(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のコリメート素子の前記コリメート光は、5°以下の範囲内、または4°以下の範囲内、または2°以下の範囲内の全幅ビーム角を有する低発散光ビームを形成する、
請求項2ないし5のいずれか1項に記載の光源。
前記導光ユニットは、逆伝播光を前記導光ユニットに結合するために、各々が前記複数の発光ユニットのサブグループと関連付けられている2つの対向する側方結合面を備える、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光源。
連続的な発光面は、前記コリメート光放出領域によって形成され、前記連続的な発光面は、コリメート光放出領域の間の非発光領域を含み、前記非発光領域と前記コリメート光放出領域との間の面積比は、本質的に、前記光源の前記発光面にわたって一定である、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光源。
前記光源、または前記導光ユニットは、前記光源領域から放出される光束が、前記非光源領域を通じた任意の漏れ光束の少なくとも10倍または少なくとも20倍またはさらには50倍超であるように構成された、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光源。
前記導光ユニットは、複数の導光ストリップを備え、各導光ストリップは、前記複数の発光ユニットのうちの少なくとも1つ、および、前記複数の光源領域のサブグループに光学的に結合されている少なくとも1つの側方結合面区画を備え、
または、
前記導光ユニットは、複数の導光ストリップを備え、各導光ストリップは、前記複数の発光ユニットのうちの少なくとも1つ、および、前記複数の光源領域のサブグループに光学的に結合されている少なくとも1つの側方結合面区画を備え、前記サブグループは、前記導光ストリップに沿って等しい距離をおいて直線的に配列された、
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光源。
隣接するコリメート素子と関連付けられるコリメート素子に対して光源領域から入る光の量を低減するように、コリメート素子の間にかつ/またはコリメート素子に沿って延伸するクロストーク低減バッフル構造、
をさらに備える、
請求項1ないし22のいずれか1項に記載の光源。
前記複数の発光ユニットのうちの少なくとも1つは、40°未満、または約30°以下、または約20°以下、または約10°以下の前記導光ユニット内での角度範囲をもたらす角度範囲にわたる発光を有する発光デバイスを備える、
請求項1ないし25のいずれか1項に記載の光源。
前記角度範囲は、入力光中心方向によって特徴付けられ、前記入力光中心方向は、導光ユニットの前記主前面または前記主後面に対する法線に対して、TIRの角度と前記角度範囲の半分との合計の角度だけ傾けられている、
請求項1ないし26のいずれか1項に記載の光源。
前記複数のコリメート素子のうちの少なくとも1つは、屈折光学素子、または反射光学素子、または1つもしくは複数のレンズ、または1つもしくは複数のTIRレンズ、またはレンズもしくはフレネルレンズが後続する1つもしくは複数のTIRレンズ、または複合放物面型集光器、またはレンズもしくはフレネルレンズが後続する複合放物面型集光器、を含む、
請求項1ないし34のいずれか1項に記載の光源。
前記複数のコリメート素子のうちの少なくとも1つは、発光面に対して直角または傾けられている、前記コリメート光の伝播のための少なくとも1つの主光ビーム伝播軸を提供するように構成される、
または、
すべてのコリメート素子は、同じ主方向をもたらすように構成される、
または、
直接光の傾きは、互いに対する、もしくは、前記光源領域に対する、前記コリメート素子の構成要素の光軸の変位によって生成される、
または、
直接光の傾きは、複合放物面型集光器、もしくはTIRレンズおよびフレネルレンズの変位によって生成される、
請求項1ないし37のいずれか1項に記載の光源。
前記光源、または前記コリメーションユニット、または前記コリメート素子のそれぞれは、前記光源の発光面の法線に対して傾いている主光ビーム方向をもたらすように構成されている、
請求項1ないし38または40のいずれか1項に記載の光源。
前記複数の反射構造に含まれる、側部から見たときに三角形断面を有し、それぞれの前記コリメート素子から見たときに円形断面を有する前記反射構造は、半楕円状または半円状の形状を有する反射面を有する、
請求項34に記載の光源。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明である。詳細な説明において説明されており、図面に示されている例示的な実施形態は、本開示の原理を教示するように意図されており、当業者が、多くの異なる環境において、多くの異なる用途のために、本開示を実施および使用することを可能にする。それゆえ、例示的な実施形態は、特許保護の範囲の記載を限定するようには意図されておらず、そのように解釈されるべきではない。むしろ、特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【0018】
本開示は、部分的に、場合によっては円対称放出(円錐内の光放出など)で、非常に小さいビーム発散(4°未満など)で光ビーム放出をもたらす出力を有する(薄型)導光体(本明細書においては導波路手法とも参照される)の構成に関する態様に基づく。
【0019】
たとえば、本開示は、部分的に、導波路手法が以下の態様に対処し得るという認識に基づく。効率、すなわち、光をいかに効率的に導光ユニットへと結合することができるか、および、導光ユニットから誘導することができるか、および、導光ユニットから外方に結合することができるか。(材料、反射面などの)吸収および損失(散乱、表面の欠陥、スプリアス反射)が光出力を大きく低減し得るため。コリメーション、すなわち、得られるビーム発散を非常に小さくしながら、いかに導光ユニットから光を抽出することができるか。本明細書において、コリメーションまたはコリメートという用語は、特定の実施形態およびたとえば照明器具実施態様に対応して発散の低い光を指すものとして理解されることに留意されたい。そのような実施形態において、光源から放出される低発散ビームは、4°未満、たとえば2°などの、5°(未満)の範囲内の全幅ビーム角度を有してもよく、一方、他の実施形態では、4°未満、たとえば2°などの、7°などの10°(未満)の範囲内であってもよい。
【0020】
たとえば、上記態様に関して、本発明者らは、とりわけ、光に±θ、θは最大でもTIR角度の余角(TIR角度はPMMAの場合、n=1.4936を考慮して約42°)、の誘導方向に対する角度範囲内で導光ユニット内にビームを伝播させる代わりに、光が、より狭い角度の扇形で導光ユニットへと結合することができることを認識した。たとえば、誘導媒質内で、扇形は、±10°、またはさらには±5°、またはさらにはそれ未満など、±15°にわたって拡散してもよい。扇形は、扇が導光体許容範囲の縁部に近接するような角度方向を中心としてもよい。本発明者らは、導光ユニット内を伝播する光が、光抽出機構が(たとえばアレイ構造に)編成されている表面と相互作用する確率が増大することを認識した。
【0021】
その上、本発明者らは、完全な平面導光ユニットを考慮する代わりに、導光ユニットが、一例の平行な「ストリップ」を含む(ストリップに分割する)ことができることを認識した。各ストリップは、それらの極端部において、一方または両方の端部に位置決めされているLED光源からの一次光を受ける。抽出機構は、ストリップに沿った単一ラインアレイであってもよい。また、ストリップ構成は、表面導光ユニット内を伝播する光が、光抽出機構が位置決めされている表面と相互作用する確率を増大させる。
【0022】
概して、本発明者らは、導光ユニットの抽出機構と相互作用する確率を増強し、したがって、導光体のボリューム内部の光線の経路を低減するソリューションを実現した。これはさらに、材料および導光体極端部(100%反射性ではない)からの吸収を低減する。
【0023】
その上、本発明者らは、導光体内を伝播する光の入力スペクトルを適切に調整することによって、吸収に起因する出力スペクトルにおける色度ずれを補償することができることを認識した。
【0024】
以下において、本明細書において開示されている光源および照明器具の様々な態様の基礎を形成する、太陽−天空の様な照明の概念の文脈におけるエテンデュ保存則の背景考慮事項が与えられる。
【0025】
図1を参照すると、太陽1は、地球から149,600,000km離れており、直径は1,391,684kmである。その結果、地表面(例示的に窓3によって示されている)における直接太陽放射のおおよその全幅ビーム角は約0.53°になる。本出願人の上記で引用されている特許開示に記載されているように、地球における太陽からの光は、高強度光源5を適切に設計されたレイリー状作用拡散器7と組み合わせることによって再現することができる。直接太陽光を近似するように設計されている標準的な2’(0.61m)x4’(1.22m)の開口(面積:0.74m
2)を有する光源を仮定すると、光源のエテンデュは、≦0.74m
2πsin(0.53/2)
2sr〜50mm
2srであると推定される。光源が単一であり、ランバート円形発光器をもたらすチップオンボード(COB)型発光ダイオード(LED)に基づくとすると、許容可能な発光面積は50mm
2sr/πsr=約16mm
2になり、これは、LEDの発光面(LES)直径が4.5mmになることを意味する。
【0026】
2’x4’開口からの標準的な光出力は通常、少なくとも3000lmである(DesignLights Consortium(商標)製品品質基準、表4:一次利用要件参照)。妥当なレベルの光出力をもたらすために、また、妥当なシステム光学損失を考慮に入れると、4.5mm LESより大型のCOB LEDを選択する必要があり得る。たとえば、Nichia CorporationのNFDWJ130Bは、14.6mmのLES直径で6000lm超を提供することができ、または、167mm
2πsr=526mm
2srのエテンデュを提供することができる。エテンデュ制約に起因して、そのような光源は、上記開口サイズ、すなわち、直接太陽放射の開口よりも大きいが、依然として非常に狭く、可能性として太陽照明を模倣するには十分な開口サイズを仮定すると、最良で0.86°のビーム半角発散を達成し得る。
【0027】
照明システムで使用するためにCOB LEDのランバート光出力をコリメートすることは、本明細書においてはそれぞれCPCレンズおよびTIRレンズとしても参照される、レンズもしくは複合放物面型集光器(CPC)または内部全反射(TIR)光学素子のような既知のコリメート光学ソリューションに基づき得る。全CPCを用いる場合、光学素子寸法は、関係L=cot(β_in/2)(a+b)/2によって決定され、Lは光学素子長であり、aおよびbは入力面および出力面の直径であり、β_in/2は、CPC内の最大許容発散半角である。このとき、CPCを出る最大半角β_out/2は、n sin(β_in/2)=sin(β_out/2)によって与えられる。エテンデュ保存則から、CPCの出力面の面積は約1/sin(0.86)
2=入力面の面積の約4400倍であり、または直径が約1mである。光学素子が2’x4’開口にはやや大きすぎることを無視すると、CPCレンズの長さは実際に実現可能なものを超えるものになる。
【0028】
本発明者らは、光がLEDから放出される総面積(わずか約170mm
2)が、開口の面積(0.74m
2)よりもはるかに小さいことに気付いた。
図1に示すように、ともに太陽のシミュレーションを達成する複数の発光ユニット11からなるアレイを備える光学系を形成することができる。レイアウトの凝縮を示す中間ステップとして、少数の光源(ここでは4つの光源9)を有する構成が、
図1に示されている。同様の概念が、参照により本明細書に組み込まれる上記で引用した特許文献4に開示されている。
【0029】
多数の発光ユニット11を有する実施形態の場合、任意の1つの発光源は光学系の発光面の総面積よりもはるかに小さいため、単一CPCレンズの事例に対して厚さは低減されるであろう。
【0030】
上述したエテンデュに基づく設計考慮事項に従って、
図2Aは、CPCレンズの長さ対個々の光源直径の依存関係を示す。依存関係は例示的に、0.5°、1°、2°、および4°の標的ビーム発散について与えられる。この依存性は、本明細書において開示されている直接太陽光照明器具の設計において考慮される。たとえば、
図2Aは、光源領域の50μmの直径が、約120mmのCPC長による2°のビーム発散を可能にし得ることを示す。それらの寸法はすでに、全体的な厚さが6インチ(152mm)よりも小さい平坦な照明器具システムの設計の可能性を示しており、これは費用(部品表、BOM)および設置の観点から非常に魅力的である。
【0031】
図2Bに示すように、全CPC(それぞれのコリメーションを可能にするものとしてCPCのみを考慮する)を、発散角が大きい(30°またはさらには45°以上など)CPCおよびフレネルレンズのようなコリメートレンズを含むコリメート光学素子の組合せ(本明細書においてはCPCレンズコリメータとして参照される)と置き換えることによって、コリメーションユニットの全長を大幅に短縮することができる。この場合、コリメーションの一部がコリメーションレンズによって実施されるため、CPCの制限された集光効果が許容可能である。たとえば、
図2Aに関連して上述したようなコリメートユニットに必要な長さは120mmから約8mmに低減され、それによって、市場において非常に魅力的である、さらにより低いプロファイルの太陽/天空照明器具が可能になる。
【0032】
図2Cにおいて、全CPCレンズの直径対光源サイズおよびビーム発散の依存関係が示されている。同様の寸法が、エテンデュ保存則の考慮事項に照らして上述したCPCレンズコリメータに適用されよう。この情報は、コリメーションユニットの下流のコリメート光放出領域の予測面積をもたらす。本発明者らは、主要な狭いビームの外部の領域からの迷光または光のない領域(すなわち、コリメート光放出領域の周囲の非コリメート光または暗い領域)が、深度の印象および太陽光のシミュレーションに悪影響を及ぼし得るため、この情報を使用することが重要であると認識した。そのような迷光は、光学素子の縁部において発生し得る。したがって、本発明者らは、迷光のピッチまたはスケールが、コリメート光学素子レンズ直径に結びつけられると認識した。具体的には、迷光は、コリメーション光学素子のピッチに関連付けられる輝度周期性によって知覚可能になり得る(ただし、これに限定されるものではない)。
【0033】
したがって、
図2Aおよび
図2Bの態様に加えて、
図2Cの教示を使用して、本明細書において開示されている原理による太陽光照明器具を設計することができる。特に、迷光が十分に小さいピッチにわたって発生するシステムを設計することができる。たとえば、1m〜5mのような一般的な観察距離について、本発明者らは、数ミリメートル以下のピッチにある迷光であれば、無限遠点において発生する「太陽」の像の見た目をはっきりとわかるほど損なうものではないことに気付いた。これは、太陽をシミュレートするときに重要な特徴である。
図2Cは、2°のビーム発散について、約50μm直径の光源サイズによって、2.9mmのCPC出口直径を達成することができることを示している。同様に、約100μm直径の光源サイズは、5.8mmのCPC出口直径を達成することができる。環境によっては、より小さい(エレベータ:数十センチメートル〜約1メートル)またはより大きい(大広間:最大10m以上)の観察距離が生じる場合があり、小さい観察距離は、光学設計の観点からより困難を伴うことに留意されたい。
【0034】
上記から、たとえば、側方範囲において50μm〜100μm程度の光源サイズが、直接太陽光をシミュレートし、適度に薄く、可能性として低い費用で製造することができる照明器具を提供するための基礎を形成することができる。しかしながら、LEDは一般的に、200μmよりも大きいLES寸法を有する。2°のビーム発散を目標とする200×200μm
2のLEDチップソリューションでさえ、全CPCコリメーションユニットについて0.5mよりも厚い照明器具をもたらし得、約1cmの距離にわたる迷光空間変動を有し(CPC出口直径のサイズに対応し、したがって、本質的に、光源間のピッチを設定する)、これは太陽シミュレーション効果を低減するおそれがある。したがって、より小さい光源またはより小さい光源領域が望ましい。
