では、シャフト209は、平坦な表面2092と、その上に配置/形成された周方向凹部2091とを含む。シャフト209はまた、シャフト209の中心軸から半径方向に延伸する2つの止め壁2093a〜bを含み、トルクワイヤを通すスロットを有する。これらのワイヤは、凹部2091に圧入され、保護スリーブ612と共に適所に保持される。
【0045】
コネクタワイヤ6101がシャフト凹部2091内に配置されると、保護スリーブ612は、2つの止め壁2093a、2093bの間に配置され得る。その結果、コネクタワイヤ6101はシャフト凹部2091内に配置され、コネクタ610は、平坦な表面2092上に配置され、それによって、コネクタ610は、内部トルクセンサ構成要素317(
図3aおよび
図3b)に容易に接続することができる。いくつかの実施形態では、コネクタワイヤ6101は、主回路基板203上に配置されたコントローラ(例えば、ECU)に結合することができる。
【0046】
図7は、本技術の実施形態によるロックデバイス700の分解図である。ロックデバイス700は、ハブ装置(例えば、
図1に示すハブ装置100)のモータを(例えば、モータのロータアセンブリがモータのステータアセンブリに対して回転するのを防止/妨げるように)ロックするように構成される。
【0047】
図7に示すように、ロックデバイス700は、ストッパ701と、ストッパホルダ703と、ロッド707(またはねじ/ねじ付きロッド)に結合されたアクチュエータ705と、アクチュエータ705のワイヤを、ロッド707を動かすための電流を供給するコントローラに接続するように構成されたプラグ709とを含む。ストッパホルダ703は、ハブ装置の内側に位置する電動モータの固定部分(例えば、ステータアセンブリ)に固定的に取り付けられる。ストッパ701は、ストッパホルダ703内に位置し、ロッド707によって動かされるに構成されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、ねじ付きナット711などの位置決め構成要素がストッパ701の筐体内に配置され、ばね713によって付勢される。ロッド707は、アクチュエータ705によってねじ込まれ、回転させることができる。ねじ付きロッド707は、ナット711をねじ付きロッド707上で上下に動かして、ストッパ701をロータアセンブリ(例えば、ハブ装置200のハウジングアセンブリ)上の表面と係合するように、および、係合から外れるように、進退させる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ705は、軸方向ソレノイド、またはストッパ701を動かす他のアクチュエータであってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、ばね713は、ストッパ701に弾性力を提供して、ストッパ701をナット711に対して保持するように配置することができ、結果、ロッド707に対するナット711の運動が、ストッパ701をハウジングアセンブリ(例えば、第1のハウジング構成要素101)の内面に向かってまたは内面から外方に動かす。いくつかの実施形態では、ストッパ701はハウジングアセンブリの内面に隣接して(実際に)接触することなく配置することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、プラグ709は、電気制御ユニット(ECU)および/または他の適切なデバイスに結合されたコントローラに結合することができる。いくつかの実施形態では、ECUは、外部デバイス(例えば、スマートフォン、キーフォブなど)からの信号に応答してモータをロック/ロック解除することができる。いくつかの実施形態では、ECUは、所定期間後(例えば、ハブ装置がオフになってから10分後)に外部デバイス(例えば、スマートフォン、キーフォブなど)からの信号を受信することなく、モータをロック/ロック解除することができる。
【0051】
図8〜
図10bは、ロックデバイス700の動作を示す、ロックデバイス700の断面図および等角図である。
図8および
図9に示すように、ロックデバイス700のストッパホルダ703は、ロータアセンブリ801がロックデバイス700に対して(例えば、
図8に示すような軸Rを中心として)自由に回転できるように、ステータアセンブリのコイルアセンブリ803に固定的に結合される。
【0052】
図8に示す例示の実施形態では、ロータアセンブリ801は、ハウジングアセンブリと、それに取り付けられたいくつかの磁石808とを含む。図示の実施形態では、コイルアセンブリ803は、複数のコイル810と、ロックデバイス700に固定的に結合するように構成されたシャーシ806(
図10aおよび
図10bも参照)とを含む。
図10aに示す実施形態では、コイル810は、第1のコイルセット810a、第2のコイルセット810b、および第3のコイルセット810cを含むことができる。第1のコイルセット810aは、第1のワイヤ810aaを介してバッテリパック(または他の適切な構成要素)に結合されるように構成される。第2のコイルセット810bは、第2のワイヤ810bbを介してバッテリパックに結合されるように構成される。第3のコイルセット810cは、第3のワイヤ810ccを介してバッテリパックに結合されるように構成される。第1、第2および第3のコイルセット810a〜810cは、シャーシ806の周りに周方向に配置される。
【0053】
図8に示すように、2つの止めバンプ805a、805bは、ハウジングアセンブリの内面に結合される(または一体的に形成される)。止めバンプ805a、805bは、(例えば、
図9および