【0035】
本発明者らは、本明細書においては抽出器としても参照される、下方変換および/もしくは散乱機構ならびに/または反射機構を利用することによって、LEDのような光源を1つの形状因子から別の形状因子へと変換することが可能であることを認識した。例示的な抽出器は、発光下方変換蛍光体化合物のディスクである。たとえば、発光下方変換蛍光体化合物の粒子を適切な結合剤(たとえば、シリコーン)に混合して、ディスクの形態で表面上に(たとえば、ディスペンサ機械によって)施与することができる。一次発光ユニット(たとえば、LEDまたはレーザダイオード、LD)からの光をディスク上に方向付ける/落とすことができる。その後、下方変換蛍光体化合物のディスク自体が、新たな光源になることができる。概して、そのような新たな光源は、本明細書においては、一次光源(本明細書においては発光ユニットとしても参照される)の光によって励起される局在化光源領域として参照される。その局在化光源領域は、上述した薄型光学構造におけるコリメーションにとっての所望のサイズを有することができる。
【0036】
適切な下方変換材料は、蛍光体、蛍光体化合物、有機発光材料、半導体材料、および半導体ナノ粒子(「量子ドット」など)を含む。一般的な下方変換材料のリストが米国特許出願公開第2015/0049460号明細書に開示されており、その一部を下記の表Iに例示的に列挙する。
【0037】
例示的な実施形態において、下方変換蛍光体化合物のディスクは、導光板(LGP)のいずれかの面に堆積されてもよい。LGPは一般的に、フラットパネルディスプレイ業界で使用されており、それらは、その縁部に適切に結合されている一次光源を含み得る。しかしながら、それらのフラットパネルディスプレイは、光放出のための高密度の内蔵光抽出または光散乱機構を含み得る(たとえば、それらの機構のサイズは、最近傍間の距離に相当する(かつ、本開示のものと比較してそれほど小さくはない))。対照的に、本明細書において開示されている概念のLGPは、一次光源からの光を、局在化光源領域(たとえば、ディスク)の特定の抽出位置へと誘導するように構成されている。
【0038】
上記の例示的な実施形態において、また、LGPの縁部が(たとえば、反射薄膜を使用して)反射性にされることを条件として、LGP内の光は、ディスクに行き当たるときに実質的にとらえられたままであり得る。その後、ディスクからの二次(下方変換)光(存在する場合)および散乱された一次光が、多かれ少なかれランバート放射パターンで放出され、これは、その光の相当の割合が、ディスクにおいて直接的に、または、反対側でLGPから逃げるであろうことを意味する。その光は、ディスクのサイズによって決定される光源サイズと関連付けられよう。多くのそのようなディスクが提供され得ると仮定すると、縁部においてLGPに結合される一次光源からの光は、非常に小さいディスクからなるアレイから発する光に変換され得る。
【0039】
上記例示的な実施形態を拡張して、小さいディスクは、コリメート素子のアレイ、たとえば、上述したようなCPCもしくはCPCレンズコリメータ、またはTIRレンズもしくはTIRレンズ−レンズコリメータに結合することができ、それによって、太陽光をシミュレートするコンパクトな照明器具を形成する。特に、コリメート素子の出力面積(円形状の場合は直径)が、光源の発光面にわたる光の均一で均質な放出を保証するための、LPGに適用される抽出器機構/ディスクのピッチを設定する。コリメート素子の入力面積は、それぞれの光源領域から相当量の光(たとえば、80%超、またはさらには90%超などの、50%超)を受けるように構成されている。
【0040】
上記の例示的な実施形態において、下方変換蛍光体化合物は、太陽のような光スペクトルをもたらすように選択および調整することができる。しかしながら、本発明者らは、様々な色の複数の光源を組み合わせることによってそれぞれの太陽のようなスペクトルを生成することができる場合には、下方変換材料は省いてもよいことをさらに認識した。たとえば、一次光源は、青色、緑色、赤色またはさらには白色の発光LEDを含み得る。この場合、光抽出器は、LGPの透過を規定の局在化された様式で損なう粗面領域、または、屈折率が変化する領域のような、散乱機構であり得る。これによって、異なる色の光源の均一な光混合の手段を提供することができ、極端に小さい形状因子においては、上記の教示と組み合わせて、色調整の選択肢を伴って非常に発散の狭い光ビームを実現するようにできることを本発明者らは認識した。たとえば、一次光源の相対光出力は、色および/または強度における振幅またはパルス幅変調によって変えることができる。いくつかの実施形態において、散乱中心の効果と下方変換材料の効果とを組み合わせることさえできる。後者は、「量子ドット」と呼ばれることが多い半導体ナノ粒子の場合のように、下方変換材料が本質的に散乱性でない場合に有用であり得る。
【0041】
エテンデュ保存則を仮定することによって、入力面の面積と出力面の面積との間の比、たとえば、後述するような、光源領域の(組み合わせた)面積と、導光体によって被覆されているそれぞれの面積(たとえば、導光パネルの主前面の面積または導光ストリップ構成の場合は開口サイズ)との間の比は、入力面および出力面に応じた光の立体角の間の比(またはその逆数)である(r=(0.5*sinα_out)
2/n
2(0.5*sinα_in)
2)。
【0042】
以下において、それぞれ一次光源(導光体の外部)の入力発散、導光体内のそれぞれの入力発散、および2°および4°の標的出力発散について、比が示されている。導光体および全角度発散について1.493の反射率が考慮された。当業者には理解されるように、導光ユニット内の角度発散は、エテンデュ保存則の考慮事項のために適用される必要がある。その上、光源領域は導光体の前面にあるため、角分は入力面に均一に分散されると仮定される。いくつかの実施形態において、光源領域は必ずしも抽出相互作用の領域に対応しない場合があり(たとえば
図5Bの反射構造117およびそれぞれの実施形態の説明を参照されたい)、それによって、角分はもはや均等に分散されないように展開され得ることに留意されたい。後者は、たとえエテンデュが保存される場合であっても、それぞれの光源領域の面積がエテンデュ保存則の考慮事項によって必要とされるよりも大きい理由の一例である。下記の概説に与えられる比は、可能性としてより大きい抽出相互作用の面積の代わりに小さい面積を参照する。
【0044】
表から明らかなように、比は、導光体に結合される、使用される発散光を少なくすることによって増大することができる。したがって、比は、入力発散および標的出力発散に応じて決まり、指示されているパラメータについて0.1%未満〜10%、またはさらには最大16%の範囲内にある。ランバート未満の入力発散は特に、下方変換LEDのようなCPC結合を使用する白色発光一次光源に適用され、一方で、レーザダイオードと、コリメート素子の入口側の下方変換材料との組合せは基本的にランバート発光器に対応することに留意されたい。LEDベースの実施形態について、たとえば、最大10%の比が、所望の低発散光ビームをもたらす構成を可能にすることができる。
【0045】
光源領域においてある種の事前コリメート光をもたらすことを可能にする実施形態において、上記で要約したエテンデュの考慮事項は、開始点として低減したエテンデュを含み得ることに留意されたい。したがって、当業者であれば、許容可能なビーム半角発散を依然として可能にするピッチのより小さい構成が可能であり得ることを認識するであろう。これは、たとえば、ファン低減LED(導光体における低い角度範囲をもたらす)、レーザダイオードおよび/または合焦抽出器を使用する実施形態に適用され得る。
【0046】
以下において、まず、本明細書に開示されている概念に基づく照明器具の一般的な構成の概説を記載する。その後、光源、基礎となる導光ユニットへの光結合および導光ユニットからの光抽出のような部分の様々な実施形態が例示される。
【0047】
図3Aおよび
図3Bは、たとえば、建造物の部屋の壁23(天井または側壁)に取り付けることができるものとしての照明器具21を示す。照明器具21は、ともに太陽のような照明を可能にする光源25および色拡散層27を備える。具体的には、光源25が直接光ビーム29のアレイを提供し、その一部が色拡散層27によって天空様拡散光31に変換され、残りの部分が色拡散層27を通過し、壁23の窓を通じて降り注ぐ太陽光線として知覚される。
【0048】
概して、照明器具21は、例示的なマウントとして様々な構成要素をともに被覆および保持するハウジング33を備えることができる。
図3Bに示すように、いくつかの実施形態において、ハウジング33は、照明器具21の開口35を境界することができ、当該開口を通じて、直接光ビーム29のアレイおよび天空様拡散光31が部屋に入ることができる。いくつかの実施形態において、照明器具21は、壁23の中に取り付けることができ、かつ/または、ハウジングが、側面および裏側のみを被覆するようにすることができる。
【0049】
電源および/または制御ユニット34をハウジング内に設けることができ、または、
図3Bに示すように、ハウジング33の外部に位置決めすることができる。
【0050】
図3Aおよび
図3Bにおいて、光源25の例示的な内部構造の構成要素は、複数の発光ユニット41、導光ユニット43、およびコリメーションユニット45を含む。
【0051】
具体的には、発光ユニット41は一次光源として機能し、発光方向49において導光ユニット43の少なくとも1つの側方結合面47を通じて導光ユニット43へと光を放出するように構成されている。発光方向49は、本明細書においては、
図3Aにおいては2つの発光ユニットについて例示的に示されているように、複数の発光ユニット41のそれぞれから導光ユニット43までの方向として理解される。
【0052】
図3Aにおいて、発光ユニット41は、2つのサブグループ51Aおよび51Bにグループ分けされる。各サブグループ51Aおよび51Bについて、それぞれの発光ユニット41は、導光ユニット43のそれぞれの側面に沿って分散され、導光ユニット43の長手方向側面が延伸する方向に沿って光を発する。サブグループ51Aおよび51Bは、それぞれの基板53A、53Bに取り付けることができ、基板は、電源および/または制御ユニット34に接続されており、発光ユニット41のタイプに応じて強度および色スペクトルのような発光ユニット41の出力パラメータを制御するように構成されている電子デバイスを含むことができる。
【0053】
概して、導光ユニット43は、概して厚さ方向d
Tにおいて側方結合面47によって接続されている主前面55A、主後面55Bを有する。導光ユニット43は、主前面55Aと主後面55Bとの間の内部全反射(TIR)によって、少なくとも1つの結合側面において受けられる光を誘導するように構成されている。導光ユニット43は、たとえば、ハイインデックス導波路であってもよい。
【0054】
理解されるように、導光ユニット43内で、光は反対の側面からそれぞれの他方の側面に向かって伝播し、他方の側面において、光の一部は反射し戻され得る。概して、導光ユニット43内の光分布は、発光ユニット41の位置、導光ユニット43への結合のタイプ、および、側面の内部全反射、吸収効果および反射のような導光ユニット43内の光伝播条件、ならびに、導光ユニット43から光を抽出するために与えられる光抽出に応じて決まる。
【0055】
図3Aの実施形態において、パネル状の形状の導光ユニット43が示されているが、下記に説明するように、三角形またはストリップ構成のような他の形状も可能であり得る。概して、導光ユニット43の厚さは、1mm〜5mm、または、特にストリップ構成においてはさらにそれ未満の範囲内であってもよい。
【0056】
図3Aにおいて、5×3局在化光源領域57の格子が、例示的に示されている。しかしながら、概して最大数万個の多数の光源領域57が存在してもよい(たとえば、4°の最終的な発散のための2インチ×4インチパネル状の、88,000個の100μm抽出機構および2°の最終的な発散のための約22,000個の抽出機構からなる「発光器格子」)。局在化光源領域57において、光をコリメーションユニット45に入れるために、導光ユニット43から光が抽出される。光源領域57は、少なくとも開口35内で導光ユニット43にわたって均等に分散されている。たとえば、光源領域57は、発光方向49において等距離をおいて、非発光領域59にわたって分散している。光源25において、非光源領域59とは、導光ユニット43の主前面55Aのうち、基本的に光を照明に供しない領域である。たとえば、導光ユニット43は、基本的にその非光源領域59において光が漏出しないように構成されている。一切の光が、たとえば、何らかの散乱などによって引き起こされる漏れによって非光源領域59から導光ユニット43を出ない場合、その光は、強度が低いか、大きい角度範囲にわたって分散しているかのいずれかであり、それによって、光は、知覚に寄与しておらず、または、本明細書において開示されているようなバッフル構造によって遮断され得る。たとえば、非光源領域59からの全光束(パワー)は、下記に定義するように、すべての光源領域から発する光束の約10%以下、約5%以下、またはさらには約2%以下であってもよい。その上、非光源領域59の局部光束密度(平均)は、光源領域から放出される光束密度(平均)の、約1%以下またはさらにはそれを数等級下回るような、約3%以下であってもよい。隣接する光源領域間の距離は、たとえば、約3mm〜約6mmなど、0.5mm〜15mmの範囲内であってもよい(本明細書においては、通常、光伝播方向において存在するピッチ距離としても参照される。光伝播方向は、特に、導光ユニット、特に導光ストリップの長さ寸法の中心軸の方向と一致する)。各光源領域のサイズが小さいことに照らして、複数の光源領域57の面積と、主前面55Aの面積(または、非光源領域59の面積)との比は、たとえば、0.2%以下であってもよい。本明細書において開示されているストリップ構成に関して、非光源領域は、導光ストリップと関連付けられる区画、および、導光ストリップ間の領域を含むことができることに留意されたい。
【0057】
光伝播条件の何らかのタイプの変化の結果として、光が、光源領域57において主前面55Aを通過することになる。通過する光は、一次光、すなわち、発光ユニット41の光の一部分であってもよく、または、光は、たとえば、一次光と、蛍光体化合物もしくは量子井戸構造との相互作用によって生成される下方変換光であってもよい。例示的な実施形態は下記に説明される。言い換えれば、光源領域57は、光が散乱、反射、下方変換などに起因する非TIR条件を伴って導光ユニットを形成する壁/境界面に入射するという事実に起因して、または、導光ユニットを形成する壁/境界面の局部領域においてTIR条件を変更/除去することによってのいずれかで、領域を通過する光によって画定されると考えることができる。
【0058】
上記で示したように、複数の光源領域57と、主前面55Aの面積(または同様に、非光源領域59の面積)との比は、コリメート素子に与えられる光(たとえば、光源領域から発せられるものとしての)の角度分布、および、意図されるコリメーション角度に応じて決まる。したがって、比は、たとえば、2°または4°の固定コリメーション角度、および、導光ユニット内で誘導される光の角分(扇形)のような一次光条件について大きく異なり得る。コリメート素子に対するランバート入力光について、複数の光源領域57の面積と、主前面55Aの面積との比は、たとえば、0.5%または0.2%またはそれ以下であってもよい。しかしながら、光源領域が狭い立体角の光を発する事例については、複数の光源領域57の面積、したがって、比は、大規模な実施形態について、たとえば、最大10%またはさらには最大15%または16%と、大幅に増大することができる。例示的な光源領域は、(たとえば、出口側のコリメート素子の直径に対応する)10mmのピッチをおいて配置される、約3mmの直径を有してもよい。概して、コリメート素子に与えられている角度分布の角度と、意図されているコリメーション角度との間の比が小さくなるほど、光源領域の面積と主前面の面積との間の比は小さくなる。それらの考慮事項は、光学設計においてエテンデュが保存されると仮定している。
【0059】
上記比の一般的な値は、言及されている0.2%のような0.5%未満、またはさらには0.1%未満であってもよい。さらなる例として、100μm光源領域および2.9mmコリメータ(ピッチ)について、コリメート素子間に「損失した」領域(
図8Bの領域199など)を一切有しない完全な光源を仮定すると、比は単一のコリメート素子と同じであり、すなわち、7850μm
2/8.41mm
2(すなわち、約0.1%)である。
【0060】
概して、光源領域57のサイズは、100μmのような10μm〜500μmの範囲内の側方延伸を有してもよい。その上、光源領域57は、円形、楕円形、矩形、もしくは正方形の形状または原則として任意の形状を有してもよいが、形状は、遠距離場にある光源の外観の影響を受け得る。それとは対照的に、導光ユニット43の厚さ方向延伸は、1mm〜5mmの範囲内、場合によっては1mm未満であってもよい。光源領域57は、同じサイズまたは基本的に同様のサイズで設けられてもよい。複数のコリメート素子についてそのような光源領域57を設けることによって、コリメート素子の入力側において受けられる光について同様の入力条件を保証することができる。
【0061】
概して、導光ユニットの非光源領域を通じた発光が回避され、または、少なくとも、天空太陽模倣の知覚を損なわないように低減される。
【0062】
したがって、コリメーションユニット45は、光源領域57から光を受け、概して、たとえば、太陽光を模倣するために数度の発散を有するコリメート光をもたらすように構成される。
【0063】
コリメーションユニット45は、主前面55Aに沿って延伸し、導光ユニット43の形状、特に、光源領域57の分布および開口35の形状に適合されている形状を有する。
【0064】
コリメーションユニット45は、光源領域57の格子に対応する複数のコリメート素子を備える。コリメーションユニット45、したがって、コリメート素子の厚さは、2mm〜15cmなど、1mm〜0.3mの範囲内であってもよい。
【0065】
各コリメート素子は、複数の光源領域57のうちの1つに光学的に結合される。したがって、各コリメート素子は、それぞれの光源領域57から現れる光(基本的にはそれのみ)を受け、それぞれのコリメート光放出領域61からコリメート光を発するように構成される。コリメート光放出領域61は、たとえば、0.5mm〜50mmの範囲内の光源領域57のピッチ距離と同様の、0.2mm未満でさえあるダイオードレーザからの光のような、よくコリメートされた一次光に対する側方延伸を有することができる。コリメート光放出領域61は、光源25の発光面63を形成する。面63は、たとえば、コリメートユニットがレンズアレイ構造または反射性CPCアレイ構造から形成される実施形態において、連続面であってもよい。コリメートユニットが、たとえば、反射性CPCアレイ構造から形成される実施形態では、光コリメート領域61が表面構造とは関連付けられず、代わりに、CPCアレイ構造のそれぞれの出力面と関連付けられてもよいため、面63は表面でなくてもよい。
【0066】
コリメーションを実施するために、コリメート素子は、レンズおよび/またはCPCレンズのような1つまたは複数の光学素子を含んでもよい。コリメート素子はともに、たとえば、PMMA(導光ユニットおよび/または色拡散層のマトリックスに使用することもできる)のような透明材料のレンズ層/CPC構造を形成することができる。
【0067】
発光面63は、たとえば、発光領域61の間の境界(
図3Aにおいては、レンズもしくは反射性CPCまたは反射性CPCの壁の間の遷移部または接合部のような、発光領域61を分離する格子線として示されている)にある、非発光領域65のそれぞれ小さい部分を含むことができる。
【0068】
各発光領域61の放出は、広いスペクトル(たとえば、白色光)および主光ビーム伝播軸67を中心とした規定の小さい発散を有する指向性光であり、これは、色拡散層27を通過した指向性光のその部分について、
図3Bに概略的に示されている。具体的には、放出される光は、放出立体角にわたって分散し、それによって、主光ビーム伝播軸67の方向に沿って伝播する光ビームを形成する。
図3Bは、遠距離場における例示的に発散する(ゆるやかに発散する)直接光ビーム29を示す。遠距離場は、それぞれのコリメート素子によって生成される近接場、および、コリメート素子によって処理されている光に依存する。
【0069】
遠距離場において、発散光ビーム29にわたる局所伝播方向、すなわち、指向性非拡散光の伝播方向は、伝播軸67に対する直接光ビーム29の断面内の位置に応じて変化する。具体的には、局所伝播方向69は、内側領域からの距離が増大するにつれて、主光ビーム伝播軸67に対して次第に傾いていく。例示的に、最も離れている局所伝播方向の最大角度α_out/2が
図3Bに示されており、これは、直接光ビーム29の、たとえば2°または4°のビーム発散(本明細書においては、遠距離場におけるビーム全角発散または全角発散としても参照される)に対応する。単一光源領域の光ビーム29(たとえば、ただ1つの光源領域における切り換え)について、遠距離場はすでに、天井−床の距離に等しい距離(屋内照明器具−標的であってもよい)、または、さらにはより局在化された照明のためのより小さい距離において基本的に形成され得る。これは、光ビーム29を基本的に円形として示すことによって、
図3Cに示されている。照明器具全体の主光ビーム(多くの光源領域から構成されており、したがって、はるかに大きい面積にわたって延在する)に関して、遠距離場は、たとえば、数十メートルとはるかにより大きい距離に形成されていると考えられ得る。遠距離場において、
図3Cにおいて線72によって示されている基本的に矩形のスポットは、開口の形状の記憶を失うにつれて円形になる。主光ビームの遠距離場を形成するための距離は、光角度発散および照明器具サイズに応じて決まることに留意されたい。
【0070】
均質な放出について、非発光領域65とコリメート光放出領域61との間の面積比は、光源25の発光面63にわたって基本的に一定である。そのような一定の比は、発光面63からの均質な発光に寄与することができる。その上、1つのコリメート光放出領域61からの放出は、コリメート光放出領域61内部で側方に完全に含まれている(十分に光っている)ものとして知覚されるように構成することができる。直接光ビーム29のビーム発散が対称であると仮定すると、このとき、光ビーム内から見る観察者によって、並置されたコリメート光放出領域61が、明るい円盤の像として知覚され、この直径は、コリメート光放出領域61に対応する「画素」のセットに分割されている、遠距離場内の全角発散に関連する。単一コリメート光放出領域61の寸法は、領域内の可能な光変調が、一般的な観察距離から見る観察者によって知覚される可能性が低くなるようなものであるべきである。
【0071】
図3Bにさらに概略的に示されているように、コリメーションユニット45は、特に隣接する、発光領域61の下流のコリメート素子の間の光の相互作用(本明細書においては、光源領域、およびコリメート素子を含む、個々の光ビーム生成光学シーケンス間のクロストークとしても参照される)を低減し、またはさらには回避するための、何らかのタイプのバッフル構造71を備えることができる。いくつかの実施形態において、バッフル構造71は、たとえば、吸光および/または暗色層/材料をコーティングされている、または、暗色仕上げを有する構造要素(たとえば、遮蔽板または光学素子の表面)であってもよい。
【0072】
反射性構造ユニットの色拡散層に関して、本開示は、同じ出願人によって出願された国際公開第2009/156348号に開示されている光拡散器に関する。
【0073】
これは、たとえば、サンドイッチの実施形態のような薄膜、コーティング、またはバルク材料内に複数の固体透明ナノ粒子が分散された、本質的に透明な固体マトリックスを備えることができる。本明細書では、「拡散層」、「ナノ拡散器」、および「色拡散層」という用語は、一般に、それらの(本質的に透明な)ナノ粒子を埋め込んだマトリックスを備える光学要素を示す。
【0074】
色拡散層は、原理的に、本質的に色分離を生じる同じメカニズムによって、(一般的には白色光などの)広いスペクトル帯域を有する入射光の異なる色成分を(色的に)分離することができる。レイリー散乱は、たとえば、天空光および太陽光のスペクトル分布特性を生成している。より具体的には、色拡散層は、可視白色光に曝されると、2つの異なる色成分、青色、すなわち青色または「冷たい」スペクトル部分が支配的な拡散された空のような光、および、青色が減少した成分、すなわち黄色または「暖かい」スペクトル部分を有する、透過された光が同時に存在する状態を再現することができる。
【0075】
照明器具21の色拡散層の透過特性を参照すると、その構造は、ナノ粒子に基づいて、青色よりも赤色においてより大きい透過、および、赤色よりも青色においてより大きい拡散散乱を含むような特定の光学特性を達成するようなものである。この光学特性は、本質的に、開口35の全範囲にわたって存在し得る。
【0076】
本明細書では、Standard Terminology of Appearance、ASTMインターナショナル、E284−09aで定義されているように、透過率は、一般に、所与の条件における入射光束に対する透過光束の比である。たとえば、拡散透過率は、入射光束に対する反射光束の比によって与えられるそれぞれの試料の特性であり、透過は、正透過角の方向を除く測定平面によって境界付けられた半球内のすべての角度におけるものである。同様に、正透過率は、非拡散角、すなわち、入射角の下での透過率である。本開示の文脈において、所与の波長および色拡散層上の所与の位置について、拡散透過率および正透過率は、主光ビーム伝播軸67に対応する入射角を有する非偏光入射光を対象とする。測定について、透過の測定のための検出器の角度サイズ、および入射ビームの開口角は、当業者には明らかな範囲内で選択可能である。特に、(白色光)低角拡散器を考慮する場合、たとえば、正透過の測定のための検出器の角度サイズ、および入射ビームの開口角は、センサが入射角の周りの円錐内の透過を有する光線を受け入れるように構成されるべきである。いくつかの実施形態では、0.9°の2倍の開口角が使用され得る。
【0077】
その上、透過光束は、すべての可能な入射方位角にわたって平均化される。拡散透過率および/または正透過率の測定が、照明器具の構成に関連する幾何学的制約または他の物理的制約によって妨げられる場合、当業者は、少なくとも1つの別個の色拡散層を形成し、その部分への透過率を直接測定することによって、上述した量を得ることができる。微視的な構造的特性の詳細については、たとえば、上述した公報国際公開第2009/156348号を参照されたい。しかしながら、微視的パラメータの異なる値が適用可能であり得る。たとえば、非散乱光に対してより多くの散乱光をもたらすパラメータを適用することができる。同様に、可能性のある迷光の可視性を最小化するか、または少なくとも低減する目的で、結果として知覚される色が完全な晴天の色から逸脱する可能性があるという事実にもかかわらず、拡散光に起因する色拡散層の輝度への寄与を増加させることを選好することができる。後者は、その中で生じる多重散乱の結果として彩度のレベルを低下させることによって引き起こされる可能性があり、多重散乱を引き起こす濃度未満の濃度でも引き起こされる可能性がある。
以下では、いくつかの微視的な特徴を例示的に要約する。
【0078】
色効果は、たとえば、10nm〜240nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子に基づく。たとえば、平均サイズがその範囲内にあってもよい。
【0079】
透明マトリックスと、マトリックスに対して異なる屈折率を有し、可視波長よりも(かなり)小さいサイズを有する透明ナノ粒子とを備える透明光学素子が、スペクトルの青色部分(青色)を優先的に散乱させ、赤色部分(赤色)を透過させることは、光散乱の原理からよく知られている。単一の粒子あたりの散乱効率の波長依存性が、波長λの1/10よりも小さいか、またはほぼ等しい粒子サイズのλ
−4レイリー限界法則に近づく間、それぞれの許容可能な光学的効果は、ナノ粒子のサイズの上記範囲内にすでに達する可能性がある。一般に、より大きいサイズ、たとえば、波長の半分のサイズで、共振および回折効果が発生し始める可能性がある。
【0080】
一方、単一の粒子あたりの散乱効率は、粒子サイズdが減少するとともに、d
−6に比例して低下し、小さすぎる粒子の使用を不便にし、伝播方向に多数の粒子を必要とし、これは、許容される充填率によって制限される可能性がある。たとえば、厚い散乱層について、マトリックス内に埋め込まれるナノ粒子のサイズ(特に、それらの平均サイズ)は、20nm〜180nmなどの、10nm〜240nmの範囲内であってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、その範囲外の寸法のより大きい粒子がマトリックス内に設けられてもよいが、それらの粒子は、レイリー状の特徴に影響を与えず、たとえば、主光ビーム方向の周りに低角散乱円錐を形成することのみに寄与する可能性がある。たとえば、ナノ粒子よりも大きい寸法を有する粒子を備え、主光ビーム方向の周りに低角散乱円錐を形成することに寄与するようにサイズおよび密度を選択される低角散乱層は、別個の層として設けられてもよく、または、色拡散層内に組み込まれてもよい。
【0082】
色効果は、さらに、埋め込みマトリックスの屈折率とは異なる屈折率を有するナノ粒子に基づく。散乱するために、ナノ粒子は、光散乱が起こることを可能にするために、マトリックス(ホスト材料とも呼ばれる)の屈折率n
hとは十分に異なる実際の屈折率n
pを有する。たとえば、粒子の屈折率とホスト媒質の屈折率との間の比m(=n
p/n
h)は、範囲0.7≦m≦2.1または0.7≦m≦1.9などの範囲0.5≦m≦2.5内であってよい。
【0083】
色効果は、さらに、所与の方向に伝播する衝突光によって見られる単位面積あたりのナノ粒子の数、ならびに、体積充填率fに基づく。体積充填率fは、
【0085】
によって与えられ、ρ[メートル
−3]は、単位体積あたりの粒子数である。fを増加させることによって、拡散層中のナノ粒子の分布は、そのランダム性を失う可能性があり、粒子の位置は、相関するようになる可能性がある。結果として、粒子分布によって散乱された光は、単一粒子の特性だけでなく、いわゆる構造因子にも依存する変調を受ける。概して、高い充填率の影響は、散乱効率をひどく減少させることである。その上、特に、より小さい粒子サイズについて、高い充填率はまた、散乱効率の波長依存性と、同様に角度依存性とに影響を及ぼす。f≦0.1などのf≦0.4、またはさらにはf=0.001などのf≦0.01の充填率で作業することによって、それらの「密充填」効果を回避することができる。
【0086】
色効果は、さらに、有効粒子直径D=dn
hに依存して、色拡散層の単位面積あたりのナノ粒子の数Nに基づく。それによって、d[メートル]は、[T.C.GRENFELL、およびS.G.WARREN、「Representation of a non−spherical ice particle by a collection of independent spheres for scattering and absorption of radiation」、Journal of Geophysical Research104、D24、31,697−31,709(1999)]に定義されているように、球状粒子の場合には平均粒子直径として、非球状粒子の場合には体積−面積が同等の球状粒子の平均直径として定義された平均粒子サイズである。有効粒子直径は、メートルで与えられ、またはnmで指定される。
いくつかの実施形態では、
【0087】
【数2】
(ただしDは[メートル]で与えられる)、かつ
【0090】
【数5】
を満たし、より具体的には、
【0093】
たとえば、純粋な晴天の存在をシミュレートすることを目的とする実施形態について、
【0094】
【数8】
(ただしDは[メートル]で与えられる)、かつ
【0097】
【数11】
を満たし、より具体的には、
【0100】
正反射されたシーンの寄与を最小化することを目的とする他の実施形態では、
【0101】
【数14】
(ただしDは[メートル]で与えられる)、かつ
【0104】
【数17】
を満たし、より具体的には、
【0107】
それらの物理的パラメータおよびそれらの一般的な相互作用に関しては、たとえば、国際公開第2009/156348号を再び参照されたい。
【0108】
本明細書で開示される色拡散層の巨視的な光学特性は、以下の2つの量で説明され得る。
【0109】
(i)拡散層が10nm〜240nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子、すなわち、衝突する放射線の短波長を優先的に拡散させる原因となるナノ粒子を含まないという事実を除いて、散乱光の寄与を有しない色拡散層の透過率、たとえば、正透過率と、色拡散層と同一の基準サンプルの透過率との間の比として定義される単色正規化共線透過率T(λ)。