図10bに示すように)ストッパ701が伸張した「ロック」位置にあるとき、ロータアセンブリ801(例えば、ハウジングアセンブリおよび磁石808)がストッパ801(コイルアセンブリ803に固定的に結合されている)に対して回転するのを抑制するように構成される。
【0054】
ストッパ701が「ロック解除」位置(例えば、
図8および
図10aに示すように)に後退されると、ロータアセンブリ801はストッパ701(およびコイルアセンブリ803)に対して回転することができる。いくつかの実施形態では、車輪を複数の異なる位置でロックすることができるように、ハウジングアセンブリに結合された3つ以上の止めバンプ805があり得る。
【0055】
図8および
図10aでは、ロックデバイス700は「ロック解除」位置にあり、ロータアセンブリ801はコイルアセンブリ803に対して回転することができる。このような実施形態では、ストッパ701(の縁部)はストッパホルダ703(の外縁)と同一平面上にあり、そのため、回転時にストッパ701は止めバンプ805a、805bに接触しない。
【0056】
ECUがアクチュエータ705にロッド707を回転させるように指示すると(例えば、ストッパ701を
図8および
図9に示す方向Aに移動させるために)、車輪はそれに応じてロックおよびロック解除される。
【0057】
図9および
図10bに示すように、ストッパ701がハウジングアセンブリに向かって(例えば方向Aに)移動すると、ストッパ701はもはやストッパホルダ703と同一平面上になく、ロックデバイス700は「ロック」位置にある。したがって、ストッパ701は、止めバンプ805a、805bのうちの1つによって「停止」または拘束され、ロータアセンブリ801に対して自由に回転することができない。その結果、ロータアセンブリ801はロックされ、コイルアセンブリ803に対して回転することができない。
【0058】
いくつかの実施形態では、止めバンプは、ハウジングアセンブリの内面に周方向に配置することができる。このような実施形態では、止めバンプのいずれか1つによってストッパ701を止めることができる。いくつかの実施形態では、止めバンプは、ストッパ701が伸張位置にあるときにストッパに係合することができる突起、ブロック、および/または他の適切な形状など、様々な形状に形成することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、止めバンプはプラスチックのような比較的容易に交換可能な材料から形成することができるが、ストッパ701は比較的硬質または剛性の材料で作ることができる。このような実施形態では、止めバンプ805の1つまたは複数が損傷した場合(例えば、ストッパ701に接触することによって引き起こされる)、止めバンプの残りの部分は依然としてストッパ701に係合してロータアセンブリ801の位置をロックすることができる。破損した止めバンプ805を交換することは容易かつ便利である。その結果、本技術は、電気モータの回転をロック、停止、および/または制御するための、信頼性が高く維持し易い機構を提供する。
【0060】
図11は、本技術の実施形態によるハブ装置100(またはいくつかの実施形態ではハブ装置200)を支持する車両フレーム1101の等角図である。図示のように、ハブ装置100のシャフト209は、車両フレーム1101に固定的に結合されている。ハブ装置100のハウジングアセンブリは、スポーク105およびリング構造103(図示のように、サイドカバー1102をハブ装置100に取り付けることができる)を介して車輪1103に結合される。車輪1103は、ハブ装置100によって回転して車両フレーム1101を動かすことができる。車輪1103が回転していないとき、充電ヘッド1105をハブ装置100に結合してこれを充電することができる。いくつかの実施形態では、充電ヘッド1105は、磁力によってハブ装置100に結合することができる。図示のように、充電ヘッド1105は、ワイヤ1107を介して電源に接続することができる。いくつかの実施形態では、車輪1103は、タイヤ1109、車輪リム1111、複数のスポーク105、およびハブ装置100を有する車輪セットであってもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示におけるハブ装置は、ハブ装置を制御するように構成された複数のコントローラまたはプロセッサを含むことができる。例えば、ハブは、ハブ装置の一般的な動作(例えば、回転)を制御するように構成されたメインコントローラ(例えば、電気制御ユニット、ECU)を含むことができる。いくつかの実施形態では、メインコントローラは、ハブ装置の外部のプロセッサ(例えば、ユーザのスマートフォン内のプロセッサ)によってさらに「制御」することができる。いくつかの実施形態では、ハブ装置は、特定の構成要素を制御するように構成された補助コントローラを含むことができる。例えば、補助コントローラは、ステータアセンブリのコイルに交流(AC)を導くように構成されたモータ制御ユニット(MCU)とすることができる。いくつかの実施形態では、MCUは、コイルがハブ装置を動かすために様々な電磁場を生成することができるように、直流(DC)をコイルに対する多相交流に変換することができる。
【0062】
本技術は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されているが、本技術は、記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内で修正および改変されて実施され得ることが認識されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味において考えられるべきである。