【0110】
(ii)衝突する放射線の長波長成分と短波長成分との間の色分離を提供する色拡散層の能力を測定するγ≡Log[T(450nm)]/Log[T(630nm)]として定義される、青色光学濃度と赤色光学濃度との間の比γ。
【0111】
いくつかの実施形態では、色拡散層は、以下を有することができる。
【0112】
0.05〜0.95、たとえば、0.1〜0.9、たとえば、0.2〜0.8の範囲内のT(450nm)。たとえば、純粋な晴天の存在をシミュレートすることを目的とする実施形態について、T(450nm)は、0.4〜0.95、たとえば、0.5〜0.9、たとえば、0.6〜0.8の範囲内であり得る。
【0113】
正反射されたシーンの寄与を減少させる(たとえば、最小化する)ことを目的とする実施形態では、T(450nm)は、0.05〜0.5、たとえば、0.1〜0.4、たとえば、0.2〜0.3の範囲であり得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、青色光学濃度と赤色光学濃度との間の比γに関して、γは、5≧γ≧1.5、または5≧γ≧2、または5≧γ≧2.5、たとえば、5≧γ≧3.5の範囲内であり得る。
【0115】
完全性のために、限定はしないが、たとえば、それぞれ屈折率n
p=2.0、2.6、2.1、1.5、および1.7を有するZnO、TiO
2、ZrO
2、SiO
2、およびAl
2O
3と、可視領域において本質的に透明である任意の他の酸化物とを含むもののような、無機粒子が使用され得る。無機粒子の場合には、粒子を埋め込むために、ソーダ石灰シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、溶融シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリカーボネート(PC)などの有機マトリックスまたは無機マトリックスが使用され得る。一般に、有機粒子も使用され得る。材料の種類については、特許文献1をさらに参照されたい。
【0116】
ナノ粒子の形状は、本質的に任意であり得るが、球状粒子が最も一般的である。
【0117】
上述したように、ナノ粒子および/またはマトリックスおよび/またはさらなる埋め込まれた粒子は、可視光を吸収しなくてもよく、またはある程度制限されるだけでもよい。それによって、色拡散層を出る光の輝度および/またはスペクトル(すなわち、色)は、吸収による影響をほとんどしかまたはまったく受けない可能性がある。可視スペクトルにおける本質的に波長に依存しない吸収は、許容可能であり得る。
【0118】
図3Aおよび
図3Bを再び参照すると、コリメーションユニット45上に、色拡散層27を、たとえば、連続層として直接的に施与することができる。いくつかの実施形態において、色拡散層27は、たとえば、平坦なポリマーなどのプラスチックまたはガラス製の基板などの支持基板上に設けることができる。他の実施形態において、色拡散層は、照明器具、特にコリメーションユニット45またはその一部のための支持として機能するのに十分強固に構成されてもよい。上述したように、色拡散層27は、コリメーションユニット45からの入射光の長波長成分に対して、コリメーションユニット45からの入射光の短波長成分を優先的に散乱させるように構成される。散乱光は、本明細書においては拡散光31として参照され、ナノ粒子の散乱条件の所与の選択を仮定して、青(短波長)色と関連付けられる。
【0119】
観察者の例示的な観察方向73が示されている。観察方向73において、拡散光31は色拡散層27からすべての方向において本質的に均質に発せられるため、観察者は、自身の方向において発せられる拡散光31の部分を見ることになる。明らかに、光源25、たとえば、コリメーションユニット45に向かって発せられる部分は、失われ、または、部分的に擬似ランダムに反射され得る。加えて、観察者は、自身の位置に応じて、光源25の透過光のいくらかの直接光ビーム29を見ることができる。光ビーム29は、共通の主光ビーム(
図3Cおよび関連する説明を参照されたい)として知覚され、たとえば、青色成分の散乱に起因して、光源の光のスペクトルに対して「黄色がかっている」。見える透過光は、入射光の、色拡散層または何らかの前方散乱によって、観察者の観察方向73に向くように方向付けられるか、または、ある程度方向転換される部分に基づく。
【0120】
ナノ粒子が埋め込まれる結果として、入射光の、色拡散層27との散乱相互作用によって散逸されることなく透過される部分は、スペクトルがより長い波長へと(すなわち、黄色の色調を与える赤色へと)シフトされるため、関連する質量中心の波長において、入射光のスペクトルとは異なる可視スペクトルを有する。ナノ粒子によって本質的にレイリー状の散乱を受ける入射光の部分は、拡散して放射され、それによって、その表面から離れた方を指すすべての方向において実質的に均質な輝度をもたらす。
【0121】
図3Cおよび
図3Dに関連して、
図3Aおよび
図3Bの照明器具21の外観を説明する。具体的には、
図3Cは照明器具21によって照明されている部屋60の概略3D図を示し、一方、
図3Dは、下から見たときの開口35内の照明器具21の外観を示す。
【0122】
拡散光31は主に、コリメーションユニット45から現れる光によって生成される。拡散光31は常に、開口35において見るときに見えるであろう。
【0123】
加えて、
図3Cは、照明器具21の開口35から発し、主光ビーム伝播軸67に沿って伝播する主光ビーム66を示す。主光ビーム66は、複数の部分光ビーム、すなわち、直接光ビーム29から構成され、そのうち2つが例示を目的として示されているが、それらの直接光ビームは、動作中に主光ビーム66内で解像可能ではない。
【0124】
図3Bにすでに示したように、光源25の構成要素が適切に位置合わせされていると仮定した場合、直接光ビーム29はまた、主光ビーム伝播軸67の方向に沿って伝播する。
【0125】
それとともに、光ビーム29は、主光ビーム66について開口35にわたって本質的に一定の輝度分布を形成する。光ビーム29の多かれ少なかれ均質な指向性を仮定して、主光ビーム66の発散は、光ビーム29の発散と実質的に同様である。
【0126】
主光ビーム66内に位置する観察者70は、発散および開口35に対する位置が観察者70の目に落ちる光をもたらす直接光ビーム29の直接光を見ることになる。
【0127】
特に
図3Dに示す太陽模倣概念を参照すると、観察者70は、より弱い均質な青色がかった背景光(「青空」として知覚される)、すなわち、拡散光31によって囲まれている明るい円盤68(高輝度ピーク、それぞれの限定された発散、均質な青色背景などのそれぞれの条件下で「太陽」として知覚される)を見る。光ビーム29の発散が限定されていること(たとえば、4°未満の範囲内のビーム角)、および、角分が照明器具の出力面全体にわたって基本的に同じであることに起因して、観察者70が、
図3Cにおいて矢印70’によって示すように、部屋60にわたって、具体的には主光ビーム66にわたって動くと、太陽は青空にわたって動くように見えるだろう(
図3Dの矢印68’によって示すように、すなわち、現実の太陽のように、太陽が観察者70についてくる)。
【0128】
言い換えれば、開口35は、各点において角放出が表面にわたってほぼ一定の輝度(単位立体角あたりの単位面積あたりのパワー)で狭い表面を境界付ける。以下の考慮事項について色拡散層27を無視すると、スクリーンを開口35に近接近して配置することは近接場分布を示し、一方、スクリーンを照明器具21から離れて配置することは、光源21の遠距離場を示すであろう。近接場において、均質に照明される、開口35と同じサイズのスポットが形成される。遠距離場において、本質的に開口35を通過する光の角分によって決定される形状を有するスポットが、スクリーン上に形成される(たとえば、光が太陽を模倣するための円錐内で発せられる場合は円形)。
【0129】
図3Cの場合、主光ビーム66は、本質的に近接場下条件においては、線72(主光ビーム66の外部の影への遷移を示す)の形状が丸みを帯びた矩形、すなわち、隅がわずかに丸みを帯びた矩形になるように、床に落ちることになる。同様に、光ビーム29の形状は、円形ビーム断面に向かう光方向の円錐分布に従って発現しているものとして示されているが、一般的に屋内伝播距離について、上記で言及したように、各単一光ビーム29の寄与が解像可能でない、主光ビーム66の形状全体は、本質的に近接場分布により近い。本明細書において開示されている実施形態は、各コリメート光放出領域の内部で、各点において同じ角分を有することを可能にすることができる。たとえば、これは、その焦点面内で光源の無限遠における像を形成するレンズ、またはCPCの場合に概ね(ほぼ)当てはまり得る。
【0130】
近接場分布は、色拡散層27に衝突する照度(単位面積あたりのパワー)分布である。色拡散層27からの拡散光の角放出がその点の各々について同じである(ランバート放出に近似する)とき、「青空」の輝度は、この照度分布に正比例する。それゆえ、「青空」を均一にするために、色拡散層27に応じた照度分布は、観察者の目によって解像可能な空間スケールにおいて均質であるべきである。
【0131】
光ビーム29の角分が非常に大きい(たとえば±5°または±10°の円錐)場合、局所的な不均一性は伝播中に速やかに混同され、そのような不均一性は、開口35の正面の数センチメートルまたは数ミリメートルにおいてすでに「洗い流されている」場合がある。太陽模倣に関して、角分は、非常に狭くなるように(たとえば、±1°などの±2°以下の円錐)選択されるが、可能な不均一性は、より大きい伝播距離を「洗い流す」ことを必要とし得る。したがって、概して、照度分布は、可能な限り平滑であるべきである。
【0132】
以下において、光源の様々な構成要素および構成を、それぞれの図面に関連して説明する。
【0133】
図4A〜
図4Mを参照すると、発光ユニットは、照明器具の一次光源であり、導光ユニットの側面に結合することができる。結合は、とりわけ、発光ユニットのタイプおよび導光ユニットのタイプに応じて、様々な方法で実施することができる。一般に、光は、導光ユニット内の光伝播についてTIRが発生するように、導光ユニットに結合される。たとえば、一次光源としてLEDについて
図4A〜
図4Dの概略側面図に示すように、LEDは、いくつかの方法で導光ユニットに縁部結合することができる。LED81A、81Bは、導光ユニット43に結合するために、それぞれ屈折光学素子(
図4A)または反射光学素子(
図4B)を使用してカプセル化することができる。LED81C、81Dは、導光ユニット43に結合するために、非カプセル化とし、それぞれ屈折光学素子(
図4C)または反射光学素子(
図4D)を使用することができる。さらに、非カプセル化LED81Eを、導光ユニット43に突き合わせ結合することができる(
図4E)。
【0134】
いくつかの実施形態において、一次光源は、レーザダイオードを含んでもよく、この場合、コリメート素子は必要とされない場合がある。たとえば、レーザダイオード83Aを、導光ユニット43に突き合わせ結合することができる(
図4F)。しかしながら、放射レーザビームを何らかの望ましい様式で(たとえば、楕円から円形へのビーム成形)調整するために、アナモルフィックプリズム対(図示せず)のような他の光学素子が使用されてもよい。
【0135】
それらの実施形態において、たとえば、導光ユニット43に結合されたときに、導光ユニット43の平面に対して対称になるLEDまたはレーザダイオード発光が設けられる。例示的に、平行である、結合前の主伝播方向85Aが
図4Aに示されている。
【0136】
下記に説明するように、導光ユニット43に結合される光のそれぞれの指向性を選択することによって、外方に結合することができる光の量をさらに向上させることができる。その目的のために、導光ユニット43に結合されるときに、導光ユニット43の平面に対して対称(たとえば、本質的に平行)であるLEDまたはレーザダイオード発光を設ける代わりに、結合前に、導光ユニット43内の主伝播方向、たとえば、パネルタイプの実施形態における導光ユニットの平面に対して傾斜されている主伝播方向を設けることができる。
【0137】
たとえば、LED81Fは、非カプセル化とし、本質的にTIR角に近い角度で導光ユニット43に結合するための屈折光学素子(
図4G)を使用することができる。同様に、レーザダイオード83Bは導光ユニット43に突き合わせ結合することができ、側面87Aを、導光ユニット43の平面に対して傾けることができ(
図4H)、または、側面87Bが、主前面55Aおよび主後面55Bを、導光ユニット43の平面に対して直角に接続することができる(
図4I)。一次光源の入力光中心方向のこの変化に関するさらなる詳細は、
図9A〜
図9Cに関連して開示される。
【0138】
上述したように、発光ユニットは、広いスペクトル(白色光LED)または狭いスペクトルにおいて発光していることができる。後者の場合、発光ユニットは、すべてが同様の放出波長でなくてもよい。たとえば、色の調整を可能にするために、複数の異なるセットの一次LED(たとえば、3セット)が、導光ユニット43に沿ってインタレース結合されてもよい。
【0139】
たとえば、
図4Kおよび
図4Lは、3つのタイプのLED89から光を受けるパネル形状導光ユニット43の上面図を示す。たとえば、LED89は、広い色域を調整することを可能にするために、青色、緑色、赤色、またはさらには白色発光していてもよい。
【0140】
同様の実施形態において、異なる放出波長を有するレーザダイオード90が、
図4Lに概略的に示されているように使用されてもよい。
【0141】
無論、4原色(たとえば、青色、緑色、アンバー、赤色)または5原色(たとえば、バイオレット、シアン、緑色、アンバー、赤色)またはそれ以上を含む、より多数のカテゴリの一次光源が使用されてもよい。
【0142】
一次光源は、100%直接発光であってもよく、または、下方変換材料を含んでもよい。たとえば、下方変換に基づくアンバー発光LEDが市販されており(Lumileds社製のLXZ1−PL02)、また、様々な白色発光LEDが入手可能である。
【0143】
一次光源および下方変換材料の構成例が、下記表Iにリストされている。それら光源の各々は、上述したように導光ユニットに結合される一次発光器としての候補である。下方変換材料の各々は、導光ユニットに結合する(たとえば、白色光一次光源を生成する)前に一次光を下方変換するために使用することができ、または、導光ユニットから光を受け、コリメート素子に下方変換光を発する二次光源として組み込まれるための候補として使用することができる。本明細書において記載されている例は、導光ユニット上に、または、CPCもしくはTIRレンズの入力側に設けられる下方変換ディスクである。
【0144】
表Iにリストされていない多くの他の可能な組合せが存在する。表Iにおいて、以下のようなピーク放出波長に従って、様々な可視スペクトルカラーレジームが参照される:バイオレット400nm〜440nm、青色440nm〜480nm、シアン480nm〜510nm、緑色510nm〜550nm、黄色550nm〜580nm、アンバー580nm〜610nm、および赤色610nm〜700nm。
【0145】
その上、白色光源について、導光ユニットにおける吸収の色効果および色反射効果が、特に直接光ビームの色の知覚に影響を及ぼし得る。たとえば、側面またはそれぞれのLED/レーザダイオードにおける反射は、導光ユニット内でスペクトルの色吸収のような効果を及ぼし得る。一次光源の放出スペクトル、および、一般的に、抽出機構と相互作用する光のスペクトルは、材料色吸収および反射の任意の色度に適合され得る。波混合ガイド構成内のそれらの波長依存効果を補償するために、それに応じて入力スペクトルを調整することができる。具体的には、高いCCT、高い演色評価数、およびR9値を有する出力スペクトルを有するために、入力スペクトルを調整することができる。たとえば、色成分に関する吸収を補償するために、単一光源の(または、複数の光源が抽出機構に存在する光に寄与する場合は複数の光源の)スペクトルを(青色および赤色成分を増大することによって)バイオレットに向けてシフトすることができる。
【0147】
図4Mは、一連の導光ストリップ91を備える特定のタイプの導光ユニットにおける光の結合を概略的に示す。たとえば、導光ストリップ91は、互いに対して平行に延伸する。各導光ストリップは、対向する側端面を含む(一方の側にあるすべての側面が一緒になって、側方結合面47として理解され得る)。
図4Mにおいて、導光ストリップ91あたり1つのレーザダイオードまたは1つのLEDを有する構成が示されている(概略的なレーザダイオード93Aが破線で示されている)。しかしながら、複数の導光ストリップ91(隣接するかまたはインタレースされている)が、何らかの導光ファイバ−スプリッタ構造95によって単一のレーザダイオード93B、または単一のLEDに接続されてもよい。
【0148】
光源領域は、主後面(本明細書においては反射モードとして参照される)または主前面(本明細書においては透過モードとして参照される)において導光ユニットを通じて進行するTIRから能動的に取り出された光によって画定することができる。一般に、光源領域は、ディスク状の形状であってもよく、または、多くの他の形状を有してもよい。
【0149】
一般に、動作モードは、広い白色スペクトルを生成するために下方変換を使用する狭いスペクトルの一次光、または、天空−太陽のような照明に類似するために必要なすべての色をすでに本質的に含んでいる広い白色光一次光源のいずれかに基づく。しかしながら、一般に、本明細書において記載されている光源の概念はまた、たとえば、何らかの他のスペクトル特性において、または、たとえば、レイリーのようなタイプの拡散器の効果がない場合に、本明細書において説明されているような指向性光が必要とされる場合、太陽光模倣とは無関係に適用可能であってもよい。
【0150】
反射モードを参照すると、
図5Aは、導光ユニット43上に設けられた多くの光源領域のうちの単一の光源領域の領域内の下方変換に基づく構成101の第1の実施形態を示す。具体的には、ディスク状下方変換材料103が、光生成ユニット43の主後面55B上に(すなわち、発光主前面55Aとは反対に)堆積される。材料103は、導光ユニット43から、たとえば、短波長光を受け入れ、その光を広い波長スペクトルに変換し、その後、下方変換光をとりわけ、導光ユニット43に放出し戻す。材料103の厚さは、材料が不透明になるまで増大され得る。その上、材料103の裏面は、温度管理のためにヒートシンク105(たとえば、AlまたはCuから作成される)に取り付けられてもよい。下方変換光は、材料103に近接する領域において導光ユニット43を通過し、全反射CPCレンズ107のようなコリメート光学素子によって収集されるであろう。
【0151】
他の実施形態において(または付加的に)、材料103は、たとえば、それぞれの一次光源の広いスペクトルの光と相互作用する散乱材料であってもよい(または、何らかの散乱材料を含んでもよい)。
【0152】
図5Aを詳細に参照すると、材料103は、下方変換材料(および/または特定の散乱特性を有する材料)を含む。一次光が、一次光源(図示せず)から導光ユニット43に結合され、材料103に衝突するまで、導光ユニット43内を誘導される。
図5Aにおいて、例示的に、新たな放出光線111に変換される一次光線109が示されており、新たな放出光線は、導光ユニット43を出て、CPCレンズ107によって収集および集束/コリメートされる。いくつかの他の伝播事例では、一次光は、導光ユニット43内に捕らえられたままになる光線113(
図5A内で左に進行する)に変換されてもよい。この光線113には、さらなる散乱事象において別の光源領域にある別の材料に衝突するときに、導光板43から逃れる機会がある。
図5Aにおいて、この他の領域は、この事例においては逃れ、同じくCPCレンズ107によって収集およびコリメートされている、光線115によって示されている材料103である。
【0153】
図5Aに示す実施形態の幾何学的形状において、導光ユニット43の厚さは、CPCレンズ107の直径および長さを決定づける。具体的には、導光体の厚さを可能な限り薄くすることが望ましい。レーザ光は非常に薄い導光体(場合によっては10μmよりも薄い)に結合することができるため、後者は、レーザダイオードを、このタイプの幾何学的形状にとって魅力的なものにし得る。
【0154】
上記で示したように、材料103は、側部、すなわち、導光ユニットの外部において光を放出することができる(たとえば、その厚さが有限であることに起因する材料の内部の中からの散乱または放出光、たとえば、蛍光体化合物層は、10μm以上であってもよく、またはさらには最高数百μm厚であってもよい)。それゆえ、光生成ユニット43に向かって戻る放出を増大させるために、材料103の周りに、たとえば、その裏面および側面において、反射性封じ込め構造(図示せず)を含むことが望ましい場合がある。
【0155】
図5Aの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、材料103の側方サイズ、導光ユニット43の厚さに関係付けられ、これによって、材料103から放出される光をCPCレンズ107によって収集することができる、主前面55A上の領域が画定される。したがって、CPCレンズ107の入力サイズは同様に、材料103の側方延伸および導光ユニット43の厚さに応じて決まる。
【0156】
図5Bは、反射モード幾何学的形状の別の実施形態を示す。具体的には、複数の傾斜反射構造117が、導光ユニット43に組み込まれる。たとえば、反射構造117は、導光ユニット43によって画定される導光面に対して45°傾けることができる。それらの傾斜面部分は、反射性金属(たとえば、AgもしくはAl)または二色性積層体のような鏡面反射材料によってコーティングすることができる。この幾何学的形状には、結合される一次光(40°未満、たとえば、約30°もしくは20°またはそれ未満、たとえば、約10°の、導光ユニット内の角度範囲にわたって分散し得る)が、エテンデュを保存する結像様式において反射構造117によって調整されるという利点があり得る。これによって、たとえば、
図5Cに示すCPCレンズのような一次光学素子を必要とすることなく、従来の二次
図5に示すものなど)のみによって完了されるべきコリメーションユニット45内の最終的なコリメーションが可能になり得る。
【0157】
図5Bの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、傾斜反射構造117の側方サイズ、導光ユニット43の厚さ、および、傾斜反射構造117から放出される光が通過する主前面55A上の領域を画定する一次光源の入力発散によるある範囲に関係付けられる。
【0158】
図5Aおよび
図5Bならびに本明細書において開示されているエテンデュの考慮事項を参照すると、光源領域は導光ユニットの前面上に画定されるため、導光ユニットに交差するときに「ビーム」が広くなることに起因して、それらの領域は実際には、抽出素子の面積(たとえば、後面上の傾斜反射構造117の面積)よりも大きくなり得る。それゆえ、光源領域をまとめた面積と、主前面の面積との間の比は、それらの実施形態においてはわずかに増大し得る。
【0159】
図5Cに示す実施形態において、一次光はスペクトルが狭く(たとえば、単色LEDまたはレーザダイオードのような単色光源から放出される)、したがって、下方変換する必要がある。したがって、
図5Cの実施形態は、反射抽出と、CPCレンズ/下方変換材料の接合部における抽出との混合を表す。上記で言及した厚さが有限である問題を低減するために、蛍光体材料の必要な量を低減することができる。たとえば、蛍光体材料は、CPCレンズの空洞または半空洞形状内に配置することができる。
【0160】
図5Cに示すように、蛍光体化合物の薄い(場合によって単一の単分子層ほどに薄い)層121が、CPCレンズ123と導光ユニット43との間に堆積される。CPCレンズ123の出口面125は、一次光波長(たとえば、青色がかった光)を反射し、それによって、蛍光体化合物に光を戻し、蛍光体化合物とのより多くの相互作用を導入するダイクロイック127によってコーティングすることができる。たとえば、蛍光体化合物の層121に衝突するが、吸収されない青色一次光(光線129)は、青色反射ダイクロイックスタックによって、蛍光体化合物121に向かって反射し戻される。
【0161】
図5Cの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、傾斜反射構造117の側方サイズ、導光ユニット43の厚さ、および、傾斜反射構造117から放出される光が通過する主前面55A上の領域を画定する一次光源の入力発散によるある範囲に関係付けられる。蛍光体化合物の層121は、傾斜反射構造117によって方向転換される光を変換するように意図されており、それゆえ、本質的に、光源領域のサイズに対応するが、実質的に、光抽出には寄与しない。
【0162】
図5Cの実施形態において、CPCレンズ123は、コリメーションの一部を可能にするようにのみ構成されている。二次レンズアレイ(図示されておらず、原則的に、
図5Bの二次レンズ構造119と同様である)が、コリメーションユニット45のそれぞれのコリメート素子を完成させる。二次レンズは、2つの光源領域、この場合は2つの反射構造117の間のピッチの範囲内で、個々のレンズ間の側方延伸をもたらす。この場合、光源領域57は、蛍光体化合物の層として識別され得る。導光ユニット43は薄く(光源領域57のサイズに対して)、または、扇形が狭い場合、蛍光体化合物の層121は、反射構造117のサイズに比肩する。
【0163】
図5Cのものと同様の関連実施形態において、下方変換が必要ないように、一次光は、白色光であってもよい。したがって、CPCレンズ123の出力側の二色性反射器も、必要ない。それにもかかわらず、CPCレンズ123の角度入力をわずかに補完するために、順方向において主に機能する拡散器を、CPCレンズ123の入力側に設けることができる。
【0164】
透過モードを参照すると、
図6Aは、下方変換材料131が導光ユニット43の主前面55Aに位置決めされる、たとえば、ディスク形状蛍光体化合物材料が光収集側に堆積される、さらなる実施形態を示す。この場合、下方変換材料131は、導光ユニット43からの光を受け入れ、この光を導光ユニット43へと、または、導光ユニット43から、たとえば、屈折性全CPCレンズ133へと変換/放出(または散乱器の実施形態では散乱)し戻す。下方変換材料131のサイズは、光をCPCレンズ133に光学的に結合するように選択される。導光ユニットの主前面側から放出(または散乱)される光は、反射器135によってディスクに向かって方向転換し戻すことができる。下方変換材料131ではなく、導光ユニット43の他の面から逃れることになるそのような光は、太陽シミュレーションを損なうおそれがあるため、主前面55Aから現れる制御されない光の望ましくない効果を回避するために、光マスキング層137によってマスクすべきである。
【0165】
下方変換材料131の近傍から、導光ユニット43から放出(または散乱)される光が、下方変換される。下方変換光はその後、上述したようなコリメート光学素子として機能するCPCレンズ133によって収集される。
図6Aを詳細に参照すると、下方変換材料131は、たとえば、下方変換蛍光体および/または散乱特性を含み、コリメート光学素子への光生成を最大化するように選択される厚さを有する。一次光源(図示せず)を介して導光ユニット43に結合される一次光線139は、屈折率の変化、したがって、TIR条件の変化として作用する限り、下方変換材料131に衝突するまで、導光ユニット43内で誘導される。一次光線139は、
図5Aにおいて、導光ユニット43を出る放出光線141に変換され得、CPCレンズ133によって収集および集束/コリメートされる。別の一次光線が、導光ユニット43内に捕らえられるようになる新たな放出光線143に変換され得る。この光線143には、後に、光線145によって示すように、散乱事象において別の下方変換材料に衝突するときに導光ユニット43を逃れ、この場合は、逃れてCPCレンズ133によって収集および(部分的に)コリメートされる機会があり得る。
【0166】
加えて、放出および/または散乱される光線146が、主後面55Bから導光ユニット43を逃れ得、反射器135によって導光ユニット43の発光側に向かって下向きに戻され得る。CPCレンズ133に結合することにならない(非光源)領域において、光が導光ユニット43から発せられることを遮断するために、マスク層148を使用することができる。
【0167】
図6Aの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、下方変換材料131の側方サイズ、および、その領域において光が下方変換材料131と相互作用して導光体43を出ることができるためにTIR条件の変化がもたらされるそれぞれの領域に関係付けられる。CPCレンズ107の入力サイズは同様に、下方変換材料131の側方延伸、および、収集されるように意図されている下方変換光の仮定されるランバート分布に応じて決まる。
【0168】
図6Bは、別の透過モード幾何学的形状を示しており、放出するための光源領域が、導光ユニット43に対するCPCレンズ149の光学的結合147によって設けられる。光インターフェースにおける屈折率不整合の誘発される局所的な破綻、および、TIR条件のそれぞれの局所的な破綻に起因して、導光ユニット43から抽出されている光を収集するために、CPCレンズ149をその「ソース」に自己整合的に取り付けることができるため、この幾何学的形状は魅力的である。自己整合は、光源領域が、CPCおよび導光ユニット43を光学的に結合することによって形成されることに起因する。
【0169】
図6Bの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、CPCレンズ149の側方サイズ、および、その領域において光が導光体43を出るために誘発されるTIR条件の破綻に関係付けられる。したがって、CPCレンズ107の入力サイズは本質的に、光源領域のサイズである。
【0170】
散乱中心が存在しないと仮定すると、CPCレンズ149を満たす光分布は、結合される一次光線の分布に応じて決まる。それに応じて、これは、「太陽」の所望の近接場および遠距離場の像を達成するために、下流の二次光学素子において光分布を均質化することによって、遠距離場光分布、および、結果として太陽の外観を改善しているものであり得る。たとえば、何らかの穏やかな(順方向、低角度)散乱中心を、光学素子/導光ユニット界面151に含めることができる。
【0171】
加えて、点線が示すように、光源領域において外方に結合される光の量を増大させるために、反射構造117が付加的に設けられてもよい。
【0172】
図6Aおよび
図6Bの全CPCとは対照的に、二次レンズ155、たとえば、フレネルレンズと結合される「短い」CPC153が、
図6Cに示されている。さらに図示され、本明細書において開示されているすべての実施形態に適用可能であるように、上述した側方バッフル構造159に加えて、迷光効果を低減するために、レンズ系内に垂直光バッフル構造157を含めることが望ましい場合がある。
【0173】
図6Cの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、
図6Bの実施形態のように、CPCレンズ149の側方サイズに関係付けられる。
【0174】
導光ユニットから光を抽出するためにレンズを使用する、別の透過モード幾何学的形状が、
図6Dに概略的に示されている。特に、接触光学素子は、導光ユニット43へと直に形成または成形されるレンズ構造161である。これによって、最終的なコリメーションのための二次レンズ構造163に結合することができる放出面が生成される。
【0175】
図6Dの実施形態における導光ユニット43の主前面55A上の光源領域の範囲に関して、これは、レンズ161の側方サイズ、および、その領域において光が導光体43を出ることによる
図6Bおよび
図6Dの実施形態と同様の誘発されるTIR条件の破綻に関係付けられる。したがって、レンズ161のサイズは本質的に、光源領域のサイズである。
【0176】
図6Dのものと関係付けられるいくつかの実施形態において、レンズ構造161と導光ユニット43との間の界面のサイズおよび形状は、特定的に選択することができる。たとえば、レンズよりも直径が小さい円筒体を、レンズを導光体(図示せず)に接続するために使用することができる。円筒体は、ある種の混合ロッドとして機能し、または、主に順方向において、レンズの入力である入射光の角度間隙を充填するように作用する散乱粒子を含み得る。
【0177】
本明細書において開示されている扇形の概念を参照すると、導光ユニット内部の伝播は、TIR角に近い狭い角度開口内であり得る。このとき、抽出光学素子に衝突する角分は、TIR角に近いその角度の周りに中心を置かれる。任意の一次光学素子の入力側に順方向散乱粒子を使用することによって、遠距離場と近接場の両方の光分布の充填が増大するであろう。導光ユニット内の双(またはより多くの)方向性の光伝播のために、抽出光学素子に衝突する角分は、両方の(またはより多い)の方向についてその角度の周りに中心を置かれ、それによって、一次光学素子(レンズおよびCPCレンズ)の入力開口がより広く充填され、したがって、遠距離場像をより均質にすることができることに留意されたい。
【0178】
当業者には明らかになるように、二次レンズ構造163のすぐ下流、および、一般にコリメート光放出領域の下流の照度分布は、可能な限り均一になり、それによって、コリメート光放出領域が観察者によって解像され得る場合に外観の均一性の望ましくない欠如が回避または少なくとも低減されるように設計されるべきである。
【0179】
図6Eおよび
図6Fは、隣接するコリメート素子間のクロストークを低減またはさらには回避するためにレンズアレイ構造に適用され得る場合の、バッフル構造165および167のさらなる実施態様を示す。
【0180】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、本開示のさらなる態様は、結果としてもたらされる指向性の高いビームの色変化に関する。たとえば、異なる色の一次光源の2つ以上のセットが、導光ユニットに結合され、外部電源(たとえば、配電線、または電池)によって給電される別個の電子ドライバまたはドライバチャネルによって操作される。
【0181】
図7Aに示す光源の例示的な実施形態は、導光ユニット43において2つの異なる色を混合するように構成されている。光は、2つのタイプの発光ユニット169A、169Bによって生成される。各タイプの発光ユニット169A、169Bは、電源173から電力を受け取る特定のドライバユニット171A、171Bによって操作される。導光ユニット43内で、光は、たとえば、二次光源「ディスク」と相互作用して、結果として個々の局在化光源領域を形成することができ、これによってサイズをより小さくし、より均質にすることができる。二次光源の色は、たとえば、増幅またはパルス幅変調によってドライバユニット171A、171Bの駆動条件を変更することによって調整することができる。一般に、この概念は、たとえば、色平衡または色設定を実施するために制御システムを介して制御可能である、3セット、4セット、5セット、6セット、またはより多くのセットの一次発光ユニットを含む、より多くのタイプ/セットの一次光源に拡張可能である。
【0182】
図7Aに関連して説明されている光源設計は、シミュレートされた直接太陽光をもたらすために使用することができる。光源は、上述したように、シミュレートされた直接太陽光および(拡散)天空光を同時に生成するために、レイリーのようなタイプの拡散器と組み合わせることができる。空間フィルタリング(可能性のある迷光を低減または吸収するための)、または、照明器具開口に対する法線に対してある角度で高強度ビームを方向付けるための、たとえば、コリメートユニット出力光がそのような方向の周りに中心を置かれる場合に、導光体出力窓に対する法線に対して主光ビーム伝播軸を傾けるための、(直接光を導波面に対する直角とは異なる角度において太陽光ビームを生成するために直接光を傾けるように構成されているプリズムシートまたは傾斜/ステアリング光学層のような)変向光学素子のような、追加の調整光学素子が、導光ユニットおよび/または拡散器の間に設けられてもよい。上述したように、照明器具全体の厚さは、たとえば、フレネルレンズ、またはフレネルレンズアレイの形態の、高指向性ビームのためのコリメート光学素子を使用すると、さらに低減することができる。
【0183】
図7Bにおいて、上記の色変更概念の同様の実施態様が、複数の導光ストリップ91を備える導光ユニットについて示されている。たとえば、各導光ストリップ91は、各端部においてLED169A’、169B’と端部結合することができる。しかしながら、LED169A’、169B’は、異なる発光色を有する。たとえば、LED169B’がアンバー発光である一方で、LED169A’は白色発光であってもよい。
【0184】
図7Bの例示的な実施形態において、白色/アンバーLED169A’、169B’の位置は、導光ストリップ91が照明器具の開口35にわたってレイアウトされているため、交互になっている。異なる色のLED169A’、169B’を駆動するために、別個のドライバユニット171A、171Bが使用され得る。その上、ドライバユニット171A、171Bは、下記にさらに説明するようにネットワーク接続することができるクロック/コントローラ175によって提供される情報に従って操作することができる。
【0185】
図7Aおよび
図7Bに示すように、発光ユニットは、照明器具の開口にわたる光強度の均一性を改善するために、導光ユニットの2つの対向する側面上に設けることができる。さらに、縁部結合光源に近接する望ましくない光強度の不均一性が見えるのを回避するために、発光面の開口部にベゼル(図示せず)が設けられてもよい。
【0186】
色混合をさらに例示するために、
図7Cは、発光照明器具開口35の小部分の上面図である。散乱および/または変換光(上述のような)を放出するための光源領域177が、短CPCレンズ181によって収集および方向転換される光線179A、179Bを受け入れる。光線179A、179Bは、異なる色のものであってもよい。たとえば、光線179Aは白色光分布であってもよく、光線179Bはアンバー分布であってもよい。追加の光源から追加の光線(図示せず)が加わってもよい。いくつかの光線は、ディスク内でその光源領域177に関係付けられる発光材料によって下方変換することができ、一方で、他の光線は、下方変換工程を経ずに、散乱され、または、短CPCレンズ181に方向転換されるであろう。光源の広範な組合せについて、ここでも例示的に表Iが参照される。
【0187】
以下において、照明器具の一実施形態を、上述した概念に基づいてより詳細に説明する。
【0188】
照明器具は、2インチ×4インチ照明開口をもたらすのに十分な面積を有する導光板(LGP)を備える。そのようなLGPは、今日、ディスプレイ産業について、液晶ディスプレイ(LCD)テレビおよびモニタのバックライトとして広く生産されている。LGPは、アクリルとしても知られているポリメチルメタクリレート(PMMA)から作成することができ、供給元は、Wooyoung、Radiant、Coretronic、Pontex、Kenmos、JinMinShang、GLT、Enplas、およびZeonのような企業を含む。アクリルは非常に一般的であるが、さらにはガラスなど、より強固な材料からLGPを作成することも可能である。しかしながら、LCD用途とは異なり、照明器具については、高密度の抽出機構はLGPに組み込まれず、代わりに、局在化光源領域が、LGPにわたって均質に分散される。ここで必要とされるサイズのLGPの一般的な厚さは3mmであり得るが、より薄い(約1mmまで)構成およびより厚い(3mm超)構成が実現可能であり得る。
【0189】
光源領域を生成するために、下方変換材料が、シリコーンのような適切な結合剤に混合され、周期的な間隔をおいて均一なサイズでLGP上に堆積される。たとえば、下方変換材料は、緑色/黄色および赤色発光蛍光体化合物の蛍光体粒子を含むディスクをLGP上に設けるために、施与またはインクジェット印刷されてもよい。ディスク径は、100μmを目標としてもよく、発光ユニットの発光方向におけるそれらのピッチは、5.8mmに設定されてもよく、結果として、20,000個を超えるディスクがLGP上に堆積される。代替的に、LGPは、上記パターンに従って一時的にマスキングされてもよく、蛍光体材料は、LGP上にスプレーコーティングされてもよい。マスクが除去された後、蛍光体材料が、適切な形状因子で残される。
図5Aにおいて説明した反射モード構成を参照すると、ディスクの厚さは、不透明になるように、一般的には10μmよりも大きく選択されてもよい。または、ディスクは、反射材料によって裏張りされる。
【0190】
図6Aにおいて説明した透過モードを参照すると、厚さは、外方への光結合を最適化するように、たとえば、10μm〜200μmの範囲内で選択される。様々な実施形態において、蛍光体粒子サイズ、ドーピングレベル、吸収特性、および結合剤内の充填密度が、収集される一次光と生成される二次(下方変換)光との相対比を決定する。比は、厚さ、側方延伸、一次光源の色混合、および下方変換のタイプのようなパラメータをそれぞれ選択することによって、照明器具の所望のスペクトル特性をもたらすように適切に調整することができる。
【0191】
光源領域に基づいて、多光源照明システムが形成される。特定のスペクトルを目標とする多光源照明システムの効率は、以下のように示すことができる。
【0193】
式中、f
iは、i番目の光源の光パワー部分であり、η
iは、i番目の光源のパワー変換効率である。下方変換光源について、効率は、蛍光体の量子効率η
ph、「量子欠損」(一般的にピーク波長の比として近似される、一次ポンプ重心光子エネルギーと下方変換スペクトルのエネルギーとの比)、および「パッケージ効率」と呼ばれることもある、変換と関連付けられる光学損失を考慮に入れなければならない(Krames他、IEEE J. Display Technol. 3、160−175、2007参照)。
【0194】
単一の下方変換器を励起する単一の一次光源の場合、効率は以下のように書くことができる。
【0196】
式中、η
pおよびf
pはそれぞれ一次ポンプ光源のパワー効率および光パワー部分であり、f
sは二次または下方変換光の標的光パワー部分であり、η
phは下方変換器の量子効率であり、λ
pおよびλ
sはそれぞれ一次発光スペクトルおよび二次発光スペクトルのピーク波長であり、η
oは、変換工程を介した他の光学損失を計上する。「蛍光白色」(4000K〜7000Kの色温度と相関する)を標的とする一般的なシステムについて、一次漏れ部分は約30%であり得、90%の一般的な蛍光体量子効率について、また、約10%の他の光学損失、それぞれ一次光源について450nmおよび下方変換器について560nmのピーク発光波長を仮定すると、η〜0.7η
pと推定することができる。光度に関連して、また、340lm/Woptの蛍光白色色温度のLEDベースのスペクトルの一般的なルーメン等量について、効率は、η〜240η
plm/Wにおいて推定することができる。すなわち、50%の一次光源効率について、下方変換損失を含む全体的な光源効率は、約120lm/Wであり得る。LGP/レンズアレイシステムの追加の光学損失および電子ドライバ損失(15%)は、照明器具効率を全体的により低くする。LGP/レンズアレイ損失が15%未満であり得る場合、照明器具全体の効率は85lm/Wを上回り得、それによって、たとえば、2インチ×4インチ商用屋内照明器具のDLC規格を満たす(DesignLights Consortium(商標)製品品質基準、表4:一次使用要件参照)。
【0197】
たとえば、発光ユニットによってLGPへと放出される光において少なくとも3000lmを得るために、また、上記でリストした光学損失を仮定すると、約30W以上の合計一次光源電力、または、約15以上の光学ワットが必要とされる。これは、30ワットクラスの高パワーLEDを使用することによって、容易に達成することができる。別の代替形態は、効率および寿命を増大させ、熱負荷を低減するために、高パワーLEDを低頻度駆動することである。たとえば、LGPのより薄い各縁部に沿って、LumiledsのLXZ1−PR01のような30個の高パワー青色発光LEDを結合光学素子とともに取り付けて、それらの一次光放出を実質的にLGPへと、および、LGP内で誘導するために必要な角度内で注入することができる(各々が約1/4光学ワットを出力する合計60個のLED)。LGPの他の2つの縁部に沿って、かつ各LEDの間に、特に導光ユニットが導光ストリップの組合せとして構成されていない場合に光漏れを回避するために、反射材料を施与することができる。
【0198】
コリメート光学素子について、たとえば、100μm径光源から2°のビームを生成するように設計されているCPCレンズアレイ、または、短CPC+フレネルレンズアレイ、または、TIRレンズアレイ、または、TIRレンズ+フレネルレンズアレイが、LGPに近接して取り付けるために形成または成形される。ディスク光源とフレネルレンズとの間の位置合わせは、光源領域をそれぞれのコリメート素子と光学的に結合するために実施される。
【0199】
例示的な透過モード幾何学的形状について、反射器が、LGPの上面(主後面)に近接して設けられ得る(または、低屈折率積層の場合は、LGPのその面の上に直に施与される)。上面では反射性であり得るが、底部では吸収性であり得るマスク層が、LGPの底面(主前面)に近接して取り付けられる(または、低屈折率積層の場合は、LGPのその面の上に直に施与される)。低屈折率層がディスクと同じ面上に設けられるべきである場合、ディスクが施与されることになる積層は除去され得る。
【0200】
上記の要素、ならびに、加えて色拡散層および(任意選択の)ビームステアリング光学素子は、固定ハウジングへと組み立てることができ、一次光源は、たとえば、配電線または電池システムによって給電される電子ドライバに接続される。
【0201】
一次光源が電源投入されると、それらの光は、下方変換ディスクにおいて二次光源に変換される。生成された二次光はその後、レンズアレイによって収集され、3000lmを超える、4000K〜7000Kの色温度の太陽のようなビーム(たとえば、約2°または4°の発散)を提供するために、色拡散層を通じてステアリング光学素子によってステアリングされ得る。その上、青空をエミュレートし、はるかにより高い色温度を有する拡散光が生成される。上述したシステムについて、合計照明器具厚さは、LGP厚さ(たとえば、3mm)、コリメートレンズ(全CPCでは242mm、または短CPC+フレネルの場合は約10mm〜15mm)、レイリーのようなタイプ拡散器(たとえば、数ミリメートル)、およびステアリング光学素子(数ミリメートル)によって決定される。要約すると、たとえば、短CPCレンズ+フレネルレンズ手法が利用される場合、合計照明器具厚さは50mm未満であり得る。
【0202】
以下において、照明器具の一実施形態を、上述した概念に基づいて、かつ色調整の概念を適用して、より詳細に説明する。
【0203】
夜間の高含量の青色光が人の概日系を混乱させ、がんおよび糖尿病の罹患率の増加、および睡眠パターンの混乱のような健康上の問題をもたらし得ることが分かっている(Stevens他「Meeting report: The role of environmental lighting and circadian disruption in cancer and other diseases」2007.Department of Neurology、Faculty Papers、http://jdc.jefferson.edu/neurologyfp/22参照)したがって、本明細書において開示されている照明器具のいくつかの実施形態において、たとえば、夜間の青色光の量を低減するために、出力スペクトルを調整することが可能であることが開示されている。
【0204】
一次青色光源(たとえば、上述した実施形態において使用される)に加えて、黄色またはアンバー発光LEDが、さらなる発光ユニットとして設けられる。たとえば、上述した青色発光LED(Lumileds製のLXZ1−PL02参照)と同じ形状因子を有するアンバー発光LEDが市販されている。アンバーLEDは他の一次光源とインタレースすることができ、それ自体の別個のドライバ電子回路またはチャネルを有することができる。
【0205】
図7Aおよび
図7Bに示すクロック/コントローラ175を参照すると、原色のビームが好ましい様式で変更され得るように、各LEDセットのドライバを制御するために、日時および/または季節クロック入力を提供することができる。コントローラは、有線ネットワークまたは無線(たとえば、WiFi、Zigby Radio、Bluetooth、Bluetooth LEなど)接続を含む、任意の数の手段によってインターネットに接続することができる。インターネット接続は、照明器具の光出力および色を適切に調整するのに必要な情報を提供することができる。たとえば、照明器具の場所(たとえば、GPS)に関する季節的な時期および時刻を提供することができる。照明器具の場所は、コントローラのハードウェア内に設置するときに、または、何らかの他のタイプの依頼によって設定することができる。
【0206】
たとえば、日中、一次青色発光光源がオンであり、アンバーLEDがオフである。夜、これは逆になる。観察される効果として、一次ビームが極めて温かい色温度を達成し、色拡散層によるアンバー光子の低減した散乱は、「青空」が「暗く」なることを意味するであろう。これらの効果の両方が、24時間周期の観点から、および、夜間の照明の標準設計原則から望ましい。
【0207】
アンバービームのルーメン出力は、日中に動作する「太陽」ビームと同様の高さになり得る。アンバーLEDは、下方変換ではなく、ディスク領域内に設けられる散乱蛍光体粒子および/または散乱機構を介して、二次ディスク光源と相互作用することができる。したがって、それらは、「昼モード」の場合の一次および下方変換光と同じように、コリメート光学素子によって収集される。
【0208】
たとえば、二次光源との相互作用を受けて月発光スペクトルを近似する第2の一次光源セットを選択することによって、月の存在を模倣するために同様の手法を使用することができることに留意されたい。照明器具は、提供されるクロック情報に基づいて適切なスクリプトを与えることによって、昼モードと夜モードとの間の任意の遷移パターンを有するように設計することができる。
【0209】
上記の実施形態は、まったく異なる光源の同時混合を使用し、その後、それぞれの出力光をコリメートする構成の例である。すなわち、本明細書において開示されている概念は、とりわけ、様々なエテンデュ、色、および強度の複数の光源を組み合わせ、それらの出力を均質化し、その出力を入力として、その後出力を単一の狭いビーム光に集束/コリメートする光学系(コリメート素子)にローカライズするように構成されている。
【0210】
言い換えれば、本明細書において開示されている概念は、発光面積が小さく(数平方ミリメートル以下)、発光立体角が大きい様々な光源を、発光面が大きく(100cm
2よりも大きい)、発光立体角が小さい均質化光源に変換する。小さい発光立体角とは、たとえば、8°(半値全幅)、たとえば4°未満、またはさらには2°未満である。大きい発光面は、たとえば、100cm
2よりも大きいものであり得、たとえば0.5m
2またはさらにはそれ以上であり得る。
【0211】
図4Mの文脈において一次光の導光ユニットへの結合について説明したように、本発明者らは、導光ユニット内のまたはその縁部における光学損失を低減するために、光抽出機構(光源領域をもたらす)に対して導光ユニットの表面積を低減することができることを認識した。
【0212】
図8Aに示すように、その目的のために、導光ユニットは、導光ストリップ91を備えることができる。そのような導光ストリップ91は、導光体材料よりも低い屈折率を有し、薄型導光ストリップを堅固に支持する大面積基板191(支持構造の一例として光源領域よりも大きい)に取り付けることができ、または、その上に形成することができる。これによって、TIR角度条件が変化し、誘導される角度分布構成が影響され得ることに留意されたい。代替的な実施形態において、特に、発光面55Bの場合、マウント構成を、いくつかの選択される局所点においてストリップ91に機械的に接続することができ、たとえば、反射構造を、接合点として構成することができる。機械的接続は、たとえば、選択領域において導光体を支持する一連の反射/金属平先ピンを含むピン取り付け構造によって実施することができる。それによって、接合部/ピンに応じた望ましくない抽出を防止または少なくとも低減することができる。さらに、ピンは、対向する(対立する)対にして取り付けることができ、それによって、ストリップがクランプ締めおよび保持される。
【0213】
たとえば、100μm径の光源領域57が導光ストリップ91に沿って5.8mmのピッチだけ直線的に変位すること、および、2°のビームを達成する目的を考慮すると、各導光ストリップ91は、断面積が3×3mm
2(またはそれ以下)であり得、照明器具の所望の長さ(またはそれ以上)にわたって延伸し得る。この幾何学的形状によって、損失の多い導光体縁面積の割合が、たとえば、上述した特定の例について約2倍だけ、本質的に低減する。また、導光体材料内の結合される光の全体的な平均光路長が低減される。それゆえ、導光体材料の内部吸収に起因する損失が低減する。
【0214】
図8B〜
図8Dを参照すると、一次光源およびコリメートユニットの例示的な構成が概略的に示されている。特に、
図8B〜
図8Dは、照明器具の様々な要素間の比、たとえば、光源領域(点として示す)のサイズ、線形ストリップ91(光源領域間のピッチに応じた距離、および、コリメート光放出領域、非発光領域の向きなど)を示している。
【0215】
一般に、発光ユニットは、導光ストリップ91のいずれかの端部に縁部結合することができる。
図4Mに示す代替形態も参照されたい。
図8Bおよび
図8Cの例示的な実施形態において、LED193は非カプセル化であり、光をそれぞれの導光ストリップ91に結合するために、屈折性CPCレンズ195を使用する。
図8Dの例示的な実施形態において、非カプセル化LED194が、導光ユニット43に突き合わせ結合される。
【0216】
光源領域57が、ピッチpをおいて各ストリップ91に沿って周期的に設けられている。しかしながら、光源領域57は、たとえば、半ピッチだけ、すなわち、2つの光源領域57の間の距離の半分だけ、隣接するストリップ91の間でシフトされてもよい。
【0217】
各光源領域57からの光は、それぞれの光源領域から現れる光を受け、それぞれのコリメート光放出領域からコリメート光を放出するコリメート素子によってコリメートされる。
【0218】
図8Bの例示的な実施形態を特に参照すると、コリメート光放出領域197は円形に成形されており、それぞれの光源領域57と同心に配置されている。したがって、光を発しない領域199は、光源の発光面上でコリメート光放出領域197の間に形成される。本明細書において、領域199は、非発光領域としても参照される。
【0219】
図8Cおよび
図8Dの例示的な実施形態を特に参照すると、コリメート光放出領域201は六角形に成形されており、それぞれの光源領域57と同心に配置されている。六角形の形状は、本質的に光を放出しない領域がない発光面の形成を可能にする。六角形の形状は、それぞれにカットされたレンズまたはそれぞれに形成されたCPCレンズであってもよい。コリメート光放出領域201の間に、コリメート素子の構造的実施態様に起因して光を放出しない小さい領域が残る場合があることに留意されたい。
【0220】
例示的な構成において、全ファンLEDが、
図4Eおよび
図8Dの構成と同様に小さい導光ストリップ91に突き合わせ結合される。そのような構成は、製造の観点から、効率が妥当に高いものであり得る単純な実施態様であり得る。たとえば、0.25mm×0.25mm LEDおよび断面が0.3mm×0.3mmの導光ストリップについて、約74.8%の出力がシミュレートされており、約24.8%がLED面において吸収され、約0.4%がPMMA導光体によって吸収された(LED面において20%の吸収を仮定している)。抽出は、直径100μm(光線が光源領域に当たるときに100%抽出されると仮定する)の光源領域において行われており、直線的に整列した光源領域間のピッチは、4°までのビーム発散を可能にする2.9mmであった。
【0221】
同様の例示的な実施形態において、全ファンLEDが、光学的ピラミッド構成によって、約60cm長で断面が0.3mm×0.3mmの小さい導光ストリップ91に結合されている。0.25mm×0.25mm LEDについて、エテンデュを考慮に入れて2°のビーム発散を可能にする光に対して約75.6%の出力がシミュレートされており、約23.7%がLED面において吸収され、約0.7%がPMMA導光体によって吸収された(LED面において80%の拡散反射を仮定している)。抽出は、直径100μm(光線が光源領域に当たるときに100%抽出されると仮定する)の光源領域において行われており、直線的に整列した光源領域間のピッチは、5.8mmであった。4°のビーム発散および2.9mmのそれぞれのピッチについて、約81.7%の出力がシミュレートされており、約17.9%がLED面において吸収され、約0.4%がPMMA導光体によって吸収された。導光体に沿って、光源領域のすぐ外側の照度分布は、2°構成について導光体の中心において70%までなど、許容範囲内で変化する。
【0222】
完全にするために、正方形形状のコリメート光放出領域61を示す
図3Aをも再び参照する。
図3Aにおいては、隣接するストリップ91上の光源領域の位置の間のシフトは示されていないが、特に、正方形形状は、追加の非発光領域を発光面に導入することなく、様々なシフトを選択することを可能にする。
【0223】
本明細書において開示されている概念に基づいて当業者には理解されるように、たとえば、各ストリップ91のいずれかの端部に異なる色を発する発光ユニットを有することによって、複数の色を提供することができる。代替的に、発光ユニットの色は、たとえば、ピッチが非常に狭いときは、通常の観察者条件では観察者によって肉眼で解像可能でないピッチを有する実施形態においては、ストリップ91ごとに変化し得る。いくつかの実施形態において、ストリップ91の幅Wを増大させることが可能な場合、ストリップ91あたりより多くの一次光源を追加することができる。
【0224】
図9A〜
図9Cは、より狭い扇形を導光ユニットに結合する概念を示す。一般に、より狭い扇形は、入力光中心方向の傾斜と組み合わせることができる。いくつかの構成において、より発散の少ないビームを入力として使用することによって、抽出効率を増大させることができることが分かっている。傾斜した扇形は、円錐形(すなわち、その入力光中心方向を中心として対称)または非対称(たとえば、導光ストリップの形状に適合される)であってもよい。抽出のために、主前/後面に直交する平面内の傾斜および扇形が、主に対象となると考えられ、以下の図面で概略的に示されている。
【0225】
図9Aは、たとえば、
図6Bまたは
図6Cのものと同様である、透過モード構成の扇形概念を示す。CPCレンズ203は、導光ユニット43に光学的に結合され、それによって、光源領域57を画定する。対向する両側からの導光ユニットへの結合を仮定すると、光源領域において、両側からの光にTIR条件の変化(幾何学的形状の変化によるTIR条件の局所的な破綻としての)が見られ、それによって、導光ユニット43から抽出される。
【0226】
図9Aにおいて、2つの逆伝播光部分205が示されている。扇形概念に起因して、導光ユニット43内の光は、入力光中心方向209を中心とした角度範囲207内で伝播方向を有するものと理解することができる。入力光中心方向209と導光ユニット43の中心軸211との間の傾斜は角度θによって示されており、これは一般に、導光ユニット面(パネル形状の導光ユニットの場合)または直線(ストリップ形状の導光ユニットの場合)に対する入力光中心方向209の角度を与える。
図9Aにおいて、同様に導光ユニット43の主前面55Aに対して制限された方向範囲を占める抽出光213がさらに示されており、光213の方向は、たとえば、第1のコリメーション光学素子(たとえば、
図6Dの実施形態)の後でそうであるように、上向きに強調されている。
【0227】
言い換えれば、扇形概念は、±10°、±5°、±4°、または±2°の範囲内の入力光の伝播方向の拡散のような、抽出光の指向性をもたらすことを可能にすることができる。その上、(中心軸に沿って伝播する光に対して行われるよりも)導光ユニットの主前面および/または主後面に対するTIR相互作用が増大することに起因して抽出面と相互作用する確率を増大させることなどによって、光抽出を最適化するために、本質的にTIR角まで導光ユニットに対する入力光中心方向209を変化させることができる。
【0228】
光伝播シミュレーションを使用して、1mm×1mm×61cmのPMMA導光ストリップを評価した。具体的には、導光ストリップは最初に、中心軸に沿って分散した結合CPCレンズ(0.8mm×0.8mmの結合面積が導光体内で広範囲の光伝播方向をもたらすものとして考慮された)を介してLEDから光を受け、2.9mmの抽出器ピッチにおいて100μmの直径を有する領域にわたって入射光の100%を抽出する抽出器において光を発すると仮定された。導光ストリップのPMMA吸収および反対側におけるLED再吸収に応じて、特に、導光ストリップの対向する側におけるLED再吸収について現実的な吸収値について、50%よりも高い出力結合効率がシミュレートされた。
【0229】
同じパラメータを考慮するが、(ストリップ方向に対して)42°の入力光中心方向を中心とした扇形形状の入力光分布の傾斜伝播および±5°の拡散をもたらすとき、光出力は、たとえば、約80%以上まで大きく増大することができる。下記に論じるように、光注入の傾斜方向に起因する導光ユニットの極端部における幾何学的損失を考慮する必要があり得ることに留意されたい。
【0230】
したがって、入力光扇形の「傾斜」伝播は、上述したように反射素子が抽出に使用されるときに、特に有利であり得る。
【0231】
図9Bおよび
図9Cは、たとえば、
図5Bまたは
図5Cのものと同様である、反射モード構成の扇形概念を示す。
図9Aと同様に、逆伝播光部分205が、光抽出のためにTIR条件の光を方向転換するために使用される、たとえば、対称な反射素子215の両側と相互作用することができる。
【0232】
図9Bにおいて、中心軸211の方向の周りに中心を置く扇形の使用が開示される。45°での反射を仮定すると、抽出光213は、本質的に主前面55Aに直角に抽出することができる。直角の抽出は、コリメーション光学素子の設計を単純化することができる。加えて、抽出光の効率的な収集はより小さい光学素子を必要とし得るため、狭い扇形は、再コリメートレンズの妥当なピッチをもたらすことができる。逆伝播光部分205に関する対称構成は、さらに、
図10A〜
図10Dに関連して説明するように、光源領域/コリメート光放出領域の太陽のような外観の規定を単純化することができる。
【0233】
一般に、反射抽出は、抽出光に対して何らかの指向性を強制することが可能である。これは特に、傾斜扇形構成とともに使用することができる。そのいくつかの態様が、
図9Cに示されている。
【0234】
導光体内部の「傾斜」伝播について、反射素子を抽出に使用することによって、より急峻な入射角を維持しながら、傾斜出力ビームをもたらすことができる。
図9Cに示すように、対称反射素子は、2つの面219A、219Bを備える。それらの面が主後面55Bに対して対称に延在すると仮定すると、それらの角度および傾斜角に応じて、抽出光213は、発散部分(
図9Aにあるような)または本質的に平行な部分(
図9Bにあるような)を含むことになる。
【0235】
面219A、219Bの傾斜角を違えることによって、抽出光213によって形成される太陽光模倣ビームの指向性を達成することができる。それによって、傾斜扇形構成を有することで、非傾斜扇形構成(
図9Cに面219B’によって示す)と比較して、面219Bに対するより急峻な入射角を保証することができる。したがって、傾斜扇形構成と、傾斜太陽ビーム模倣との組合せを、改善した反射条件および抽出光プロファイルの成形の下で実施することができる。
【0236】
同様に、逆伝播光部分205に異なる傾斜角および扇形範囲を与えることは、システムを調整するために使用することができる。
【0237】
光伝播シミュレーションを使用して、2mm×2mm×61cm PMMA導光ストリップについて、様々な角度範囲および伝播方向の傾斜扇形の抽出効率を評価した。具体的には、導光ストリップは、たとえば±5°、±4°、±3°の角度範囲においてTIR角に近い角度から光を受けると仮定された。98%の端部における仮定された反射率、および、約3mmの距離(ピッチ)において100%吸収する一連の1mm×1mm方形吸収体、ならびに、前述したような抽出機構について、最大75%およびそれ以上の光出力が計算された。
【0238】
完全にするために、傾斜扇形状況について、より大きい損失が導光ユニットの反対の端部において発生し得ることに留意されたい。
【0239】
本明細書において開示されているいくつかの実施形態において、蛍光体化合物または量子ドット構造のような下方変換素子が、より広いスペクトルを生成するために使用される。下方変換素子は、本質的に、それぞれのコリメート素子のための点光源として考えられ得ることに留意されたい。下方変換素子は、白色発光器として構成することができる。しかしながら、いくらかの発光は部分的に「誤った」方向に向かうため、すべての放出光が使用されなくてもよい。その失われる発光は、部分的に別の抽出機構へと誘導され得るか、または、バッフル構造に吸収され得る。
【0240】
特に側方純白反射材料を設けられるとき、蛍光体化合物は、5μm〜300μm、たとえば10μm〜100μmの範囲内の側方寸法および/または厚さを有する混合室として機能することができる。例としては、たとえば接着剤によってCPCレンズのPMMA材料に取り付けられるYAG蛍光体+結合剤または単層の粒状蛍光体化合物が挙げられる。
【0241】
反射抽出に関して、導光ユニット内からの光は、CPC/レンズ内または下方変換素子上に反射され得る。一例として、たとえば、導光ユニットへと延伸する反射プリズムを、導光ユニットの主後面上に形成することができる。知覚に必須の、反射素子の形状は、コリメート素子から遡及的に設計されるべきである。たとえば、形状は、太陽のような外観になるために円形であってもよい。反射構造はさらに、反射率を増大させるためにさらに鏡面コーティングされてもよく、または、より多くの光を、たとえば下方変換素子へと方向付けるために焦点面形状をもたらしてもよい。
【0242】
上記で示したように、たとえば、広域白色光一次光源を使用することに起因して下方変換を一切利用しない反射モード構成において、反射面の形状は、近接場および遠距離場におけるコリメート光放出面の外観に寄与し得る。本発明者らは、特に、導光ユニット内の逆伝播光の構成(たとえば
図9A〜
図9Cの文脈において論じたような)について、抽出機構の構成は、特に太陽光模倣のためにそれぞれの光源を使用するときに、この寄与を考慮すべきであることを認識した。
【0243】
図10A〜
図10Dに関連して、反射素子のそれぞれの形状を開示し、それぞれの近接場および遠距離場の分布のシミュレーションを説明する。
【0244】
図5Cおよび
図5Dの実施形態と同様に、
図10Aは、例示的に、光抽出のためにその主後面55B上に一連の反射プリズム221を設けられている導光ストリップ91を示す。導光ストリップ91は、1mm×1mm×61cmの寸法を有し、それぞれの側方結合面47においてCPCレンズ225を介して導光ストリップ91に結合されるLED223から光を受けることができる。
【0245】
反射プリズム221は、導光ストリップの中心軸に平行に進行する光成分を、本質的に、主前面55Aに対して直交する抽出方向222Aにおいて方向付けるために、100μmの側方寸法および45°の傾斜角を有することができる。隣接する反射プリズム間のピッチは、たとえば2.9mmである。
【0246】
シミュレーションにおいて、LED223は、導光ストリップ91を通過した(抽出されておらず、吸収されていない)光線が衝突するときにCPCレンズ225へのランバート発光器であり、80%反射器(拡散反射を実施する)であると考えられる。
【0247】
図10Bに示すように、反射プリズムは、側方から見たときに三角形の断面を有し、主前面55Aから、すなわち、それぞれのコリメート素子から見たときに円形の断面を有する反射器である。したがって、反射プリズム221の各反射面227A、227Bは、半楕円状面のような半円形状に成形され、それによって、それぞれのコリメート素子の入力側における半円に寄与する。
【0248】
コリメート素子の例は上述されており、それらの軸が、たとえば、反射プリズム221の軸229に整列されて配置された再コリメートCPCおよび/またはフレネルレンズの組合せを含む。様々な例示的な実施形態がCPCレンズ構成の文脈において開示されているが、当業者は、CPCレンズ構成がTIRレンズ構成に置き換わり得る実施形態を認識するであろう。
【0249】
再コリメートレンズの後の角度分布の形状は、コリメート素子によって見られるものとしての、抽出面の形状に応じて決まる。反射プリズム221が、投影において円形形状を呈するように「カット」されると、
図10Dに示すように、再コリメート後にほぼ円形の遠距離場分布231Bを得ることができる。
【0250】
周囲に逃がし、光源から発せられる光に寄与するために、反射プリズム221の湾曲した側面233によって光が偏向されるのを低減またはさらには回避するために、導光ストリップ91の面に隣接し、それぞれの結合CPCを包囲する吸収体を配置すべきである。
【0251】
単一の抽出機構の例示的な近接場分布231Aが、グレースケール強度値に基づいて
図10Cに示されている。スポットのサイズは3mm×3mm程度である。スポットは方形「画素」をほぼ完全に満たす。しかしながら、画素内の強度の変調は依然として存在する。3mm×3mm画素内で、光のないゾーンは一切ないように見える。
【0252】
第1のCPCの下流の二次再コリメートレンズ、または、単独の再コリメートレンズが、所望の狭い角度を得る。
【0253】
図10Dにおいて、たとえば、フレネルレンズの後の遠距離場231Bが示されている。遠距離場231Bは、たとえ、レンズの正確な焦点面にない抽出機構のわずかな焦点ぼけによって引き起こされ得る「リング」変調を呈する場合であっても、本質的に円形である。高い確実性で、輝度が十分に高い場合、「太陽」像のグレアのために変調は解像されない場合がある。
【0254】
光学系のシミュレーションによれば、LED反射が80%であり、0.7mm LED光源がCPCによってストリップに結合されている61cm×1mm×1mm導光ストリップについて、「方形」プリズム反射器の場合に出力は概ね80%であるとシミュレートされた(すなわち、CPCを介して結合された0.8mm LED光源よりもわずかに少ない)。「上から見たときに円形の」プリズム反射器では、出力は同様に、0.8mm光源条件よりもわずかに低い。
【0255】
主前面55Aの光源領域57および非光源領域59を参照すると、非光源領域59からの任意の望ましくない光束は、光源領域(57)から発する光束の約10%またはそれ以下、たとえば約5%またはそれ以下またはたとえば1%またはそれ以下であり得る。
【0256】
光束挙動は、導光ユニットの主前面のすぐ外側、すなわち、主前面の正面で、主前面に非常に近い、たとえば10μm以下の距離があるか、または、さらには主前面に接している表面(またはさらには光抽出に対してTIRフラストレーションを使用するもののような場合には仮想面)などで測定され得る。
【0257】
構造の可視性は、光束の大きさに完全に依存するものではないことに留意したい。たとえば、大きい角度の特定の角度範囲において極度に集中した非常に弱い光スポットも、照明器具において見るときには知覚可能なスポットをもたらし得、明るい白色スポットが「太陽」の外に見えるために、太陽模倣の歪みを生成する場合がある。したがって、非光源領域59の望ましくない光束は、高度に局在化したスポットまたは角度的に局在化したスポットを示さない場合がある。たとえば、望ましくない光束の変動は、光源領域の平均光束の平均的な、たとえば1%またはそれ以下の局所平均光束密度をもたらす程度を超えては変動しないものであり得る。
【0258】
下方変換素子を有する構成を参照すると、特に、下方変換素子をそれぞれのコリメート素子と整列することが必須である場合に、適切な整列が必要とされ得る。たとえば、下方変換素子は、入力側に、または、マイクロCPCレンズの入力面内に位置決めされる必要があり得る。
【0259】
一般に、コリメートユニットは、レンズアレイ構造、またはマイクロレンズアレイ構造および変位された大型レンズアレイ構造、またはCPCレンズ構造、または短CPCレンズ構造および変位された大型レンズアレイ構造(本明細書においては組合せCPCレンズとしても参照される)またはTIRレンズ構造であってもよい。特に、組合せCPCレンズ構造は、コリメーションユニットの厚さを低減することができる。マイクロCPCレンズの入力側は、たとえば、フレネルレンズのような大型二次レンズに対して30°の出力角度(外部、全)までコリメートされる光の点光源として作用することができる仮定できる。
【0260】
いくつかの実施形態において、(マイクロ)レンズまたはCPCレンズの間にバッフル構造が位置決めされてもよい。コリメート素子の材料は、隣接するPMMA構造間に側方空隙を有するPMMA構造であってもよい。レンズ、および一般的に光学素子、構造、および特にCPCレンズ構造は、印刷されてもよく、たとえば、プリントCPCアレイ構造またはプリントマイクロCPCアレイ構造であってもよい。
【0261】
CPCレンズの入力側は、50μm〜100μm CPC入口開口など、直径10μm〜200μmの範囲内のサイズにされてもよい。CPCレンズ、および一般に大型レンズの出力側は、0.5mm〜10mm、たとえば3mmまたは5mmのサイズにされてもよい。CPCレンズの角度開口を完全には満たさないCPCレンズの入力面における角度分布を仮定すると、出力遠距離場には孔が発生し得る。たとえば、導光体主前面に対する垂直入射光がなくなることに起因して、中央領域内に孔が生成され得る。
【0262】
一般に、第2の大型レンズの焦点距離は、コリメーションユニットの厚さの範囲内、たとえば、5mm〜100mmの範囲内、たとえば10mmまたは20mmであってもよい。
【0263】
いくつかの実施形態において、CPCレンズの導光ユニットに対する結合は、TIRフラストレーション結合または接着接合であってもよい。CPCレンズアレイおよび導光体ユニットの接触前に、導光体ユニットは、意図される接触位置に必要とされるよりも大きい孔を有する黒色層を設けられてもよい。その場合、CPCレンズの入力側は、サイズおよび位置、ならびに一般に、光源領域を規定することができる。
【0264】
一般に、コリメーションユニットのコリメート素子、および特に大型レンズは、コリメート光放出領域から発する傾斜光ビームをもたらすように構成することができる。たとえば、第2の大型レンズを、抽出機構、または、第1のレンズもしくは(マイクロ)CPCに対する軸外レンズとして構成してもよく、たとえば、フレネルレンズを軸外に配置してもよい。そのような、抽出機構またはCPCとフレネルレンズとの間の不整合は結果として、照明器具の開口の法線に対する約15°の傾きのような、導光体前面に垂直な伝播に対する所望の数度の範囲のコリメート光ビームの傾きをもたらすことができる。
【0265】
実質的に発光面にわたる均質な輝度分布に対応する均質な放出は、たとえば、観察者距離、構造のタイプおよびコリメート光放出領域のサイズに応じて決まる面積範囲にわたって理解されるべきであることに留意したい。一般に、均質な放出は、コリメート光放出領域を「可能な限り緊密に」配置することによって達成することができ、これはたとえば、光を2つの側などから導光ストリップに結合し、同様の量の光を各コリメート素子に結合することによって、導光ユニット内で本質的に一定である光強度をもたらす。その上、当業者であれば、実質的に均一な、たとえば、主前面全体の非光源領域にわたる規則的な格子構造のような実質的に規則的なパターンにおける光源領域を設けることができることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、光源領域は、導光ストリップに沿った長さに沿ってなど、少なくとも1つの寸法において規則的に設けることができる。
【0266】
いくつかの実施形態において、主前面は、いくつかの区画に分割することができ、光源領域は、主前面の区画に対して実質的に均一に、たとえば、実質的に規則的なパターンで設けることができる。たとえば、区画は、取り付け要件に起因するものであってもよく、区画間の遷移部は、フレーム要素によって被覆されてもよい。同様に、複数の光源が組み合わされてもよく、共通のもしくはそれぞれの色拡散層と相互作用してもよい。それらの区画を分離する構造的/取り付けフレーム(たとえば白色)について、区画間の距離、および、したがってそれらのサイズは、実施態様のタイプおよび観察者距離に応じて決まる(距離が長くなるほど、最小距離/サイズは大きくなる)。たとえば、屋内用途(大きな部屋向けではない)について、少なくとも1つの方向において側方延伸を有する区画サイズは、7cm以上の範囲内、たとえば、約20cmよりも大きくてもよい。周囲の設備が大規模である状況、たとえば、大きな部屋、または、さらには、たとえば、照明器具までの距離を5m〜10mにする屋外について、少なくとも1つの方向において側方延伸を有する区画サイズは、10cm以上の範囲内、たとえば、約30cmよりも大きくてもよい。
【0267】
LED発光面サイズを小さくすることによって、扇形放出の必要性を低減することができるが、小さいLED発光面サイズでは、導光体への効率的な結合はより困難になり得ることに、さらに留意されたい。
【0268】
その上、順方向散乱層または小角度散乱器のような均質化層を、様々な位置においてコリメートユニットに設けることができることに留意されたい。たとえば、CPCレンズの入力側に均質化層を設ける結果として、より均質な近接場および遠距離場をもたらすことができ、CPCレンズの出力側、または、第2の大型レンズ層、または、さらには色拡散層の上流もしくは下流に均質化層を設けることによって、発光をさらに平滑化することができる。それによって、たとえば、発光面の非発光領域によって生成されるものとして構造的特徴を、照明器具の開口の知覚において低減し、またはさらには回避することができる。
【0269】
一次光源から導光ユニットへの光の結合の態様に関して、本明細書において開示されている実施形態は、例示的に、隅照明導光ユニットに関し、特に、主前面および主後面を厚さ方向において接続する側方結合面において、一次光が提供される。しかしながら、代替的な結合構成が、主前面および/または主後面を使用してもよいことを、当業者は認識するであろう。たとえば、例として主前面または主後面のより広い範囲において導光ユニットに光を与えるために、側面発光LEDを使用してもよい。
【0270】
導光ユニットの態様に関して、本明細書において開示されている実施形態は、例示的に、特に屈折率構成のそれぞれの選択に起因して、内部全反射によって光を誘導することに関する。しかしながら、たとえば、少なくとも部分的にまたは区画ごとに導光ユニットに施与される反射層に基づく代替的な導光体構成が使用されてもよいことを、当業者は認識するであろう。
【0271】
以下では、様々な態様を要約する。本明細書において開示され、従属請求項において例示的に認められる、実現可能なさらなる発展および実施形態はそれぞれ、概要の節および以下において認められる態様に適用可能であることを当業者は理解するであろう。
【0272】
(態様)特に隅照明大面積照明器具のためのコリメート光を発するための光源であって、
主前面、主後面、および主前面と主後面とを厚さ方向において接続する少なくとも1つの側方結合面を有する導光ユニットであり、
導光ユニットは、主前面と主後面との間の内部全反射によって、少なくとも1つの側方結合面において受けられる光を誘導するように構成されており、
主前面は、光を通過させるための、等しい距離をおいて非光源領域にわたって分散されている複数の局在化光源領域を含み、
主前面の面積(および/または非光源領域の面積)に対する、複数の光源領域の面積の比は、20%以下、たとえば、16%もしくは15%以下、または、10%以下、たとえば、5%以下、たとえば、2%以下、たとえば、0.2%以下などの数パーセント以下である、導光ユニットと、
発光方向において少なくとも1つの結合面を通じて導光ユニットに光を放出するための複数の発光ユニットと、
主前面に沿って延伸し、複数の光源領域に光学的に結合されている複数のコリメート素子を備えるコリメーションユニットであり、各コリメート素子は、それぞれの光源領域から現れる光を受け、それぞれのコリメート光放出領域からコリメート光を放出するように構成されており、コリメート光放出領域は、光源の発光面を形成する、コリメーションユニットと
を備える、光源。
【0273】
(態様)導光ユニット(43)であって、
複数の導光ストリップ(91)を備え、導光ストリップはともに、導光ユニットのために、主前面(55A)、主後面(55B)、および主前面(55A)と主後面(55B)とを厚さ方向(d
T)において接続する少なくとも1つの側方結合面(47)を画定し、複数の導光ストリップ(91)の各導光ストリップ(91)は、
内部全反射によって、少なくとも1つの側方結合面(47)において受けられる光を誘導するように構成されており、
光を通過させるために、主前面(55A)に複数の局在化光源領域(57)を備え、光源領域(57)は、非光源領域(59)内で導光ストリップ(91)に沿って設けられる、導光ユニット(43)。
(態様)導光ユニットと、
少なくとも1つの結合面(47)のそれぞれの部分を通じて導光ユニット(91)に光を放出するための複数の発光ユニット(41)(本明細書に開示されているように構成および配置される)と
を備える、光源−導光ユニット。
【0274】
本発明の好ましい実施形態を本明細書において説明してきたが、添付の特許請求項の範囲から逸脱することなく、改善および修正を組み込むことができる。